JP3259815B2 - 物体の放射率及び温度の測定方法及び装置、並びに棒状放射源 - Google Patents
物体の放射率及び温度の測定方法及び装置、並びに棒状放射源Info
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放射率及び温度を、非接触且つ高速にて高精度にオンラ
イン測定可能とする物体の放射率及び温度測定方法及び
装置、並びにこれらの装置に使用される棒状放射源に関
する。
するには、放射温度計が用いられている。この放射温度
計は、測定対象物から放射される放射光を検出して温度
に換算するものであるが、その換算に当たっては放射率
を正しく設定する必要がある。従って、放射温度計によ
り物体の温度を測定する場合には、物体表面の放射率を
求めることが極めて重要である。
困難であるため反射率を測定し、次式に示すキルヒホッ
フの式を用いて放射率を求める方法が取られている。 反射率 + 放射率 = 1 反射率を測定する方法として以下に示す方法が一般的に
知られている。
89,No.1,1984」に示された反射率測定装置の模式図であ
る。図15において、21はレーザ、22は被測定物
体、23は光検出器アレイ、24はスキャナ、25はス
テッピングモータ、26はコンピュータである。
2にレーザ光を投射し、その反射光を半円状に複数並べ
た光検出器アレイ23で受光してスキャナ24により時
分割で測定し、更に、ステッピングモータ25により、
その半円の直径を軸に180゜回転させることにより被
測定物体22表面に対し斜めに入射されたレーザー光
の、半球状に反射する光の全成分を測定するものであ
る。
し処理する必要があるため測定に時間がかかり、さらに
測定装置と被測定物表面とのリフトオフが取れないた
め、オンライン測定器としては実用的ではない。また拡
散性の強い反射に対しては反射強度が弱くなり、反射率
の測定精度が悪くなるという問題もある。
surement and Analysis by JOHN C.STOVER,P140,1990
」に示された反射率測定装置の模式図である。以下、
各図において、先の図で示された物と同じ物には同じ符
号を付して説明を省略する。図16において、27はチ
ョッパ、28は積分球、29は鏡面反射成分検出器、3
0は拡散反射成分検出器、31はビームスプリッタであ
る。
リッタ31を介して被測定物体22に投射し、その反射
光を積分球30を介して受光する。鏡面反射(正反射)
成分は、鏡面反射成分検出器29で、拡散反射(乱反
射)成分は拡散反射成分検出器30で受光される。
ついて個々に測定している反射光を、積分球30を使っ
て集光し測定しているため全反射光を瞬時に測定でき
る。しかし、積分球30を被測定物表面に接触させる必
要があるため非接触に測定することができず、オンライ
ン計測には適さない。
率を測定し、温度を求める放射温度計として従来から種
々の方法が提案されている。
載された放射式温度測定装置の模式図である。図17に
おいて、32は放射検出ヘッド、33は半球形キャビテ
ィ、34は熱放射検出器、35は記憶演算装置である。
れた半球形キャビティ33と被測定物体22表面との距
離を2段階以上変化させて測定される検出器の出力と、
事前に放射率既知の物体を用いた測定により求めてある
放射率と距離との関係から放射率を求め、この求めた放
射率を用いて温度を測定する方法である。
に記載された放射式温度測定装置の模式図である。図1
8において、36は非球面レンズ、37はチョッパ、3
8はハーフミラー、39は光検出器、40はフィルタ、
41は集光レンズ、42は1次元CCD、43は増幅
器、44はサンプルホールド回路、45は演算器、46
は基準周波数発振器である。
表面にスポット光を斜めに入射し、その反射光の1次元
的な分布を1次元CCD42で測定することにより反射
率を求め、この反射率を用いて温度を求める方法であ
る。
記載された放射式温度測定装置の模式図である。図19
において、51は走査型放射温度計、52は放射熱源、
53はシャッタ、54は温度制御装置、55は演算装置
である。
熱源52から放射光を放射し、被測定物体22表面で反
射される放射光と測定対象からの放射光を走査形放射温
度計51によりその検出面を測定対象に対して所定角度
走査しながら測定し、測定された放射光と測定対象から
の放射光との差から反射光の強度を求め、この反射光の
強度、及び放射熱源52、走査形放射温度計51及び被
測定物体22の位置関係から測定対象での放射光の拡散
