JP2005337785A - エリプソメータ、偏光状態取得方法および光強度取得方法 - Google Patents

エリプソメータ、偏光状態取得方法および光強度取得方法 Download PDF

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Abstract

【課題】エリプソメータの構成を簡素化しつつ偏光解析に利用される情報を精度良く取得する。
【解決手段】エリプソメータ1は、偏光光を基板9へと導く照射部3、および、基板9からの反射光を受光する受光部4を備え、受光部4は、反射光が入射するアナライザ41、アナライザ41を経由した光が入射する検出光学系42、および、検出光学系42を経由した光を受光する光センサ431を備える。エリプソメータ1では、アナライザ41の回転角度、および、検出光学系42の反射振幅比角に基づいて受光光の測定強度が補正されてアナライザ通過光の波長毎の補正強度が求められ、アナライザ通過光の補正強度に基づいてアナライザ41に入射する直前の光の波長毎の偏光状態が求められる。その結果、装置の構成を簡素化しつつ偏光解析に利用される情報を精度良く取得することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、対象物に偏光した光を照射して対象物からの光の偏光状態を取得する技術、および、回転する回転偏光素子から出射される光の強度を求める方法に関する。
従来より、半導体基板(以下、「基板」という。)上に形成される膜の厚さや光学定数等の測定にエリプソメータが利用されている。エリプソメータでは偏光した光を基板上に照射してその反射光の偏光状態を取得し、偏光解析を行うことにより各種測定を行う。このようなエリプソメータでは、対象物からの反射光を導く光学系や反射光を受光して偏光状態を取得する光検知器等、エリプソメータを構成する光学要素が反射光の偏光状態に与える影響を抑制するための様々な技術が提案されている。
例えば、特許文献1では、対象物から光検知器に至る光路上に光ファイバを設けることにより、光検知器の偏光特性による影響を抑制する技術が開示されている。また、偏光解消板等の素子を光路上に配置して光学要素が偏光状態に与える影響を抑制する技術も知られている。
特開昭62−266439号公報
ところで、特許文献1のエリプソメータでは、約1m〜10mあるいはそれ以上の長さの光ファイバが設けられるため、装置の構造が複雑化してしまう。また、光ファイバによる光量の減衰が大きく、測定に要する時間が増大してしまう。さらには、光ファイバに対する周囲の温度等の影響により、測定値の再現性や測定精度が低下する恐れもある。偏光解消板等の素子を利用する場合も同様に、エリプソメータの構成の複雑化、および、測定値の再現性や測定精度の低下といった問題がある。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、エリプソメータの構成を簡素化しつつ偏光解析に利用される情報を精度良く取得することを目的としている。
請求項1に記載の発明は、エリプソメータであって、偏光した光を対象物へと導く照射部と、前記対象物からの前記偏光した光の反射光が入射するとともに光軸方向を向く軸を中心として回転する検出側の回転偏光子と、前記回転偏光子を経由した光が入射する検出光学系と、前記検出光学系を経由した光を受光して前記光の強度を検出するセンサと、前記回転偏光子の回転角度、および、前記検出光学系の反射振幅比角に基づいて前記センサにより検出された前記強度を補正して前記回転偏光子を通過した直後の光の強度を求める演算部とを備える。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のエリプソメータであって、前記演算部が、所定の基準姿勢からの前記回転偏光子の回転角度をθ、前記検出光学系の反射振幅比角をΨdet、前記センサにより検出された前記強度をI(θ)とし、前記回転偏光子を通過した直後の光の強度I(θ)を、
Figure 2005337785
