JPH09297917A - 磁気記録媒体およびその記録再生方法 - Google Patents
磁気記録媒体およびその記録再生方法Info
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- JPH09297917A JPH09297917A JP8175926A JP17592696A JPH09297917A JP H09297917 A JPH09297917 A JP H09297917A JP 8175926 A JP8175926 A JP 8175926A JP 17592696 A JP17592696 A JP 17592696A JP H09297917 A JPH09297917 A JP H09297917A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 下記の磁気記録媒体および磁気記録媒体の記
録再生方法により、リライト機能、ライトワンス機能お
よびリ−ドオンリ−機能を付与し、強力なセキュリティ
−をもった磁気記録媒体とその記録再生方法を提供す
る。 【解決手段】 MnBiを主体とする磁性粉末と、磁気
ヘッドで記録、消去、書き換えが可能な磁性粉末とを含
有する磁性層を有し、該磁性層が任意に信号の書き換え
ができる領域と、1度信号を記録すると書き換えが困難
になる領域とを有する磁気記録媒体、この磁気記録媒体
に任意に書き換えができる信号と、さらに1度記録する
と書き換えが困難な信号とを記録する磁気記録媒体の記
録方法、並びに1度信号を記録すると書き換えが困難な
領域に磁界を印加して磁化した後に信号を再生する磁気
記録媒体の再生方法
録再生方法により、リライト機能、ライトワンス機能お
よびリ−ドオンリ−機能を付与し、強力なセキュリティ
−をもった磁気記録媒体とその記録再生方法を提供す
る。 【解決手段】 MnBiを主体とする磁性粉末と、磁気
ヘッドで記録、消去、書き換えが可能な磁性粉末とを含
有する磁性層を有し、該磁性層が任意に信号の書き換え
ができる領域と、1度信号を記録すると書き換えが困難
になる領域とを有する磁気記録媒体、この磁気記録媒体
に任意に書き換えができる信号と、さらに1度記録する
と書き換えが困難な信号とを記録する磁気記録媒体の記
録方法、並びに1度信号を記録すると書き換えが困難な
領域に磁界を印加して磁化した後に信号を再生する磁気
記録媒体の再生方法
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、磁性層にMnB
i磁性粉末と磁気ヘッドで記録、消去、書き換えが可能
な磁性粉末とを含有する磁性層を有し、一度信号を記録
すると容易に書き換えできない領域と、任意に信号の書
き換えができる領域とを形成させた磁気カ−ドなどの磁
気記録媒体およびこの磁気記録媒体の記録再生方法に関
する。
i磁性粉末と磁気ヘッドで記録、消去、書き換えが可能
な磁性粉末とを含有する磁性層を有し、一度信号を記録
すると容易に書き換えできない領域と、任意に信号の書
き換えができる領域とを形成させた磁気カ−ドなどの磁
気記録媒体およびこの磁気記録媒体の記録再生方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】磁気記録媒体は、記録再生が容易である
ためにビデオテ−プ、フロッピ−ディスク、クレジット
カ−ド、プリペイドカ−ド等として広く普及している。
ところが、記録再生が容易であるという特徴は、逆に、
記録したデ−タが誤って消去されやすく、またデ−タの
改ざんも容易に行えるという問題を発生させており、た
とえば、磁気カ−ドの場合、最近、各種ドアやハンドバ
ッグなど我々の身近なところに使用されるようになって
きている強い磁界の磁石で消去されたり、磁気カ−ドの
デ−タが書き換えられて不正使用されるなどの事故や犯
罪が、多発している。
ためにビデオテ−プ、フロッピ−ディスク、クレジット
カ−ド、プリペイドカ−ド等として広く普及している。
ところが、記録再生が容易であるという特徴は、逆に、
記録したデ−タが誤って消去されやすく、またデ−タの
改ざんも容易に行えるという問題を発生させており、た
とえば、磁気カ−ドの場合、最近、各種ドアやハンドバ
ッグなど我々の身近なところに使用されるようになって
きている強い磁界の磁石で消去されたり、磁気カ−ドの
デ−タが書き換えられて不正使用されるなどの事故や犯
罪が、多発している。
【0003】この対策としては、たとえば、光カ−ドの
ようにレ−ザ光により、記録媒体に不可逆な変化を起こ
させ、一度記録すると書き換えができない記録媒体や、
デ−タの改ざんが困難でセキュリティ−性の高いICカ
−ドなどが提案されているが、光カ−ドの場合は、光カ
−ドを記録、再生する光カ−ド専用の高価な装置を新た
に必要とし、またICカ−ドでは半導体を使用するため
高コストになるという難点があり、いずれも世界中に普
及している磁気カ−ドの記録、再生装置と代替するには
至らず、未だに期待されているほど普及していない。
ようにレ−ザ光により、記録媒体に不可逆な変化を起こ
させ、一度記録すると書き換えができない記録媒体や、
デ−タの改ざんが困難でセキュリティ−性の高いICカ
−ドなどが提案されているが、光カ−ドの場合は、光カ
−ドを記録、再生する光カ−ド専用の高価な装置を新た
に必要とし、またICカ−ドでは半導体を使用するため
高コストになるという難点があり、いずれも世界中に普
及している磁気カ−ドの記録、再生装置と代替するには
至らず、未だに期待されているほど普及していない。
【0004】そのため、磁気カ−ドの改ざんを防止する
方策が種々提案され、たとえば磁気カ−ドにホログラム
印刷や高度な印刷技術を駆使した印刷を施すことが行わ
れているが、この方法ではカ−ドの外見上の偽造を防止
する点では効力を発揮することができても、この改ざん
が、たとえば、不正な手段で入手した正規のクレジット
カ−ドに、他人のクレジットカ−ドから読み取ったデ−
タを書き込むなどの方法で行われ、書き込まれたデ−タ
が正規のものであるため、これを防止することができな
い。
方策が種々提案され、たとえば磁気カ−ドにホログラム
印刷や高度な印刷技術を駆使した印刷を施すことが行わ
れているが、この方法ではカ−ドの外見上の偽造を防止
する点では効力を発揮することができても、この改ざん
が、たとえば、不正な手段で入手した正規のクレジット
カ−ドに、他人のクレジットカ−ドから読み取ったデ−
タを書き込むなどの方法で行われ、書き込まれたデ−タ
が正規のものであるため、これを防止することができな
い。
【0005】これに対し、MnBi磁性粉末を記録素子
として使用する磁気記録媒体は、一度信号を記録すると
室温では容易に消去されることがないという特長を有す
ることが知られており、(特公昭52−46801号、
特公昭54−19244号、特公昭54−33725
号、特公昭57−38962号、特公昭57−3896
3号、特公昭59−31764号)、特に、磁気カ−ド
用のリ−ダが世界の隅々まで普及している今日、デ−タ
が誤って消去されたり、故意に書き換えられるなどの事
故や犯罪が多発しているクレジットカ−ドやキャッシュ
カ−ドなどにおいて、事故や不正使用を防止できるもの
として注目されている。
として使用する磁気記録媒体は、一度信号を記録すると
室温では容易に消去されることがないという特長を有す
ることが知られており、(特公昭52−46801号、
特公昭54−19244号、特公昭54−33725
号、特公昭57−38962号、特公昭57−3896
3号、特公昭59−31764号)、特に、磁気カ−ド
用のリ−ダが世界の隅々まで普及している今日、デ−タ
が誤って消去されたり、故意に書き換えられるなどの事
故や犯罪が多発しているクレジットカ−ドやキャッシュ
カ−ドなどにおいて、事故や不正使用を防止できるもの
として注目されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このようにMnBi磁
性粉末を記録素子として使用した磁気記録媒体は、クレ
ジットカ−ドやキャッシュカ−ドなど、再生のみで、1
度信号を記録すると書き換える必要のない媒体には、最
適の媒体であるが、プリペ−ドカ−ドなどのように、書
き換えされてはいけないデ−タと、カ−ドを使用の都度
デ−タを書き換える必要のあるデ−タの2種類のデ−タ
が書き込まれるような用途には適していない。
性粉末を記録素子として使用した磁気記録媒体は、クレ
ジットカ−ドやキャッシュカ−ドなど、再生のみで、1
度信号を記録すると書き換える必要のない媒体には、最
適の媒体であるが、プリペ−ドカ−ドなどのように、書
き換えされてはいけないデ−タと、カ−ドを使用の都度
デ−タを書き換える必要のあるデ−タの2種類のデ−タ
が書き込まれるような用途には適していない。
【0007】すなわち、プリペ−ドカ−ド等のように、
使用に応じて例えば残高を書き換えていく方式のもので
は、磁気記録装置による記録デ−タの書き換えが必要と
なるため、MnBi磁性粉末のみを含有する磁性層で
は、記録デ−タの書き換えが困難になり、上記用途には
適さないものとなる。
使用に応じて例えば残高を書き換えていく方式のもので
は、磁気記録装置による記録デ−タの書き換えが必要と
なるため、MnBi磁性粉末のみを含有する磁性層で
は、記録デ−タの書き換えが困難になり、上記用途には
適さないものとなる。
【0008】一方プリペ−ドカ−ド等では、使用に応じ
て記録デ−タの書き換えが必要であるが、同時にカ−ド
の記録デ−タの改ざんを防止するため、通常使用の都
度、あるいは使用終了した時点でカ−ドに穴を開けて、
再使用できないように不可逆な変化を起こさせている。
しかしながらこのような穴開けは、使用状態を目視で容
易に判別できるため、この穴を埋めてしまうことによ
り、未使用状態に戻すことは比較的容易であり、実際こ
のような方法で改ざんされたカ−ドが不正に使用されて
おり、社会的に大きな問題になっている。
て記録デ−タの書き換えが必要であるが、同時にカ−ド
の記録デ−タの改ざんを防止するため、通常使用の都
度、あるいは使用終了した時点でカ−ドに穴を開けて、
再使用できないように不可逆な変化を起こさせている。
しかしながらこのような穴開けは、使用状態を目視で容
易に判別できるため、この穴を埋めてしまうことによ
り、未使用状態に戻すことは比較的容易であり、実際こ
のような方法で改ざんされたカ−ドが不正に使用されて
おり、社会的に大きな問題になっている。
【0009】本発明は、かかる現状に鑑み種々検討を行
った結果なされたもので、MnBi磁性粉末を主体とす
る磁性粉末と、磁気ヘッドで記録、消去、書き換えが可
能な磁性粉末とを共に含有する磁性層を有する磁気記録
媒体とすることにより、書き換え機能(リライト機能)
を維持しながら、使用に応じて追記書き込みを行い、か
つこの追記書き込みしたデ−タはその後の書き換え、消
去が極めて困難な性質(ライトワンス機能)を有すると
いう従来の磁気記録媒体では実現できなかった特性を有
する磁気記録媒体を提供し、この機能を発揮するための
記録、再生方法を提供することを目的とする。
った結果なされたもので、MnBi磁性粉末を主体とす
る磁性粉末と、磁気ヘッドで記録、消去、書き換えが可
能な磁性粉末とを共に含有する磁性層を有する磁気記録
媒体とすることにより、書き換え機能(リライト機能)
を維持しながら、使用に応じて追記書き込みを行い、か
つこの追記書き込みしたデ−タはその後の書き換え、消
去が極めて困難な性質(ライトワンス機能)を有すると
いう従来の磁気記録媒体では実現できなかった特性を有
する磁気記録媒体を提供し、この機能を発揮するための
記録、再生方法を提供することを目的とする。
【0010】さらに本発明は、上記のリライト機能、ラ
イトワンス機能に、さらにカ−ドの場合には発行時にあ
らかじめデ−タを書き込んでおき、このデ−タはその後
の書き換え、消去が極めて困難になる機能(リ−ドオン
リ−機能)も付与することにより、より強力なセキュリ
ティ−性をもった磁気記録媒体を提供することを目的と
する。
イトワンス機能に、さらにカ−ドの場合には発行時にあ
らかじめデ−タを書き込んでおき、このデ−タはその後
の書き換え、消去が極めて困難になる機能(リ−ドオン
リ−機能)も付与することにより、より強力なセキュリ
ティ−性をもった磁気記録媒体を提供することを目的と
する。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明の磁気記録媒体
は、MnBiを主体とする磁性粉末と、磁気ヘッドで記
録、消去、書き換えが可能な磁性粉末とを含有する磁性
層を有し、該磁性層が任意に信号の書き換えができる領
域と、1度信号を記録すると書き換えが困難な領域とを
有し、たとえば、カ−ド状の基板の片面または両面に該
磁性層を設けてカ−ド状の磁気記録媒体としている。
は、MnBiを主体とする磁性粉末と、磁気ヘッドで記
録、消去、書き換えが可能な磁性粉末とを含有する磁性
層を有し、該磁性層が任意に信号の書き換えができる領
域と、1度信号を記録すると書き換えが困難な領域とを
有し、たとえば、カ−ド状の基板の片面または両面に該
磁性層を設けてカ−ド状の磁気記録媒体としている。
【0012】また、この発明の磁気記録媒体の記録方法
は、MnBiを主体とする磁性粉末と、磁気ヘッドで記
録、消去、書き換えが可能な磁性粉末とを含有する磁性
層を有する磁気記録媒体の磁性層を、低温に冷却して消
磁状態にした後、該磁性層に任意に書き換えができる信
号と、さらに1度記録すると書き換えが困難な信号とを
記録する方法であり、この方法において、磁気記録媒体
を低温に冷却して消磁状態にした後、任意に書き換えが
できる信号として、磁性層の任意の領域に磁界を印加し
て磁化し、さらにその後信号を記録し、さらにこの領域
とは異なる領域に、1度記録すると書き換えが困難な信
号として、磁界を印加して磁化した後に信号を記録する
方法である。
は、MnBiを主体とする磁性粉末と、磁気ヘッドで記
録、消去、書き換えが可能な磁性粉末とを含有する磁性
層を有する磁気記録媒体の磁性層を、低温に冷却して消
磁状態にした後、該磁性層に任意に書き換えができる信
号と、さらに1度記録すると書き換えが困難な信号とを
記録する方法であり、この方法において、磁気記録媒体
を低温に冷却して消磁状態にした後、任意に書き換えが
できる信号として、磁性層の任意の領域に磁界を印加し
て磁化し、さらにその後信号を記録し、さらにこの領域
とは異なる領域に、1度記録すると書き換えが困難な信
号として、磁界を印加して磁化した後に信号を記録する
方法である。
【0013】さらに、この発明の磁気記録媒体の再生方
法は、MnBiを主体とする磁性粉末と、磁気ヘッドで
記録、消去、書き換えが可能な磁性粉末とを含有する磁
性層を有し、該磁性層が任意に信号の書き換えができる
領域と、1度信号を記録すると書き換えが困難な領域と
を有する磁気記録媒体において、1度信号を記録すると
書き換えが困難な領域に磁界を印加して磁化した後に信
号を再生する方法である。
法は、MnBiを主体とする磁性粉末と、磁気ヘッドで
記録、消去、書き換えが可能な磁性粉末とを含有する磁
性層を有し、該磁性層が任意に信号の書き換えができる
領域と、1度信号を記録すると書き換えが困難な領域と
を有する磁気記録媒体において、1度信号を記録すると
書き換えが困難な領域に磁界を印加して磁化した後に信
号を再生する方法である。
【0014】このようなこの発明の磁気記録媒体におい
ては、まず磁気記録媒体を低温に冷却して消磁(初期
化)した後、任意の領域を直流消磁すると、この領域は
通常の磁気記録媒体と同様に書き換え、消去が可能な領
域(リライト機能)となる。
ては、まず磁気記録媒体を低温に冷却して消磁(初期
化)した後、任意の領域を直流消磁すると、この領域は
通常の磁気記録媒体と同様に書き換え、消去が可能な領
域(リライト機能)となる。
【0015】なぜなら磁気記録媒体を低温に冷却して消
磁状態にした後磁界を印加すると、MnBi磁性粉末は
磁化されて保磁力が極めて大きくなるため、その後デ−
タを記録するために磁気ヘッドから磁界を印加してもM
nBi磁性粉末の磁化は変化せず、デ−タの読み取りに
影響を与えなくなる。一方MnBi磁性粉末以外の磁気
ヘッドで記録、消去、書き換えが可能な磁性粉末には、
デ−タに対応する磁気ヘッドからの磁界により記録され
る。従って、この領域には、通常の磁気記録媒体と同様
に、任意にデ−タの書き換えを行うことができる(リラ
イト機能)。
磁状態にした後磁界を印加すると、MnBi磁性粉末は
磁化されて保磁力が極めて大きくなるため、その後デ−
タを記録するために磁気ヘッドから磁界を印加してもM
nBi磁性粉末の磁化は変化せず、デ−タの読み取りに
影響を与えなくなる。一方MnBi磁性粉末以外の磁気
ヘッドで記録、消去、書き換えが可能な磁性粉末には、
デ−タに対応する磁気ヘッドからの磁界により記録され
る。従って、この領域には、通常の磁気記録媒体と同様
に、任意にデ−タの書き換えを行うことができる(リラ
イト機能)。
【0016】一方他の任意の領域には、その磁気記録媒
体の使用に応じてデ−タを追記記録する。このデ−タと
しては、文字、数字などの意味のあるデ−タでもよい
が、通常のプリペ−ドカ−ド等で実施されている穴開け
に相当するマ−キング程度のものであっても良い。この
デ−タは、追記書き込みはできるが、書き換え、消去は
極めて困難になる。
体の使用に応じてデ−タを追記記録する。このデ−タと
しては、文字、数字などの意味のあるデ−タでもよい
が、通常のプリペ−ドカ−ド等で実施されている穴開け
に相当するマ−キング程度のものであっても良い。この
デ−タは、追記書き込みはできるが、書き換え、消去は
極めて困難になる。
【0017】なぜなら磁気記録媒体を低温に冷却して消
磁状態にした後記録されたデ−タは、MnBi磁性粉末
にも磁気ヘッドで記録、消去、書き換えが可能な磁性粉
末にも記録される。このデ−タを書き換えようとする
と、MnBi磁性粉末以外の磁性粉末のデ−タは書き換
えられるが、MnBi磁性粉末に記録されたデ−タは書
き換えが極めて困難なため、異なるデ−タが混在してし
まい、読み取りエラ−を引き起こす。これは1度磁化す
るとMnBi磁性粉末の保磁力が極めて大きくなり、そ
の後の消磁が極めて困難になるというMnBi磁性粉末
特有の性質による。従って、この領域に書き込まれたデ
−タは、その後の書き換え、消去が極めて困難なセキュ
リティ−性の高いデ−タとなる(ライトワンス機能)。
磁状態にした後記録されたデ−タは、MnBi磁性粉末
にも磁気ヘッドで記録、消去、書き換えが可能な磁性粉
末にも記録される。このデ−タを書き換えようとする
と、MnBi磁性粉末以外の磁性粉末のデ−タは書き換
えられるが、MnBi磁性粉末に記録されたデ−タは書
き換えが極めて困難なため、異なるデ−タが混在してし
まい、読み取りエラ−を引き起こす。これは1度磁化す
るとMnBi磁性粉末の保磁力が極めて大きくなり、そ
の後の消磁が極めて困難になるというMnBi磁性粉末
特有の性質による。従って、この領域に書き込まれたデ
−タは、その後の書き換え、消去が極めて困難なセキュ
リティ−性の高いデ−タとなる(ライトワンス機能)。
【0018】また上記の直流消磁した領域以外の領域
で、さらにライトワンス領域として使用する領域以外の
領域には、磁気記録媒体発行時にあらかじめ固定デ−タ
を書き込んでおくことが好ましい。このデ−タとして
は、たとえば、カ−ドに適用する場合には、金額、発行
日時等の書き換えられてはいけないデ−タを書き込んで
おくことが好ましい。
で、さらにライトワンス領域として使用する領域以外の
領域には、磁気記録媒体発行時にあらかじめ固定デ−タ
を書き込んでおくことが好ましい。このデ−タとして
は、たとえば、カ−ドに適用する場合には、金額、発行
日時等の書き換えられてはいけないデ−タを書き込んで
おくことが好ましい。
【0019】またさらにこの領域に書き込まれたデ−タ
は、消磁した後に再生することが好ましい。この消磁処
理により、磁気ヘッドで記録、消去、書き換えが可能な
磁性粉末に記録されたデ−タは消去されてしまうため、
この磁性粉末だけしか含まない磁気記録媒体を消磁後再
生すると読み取りエラ−を引き起こす。従って、MnB
i磁性粉末を含有しない偽造磁気記録媒体は排除され、
磁気記録媒体のデ−タ改ざんだけでなく、磁気記録媒体
そのものの偽造も防止できる(リ−ドオンリ−機能)。
は、消磁した後に再生することが好ましい。この消磁処
理により、磁気ヘッドで記録、消去、書き換えが可能な
磁性粉末に記録されたデ−タは消去されてしまうため、
この磁性粉末だけしか含まない磁気記録媒体を消磁後再
生すると読み取りエラ−を引き起こす。従って、MnB
i磁性粉末を含有しない偽造磁気記録媒体は排除され、
磁気記録媒体のデ−タ改ざんだけでなく、磁気記録媒体
そのものの偽造も防止できる(リ−ドオンリ−機能)。
【0020】また磁気記録媒体の特定領域に、前記の各
機能を有する領域に関する情報をあらかじめ記録してお
き、この情報に従って、書き換えが困難な領域と書き換
えできる領域とを特定して、記録再生することにより、
書き換えが困難な領域と書き換えできる領域の記録位置
が、カ−ドによって全て異なるようにすることも可能に
なり、極めて強力なセキュリティ−が得られる。
機能を有する領域に関する情報をあらかじめ記録してお
き、この情報に従って、書き換えが困難な領域と書き換
えできる領域とを特定して、記録再生することにより、
書き換えが困難な領域と書き換えできる領域の記録位置
が、カ−ドによって全て異なるようにすることも可能に
なり、極めて強力なセキュリティ−が得られる。
【0021】このように本発明の磁気記録媒体は、Mn
Bi磁性粉末を主体とする磁性粉末と、磁気ヘッドで記
録、消去、書き換えが可能な磁性粉末とを含有する磁性
層を有する磁気記録媒体とすることにより、書き換え機
能を維持しながら、使用に応じて追記書き込みを行い、
かつこの追記書き込みしたデ−タはその後の書き換え、
消去が極めて困難な性質を併せもつ、これまでの磁気記
録媒体には見られなかったユニ−クかつ実用上極めて有
益な特性を実現したものである。
Bi磁性粉末を主体とする磁性粉末と、磁気ヘッドで記
録、消去、書き換えが可能な磁性粉末とを含有する磁性
層を有する磁気記録媒体とすることにより、書き換え機
能を維持しながら、使用に応じて追記書き込みを行い、
