JPH1032113A - 磁気カードとその製造方法 - Google Patents

磁気カードとその製造方法

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JPH1032113A
JPH1032113A JP8187864A JP18786496A JPH1032113A JP H1032113 A JPH1032113 A JP H1032113A JP 8187864 A JP8187864 A JP 8187864A JP 18786496 A JP18786496 A JP 18786496A JP H1032113 A JPH1032113 A JP H1032113A
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JP
Japan
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magnetic
powder
magnetic card
manufacturing
card according
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Withdrawn
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JP8187864A
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English (en)
Inventor
Akio Hasebe
章雄 長谷部
Masayoshi Ishii
政義 石井
Etsuo Otsuki
悦夫 大槻
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Tokin Corp
Original Assignee
Tokin Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 特殊な磁気記録再生装置を用いずに,優れた
偽造防止効果を有する磁気カードとその製造方法を提供
する。 【解決手段】 磁気カード1は、磁性層3が一般式Rx
100-x-y y ( R はSmを必須成分として Yを含む希土
類元素の1種以上,T はCo主成分の遷移金属(Fe,Co,Ni)
の1種以上,M はSi,Ti,Al,Ga,V,Cr,Mn,Cu,Zr,Nb,Mo,P
d,Hf,Ta,W,Pt,Auの1種以上)で表され,x=16.0〜22.
0(at%),0 ≦y<30(at%)の範囲であり,酸素量が100 〜1
5000ppmの磁性粉末からなる磁性塗料か,又は前記組成
になるように組成の異なる2種以上の粉末を混合し,含
有される酸素量が100 〜15000ppmの磁性粉末からなる磁
性塗料により形成されている。磁気カード1の磁性層の
磁性粉末は、合金インゴット,焼結体,急冷薄帯及び還
元粉末の内の1種以上を用意し,水素処理後,粉砕を行
い,粉砕粉末に熱処理を施すことにより作製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,磁気カード及び磁
カードの製造方法に関し,特に,記録した所定の情報を
消去あるいは上書き等の書換えが困難もしくは不可能で
ある,偽造防止に優れた磁気カード及びその製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】乗車券,テレホンカード,プリペイドカ
ードなどの金券として利用されている磁気カード類は,
カードを利用する毎に所定の装置で,カードに設けられ
た磁気記録層に残金等の所定の情報を書き換えることに
より使用されている。これらのカードには,偽造防止の
策として,磁気記録層に保護層を設ける,あるいは磁気
記録層を多層にする,または使用毎にカードにパンチ穴
を開ける等の工夫が施されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが,磁気カード
の普及と共に,磁気カードの情報を再生,記録する装置
技術も発達し,磁気カードに記録した情報を容易に読み
取り,さらには情報を書き込むことまで可能となった。
具体的には,磁気記録カードの使用毎に,新しい情報を
含む全情報が,旧情報の上にオーバーライトされる形で
書き換えられるため,カードの情報を記録,再生する装
置があれば,容易に情報の書換えが行え,これにより,
