JPH1031815A - 磁気カードおよび磁気記録方法 - Google Patents

磁気カードおよび磁気記録方法

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JPH1031815A
JPH1031815A JP8186384A JP18638496A JPH1031815A JP H1031815 A JPH1031815 A JP H1031815A JP 8186384 A JP8186384 A JP 8186384A JP 18638496 A JP18638496 A JP 18638496A JP H1031815 A JPH1031815 A JP H1031815A
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card
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JP8186384A
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Inventor
Akio Hasebe
章雄 長谷部
Etsuo Otsuki
悦夫 大槻
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Tokin Corp
Original Assignee
Tokin Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 情報の記録は容易に行えるが,記録した情報
の消去,書換えが困難又は不可能であるため,偽造を目
的とした情報消去,書き込みが不可能である磁気カード
及び磁気記録方法を提供すること。 【解決手段】 基板1上に,第1の磁性層2及び第2の
磁性層3を有する磁気カードであって,前記第1の磁性
層2に含有される磁性材料が,一般式R100
−x−y表される組成を有し,かつ,前記第1の磁
性層2に含有される磁性材料が,前記第2の磁性層に含
有される磁性材料より保磁力が高い。(但し,上記化学
式中,Rは,Smを必須成分としてYを含む希土類元素
から選択された少なくとも1種,Tは,Coを主成分と
する遷移金属(Fe,Co,Ni)の内から選択された
少なくとも1種,Mは,Si,Ti,Al,Ga,V,
Cr,Mn,Cu,Zr,Nb,Mo,Pd,Hf,T
a,W,Pt,およびAuの内少なくとも1種で表さ
れ,Rの組成値xは16.0〜22.0at%,Mの組
成値yは0≦y<30at%である。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,磁気カードに関
し,特に,磁気記録した所定の情報を消去あるいは上書
き等の書換えが困難あるいは不可能である,偽造防止に
優れた磁気カードおよび磁気記録方式に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】乗車券,テレホンカード,プリペイドカ
ードなどの金券として利用されている磁気カード類は,
カードを利用する毎に所定の装置で,カードに設けられ
た磁気記録層に残金等の所定の情報を書き換えることに
より使用されている。これらのカードには,偽造防止の
策として,磁気記録層に保護層を設ける,あるいは磁気
記録層を多層にする,または使用毎にカードにパンチ穴
を開ける等の工夫が施されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが,磁気カード
の普及と共に,磁気カードの情報を再生,記録する装置
技術も発達し,磁気カードに記録した情報を容易に読み
取り,さらには情報を書き込むことまで可能となった。
【0004】具体的には,磁気記録カードの使用毎に,
新しい情報を含む全情報が,旧情報の上にオーバーライ
トされる形で書き換えられるため,カードの情報を記
録,再生する装置があれば,容易に情報の書換えが行