かつこの追記書き込みしたデ−タはその後の書き換え、
消去が極めて困難な性質を併せもつ、これまでの磁気記
録媒体には見られなかったユニ−クかつ実用上極めて有
益な特性を実現したものである。
【0022】さらに本発明の磁気記録媒体は、各種プリ
ペ−ドカ−ドや磁気定期券、磁気切符、クレジットカ−
ド、キャッシュカ−ドなどの磁気カ−ド分野に適用した
場合に特に威力を発揮する。
ペ−ドカ−ドや磁気定期券、磁気切符、クレジットカ−
ド、キャッシュカ−ドなどの磁気カ−ド分野に適用した
場合に特に威力を発揮する。
【0023】また本発明は、上記の磁気記録媒体にこの
ようなユニ−クな特性を発揮させるための記録方法、特
にこの磁気記録媒体を低温に冷却して消磁状態にした
後、リライト機能を発揮させるために、磁性層の任意の
領域に磁界を印加して磁化した後信号を記録するとい
う、この磁気記録媒体特有の記録方法を提供し、さらに
リ−ドオンリ−機能を有効に利用するためには、リ−ド
オンリ−デ−タをあらかじめ消磁した後再生するとい
う、この磁気記録媒体特有の再生方法を提供する。
ようなユニ−クな特性を発揮させるための記録方法、特
にこの磁気記録媒体を低温に冷却して消磁状態にした
後、リライト機能を発揮させるために、磁性層の任意の
領域に磁界を印加して磁化した後信号を記録するとい
う、この磁気記録媒体特有の記録方法を提供し、さらに
リ−ドオンリ−機能を有効に利用するためには、リ−ド
オンリ−デ−タをあらかじめ消磁した後再生するとい
う、この磁気記録媒体特有の再生方法を提供する。
【0024】
【発明の実施の形態】この発明の磁気記録媒体は、Mn
Biを主体とする磁性粉末と、磁気ヘッドで記録、消
去、書き換えが可能な磁性粉末とを含有する磁性層を有
し、該磁性層が任意に信号の書き換えができる領域と、
1度信号を記録すると書き換えが困難な領域とを有し、
一度信号を記録するとその後の書き換が困難な領域(ラ
イトワンス機能、リ−ドオンリ−機能)と、同時に通常
の磁気記録媒体と同様に任意に書き換えができる領域
(リライト機能)とを有するもので、この特徴はプリペ
−ドカ−ドなど書き換えされてはいけないデ−タと、カ
−ドを使用の都度デ−タを書き換える必要のあるデ−タ
の2種類のデ−タが書き込まれるような用途に最適であ
る。
Biを主体とする磁性粉末と、磁気ヘッドで記録、消
去、書き換えが可能な磁性粉末とを含有する磁性層を有
し、該磁性層が任意に信号の書き換えができる領域と、
1度信号を記録すると書き換えが困難な領域とを有し、
一度信号を記録するとその後の書き換が困難な領域(ラ
イトワンス機能、リ−ドオンリ−機能)と、同時に通常
の磁気記録媒体と同様に任意に書き換えができる領域
(リライト機能)とを有するもので、この特徴はプリペ
−ドカ−ドなど書き換えされてはいけないデ−タと、カ
−ドを使用の都度デ−タを書き換える必要のあるデ−タ
の2種類のデ−タが書き込まれるような用途に最適であ
る。
【0025】また、この発明では、同一磁気記録媒体上
に一度信号を記録すると書き換えが困難な領域と、通常
の磁気記録媒体と同様に任意に書き換えができる領域と
を形成するために、まず一度信号を記録すると書き換が
困難な領域には、磁気ヘッドを用いて通常の方法で記録
し、一方任意に書き換えができる領域には、まず磁界を
印加してこの領域を磁化した後、通常の方法で磁気ヘッ
ドを用いて記録するという特殊な記録方法を用いる。
に一度信号を記録すると書き換えが困難な領域と、通常
の磁気記録媒体と同様に任意に書き換えができる領域と
を形成するために、まず一度信号を記録すると書き換が
困難な領域には、磁気ヘッドを用いて通常の方法で記録
し、一方任意に書き換えができる領域には、まず磁界を
印加してこの領域を磁化した後、通常の方法で磁気ヘッ
ドを用いて記録するという特殊な記録方法を用いる。
【0026】以下、この発明について詳細に説明する。
まず、MnBi磁性粉末は、保磁力の温度依存性の一例
を示す図1から明らかなように、室温では保磁力が約1
2000Oeと高いが、温度が下がると低下し、100
Kでは1500Oe以下となる。したがって、この性質
を利用して低温に冷却することにより消磁することがで
き、消磁後は室温で容易に磁化することができる。
まず、MnBi磁性粉末は、保磁力の温度依存性の一例
を示す図1から明らかなように、室温では保磁力が約1
2000Oeと高いが、温度が下がると低下し、100
Kでは1500Oe以下となる。したがって、この性質
を利用して低温に冷却することにより消磁することがで
き、消磁後は室温で容易に磁化することができる。
【0027】また、このMnBi磁性粉末を用いた磁気
記録媒体の初期磁化曲線を示す図2からも明らかなよう
に、低温に冷却して消磁状態にすると、室温で2000
Oe程度の低い磁界で容易に磁化することができる。し
かしながら、この磁気記録媒体は一度磁化すると、14
000Oe程度の高い保磁力を示すようになり、その後
のデ−タの消去や書き換えがほとんど不可能になる。
記録媒体の初期磁化曲線を示す図2からも明らかなよう
に、低温に冷却して消磁状態にすると、室温で2000
Oe程度の低い磁界で容易に磁化することができる。し
かしながら、この磁気記録媒体は一度磁化すると、14
000Oe程度の高い保磁力を示すようになり、その後
のデ−タの消去や書き換えがほとんど不可能になる。
【0028】図3はこのような磁気記録媒体を用いた磁
気カ−ドの消去特性を例示したもので、通常使用されて
いる酸化鉄磁性粉を用いた磁気カ−ドでは1000Oe
程度の磁界を印加するとほぼ完全に消磁されて、再生出
力はほぼゼロになり、このことは通常の磁気カ−ドのデ
−タが容易に書き換えできることを示している。これに
対し、MnBi磁性粉末を用いた磁気カ−ドでは、50
00Oe程度の磁界を印加しても出力は30%程度した
減少せず、また8000Oe程度の磁界を印加しても、
出力はまだ50%程度残っており、このことは一度デ−
タを記録すると、書き換えすることが極めて困難である
ことを示している。
気カ−ドの消去特性を例示したもので、通常使用されて
いる酸化鉄磁性粉を用いた磁気カ−ドでは1000Oe
程度の磁界を印加するとほぼ完全に消磁されて、再生出
力はほぼゼロになり、このことは通常の磁気カ−ドのデ
−タが容易に書き換えできることを示している。これに
対し、MnBi磁性粉末を用いた磁気カ−ドでは、50
00Oe程度の磁界を印加しても出力は30%程度した
減少せず、また8000Oe程度の磁界を印加しても、
出力はまだ50%程度残っており、このことは一度デ−
タを記録すると、書き換えすることが極めて困難である
ことを示している。
【0029】この発明のMnBi磁性粉末は、粉末冶金
法、ア−ク炉溶解法、高周波溶解法、溶融急冷法等によ
りMnBiインゴットとし、これを粉砕して製造され、
たとえば、粉末冶金法で製造する場合、インゴットを作
製する工程、これを粉砕する工程および安定化処理工程
に分けて下記のようにして製造される。なお必ずしも粉
砕法によらずMnBi磁性粉末としてもよい。
法、ア−ク炉溶解法、高周波溶解法、溶融急冷法等によ
りMnBiインゴットとし、これを粉砕して製造され、
たとえば、粉末冶金法で製造する場合、インゴットを作
製する工程、これを粉砕する工程および安定化処理工程
に分けて下記のようにして製造される。なお必ずしも粉
砕法によらずMnBi磁性粉末としてもよい。
【0030】まずインゴットの作製は、50〜300メ
ッシュのMn粉およびBi粉を充分に混合し、これを加
圧プレスして成型体とし、インゴットが作製される。な
お、この混合は不活性雰囲気中で行うことが好ましい
が、酸化雰囲気中で混合しても構わない。
ッシュのMn粉およびBi粉を充分に混合し、これを加
圧プレスして成型体とし、インゴットが作製される。な
お、この混合は不活性雰囲気中で行うことが好ましい
が、酸化雰囲気中で混合しても構わない。
【0031】Mn粉およびBi粉を混合する場合、その
比率(Mn/Bi)はモル比で45:55から65:3
5の範囲にするのが好ましく、Biに比べてMnを多く
すると、MnBi磁性粉末としたときにその表面にMn
の酸化物や水酸化物を形成することにより、MnBi磁
性粉末の耐食性が向上し、良質な磁性粉末が得られる。
このため、Biに比べてMnを多くするのがより好まし
い。
比率(Mn/Bi)はモル比で45:55から65:3
5の範囲にするのが好ましく、Biに比べてMnを多く
すると、MnBi磁性粉末としたときにその表面にMn
の酸化物や水酸化物を形成することにより、MnBi磁
性粉末の耐食性が向上し、良質な磁性粉末が得られる。
このため、Biに比べてMnを多くするのがより好まし
い。
【0032】ここで使用されるMn粉およびBi粉とし
ては、不純物の含有量が少ないものを使用するのが好ま
しいが、磁気特性を調整するときには、これにNi、A
l、Cu、Pt、Zn、Feなどの金属を添加して使用
される。このような金属を添加する場合、その添加量
は、MnBiに対して0.6原子%以上とすることにより
磁気特性を良好に制御することができ、5.0原子%より
少なくすることによりMnBiの結晶構造自体を良好に
維持することができMnBi本来の特性を発揮できるた
め、0.6〜5.0原子%の範囲内になるようにするのが好
ましい。また、これらの添加方法としては、あらかじめ
Mnとこれらの元素の合金を作っておくことが好まし
い。
ては、不純物の含有量が少ないものを使用するのが好ま
しいが、磁気特性を調整するときには、これにNi、A
l、Cu、Pt、Zn、Feなどの金属を添加して使用
される。このような金属を添加する場合、その添加量
は、MnBiに対して0.6原子%以上とすることにより
磁気特性を良好に制御することができ、5.0原子%より
少なくすることによりMnBiの結晶構造自体を良好に
維持することができMnBi本来の特性を発揮できるた
め、0.6〜5.0原子%の範囲内になるようにするのが好
ましい。また、これらの添加方法としては、あらかじめ
Mnとこれらの元素の合金を作っておくことが好まし
い。
【0033】また、Mn粉またはBi粉としては、あら
かじめ粉砕してあったものを用いてもよいし、フレ−ク
あるいはショット等の塊を粉砕により微粉化して用いて
もよい。焼結反応により合成する場合には、MnとBi
の接触界面を通しての拡散反応によりMnBiが生成す
るため、Mn粉およびBi粉は50〜300メッシュに
微粉化したものを用いると生成反応がスム−ズに進み、
表面性に反応が大きく左右されるため、Mn粉およびB
i粉表面をエッチングしたり、溶剤により脱脂するな
ど、粉末冶金法で行われている表面処理を施しておくこ
とが好ましい。これらMn粉およびBi粉の混合は、自
動乳鉢、ボ−ルミルなど任意の手段で行われる。
かじめ粉砕してあったものを用いてもよいし、フレ−ク
あるいはショット等の塊を粉砕により微粉化して用いて
もよい。焼結反応により合成する場合には、MnとBi
の接触界面を通しての拡散反応によりMnBiが生成す
るため、Mn粉およびBi粉は50〜300メッシュに
微粉化したものを用いると生成反応がスム−ズに進み、
表面性に反応が大きく左右されるため、Mn粉およびB
i粉表面をエッチングしたり、溶剤により脱脂するな
ど、粉末冶金法で行われている表面処理を施しておくこ
とが好ましい。これらMn粉およびBi粉の混合は、自
動乳鉢、ボ−ルミルなど任意の手段で行われる。
【0034】Mn粉およびBi粉を加圧プレスして成型
体とする場合、加圧力は1〜8t/cm2 にするのが好
ましく、このような加圧力で加圧プレスして成型体とす
ると、焼結反応が促進されて均一なインゴットが作製さ
れる。加圧力を1t/cm2以上とすることによりMn
Biインゴットをより均一にすることができ、8t/c
m2 以下とすることにより生産性を向上することができ
る。
体とする場合、加圧力は1〜8t/cm2 にするのが好
ましく、このような加圧力で加圧プレスして成型体とす
ると、焼結反応が促進されて均一なインゴットが作製さ
れる。加圧力を1t/cm2以上とすることによりMn
Biインゴットをより均一にすることができ、8t/c
m2 以下とすることにより生産性を向上することができ
る。
【0035】得られた成型体は、ガラス容器あるいは金
属容器に密封され、容器内は真空あるいは不活性ガス雰
囲気とし、熱処理中の酸化が防止される。不活性ガスと
しては、水素、窒素、アルゴン等が使用できるが、コス
トの点から窒素ガスが最適なものとして使用される。こ
のように成型体を密封した容器は、次いで、電気炉に入
れられて、260〜271℃で2〜15日間熱処理され
る。熱処理温度を260℃以上とすることにより熱処理
を短時間で行うことができるとともに、得られるインゴ
ットの磁化量を高くすることができ、また271℃以下
とすることによりBiの融解を抑制し、均一なインゴッ
トが得られるため、Biの融点直下で行うことが好まし
い。
属容器に密封され、容器内は真空あるいは不活性ガス雰
囲気とし、熱処理中の酸化が防止される。不活性ガスと
しては、水素、窒素、アルゴン等が使用できるが、コス
トの点から窒素ガスが最適なものとして使用される。こ
のように成型体を密封した容器は、次いで、電気炉に入
れられて、260〜271℃で2〜15日間熱処理され
る。熱処理温度を260℃以上とすることにより熱処理
を短時間で行うことができるとともに、得られるインゴ
ットの磁化量を高くすることができ、また271℃以下
とすることによりBiの融解を抑制し、均一なインゴッ
トが得られるため、Biの融点直下で行うことが好まし
い。
【0036】このようにして作製されたMnBiインゴ
ットは取り出されて、予め自動乳鉢等により不活性ガス
雰囲気中で粗粉砕され、粒子サイズが100〜500μ
mに調整される。そして、ボ−ルミル、遊星ボ−ルミル
等を用いたボ−ルの衝撃を利用した湿式粉砕、あるいは
ジェットミル等の乾式粉砕により粒子間や容器の壁への
粒子の衝突による衝撃により微粒子化される。
ットは取り出されて、予め自動乳鉢等により不活性ガス
雰囲気中で粗粉砕され、粒子サイズが100〜500μ
mに調整される。そして、ボ−ルミル、遊星ボ−ルミル
等を用いたボ−ルの衝撃を利用した湿式粉砕、あるいは
ジェットミル等の乾式粉砕により粒子間や容器の壁への
粒子の衝突による衝撃により微粒子化される。
【0037】このボ−ルの衝撃を利用した粉砕において
は、粉砕が進むにつれて、ボ−ルの径を段階的に小さく
して粉砕すると、より粒子径の均一な磁性粉末が得られ
る。元々、MnBiは六方晶構造を有するために、劈開
する性質を示し、このために高いエネルギ−をかけて粉
砕する必要はない。湿式粉砕の場合の液体としては有機
溶媒を使用することが好ましく、さらに有機溶媒として
はトルエン等の非極性用溶媒を使用し、あらかじめ溶媒
中の溶存水分を除去しておくことがことが好ましい。一
方、乾式粉砕の場合には、非酸化性雰囲気で行うことが
好ましい。この非酸化性雰囲気としては、真空あるいは
窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気が好適な
ものとして用いられる。
は、粉砕が進むにつれて、ボ−ルの径を段階的に小さく
して粉砕すると、より粒子径の均一な磁性粉末が得られ
る。元々、MnBiは六方晶構造を有するために、劈開
する性質を示し、このために高いエネルギ−をかけて粉
砕する必要はない。湿式粉砕の場合の液体としては有機
溶媒を使用することが好ましく、さらに有機溶媒として
はトルエン等の非極性用溶媒を使用し、あらかじめ溶媒
中の溶存水分を除去しておくことがことが好ましい。一
方、乾式粉砕の場合には、非酸化性雰囲気で行うことが
好ましい。この非酸化性雰囲気としては、真空あるいは
窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気が好適な
ものとして用いられる。
【0038】このようにして得られるMnBi磁性粉末
の平均粒子径は、0.1μm以上20μm以下の範囲にあ
り、粉砕条件により粒子径をコントロ−ルできる。粒子
径を0.1μmより大きくすることにより最終的に得られ
る磁性粉末の飽和磁化を高くすることができ、また20
μm以下とすることにより、磁性粉末の保磁力を十分に
大きくすることができるとともに、最終的に得られる磁
気記録媒体の表面平滑性が良好となり、十分な記録を行
うことができる。
の平均粒子径は、0.1μm以上20μm以下の範囲にあ
り、粉砕条件により粒子径をコントロ−ルできる。粒子
径を0.1μmより大きくすることにより最終的に得られ
る磁性粉末の飽和磁化を高くすることができ、また20
μm以下とすることにより、磁性粉末の保磁力を十分に
大きくすることができるとともに、最終的に得られる磁
気記録媒体の表面平滑性が良好となり、十分な記録を行
うことができる。
【0039】以上の工程により、16kOeの磁界を印
加して測定した保磁力が300Kにおいて3000〜1
50000Oeの範囲に、80Kにおいて50〜100
0Oeの範囲にあり、かつ300Kにおいて16kOe
の磁界を印加して測定した飽和磁化量が20〜60em
u/gの範囲にあるMnBi磁性粉末が得られる。
加して測定した保磁力が300Kにおいて3000〜1
50000Oeの範囲に、80Kにおいて50〜100
0Oeの範囲にあり、かつ300Kにおいて16kOe
の磁界を印加して測定した飽和磁化量が20〜60em
u/gの範囲にあるMnBi磁性粉末が得られる。
【0040】このような方法で作製したMnBi磁性粉
末は、本発明の磁性層の1度記録すると書き換えできな
い領域の磁性粉末として使用できるが、MnBi磁性粉
末は化学的に不安定であり、高温、高湿下に長時間保持
すると腐食が進行し、磁化が劣化する問題があるため、
以下のような安定化するための処理を行うことが望まし
い。
末は、本発明の磁性層の1度記録すると書き換えできな
い領域の磁性粉末として使用できるが、MnBi磁性粉
末は化学的に不安定であり、高温、高湿下に長時間保持
すると腐食が進行し、磁化が劣化する問題があるため、
以下のような安定化するための処理を行うことが望まし
い。
【0041】MnBi磁性粉末の安定化処理方法として
は、MnBi磁性粉末の表面近傍に、MnBi磁性粉末
自身が有するMnあるいはBiを用いてこれらの金属の
酸化物、水酸化物の被膜を形成する方法や、Mnあるい
はBiを用いてこれらの金属の窒化物あるいは炭化物等
の被膜を形成する方法、さらにMnBi磁性粉末に直
接、あるいは前述の被膜を形成した上にさらにチタン、
ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、カ−ボンなどの
無機物の被膜を形成させるなどの方法がある。これらの
方法はいずれもMnBi磁性粉末の表面に無機物の被膜
を形成するものであるが、MnBi磁性粉末の表面に界
面活性剤などの有機物の被膜を形成することも有効であ
る。
は、MnBi磁性粉末の表面近傍に、MnBi磁性粉末
自身が有するMnあるいはBiを用いてこれらの金属の
酸化物、水酸化物の被膜を形成する方法や、Mnあるい
はBiを用いてこれらの金属の窒化物あるいは炭化物等
の被膜を形成する方法、さらにMnBi磁性粉末に直
接、あるいは前述の被膜を形成した上にさらにチタン、
ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、カ−ボンなどの
無機物の被膜を形成させるなどの方法がある。これらの
方法はいずれもMnBi磁性粉末の表面に無機物の被膜
を形成するものであるが、MnBi磁性粉末の表面に界
面活性剤などの有機物の被膜を形成することも有効であ
る。
【0042】これらの安定化処理方法において、代表的
なものとして、酸素を利用してMnBi磁性粉末の表面
にMnおよびBiの酸化物の被膜を形成する方法があ
り、以下その方法について説明する。
なものとして、酸素を利用してMnBi磁性粉末の表面
にMnおよびBiの酸化物の被膜を形成する方法があ
り、以下その方法について説明する。
【0043】まずMnBi磁性粉末を100ppmから
10000ppm程度の酸素を含有する窒素ガスやアル
ゴンガス中で、20〜150℃の温度で加熱する。加熱
時間としては0.5時間から40時間程度が適当である。
温度が低いほど、この加熱時間を長くすることが好まし
い。この処理により、MnおよびBiの酸化物が形成さ
れる。特にこの処理において、MnBi磁性粉末の化学
的安定性に大きく寄与するMnの酸化物が優先的に形成
される。
10000ppm程度の酸素を含有する窒素ガスやアル
ゴンガス中で、20〜150℃の温度で加熱する。加熱
時間としては0.5時間から40時間程度が適当である。
温度が低いほど、この加熱時間を長くすることが好まし
い。この処理により、MnおよびBiの酸化物が形成さ
れる。特にこの処理において、MnBi磁性粉末の化学
的安定性に大きく寄与するMnの酸化物が優先的に形成
される。
【0044】この酸化の度合いを大きくするほど表面近
傍に形成される酸化物被膜は厚くなり、化学的安定性は
向上するが、飽和磁化の初期値が低下してしまう。
傍に形成される酸化物被膜は厚くなり、化学的安定性は
向上するが、飽和磁化の初期値が低下してしまう。
【0045】この酸化物の厚さを正確に測定することは
困難であるが、磁性粉末の飽和磁化で表して300Kに
おいて20〜60emu/gの範囲になるように調整す
ることが好ましい。飽和磁化が20emu/gより小さ
い磁性粉末は、酸化物被膜の厚さが厚いため、化学的安
定性は良好となるが、飽和磁化が低すぎて磁気記録媒体
とした時の再生出力が小さくなる。また60emu/g
より大きいと酸化物被膜の厚さが薄すぎて化学的安定性
に劣る。
困難であるが、磁性粉末の飽和磁化で表して300Kに
おいて20〜60emu/gの範囲になるように調整す
ることが好ましい。飽和磁化が20emu/gより小さ
い磁性粉末は、酸化物被膜の厚さが厚いため、化学的安
定性は良好となるが、飽和磁化が低すぎて磁気記録媒体
とした時の再生出力が小さくなる。また60emu/g
より大きいと酸化物被膜の厚さが薄すぎて化学的安定性
に劣る。
【0046】以上のような処理により、MnBi磁性粉
末の化学的安定性は著しく向上するが、この状態の磁性
粉末は触媒活性が極めて強く、磁気記録媒体では、磁性
粉末を通常有機物である結合剤樹脂中に分散させて使用
するため、このような触媒活性の強い磁性粉末が有機物