カードの偽造が容易に行えることになり,近年磁気カー
ドの偽造が目だって増えてきた。
【0004】この原因として,磁性層の保磁力が2〜3
kOeと低いことにあると考えられる。つまり,保磁力
が低いと従来の磁気記録,再生装置で容易に情報の書換
えができ,カードの偽造が可能となる。
【0005】そこで,本発明の技術的課題は,かかる現
状に鑑み,情報の記録は容易に行えるが,記録した情報
の消去,書換えが困難(不可能)であるため,従来の様
な偽造を目的とした情報消去,書き込みが不可能である
磁気カードとその製造方法を提供することにある。
【0006】また,本発明の他の技術的課題は,従来の
ものと比較し,特殊な磁気記録再生装置を用いずに,優
れた偽造防止効果を有する磁気記録カードとその製造方
法を提供することにある。
【0007】更に,本発明の別の技術的課題は,保磁力
が高いため一度記録した情報の消去,書換えが困難又は
不可能である磁気カードとその製造方法を提供すること
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは,第一に初
期情報記録する際,長手方向に一箇所以上の未記録部分
を残し記録を行い,更にその後,順次新しい情報を記録
する際には,既存の情報を消去することなく,未記録部
分に新規情報を記録する方法を検討した。その結果,特
別な磁気記録,再生装置を用いる必要がなく,また,優
れた偽造防止効果を有する磁気記録方式および磁気記録
媒体とその製造方法を見いだし,既に提案している(特
願平6−143695号,国内優先権主張,特願平6−
320091号,参照)。更に,本発明者らは,調査を
継続した結果,より優れた偽造防止効果を有する磁気カ
ードおよびその製造方法を見いだし,本発明を成すに至
ったものである。
【0009】本発明の磁気カードにおいて,磁性層を形
成する磁性粉として,一般式,Rx100-x-y y (但
し,Rは,Smを必須成分としてYを含む希土類元素か
ら選択された少なくとも1種,Tは,Coを主成分とす
る遭移金属(Fe,Co,Ni)の内から選択された少
なくとも1種,Mは,Si,Ti,A1,Ga,V,C
r,Mn,Cu,Zr,Nb,Mo,Pd,Hf,T
a,W,Pt,及びAuの内少なくとも1種)で表さ
れ,Rの組成値xは16.0〜22.0,Mの組成値y
は0≦y<30(いずれもat%)の範囲であり,酸素
量が100〜15000ppmである磁性粉,あるいは
前記組成になるように組成の異なる2種以上の粉末を混
合し,含有される酸素量が100〜15000ppmで
ある混合粉末を使用している。
【0010】本発明において,磁気カードの偽造防止効
果をより向上させる手段としては,前記磁性粉の保磁力
をより高くすることが最も効果的である。前記磁性粉の
保磁力は,粉末粒径を小さくすることにより高くなるた
め,保磁力を高めるためには,磁性粉を粉砕する工程に
おいて,より細かくかつ工業的には効率よく粉砕するこ
とがキーポイントとなる。
【0011】本発明では,溶解法,液体急冷法,粉末冶
金法,または還元法により作製した合金あるいは合金粉
末に対し,液体窒素温度から200℃の温度範囲で水素
処理を施すことにより,合金あるいは合金粉末の粉砕性
を向上させ,その後の粉砕工程において,より粒径の小
さい粉末を短時間で得ることが可能となり,そのため,
磁性粉の保磁力が向上し,より偽造効果に優れた磁気カ
ードの提供が可能となることを見いだしたものである。
【0012】本発明の磁気カードは,より高保磁力で,
かつ着磁性に優れた特性を有するものである。
【0013】本発明における上記磁気カードの保磁力
は,記録情報の消去あるいは上書きが困難(不可能)で
あるために,3.5kOe以土で,かつ保磁力を有効に
発現するために保磁力の1/2以下の印加磁界で飽和磁
化の25%以上の磁化を有することが好ましい。
【0014】ここで,本発明における高保磁力でかつ着
磁性の良好な磁性粉としては,一般式,Rx 100-x-y
y (ただし,RはSmを必須成分としてYを含む希土
類元素から選択された少なくとも1種,Tは,Coを主
成分とする遷移金属(Fe,Co,Ni)の内から選択
された少なくとも1種,Mは,Si,Ti,A1,G
a,V,Cr,Mn,Cu,Zr,Nb,Mo,Pd,
Hf,Ta,W,PtおよびAuの内少なくとも1種)
で表され,Rの組成値xは16.0〜22.0,Mの組
成値yは0≦y<30(いずれもat%)の範囲であ