反射状態を求め、この拡散反射状態と放射熱源52の放
射光とから測定対象の反射率を求め、この反射率をもと
に測定対象の放射率を求め、この放射率から、測定対象
の温度を求めるものである。この方法では、前記特開平
5−209792号公報に記載された技術のように1点
から広がる反射光をレンズを用いて集光させる必要がな
く、広角な1次元反射分布の測定が可能となる。
号公報に記載された技術は、キャビティ内における多重
反射強度の距離による変化と事前に求めてある放射率と
の関係が常に一定であることを前提としている。しか
し、放射率が等しい物体でも物体の表面性状により半球
方向の反射強度分布は様々変化するため、この関係は表
面性状の異なる物体間で必ずしも一定とはならない。よ
って、測定対象毎に前記関係を事前に求める必要があり
実用的ではない。また、アライメントに敏感なため被測
定物の傾き変化に弱いという問題点を有する。
た技術は、反射光の拡散性が強い対象では反射光強度の
低下により測定誤差が拡大する。また、被測定物が傾く
と光軸が検出器とずれるため測定が困難となるという問
題点があり、オンライン測定には不向きである。更に、
測定した1次元反射率分布から反射率を求める過程で物
体表面の反射率分布に特定の近似式が成り立つことを前
提としているが、この近似が成立しない対象には適用で
きないといった問題点を有する。
技術は、点放射源を用いているため特開平5−2097
92号公報に記載された技術と同様に拡散成分の強度低
下による測定誤差の拡大や被測定物の傾き変化による光
軸ずれに弱いといった問題点を有する。
になされたもので、物体の反射率を、拡散反射強度の低
下と物体表面の傾き変化に左右されることなく高速且つ
高精度に測定することにより、物体の放射率及び温度の
オンライン測定を可能とする方法及び装置を提供するこ
とを目的とする。
する課題は、被測定物体表面から離れた位置に、被測定
物体表面に放射光を投射する棒状放射源を配置し、棒状
放射源と直角に交わる平面内における被測定物体の反射
強度分布を受光角を変えて測定し、測定された反射強度
分布から全反射強度を求め、別途測定により求めた棒状
放射源の放射強度と前記全反射強度から反射率を求め、
さらに求められた反射率からキルヒホッフの法則を用い
て放射率を求めることを特徴とする物体の放射率の測定
方法により解決される。
この方法により物体の放射率を求め、求めた放射率と被
測定対象物表面からの放射光の強さから物体の温度を求
めることを特徴とする物体の温度測定方法により解決さ
れる。
(1) 被測定物体表面から離れた位置に配置され、被測定
物体表面に放射光を投射する棒状放射源と、(2) 棒状放
射源と直角に交わる平面内における被測定物体の反射及
び放射強度分布を受光角を変えて測定する反射及び放射
強度分布測定手段と、(3) 棒状放射源の放射強度を測定
する検出器と、(4) 反射及び放射強度分布測定手段によ
り測定された反射強度と放射強度の和の分布及び放射強
度分布から全反射強度を求める全反射強度算出手段と、
(5) 測定された棒状放射源の放射強度と算出された全反
射強度から反射率を求める手段と、(6) 求められた反射
率から放射率を求める手段と、を有してなる物体の放射
率測定装置により実現される。
を測定する検出器を、反射及び放射強度分布測定手段と
同一とすることにより、安定した測定が可能となる。
て、放射光の正反射方向を走査角の範囲に含むように配
置された走査形光検出器を使用することもできる。
を遮断する遮光装置を設けることもできる。
射率測定装置により測定された放射率と、当該放射率測
定装置が有する反射及び放射強度分布測定手段によって
測定された放射光とから物体の温度を求める手段を有し
てなる物体の温度測定装置によって実現される。
求める手順を示したものである。まず、棒状放射源より
被測定物体に放射光を投射し、その反射光と被測定物体
自身からの放射光が一緒になったものの強度を測定して
その受光角毎の強度分布を測定する(反射+放射強度分
布測定)。
を投射しない状態で、被測定物体自身からの放射光の強
度を測定して、受光角毎の強度分布を求める(放射強度
分布測定)。一方、棒状放射源からの放射光の強度を測
定して求めておく(放射源強度測定)。そして、反射+
放射強度から放射強度を角度毎に引き算することにより
角度毎の反射強度(反射強度分布)を求める。
分し、全反射強度を求める。求めた全反射強度を放射源
強度で割ることにより反射率を求める。求めた反射率か
らキルヒホッフの法則(放射率+反射率=1)を用いて
放射率を求める。求めた放射率で測定した放射強度を補