え,これにより,カードの偽造が容易に行えることにな
り,近年磁気カードの偽造が目だって増えてきた。
【0005】この原因として,磁性層の保磁力が2〜3
kOeと低いことにあると考えられる。つまり,保磁力
が低いと従来の磁気記録,再生装置で容易に情報の書換
えができ,カードの偽造が可能となる。
【0006】そこで,本発明の第1の技術的課題は,情
報の記録は容易に行えるが,記録した情報の消去,書換
えが困難又は不可能であるため,偽造を目的とした情報
消去,書き込みが不可能である磁気カード及び磁気記録
方法を提供することにある。
【0007】また,本発明の第2の技術的課題は,通常
の面内磁気記録再生装置を用い読み取ることができると
ともにより優れた偽造防止効果を有する磁気カード及び
磁気記録方法を提供することにある。
【0008】また,本発明の第3の技術的課題は,一度
記録した情報の消去,書換えが困難又は不可能,特に,
面内磁気記録装置による消去,書換えが困難である磁気
カード及び磁気記録方法を提供することにある。
【0009】また,本発明の第4の技術的課題は,偽造
を目的とした情報消去,書き込みが不可能であるエリア
を設けた磁気カード及び磁気記録方法を提供することに
ある。
【0010】また,本発明の第5の技術的課題は,セキ
ュリティを有する情報と書換えを要する情報とを別に記
録することによって優れた偽造防止効果を有する磁気カ
ード及び磁気記録方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは,第一に初
期情報記録する際,長手方向に一箇所以上の未記録部分
を残し記録を行い,更にその後,順次新しい情報を記録
する際には既存の情報を消去することなく,未記録部分
に新規情報を記録する方法を検討した。その結果,優れ
た偽造防止効果を有する磁気カードおよび磁気記録方式
を見いだし,既に提案している(特願平6−14367
5号,特願平6−320091号,参照)。さらに,本
発明者らは,調査を継続した結果,本発明を為すに至っ
たものである。
【0012】本発明の磁気カードは,従来のものと比較
し,高保磁力の磁性層を有し,かつ前記磁性層は着磁性
に優れた特性を有するもので,本発明の磁気カードで
は,基板上に,第1の磁性層及び第2の磁性層を有する
磁気カードであって,前記第1の磁性層をなす高保磁力
でかつ着磁性の良好な磁性層としては,一般式,R
100 −x−y(ただし,Rは,Smを必須成分とし
てYを含む希土類元素から選択された少なくとも1種,
Tは,Coを主成分とする遷移金属(Fe,Co,N
i)の内から選択された少なくとも1種,Mは,Si,
Ti,Al,Ga,V,Cr,Mn,Cu,Zr,N
b,Mo,Pd,Hf,Ta,W,Pt,およびAuの
内少なくとも1種)で表され,Rの組成値xは16.0
〜22.0,Mの組成値yは0≦y<30(いずれもa
t%)の組成範囲を有していることを特徴としている。
ここで,上記組成の限定理由は,一般式,R
100 −x−yにおいて,xが16.0at%以下で
は保磁力が低下し,22.0at%以上では磁化が低下
し好ましくないからであり,また,Mは30at%以上
であると保磁力の低下が見られ好ましくないからであ
る。
【0013】また,本発明における上記磁気カードの第
1の磁性層である高保磁力の磁性層は,記録情報の消去
あるいは上書きが困難又は不可能であるため,保磁力が
3.0kOe以上で,かつ保磁力を有効に発現するため
に保磁力の1/2以下の印加磁界で飽和磁化の25%以
上の磁化を有することが好ましい。この本発明の磁性層
は,磁性材料をバインダ中に分散して形成されている。
【0014】また,本発明の磁気カードは,前記いずれ
かの磁気カードにおいて,前記第1及び第2の磁性層の
内の少くとも前記第1の磁性層が,当該磁気カードの一
面に対し垂直方向又は水平方向に一方向磁界を印加する
ことにより配向処理が行われることによって使用される
ことが好ましい。
【0015】また,本発明の磁気記録方法では,前記磁