り,酸素量が10〜15000ppmである磁性粉,あ
るいは前記組成になるように組成の異なる2種以上の粉
末を混合し,含有される酸素量が10〜15000pp
mである混合粉末が適当である。本発明において,磁性
層を構成する磁性粉の製造方法としては,溶解法,液体
急冷法,粉末冶金法,還元法によつて得られた上記組成
の合金あるいは合金粉末を液体窒素温度から200℃の
温度範囲で水素処理した後,粉砕し,その後真空もしく
は不活性雰囲気下で600〜1100℃の温度で熱処理
を施し粉末を得る方法が適当である。または,組成の異
なる2種類以上の粉末を混合した混合粉末も適当であ
り,製造方法としては,合金あるいは合金粉末を上記と
同様の方法て水素処理した後,合金あるいは合金粉末を
上記組成になるように混合粉砕し,その後真空もしくは
不活性雰囲気下で600〜1100℃の温度で熱処理を
施し粉末を得る方法が適当である。
【0015】ここで,上記組成の限定理由は,一般式,
x 100-x-y y において,xが16.0at%以下
では,保磁力が低下し,22.0at%以上では磁化が
低下し好ましくないからであり,また,Mは30at%
以下であると保磁力の低下が見られ好ましくない。
【0016】また,酸素量の限定理由としては,酸素混
入により酸索がSmとSm2 3 化合物を形成するた
め,実際に磁性化合物を形成するSm値が減少し,酸素
量が15000ppm以上になると,Sm2 3 以外に
軟磁性相が出現し,保磁力の低下を招くことになる。ま
た酸素量が100ppm以下の粉末は工程上作製が困難
である。
【0017】また,水素処理が液体窒素温度以下では,
冷却コストが高く好ましくなく,200℃以上の温度で
は粉砕性の向土効果がほとんどみられず好ましくない。
【0018】また,本発明において,熱処理温度が60
0℃以下および1100℃以上の場合は,保磁力の低下
が起こり好ましくない。
【0019】また,基体上に形成される磁性層は,磁性
粉をバインダーと共に混練した磁性塗料を塗布乾燥する
ことにより形成される。
【0020】
【発明の実施の形態】以下,本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0021】(第1の実施の形態)純度99.0%以上
のSm,Coを溶解してSm19.2at%,Co8
0.8at%の組成の合金を作製した。その後,−19
0℃〜250℃の温度の水素雰囲気中で合金に水素処理
を施し,ボルテックスを用いて4時間粉砕を行った。得
られた粉末の平均粒径を下記表1に示した。更に,得ら
れた粉末に1000℃でAr雰囲気中15分間熱処理を
施し,室温まで急冷を行った。
【0022】熱処理後の粉末を,下記表2に示す割合で
樹脂,溶剤と混合し磁性塗料を作製した。得られた磁性
塗料を,ポリエチレンテレフタレート(PET)の基体
上に塗布厚さ20μmになるように塗工を行い,乾燥し
基体上に磁性層を形成した。得られた磁気カードの磁気
特性を振動試料型磁力計(V.S.M)を用いて測定し
た。その結果を下記表1に示す。尚,比較例として,本
発明と同組成の合金を,水素処理を行わず,粗粉砕をし
た後,ボルテックスで4時間粉砕して得られた粉末を,
第1の実施の形態と同条件で熱処理した粉末の結果も下
記表1に示した。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】上記表1に示すように,比較例と比較し
て,水素処理温度−190〜200℃で粉砕粒径が小さ
く,かつ磁気特性が良好な結果が得られた。
【0026】さらに各カードに対し,従来のリーダライ
タ(記録磁界,5kG)を用い,FM方式で記録し,再
生を行ったところ,いずれのカードでも良好な記録信号
が検出された。次に,この磁気ヘッドを用い記録信号の
消去を行ったところ,いずれのカードでも,記録信号は
消去前の50%以上の出力で残留し消去され難かった。
しかし,水素処理温度250と比較例の試料のカードで
は,他のカードと比較して,記録信号の残留率は約10
%低下した。
【0027】また,これは溶解法だけにかかわらず,液
体急冷法,粉末冶金法,還元法を用いて作製した合金あ
るいは合金粉末においても同様の結果となった。
【0028】(第2の実施の形態)純度99.0%以上
のSm,Co,添加元素を溶解して下記表3に示す組成
の合金を作製し,第1の実施の形態と同様の方法で,水
素吸蔵,粉砕,熱処理,そして磁性層を形成した磁気カ
ードを作製した。得られた磁気カードの磁気特性をV.