により求める。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のエリプソメータであって、前記対象物から前記センサに至る光路上において、前記回転偏光子と前記センサとの間にのみ光学素子が配置される。
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載のエリプソメータであって、前記検出光学系が分光素子を備え、前記演算部により前記回転偏光子を通過した直後の光の波長毎の強度が求められる。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のエリプソメータであって、前記分光素子が、回折格子型の分光素子である。
請求項6に記載の発明は、対象物に偏光した光を照射して前記対象物からの光の偏光状態を取得する偏光状態取得方法であって、対象物上に偏光した光を照射する照射工程と、前記対象物からの前記偏光した光の反射光を、光軸方向を向く軸を中心として回転する回転偏光子および検出光学系を介してセンサにより受光し、受光した光の強度を検出する検出工程と、前記回転偏光子の回転角度、および、前記検出光学系の反射振幅比角に基づいて前記センサにより検出された前記強度を補正して前記回転偏光子を通過した直後の光の強度を求める演算工程とを備える。
請求項7に記載の発明は、回転する回転偏光子を通過した直後の光の強度を求める光強度取得方法であって、回転偏光子の回転軸に沿って前記回転偏光子に入射した光を、前記回転偏光子から検出光学系を介してセンサにより受光して前記光の強度を検出する検出工程と、前記回転偏光子の回転角度、および、前記検出光学系の反射振幅比角に基づいて前記センサにより検出された前記強度を補正して前記回転偏光子を通過した直後の光の強度を求める演算工程とを備え、前記演算工程において、所定の基準姿勢からの前記回転偏光子の回転角度をθ、前記検出光学系の反射振幅比角をΨdet、前記センサにより検出された前記強度をI(θ)とし、前記回転偏光子を通過した直後の光の強度I(θ)が、
Figure 2005337785
により求められる。
本発明では、装置の構成を簡素化しつつ偏光解析に利用される情報を精度良く取得することができる。また、請求項2の発明では、偏光解析に利用される情報を容易に取得することができ、請求項3の発明では、偏光解析に利用される情報をより精度良く取得することができる。
請求項4の発明では、波長毎に異なる検出光学系の偏光特性の影響を受けることなく、回転偏光素子を通過した直後の光の波長毎の強度を取得することができる。また、請求項5の発明では、検出光学系が光の偏光状態に影響を与えやすい回折格子型の分光素子を備える場合であっても、偏光状態を精度良く検出することができる。
請求項7の発明では、回転偏光素子を通過した直後の光の強度を精度良く求めることができる。
図1は、本発明の一の実施の形態に係るエリプソメータ1の構成を示す図である。エリプソメータ1は、半導体基板9(以下、「基板9」という。)上に偏光した光を照射し、基板9からの反射光の偏光状態を測定して偏光解析を行う装置である。
エリプソメータ1は、基板9を支持するステージ2、ステージ2を図1中のX方向およびY方向に移動するステージ移動機構21、ステージ2を図1中のZ方向に昇降するステージ昇降機構24、偏光した光(以下、「偏光光」という。)を基板9上へと導く照射部3、基板9からの偏光光の反射光を受光する受光部4、並びに、これらの構成を制御する制御部5を備え、制御部5は、各種演算処理を行う演算部51、および、各種情報を記憶する記憶部52を備える。
ステージ移動機構21は、ステージ2をY方向に移動するY方向移動機構22、および、X方向に移動するX方向移動機構23を有する。Y方向移動機構22は、モータ221にボールねじ(図示省略)が接続された構成とされ、モータ221が回転することにより、X方向移動機構23がガイドレール222に沿って図1中のY方向に移動する。X方向移動機構23もY方向移動機構22と同様の構成となっており、モータ231が回転するとボールねじ(図示省略)によりステージ2がガイドレール232に沿ってX方向に移動する。