である結合剤樹脂と接すると、その触媒性により結合剤
樹脂が分解され、さらに分解した結合剤樹脂から生じた
物質により磁性粉末が腐食する可能性がある。
末の化学的安定性は著しく向上するが、この状態の磁性
粉末は触媒活性が極めて強く、磁気記録媒体では、磁性
粉末を通常有機物である結合剤樹脂中に分散させて使用
するため、このような触媒活性の強い磁性粉末が有機物
である結合剤樹脂と接すると、その触媒性により結合剤
樹脂が分解され、さらに分解した結合剤樹脂から生じた
物質により磁性粉末が腐食する可能性がある。
【0047】そこで次に、前述の処理を行った後、さら
に不活性ガス中熱処理して、MnBi磁性粉末の表面近
傍に形成されているMnの酸化物を安定な酸化物である
MnO2 に変換する。このMnO2 への変換は、前述の
熱処理温度よりも高いことが好ましく、通常200〜4
00℃程度にするのが好ましい。温度が200℃より低
いとMnO2 への変換が不十分であり、400℃より高
いとMnBiがMnとBiに分解し易くなる。また不活
性ガスとしては通常窒素ガスやアルゴンガスが使用され
るが、真空中熱処理しても同じ効果が得られる。またさ
らにMnO2 の構造としては、α型やβ型、さらにγ型
が知られているが、触媒活性が最も小さいβ型にするこ
とが好ましく、β型にするためには熱処理温度を300
〜400℃にすることが特に好ましい。
に不活性ガス中熱処理して、MnBi磁性粉末の表面近
傍に形成されているMnの酸化物を安定な酸化物である
MnO2 に変換する。このMnO2 への変換は、前述の
熱処理温度よりも高いことが好ましく、通常200〜4
00℃程度にするのが好ましい。温度が200℃より低
いとMnO2 への変換が不十分であり、400℃より高
いとMnBiがMnとBiに分解し易くなる。また不活
性ガスとしては通常窒素ガスやアルゴンガスが使用され
るが、真空中熱処理しても同じ効果が得られる。またさ
らにMnO2 の構造としては、α型やβ型、さらにγ型
が知られているが、触媒活性が最も小さいβ型にするこ
とが好ましく、β型にするためには熱処理温度を300
〜400℃にすることが特に好ましい。
【0048】このような熱処理を施すことにより、Mn
Bi磁性粉末の表面近傍には、主としてMnO2 で表さ
れるMnの酸化物被膜が形成され、化学的安定性に優
れ、磁性粉末の平均粒子径が0.1μm以上20μm以下
の範囲にあり、かつ16kOeの磁界を印加して測定し
た保磁力が、300Kにおいて3000〜15000O
eの範囲に、80Kにおいて50〜1000Oeの範囲
にあり、かつ300Kにおいて16kOeの磁界を印加
して測定した飽和磁化量が、20〜60emu/gの範
囲にあり、さらに結合剤樹脂中での分散性、配向性など
に優れた磁性粉末を得ることができる。
Bi磁性粉末の表面近傍には、主としてMnO2 で表さ
れるMnの酸化物被膜が形成され、化学的安定性に優
れ、磁性粉末の平均粒子径が0.1μm以上20μm以下
の範囲にあり、かつ16kOeの磁界を印加して測定し
た保磁力が、300Kにおいて3000〜15000O
eの範囲に、80Kにおいて50〜1000Oeの範囲
にあり、かつ300Kにおいて16kOeの磁界を印加
して測定した飽和磁化量が、20〜60emu/gの範
囲にあり、さらに結合剤樹脂中での分散性、配向性など
に優れた磁性粉末を得ることができる。
【0049】以上のようにして製造されたMnBi磁性
粉末は、磁気ヘッドで記録、消去、書き換えが可能な磁
性粉末と共に使用する。ここで、磁気ヘッドで記録、消
去、書き換えが可能な磁性粉末としては、300Kにお
いて16kOeの磁界を印加して測定した時の保磁力が
300Oeから8000Oeの範囲にあるものを好まし
く使用することができ、後述するように300Oe以上
とすることにより、減磁の効果を抑制することができ、
8000Oe以下とすることにより書き換えの機能をよ
り発揮することができる。このような磁性粉末の具体例
としては、酸化物磁性粉末、金属磁性粉末、合金磁性粉
末や化合物磁性粉末を好適なものとして挙げることがで
きる。
粉末は、磁気ヘッドで記録、消去、書き換えが可能な磁
性粉末と共に使用する。ここで、磁気ヘッドで記録、消
去、書き換えが可能な磁性粉末としては、300Kにお
いて16kOeの磁界を印加して測定した時の保磁力が
300Oeから8000Oeの範囲にあるものを好まし
く使用することができ、後述するように300Oe以上
とすることにより、減磁の効果を抑制することができ、
8000Oe以下とすることにより書き換えの機能をよ
り発揮することができる。このような磁性粉末の具体例
としては、酸化物磁性粉末、金属磁性粉末、合金磁性粉
末や化合物磁性粉末を好適なものとして挙げることがで
きる。
【0050】酸化物磁性粉末としては、ガンマ酸化鉄磁
性粉末、マグネタイト磁性粉末やガンマ酸化鉄マグネタ
イト中間酸化鉄磁性粉末などの酸化鉄磁性粉末、二酸化
クロム磁性粉末、コバルトを含有させたコバルト含有酸
化鉄磁性粉末などが使用される。またバリウムフェライ
ト磁性粉末、ストロンチウムフェライト磁性粉末や鉛フ
ェライト磁性粉末などの六方晶フェライト磁性粉末が特
に好適なものとして使用される。
性粉末、マグネタイト磁性粉末やガンマ酸化鉄マグネタ
イト中間酸化鉄磁性粉末などの酸化鉄磁性粉末、二酸化
クロム磁性粉末、コバルトを含有させたコバルト含有酸
化鉄磁性粉末などが使用される。またバリウムフェライ
ト磁性粉末、ストロンチウムフェライト磁性粉末や鉛フ
ェライト磁性粉末などの六方晶フェライト磁性粉末が特
に好適なものとして使用される。
【0051】金属磁性粉末としては、鉄を主成分とした
金属磁性粉末が好適なものとして使用される。また、合
金磁性粉末としては、鉄−ニッケル合金磁性粉末や鉄−
コバルト合金磁性粉末などが好適なものとして使用され
る。さらに、六方晶フェライト磁性粉末は、本発明の磁
気記録媒体をプリペ−ドカ−ドや磁気定期券、磁気切符
などの磁気カ−ドに適用する場合には、特に好適な磁性
粉末として使用させれる。この六方晶フェライト磁性粉
末としては、バリウムフェライト磁性粉末、ストロンチ
ウムフェライト磁性粉末、鉛フェライト磁性粉末などが
好適なものとして使用される。
金属磁性粉末が好適なものとして使用される。また、合
金磁性粉末としては、鉄−ニッケル合金磁性粉末や鉄−
コバルト合金磁性粉末などが好適なものとして使用され
る。さらに、六方晶フェライト磁性粉末は、本発明の磁
気記録媒体をプリペ−ドカ−ドや磁気定期券、磁気切符
などの磁気カ−ドに適用する場合には、特に好適な磁性
粉末として使用させれる。この六方晶フェライト磁性粉
末としては、バリウムフェライト磁性粉末、ストロンチ
ウムフェライト磁性粉末、鉛フェライト磁性粉末などが
好適なものとして使用される。
【0052】またさらに高保磁力の磁性粉末として、サ
マリウムコバルト磁性粉末あるいはネオジウム鉄ボロン
磁性粉末なども好適な磁性粉末としてあげられる。
マリウムコバルト磁性粉末あるいはネオジウム鉄ボロン
磁性粉末なども好適な磁性粉末としてあげられる。
【0053】その他にも磁気ヘッドで記録、消去、書き
換えが可能な磁性粉末として使用可能な磁性粉末は書き
換えできる領域の出力を担う。したがってこの磁性粉末
としては、MnBi磁性粉末の保磁力とある程度以上差
異がある方が、一度記録すると書き換え困難な領域と、
任意に書き換えできる領域とを併せもつ特性を発揮しや
すい。そこでこのMnBi磁性粉末と共に使用する磁性
粉末の保磁力としては、300Kにおいて16kOeの
磁界を印加して測定した時の保磁力が300〜8000
Oeの範囲のものを使用することが好ましい。
換えが可能な磁性粉末として使用可能な磁性粉末は書き
換えできる領域の出力を担う。したがってこの磁性粉末
としては、MnBi磁性粉末の保磁力とある程度以上差
異がある方が、一度記録すると書き換え困難な領域と、
任意に書き換えできる領域とを併せもつ特性を発揮しや
すい。そこでこのMnBi磁性粉末と共に使用する磁性
粉末の保磁力としては、300Kにおいて16kOeの
磁界を印加して測定した時の保磁力が300〜8000
Oeの範囲のものを使用することが好ましい。
【0054】またMnBi磁性粉末と、磁気ヘッドで記
録、消去、書き換えが可能な磁性粉末である他の磁性粉
末との添加割合は、重量比で表して1:9から9:1の
範囲にすることが好ましい。MnBi磁性粉末の添加割
合を1:9以上とすることにより、一度信号を書き込む
と書き換えできない特性(ライトワンス機能、リ−ドオ
ンリ−機能)をより発揮することができる。
録、消去、書き換えが可能な磁性粉末である他の磁性粉
末との添加割合は、重量比で表して1:9から9:1の
範囲にすることが好ましい。MnBi磁性粉末の添加割
合を1:9以上とすることにより、一度信号を書き込む
と書き換えできない特性(ライトワンス機能、リ−ドオ
ンリ−機能)をより発揮することができる。
【0055】この一度信号を書き込むと書き換えできな
い領域の再生出力は、MnBi磁性粉末と、酸化物磁性
粉末や金属磁性粉末などの磁性粉末が共に寄与するが、
この領域はMnBi磁性粉末を含有しない偽造磁気記録
媒体を排除するために、この領域に記録されているデ−
タを再生する前に消磁することが好ましく、この場合再
生される出力はMnBi磁性粉末によるもののみとなる
ため、MnBi磁性粉末の添加割合を、重量比で表し
て、1:9以上とすることが好ましい。またこの比が少
なすぎると、偽造防止を目的とした消去、書き換えの困
難な信号の出力が小さくなり、MnBi磁性粉末を含有
する正規の磁気記録媒体でも偽造磁気記録媒体と判断し
てしまう確率が高くなる。
い領域の再生出力は、MnBi磁性粉末と、酸化物磁性
粉末や金属磁性粉末などの磁性粉末が共に寄与するが、
この領域はMnBi磁性粉末を含有しない偽造磁気記録
媒体を排除するために、この領域に記録されているデ−
タを再生する前に消磁することが好ましく、この場合再
生される出力はMnBi磁性粉末によるもののみとなる
ため、MnBi磁性粉末の添加割合を、重量比で表し
て、1:9以上とすることが好ましい。またこの比が少
なすぎると、偽造防止を目的とした消去、書き換えの困
難な信号の出力が小さくなり、MnBi磁性粉末を含有
する正規の磁気記録媒体でも偽造磁気記録媒体と判断し
てしまう確率が高くなる。
【0056】一方、書き換えできる領域(リライト機
能)の再生出力にはMnBi磁性粉末以外の磁性粉末が
寄与するため、MnBi磁性粉末とこの磁性粉末との添
加割合は、重量比で表して9:1以下にすることが好ま
しい。したがって一度信号を書き込むと書き換えできな
い領域と、書き換えできる領域の再生出力をバランスよ
く保つためには、この比を9:1から1:9の範囲に設
定することが好ましく、特にこの比を2:8から8:2
の範囲としたときに、最もバランスよく特性を発揮する
ことができる。
能)の再生出力にはMnBi磁性粉末以外の磁性粉末が
寄与するため、MnBi磁性粉末とこの磁性粉末との添
加割合は、重量比で表して9:1以下にすることが好ま
しい。したがって一度信号を書き込むと書き換えできな
い領域と、書き換えできる領域の再生出力をバランスよ
く保つためには、この比を9:1から1:9の範囲に設
定することが好ましく、特にこの比を2:8から8:2
の範囲としたときに、最もバランスよく特性を発揮する
ことができる。
【0057】またMnBi磁性粉末を含有する磁性層
と、上記の磁性粉末を含有する磁性層とをそれぞれ積層
する場合には、それぞれの磁性層の残留磁束密度の比が
2:8から8:2程度になるように磁性層厚さを設定す
ることが好ましい。
と、上記の磁性粉末を含有する磁性層とをそれぞれ積層
する場合には、それぞれの磁性層の残留磁束密度の比が
2:8から8:2程度になるように磁性層厚さを設定す
ることが好ましい。
【0058】この積層する場合でも、磁性粉末を混合す
る場合と同様に、残留磁束密度の比が2:8から8:2
程度の時に、書き換え機能を維持しながら、かつ偽造を
防止できるバランスの良い特性をもった磁気記録媒体が
得られる。
る場合と同様に、残留磁束密度の比が2:8から8:2
程度の時に、書き換え機能を維持しながら、かつ偽造を
防止できるバランスの良い特性をもった磁気記録媒体が
得られる。
【0059】また、磁性層厚さとしては、磁気カ−ドに
適用する場合には、通常2〜30μm程度とすることが
好ましく、積層する場合でも、それぞれの磁性層厚さを
1〜20μm程度にして、全体の磁性層厚さを2〜30
μm程度とすることが好ましい。
適用する場合には、通常2〜30μm程度とすることが
好ましく、積層する場合でも、それぞれの磁性層厚さを
1〜20μm程度にして、全体の磁性層厚さを2〜30
μm程度とすることが好ましい。
【0060】また積層する場合には、MnBi磁性粉末
を含有する磁性層と、上記の磁性粉末を含有する磁性層
が上層、あるいは下層のどちらになっても、本発明の特
徴が損なわれることはない。
を含有する磁性層と、上記の磁性粉末を含有する磁性層
が上層、あるいは下層のどちらになっても、本発明の特
徴が損なわれることはない。
【0061】また、MnBi磁性粉末を含有する磁性層
と、上記の磁性粉末を含有する磁性層とを磁気記録媒体
の両面にそれぞれ設けることによっても、本発明の効果
を発揮できることはいうまでもなく、さらに、上記の構
成の磁性層を任意に組み合わせて使用することも可能で
ある。
と、上記の磁性粉末を含有する磁性層とを磁気記録媒体
の両面にそれぞれ設けることによっても、本発明の効果
を発揮できることはいうまでもなく、さらに、上記の構
成の磁性層を任意に組み合わせて使用することも可能で
ある。
【0062】またこのデ−タを記録する磁性層の表面
に、さらにパ−マロイ粉やセンダスト粉を含有させたシ
−ルド層を形成させると、デ−タの読み取り、書き換え
がさらに困難になり、セキュリティ−性が一層向上す
る。また通常磁気カ−ドに使用されている各種の保護層
や隠蔽層を形成しても、本発明の特徴が損なわれないこ
とは言うまでもない。
に、さらにパ−マロイ粉やセンダスト粉を含有させたシ
−ルド層を形成させると、デ−タの読み取り、書き換え
がさらに困難になり、セキュリティ−性が一層向上す
る。また通常磁気カ−ドに使用されている各種の保護層
や隠蔽層を形成しても、本発明の特徴が損なわれないこ
とは言うまでもない。
【0063】このMnBi磁性粉末と上記の磁気ヘッド
で記録、消去、書き換えが可能な磁性粉末である他の磁
性粉末とを用いる磁気記録媒体は、常法に準じて作製さ
れ、たとえば、これらの磁性粉末を、結合剤樹脂、有機
溶剤などとともに混合分散して磁性塗料を調製し、これ
を基体上に塗布、乾燥して磁性層を形成して作製され
る。
で記録、消去、書き換えが可能な磁性粉末である他の磁
性粉末とを用いる磁気記録媒体は、常法に準じて作製さ
れ、たとえば、これらの磁性粉末を、結合剤樹脂、有機
溶剤などとともに混合分散して磁性塗料を調製し、これ
を基体上に塗布、乾燥して磁性層を形成して作製され
る。
【0064】ここに用いる結合剤樹脂としては、一般に
磁気記録媒体に用いられているものがいずれも使用さ
れ、たとえば、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、ポ
リビニルブチラ−ル樹脂、繊維素系樹脂、フッ素系樹
脂、ポリウレタン系樹脂、イソシアネ−ト化合物、放射
線硬化型樹脂などが用いられる。
磁気記録媒体に用いられているものがいずれも使用さ
れ、たとえば、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、ポ
リビニルブチラ−ル樹脂、繊維素系樹脂、フッ素系樹
脂、ポリウレタン系樹脂、イソシアネ−ト化合物、放射
線硬化型樹脂などが用いられる。
【0065】なおMnBi磁性粉は、すでに述べたよう
に水分が存在すると腐食、分解しやすく、特に水分が酸
性のときに腐食、分解が顕著になる。そこでMnBi磁
性粉末を磁性層中に均一に分散させる場合は上記の結合
剤樹脂で十分であるが、水分に対する安定性をさらに向
上させる上で、上記の結合剤樹脂中にさらに塩基性官能
基を含ませることにより、化学的安定性をさらに向上さ
せることができる。この塩基性官能基としては、たとえ
ば、イミン、アミン、アミド、チオ尿素、チオゾ−ル、
アンモニウム塩またはホスホニウム化合物等が適してい
る。
に水分が存在すると腐食、分解しやすく、特に水分が酸
性のときに腐食、分解が顕著になる。そこでMnBi磁
性粉末を磁性層中に均一に分散させる場合は上記の結合
剤樹脂で十分であるが、水分に対する安定性をさらに向
上させる上で、上記の結合剤樹脂中にさらに塩基性官能
基を含ませることにより、化学的安定性をさらに向上さ
せることができる。この塩基性官能基としては、たとえ
ば、イミン、アミン、アミド、チオ尿素、チオゾ−ル、
アンモニウム塩またはホスホニウム化合物等が適してい
る。
【0066】また磁性層中に塩基性官能基を含ませる手
段として、塩基性官能基を有する添加剤を添加すること
も効果的である。この添加剤に含ませる塩基性官能基
も、前記結合剤樹脂と同様に、イミン、アミン、アミ
ド、チオ尿素、チオゾ−ル、アンモニウム塩またはホス
ホニウム化合物等が適している。
段として、塩基性官能基を有する添加剤を添加すること
も効果的である。この添加剤に含ませる塩基性官能基
も、前記結合剤樹脂と同様に、イミン、アミン、アミ
ド、チオ尿素、チオゾ−ル、アンモニウム塩またはホス
ホニウム化合物等が適している。
【0067】具体的には、メチルアミン、エチルアミ
ン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミ
ン、アミルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、
オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ウンデ
シルアミン、ドデシルアミン、トリデシルアミン、テト
ラデシルアミン、ペンタデシルアミン、セチルアミン、
ステアリルアミンなどの脂肪族第一アミン、ジメチルア
ミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロ
ピルアミン、ジブチルアミン、ジアミルアミンなどの脂
肪族第二アミン、トリメチルアミン、トリエチルアミ
ン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリアミ
ルアミン、トリドデシルアミンなどの脂肪族第三アミ
ン、さらに脂肪族不飽和アミン、脂環式アミン、芳香族
アミンなどが好適なものとして使用される。さらにSi
やAl、Ti等のカップリング剤を各種のアミンで変性
したものなども好適なものとして使用できる。
ン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミ
ン、アミルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、
オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ウンデ
シルアミン、ドデシルアミン、トリデシルアミン、テト
ラデシルアミン、ペンタデシルアミン、セチルアミン、
ステアリルアミンなどの脂肪族第一アミン、ジメチルア
ミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロ
ピルアミン、ジブチルアミン、ジアミルアミンなどの脂
肪族第二アミン、トリメチルアミン、トリエチルアミ
ン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリアミ
ルアミン、トリドデシルアミンなどの脂肪族第三アミ
ン、さらに脂肪族不飽和アミン、脂環式アミン、芳香族
アミンなどが好適なものとして使用される。さらにSi
やAl、Ti等のカップリング剤を各種のアミンで変性
したものなども好適なものとして使用できる。
【0068】このような塩基性官能基を含有する添加剤
の添加量は、一般的には多くなるほど化学的安定性は向
上するが、多過ぎると磁性層の磁束密度が低下する。そ
こで、通常は磁性粉末に対して重量比で1〜15%程度
とすることが好ましいが、磁性層の磁束密度をさほど低
下させることなく耐食性向上に効果の大きい範囲とし
て、2〜10重量%程度添加することが、特に好まし
い。
の添加量は、一般的には多くなるほど化学的安定性は向
上するが、多過ぎると磁性層の磁束密度が低下する。そ
こで、通常は磁性粉末に対して重量比で1〜15%程度
とすることが好ましいが、磁性層の磁束密度をさほど低
下させることなく耐食性向上に効果の大きい範囲とし
て、2〜10重量%程度添加することが、特に好まし
い。
【0069】有機溶剤としては、トルエン、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノ
ン、テトラヒドロフラン、酢酸エチルなど従来汎用され
ている有機溶剤が単独でまたは2種以上混合して使用さ
れる。また前述した理由により、これらの有機溶剤中に
溶存している水分はできる限り除去してから使用するこ
とが好ましく、また有機溶剤の中でも水を溶解しにくい
非極性の溶剤を使用することがさらに好ましい。
ルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノ
ン、テトラヒドロフラン、酢酸エチルなど従来汎用され
ている有機溶剤が単独でまたは2種以上混合して使用さ
れる。また前述した理由により、これらの有機溶剤中に
溶存している水分はできる限り除去してから使用するこ
とが好ましく、また有機溶剤の中でも水を溶解しにくい
非極性の溶剤を使用することがさらに好ましい。
【0070】なお、磁性塗料中には、通常使用されてい
る各種の添加剤、例えば分散剤、潤滑剤、帯電防止剤な
どを任意に添加使用してもよいが、酸性の物質が存在す
るとMnBi磁性粉末が劣化しやくなる。したがって磁
気記録媒体に通常使用されている酸性の潤滑剤は、でき
る限り添加量を少なくすることが化学的安定性の面から
は好ましい。
る各種の添加剤、例えば分散剤、潤滑剤、帯電防止剤な
どを任意に添加使用してもよいが、酸性の物質が存在す
るとMnBi磁性粉末が劣化しやくなる。したがって磁
気記録媒体に通常使用されている酸性の潤滑剤は、でき
る限り添加量を少なくすることが化学的安定性の面から