S.Mを用いて測定した。結果を表3に示した。
【0029】
【表3】
【0030】上記表3に示した元素を添加した場合でも
良好な結果が得られた。さらに,第5の実施の形態と同
様の方法で,各カードに記録を施し,消去を行ったとこ
ろ,全てのカードにおいて記録信号が消去前の50%以
上の出力で残留し消去され難かった。
【0031】尚,添加元素を,2種類以上添加しても,
良好な結果が得られることは容易に推測される。
【0032】(第3の実施の形態)図1は,本発明の第
1の実施例の形態による磁気カードの部分断面図であ
る。図1に示すように,この磁気カード1は,乗車券,
テレホンカード,あるいはプリペイドカードなどの金券
として利用されている。この,磁気カード1はポリエチ
レンテレフタレート(PET)樹脂からなる基体2の主
面上に,磁性塗料を塗布することによって磁性層3を形
成し,さらにその上に必要に応じて保護層4を形成した
ものである。
【0033】図2は,図1の磁気カードの磁気記録方法
を説明するための磁性層3の面からみた平面図である。
図2に示すように,磁気カード1の磁性層3には磁気カ
ード1の長手方向での両端間にのびたストライプ状の情
報記録層5が設けられている。情報記録領域5は,図2
では便宜のため明瞭に黙視でき得るように記載したが,
実際には黙視できない形態で設けられることが望まし
い。また,情報記録領域5には,初期情報としての情報
を,長手方向に隣接した複数の記録の集まりとして磁気
的に記録しておく。従って,情報記録領域5の情報を既
に記録している部分は斜線(ハッチング)を施して示し
た。
【0034】情報記録領域5には長手方向に隣接して既
存の情報領域51と未記録部分の情報領域52とが設け
られている。既存の情報領域51には,固定情報を記録
しておく。磁気カード1を使用する毎に,順次新しい情
報を記録する際には,既存の情報領域51の記録情報を
消去することなく,未記録部分の情報記録領域52に新
規情報を記録する。尚,ここで一旦記録された未記録部
分の情報領域52の可変情報の書換えは困難であるが,
複数の記録のうち,選ばれた記録を磁気的に消去するこ
とのみによって行う。この場合,磁気記録・再生装置に
よって,既存の固定情報及び可変情報を読み込み,処理
回路により既存の固定情報を参照して可変情報に所定の
処理を施した後,磁気記録・再生装置により未記録部分
の情報領域52から複数の記録のうち,選ばれた記録を
磁気的に消去することで可変情報の書換えを行うことが
できる。
【0035】次に,磁気カード1の磁性層3を形成する
ための磁性粉末について説明する。純度99.0%以上
のSm,Coを溶解して下記表4に示す組成の合金を作
製し,室温で水素吸蔵を行い,得られた粉末をボルテッ
クスを用いて微粉砕を行い,平均粒径が1.5〜3.0
μmの粉末を得た。さらに得られた粉末に1000℃で
Ar雰囲気中15分間熱処理を施し,室温まで急冷を行
った。
【0036】熱処理後の粉末を次の表5に示す割合で樹
脂,溶剤と混合し磁性塗料を作製した。
【0037】得られた磁性塗料を,ポリエチレンテレフ
タレート(PET)の基体上に塗布厚さ20μmになる
ように塗工を行い,乾燥し基体上に磁性層を形成した。
得られた磁気カードの磁気特性を振動試料型磁力計
(V.S.M)を用いて測定した。結果を下記表4,図
3に示す。Sm値16.0at%以上,22.0at%
以下で,また酸素量が15000ppm以下で保磁力が
大きく,かつ着磁性の良好な結果が得られた。
【0038】さらに各カードに対し,従来のリーダライ
タ(記録磁界,5KG)を用い,FM方式で記録し,再
生を行ったところ,Sm値22.9at%,または酸素
量が15000ppm以上の磁性粉を用いたカードで
は,記録信号出力が小さく,検出が困難であったが,そ
れ以外のカードでは,良好な記録信号が検出され,記録
がなされていた。次に,この磁気ヘッドを用い記録信号
の消去を行ったところ,Sm値15.1at%と22.
9at%と酸素量が15000ppm以上の磁性粉を用
いたカードでは,記録信号が消去前の10%以下の出力
に減衰し消去され易く,その他のカードでは,記録信号
が消去前の50%以上の出力で残留し消去され難かっ
た。
【0039】また,これはインゴットだけにかかわら
ず,急冷粉末,焼結体,RD粉末においても同様の結果
となった。
【0040】以上のことから,Sm値16.0〜22.