照射部3は、偏光解析用の光を出射する高輝度キセノン(Xe)ランプを有する光源部31、および、光源部31からの光が入射する偏光素子である(いわゆる、偏光子である)ポーラライザ32を備え、光源部31からの光はポーラライザ32により直線偏光とされて基板9上へと照射される。なお、光源部31は他の種類のランプ等により構成されてもよい。
受光部4は、基板9からの反射光が入射する回転する偏光素子である(いわゆる、回転検光子である)アナライザ41、表面がアルミニウム(Al)により形成された球面ミラー421および平板状のミラー422、レンズ423、並びに、分光器43を備える。アナライザ41は、基板9からの反射光の主光線に平行な光軸を有し、光軸方向を向く軸を中心として回転する。分光器43は、入射した光を波長毎(例えば、紫外線から近赤外線までの波長毎)に分光する回折格子型の光学素子である分光素子432、および、受光する位置毎の光の強度、すなわち、受光した光(以下、「受光光」という。)の波長毎の強度を検出する光センサ431を備える。
受光部4では、基板9からの反射光がアナライザ41を経由して球面ミラー421に入射し、ミラー422、レンズ423および分光素子432を経由して光センサ431により受光される。以下、アナライザ41を経由した光が入射する球面ミラー421、ミラー422、レンズ423および分光素子432をまとめて検出光学系42と称する。
エリプソメータ1では、これらの構成が制御部5により制御され、基板9により反射されてアナライザ41を通過した直後の光(以下、「アナライザ通過光」という。)の強度が求められる。なお、アナライザ41の各回転角度におけるアナライザ通過光の強度を取得することにより、アナライザ41に入射する直前の光の偏光状態(すなわち、p偏光成分とs偏光成分との振幅比角および位相差)が取得されることとなる。
図2は、エリプソメータ1の動作の流れを示す図である。エリプソメータ1により測定が行われる際には、まず、ステージ移動機構21およびステージ昇降機構24によりステージ2に支持される基板9の位置が調整され(ステップS11)、続いて、照射部3から基板9上に偏光光が照射される(ステップS12)。偏光光は基板9により反射され、受光部4では、基板9からの反射光がアナライザ41、球面ミラー421およびミラー422を介し、レンズ423により集光されて分光素子432へと導かれ、分光素子432により高い波長分解能にて分光されて光センサ431により受光される。光センサ431では、アナライザ41を回転させながら、アナライザ41の各回転角度における受光光の波長毎の強度が好感度に測定され、測定結果が制御部5へと出力される(ステップS13)。
ところで、エリプソメータ1では、アナライザ41を通過した光が検出光学系42を経由することにより、検出光学系42の偏光特性による影響を受けた状態で光センサ431により受光される。このため、光センサ431により検出された受光光の波長毎の強度(以下、「測定強度」という。)は、アナライザ通過光のその波長における強度とは異なるものになる。
図3〜図7は、基板9の反射特性(すなわち、基板に入射した光と、基板により反射された後の光とを比較した場合の偏光状態の変化)と波長との関係を示す図である。図3〜図7はそれぞれ、厚さ1nm(ナノメートル),10nm,50nm,100nm,500nmの酸化シリコン(SiO)の単層膜が表面に形成された基板9に対して、照射部3から入射角65度にて光を入射した場合の基板9の反射特性をシミュレーションにより求めた図である。
図3〜図7中の実線811〜815、並びに、実線821〜825はそれぞれ、基板9の理論上の(すなわち、アナライザ通過光に基づいて求めた場合の)反射振幅比角Ψ(度)および位相差Δ(度)を示し、破線831〜835、並びに、破線841〜845はそれぞれ、検出光学系42を経由した後の光をアナライザ通過光とみなして求めた場合の基板9の反射振幅比角Ψおよび位相差Δを示す。なお、破線831〜835、並びに、破線841〜845は、検出光学系42が球面ミラー421およびミラー422のみから構成されると仮定して行ったシミュレーションの結果であり、両ミラーへの光の入射角は30度としている。