気カードを用いて,前記第1の磁性層に,垂直磁気記録
することを特徴とする。
【0016】また,本発明の磁気記録方法では,前記磁
気記録方法おいて,第1に初期情報記録する際,一箇所
以上の未記録部分を残し記録を行い,更にその後,使用
する毎に順次新しい情報を記録する際には,既存の情報
を消去することなく,未記録部分に新規情報を記録する
ことを特徴とする。
【0017】また,本発明の磁気記録方法では,前記い
ずれかの磁気カードに対して記録再生を行う磁気記録方
法おいて,第1に初期情報記録する際,一箇所以上の未
記録部分を残し記録を行い,更にその後,使用する毎に
順次新しい情報を記録する際には,既存の情報を消去す
ることなく,未記録部分に新規情報を記録することを特
徴とする。
【0018】さらに,本発明の磁気記録方法では,前記
磁気記録方法において,前記第1又は第2の磁性層に固
定情報エリアと追記情報エリアを少なくとも1つ設け,
固定情報および追記情報のいずれか一方を記録するか再
生するかを選択し,最新の追記情報エリアを検出し,再
生演算した後,未記録の追記情報記録エリアに記録する
ことが好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】以下,本発明の実施の形態につい
て図面に基づいて詳細に説明する。
【0020】図1は,本発明の第1の実施の形態による
磁気カードを示す部分断面図である。図1に示す磁気カ
ード10は,基板1上に第1の磁性層2,第2の磁性層
3および保護層4を順次有する。第1の磁性層2に含有
される磁性材料は,下記化2式で表される組成を有す
る。
【0021】
【化2】
【0022】ただし,上記化2式中で,Rは,Smを必
須成分としてYを含む希土類元素から選択された少なく
とも1種,Tは,Coを主成分とする遷移金属(Fe,
Co,Ni)の内から選択された少なくとも1種,M
は,Si,Ti,Al,Ga,V,Cr,Mn,Cu,
Zr,Nb,Mo,Pd,Hf,Ta,W,Pt,およ
びAuの内少なくとも1種で表され,Rの組成値xは1
6.0〜22.0at%,Mの組成値yは0≦y<30
at%の組成範囲からなる。ここで,上記組成の限定理
由は,一般式,R100 −x−yにおいて,xが
16.0at%以下では保磁力が低下し,22.0at
%以上では磁化が低下し好ましくないからであり,ま
た,Mは30at%以上であると保磁力の低下が見られ
好ましくないからである。
【0023】また,上記組成を有する磁性材料は,高速
急冷法,あるいは拡散還元法により作製されるか,通常
の溶解,冷却により得られたバルク体の合金,粉末冶金
法により得られた合金,また,前記粉末を,ボールミ
ル,振動ミル,ジェットミル,水素吸蔵粉砕等により得
ることができる。
【0024】また,上記方法により得られた粉末を,真
空あるいは不活性雰囲気中で600〜1100℃の温度
範囲で熱処理し,所望の粒径に調製したものであっても
よい。
【0025】なお,このような磁性材料の保磁力は3k
Oe以上とすることができ,本発明の効果を得るために
は十分である。
【0026】ここで,第1の磁性層2は,塗布型の磁性
層として構成されることができる。この場合,第1の磁
性層2は,上記の磁性材料がバインダ中に分散されて構
成され,バインダ:磁性材料=9:1〜1:9程度の重
量比で第1の磁性層中に含有されればよい。なお,バイ
ンダは2種以上用いてもよく,また,公知の分散剤,表
面処理剤等が含有されてもよい。また,第1の磁性層2
の厚さは0.5〜50μm程度でよい。
【0027】第1の磁性層2と保護層4との間には,第
2の磁性層3が設けられる。第2の磁性層に含有される
磁性材料は,第1の磁性層2に含有される磁性材料より
保磁力が低く,かつ磁気記録が可能であればよい。この
ような磁気特性を得るための磁性材料としては,バリウ
ムフェライト,γ−フェライト,酸化クロム等の磁性粉
が挙げられる。また,第2の磁性層3は,第1の磁性層