は好ましい。
【0071】MnBi磁性粉末と他の磁性粉末を併せた
両磁性粉末の含有割合としては、磁性層中に占める磁性
粉末の体積割合が5〜60%になるようにすることが好
ましい。特にMnBi磁性粉末を含有する磁性層の場合
には、この値を5%以上とすることにより磁気記録媒体
にしたときの出力が高くなり、また同時に耐食性も向上
する。
両磁性粉末の含有割合としては、磁性層中に占める磁性
粉末の体積割合が5〜60%になるようにすることが好
ましい。特にMnBi磁性粉末を含有する磁性層の場合
には、この値を5%以上とすることにより磁気記録媒体
にしたときの出力が高くなり、また同時に耐食性も向上
する。
【0072】一方磁性粉末の体積割合を60%以下とす
ることにより、磁性粉末の分散性が良好となり磁性粉末
の配向性が高くなると同時に、結合剤樹脂による磁性粉
末の埋包効果が十分となり、化学的安定性が向上する。
このようにMnBi磁性粉末を含有する磁性層の場合に
は、塗膜中での占有体積割合が、通常の磁気記録媒体と
同様に磁気特性や記録特性に影響を与えることの他に、
この磁性粉末を用いた塗膜特有の問題点である化学的安
定性にも影響を与える。
ることにより、磁性粉末の分散性が良好となり磁性粉末
の配向性が高くなると同時に、結合剤樹脂による磁性粉
末の埋包効果が十分となり、化学的安定性が向上する。
このようにMnBi磁性粉末を含有する磁性層の場合に
は、塗膜中での占有体積割合が、通常の磁気記録媒体と
同様に磁気特性や記録特性に影響を与えることの他に、
この磁性粉末を用いた塗膜特有の問題点である化学的安
定性にも影響を与える。
【0073】したがって磁気特性や記録特性のみなら
ず、化学的安定性にも優れた塗膜を得るには、磁性粉末
の体積割合が5〜60%になるようにすることが好まし
く、特に20〜50%としたときに、磁気特性や記録特
性など総合特性において、最も優れた特性が得られる。
ず、化学的安定性にも優れた塗膜を得るには、磁性粉末
の体積割合が5〜60%になるようにすることが好まし
く、特に20〜50%としたときに、磁気特性や記録特
性など総合特性において、最も優れた特性が得られる。
【0074】このようにMnBi磁性粉末と磁気ヘッド
で記録、消去、書き換えが可能な磁性粉末である他の磁
性粉末から成る磁性粉末を結合剤樹脂、有機溶剤などと
ともに混合分散して磁性塗料を調製し、この磁性塗料を
ポリエステルなどの基体上に任意の塗布手段によって塗
布し、乾燥して磁性層を形成する際、磁性塗料を基体上
に塗布したのち、磁性層面に対して平行に磁界配向を行
なうのが好ましい。この磁界強度としては、1000〜
5000Oe程度が好ましい。
で記録、消去、書き換えが可能な磁性粉末である他の磁
性粉末から成る磁性粉末を結合剤樹脂、有機溶剤などと
ともに混合分散して磁性塗料を調製し、この磁性塗料を
ポリエステルなどの基体上に任意の塗布手段によって塗
布し、乾燥して磁性層を形成する際、磁性塗料を基体上
に塗布したのち、磁性層面に対して平行に磁界配向を行
なうのが好ましい。この磁界強度としては、1000〜
5000Oe程度が好ましい。
【0075】また上記の磁気記録媒体の作製方法は、M
nBi磁性粉末と磁気ヘッドで記録、消去、書き換えが
可能な磁性粉末とを共に含有する磁性層からなる磁気記
録媒体を例にあげて述べたものであるが、MnBi磁性
粉末および磁気ヘッドで記録、消去、書き換えが可能な
磁性粉末を含有する磁性層を積層させた磁気記録媒体に
おいても、その作製方法は上記の方法と基本的に変わる
ものではない。
nBi磁性粉末と磁気ヘッドで記録、消去、書き換えが
可能な磁性粉末とを共に含有する磁性層からなる磁気記
録媒体を例にあげて述べたものであるが、MnBi磁性
粉末および磁気ヘッドで記録、消去、書き換えが可能な
磁性粉末を含有する磁性層を積層させた磁気記録媒体に
おいても、その作製方法は上記の方法と基本的に変わる
ものではない。
【0076】このようにして磁性層を形成すると、その
保磁力Hc、磁束密度Bm、角型Br/Bmは、MnB
i磁性粉末と300Kにおいて16kOeの磁界を印加
して測定した保磁力が300Oeから8000Oeの範
囲にある磁性粉末とを共に含有させる場合には、MnB
i磁性粉末以外の磁性粉末の種類や添加割合によって異
なる。
保磁力Hc、磁束密度Bm、角型Br/Bmは、MnB
i磁性粉末と300Kにおいて16kOeの磁界を印加
して測定した保磁力が300Oeから8000Oeの範
囲にある磁性粉末とを共に含有させる場合には、MnB
i磁性粉末以外の磁性粉末の種類や添加割合によって異
なる。
【0077】またMnBi磁性粉末を含有する磁性層
と、磁気ヘッドで記録、消去、書き換えが可能な磁性粉
末を含有する磁性層を積層させる場合には、積層する磁
性層の種類やその厚さの比によって、保磁力Hc、磁束
密度Bm、角型Br/Bmは異なる。
と、磁気ヘッドで記録、消去、書き換えが可能な磁性粉
末を含有する磁性層を積層させる場合には、積層する磁
性層の種類やその厚さの比によって、保磁力Hc、磁束
密度Bm、角型Br/Bmは異なる。
【0078】しかしいずれの場合でも、これらの値は、
300Kの温度において16kOeの磁界を印加して測
定したときに、保磁力は300〜12000Oeの範囲
に、磁束密度は500〜3000Gの範囲になり、また
角型Br/Bmは0.60〜0.95の範囲となる。
300Kの温度において16kOeの磁界を印加して測
定したときに、保磁力は300〜12000Oeの範囲
に、磁束密度は500〜3000Gの範囲になり、また
角型Br/Bmは0.60〜0.95の範囲となる。
【0079】本発明の磁気記録媒体をプリペ−ドカ−ド
や磁気定期券、磁気切符などの磁気カ−ドに適用する場
合には、磁性層の厚さとして2〜30μmになるように
塗布した後、さらにその表面に保護層やカラ−層などの
隠蔽層を0.5〜10μmの厚さになるように形成するこ
とが好ましい。
や磁気定期券、磁気切符などの磁気カ−ドに適用する場
合には、磁性層の厚さとして2〜30μmになるように
塗布した後、さらにその表面に保護層やカラ−層などの
隠蔽層を0.5〜10μmの厚さになるように形成するこ
とが好ましい。
【0080】またMnBi磁性粉末を含む磁性層の表面
にさらに撥水性樹脂からなる撥水層を設けると、化学的
安定性や耐薬品性がさらに向上する。この撥水性樹脂と
しては、ポリ塩化ビニリデン樹脂、エチレン−ビニルア
ルコ−ル系重合体、フッ素系樹脂またはフッ化ビニリデ
ン系樹脂、アクリル系樹脂等が使用できる。またこの撥
水層の厚さとしては、0.5〜5μmが好ましく、0.5μ
m以上とすることにより十分な撥水効果を得ることがで
き、一方5μm以下とすることによりスペ−シングロス
が小さくなり、磁気記録媒体にしたときの出力が向上す
る。
にさらに撥水性樹脂からなる撥水層を設けると、化学的
安定性や耐薬品性がさらに向上する。この撥水性樹脂と
しては、ポリ塩化ビニリデン樹脂、エチレン−ビニルア
ルコ−ル系重合体、フッ素系樹脂またはフッ化ビニリデ
ン系樹脂、アクリル系樹脂等が使用できる。またこの撥
水層の厚さとしては、0.5〜5μmが好ましく、0.5μ
m以上とすることにより十分な撥水効果を得ることがで
き、一方5μm以下とすることによりスペ−シングロス
が小さくなり、磁気記録媒体にしたときの出力が向上す
る。
【0081】本発明は、磁性層中にMnBi磁性粉末と
磁気ヘッドで記録、消去、書き換えが可能な磁性粉末で
ある他の磁性粉末とを共に含有させた磁気記録媒体につ
いても、MnBi磁性粉末を含有する磁性層と、磁気ヘ
ッドで記録、消去、書き換えが可能な磁性粉末である他
の磁性粉末を含有する磁性層を積層させた磁気記録媒体
においても同様の特性を得ることができる。しかし、磁
性層中に、MnBi磁性粉末と磁気ヘッドで記録、消
去、書き換えが可能な磁性粉末とを共に含有させた磁気
記録媒体の方が、磁性層を塗布する回数が少なくなるた
め、製造コストが低くなり、実用的メリットは大きい。
磁気ヘッドで記録、消去、書き換えが可能な磁性粉末で
ある他の磁性粉末とを共に含有させた磁気記録媒体につ
いても、MnBi磁性粉末を含有する磁性層と、磁気ヘ
ッドで記録、消去、書き換えが可能な磁性粉末である他
の磁性粉末を含有する磁性層を積層させた磁気記録媒体
においても同様の特性を得ることができる。しかし、磁
性層中に、MnBi磁性粉末と磁気ヘッドで記録、消
去、書き換えが可能な磁性粉末とを共に含有させた磁気
記録媒体の方が、磁性層を塗布する回数が少なくなるた
め、製造コストが低くなり、実用的メリットは大きい。
【0082】このようにして作製された磁気記録媒体
は、初期化された後、記録が行われる。デ−タの記録方
法は、一度信号を記録すると書き換えが困難な領域(ラ
イトワンス機能、リ−ドオンリ−機能)への記録方法
と、任意に信号の書き換えができる領域(リライト機
能)への記録方法とでは異なる。
は、初期化された後、記録が行われる。デ−タの記録方
法は、一度信号を記録すると書き換えが困難な領域(ラ
イトワンス機能、リ−ドオンリ−機能)への記録方法
と、任意に信号の書き換えができる領域(リライト機
能)への記録方法とでは異なる。
【0083】一度信号を記録すると書き換えが困難な領
域への記録方法は、通常の磁気記録方法と特に変わるこ
とはなく、たとえば磁気カ−ドに適用する場合には、磁
気カ−ド用のエンコ−ダ−や磁気カ−ドリ−ダライタを
用いてデ−タを記録することができる。MnBi磁性粉
末を含有する磁性層は、他の磁気記録媒体とは異なり、
一度デ−タを記録すると、その後のデ−タの消去や書き
換えが極めて困難になる。
域への記録方法は、通常の磁気記録方法と特に変わるこ
とはなく、たとえば磁気カ−ドに適用する場合には、磁
気カ−ド用のエンコ−ダ−や磁気カ−ドリ−ダライタを
用いてデ−タを記録することができる。MnBi磁性粉
末を含有する磁性層は、他の磁気記録媒体とは異なり、
一度デ−タを記録すると、その後のデ−タの消去や書き
換えが極めて困難になる。
【0084】一方、任意に信号の書き換えができる領域
に信号を記録する場合には、まずこの領域に磁界を印加
して、この領域を一様に磁化する。この磁界の印加方法
としては、磁気ヘッドを用いて通常の消去操作と同様の
操作で、直流磁界を印加して磁化することにより達成で
きるが、永久磁石を用いてこの領域を一様に磁化しても
同様の効果が得られる。またこのときの印加磁界の強さ
としては、強すぎても特に問題となることはないが、1
000Oe以上の磁界強度とすることが好ましい。この
磁化した領域に通常の方法によりデ−タを記録する。
に信号を記録する場合には、まずこの領域に磁界を印加
して、この領域を一様に磁化する。この磁界の印加方法
としては、磁気ヘッドを用いて通常の消去操作と同様の
操作で、直流磁界を印加して磁化することにより達成で
きるが、永久磁石を用いてこの領域を一様に磁化しても
同様の効果が得られる。またこのときの印加磁界の強さ
としては、強すぎても特に問題となることはないが、1
000Oe以上の磁界強度とすることが好ましい。この
磁化した領域に通常の方法によりデ−タを記録する。
【0085】このようにして記録されたデ−タは、通常
の磁気記録媒体と同様に容易にデ−タの書き換えを行う
ことができる。なぜなら、最初の磁界印加操作により、
MnBi磁性粉末は磁化されてしまい、その後デ−タを
記録するために磁気ヘッドから磁界を印加してもMnB
i磁性粉末の磁化は変化せず、出力に寄与しなくなる。
したがってMnBi磁性粉末は、デ−タの読み取りに影
響を与えなくなる。
の磁気記録媒体と同様に容易にデ−タの書き換えを行う
ことができる。なぜなら、最初の磁界印加操作により、
MnBi磁性粉末は磁化されてしまい、その後デ−タを
記録するために磁気ヘッドから磁界を印加してもMnB
i磁性粉末の磁化は変化せず、出力に寄与しなくなる。
したがってMnBi磁性粉末は、デ−タの読み取りに影
響を与えなくなる。
【0086】次に、本発明の磁気記録媒体をプリペ−ド
カ−ドや磁気定期券、磁気切符などの磁気カ−ドに適用
した場合を例にあげて、磁気記録媒体の構成およびその
記録再生方法について詳細に説明する。
カ−ドや磁気定期券、磁気切符などの磁気カ−ドに適用
した場合を例にあげて、磁気記録媒体の構成およびその
記録再生方法について詳細に説明する。
【0087】カ−ドの作製方法に関しては、実施例にお
いて各種の例をあげて詳細に説明するが、カ−ドとして
は下層にMnBi磁性粉末を、上層に保磁力が2850
Oeのバリウムフェライト磁性粉末を含有する磁性層を
積層させたものを例にあげて、このカ−ドへの記録再生
方法について説明する。
いて各種の例をあげて詳細に説明するが、カ−ドとして
は下層にMnBi磁性粉末を、上層に保磁力が2850
Oeのバリウムフェライト磁性粉末を含有する磁性層を
積層させたものを例にあげて、このカ−ドへの記録再生
方法について説明する。
【0088】以下に述べる記録再生方法は、MnBi磁
性粉末と磁気ヘッドで記録、消去、書き換えが可能な磁
性粉末である他の磁性粉末とを共に含有させた磁気記録
媒体においても、基本的には変わりはない。
性粉末と磁気ヘッドで記録、消去、書き換えが可能な磁
性粉末である他の磁性粉末とを共に含有させた磁気記録
媒体においても、基本的には変わりはない。
【0089】〈任意に書き換えができる信号の記録〉
《リライト機能》 下層にMnBi磁性粉末を、上層に保磁力が2850O
eのバリウムフェライト磁性粉末を含有する磁性層を積
層した構成の磁気記録媒体を低温に冷却して消磁状態に
した後、磁性層の任意の領域に、まず直流磁界を印加し
て磁化する。
《リライト機能》 下層にMnBi磁性粉末を、上層に保磁力が2850O
eのバリウムフェライト磁性粉末を含有する磁性層を積
層した構成の磁気記録媒体を低温に冷却して消磁状態に
した後、磁性層の任意の領域に、まず直流磁界を印加し
て磁化する。
【0090】その後通常の方法により記録する。この方
法で記録されたデ−タは、通常の磁気記録媒体と同様に
デ−タの書き換えが可能となる。なぜなら磁気記録媒体
を低温に冷却して消磁状態にした後直流磁界を印加する
と、下層に含まれるMnBi磁性粉末は磁化されて保磁
力が極めて大きくなるため、その後のデ−タを記録する
ために磁気ヘッドから磁界を印加してもMnBi磁性粉
末の磁化はほとんど変化せず、下層に含まれるMnBi
磁性粉末にはデ−タが記録されない。一方上層に含まれ
るバリウムフェライト磁性粉末には、磁気ヘッドからの
磁界によりデ−タが記録され、また任意にデ−タの書き
換えを行うことができる。
法で記録されたデ−タは、通常の磁気記録媒体と同様に
デ−タの書き換えが可能となる。なぜなら磁気記録媒体
を低温に冷却して消磁状態にした後直流磁界を印加する
と、下層に含まれるMnBi磁性粉末は磁化されて保磁
力が極めて大きくなるため、その後のデ−タを記録する
ために磁気ヘッドから磁界を印加してもMnBi磁性粉
末の磁化はほとんど変化せず、下層に含まれるMnBi
磁性粉末にはデ−タが記録されない。一方上層に含まれ
るバリウムフェライト磁性粉末には、磁気ヘッドからの
磁界によりデ−タが記録され、また任意にデ−タの書き
換えを行うことができる。
【0091】この領域には、例えばプリペ−ドカ−ドに
適用する場合には、そのカ−ドの残額など、使用の都度
デ−タを書き換える必要のあるデ−タを記録することが
好ましい。
適用する場合には、そのカ−ドの残額など、使用の都度
デ−タを書き換える必要のあるデ−タを記録することが
好ましい。
【0092】〈追記書き込みができて、一度書き込むと
その後の書き換え、消去が困難な信号の記録〉《ライト
ワンス機能》 上述した構成の磁気記録媒体を低温に冷却して消磁した
状態は、追記書き込みができて、一度書き込むとその後
の書き換え、消去が困難な状態となっている。この領域
へのデ−タの記録は、通常の方法により記録する。この
方法で記録されたデ−タは、上層のバリウムフェライト
磁性粉末にも、下層のMnBi磁性粉末にも記録され
る。
その後の書き換え、消去が困難な信号の記録〉《ライト
ワンス機能》 上述した構成の磁気記録媒体を低温に冷却して消磁した
状態は、追記書き込みができて、一度書き込むとその後
の書き換え、消去が困難な状態となっている。この領域
へのデ−タの記録は、通常の方法により記録する。この
方法で記録されたデ−タは、上層のバリウムフェライト
磁性粉末にも、下層のMnBi磁性粉末にも記録され
る。
【0093】次にデ−タを書き換えるために他のデ−タ
を重ね記録すると、後から記録したデ−タはバリウムフ
ェライト磁性粉末にのみ記録されるために、先にMnB
i磁性粉末に記録されているデ−タと、後からバリウム
フェライト磁性粉末に記録された2種類のデ−タが混在
してしまい、この磁気記録媒体を再生するとエラ−を引
き起こす。従って、この領域には一度だけデ−タを書き
込むことができる。
を重ね記録すると、後から記録したデ−タはバリウムフ
ェライト磁性粉末にのみ記録されるために、先にMnB
i磁性粉末に記録されているデ−タと、後からバリウム
フェライト磁性粉末に記録された2種類のデ−タが混在
してしまい、この磁気記録媒体を再生するとエラ−を引
き起こす。従って、この領域には一度だけデ−タを書き
込むことができる。
【0094】この領域に記録するデ−タとしては、例え
ばプリペ−ドカ−ドに適用する場合には、使用金額をパ
ンチ穴を開けて示す代わりに、磁気的にマ−キングする
ような使用方法が好ましい。パンチ穴の場合には、穴を
塞ぐことにより未使用状態に戻してしまう変造が可能で
あるが、このような方法で磁気的にマ−キングを行う
と、このマ−キングを書き換え、あるいは消去すること
は極めて困難になるため、変造、偽造を防止できる。
ばプリペ−ドカ−ドに適用する場合には、使用金額をパ
ンチ穴を開けて示す代わりに、磁気的にマ−キングする
ような使用方法が好ましい。パンチ穴の場合には、穴を
塞ぐことにより未使用状態に戻してしまう変造が可能で
あるが、このような方法で磁気的にマ−キングを行う
と、このマ−キングを書き換え、あるいは消去すること
は極めて困難になるため、変造、偽造を防止できる。
【0095】〈あらかじめ書き込まれていて、書き換
え、消去が困難な信号の記録〉《リ−ドオンリ−機能》 上述した構成の磁気記録媒体を低温に冷却して消磁状態
にした後、通常の方法によりデ−タを記録する。次にこ
のデ−タを記録した領域に直流あるいは交番磁界を印加
して磁化する。
え、消去が困難な信号の記録〉《リ−ドオンリ−機能》 上述した構成の磁気記録媒体を低温に冷却して消磁状態
にした後、通常の方法によりデ−タを記録する。次にこ
のデ−タを記録した領域に直流あるいは交番磁界を印加
して磁化する。
【0096】この磁化処理により、上層のバリウムフェ
ライト磁性粉末に記録されているデ−タは消去されてし
まうが、下層のMnBi磁性粉末に記録されているデ−
タは消去されない。したがってこの状態で再生しても、
MnBi磁性粉末に記録されているデ−タは正常に再生
される。
ライト磁性粉末に記録されているデ−タは消去されてし
まうが、下層のMnBi磁性粉末に記録されているデ−
タは消去されない。したがってこの状態で再生しても、
MnBi磁性粉末に記録されているデ−タは正常に再生
される。
【0097】この消磁処理は、デ−タを記録後、直ちに
行ってもよいし、あるいはデ−タの再生前に行ってもよ
い。MnBi磁性粉末を含有しない磁気記録媒体では、
上記の処理によりデ−タが消去されてしまい、再生エラ
−を引き起こすため、たとえデ−タがフルコピ−されて
もMnBi磁性粉末を含有しない偽造カ−ドは、排除す
ることができる。
行ってもよいし、あるいはデ−タの再生前に行ってもよ
い。MnBi磁性粉末を含有しない磁気記録媒体では、
上記の処理によりデ−タが消去されてしまい、再生エラ
−を引き起こすため、たとえデ−タがフルコピ−されて
もMnBi磁性粉末を含有しない偽造カ−ドは、排除す
ることができる。
【0098】またこの磁化処理は、行わなくてもデ−タ
は再生できるが、磁化処理を行うことによって、磁気的
な手段によってMnBi磁性粉末を含有しない偽造カ−
ドを排除することが可能になる。
は再生できるが、磁化処理を行うことによって、磁気的
な手段によってMnBi磁性粉末を含有しない偽造カ−
ドを排除することが可能になる。
【0099】この領域に記録するデ−タとしては、例え
ばプリペ−ドカ−ドに適用する場合には、そのカ−ドの
金額、発行場所、発行日時など、書き換える必要のな
い、あるいは書き換えられてはいけないデ−タをカ−ド
発行時にあらかじめ書き込んでおくことが好ましい。
ばプリペ−ドカ−ドに適用する場合には、そのカ−ドの
金額、発行場所、発行日時など、書き換える必要のな
い、あるいは書き換えられてはいけないデ−タをカ−ド
発行時にあらかじめ書き込んでおくことが好ましい。
【0100】さらに、磁気記録媒体の特定領域に、前記
領域とは別の書き換え困難な領域に前記の各機能を有す
る領域に関する情報、例えばトラック位置等をあらかじ
め記録しておき、この情報に従って、書き換えが困難な
領域と書き換えできる領域とを特定して、記録再生する
ことにより、書き換えが困難な領域と書き換えできる各
領域の記録位置が、カ−ドによって全て異なるようにす
ることも可能になり、極めて強力なセキュリティ−が得
られる。
領域とは別の書き換え困難な領域に前記の各機能を有す
る領域に関する情報、例えばトラック位置等をあらかじ
め記録しておき、この情報に従って、書き換えが困難な
領域と書き換えできる領域とを特定して、記録再生する
ことにより、書き換えが困難な領域と書き換えできる各
領域の記録位置が、カ−ドによって全て異なるようにす
ることも可能になり、極めて強力なセキュリティ−が得
られる。
【0101】次にデ−タの再生方法について説明する。
任意に書き換えができる信号も、一度書き込むとその後
の書き換え消去が困難な信号も、その再生方法は通常の
磁気記録媒体の再生方法と基本的には変わらず、磁気ヘ
ッドを用いて再生することができる。
任意に書き換えができる信号も、一度書き込むとその後
の書き換え消去が困難な信号も、その再生方法は通常の
磁気記録媒体の再生方法と基本的には変わらず、磁気ヘ
ッドを用いて再生することができる。
【0102】しかし前述したように、一度書き込むとそ
の後の書き換え消去が困難な信号の内、リ−ドオンリ−
信号は、再生前に磁界を印加して磁化して消去する。こ