図8は、シミュレーションに用いた球面ミラー421やミラー422を形成するアルミニウムの反射特性を示す図である。図8中の線801は、アルミニウムのミラーに対して入射角30度にて光を入射した場合の反射振幅比角をΨmirとしてtan(Ψmir)を示す。図8に示すように、ミラーに入射する光の波長が約800nmである場合には、tan(Ψmir)は約0.98となる。
このように、アナライザ通過光と検出光学系42を経由した後の光とでは、検出光学系42の偏光特性(ミラーの反射特性のみならず、光学素子を通過する場合の光の偏光状態の変化も含む。)により光の強度にずれが生じ、その結果、図3〜図7に示すように、求められる基板9の反射特性にもずれが生じる。特に、位相差Δが180度となる付近で比較的大きなずれが生じる。実際のエリプソメータ1では、検出光学系42が、球面ミラー421およびミラー422に加えてレンズ423および分光素子432を備えるため、検出光学系42の偏光特性による光の強度のずれは更に大きくなる。
ここで、p偏光成分の複素反射率がrpmir、s偏光成分の複素反射率がrsmirであるミラーにより振幅の大きさが1の直線偏光が反射された場合、反射光のp偏光成分Exおよびs偏光成分Eyは、直線偏光の振動方向とミラーの入射面とのなす角度をβ(度)、ミラーの反射振幅比角および位相差をΨmir(度),Δmir(度)として、数5により表される。ただし、数5の2行目以降のrpmir,rsmirは、位相差を分離した後の係数を示す。
Figure 2005337785
したがって、ミラーに入射する直線偏光の強度をIinとした場合の反射光の強度Ireは、数6により表すことができる。ここで、定数αは、数7により求められる定数である。
Figure 2005337785
Figure 2005337785
エリプソメータ1では、アナライザ41に入射する直前の光の偏光状態を精度良く求めるために、検出光学系42を数5の説明におけるミラーと仮定して、数5〜数7に示す関係に基づいて、検出光学系42による偏光状態の変化が補正される。エリプソメータ1では、アナライザ41の所定の基準姿勢からの回転角度をθ(度)、検出光学系42の波長毎の反射振幅比角をΨλdet(度)、受光光の波長毎の測定強度をI(θ)λとして、アナライザ通過光の波長毎の強度I(θ)λが、数8により求められる。
Figure 2005337785
ここで、検出光学系42の波長毎の反射振幅比角Ψλdetは、検出光学系42の構成要素である球面ミラー421、ミラー422、レンズ423および分光素子432のその波長における反射振幅比角をまとめたものであり、球面ミラー421、ミラー422、レンズ423および分光素子432のそれぞれの反射振幅比角をΨλ1〜Ψλ4とすると、数9により求められ、後述する方法により予め取得されて制御部5の記憶部52に記憶されている。
Figure 2005337785
また、アナライザ41の基準姿勢(すなわち、θが0度となる姿勢)とは、アナライザ41により直線偏光とされたアナライザ通過光の振動方向の向きと検出光学系42の基準面(例えば、折れ曲がった光軸を含む面)との成す角度が0度となるときの姿勢、すなわち、検出光学系42を1つの仮想的な反射面と捉えた場合の仮想的な入射面内にてアナライザ通過光が振動するときのアナライザ41の姿勢である。エリプソメータ1では、基板9からの反射光のp偏光成分を通過させるアナライザ41の姿勢が基準姿勢とされる。
なお、正確には数8の右辺は(1/αλ)倍(ただし、定数αλは、仮想面のs偏光成分の反射率をrsλとした場合、検出光学系42の反射振幅比角をΨλdetを用いて、数10により求められる定数である。)されるが、定数αλは最終的な測定結果には影響を与えないため、実際の演算では数8に示すようにαλは無視される。
Figure 2005337785
制御部5では、数8に示す関係が予め記憶部52に記憶されており、制御部5により取得されるアナライザ41の回転角度θ、および、予め記憶部52に記憶されている検出光学系42の波長毎の反射振幅比角Ψλdetに基づいて、光センサ431により検出された受光光の波長毎の測定強度I(θ)λが演算部51により補正され、アナライザ41の各回転角度におけるアナライザ通過光の波長毎の強度(以下、「補正強度」という。)I(θ)λが求められる(ステップS14)。