と同様に塗布型の磁性層として構成されることができ,
その製造条件は,上記した第1の磁性層の説明における
条件と同様である。
【0028】また,第2の磁性層3上に設けられている
保護層4は,シールド層を含む磁気カードに用いられて
いる公知の保護層から選択できる。
【0029】このようにして作製された磁気カードは,
情報を記録する際は,第1の磁性層に垂直磁気記録し,
再生する際は,第2の磁性層に第1の磁性層から磁気転
写した磁気記録情報を面内磁気記録再生装置を用いて読
み取ることができる。第2の磁性層の磁気情報を消去す
るように面内方向に磁界を印加した場合においても,第
1の磁性層の磁気情報は保磁力が高くかつ垂直磁気記録
されているため消去されることなく残存する。また,新
規情報を記録する場合は,予め追記エリアを1箇所以上
設けておくことにより,新規情報の記録ができる。した
がって,追記可能かつ消去困難な磁気カードを提供する
ことができる。
【0030】次に,本発明の第1の実施の形態による磁
気カードの製造について具体的に説明する。
【0031】まず,純度99.0%以上のSm,Co,
Alを溶解してSm19.1Co68.7Al12.2
の組成の合金を作製し,室温で水素吸蔵を行い,得られ
た粉末をジェットミルを用いて粉砕を行い,平均粒径が
2μmの粉末を得た。さらに得られた粉末に1000℃
でAr雰囲気中15分間熱処理を施し磁性材料No.1
を得た。この磁性材料の保磁力は15kOeであった。
磁性材料No.1の粉末を用い,下記表1の組成の塗料
Aを作製した。
【0032】
【表1】 次に,下記表2に示す組成の塗料Bを作製した。
【0033】
【表2】 なお,上記表1及び表2中,MEKはメチルエチルケト
ン,MIBKはメチルイソブチルケトンである。また,
バリウムフェライトの保磁力は900Oeであった。
【0034】次に,塗料Aをポリエチレンテレフタレー
ト(PET)基板上に塗布し,乾燥して,第1の磁性層
とした。乾燥後の層厚は約10μmであった。更に,第
1の磁性層上に塗料Bを塗布,乾燥し,第2の磁性層と
した。第2の磁性層の層厚は約5μmであった。次に,
第1の磁性層と第2の磁性層が積層された基板を打ち抜
き,磁気カードを得た。得られた磁気カードに,垂直磁
気記録用ヘッドで記録密度210BPIで記録し,面内
磁気記録再生用ヘッドで再生したところ,3.0Vの出
力を得た。
【0035】次に,記録した磁気カードに,面内磁気記
録再生用ヘッドで一方向磁界を印加し,情報の消去をお
こなった後再生したところ,初めに記録した情報を約2
Vの出力で読み出すことができた。また,記録した磁気
カードに,面内磁気記録用ヘッドでオーバーライトを行
い再生したところ,ランダムな出力しか得られなかった
が,消去処理を行うと,初めに記録した情報を約1.9
Vの出力で読み出すことができた。
【0036】(第2の実施の形態)図2は,本発明の第
2の実施の形態による磁気カードを示す部分断面図であ
る。図2に示す磁気カードは,基板1上に第1の磁性層
2と第2の磁性層3を並設し,その上に保護層4を順次
有する。第1の磁性層2に含有される磁性材料は,下記
化3式で表される組成を有する。
【0037】
【化3】
【0038】ただし,上記化3式中で,Rは,Smを必
須成分としてYを含む希土類元素から選択された少なく
とも1種,Tは,Coを主成分とする遷移金属(Fe,
Co,Ni)の内から選択された少なくとも1種,M
は,Si,Ti,Al,Ga,V,Cr,Mn,Cu,
Zr,Nb,Mo,Pd,Hf,Ta,W,Pt,およ
びAuの内少なくとも1種で表され,Rの組成値xは1
6.0〜22.0at%,Mの組成値yは0≦y<30
at%の組成範囲からなる。ここで,上記組成の限定理
由は,一般式,R100 −x−yにおいて,xが
16.0at%以下では保磁力が低下し,22.0at
%以上では磁化が低下し好ましくないからであり,ま
た,Mは30at%以上であると保磁力の低下が見られ
好ましくないからである。