正し、温度値に変換することにより真温度を求める。
らの放射光の反射強度に比して無視できるほど小さい場
合には、放射率の算定においては、放射強度分布をゼロ
と仮定して計算を行えばよい。
強調されることを模式的に示す図である。図2におい
て、1は被測定物体、2は反射+放射強度分布測定手段
である光検出器、3は棒状放射源である。図2以下にお
いては、従来技術で説明したものとは別の符号を使用
し、同じ物には同じ符号を付して、前出のものは説明を
省略する。本発明においては、図2に示すように、棒状
放射源3の長手方向のあらゆる部分から反射点に入射す
る光の反射成分が測定方向成分に積算されるため測定反
射強度が強くなり、測定感度が向上する。
場合の反射強度の分布の例を示す図である。図3におい
ては、鏡面性の反射成分と拡散性の反射成分が合成され
た反射特性が示されているが、同図に示されるように、
棒状放射源3の長さ(l)が長くなると拡散反射成分が
強調されるようになる。
測定物体が傾いても、棒状放射源3の長さ方向の他の部
分からの光が測定方向に反射するため、反射光が測定方
向から外れることがない。よって、棒状放射源3を用い
ることにより、点状の放射源を用いる場合に比して被測
定物体1の傾きの影響を少なくすることができる。
光の反射パターンは図4に示すような楕円体状になる。
そして、一般に入射角が変化すると、この楕円体の傾き
は変化するが形状は変化しない。スポット光による全反
射光量を測定するためには入射点を中心とした半球方向
全ての反射光量を測定する必要がある。ところが放射源
を棒状にすることにより半円方向の反射光量測定のみで
全反射光量が求まる。このため測定方向が1次元少なく
なり測定及び測定系が簡略化できる。この原理を図5を
用いて以下に説明する。
被測定物体上の視野の面積、AD は光検出器の面積、Ω
S は視野から見た光源の張る立体角、ΩD は視野からみ
た光検出器の張る立体角、Ωfvは光検出器から見た視野
の張る立体角、rs は光源と視野間の距離、rD は光検
出器と視野間の距離である。
角をθo、ψo、双方向反射分布関数をR=R(θi、
ψi;θo、ψo)と表す。ここにθは、視野の中心にお
ける被測定物体の法線と入射光、反射光のなす角を示
し、ψは、光源の中心、視野の中心及び、光検出器の中
心を通る平面と被測定物体表面が交わる線と、入射光、
反射光の被測定物体表面への投影成分がなす角を示す。
と、光源の単位立体角(dΩS )当たりの視野内での照
度dEfvは、 dEfv=LS ・dΩs 視野を面光源と見なしたときの視野の輝度dLfvは、 dLfv=R・dEfv ディテクタ面での照度dED は、 dED =dLfv・Ωfv 光源の単位立体角当たりのディテクタ検出光量dφD は dφD =AD ・dED =dLfv・Ωfv・AD =R・LS ・dΩs ・Afv・ΩD ここで、 Ωfv・AD =Afv・ΩD の関係式を用いた。
は光源面で積分して次式で表される。
ではRは一定であると仮定した。, また、(1) 式の積分
記号は、光源面での積分を表す。
ポット光の全反射光量を求める。光源を微小面光源と
し、その中でRは一定であると仮定すると単位立体角当
たりの反射光量φpsは φps=LS ・Afv・ΩD ・Ωs ・R 従って、全反射光量は半球面上で積分して、
上の積分を表す。次に、図6に示す棒状放射源による光
学系を考える。図6において、棒状放射源3の長さをX
L 、太さをXW とする。そして、θxwを視野から見た棒
状放射源3の太さの張る角、2ψXL/2を視野から見た棒
状放射源3の長さの張る角とする。
により、全反射光量Φrsを求める。(1) 式より
は
定で出射角で積分しているのに対し、(3)式、(4) 式で
は、ではψは入射角について、θoは反射角について積
分している点が異なる。すなわち、 R(θi、ψi;θo、ψo)≒R(θi、ψo;θo、ψi) の近似がそこでなされている。これは通常成立する。な
ぜならば、反射パターンはψ方向に等方性があるため、 R(θi、ψi;θo、ψo)=R(θi、θo、|ψi −ψ
o |) の関係があり、ψiとψoを入れ換えても、Rの値は変わ
らないからである。
る。つまり、棒状放射源を用いた反射成分の半円積分に
より点放射源を用いた反射成分の半球積分が求まる。
野を固定して、反射及び放射強度分布測定手段である光
検出器の位置を変えることにより反射角を変えて反射+
放射強度分布を測定したが、反射及び放射強度分布測定
手段として走査型光検出器を用いて被測定物体表面を走