図9は、厚さ58nmの酸化シリコンの単層膜が表面に形成された基板9に、波長600nmの偏光光が入射した場合の受光光の測定強度とアナライザ通過光の補正強度とをアナライザ41の回転角度毎に比較して示す図である。図9中の実線851は、回転角度毎の受光光の測定強度を、θの全範囲における測定強度の平均値で割った値(以下、「相対測定強度」という。)を示す。破線852は、演算部51により受光光の測定強度が補正されて求められたアナライザ通過光の補正強度を、θの全範囲における補正強度の平均値で割った値(以下、「相対補正強度」という。)を示す。
エリプソメータ1では、演算部51により、アナライザ通過光の波長毎の補正強度I(θ)λ、あるいは、波長毎に求められた相対補正強度に基づいて(例えば、フーリエ変換することにより)アナライザ41に入射する直前の光の波長毎の偏光状態が求められ、基板9の波長毎の反射特性が求められる(ステップS15)。
図10は、演算部51により補正強度I(θ)λに基づいて求められた基板9の反射特性(すなわち、補正後の反射特性)と、仮に測定強度I(θ)λに基づいて求めた場合の基板9の反射特性(すなわち、補正前の反射特性)とを比較して示す図である。
図10中の実線861,862はそれぞれ、補正前の基板9の反射特性を表す反射振幅比角Ψおよび位相差Δを示し、破線863,864はそれぞれ、補正後の基板9の反射特性を表す反射振幅比角Ψおよび位相差Δを示す。例えば、光の波長が600nmである場合、補正前の反射振幅比角Ψおよび位相差Δはそれぞれ30.1度および106.4度であり、補正後の反射振幅比角Ψおよび位相差Δはそれぞれ27.8度および106.9度である。エリプソメータ1では、演算部51による補正により、検出光学系42による偏光状態の変化が補正されて基板9の反射特性が求められ、偏光解析が行われる。
なお、エリプソメータ1の演算部51では、受光光の波長毎の測定強度I(θ)λから求められた波長毎の相対測定強度をI(θ)λrelとして、波長毎の相対補正強度I(θ)λrelが数11により求められてもよく、この場合、相対補正強度I(θ)λrelに基づいて基板9の反射特性が求められる。
Figure 2005337785
また、エリプソメータ1では、検出光学系42の反射振幅比角Ψλdetを45度に近づけることにより、検出光学系42による偏光状態のずれを小さくして演算部51による補正量を小さくすることができる。
図11は、上述のアナライザ通過光の波長毎の補正強度I(θ)λの算出(ステップS14)に利用される検出光学系42の波長毎の反射振幅比角Ψλdetの取得作業を示す図である。反射振幅比角Ψλdetの取得作業は、通常、エリプソメータ1が製造されたときに行われる。
エリプソメータ1では、まず、既知の膜厚の単層膜が形成された基板9が準備され(ステップS21)、基板9とアナライザ41との間の光路上においてアナライザ41の直前に偏光子が所定の向き(通常、偏光子の偏光方向を基板9の入射面に対して45度だけ傾けた向き)で設置され(ステップS22)、アナライザ41に入射する光の振幅比角が全ての波長において同一とされる。ここで、アナライザ41に入射する光の振幅比角ψideが計算により求められる(ステップS23)。
次に、エリプソメータ1による測定が行われ、光センサ431により検出光学系42を通過した後の測定強度I(θ)λが取得され、検出光学系42を通過した後の光の振幅比角ψλmeasが求められる(ステップS24)。そして、振幅比角ψide,ψmeasに基づいて、検出光学系42の反射振幅比角Ψλdetが数12により求められる(ステップS25)。これにより、簡単に反射振幅比角Ψλdetを求めることができる。
Figure 2005337785
図12は、検出光学系42の反射振幅比角Ψλdetを示す図であり、図12中の線871は、検出光学系42の反射振幅比角Ψλdetと検出光学系42に入射する光の波長との関係を示す。エリプソメータ1では、上述の取得作業により取得された検出光学系42の反射振幅比角Ψλdetが、制御部5の記憶部52に記憶されてアナライザ通過光の補正強度I(θ)λの算出に利用される。