【0039】上記組成を有する磁性材料は,高速急冷
法,あるいは拡散還元法により作製されるか,通常の溶
解,冷却により得られたバルク体の合金,粉末冶金法に
より得られた合金,また,前記粉末を,ボールミル,振
動ミル,ジェットミル,水素吸蔵粉砕等により得ること
ができる。
【0040】また,上記方法により得られた粉末を,真
空あるいは不活性雰囲気中で600〜1100℃の温度
範囲で熱処理し,所望の粒径に調製したものであっても
よい。
【0041】なお,このような磁性材料の保磁力は3k
Oe以上とすることができ,本発明の効果を得るために
は十分である。
【0042】ここで,第1の磁性層2は,塗布型の磁性
層として構成されることができる。この場合,第1の磁
性層2は,上記の磁性材料がバインダ中に分散されて構
成され,バインダ:磁性材料=9:1〜1:9程度の重
量比で第1の磁性層中に含有されればよい。
【0043】なお,バインダは2種以上用いてもよく,
また,公知の分散剤,表面処理剤等が含有されてもよ
い。第1の磁性層2の厚さは0.5〜50μm程度でよ
い。
【0044】第1の磁性層2と異なるエリアに第2の磁
性層3が設けられる。第2の磁性層3に含有される磁性
材料は,第1の磁性層2に含有される磁性材料より保磁
力が低く,かつ磁気記録が可能であればよく,保磁力の
異なる2層以上の磁性層から構成されている,あるい
は,保磁力の異なる2種類以上の磁性材料を混合した磁
性層から構成されていてもよい。このような磁気特性を
得るための磁性材料としては,バリウムフェライト,γ
−フェライト,酸化クロム等の磁性粉が挙げられる。
【0045】第2の磁性層3は,第1の磁性層2と同様
に塗布型の磁性層として構成されることができ,その製
造条件は,上記した第1の磁性層の説明における条件と
同様である。
【0046】また,第1の磁性層2および第2の磁性層
3上に設けられている保護層4は,シールド層を含む磁
気カードに用いられている公知の保護層から選択でき
る。
【0047】このようにして作製された磁気カードは,
情報を記録する際は,第1および第2の磁性層に面内磁
気記録し,再生する際は,面内磁気記録再生装置を用い
て読み取ることができる。第1の磁性層2の磁気情報は
磁気ヘッドを用い面内方向に一方向磁界を印加した場合
においても,第1の磁性層2の磁気情報は保磁力が高い
ため消去されることなく残存する。また,第1の磁性層
2に新規情報を記録する場合は,予め追記エリアを1箇
所以上設けておくことにより,新規情報の記録ができ
る。したがって,追記可能かつ消去困難な磁気カードを
提供することができる。
【0048】次に,本発明の第2の実施の形態による磁
気カードの製造について具体的に説明する。まず,純度
99.0%以上のSm,Co,Alを溶解してSm1
9.1Co68.7Al12.2の組成の合金を作製
し,室温で水素吸蔵を行い,得られた粉末をジェットミ
ルを用いて粉砕を行い,平均粒径が2μmの粉末を得
た。さらに得られた粉末に1000℃でAr雰囲気中1
5分間熱処理を施し磁性材料No.2を得た。この磁性
材料の保磁力は15kOeであった。磁性材料No.2
の粉末を用い,下記表3の組成の塗料Aを作製した。
【0049】
【表3】 次に,下記表4に示す組成の塗料Bを作製した。
【0050】
【表4】 なお,バリウムフェライトの保磁力は2700Oeであ
った。
【0051】次に,塗料AをPET基板上に第2の磁性
層3を塗布するエリアを残して塗布し,乾燥して,第1
の磁性層とした。乾燥後の層厚は約10μmであった。
【0052】更に,第1の磁性層2を塗布した後の空き
エリアに塗料Bを塗布,乾燥し,第2の磁性層3とし
た。第2の磁性層3の層厚も約10μmであった。
【0053】第1の磁性層と第2の磁性層が塗布された
基板を打ち抜き,磁気カードを得た。得られた磁気カー
ドの第1の磁性層と第2の磁性層の各々に,磁気記録用
ヘッドで記録密度210BPIで記録し,面内磁気記録
再生用ヘッドで再生したところ,各々,3.0V,2.