の磁化処理により、MnBi磁性粉末を含有しない偽造
カ−ドに記録されているデ−タは消去されてしまうた
め、再生エラ−を引き起こす。
の後の書き換え消去が困難な信号の内、リ−ドオンリ−
信号は、再生前に磁界を印加して磁化して消去する。こ
の磁化処理により、MnBi磁性粉末を含有しない偽造
カ−ドに記録されているデ−タは消去されてしまうた
め、再生エラ−を引き起こす。
【0103】この磁化処理は、磁気ヘッドに直流あるい
は交番磁界を印加することにより容易に行うことができ
るが、永久磁石により磁界を印加することによっても行
うことができる。
は交番磁界を印加することにより容易に行うことができ
るが、永久磁石により磁界を印加することによっても行
うことができる。
【0104】通常新規な磁気記録媒体を市場で普及させ
るためには、まずその磁気記録媒体を使用するための記
録装置および読み取り装置も新たに開発し、これらの装
置を普及させる必要がある。しかし磁気カ−ドのよう
に、すでに世界の隅々まで記録および読み取り装置が普
及している現状において、これらの装置類を全て置き換
えることは、極めて困難である。
るためには、まずその磁気記録媒体を使用するための記
録装置および読み取り装置も新たに開発し、これらの装
置を普及させる必要がある。しかし磁気カ−ドのよう
に、すでに世界の隅々まで記録および読み取り装置が普
及している現状において、これらの装置類を全て置き換
えることは、極めて困難である。
【0105】本発明の磁気記録媒体は、デ−タの記録、
再生時に加える磁界の種類と、磁界を加える順序の組合
せだけで、基本的に現在普及している記録および読み取
り装置をそのまま使用して、リライト機能、ライトワン
ス機能、リ−ドオンリ−機能を発現させることができ
る。この現状の装置類をそのまま使用して、強力なセキ
ュリティ−を発揮できることは、実用的見地から図り知
れないほどインパクトは大きい。
再生時に加える磁界の種類と、磁界を加える順序の組合
せだけで、基本的に現在普及している記録および読み取
り装置をそのまま使用して、リライト機能、ライトワン
ス機能、リ−ドオンリ−機能を発現させることができ
る。この現状の装置類をそのまま使用して、強力なセキ
ュリティ−を発揮できることは、実用的見地から図り知
れないほどインパクトは大きい。
【0106】
【実施例】以下、本発明の磁気記録媒体およびその記録
方法について、例をあげて説明する。 実施例1 《MnBi磁性粉末の作製》粒子サイズが200メッシ
ュになるように粉砕したMn粉末およびBi粉末を、M
nとBiがモル比で55:45になるように秤量し、ボ
−ルミルを用いて十分混合した。
方法について、例をあげて説明する。 実施例1 《MnBi磁性粉末の作製》粒子サイズが200メッシ
ュになるように粉砕したMn粉末およびBi粉末を、M
nとBiがモル比で55:45になるように秤量し、ボ
−ルミルを用いて十分混合した。
【0107】次にこれらの混合物を、加圧プレス機を用
いて、3トン/cm2 の圧力で直径20mm、高さ10
mmの円柱状に成型した。この成型体を密閉式のアルミ
容器に入れ、真空に引いた後、窒素ガスを0.5気圧導入
した。次にこの容器を電気炉に入れ、270℃の温度で
10日間熱処理した。熱処理後、MnBiインゴット空
気中に取り出し、乳鉢で軽く粉砕して磁気特性を測定し
た。300Kで最大磁界16kOeの磁界を印加して測
定した保磁力は840Oeで、磁化量は53.6emu/
gであった。
いて、3トン/cm2 の圧力で直径20mm、高さ10
mmの円柱状に成型した。この成型体を密閉式のアルミ
容器に入れ、真空に引いた後、窒素ガスを0.5気圧導入
した。次にこの容器を電気炉に入れ、270℃の温度で
10日間熱処理した。熱処理後、MnBiインゴット空
気中に取り出し、乳鉢で軽く粉砕して磁気特性を測定し
た。300Kで最大磁界16kOeの磁界を印加して測
定した保磁力は840Oeで、磁化量は53.6emu/
gであった。
【0108】次に上記の粗粉砕したMnBi粉末を、遊
星ボ−ルミルを用いて微粉砕した。内容積1000cc
のボ−ルミルポットに、直径3mmのジルコニアボ−ル
を内容積の1/3を占めるように充填した。この中に、
粗粉砕したMnBi粉末500gと、溶媒としてトルエ
ンを500g入れ、回転数150rpmで4時間粉砕し
た。得られたMnBi磁性粉末を取り出し、トルエンを
蒸発させた後、磁気特性を測定した。300Kで最大磁
界16kOeの磁界を印加して測定した保磁力および磁
化量は、それぞれ8600Oeおよび39.2emu/g
であった。
星ボ−ルミルを用いて微粉砕した。内容積1000cc
のボ−ルミルポットに、直径3mmのジルコニアボ−ル
を内容積の1/3を占めるように充填した。この中に、
粗粉砕したMnBi粉末500gと、溶媒としてトルエ
ンを500g入れ、回転数150rpmで4時間粉砕し
た。得られたMnBi磁性粉末を取り出し、トルエンを
蒸発させた後、磁気特性を測定した。300Kで最大磁
界16kOeの磁界を印加して測定した保磁力および磁
化量は、それぞれ8600Oeおよび39.2emu/g
であった。
【0109】前記の方法により得られたMnBi磁性粉
末に、以下の方法で安定化処理を施した。トルエンに浸
した状態でMnBi磁性粉末を取り出し、熱処理容器に
移して室温で約2間真空乾燥した。次に同じ容器に入れ
たまま、酸素を1000ppm含有する窒素ガスを1気
圧導入し、40℃の温度において、15時間熱処理を行
った。
末に、以下の方法で安定化処理を施した。トルエンに浸
した状態でMnBi磁性粉末を取り出し、熱処理容器に
移して室温で約2間真空乾燥した。次に同じ容器に入れ
たまま、酸素を1000ppm含有する窒素ガスを1気
圧導入し、40℃の温度において、15時間熱処理を行
った。
【0110】引き続き第2段階の熱処理として、容器に
充填されている酸素混合ガスを真空引きして除去した
後、窒素ガスを0.5気圧導入し、温度を330℃まで上
昇させた後、この温度で2時間加熱処理した。
充填されている酸素混合ガスを真空引きして除去した
後、窒素ガスを0.5気圧導入し、温度を330℃まで上
昇させた後、この温度で2時間加熱処理した。
【0111】上記の方法により、最終的に得られたMn
Bi磁性粉末の平均粒子径は、1.8μmで、300Kで
最大磁界16kOeの磁界を印加して測定した保磁力お
よび磁化量は、それぞれ8500Oeおよび46.3em
u/gであった。
Bi磁性粉末の平均粒子径は、1.8μmで、300Kで
最大磁界16kOeの磁界を印加して測定した保磁力お
よび磁化量は、それぞれ8500Oeおよび46.3em
u/gであった。
【0112】《磁性塗料の作製》磁性粉末として、上記
の方法で作製したMnBi磁性粉末とバリウムフェライ
ト磁性粉末を用いて、以下の組成物を調合した。バリウ
ムフェライト磁性粉末としては、平均粒子サイズ0.9μ
m、保磁力1750Oe(300Kで16kOeの磁界
を印加した時の値、以下同じ)、飽和磁化53.3emu
/gのものを用いた。
の方法で作製したMnBi磁性粉末とバリウムフェライ
ト磁性粉末を用いて、以下の組成物を調合した。バリウ
ムフェライト磁性粉末としては、平均粒子サイズ0.9μ
m、保磁力1750Oe(300Kで16kOeの磁界
を印加した時の値、以下同じ)、飽和磁化53.3emu
/gのものを用いた。
【0113】 MnBi磁性粉末(Hc:8500Oe) 10重量部 バリウムフェライト磁性粉末(平均粒子サイズ0.9μm、保 90 〃 磁力1750Oe、飽和磁化53.3emu/g) VAGH(UCC社製;塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルア 25 〃 ルコ−ル共重合体) メチルイソブチルケトン 50 〃 トルエン 50 〃 この組成物をボ−ルミルにより十分分散させた後、厚さ
190μmのPETベ−スフイルム上に、乾燥後の厚さ
が15μmになるように2000Oeの長手配向磁場を
印加しながら塗布した。
190μmのPETベ−スフイルム上に、乾燥後の厚さ
が15μmになるように2000Oeの長手配向磁場を
印加しながら塗布した。
【0114】実施例2 実施例1における磁性塗料の組成において、MnBi磁
性粉末およびバリウムフェライト磁性粉末の添加割合
を、それぞれ10重量部および90重量部から、20重
量部および80重量部に変更した以外は、実施例1と同
様にして磁性塗料を調製し、塗膜を作製した。
性粉末およびバリウムフェライト磁性粉末の添加割合
を、それぞれ10重量部および90重量部から、20重
量部および80重量部に変更した以外は、実施例1と同
様にして磁性塗料を調製し、塗膜を作製した。
【0115】実施例3 実施例1における磁性塗料の組成において、MnBi磁
性粉末およびバリウムフェライト磁性粉末の添加割合
を、それぞれ10重量部および90重量部から、30重
量部および70重量部に変更した以外は、実施例1と同
様にして磁性塗料を調製し、塗膜を作製した。
性粉末およびバリウムフェライト磁性粉末の添加割合
を、それぞれ10重量部および90重量部から、30重
量部および70重量部に変更した以外は、実施例1と同
様にして磁性塗料を調製し、塗膜を作製した。
【0116】実施例4 実施例1における磁性塗料の組成において、MnBi磁
性粉末およびバリウムフェライト磁性粉末の添加割合
を、それぞれ10重量部および90重量部から、40重
量部および60重量部に変更した以外は、実施例1と同
様にして磁性塗料を調製し、塗膜を作製した。
性粉末およびバリウムフェライト磁性粉末の添加割合
を、それぞれ10重量部および90重量部から、40重
量部および60重量部に変更した以外は、実施例1と同
様にして磁性塗料を調製し、塗膜を作製した。
【0117】実施例5 実施例1における磁性塗料の組成において、MnBi磁
性粉末およびバリウムフェライト磁性粉末の添加割合
を、それぞれ10重量部および90重量部から、50重
量部および50重量部に変更した以外は、実施例1と同
様にして磁性塗料を調製し、塗膜を作製した。
性粉末およびバリウムフェライト磁性粉末の添加割合
を、それぞれ10重量部および90重量部から、50重
量部および50重量部に変更した以外は、実施例1と同
様にして磁性塗料を調製し、塗膜を作製した。
【0118】実施例6 実施例1における磁性塗料の組成において、MnBi磁
性粉末およびバリウムフェライト磁性粉末の添加割合
を、それぞれ10重量部および90重量部から、60重
量部および40重量部に変更した以外は、実施例1と同
様にして磁性塗料を調製し、塗膜を作製した。
性粉末およびバリウムフェライト磁性粉末の添加割合
を、それぞれ10重量部および90重量部から、60重
量部および40重量部に変更した以外は、実施例1と同
様にして磁性塗料を調製し、塗膜を作製した。
【0119】実施例7 実施例1における磁性塗料の組成において、MnBi磁
性粉末およびバリウムフェライト磁性粉末の添加割合
を、それぞれ10重量部および90重量部から、70重
量部および30重量部に変更した以外は、実施例1と同
様にして磁性塗料を調製し、塗膜を作製した。
性粉末およびバリウムフェライト磁性粉末の添加割合
を、それぞれ10重量部および90重量部から、70重
量部および30重量部に変更した以外は、実施例1と同
様にして磁性塗料を調製し、塗膜を作製した。
【0120】実施例8 実施例1における磁性塗料の組成において、MnBi磁
性粉末およびバリウムフェライト磁性粉末の添加割合
を、それぞれ10重量部および90重量部から、80重
量部および20重量部に変更した以外は、実施例1と同
様にして磁性塗料を調製し、塗膜を作製した。
性粉末およびバリウムフェライト磁性粉末の添加割合
を、それぞれ10重量部および90重量部から、80重
量部および20重量部に変更した以外は、実施例1と同
様にして磁性塗料を調製し、塗膜を作製した。
【0121】実施例9 実施例1における磁性塗料の組成において、MnBi磁
性粉末およびバリウムフェライト磁性粉末の添加割合
を、それぞれ10重量部および90重量部から、90重
量部および10重量部に変更した以外は、実施例1と同
様にして磁性塗料を調製し、塗膜を作製した。
性粉末およびバリウムフェライト磁性粉末の添加割合
を、それぞれ10重量部および90重量部から、90重
量部および10重量部に変更した以外は、実施例1と同
様にして磁性塗料を調製し、塗膜を作製した。
【0122】実施例10 実施例1における磁性塗料の組成において、磁性粉末を
平均粒子サイズ0.9μm、保磁力1750Oe、飽和磁
化53.3emu/gのバリウムフェライト磁性粉末か
ら、平均粒子サイズ0.9μm、保磁力2850Oe、飽
和磁化53.4emu/gのバリウムフェライト磁性粉末
に変更し、かつMnBi磁性粉末およびバリウムフェラ
イト磁性粉末の添加割合を、それぞれ40重量部および
60重量部とした以外は、実施例1と同様にして磁性塗
料を調製し、塗膜を作製した。
平均粒子サイズ0.9μm、保磁力1750Oe、飽和磁
化53.3emu/gのバリウムフェライト磁性粉末か
ら、平均粒子サイズ0.9μm、保磁力2850Oe、飽
和磁化53.4emu/gのバリウムフェライト磁性粉末
に変更し、かつMnBi磁性粉末およびバリウムフェラ
イト磁性粉末の添加割合を、それぞれ40重量部および
60重量部とした以外は、実施例1と同様にして磁性塗
料を調製し、塗膜を作製した。
【0123】実施例11 実施例10における磁性塗料の組成において、MnBi
磁性粉末およびバリウムフェライト磁性粉末の添加割合
を、それぞれ40重量部および60重量部から、50重
量部および50重量部に変更した以外は実施例10と同
様にして磁性塗料を調製し、塗膜を作製した。
磁性粉末およびバリウムフェライト磁性粉末の添加割合
を、それぞれ40重量部および60重量部から、50重
量部および50重量部に変更した以外は実施例10と同
様にして磁性塗料を調製し、塗膜を作製した。
【0124】実施例12 実施例10における磁性塗料の組成において、MnBi
磁性粉末およびバリウムフェライト磁性粉末の添加割合
を、それぞれ40重量部および60重量部から、60重
量部および40重量部に変更した以外は実施例10と同
様にして磁性塗料を調製し、塗膜を作製した。
磁性粉末およびバリウムフェライト磁性粉末の添加割合
を、それぞれ40重量部および60重量部から、60重
量部および40重量部に変更した以外は実施例10と同
様にして磁性塗料を調製し、塗膜を作製した。
【0125】実施例13 実施例1における磁性塗料の組成において、磁性粉末を
平均粒子サイズ0.9μm、保磁力1750Oe、飽和磁
化53.3emu/gのバリウムフェライト磁性粉末か
ら、平均粒子サイズ0.4μm、保磁力650Oe、飽和
磁化74.5emu/gのコバルト含有酸化鉄磁性粉末に
変更し、かつMnBi磁性粉末およびコバルト含有酸化
鉄磁性粉末の添加割合を、それぞれ40重量部および6
0重量部とした以外は、実施例1と同様にして磁性塗料
を調製し、塗膜を作製した。
平均粒子サイズ0.9μm、保磁力1750Oe、飽和磁
化53.3emu/gのバリウムフェライト磁性粉末か
ら、平均粒子サイズ0.4μm、保磁力650Oe、飽和
磁化74.5emu/gのコバルト含有酸化鉄磁性粉末に
変更し、かつMnBi磁性粉末およびコバルト含有酸化
鉄磁性粉末の添加割合を、それぞれ40重量部および6
0重量部とした以外は、実施例1と同様にして磁性塗料
を調製し、塗膜を作製した。
【0126】実施例14 実施例13における磁性塗料の組成において、MnBi
磁性粉末およびコバルト含有酸化鉄磁性粉末の添加割合
を、それぞれ40重量部および60重量部から、50重
量部および50重量部に変更した以外は、実施例13と
同様にして磁性塗料を調製し、塗膜を作製した。
磁性粉末およびコバルト含有酸化鉄磁性粉末の添加割合
を、それぞれ40重量部および60重量部から、50重
量部および50重量部に変更した以外は、実施例13と
同様にして磁性塗料を調製し、塗膜を作製した。
【0127】実施例15 実施例13における磁性塗料の組成において、MnBi
磁性粉末およびコバルト含有酸化鉄磁性粉末の添加割合
を、それぞれ40重量部および60重量部から、60重
量部および40重量部に変更した以外は、実施例13と
同様にして磁性塗料を調製し、塗膜を作製した。
磁性粉末およびコバルト含有酸化鉄磁性粉末の添加割合
を、それぞれ40重量部および60重量部から、60重
量部および40重量部に変更した以外は、実施例13と
同様にして磁性塗料を調製し、塗膜を作製した。
【0128】実施例16実施例1における磁性塗料の組
成において、磁性粉末を平均粒子サイズ0.9μ m、保磁力1750Oe、飽和磁化53.3emu/gの
バリウムフェライト磁性粉末から、平均粒子サイズ0.4
μm、保磁力340Oe、飽和磁化74.2emu/gの
ガンマ酸化鉄磁性粉末に変更し、かつMnBi磁性粉末
およびガンマ酸化鉄磁性粉末の添加割合を、それぞれ5
0重量部および50重量部とした以外は、実施例1と同
様にして磁性塗料を調製し、塗膜を作製した。
成において、磁性粉末を平均粒子サイズ0.9μ m、保磁力1750Oe、飽和磁化53.3emu/gの
バリウムフェライト磁性粉末から、平均粒子サイズ0.4
μm、保磁力340Oe、飽和磁化74.2emu/gの
ガンマ酸化鉄磁性粉末に変更し、かつMnBi磁性粉末
およびガンマ酸化鉄磁性粉末の添加割合を、それぞれ5
0重量部および50重量部とした以外は、実施例1と同
様にして磁性塗料を調製し、塗膜を作製した。
【0129】実施例17 実施例1における磁性塗料の組成において、磁性粉末を
平均粒子サイズ0.9μm、保磁力1750Oe、飽和磁
化53.3emu/gのバリウムフェライト磁性粉末か
ら、平均粒子サイズ0.4μm、保磁力360Oe、飽和
磁化77.1emu/gのマグネタイト磁性粉末に変更
し、かつMnBi磁性粉末およびマグネタイト磁性粉末
の添加割合を、それぞれ50重量部および50重量部と
した以外は、実施例1と同様にして磁性塗料を調製し、
塗膜を作製した。
平均粒子サイズ0.9μm、保磁力1750Oe、飽和磁
化53.3emu/gのバリウムフェライト磁性粉末か
ら、平均粒子サイズ0.4μm、保磁力360Oe、飽和
磁化77.1emu/gのマグネタイト磁性粉末に変更
し、かつMnBi磁性粉末およびマグネタイト磁性粉末
の添加割合を、それぞれ50重量部および50重量部と
した以外は、実施例1と同様にして磁性塗料を調製し、
塗膜を作製した。
【0130】実施例18 実施例1における磁性塗料の組成において、磁性粉末を
平均粒子サイズ0.9μm、保磁力1750Oe、飽和磁
化53.3emu/gのバリウムフェライト磁性粉末か
ら、平均粒子サイズ0.9μm、保磁力3100Oe、飽
和磁化54.1emu/gのストロンチウムフェライト磁
性粉末に変更し、かつMnBi磁性粉末およびストロン
チウムフェライト磁性粉末の添加割合を、それぞれ50
重量部および50重量部とした以外は、実施例1と同様
にして磁性塗料を調製し、塗膜を作製した。
平均粒子サイズ0.9μm、保磁力1750Oe、飽和磁
化53.3emu/gのバリウムフェライト磁性粉末か
ら、平均粒子サイズ0.9μm、保磁力3100Oe、飽
和磁化54.1emu/gのストロンチウムフェライト磁
性粉末に変更し、かつMnBi磁性粉末およびストロン
チウムフェライト磁性粉末の添加割合を、それぞれ50
重量部および50重量部とした以外は、実施例1と同様
にして磁性塗料を調製し、塗膜を作製した。
【0131】実施例19 実施例1における磁性塗料の組成において、磁性粉末を
平均粒子サイズ0.9μm、保磁力1750Oe、飽和磁
化53.3emu/gのバリウムフェライト磁性粉末か
ら、平均粒子サイズ0.3μm、保磁力5500Oe、飽
和磁化43.1emu/gのバリウムフェライト磁性粉末
に変更し、かつMnBi磁性粉末およびバリウムフェラ
イト磁性粉末の添加割合を、それぞれ40重量部および
60重量部とした以外は、実施例1と同様にして磁性塗
料を調製し、塗膜を作製した。
平均粒子サイズ0.9μm、保磁力1750Oe、飽和磁
化53.3emu/gのバリウムフェライト磁性粉末か
ら、平均粒子サイズ0.3μm、保磁力5500Oe、飽
和磁化43.1emu/gのバリウムフェライト磁性粉末
に変更し、かつMnBi磁性粉末およびバリウムフェラ
イト磁性粉末の添加割合を、それぞれ40重量部および
60重量部とした以外は、実施例1と同様にして磁性塗
料を調製し、塗膜を作製した。
【0132】実施例20 実施例1における磁性塗料の組成において、磁性粉末を
平均粒子サイズ0.9μm、保磁力1750Oe、飽和磁
化53.3emu/gのバリウムフェライト磁性粉末か
ら、平均粒子サイズ0.3μm、保磁力1540Oe、飽
和磁化135.3emu/gのメタル磁性粉末に変更し、
かつMnBi磁性粉末およびメタル磁性粉末の添加割合
を、それぞれ50重量部および50重量部とした以外
は、実施例1と同様にして磁性塗料を調製し、塗膜を作
製した。
平均粒子サイズ0.9μm、保磁力1750Oe、飽和磁
化53.3emu/gのバリウムフェライト磁性粉末か
ら、平均粒子サイズ0.3μm、保磁力1540Oe、飽
和磁化135.3emu/gのメタル磁性粉末に変更し、
かつMnBi磁性粉末およびメタル磁性粉末の添加割合
を、それぞれ50重量部および50重量部とした以外
は、実施例1と同様にして磁性塗料を調製し、塗膜を作
製した。
【0133】実施例21 実施例1における磁性塗料の組成において、磁性粉末を
平均粒子サイズ0.9μm、保磁力1750Oe、飽和磁
化53.3emu/gのバリウムフェライト磁性粉末か
ら、平均粒子サイズ0.3μm、保磁力720Oe、飽和
磁化73.8emu/gの二酸化クロム磁性粉末に変更
し、かつMnBi磁性粉末および二酸化クロム磁性粉末
の添加割合を、それぞれ50重量部および50重量部と
した以外は、実施例1と同様にして磁性塗料を調製し、
塗膜を作製した。
平均粒子サイズ0.9μm、保磁力1750Oe、飽和磁
化53.3emu/gのバリウムフェライト磁性粉末か
ら、平均粒子サイズ0.3μm、保磁力720Oe、飽和
磁化73.8emu/gの二酸化クロム磁性粉末に変更
し、かつMnBi磁性粉末および二酸化クロム磁性粉末
の添加割合を、それぞれ50重量部および50重量部と