0at%で酸素量が15000ppm以下の磁性粉を用
いたカードで良好な結果が得られた。
【0041】
【表4】
【0042】
【表5】
【0043】(第4の実施の形態)次に,第3の実施の
形態の結果を参考にして,純度99.0%以上のSm,
Coと純度99.0%以上の添加元素,各1種類を溶解
して下記表6に示す組成の合金を作製し,第3の実施の
形態と同様の方法で水素吸蔵,粉砕,熱処理を行い,第
3の実施の実施と同様の方法で,磁性層を形成した磁気
カードを作製した。磁気カードの磁気特性を振動試料型
磁力計(V.S.M)を用いて測定した。結果を下記表
7に示す。添加元素を添加しても良好な結果が得られ
た。さらに,第3の実施の形態と同様の方法で,各カー
ドに記録を施し,消去を行ったところ,全てのカードと
も記録信号が消去前の50%以上の出力で残留し消去さ
れ難かった。
【0044】また,これはインゴットだけにかかわら
ず,急冷粉末,焼結体,RD粉末においても同様の結果
となった。
【0045】以上のことより,第3の実施の形態におけ
る2元系でも良好な結果が得られていたが,さらに添加
元素,各1種類を添加しても良好な結果が得られた。
【0046】
【表6】
【0047】
【表7】
【0048】(第5の実施の形態)前述した第4の実施
の形態において,純度99.0%以上のSm,Coと純
度99.0%以上のAl,Siを溶解して下記表5に示
す組成の合金を作製し,第3の実施の形態と同様の方法
で水素吸蔵,粉砕,熱処理を行い,第3の実施の形態と
同様の方法で,磁性層を形成した磁気カードを作製し
た。磁気カードの磁気特性を振動試料型磁力計(V.
S.M)を用いて測定した。結果を下記表8,図4に示
す。Al,Siを30at%以上,添加した磁性粉末は
保磁力の低下が見られた。0〜30at%添加した磁性
粉末は,良好な結果が得られた。さらに第1の実施の形
態と同様の方法で,各カードに記録を施し,消去を行っ
たところ,Al,Siを30at%以上の磁性粉を用い
たカードでは,記録信号が消去前の10%以下の出力に
減衰し消去され易く,その他のカードでは,記録信号が
消去前の50%以上の出力で残留し消去され難かった。
【0049】以上のことから,Al,Siを0〜30a
t%の磁性粉を用いたカードで良好な結果が得られた。
【0050】
【表8】
【0051】(第6の実施の形態)第5の実施の形態に
おいてSm19.1Co68.7Al12.2組成の粉末を1000
℃で熱処理を施した磁性粉を用い第3の実施の形態と同
様の方法で作製した磁性塗料を,PET基体上に塗布し
た後,カード面と平行に,0〜10kOeの磁界を印加
し磁性分を配向し,その後,乾燥し基体上に磁性層を形
成した磁気カードを得た。得られた磁気カードの磁気特
性をVSMを用い配向方向と平行に磁界を印可し測定し
た。その結果,配向処理を施すことにより,保磁力は低
下せず着磁性が最大6%程度良くなった。
【0052】以上のことより,磁性粉末を用い,磁性分
を形成する際,配向処理を施しても特性劣化は見られず
良好な結果が得られた。
【0053】
【発明の効果】以上,説明した通り,本発明では,保磁
力3.5kOe以上でかつ保磁力の1/2以下の印加磁
界で飽和磁化の25%以上の磁化を有する磁性層が,情
報の記録は容易に行えるが,記録した情報の消去,書換
えが困難又は不可能であることに着目したもので,磁気
記録媒体の面内長手方向に磁気記録をする方法におい
て,第一に初期情報記録する際,長手方向に一箇所以上
の未記録部分を残し記録を行い,更にその後,順次新し
い情報を記録する際には,既存の情報を消去することな
く,未記録部分に新規情報を記録することができる。従
って,本発明によれば,情報の記録は容易に行えるが,
記録した情報の消去,書換えが困難又は不可能であるた
め,偽造を目的とした情報消去,書き込みが不可能であ
る磁気記録用カードが得られる。
【0054】従って,本発明は工業上極めて有益であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第3の実施の形態による磁気カードを
示す部分断面図である。
【図2】図1の磁気カードへの磁気記録方法の説明に供
せられる平面図である。
【図3】図1の磁気カードの磁気特性を示す図である。
【図4】本発明の第3の実施の携帯による磁気カードの
磁気特性を示す図である。
【符号の説明】
1 磁気カード 2 基体 3 磁性層 4 保護層 5 情報記録領域 51 既存の情報領域 52 未記録部分の情報記録領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G11B 5/80 G11B 5/80 5/842 5/842 Z H01F 1/047 H01F 1/06 J

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気カードにおいて,磁性層が,一般
    式,Rx 100-x-y y (但し,Rは,Smを必須成分
    としてYを含む希土類元素から選択された少なくとも1
    種,Tは,Coを主成分とする遷移金属(Fe,Co,
    Ni)の内から選択された少なくとも1種,Mは,S
    i,Ti,A1,Ga,V,Cr,Mn,Cu,Zr,
    Nb,Mo,Pd,Hf,Ta,W,Pt,およびAu
    の内少なくとも1種)で表され,Rの組成値x16.0
    〜22.O,Mの組成値yは0≦y<30(いずれもa
    t%)の範囲であり,酸素量が100〜15000pp
    mである磁性粉末からなる磁性塗料か,あるいは前記組
    成になるように組成の異なる2種以上の粉末を混合し,