査することによって反射角を変えて反射+放射強度分布
を測定することもできる。
る。しかし、前述のように、入射角が変化しても反射パ
ターンの傾きが変化するのみで反射パターンの形状その
ものは変化しないので、入射角が一定の場合と同じ考え
で、即ち図1に示される手順で測定が実施できる。
検出器で光源光量を測定することにより検出器の視野サ
イズ、視野の重なり、ディテクタ感度などの影響から解
放され、非常に安定な計測が可能であることを走査形光
検出器を用いた場合について説明する。
分値はΦrsは、走査型光検出器の視野の重なり、ディテ
クタ感度を考慮し、θXW=XW /rS を代入すると、す
ると以下の(5) 式になる。
数、Dはディテクタ感度を表す係数である。
ることにより光源輝度を求めた場合の計算式を図7によ
り説明する。図7において、ΩDSは、検出器から見た光
源が張る立体角、rDSは光源と検出器間の距離である。
ディテクタ面での単位立体角(dΩDS)当たりの照度dE
DSは、 dEDS=LS ・dΩDS 単位立体角当たりのディテクタ検出光量dφDSは、 dφDS=AD ・dEDS =LS ・dΩDS・AD AD ・Ωfv=ΩD ・Afvの関係式を用いて計算すると、
ディテクタ視野(立体角Ωfv)当たりの検出光量φ
DSは、
の張る角度である。(5) 式、(7) 式より反射率を求める
以下の式が求められる。
や光源の寸法に関するパラメータは一切ないので、安定
な計測が可能である。
説明する。
す図である。図8において、4は遮光装置、5は電源、
6は光検出器2の移動装置、7は増幅器、8は演算器、
9は棒状放射源3の放射強度を測定する光検出器、10
は遮光装置4のコントローラ、11は移動装置4のコン
トローラ、12はリレースイッチである。
定物体表面1と平行に配設し、棒状放射源3から被測定
物体1表面の反射光測定点に放射光を投射する。その放
射光を遮断する位置に遮光装置4を配設する。棒状放射
源3の中心でこれと直角に交わる平面内に移動装置6を
配置し、光検出器2が、反射光測定点を中心とした半円
の円周方向に移動可能なようにする。また棒状放射源3
を直接望める位置に、光検出器9を配置する。
御され、棒状放射源3からの放射光を被測定物体に投射
したり、遮ったりする。コントローラ11は、光検出器
2の移動装置6上での位置決めを行い、受光角度を制御
する。光検出器2、9からの信号は、リレースイッチ1
2で切り替えられて各々が増幅器7に入って増幅され、
演算器8で反射率、放射率、温度が求められる。
おいて、13はタイミングスイッチ、14はA/D変換
器、15はメモリ切換スイッチ、16はメモリ、17は
演算部である。
及び温度を測定する手順を説明する。まず遮光装置4を
開いた状態で光検出器2をθ=10〜170゜移動させ
ながら(反射光+放射光)の強さを測定する。測定信号
は、リレースイッチ12を介して増幅器7で増幅されて
演算器8に入力される。この信号は、光検出器2が予め
定められた角度にあるときに入力される角度毎のトリガ
信号に同期してA/D変換器14に入力されてA/D変
換され、メモリ切換スイッチ15を介してメモリAに記
憶される。θ=110゜付近では棒状放射源3の位置と
重なって測定不能となるため、その前後の角度で測定さ
れる(反射光+放射光)強度信号の中間値を用いて近似
する。
みの信号を光検出器2をθ=10〜170゜移動させな
がら測定して、演算器8のメモリBに記憶する。この場
合も、棒状放射源3の陰になって測定不能の領域の値
は、その前後の角度で測定される放射光強度の中間値を
用いて近似する。さらに光検出器9により測定される棒
状放射源の放射強度の信号を演算器8のメモリCに記憶
する。即ち、演算器8のメモリ切換スイッチ15は、切
換信号が光検出器9を選択しているときにはメモリC
を、切換信号が光検出器2を選択しており、かつ遮光装
置4が閉じているときはメモリBを、切換信号が光検出
器2を選択しており、かつ遮光装置4が開いているとき
はメモリAを選択するようになっている。
た時の検出信号(メモリA)から遮光装置4が閉じた時
の検出信号(メモリB)を各角度毎に差し引き、角度で
積分することより全反射強度を求める。さらに光検出器
9により測定される棒状熱源の放射強度(メモリC)と
求めた全反射強度から反射率を求め、キルヒホッフの式
から放射率を求める。被測定物体表面の放射強度(メモ
リB)の値に求めた放射率を使用して放射強度補正を行
い、温度値に変換し、真温度を求める。
電源をオン、オフさせることにより、放射光の被測定物