5Vの出力を得た。
【0054】次に,記録した磁気カードの各々の磁性層
に,面内磁気記録再生用ヘッドで一方向磁界を印加し,
情報の消去をおこなった後再生したところ,第1の磁性
層2では初めに記録した情報を約2Vの出力で読み出す
ことができたが,第2の磁性層3の情報は消去され読み
出すことができなかった。また,記録した磁気カード
に,磁気記録用ヘッドでオーバーライトを行い再生した
ところ,第1の磁性層2では,初めに記録した情報を約
1.9Vの出力で読み出すことができたが,第2の磁性
層3では,初期上情報ではなくオーバーライトした情報
を約2.4Vの出力で読み出すことができた。
【0055】上記第1及び第2の実施の形態では,各磁
性層を別々に塗布したが,本発明の磁気カードの製造方
法として限定されるものではなく,各磁性層を同時に塗
布する塗工方法やグラビア,リバースロール,ダイコー
ター等の塗工方法も適用できる。
【0056】
【発明の効果】以上,説明したように,本発明では,保
磁力3.0kOe以上でかつ保磁力の1/2以下の印加
磁界で飽和磁化の25%以上の磁化を有する保磁力の高
い磁性層が,情報の記録は容易に行えるが,記録した情
報の消去,書換えが困難又は不可能であり,保磁力の高
い磁性層に垂直磁気記録し,保磁力の低い磁性層に磁気
転写した記録情報を再生することができる磁気カードを
提供することができる。
【0057】また,本発明の磁気カードの面内長手方向
に磁気記録をする方法において,第一に初期情報記録す
る際,長手方向に一箇所以上の未記録部分を残し記録を
行い,更にその後,順次新しい情報を記録する際には,
既存の情報を消去することなく,未記録部分に新規情報
を記録することができる磁気記録方法を用いることによ
り,よりセキュリティの高いカードシステムを提供する
ことができる。
【0058】また,本発明では,保磁力3.0kOe以
上でかつ保磁力の1/2以下の印加磁界で飽和磁化の2
5%以上の磁化を有する保磁力の高い磁性層が,情報の
記録は容易に行えるが,記録した情報の消去,書換えが
困難又は不可能である磁気カードを提供することができ
る。
【0059】また,本発明の磁気カードの面内長手方向
に磁気記録をする方法において,第一に初期情報記録す
る際,長手方向に一箇所以上の未記録部分を残し記録を
行い,更にその後,順次新しい情報を記録する際には,
既存の情報を消去することなく,未記録部分に新規情報
を記録することができる磁気記録方法を用いることによ
り,よりセキュリティの高いカードシステムを提供する
ことができる。
【0060】したがって,本発明によれば,記録した情
報の消去,書換えが困難又は不可能であるため,偽造を
目的とした情報消去,書き込みが不可能であるエリアを
設けた磁気カードが得られ,工業上極めて有益である磁
気カードおよび磁気記録方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による磁気カードを
示す部分断面図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態による磁気カードを
示す部分断面図である。
【符号の説明】
1 基板 2 第1の磁性層 3 第2の磁性層 4 保護層 10,20 磁気カード

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に,第1の磁性層及び第2の磁性
    層を有する磁気カードであって,前記第1の磁性層に含
    有される磁性材料が,下記化1式で表される組成を有
    し,かつ,前記第1の磁性層に含有される磁性材料が,
    前記第2の磁性層に含有される磁性材料より保磁力が高
    いことを特徴とする磁気カード。 【化1】 (但し,上記化1式中,Rは,Smを必須成分としてY
    を含む希土類元素から選択された少なくとも1種,T
    は,Coを主成分とする遷移金属(Fe,Co,Ni)
    の内から選択された少なくとも1種,Mは,Si,T
    i,Al,Ga,V,Cr,Mn,Cu,Zr,Nb,
    Mo,Pd,Hf,Ta,W,Pt,およびAuの内少
    なくとも1種で表され,Rの組成値xは16.0〜2
    2.0at%,Mの組成値yは0≦y<25.0at%
    である。)
  2. 【請求項2】 請求項1記載の磁気カードにおいて,前
    記第1の磁性層が,前記磁性材料をバインダ中に分散し
    て構成されていることを特徴とする磁気カード。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の磁気カードにおい
    て,前記基板上に前記第1の磁性層が形成され,前記第
    1の磁性層上に前記第2の磁性層が形成されていること
    を特徴とする磁気カード。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2記載の磁気カードにおい
    て,前記基板上に前記第1の磁性層及び前記第2の磁性
    層が並設されていることを特徴とする磁気カード。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4の内のいずれかに記載の
    磁気カードにおいて,前記第1及び第2の磁性層の内の
    少くとも前記第1の磁性層が,当該磁気カードの一面に
    対し垂直方向又は水平方向に一方向磁界を印加すること
    により配向処理が行われることによって使用されること
    を特徴とする磁気カード。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5の内のいずれかに記載の
    磁気カードを用いて,前記第1の磁性層に,垂直磁気記
    録することを特徴とする磁気記録方法。
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