した以外は、実施例1と同様にして磁性塗料を調製し、
塗膜を作製した。
【0134】実施例22 実施例1における磁性塗料の組成において、磁性粉末を
平均粒子サイズ0.9μm、保磁力1750Oe、飽和磁
化53.3emu/gのバリウムフェライト磁性粉末か
ら、平均粒子サイズ3.5μm、保磁力7800Oe、飽
和磁化40.9emu/gのサマリウムコバルト磁性粉末
に変更し、かつMnBi磁性粉末およびサマリウムコバ
ルト磁性粉末の添加割合を、それぞれ40重量部および
60重量部とした以外は、実施例1と同様にして磁性塗
料を調製し、塗膜を作製した。
平均粒子サイズ0.9μm、保磁力1750Oe、飽和磁
化53.3emu/gのバリウムフェライト磁性粉末か
ら、平均粒子サイズ3.5μm、保磁力7800Oe、飽
和磁化40.9emu/gのサマリウムコバルト磁性粉末
に変更し、かつMnBi磁性粉末およびサマリウムコバ
ルト磁性粉末の添加割合を、それぞれ40重量部および
60重量部とした以外は、実施例1と同様にして磁性塗
料を調製し、塗膜を作製した。
【0135】実施例23 実施例1における磁性塗料の組成において、磁性粉末を
平均粒子サイズ0.9μm、保磁力1750Oe、飽和磁
化53.3emu/gのバリウムフェライト磁性粉末か
ら、平均粒子サイズ3.9μm、保磁力7400Oe、飽
和磁化110emu/gのネオジウム鉄ボロン磁性粉末
に変更し、かつMnBi磁性粉末およびネオジウム鉄ボ
ロン磁性粉末の添加割合を、それぞれ40重量部および
60重量部とした以外は、実施例1と同様にして磁性塗
料を調製し、塗膜を作製した。
平均粒子サイズ0.9μm、保磁力1750Oe、飽和磁
化53.3emu/gのバリウムフェライト磁性粉末か
ら、平均粒子サイズ3.9μm、保磁力7400Oe、飽
和磁化110emu/gのネオジウム鉄ボロン磁性粉末
に変更し、かつMnBi磁性粉末およびネオジウム鉄ボ
ロン磁性粉末の添加割合を、それぞれ40重量部および
60重量部とした以外は、実施例1と同様にして磁性塗
料を調製し、塗膜を作製した。
【0136】実施例24 《磁性塗料の作製》 〈下層用磁性塗料の作製〉磁性粉末として、前記の方法
で作製したMnBi磁性粉末を使用し、以下の組成でボ
−ルミルを用いて十分分散して磁性塗料を作製した。 MnBi磁性粉末(Hc:8500Oe) 100重量部 VAGH(UCC社製;塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルア 25 〃 ルコ−ル共重合体) メチルイソブチルケトン 50 〃 トルエン 50 〃
で作製したMnBi磁性粉末を使用し、以下の組成でボ
−ルミルを用いて十分分散して磁性塗料を作製した。 MnBi磁性粉末(Hc:8500Oe) 100重量部 VAGH(UCC社製;塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルア 25 〃 ルコ−ル共重合体) メチルイソブチルケトン 50 〃 トルエン 50 〃
【0137】〈上層用磁性塗料の作製〉磁性粉末とし
て、平均粒子サイズ0.9μm、保磁力2850Oe、飽
和磁化53.4emu/gのバリウムフェライト磁性粉末
を使用し、以下の組成物でボ−ルミルを用いて十分分散
して磁性塗料を作製した。 バリウムフェライト磁性粉末(Hc:2850Oe) 100重量部 VAGH(UCC社製;塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルア 25 〃 ルコ−ル共重合体) メチルイソブチルケトン 50 〃 トルエン 50 〃
て、平均粒子サイズ0.9μm、保磁力2850Oe、飽
和磁化53.4emu/gのバリウムフェライト磁性粉末
を使用し、以下の組成物でボ−ルミルを用いて十分分散
して磁性塗料を作製した。 バリウムフェライト磁性粉末(Hc:2850Oe) 100重量部 VAGH(UCC社製;塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルア 25 〃 ルコ−ル共重合体) メチルイソブチルケトン 50 〃 トルエン 50 〃
【0138】《磁性塗膜の作製》まず前述の下層用磁性
塗料を、厚さ190μmのPETベ−スフイルム上に、
乾燥後の厚さが15μmになるように3000Oeの長
手配向磁場を印加しながら塗布した。次にこの下層の磁
性層表面に、前述の上層用磁性塗料を乾燥後の厚さが1
0μmになるように、同じく3000Oeの長手配向磁
場を印加しながら塗布して磁性塗膜を作製した。
塗料を、厚さ190μmのPETベ−スフイルム上に、
乾燥後の厚さが15μmになるように3000Oeの長
手配向磁場を印加しながら塗布した。次にこの下層の磁
性層表面に、前述の上層用磁性塗料を乾燥後の厚さが1
0μmになるように、同じく3000Oeの長手配向磁
場を印加しながら塗布して磁性塗膜を作製した。
【0139】実施例25 実施例24において、上層用の磁性塗料を下層用の磁性
塗料として用いて、乾燥後の厚さが15μmになるよう
に3000Oeの長手配向磁場を印加しながら塗布した
後、下層用の磁性塗料を上層用の磁性塗料として用い
て、乾燥後の厚さが15μmになるように3000Oe
の長手配向磁場を印加しながら塗布して磁性塗膜を作製
した以外は、実施例24と同様に磁性塗膜を作製した。
塗料として用いて、乾燥後の厚さが15μmになるよう
に3000Oeの長手配向磁場を印加しながら塗布した
後、下層用の磁性塗料を上層用の磁性塗料として用い
て、乾燥後の厚さが15μmになるように3000Oe
の長手配向磁場を印加しながら塗布して磁性塗膜を作製
した以外は、実施例24と同様に磁性塗膜を作製した。
【0140】実施例26 実施例24において、上層用の磁性塗料として、バリウ
ムフェライト磁性粉末に代えて、保磁力650OeのC
o含有酸化鉄磁性粉末を同量使用して調製した磁性塗料
を使用した以外は、実施例24と同様にして磁性塗膜を
作製した。
ムフェライト磁性粉末に代えて、保磁力650OeのC
o含有酸化鉄磁性粉末を同量使用して調製した磁性塗料
を使用した以外は、実施例24と同様にして磁性塗膜を
作製した。
【0141】実施例27実施例24において、下層用の
磁性塗料として、MnBi磁性粉末に代えて保磁力65
0OeのCo含有酸化鉄磁性粉末を同量使用して調製し
た磁性塗料を、乾燥後の厚さが15μmになるように3
000Oeの長手配向磁場を印加しながら塗布した後、
実施例24のMnBi磁性粉末を使用した下層用磁性塗
料を上層用磁性塗料として用い、乾燥後の厚さが15μ
mになるように3000Oeの長手配向磁場を印加しな
がら塗布して磁性塗膜を作製した以外は、実施例24と
同様にして磁性塗膜を作製した。
磁性塗料として、MnBi磁性粉末に代えて保磁力65
0OeのCo含有酸化鉄磁性粉末を同量使用して調製し
た磁性塗料を、乾燥後の厚さが15μmになるように3
000Oeの長手配向磁場を印加しながら塗布した後、
実施例24のMnBi磁性粉末を使用した下層用磁性塗
料を上層用磁性塗料として用い、乾燥後の厚さが15μ
mになるように3000Oeの長手配向磁場を印加しな
がら塗布して磁性塗膜を作製した以外は、実施例24と
同様にして磁性塗膜を作製した。
【0142】実施例28 《磁性塗料の作製》 〈下層用磁性塗料の作製〉磁性粉末として、平均粒子サ
イズ0.9μm、保磁力2850Oe、飽和磁化53.4e
mu/gのバリウムフェライト磁性粉末を使用し、以下
の組成物でボ−ルミルを用いて十分分散して磁性塗料を
作製した。 バリウムフェライト磁性粉末(Hc:2850Oe) 100重量部 VAGH(UCC社製;塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルア 25 〃 ルコ−ル共重合体) メチルイソブチルケトン 50 〃 トルエン 50 〃
イズ0.9μm、保磁力2850Oe、飽和磁化53.4e
mu/gのバリウムフェライト磁性粉末を使用し、以下
の組成物でボ−ルミルを用いて十分分散して磁性塗料を
作製した。 バリウムフェライト磁性粉末(Hc:2850Oe) 100重量部 VAGH(UCC社製;塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルア 25 〃 ルコ−ル共重合体) メチルイソブチルケトン 50 〃 トルエン 50 〃
【0143】〈上層用磁性塗料の作製〉磁性粉末とし
て、前記の方法で作製したMnBi磁性粉末と、実施例
13において使用した粒子サイズ0.4μm、保磁力65
0Oe、飽和磁化74.5emu/gのコバルト含有酸化
鉄磁性粉末を使用し、以下の組成でボ−ルミルを用いて
十分分散して磁性塗料を作製した。 MnBi磁性粉末(Hc:8500Oe) 50重量部 コバルト含有酸化鉄磁性粉末(Hc:650Oe) 50 〃 VAGH(UCC社製;塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルア 25 〃 ルコ−ル共重合体) メチルイソブチルケトン 50 〃 トルエン 50 〃
て、前記の方法で作製したMnBi磁性粉末と、実施例
13において使用した粒子サイズ0.4μm、保磁力65
0Oe、飽和磁化74.5emu/gのコバルト含有酸化
鉄磁性粉末を使用し、以下の組成でボ−ルミルを用いて
十分分散して磁性塗料を作製した。 MnBi磁性粉末(Hc:8500Oe) 50重量部 コバルト含有酸化鉄磁性粉末(Hc:650Oe) 50 〃 VAGH(UCC社製;塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルア 25 〃 ルコ−ル共重合体) メチルイソブチルケトン 50 〃 トルエン 50 〃
【0144】《磁性塗膜の作製》まず前述の下層用磁性
塗料を、厚さ190μmのPETベ−スフイルム上に、
乾燥後の厚さが15μmになるように3000Oeの長
手配向磁場を印加しながら塗布した。次にこの下層の磁
性層表面に、前述の上層用磁性塗料を乾燥後の厚さが1
0μmになるように、同じく3000Oeの長手配向磁
場を印加しながら塗布して磁性塗膜を作製した。
塗料を、厚さ190μmのPETベ−スフイルム上に、
乾燥後の厚さが15μmになるように3000Oeの長
手配向磁場を印加しながら塗布した。次にこの下層の磁
性層表面に、前述の上層用磁性塗料を乾燥後の厚さが1
0μmになるように、同じく3000Oeの長手配向磁
場を印加しながら塗布して磁性塗膜を作製した。
【0145】比較例1 実施例24におけるMnBi磁性粉末を使用した下層用
磁性塗料を使用し、乾燥後の厚さが15μmになるよう
に3000Oeの長手配向磁場を印加しながら塗布して
磁性塗膜を作製した。
磁性塗料を使用し、乾燥後の厚さが15μmになるよう
に3000Oeの長手配向磁場を印加しながら塗布して
磁性塗膜を作製した。
【0146】比較例2 実施例1における磁性塗料の組成において、MnBi磁
性粉末を省き、バリウムフェライト磁性粉末だけを使用
した以外は、実施例1と同様にして磁性塗料を調製し、
乾燥後の厚さが15μmになるように3000Oeの長
手配向磁場を印加しながら塗布して磁性塗膜を作製し
た。
性粉末を省き、バリウムフェライト磁性粉末だけを使用
した以外は、実施例1と同様にして磁性塗料を調製し、
乾燥後の厚さが15μmになるように3000Oeの長
手配向磁場を印加しながら塗布して磁性塗膜を作製し
た。
【0147】比較例3 実施例24におけるバリウムフェライト磁性粉末を使用
した上層用の磁性塗料を使用し、乾燥後の厚さが15μ
mになるように3000Oeの長手配向磁場を印加しな
がら塗布して磁性塗膜を作製した。
した上層用の磁性塗料を使用し、乾燥後の厚さが15μ
mになるように3000Oeの長手配向磁場を印加しな
がら塗布して磁性塗膜を作製した。
【0148】比較例4 実施例1における磁性塗料の組成において、実施例1で
使用した磁性粉末に代えて、保磁力650Oeのコバル
ト含有酸化鉄磁性粉末のみを使用した以外は、実施例1
と同様にして磁性塗料を調製し、乾燥後の厚さが15μ
mになるように3000Oeの長手配向磁場を印加しな
がら塗布して磁性塗膜を作製した。
使用した磁性粉末に代えて、保磁力650Oeのコバル
ト含有酸化鉄磁性粉末のみを使用した以外は、実施例1
と同様にして磁性塗料を調製し、乾燥後の厚さが15μ
mになるように3000Oeの長手配向磁場を印加しな
がら塗布して磁性塗膜を作製した。
【0149】比較例5 実施例1における磁性塗料の組成において、MnBi磁
性粉末を省き、保磁力1750Oeのバリウムフェライ
ト磁性粉末に代えて保磁力5500Oeのバリウムフェ
ライト磁性粉末を使用した以外は、実施例1と同様にし
て磁性塗料を調製し、乾燥後の厚さが15μmになるよ
うに3000Oeの長手配向磁場を印加しながら塗布し
て磁性塗膜を作製した。
性粉末を省き、保磁力1750Oeのバリウムフェライ
ト磁性粉末に代えて保磁力5500Oeのバリウムフェ
ライト磁性粉末を使用した以外は、実施例1と同様にし
て磁性塗料を調製し、乾燥後の厚さが15μmになるよ
うに3000Oeの長手配向磁場を印加しながら塗布し
て磁性塗膜を作製した。
【0150】比較例6 実施例1における磁性塗料の組成において、実施例1で
使用した磁性粉末に代えて、保磁力7800Oeのサマ
リウムコバルト磁性粉末のみを使用した以外は、実施例
1と同様にして磁性塗料を調製し、乾燥後の厚さが15
μmになるように3000Oeの長手配向磁場を印加し
ながら塗布して磁性塗膜を作製した。
使用した磁性粉末に代えて、保磁力7800Oeのサマ
リウムコバルト磁性粉末のみを使用した以外は、実施例
1と同様にして磁性塗料を調製し、乾燥後の厚さが15
μmになるように3000Oeの長手配向磁場を印加し
ながら塗布して磁性塗膜を作製した。
【0151】比較例7 実施例1における磁性塗料の作製において、磁性粉末を
平均粒子サイズ0.9μm、保磁力1750Oe、飽和磁
化53.3emu/gのバリウムフェライト磁性粉末か
ら、平均粒子サイズ0.4μm、保磁力280Oe、飽和
磁化75.4emu/gのガンマ酸化鉄磁性粉末に変更
し、かつMnBi磁性粉末およびガンマ酸化鉄磁性粉末
の添加割合を、それぞれ50重量部および50重量部と
した以外は、実施例1と同様にして磁性塗料を調製し、
塗膜を作製した。
平均粒子サイズ0.9μm、保磁力1750Oe、飽和磁
化53.3emu/gのバリウムフェライト磁性粉末か
ら、平均粒子サイズ0.4μm、保磁力280Oe、飽和
磁化75.4emu/gのガンマ酸化鉄磁性粉末に変更
し、かつMnBi磁性粉末およびガンマ酸化鉄磁性粉末
の添加割合を、それぞれ50重量部および50重量部と
した以外は、実施例1と同様にして磁性塗料を調製し、
塗膜を作製した。
【0152】比較例8 実施例1における磁性塗料の作製において、磁性粉末を
平均粒子サイズ0.9μm、保磁力1750Oe、飽和磁
化53.3emu/gのバリウムフェライト磁性粉末か
ら、平均粒子サイズ3.2μm、保磁力8600Oe、飽
和磁化105emu/gのネオジウム鉄ボロン磁性粉末
に変更し、かつMnBi磁性粉末およびネオジウム鉄ボ
ロン磁性粉末の添加割合を、それぞれ40重量部および
60重量部とした以外は、実施例1と同様にして磁性塗
料を調製し、塗膜を作製した。
平均粒子サイズ0.9μm、保磁力1750Oe、飽和磁
化53.3emu/gのバリウムフェライト磁性粉末か
ら、平均粒子サイズ3.2μm、保磁力8600Oe、飽
和磁化105emu/gのネオジウム鉄ボロン磁性粉末
に変更し、かつMnBi磁性粉末およびネオジウム鉄ボ
ロン磁性粉末の添加割合を、それぞれ40重量部および
60重量部とした以外は、実施例1と同様にして磁性塗
料を調製し、塗膜を作製した。
【0153】このようにして作製した単層塗膜の磁性粉
末、添加割合をまとめた結果を表1および表2に、多層
塗膜の磁性粉末、磁性層厚さをまとめた結果を表3に、
またこれらの塗膜について、300Kにおいて16kO
eの磁界を印加して測定した保磁力Hc、磁束密度B
m、長手方向の角形Br/Bmを測定した結果を表4お
よび表5に示す。
末、添加割合をまとめた結果を表1および表2に、多層
塗膜の磁性粉末、磁性層厚さをまとめた結果を表3に、
またこれらの塗膜について、300Kにおいて16kO
eの磁界を印加して測定した保磁力Hc、磁束密度B
m、長手方向の角形Br/Bmを測定した結果を表4お
よび表5に示す。
【0154】なお本実施例では、MnBi磁性粉末と共
に使用する磁性粉末として、ガンマ酸化鉄磁性粉末、マ
グネタイト磁性粉末、コバルト含有酸化鉄磁性粉末、二
酸化クロム磁性粉末、メタル磁性粉末、バリウムフェラ
イト磁性粉末、ストロンチウムフェライト磁性粉末、サ
マリウムコバルト磁性粉末、ネオジウム鉄ボロン磁性粉
末を例にあげて説明したが、このほかにも磁気ヘッドで
記録、消去、書き換えが可能な磁性粉末を全て使用可能
であり、300Kにおいて16kOeの磁界を印加して
測定した保磁力が300Oeから8000Oeの範囲に
ある磁性粉末を好適に使用することができる。
に使用する磁性粉末として、ガンマ酸化鉄磁性粉末、マ
グネタイト磁性粉末、コバルト含有酸化鉄磁性粉末、二
酸化クロム磁性粉末、メタル磁性粉末、バリウムフェラ
イト磁性粉末、ストロンチウムフェライト磁性粉末、サ
マリウムコバルト磁性粉末、ネオジウム鉄ボロン磁性粉
末を例にあげて説明したが、このほかにも磁気ヘッドで
記録、消去、書き換えが可能な磁性粉末を全て使用可能
であり、300Kにおいて16kOeの磁界を印加して
測定した保磁力が300Oeから8000Oeの範囲に
ある磁性粉末を好適に使用することができる。
【0155】つまりMnBi磁性粉末は一度記録する
と、その後の消去や書き換えが困難な特徴を有してお
り、共に添加する磁性粉末としては、保磁力の大小にか
かわらず、記録、消去、書き換えが可能な磁性粉末、た
とえば鉄やコバルトなどの窒化物磁性粉末、炭化物磁性
粉末などの磁性粉末も使用可能であることは言うまでも
ない。
と、その後の消去や書き換えが困難な特徴を有してお
り、共に添加する磁性粉末としては、保磁力の大小にか
かわらず、記録、消去、書き換えが可能な磁性粉末、た
とえば鉄やコバルトなどの窒化物磁性粉末、炭化物磁性
粉末などの磁性粉末も使用可能であることは言うまでも
ない。
【0156】さらに本実施例では、磁気記録媒体の構成
として最も基本的な構成のものについて説明したが、磁
性塗料中に各種の添加剤を添加しても、本発明の特徴を
なんら損なうものではない。また本磁気記録媒体をプリ
ペ−ドカ−ドや磁気定期券、磁気切符等の磁気カ−ドに
適用する場合には、磁性層の表面に各種の保護層やカラ
−層などの隠蔽層を形成することが好ましい。このよう
な保護層や隠蔽層を形成しても、本発明の特徴をなんら
損なうものではないことも言うまでもない。
として最も基本的な構成のものについて説明したが、磁
性塗料中に各種の添加剤を添加しても、本発明の特徴を
なんら損なうものではない。また本磁気記録媒体をプリ
ペ−ドカ−ドや磁気定期券、磁気切符等の磁気カ−ドに
適用する場合には、磁性層の表面に各種の保護層やカラ
−層などの隠蔽層を形成することが好ましい。このよう
な保護層や隠蔽層を形成しても、本発明の特徴をなんら
損なうものではないことも言うまでもない。
【0157】
【0158】
【0159】
【0160】
【0161】
【0162】実施例29 《磁気カ−ドの作製および記録再生方法》各実施例およ
び比較例の塗膜を作製し磁気カ−ドを作製した。磁気カ
−ドは厚さ190μmのPETベ−スフイルムに各実施
例および比較例の塗膜を作製し、磁気カ−ドの形状に打
ち抜いて作製した。
び比較例の塗膜を作製し磁気カ−ドを作製した。磁気カ
−ドは厚さ190μmのPETベ−スフイルムに各実施
例および比較例の塗膜を作製し、磁気カ−ドの形状に打
ち抜いて作製した。
【0163】まずこれらの磁気カ−ドを液体窒素中に浸
すことにより冷却し、このあと速やかに1000Oeの
交流磁界を印加して消磁し、初期化した。
すことにより冷却し、このあと速やかに1000Oeの
交流磁界を印加して消磁し、初期化した。
【0164】信号の記録再生方法としては、一度信号を
記録すると書き換えが困難な領域(ライトワンス機能、
リ−ドオンリ−機能)の書き換えの困難さ、および任意
に信号の書き換えができる領域(リライト機能)の書き
換えの容易さを定量的に調べるために、以下に示すよう
な方法で調べた。
記録すると書き換えが困難な領域(ライトワンス機能、
リ−ドオンリ−機能)の書き換えの困難さ、および任意
に信号の書き換えができる領域(リライト機能)の書き
換えの容易さを定量的に調べるために、以下に示すよう
な方法で調べた。
【0165】磁気カ−ドリ−ダ−ライタ−(三和ニュ−
テック製CRS−700)を用いて、記録電流を200
ミリアンペアにして、記録密度が210FCIおよび4
20FCIの矩形波を記録した。信号の再生も同じ磁気
カ−ドリ−ダ−ライタ−を用い、磁気ヘッドからの信号
をバンドパスフィルタ−を経由させてオシロスコ−プに
取り込み、210FCIおよび420FCIの再生出力
をオシロスコ−プの波形の振幅から求めた。
テック製CRS−700)を用いて、記録電流を200
ミリアンペアにして、記録密度が210FCIおよび4
20FCIの矩形波を記録した。信号の再生も同じ磁気
カ−ドリ−ダ−ライタ−を用い、磁気ヘッドからの信号
をバンドパスフィルタ−を経由させてオシロスコ−プに
取り込み、210FCIおよび420FCIの再生出力
をオシロスコ−プの波形の振幅から求めた。
【0166】一度信号を記録すると書き換えが困難な領
域(領域A)として、まず磁気カ−ドの磁性層の上方部
分に、記録密度420FCIの信号を記録し、再生出力
を求め、この値をa1 とした。次に、同じトラック上に
記録密度210FCIの信号を重ねて記録し、前に記録
した信号である420FCIの信号の再生出力を再び求
め、この値をa2 とした。このa1 の値に対するa2 の
値の比を求め、書き換えの困難さのパラメ−タ−とし
た。このa2 /a1 の値が大きいほど、書き換えしても
以前に記録した信号が消去されずに残り、書き換えが困
難であることを示す。
域(領域A)として、まず磁気カ−ドの磁性層の上方部
分に、記録密度420FCIの信号を記録し、再生出力
を求め、この値をa1 とした。次に、同じトラック上に