なお、エリプソメータ1では、既知の膜厚を有する基板について、受光光の測定強度I(θ)λから求めた振幅比角ψλmeasと、演算により求めたアナライザ41入射直前の光の振幅比角ψλiesとに基づいて、検出光学系42の反射振幅比角Ψλdetが数12により求められてもよい。
以上に説明したように、エリプソメータ1では、基板9から反射された光に対する検出光学系42の影響を抑制するための新たな光学要素(例えば、光ファイバや偏光解消板)が不要であるため、装置の構成を簡素化することができるとともに、周囲温度等の外的要因による装置構成への影響を軽減し、光センサ431により検出される測定強度の再現性を向上することができる。
エリプソメータ1では、アナライザ41と光センサ431との間に配置された検出光学系42による影響を補正してアナライザ通過光の補正強度を精度良く求めることができる。その結果、基板9からの反射光の偏光状態、すなわち、基板9の偏光解析に利用される情報を精度良く取得することができる。このとき、検出光学系42の反射振幅比角Ψλdetを予め取得しておき、数8に示す関係に基づいてアナライザ通過光の補正強度を求めることにより、偏光解析に利用される情報を容易に取得することができる。
エリプソメータ1は、基板9から光センサ431に至る光路上において、アナライザ41と光センサ431との間にのみ検出光学系42等の光学素子が配置されるため(すなわち、基板9とアナライザ41との間には光学素子が配置されない。)、基板9からの反射光が光センサ431に至るまでに経由する全ての光学素子(アナライザ41を除く。)の偏光特性による影響を補正することができ、偏光解析に利用される情報をより精度良く取得することができる。
エリプソメータ1では、演算部51により、検出光学系42の波長毎の反射振幅比角Ψλdetに基づいてアナライザ通過光の補正強度が求められるため、入射する光の波長毎に異なる検出光学系42の偏光特性の影響を受けることなく、アナライザ通過光の波長毎の補正強度を取得することができる。その結果、表面に多層膜が形成された基板についても、偏光解析に利用される情報を精度良く取得することができる。
また、エリプソメータ1は、検出光学系42の影響を精度良く補正することができるため、検出光学系42が光の偏光状態に影響を与えやすい回折格子型の分光素子432を備える場合であっても、アナライザ41に入射する直前の光の波長毎の偏光状態を精度良く検出することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
例えば、分光素子432は回折格子型の光学素子に限定される必要はなく、その他の様々なタイプの分光素子が用いられてもよい。また、照射部3の光源部31では、キセノン(Xe)ランプに代えて単波長の光ビームを出射する半導体レーザが設けられてもよく、この場合、受光部4では、分光器43に代えてフォトダイオード等が設けられる。
エリプソメータ1の受光部4は、基板9から光センサ431に至る光路上において、基板9とアナライザ41との間に光学素子が配置されない構成とされることが好ましいが、基板9とアナライザ41との間に光学素子が配置される場合であっても、上述のように受光光の測定強度の補正を行うことにより、補正を行わない場合に比べて基板9の反射特性を精度良く求めることができる。
基板9は、半導体基板に限定されず、例えば、液晶表示装置やその他のフラットパネル表示装置等に使用されるガラス基板であってもよい。さらに、エリプソメータ1による測定対象は、微細パターンが形成される基板以外の物に形成された膜であってもよい。
また、回転する回転偏光子を通過した直後の光の強度を数8に示す関係を用いて求める方法は、エリプソメータ以外の他の装置に利用することができる。
一の実施の形態に係るエリプソメータの構成を示す図である。 エリプソメータの動作の流れを示す図である。 基板の反射特性と入射光の波長との関係を示す図である。 基板の反射特性と入射光の波長との関係を示す図である。 基板の反射特性と入射光の波長との関係を示す図である。 基板の反射特性と入射光の波長との関係を示す図である。 基板の反射特性と入射光の波長との関係を示す図である。 アルミニウムミラーの反射特性を示す図である。 測定強度と補正強度とを比較して示す図である。 補正前後の検出光学系の偏光特性を比較して示す図である。 検出光学系の反射振幅比角の取得作業の流れを示す図である。 検出光学系の反射振幅比角と入射光の波長との関係を示す図である。