体1への投射をオン、オフしてもよい。
が十分に無視できるほど低温な被測定物体1の場合に
は、棒状放射源3より被測定物体1への放射光がない状
態で測定を行う必要が無く、放射光データをゼロとみな
して、放射光がある状態での測定データをそのまま使用
して反射率を求めればよい。
いるのは、オンライン測定の場合に、測定装置と被測定
物体が接触しないようにするためである。測定範囲を何
度から何度までに選ぶかは、被測定物体1の反射特性に
よって適宜決めればよい。被測定物体1が鏡面性の強い
反射特性を示す場合は、測定範囲は狭くてよいが、測定
ピッチを細かくする必要がある。反対に拡散性の強い反
射特性を示す場合は、測定範囲は広くする必要がある
が、測定ピッチは粗くてよい。
けず、光検出器2で棒状放射源3の放射強度を測定する
こともできる。この場合には、棒状放射源3が検出器2
の視野に入らない角度で、被測定物体1よりの(反射光
+放射光)を測定し、検出器2の視野が棒状放射源3で
完全に覆われる角度で、棒状放射源3の放射強度を測定
する。
示す図である。図10に示す装置においては、単独の光
検出器2を移動させる代わりに、10〜170°の範囲
に5°ピッチで複数の光検出器2を配置している。そし
て、スキャンリレースイッチ18により、各光検出器2
の信号を切り換えて増幅器に送っている。反射角が11
0°にあたる位置では、光検出器2の視野が棒状放射源
3で覆われるようになるので、この部分にあたる光検出
器2は、棒状放射源3の放射強度を測定するために使用
される。測定の手順は、図8に示した装置と同じであ
る。
を移動させる必要がないため測定が高速となる。光検出
器2の数、ピッチ及び配置する角度範囲は、被測定物体
1の拡散反射度を考慮して適宜決定される。即ち、鏡面
性の強い反射の場合、正反射方向を中心とした狭い角度
範囲に密に光検出器2を配置するのが適当であり、反対
に拡散性の強い反射の場合には、広い範囲に、光検出器
2を粗く配置するのが適当である。
示す図である。図11においては、図8、図10の光検
出器2の代わりに走査型光検出器2Aを使用している。
そして、走査型光検出器2Aは、棒状放射源3の中心を
通り棒状放射源3に垂直な面内で走査を行って(反射光
+放射光)を測定する。即ち、この面と被測定物体1の
交わる線が被測定線となる。
受光される光の反射角度が変化する。これは、図8、図
9の装置において光検出器2の移動又は切り換えに応じ
て受光される光の反射角が変化するのと等価である。測
定の手順については、図8に示した装置と同じである。
Aの走査範囲に棒状放射源3を設置すれば、走査型光検
出器2Aによって棒状放射源3の放射強度を直接測定す
ることができ、光検出器9を省くことができる。
り測定した亜鉛鍍金鋼板の反射パターンの一例を比較し
たものである。○印は図8に示す装置により、実線は図
11の装置により測定した結果である。同図に示すよう
に両者の反射パターンは良く一致していることから本発
明におけるどの装置構成においても高精度な反射率測定
が可能であることが分かる。
粗く放射率の異なる10種類の加熱された亜鉛鍍金鋼板
の温度を測定し、同時に測定した熱電対の測定値と比較
した結果を示す。同図に示すように測温精度は±3℃以
内であり拡散性の強い鋼板でも精度良く測定可能である
ことが分かる。
図である。図14において、61は石英棒、62はハロ
ゲン光源、63はハロゲンバルブ、64は金メッキミラ
ー、65はチョッパ、66はライトガイドである。石英
棒61の表面はショットブラストにより粗面に加工され
ており、#80(80番粗さ)とされている。ハロゲン
光源62は、赤外光の放射が可能な光源としてのハロゲ
ンバルブ63を有している。ハロゲンバルブ63の背面
には金メッキミラー64が設けられ、赤外光を効率よく
反射している。ハロゲンバルブ63の全面にはチョッパ
65が設けられ、光源を高速でオン・オフ可能としてい
る。
ガイド66を介して石英棒61の端面より石英棒61に
投射される。ライトガイド66は、石英製である。石英
棒61に入射した赤外光は、石英棒61の表面から放射
されるが、表面が粗面とされているために乱反射され、
指向性のない拡散光となって放射される。
うために、高速でオン・オフが可能となる。
ているので、複雑な装置の内部においても光を有効に導
くことができ、フレキシビリティに富んだ構成とするこ
とができる。
射率及び放射率を測定する放射源として棒状放射源を用
いることにより物体表面の拡散反射強度が強調され、且
つ物体表面の傾き変化の影響も受けにくくなるため物体