    含有される酸素量が100〜15000ppmである磁
    性粉末からなる磁性塗料により形成されていることを特
    徴とする磁気カード。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の磁気カードにおいて,前
    記磁性層は,少なくともその構成粒子が一方向に配向し
    ていることを特徴とする磁気カード。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の磁気カードにおい
    て,前記磁性粉末は,合金インゴット,焼結体,急冷薄
    帯及び還元粉末の内の少なくとも一種を水素処理後粉砕
    を行い,粉砕粉末に熱処理を施すことにより得られる処
    理粉末であることを特徴とする磁気カード。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の磁気カードの製造方法に
    おいて,前記急冷薄帯は,R,TおよびMを融解した溶
    湯を50℃/秒以上の速度で急冷することによって作製
    されたものであることを特徽とする磁気カードの製造方
    法。
  5. 【請求項5】 請求項3記載の磁気カードの製造方法に
    おいて,前記還元粉末を,R,T,及びMの酸化物か
    ら,カルシウムを用いこの酸化物を還元し作製したもの
    であることを特徴とする磁気カードの製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の磁気カードを製造する方
    法において,前記磁性粉末を,合金インゴット,焼結
    体,急冷薄帯及び還元粉末の内の少なくとも一種を用意
    し,水素処理後,粉砕を行い,粉砕粉末に熱処理を施す
    ことにより作製することを特徴とする磁気カードの製造
    方法。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の磁気カードの製造方法に
    おいて,前記急冷薄帯は,R,TおよびMを融解した溶
    湯を50℃/秒以上の速度で急冷することによって作製
    されたものであることを特徽とする磁気カードの製造方
    法。
  8. 【請求項8】 請求項6記載の磁気カードの製造方法に
    おいて,前記還元粉末を,R,T,及びMの酸化物か
    ら,カルシウムを用いこの酸化物を還元し作製すること
    を特徴とする磁気カードの製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項6乃至8の内のいずれかに記載の
    磁気カードを製造する方法において,前記磁性層に一方
    向磁界を印加し,前記磁性層を配向させる処理を行うこ
    とを特徴とする磁気カードの製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項1記載の磁気カードを製造する
    方法において,前記磁性層を形成する磁性粉末を,溶解
    法,粉末冶金法,液体急冷法または還元法によって作製
    された合金又は合金粉末に,水素処理を施すことにより
    作製することを特徴とする磁気カードの製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項9記載の磁気カードを製造する
    方法において,前記水素処理は,液体窒素温度から20
    0℃の温度範囲で行われることを特徴とする磁気カード
    の製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項10又は11記載の磁気カード
    を製造する方法において,前記磁性粉末は,前記水素処
    理した後,粉砕し,その粉末または混合粉末を,真空あ
    るいは不活性雰囲気中で600℃〜1100℃の温度範
    囲で熱処理を施して作製することを特徴とする磁気カー
    ドの製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項10記載の磁気カードの製造方
    法において,前記液体急冷法によって作製される合金又
    は合金粉末は,R,TおよびMを融解した溶湯を50℃
    /秒以上の速度で急冷することによって作製された急冷
    薄帯からなることを特徴とする磁気カードの製造方法。
  14. 【請求項14】 請求項10記載の磁気カードの製造方
    法において,前記還元法によって作製される合金又は合
    金粉末は,R,T,及びMの酸化物から,カルシウムを
    用いこの酸化物を還元し作製された粉末であることを特
    徴とする磁気カードの製造方法。
  15. 【請求項15】 請求項10乃至14の内のいずれかに
    記載の磁気カードを製造する方法において,前記磁性層
    に一方向磁界を印加し,前記磁性層を配向させる処理を
    行うことを特徴とする磁気カードの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7972448B2 (en) 2002-11-28 2011-07-05 Vacuumschmelze Gmbh & Co. Kg Method for the production of an anisotropic magnetic powder and a bonded anisotropic magnet produced therefrom

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