符号の説明
1 エリプソメータ
3 照射部
9 基板
41 アナライザ
42 検出光学系
51 演算部
431 光センサ
432 分光素子
S11〜S15,S21〜S25 ステップ

Claims (7)

  1. エリプソメータであって、
    偏光した光を対象物へと導く照射部と、
    前記対象物からの前記偏光した光の反射光が入射するとともに光軸方向を向く軸を中心として回転する検出側の回転偏光子と、
    前記回転偏光子を経由した光が入射する検出光学系と、
    前記検出光学系を経由した光を受光して前記光の強度を検出するセンサと、
    前記回転偏光子の回転角度、および、前記検出光学系の反射振幅比角に基づいて前記センサにより検出された前記強度を補正して前記回転偏光子を通過した直後の光の強度を求める演算部と、
    を備えることを特徴とするエリプソメータ。
  2. 請求項1に記載のエリプソメータであって、
    前記演算部が、所定の基準姿勢からの前記回転偏光子の回転角度をθ、前記検出光学系の反射振幅比角をΨdet、前記センサにより検出された前記強度をI(θ)とし、前記回転偏光子を通過した直後の光の強度I(θ)を、
    Figure 2005337785
    により求めることを特徴とするエリプソメータ。
  3. 請求項1または2に記載のエリプソメータであって、
    前記対象物から前記センサに至る光路上において、前記回転偏光子と前記センサとの間にのみ光学素子が配置されることを特徴とするエリプソメータ。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載のエリプソメータであって、
    前記検出光学系が分光素子を備え、
    前記演算部により前記回転偏光子を通過した直後の光の波長毎の強度が求められることを特徴とするエリプソメータ。
  5. 請求項4に記載のエリプソメータであって、
    前記分光素子が、回折格子型の分光素子であることを特徴とするエリプソメータ。
  6. 対象物に偏光した光を照射して前記対象物からの光の偏光状態を取得する偏光状態取得方法であって、
    対象物上に偏光した光を照射する照射工程と、
    前記対象物からの前記偏光した光の反射光を、光軸方向を向く軸を中心として回転する回転偏光子および検出光学系を介してセンサにより受光し、受光した光の強度を検出する検出工程と、
    前記回転偏光子の回転角度、および、前記検出光学系の反射振幅比角に基づいて前記センサにより検出された前記強度を補正して前記回転偏光子を通過した直後の光の強度を求める演算工程と、
    を備えることを特徴とする偏光状態取得方法。
  7. 回転する回転偏光子を通過した直後の光の強度を求める光強度取得方法であって、
    回転偏光子の回転軸に沿って前記回転偏光子に入射した光を、前記回転偏光子から検出光学系を介してセンサにより受光して前記光の強度を検出する検出工程と、
    前記回転偏光子の回転角度、および、前記検出光学系の反射振幅比角に基づいて前記センサにより検出された前記強度を補正して前記回転偏光子を通過した直後の光の強度を求める演算工程と、
    を備え、
    前記演算工程において、所定の基準姿勢からの前記回転偏光子の回転角度をθ、前記検出光学系の反射振幅比角をΨdet、前記センサにより検出された前記強度をI(θ)とし、前記回転偏光子を通過した直後の光の強度I(θ)が、
    Figure 2005337785
    により求められることを特徴とする光強度取得方法。
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WO2023171058A1 (ja) * 2022-03-08 2023-09-14 東レ株式会社 偏光評価装置

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