表面の放射率及び温度の測定精度が向上する。反射光量
の半円積分で半球積分と同等の測定を行うことができ、
半円積分で全反射光量が求まることから測定系が簡略化
され測定時間が短縮化される。さらに棒状放射源と走査
形放射光検出器の組み合わせにより高速且つ高精度な測
定が可能となる。
を示す図である。
ことを模式的に示す図である。
強度の分布の例を示す図である。
パターンを示す図である。
である。
る。
る。
ある。
た亜鉛鍍金鋼板の反射パターンの一例を比較して示した
図である。
した亜鉛鍍金鋼板の温度と、熱電対の測定値とを比較し
た結果を示す図である。
である。
る。
る。
る。
Claims (7)
- 【請求項1】 被測定物体表面から離れた位置に、被測
定物体表面に放射光を投射する棒状放射源を配置し、棒
状放射源と直角に交わる平面内における被測定物体の反
射強度分布を受光角を変えて測定し、測定された反射強
度分布から全反射強度を求め、別途測定により求めた棒
状放射源の放射強度と前記全反射強度から反射率を求
め、さらに求められた反射率からキルヒホッフの法則を
用いて放射率を求めることを特徴とする物体の放射率の
測定方法。 - 【請求項2】 請求項1に記載の方法により物体の放射
率を求め、求めた放射率と被測定対象物表面からの放射
光の強さから物体の温度を求めることを特徴とする物体
の温度測定方法。 - 【請求項3】 (1) 被測定物体表面から離れた位置に配
置され、被測定物体表面に放射光を投射する棒状放射源
と、(2) 棒状放射源と直角に交わる平面内における被測
定物体の反射及び放射強度分布を受光角を変えて測定す
る反射及び放射強度分布測定手段と、(3) 棒状放射源の
放射強度を測定する検出器と、(4) 反射及び放射強度分
布測定手段により測定された反射強度と放射強度の和の
分布及び放射強度分布から全反射強度を求める全反射強
度算出手段と、(5) 測定された棒状放射源の放射強度と
算出された全反射強度から反射率を求める手段と、(6)
求められた反射率から放射率を求める手段と、を有して
なる物体の放射率測定装置。 - 【請求項4】 棒状放射源の放射強度を測定する検出器
が、反射及び放射強度分布測定手段と同一である請求項
3に記載の物体の放射率測定装置。 - 【請求項5】 反射及び放射強度分布測定手段が、放射
光の正反射方向を走査角の範囲に含むように配置された
走査形光検出器を有してなる請求項3又は請求項4に記
載の物体の放射率測定装置。 - 【請求項6】 棒状放射源放射光の被測定物表面への放
射を遮断する遮光装置有することと特徴とする請求項3
ないし請求項5のいずれか1項に記載の物体の放射率測
定装置。 - 【請求項7】 請求項3ないし請求項6に記載の放射率
測定装置により測定された放射率と、当該放射率測定装
置が有する反射及び放射強度分布測定手段によって測定
された放射光とから物体の温度を求める手段を有してな
る物体の温度測定装置。
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JP29515595A JP3259815B2 (ja) | 1995-11-14 | 1995-11-14 | 物体の放射率及び温度の測定方法及び装置、並びに棒状放射源 |
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JP29515595A JP3259815B2 (ja) | 1995-11-14 | 1995-11-14 | 物体の放射率及び温度の測定方法及び装置、並びに棒状放射源 |
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JPH09138163A JPH09138163A (ja) | 1997-05-27 |
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JP29515595A Expired - Fee Related JP3259815B2 (ja) | 1995-11-14 | 1995-11-14 | 物体の放射率及び温度の測定方法及び装置、並びに棒状放射源 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3259815B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
1995
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