記録密度210FCIの信号を重ねて記録し、前に記録
した信号である420FCIの信号の再生出力を再び求
め、この値をa2 とした。このa1 の値に対するa2 の
値の比を求め、書き換えの困難さのパラメ−タ−とし
た。このa2 /a1 の値が大きいほど、書き換えしても
以前に記録した信号が消去されずに残り、書き換えが困
難であることを示す。
【0167】次に、任意に信号の書き換えができる領域
(領域B)として、同じ磁気カ−ドリ−ダ−ライタ−を
使用して、磁気カ−ドの下方部分を直流消磁した。この
ときの電流値も記録時と同じ200ミリアンペアとし
た。直流消磁した同じトラック上に、まず記録密度42
0FCIの信号を記録し、再生出力を求め、この値をb
1 とした。次に記録密度210FCIの信号を重ねて記
録し、210FCIの信号の再生出力を求めb2 とし
た。このb1 の値に対するb2 の値の比を求め、書き換
えの容易さのパラメ−タ−とした。この値が100%の
とき、前に記録した信号が後から記録した信号によって
完全に書き換えられたことを示す。また、領域Bに信号
を記録する前の磁界の印加方法として、磁気ヘッドを用
いて直流消磁する代わりに、永久磁石を用いて磁界を印
加した場合についても調べた。
(領域B)として、同じ磁気カ−ドリ−ダ−ライタ−を
使用して、磁気カ−ドの下方部分を直流消磁した。この
ときの電流値も記録時と同じ200ミリアンペアとし
た。直流消磁した同じトラック上に、まず記録密度42
0FCIの信号を記録し、再生出力を求め、この値をb
1 とした。次に記録密度210FCIの信号を重ねて記
録し、210FCIの信号の再生出力を求めb2 とし
た。このb1 の値に対するb2 の値の比を求め、書き換
えの容易さのパラメ−タ−とした。この値が100%の
とき、前に記録した信号が後から記録した信号によって
完全に書き換えられたことを示す。また、領域Bに信号
を記録する前の磁界の印加方法として、磁気ヘッドを用
いて直流消磁する代わりに、永久磁石を用いて磁界を印
加した場合についても調べた。
【0168】各実施例および比較例の磁気カ−ドについ
て、書き換えの困難さを示す(a2/a1 )および書き
換えの容易さを示す(b2 /b1 )を求めた結果を表6
ないし表10に示す。
て、書き換えの困難さを示す(a2/a1 )および書き
換えの容易さを示す(b2 /b1 )を求めた結果を表6
ないし表10に示す。
【0169】
【0170】
【0171】
【0172】
【0173】
【0174】実施例1〜9に示す保磁力1750Oeの
バリウムフェライト磁性粉末とMnBi磁性粉末を添加
したカ−ドにおいては、MnBi磁性粉末の含有量が多
くなるほど領域Aに記録した信号のa2 /a1 が大きく
なる。これはMnBi磁性粉末の含有量が多くなるほど
書き換えの困難さが増加していることを示しており、一
度記録すると書き換えが困難になるMnBi磁性粉末特
有の性質によるものである。
バリウムフェライト磁性粉末とMnBi磁性粉末を添加
したカ−ドにおいては、MnBi磁性粉末の含有量が多
くなるほど領域Aに記録した信号のa2 /a1 が大きく
なる。これはMnBi磁性粉末の含有量が多くなるほど
書き換えの困難さが増加していることを示しており、一
度記録すると書き換えが困難になるMnBi磁性粉末特
有の性質によるものである。
【0175】一方、領域Bに記録した信号のb2 /b1
は、MnBi磁性粉末の含有量に依存せず100〜10
5%とほぼ一定であり、問題なく信号の書き換えが行わ
れたことを示している。これは、MnBi磁性粉末を含
有していても、記録する前に磁界を印加して直流消磁し
たことにより、MnBi磁性粉末が磁化されて、その後
の記録再生には寄与しなくなり、保磁力1750Oeの
バリウムフェライト磁性粉末で記録再生が行われたため
である。なお、b2 /b1 の値が100%にならずに、
100%より少し大きな値を示すのは、420FCIに
比べて210FCIの方が記録密度が低いため、210
FCIの方が高出力が得られるためである。
は、MnBi磁性粉末の含有量に依存せず100〜10
5%とほぼ一定であり、問題なく信号の書き換えが行わ
れたことを示している。これは、MnBi磁性粉末を含
有していても、記録する前に磁界を印加して直流消磁し
たことにより、MnBi磁性粉末が磁化されて、その後
の記録再生には寄与しなくなり、保磁力1750Oeの
バリウムフェライト磁性粉末で記録再生が行われたため
である。なお、b2 /b1 の値が100%にならずに、
100%より少し大きな値を示すのは、420FCIに
比べて210FCIの方が記録密度が低いため、210
FCIの方が高出力が得られるためである。
【0176】またMnBi磁性粉末の含有量が多くなる
ほど領域Aに記録した信号のa2 /a1 が大きくなる傾
向は、保磁力2850Oeのバリウムフェライト磁性粉
末を用いた実施例10〜12、保磁力650Oeのコバ
ルト含有酸化鉄磁性粉末を用いた実施例13〜15のカ
−ドにおいても認められる。
ほど領域Aに記録した信号のa2 /a1 が大きくなる傾
向は、保磁力2850Oeのバリウムフェライト磁性粉
末を用いた実施例10〜12、保磁力650Oeのコバ
ルト含有酸化鉄磁性粉末を用いた実施例13〜15のカ
−ドにおいても認められる。
【0177】また実施例16〜23に示すように、Mn
Bi磁性粉末と共に添加する磁性粉末がガンマ酸化鉄粉
末、マグネタイト磁性粉末、ストロンチウムフェライト
磁性粉末、高保磁力のバリウムフェライト磁性粉末、メ
タル磁性粉末、二酸化クロム磁性粉末、サマリウムコバ
ルト磁性粉末、ネオジウム鉄ボロン磁性粉末において
も、領域Aの信号a2 /a1 は30〜67%と、明らか
に書き換えが困難な特性を有していることを示してい
る。
Bi磁性粉末と共に添加する磁性粉末がガンマ酸化鉄粉
末、マグネタイト磁性粉末、ストロンチウムフェライト
磁性粉末、高保磁力のバリウムフェライト磁性粉末、メ
タル磁性粉末、二酸化クロム磁性粉末、サマリウムコバ
ルト磁性粉末、ネオジウム鉄ボロン磁性粉末において
も、領域Aの信号a2 /a1 は30〜67%と、明らか
に書き換えが困難な特性を有していることを示してい
る。
【0178】一方領域Bに記録した信号b2 /b1 の値
は、サマリウムコバルト磁性粉末およびネオジウム鉄ボ
ロン磁性粉末を含有させた実施例22および23では、
磁性粉末の保磁力が大きいため、b2 /b1 は若干低い
値を示すが、基本的には書き換えは可能である。その他
の実施例では、いずれの実施例でもb2 /b1 は100
%に近い値を示し、問題なく書き換えが行われているこ
とを示している。
は、サマリウムコバルト磁性粉末およびネオジウム鉄ボ
ロン磁性粉末を含有させた実施例22および23では、
磁性粉末の保磁力が大きいため、b2 /b1 は若干低い
値を示すが、基本的には書き換えは可能である。その他
の実施例では、いずれの実施例でもb2 /b1 は100
%に近い値を示し、問題なく書き換えが行われているこ
とを示している。
【0179】また領域Bにおいて書き換えの容易な特性
を発揮させるための、信号を記録する前に磁界を印加す
る方法として、永久磁石を用いた場合においても、b2
/b1 の値は、磁気ヘッドで磁界を印加した場合とほぼ
同等の値を示しており、問題なく書き換えが行われてい
ることを示している。
を発揮させるための、信号を記録する前に磁界を印加す
る方法として、永久磁石を用いた場合においても、b2
/b1 の値は、磁気ヘッドで磁界を印加した場合とほぼ
同等の値を示しており、問題なく書き換えが行われてい
ることを示している。
【0180】またさらにMnBi磁性粉末を含有する磁
性層と保磁力2850Oeのバリウムフェライト磁性粉
末を含有する磁性層を、それぞれ下層および上層、ある
いは上層および下層に積層した実施例24、25の磁気
記録媒体を用いたカ−ド、MnBi磁性粉末を含有する
磁性層と保磁力650OeのCo含有酸化鉄磁性粉末を
含有する磁性層を、それぞれ下層および上層、あるいは
上層および下層に積層した実施例26、27の磁気記録
媒体を用いたカ−ド、さらに下層に保磁力2850Oe
のバリウムフェライト磁性粉末を含有する磁性層を、上
層にMnBi磁性粉末とコバルト含有酸化鉄磁性粉末と
を含有させた磁性層を積層した実施例28の磁気記録媒
体を用いたいずれのカ−ドにおいても、a2 /a1 は3
5〜56%と大きな値を示し、またb2/b1は100
%に近い値を示し、領域Aは書き換えが困難で、領域B
は問題なく書き換えが行われていることを示している。
性層と保磁力2850Oeのバリウムフェライト磁性粉
末を含有する磁性層を、それぞれ下層および上層、ある
いは上層および下層に積層した実施例24、25の磁気
記録媒体を用いたカ−ド、MnBi磁性粉末を含有する
磁性層と保磁力650OeのCo含有酸化鉄磁性粉末を
含有する磁性層を、それぞれ下層および上層、あるいは
上層および下層に積層した実施例26、27の磁気記録
媒体を用いたカ−ド、さらに下層に保磁力2850Oe
のバリウムフェライト磁性粉末を含有する磁性層を、上
層にMnBi磁性粉末とコバルト含有酸化鉄磁性粉末と
を含有させた磁性層を積層した実施例28の磁気記録媒
体を用いたいずれのカ−ドにおいても、a2 /a1 は3
5〜56%と大きな値を示し、またb2/b1は100
%に近い値を示し、領域Aは書き換えが困難で、領域B
は問題なく書き換えが行われていることを示している。
【0181】一方、MnBi磁性粉末のみを使用した比
較例1のカ−ドにおいては、領域Aに記録したa2 /a
1 の値は84%と高く、書き換えは極めて困難である反
面、当然であるが領域Bに記録したb2 /b1 の値は1
9〜20%と低く、書き換えできる性能は有していな
い。
較例1のカ−ドにおいては、領域Aに記録したa2 /a
1 の値は84%と高く、書き換えは極めて困難である反
面、当然であるが領域Bに記録したb2 /b1 の値は1
9〜20%と低く、書き換えできる性能は有していな
い。
【0182】またバリウムフェライト磁性粉末のみを使
用した比較例2,3,5のカ−ドにおいては、保磁力が
5500Oeの比較例5のカ−ドにおいてさえも、a2
/a1 の値はわずか3%であり、書き換えが困難な特性
はほとんど示さない。またCo含有酸化鉄磁性粉末のみ
を使用した比較例4のカ−ドにおいても、バリウムフェ
ライト磁性粉末のみを使用したカ−ドと同様に、書き換
えが困難な特性は示さないことがわかる。
用した比較例2,3,5のカ−ドにおいては、保磁力が
5500Oeの比較例5のカ−ドにおいてさえも、a2
/a1 の値はわずか3%であり、書き換えが困難な特性
はほとんど示さない。またCo含有酸化鉄磁性粉末のみ
を使用した比較例4のカ−ドにおいても、バリウムフェ
ライト磁性粉末のみを使用したカ−ドと同様に、書き換
えが困難な特性は示さないことがわかる。
【0183】またさらに高保磁力のサマリウムコバルト
磁性粉末を使用した比較例6のカ−ドにおいては、領域
Aに記録したa2 /a1 の値は8%であり、ある程度書
き換えが困難な性質を示すが、領域Bに記録したb2 /
b1 の値は76%と低く、前に記録した信号が書き換え
られずに残っていることを示している。
磁性粉末を使用した比較例6のカ−ドにおいては、領域
Aに記録したa2 /a1 の値は8%であり、ある程度書
き換えが困難な性質を示すが、領域Bに記録したb2 /
b1 の値は76%と低く、前に記録した信号が書き換え
られずに残っていることを示している。
【0184】また、MnBi磁性粉末と他の磁性粉末と
を添加したカ−ドにおいても、MnBi磁性粉末と共に
添加したガンマ酸化鉄磁性粉末の保磁力が280Oeと
低い磁性粉末を添加した比較例7のカ−ドでは、領域A
に記録した信号a2 /a1 は大きな値を示し、かつ領域
Bに記録した信号b2 /b1 も100%近い値を示す。
しかし、領域Bに記録した信号を繰返し再生すると減磁
する傾向が認められた。これは記録後に10000Oe
以上の極めて大きな保磁力を示すMnBi磁性粉末とガ
ンマ酸化鉄磁性粉末の保磁力の差異が大きすぎるために
生じた現象と考えられる。
を添加したカ−ドにおいても、MnBi磁性粉末と共に
添加したガンマ酸化鉄磁性粉末の保磁力が280Oeと
低い磁性粉末を添加した比較例7のカ−ドでは、領域A
に記録した信号a2 /a1 は大きな値を示し、かつ領域
Bに記録した信号b2 /b1 も100%近い値を示す。
しかし、領域Bに記録した信号を繰返し再生すると減磁
する傾向が認められた。これは記録後に10000Oe
以上の極めて大きな保磁力を示すMnBi磁性粉末とガ
ンマ酸化鉄磁性粉末の保磁力の差異が大きすぎるために
生じた現象と考えられる。
【0185】さらに、比較例8に示す、MnBi磁性粉
末とネオジウム鉄ボロン磁性粉末を添加したカ−ドにお
いては、MnBi磁性粉末と共に添加した磁性粉末の保
磁力が大きすぎるため、b2 /b1 の値が100%より
かなり低くなってしまうのみならず、カ−ドの出力その
もの(a1 )の値も低い。これはMnBi磁性粉末と共
に添加した磁性粉末の保磁力が大きすぎるため、この磁
性粉末に信号が充分に書き込まれていないことが原因で
ある。
末とネオジウム鉄ボロン磁性粉末を添加したカ−ドにお
いては、MnBi磁性粉末と共に添加した磁性粉末の保
磁力が大きすぎるため、b2 /b1 の値が100%より
かなり低くなってしまうのみならず、カ−ドの出力その
もの(a1 )の値も低い。これはMnBi磁性粉末と共
に添加した磁性粉末の保磁力が大きすぎるため、この磁
性粉末に信号が充分に書き込まれていないことが原因で
ある。
【0186】このように比較例1〜6に示すカ−ドは、
書き換えが困難な領域と書き換えが容易な領域を併せも
つ特性は示さない。また、比較例7及び8に示すカ−ド
においてもMnBi磁性粉末と共に添加した磁性粉末の
保磁力が300〜8000Oeの範囲外の磁性粉末を使
用したものでは、再生減磁や再生出力そのものが低いな
どの問題がある。
書き換えが困難な領域と書き換えが容易な領域を併せも
つ特性は示さない。また、比較例7及び8に示すカ−ド
においてもMnBi磁性粉末と共に添加した磁性粉末の
保磁力が300〜8000Oeの範囲外の磁性粉末を使
用したものでは、再生減磁や再生出力そのものが低いな
どの問題がある。
【0187】一方、本発明の磁気記録媒体を用いた実施
例のカ−ドでは、MnBi磁性粉末と共に添加させる
か、あるいはこれらの磁性粉末を含有する磁性層を積層
させる場合のいずれの場合でも、MnBi磁性粉末とと
もに使用する磁性粉末の種類によらず、書き換えが困難
な領域と書き換えが容易な領域を併せもつ特性を有する
ことがわかる。
例のカ−ドでは、MnBi磁性粉末と共に添加させる
か、あるいはこれらの磁性粉末を含有する磁性層を積層
させる場合のいずれの場合でも、MnBi磁性粉末とと
もに使用する磁性粉末の種類によらず、書き換えが困難
な領域と書き換えが容易な領域を併せもつ特性を有する
ことがわかる。
【0188】また本発明の磁気記録媒体を磁気カ−ドに
適用した例として、図4〜8にプリペ−ドカ−ドに適用
した例を示す。図4は、隣接するトラックの片方のトラ
ックを領域A(一度信号を記録すると書き換えが困難な
領域)に、他方のトラックを領域B(任意にデ−タの書
き換えができる領域)とした例を示す。図5は、カ−ド
の上下に磁気トラックを形成し、片方のトラックを領域
Aに、他方のトラックを領域Bとした例を示す。図6
は、隣接する3本の磁気トラックの内、1本のトラック
を領域Aに、他の2本のトラックを領域Bとした例を示
す。図7は、カ−ドの上下に磁気トラックを形成し、上
方に領域Aのトラックを1本、下方に領域Bのトラック
を2本形成した例を示す。また図8は、カ−ドの上下に
領域Aと領域Bのトラックトを各2本形成した例を示
す。本例では代表的な例を示しているが、これらの例以
外にも領域Aと領域Bを使って各種の組合せが可能であ
ることは言うまでもない。
適用した例として、図4〜8にプリペ−ドカ−ドに適用
した例を示す。図4は、隣接するトラックの片方のトラ
ックを領域A(一度信号を記録すると書き換えが困難な
領域)に、他方のトラックを領域B(任意にデ−タの書
き換えができる領域)とした例を示す。図5は、カ−ド
の上下に磁気トラックを形成し、片方のトラックを領域
Aに、他方のトラックを領域Bとした例を示す。図6
は、隣接する3本の磁気トラックの内、1本のトラック
を領域Aに、他の2本のトラックを領域Bとした例を示
す。図7は、カ−ドの上下に磁気トラックを形成し、上
方に領域Aのトラックを1本、下方に領域Bのトラック
を2本形成した例を示す。また図8は、カ−ドの上下に
領域Aと領域Bのトラックトを各2本形成した例を示
す。本例では代表的な例を示しているが、これらの例以
外にも領域Aと領域Bを使って各種の組合せが可能であ
ることは言うまでもない。
【0189】実施例30 《磁気カ−ドの作製および記録再生方法》本発明の磁気
記録媒体へ記録再生方法の他の例について説明する。カ
−ドとしては、実施例1に示した塗膜を形成し、実施例
29に示した方法と同様に方法により作製した。このカ
−ドを実施例29に示した方法により、初期化した。
記録媒体へ記録再生方法の他の例について説明する。カ
−ドとしては、実施例1に示した塗膜を形成し、実施例
29に示した方法と同様に方法により作製した。このカ
−ドを実施例29に示した方法により、初期化した。
【0190】信号の記録には、実施例29と同様に、磁
気カ−ドリ−ダ−ライタ−(三和ニュ−テック製CRS
−700)を用いて、記録電流を200ミリアンペアに
して、記録密度が210FCIおよび420FCIの矩
形波を記録した。信号の再生も同じ磁気カ−ドリ−ダ−
ライタ−を用い、磁気ヘッドからの信号をバンドパスフ
ィルタ−を経由させてオシロスコ−プに取り込み、21
0FCIおよび420FCIの再生出力をオシロスコ−
プの波形の振幅から求めた。
気カ−ドリ−ダ−ライタ−(三和ニュ−テック製CRS
−700)を用いて、記録電流を200ミリアンペアに
して、記録密度が210FCIおよび420FCIの矩
形波を記録した。信号の再生も同じ磁気カ−ドリ−ダ−
ライタ−を用い、磁気ヘッドからの信号をバンドパスフ
ィルタ−を経由させてオシロスコ−プに取り込み、21
0FCIおよび420FCIの再生出力をオシロスコ−
プの波形の振幅から求めた。
【0191】一度信号を記録すると書き換えが困難な領
域(領域A)と、任意に信号の書き換えができる領域
(領域B)とを図9に示すような構成で記録した。まず
磁気カ−ドの磁性層の任意トラック上に、カ−ドの左端
から10mmの幅で420FCIの矩形波を記録し、次
に10mmの間隔をあけて、再び10mmの幅で420
FCIの矩形波を記録した。この繰り返しで、3個の記
録領域(領域A)を形成した。
域(領域A)と、任意に信号の書き換えができる領域
(領域B)とを図9に示すような構成で記録した。まず
磁気カ−ドの磁性層の任意トラック上に、カ−ドの左端
から10mmの幅で420FCIの矩形波を記録し、次
に10mmの間隔をあけて、再び10mmの幅で420
FCIの矩形波を記録した。この繰り返しで、3個の記
録領域(領域A)を形成した。
【0192】次にこのカ−ド全体に強度約3000Oe
の直流磁界を印加して一様に磁化した後、同一トラック
上で先に記録した領域(領域A)とは異なる領域(領域
B)に同じく420FCIの矩形波を記録した。その
後、このトラック全体に210FCIの信号を重ね記録
した。書き換えの困難さ、および書き換えの容易さは、
実施例29と同じくa2 /a1 およびb2 /b1 の値か
ら評価した。
の直流磁界を印加して一様に磁化した後、同一トラック
上で先に記録した領域(領域A)とは異なる領域(領域
B)に同じく420FCIの矩形波を記録した。その
後、このトラック全体に210FCIの信号を重ね記録
した。書き換えの困難さ、および書き換えの容易さは、
実施例29と同じくa2 /a1 およびb2 /b1 の値か
ら評価した。
【0193】すなわち領域Aに関しては、最初に記録し
た420FCIの信号の再生出力(a1 )と、210F
CIの信号を重ねて記録した後の420FCIの信号の
再生出力(a2 )を測定した。また領域Bに関しては、
直流磁化を印加して磁化した後に記録した420FCI
の信号の、再生出力(b1 )を測定し、次に記録密度2
10FCIの信号を重ね記録し、210FCIの信号の
再生出力(b2 )を測定した。
た420FCIの信号の再生出力(a1 )と、210F
CIの信号を重ねて記録した後の420FCIの信号の
再生出力(a2 )を測定した。また領域Bに関しては、
直流磁化を印加して磁化した後に記録した420FCI
の信号の、再生出力(b1 )を測定し、次に記録密度2
10FCIの信号を重ね記録し、210FCIの信号の
再生出力(b2 )を測定した。
【0194】この(a2 /a1 )および(b2 /b1 )
の値は、それぞれ41%および102%となり、このよ
うな構成のカ−ドにおいても、本発明の書き換え困難な
領域と書き換えが容易な領域を併せもつ特性を有するこ
とがわかった。
の値は、それぞれ41%および102%となり、このよ
うな構成のカ−ドにおいても、本発明の書き換え困難な
領域と書き換えが容易な領域を併せもつ特性を有するこ
とがわかった。
【0195】図10は、書き換え困難な領域(領域A)
と書き換えが容易な領域(領域B)を一本のトラック内
に形成した最もシンプルな例を示す。図11は、一本の
トラック内に領域Aと領域Bを形成し、もう一本のトラ
ックを領域Bとした例である。図12は、一本のトラッ
ク内に領域Aと領域Bを複数個形成したトラックを複数
本形成した例である。また図13は、一本のトラック内
に領域Aと領域Bを形成し、他のトラックを領域Aおよ
び領域Bとした例である。
と書き換えが容易な領域(領域B)を一本のトラック内
に形成した最もシンプルな例を示す。図11は、一本の
トラック内に領域Aと領域Bを形成し、もう一本のトラ
ックを領域Bとした例である。図12は、一本のトラッ
ク内に領域Aと領域Bを複数個形成したトラックを複数
本形成した例である。また図13は、一本のトラック内
に領域Aと領域Bを形成し、他のトラックを領域Aおよ
び領域Bとした例である。
【0196】実施例31 《磁気カ−ドの作製および記録再生方法 》本発明の磁
気記録媒体へ記録再生方法の他の例について説明する。
カ−ドとしては、実施例1に示した塗膜を形成し、実施
例29に示した方法と同様に方法により作製した。この
カ−ドを実施例29に示した方法により、初期化した。
気記録媒体へ記録再生方法の他の例について説明する。
カ−ドとしては、実施例1に示した塗膜を形成し、実施
例29に示した方法と同様に方法により作製した。この
カ−ドを実施例29に示した方法により、初期化した。
【0197】信号の記録には、実施例29と同様に、磁
気カ−ドリ−ダ−ライタ−(三和ニュ−テック製CRS
−700)を用いて、記録電流を200ミリアンペアに
して、記録密度が210FCIおよび420FCIの矩
形波を記録した。信号の再生も同じ磁気カ−ドリ−ダ−
ライタ−を用い、磁気ヘッドからの信号をバンドパスフ
ィルタ−を経由させてオシロスコ−プに取り込み、21
0FCIおよび420FCIの再生出力をオシロスコ−
プの波形の振幅から求めた。
気カ−ドリ−ダ−ライタ−(三和ニュ−テック製CRS
−700)を用いて、記録電流を200ミリアンペアに
して、記録密度が210FCIおよび420FCIの矩
形波を記録した。信号の再生も同じ磁気カ−ドリ−ダ−
ライタ−を用い、磁気ヘッドからの信号をバンドパスフ
ィルタ−を経由させてオシロスコ−プに取り込み、21
0FCIおよび420FCIの再生出力をオシロスコ−
プの波形の振幅から求めた。
【0198】本実施例では、一度信号を記録すると書き
換えが困難な領域と、任意に信号の書き換えができる領
域の他に、これらの信号を特定領域に記録するための位
置情報を記録した領域をさらに設けた例について示す。
この例に示すカ−ドは、例えば、図14に示すように、
一本のトラックを一度信号を記録すると書き換えが困難
な信号と、任意に書き換えができる信号を、特定領域に
記録するための位置情報を記録した信号を記録する領域
Cとし、もう一本のトラック内に書き換え困難な領域
(領域A)と書き換えが容易な領域(領域B)を形成し
て構成される。
換えが困難な領域と、任意に信号の書き換えができる領
域の他に、これらの信号を特定領域に記録するための位
置情報を記録した領域をさらに設けた例について示す。
この例に示すカ−ドは、例えば、図14に示すように、
一本のトラックを一度信号を記録すると書き換えが困難
な信号と、任意に書き換えができる信号を、特定領域に
記録するための位置情報を記録した信号を記録する領域
Cとし、もう一本のトラック内に書き換え困難な領域
(領域A)と書き換えが容易な領域(領域B)を形成し
て構成される。
【0199】まず磁気カ−ドの磁性層のトラック上に、
一度信号を記録すると書き換えが困難な信号と、任意に
書き換えができる信号を、特定領域に記録するための位
置情報を記録した信号を記録する。次に、この位置情報
にもとずいて、他のトラック上に書き換え困難な信号
と、書き換えができる信号を記録する。
一度信号を記録すると書き換えが困難な信号と、任意に
書き換えができる信号を、特定領域に記録するための位
置情報を記録した信号を記録する。次に、この位置情報
にもとずいて、他のトラック上に書き換え困難な信号
と、書き換えができる信号を記録する。
【0200】本実施例では、実施例29と同じ記録構成
とした。すなわちカ−ドの左端から10mmの幅で42
0FCIの矩形波を記録し、次に10mmの間隔をあけ
て、再び10mmの幅で420FCIの矩形波を記録し
た。この繰り返しで、3個の記録領域(領域A)を記録
した。
とした。すなわちカ−ドの左端から10mmの幅で42
0FCIの矩形波を記録し、次に10mmの間隔をあけ
て、再び10mmの幅で420FCIの矩形波を記録し
た。この繰り返しで、3個の記録領域(領域A)を記録
した。
【0201】次に位置情報を記録したトラックも含め
て、このカ−ド全体に強度約3000Oeの直流磁界を
印加して一様に磁化した。その後、この位置情報にもと
づいて、先に記録した領域(領域A)とは異なる領域
(領域B)に、同じく420FCIの矩形波を記録し
た。その後、このトラック全体に210FCIの信号を
重ね記録した。書き換えの困難さ、および書き換えの容
易さは実施例29、30と同じく(a2 /a1 )および
(b2 /b1 )の値から評価した。
て、このカ−ド全体に強度約3000Oeの直流磁界を
印加して一様に磁化した。その後、この位置情報にもと
づいて、先に記録した領域(領域A)とは異なる領域
(領域B)に、同じく420FCIの矩形波を記録し
た。その後、このトラック全体に210FCIの信号を
重ね記録した。書き換えの困難さ、および書き換えの容
易さは実施例29、30と同じく(a2 /a1 )および
(b2 /b1 )の値から評価した。
【0202】この(a2 /a1 )および(b2 /b1 )
の値は、それぞれ42%および103%となり、このよ
うな構成のカ−ドにおいても、実施例29、30のカ−
ドと同様に書き換え困難な領域と書き換えが容易な領域
を併せもつ特性を有することがわかった。
の値は、それぞれ42%および103%となり、このよ
うな構成のカ−ドにおいても、実施例29、30のカ−
ドと同様に書き換え困難な領域と書き換えが容易な領域
を併せもつ特性を有することがわかった。
【0203】また実施例31では、位置情報を記録した
トラックと、領域Aと領域Bを形成したトラックを各1
本とした構成のカ−ドを例にあげて説明したが、図15
に示すように複数本のトラックに形成するとセキュリテ
ィ−性は一層向上する。また本実施例では、領域Aと領
域Bを等間隔で記録した例について示した。しかし位置
情報を記録した領域Cを設けて、この情報に従って領域
Aと領域Bを設定する場合には、領域Aと、領域Bを等
間隔で記録する必要はなく、図16および図17に示す
ように、領域Aと領域Bの記録幅が異なる方がセキュリ
ティ−性は向上する。さらに図18に示すように、位置
情報を記録した領域Cと領域Aおよび領域Bを一本のト
ラック内に混在させて形成すると、セキュリティ−性は
一層向上する。
トラックと、領域Aと領域Bを形成したトラックを各1
本とした構成のカ−ドを例にあげて説明したが、図15
に示すように複数本のトラックに形成するとセキュリテ
ィ−性は一層向上する。また本実施例では、領域Aと領
域Bを等間隔で記録した例について示した。しかし位置
情報を記録した領域Cを設けて、この情報に従って領域
Aと領域Bを設定する場合には、領域Aと、領域Bを等
間隔で記録する必要はなく、図16および図17に示す
ように、領域Aと領域Bの記録幅が異なる方がセキュリ
ティ−性は向上する。さらに図18に示すように、位置
情報を記録した領域Cと領域Aおよび領域Bを一本のト
ラック内に混在させて形成すると、セキュリティ−性は
一層向上する。
【0204】実施例32 《磁気カ−ドの作製および記録再生方法 》本発明の磁
気記録媒体への記録再生方法の他の例について説明す
る。カ−ドとしては、実施例24に示した塗膜を形成
し、実施例29に示した方法と同様の方法により作製
し、初期化した。この塗膜は、MnBi磁性粉末を含有
する磁性層上にバリウムフェライト磁性粉末を含有する
磁性層を積層させた構造を有する。
気記録媒体への記録再生方法の他の例について説明す
る。カ−ドとしては、実施例24に示した塗膜を形成
し、実施例29に示した方法と同様の方法により作製
し、初期化した。この塗膜は、MnBi磁性粉末を含有
する磁性層上にバリウムフェライト磁性粉末を含有する
磁性層を積層させた構造を有する。
【0205】本実施例では、一度信号を記録すると書き
換えが困難な領域として、あらかじめ信号を書き込んで
いる領域(リ−ドオンリ−機能)と使用の都度書き込む
領域(ライトワンス機能)とに区別して使用する例につ
いて説明する。信号の記録、再生は以下の方法により行
った。
換えが困難な領域として、あらかじめ信号を書き込んで
いる領域(リ−ドオンリ−機能)と使用の都度書き込む
領域(ライトワンス機能)とに区別して使用する例につ
いて説明する。信号の記録、再生は以下の方法により行
った。
【0206】〈リライト機能〉磁気カ−ドリ−ダライタ
(三和ニュ−テック製;CRS−700)を用いて、磁
性層面上の一本のトラックを記録電流200mAで直流
消磁した。次にこのトラックに、記録電流200mAで
デ−タaとして0から9までの10個の数字を記録し
た。
(三和ニュ−テック製;CRS−700)を用いて、磁
性層面上の一本のトラックを記録電流200mAで直流
消磁した。次にこのトラックに、記録電流200mAで
デ−タaとして0から9までの10個の数字を記録し
た。
【0207】次に、同じ磁気カ−ドリ−ダライタを用い
て、このトラックを再生したところ、デ−タaが正しく
再生された。
て、このトラックを再生したところ、デ−タaが正しく
再生された。
【0208】次に、デ−タaを記録したトラックに、デ
−タbとしてAからJまでの10個の文字を重ね記録し
た。このトラックを再生したところデ−タbが再生さ
れ、正常にデ−タが書き換えられており、リライト機能
を有していることを確認した。
−タbとしてAからJまでの10個の文字を重ね記録し
た。このトラックを再生したところデ−タbが再生さ
れ、正常にデ−タが書き換えられており、リライト機能
を有していることを確認した。
【0209】〈ライトワンス機能〉磁気カ−ドリ−ダラ
イタ(三和ニュ−テック製;CRS−700)を用いて
上記のリライトトラックとは異なるトラックに、記録電
流200mAで、デ−タaとして0から9までの10個
の数字を記録した。
イタ(三和ニュ−テック製;CRS−700)を用いて
上記のリライトトラックとは異なるトラックに、記録電
流200mAで、デ−タaとして0から9までの10個
の数字を記録した。
【0210】次に、同じ磁気カ−ドリ−ダライタを用い
て、このトラックを再生したところ、デ−タaが正しく
再生された。
て、このトラックを再生したところ、デ−タaが正しく
再生された。
【0211】次に、同じ磁気カ−ドリ−ダライタを用い
て、記録電流200mAで、このトラックにデ−タbと
して、AからJまでの10個の文字をオ−バ−ライト記
録した。このトラックを再生したところ再生エラ−とな
り、再生不能であった。これは、MnBi磁性粉末を含
有する下層にはデ−タaが、バリウムフェライト磁性粉
末を含有する上層にはデ−タbが記録され、一本のトラ
ックに異なるデ−タが重ね記録されるため、デ−タが混
在してしまい再生エラ−を引き起こすしたものである。
従って、この領域はライトワンス機能を有していること
を確認した。
て、記録電流200mAで、このトラックにデ−タbと
して、AからJまでの10個の文字をオ−バ−ライト記
録した。このトラックを再生したところ再生エラ−とな
り、再生不能であった。これは、MnBi磁性粉末を含
有する下層にはデ−タaが、バリウムフェライト磁性粉
末を含有する上層にはデ−タbが記録され、一本のトラ
ックに異なるデ−タが重ね記録されるため、デ−タが混
在してしまい再生エラ−を引き起こすしたものである。
従って、この領域はライトワンス機能を有していること
を確認した。
【0212】〈リ−ドオンリ−機能〉磁気カ−ドリ−ダ
ライタ(三和ニュ−テック製;CRS−700)を用い
て、前記のリライトトラック、ライトワンストラックと
は異なるトラックに記録電流200mAで、デ−タaと
して0から9までの10個の数字を記録した。
ライタ(三和ニュ−テック製;CRS−700)を用い
て、前記のリライトトラック、ライトワンストラックと
は異なるトラックに記録電流200mAで、デ−タaと
して0から9までの10個の数字を記録した。
【0213】次にこのトラックを、同じ磁気カ−ドリ−
ダライタを用いて、記録電流200mAで直流消磁した
後に再生した。再生デ−タは0から9までの10個の数
字であり、記録したデ−タaが正常に再生され、リ−ド
オンリ−機能を有していることを確認した。
ダライタを用いて、記録電流200mAで直流消磁した
後に再生した。再生デ−タは0から9までの10個の数
字であり、記録したデ−タaが正常に再生され、リ−ド
オンリ−機能を有していることを確認した。
【0214】実施例33 カ−ドとしては、実施例1に示した塗膜を形成し、実施
例29に示した方法と同様の方法によりカ−ドを作製
し、初期化した。
例29に示した方法と同様の方法によりカ−ドを作製
し、初期化した。
【0215】信号の記録再生方法としては、実施例32
と同様に、一度信号を記録すると書き換えが困難な領域
として、あらかじめ信号を書き込んでいる領域(リ−ド
オンリ−機能)と使用の都度書き込む領域(ライトワン
ス機能)とに区別して使用した。
と同様に、一度信号を記録すると書き換えが困難な領域
として、あらかじめ信号を書き込んでいる領域(リ−ド
オンリ−機能)と使用の都度書き込む領域(ライトワン
ス機能)とに区別して使用した。
【0216】実施例32と同様の方法で、リライト機
能、ライトワンス機能、リ−ドオンリ−機能を調べたと
ころ、このカ−ドにおいても、すべての機能が正常に動
作することを確認した。
能、ライトワンス機能、リ−ドオンリ−機能を調べたと
ころ、このカ−ドにおいても、すべての機能が正常に動
作することを確認した。
【0217】比較例9 比較例1に示したMnBi磁性粉末のみを使用して、実
施例29に示した方法と同様の方法によりカ−ドを作製
し、初期化した。
施例29に示した方法と同様の方法によりカ−ドを作製
し、初期化した。
【0218】次に実施例32と同様の方法でカ−ドを作
製し、同様の方法でリライト機能、ライトワンス機能、
リ−ドオンリ−機能を調べた。
製し、同様の方法でリライト機能、ライトワンス機能、
リ−ドオンリ−機能を調べた。
【0219】MnBi磁性粉末のみを用いた本比較例の
カ−ドでは、ライトワンス機能、リ−ドオンリ−機能は
実施例32および33のカ−ドと同様に動作することが
認められたが、リライト機能は認められなかった。
カ−ドでは、ライトワンス機能、リ−ドオンリ−機能は
実施例32および33のカ−ドと同様に動作することが
認められたが、リライト機能は認められなかった。
【0220】比較例10 比較例3に示したバリウムフェライト磁性粉末のみを使
用して、実施例29に示した方法と同様の方法によりカ
−ドを作製し、初期化した。
用して、実施例29に示した方法と同様の方法によりカ
−ドを作製し、初期化した。
【0221】次に実施例32と同様の方法でカ−ドを作
製し、同様の方法でリライト機能、ライトワンス機能、
リ−ドオンリ−機能を調べた。
製し、同様の方法でリライト機能、ライトワンス機能、
リ−ドオンリ−機能を調べた。
【0222】バリウムフェライト磁性粉末のみを用いた
本比較例のカ−ドでは、リライト機能は実施例32およ
び33のカ−ドと同様に動作することが認められた。し
かし最初に記録したデ−タa(9までの10個の数字)
は後から記録したデ−タb(AからJまでの10個の文
字)に書き換えられており、ライトワンス機能は認めら
れなかった。また直流消磁すると、最初に記録されたデ
−タa(9までの10個の数字)が消去されてしまい、
リ−ドオンリ−機能は認められなかった。
本比較例のカ−ドでは、リライト機能は実施例32およ
び33のカ−ドと同様に動作することが認められた。し
かし最初に記録したデ−タa(9までの10個の数字)
は後から記録したデ−タb(AからJまでの10個の文
字)に書き換えられており、ライトワンス機能は認めら
れなかった。また直流消磁すると、最初に記録されたデ
−タa(9までの10個の数字)が消去されてしまい、
リ−ドオンリ−機能は認められなかった。
【0223】リライト機能、ライトワンス機能およびリ
−ドオンリ−機能の3種類の機能を調べた実施例32お
よび33では、MnBi磁性粉末とともに使用する磁性
粉末として、保磁力2850Oeのバリウムフェライト
磁性粉末を用いた場合を例にあげて説明したが、既述し
たように、MnBi磁性粉末とともに使用する磁性粉末
としては、磁気ヘッドで記録、消去、書き換えが可能な
磁性粉末の中で、300Kにおいて16kOeの磁界を
印加したときの保磁力が300Oeから8000Oeの
磁性粉末はすべて好適に使用可能である。例えば、ガン
マ酸化鉄磁性粉末、コバルト含有酸化鉄磁性粉末,スト
ロンチウムフェライト磁性粉末、金属鉄磁性粉末、鉄コ
バルト合金磁性粉末、サマリウムコバルト磁性粉末ある
いはネオジウム鉄ボロン磁性粉末なども好適なものとし
てあげられる。
−ドオンリ−機能の3種類の機能を調べた実施例32お
よび33では、MnBi磁性粉末とともに使用する磁性
粉末として、保磁力2850Oeのバリウムフェライト
磁性粉末を用いた場合を例にあげて説明したが、既述し
たように、MnBi磁性粉末とともに使用する磁性粉末
としては、磁気ヘッドで記録、消去、書き換えが可能な
磁性粉末の中で、300Kにおいて16kOeの磁界を
印加したときの保磁力が300Oeから8000Oeの
磁性粉末はすべて好適に使用可能である。例えば、ガン
マ酸化鉄磁性粉末、コバルト含有酸化鉄磁性粉末,スト
ロンチウムフェライト磁性粉末、金属鉄磁性粉末、鉄コ
バルト合金磁性粉末、サマリウムコバルト磁性粉末ある
いはネオジウム鉄ボロン磁性粉末なども好適なものとし
てあげられる。
【0224】MnBi磁性粉末とその他の磁性粉末を混
合して使用する場合には、混合割合を変えることによ
り、リライト出力、ライトワンス出力、リ−ドオンリ−
出力のバランスが変わるため、使用目的に応じて混合割
合を調整することが好ましい。この混合割合としてはM
nBi磁性粉末と他の磁性粉末との割合を1:9から
9:1、より好ましくは2:8から8:2程度とする
と、リライト出力、ライトワンス出力、リ−ドオンリ−
出力のバランスが良好となる。
合して使用する場合には、混合割合を変えることによ
り、リライト出力、ライトワンス出力、リ−ドオンリ−
出力のバランスが変わるため、使用目的に応じて混合割
合を調整することが好ましい。この混合割合としてはM
nBi磁性粉末と他の磁性粉末との割合を1:9から
9:1、より好ましくは2:8から8:2程度とする
と、リライト出力、ライトワンス出力、リ−ドオンリ−
出力のバランスが良好となる。
【0225】また多層構造とする場合には、通常は各磁
性層の厚さを1〜20μm程度にして、全体としての磁
性層厚さを2〜30μm程度にすることが好ましい。各
磁性層の厚さを変えることにより、リライト出力、ライ
トワンス出力、リ−ドオンリ−出力のバランスが変わる
ため、各磁性層の厚さは使用目的に応じて調整すること
が好ましい。
性層の厚さを1〜20μm程度にして、全体としての磁
性層厚さを2〜30μm程度にすることが好ましい。各
磁性層の厚さを変えることにより、リライト出力、ライ
トワンス出力、リ−ドオンリ−出力のバランスが変わる
ため、各磁性層の厚さは使用目的に応じて調整すること
が好ましい。
【0226】またさらにリライト機能、ライトワンス機
能、リ−ドオンリ−機能を有する領域としては、1本の
トラックに1種類の機能をもたせることも、他数本のト
ラックに1種類の機能をもたせることも可能である。ま
た1本のトラック内に2種類、あるいは3種類の機能を
もたせることも可能である。
能、リ−ドオンリ−機能を有する領域としては、1本の
トラックに1種類の機能をもたせることも、他数本のト
ラックに1種類の機能をもたせることも可能である。ま
た1本のトラック内に2種類、あるいは3種類の機能を
もたせることも可能である。
【0227】図19〜図33に、リライト機能、ライト
ワンス機能、リ−ドオンリ−機能を有するカ−ドの使用
例を示す。各図中、1は磁性層、2はリ−ドオンリ−機
能を有するトラックあるいは領域、3はライトワンス機
能を有するトラックあるいは領域、4はリライト機能を
有するトラックあるいは領域である。図19〜図22
は、1本のトラックに1種類の機能をもたせた例であ
る。図23〜図33は、1本のトラックに2種類または
3種類の機能をもたせた例である。
ワンス機能、リ−ドオンリ−機能を有するカ−ドの使用
例を示す。各図中、1は磁性層、2はリ−ドオンリ−機
能を有するトラックあるいは領域、3はライトワンス機
能を有するトラックあるいは領域、4はリライト機能を
有するトラックあるいは領域である。図19〜図22
は、1本のトラックに1種類の機能をもたせた例であ
る。図23〜図33は、1本のトラックに2種類または
3種類の機能をもたせた例である。
【0228】これらの例は、本発明の磁気記録媒体をカ
−ドに適用した場合の一例を示したものである。リ−ド
オンリ−機能とリライト機能およびライトワンス機能の
3種類の機能を用途に応じて組み合わして使用すること
により、これまでのカ−ドでは実現できなかった強力な
セキュリティ−性を発揮できる。
−ドに適用した場合の一例を示したものである。リ−ド
オンリ−機能とリライト機能およびライトワンス機能の
3種類の機能を用途に応じて組み合わして使用すること
により、これまでのカ−ドでは実現できなかった強力な
セキュリティ−性を発揮できる。
【0229】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の磁気記録
媒体は、MnBi磁性粉末と、磁気ヘッドで記録、消
去、書き換えが可能な磁性粉末、好適には300Kにお
いて16kOeの磁界を印加して測定した保磁力が30
0Oeから8000Oeの範囲にある磁性粉末とを、重
量比で表して1:9から9:1の範囲になるように添加
するか、あるいはこれらの磁性粉末を含有する磁性層を
積層することにより、一度信号を記録するとその後の書
き換えが極めて困難な領域と、任意に信号の書き換えの
できる領域とを併せもつ特性を実現する。
媒体は、MnBi磁性粉末と、磁気ヘッドで記録、消
去、書き換えが可能な磁性粉末、好適には300Kにお
いて16kOeの磁界を印加して測定した保磁力が30
0Oeから8000Oeの範囲にある磁性粉末とを、重
量比で表して1:9から9:1の範囲になるように添加
するか、あるいはこれらの磁性粉末を含有する磁性層を
積層することにより、一度信号を記録するとその後の書
き換えが極めて困難な領域と、任意に信号の書き換えの
できる領域とを併せもつ特性を実現する。
【0230】またこの媒体の信号の記録は、一度信号を
記録するとその後の書き換えが極めて困難な領域(ライ
トワンス機能、リ−ドオンリ−機能)へは、通常の磁気
記録媒体と同様の方法で行うことができ、また任意に信
号の書き換えのできる領域(リライト機能)へは、まず
この領域に磁界を印加して磁化した後、通常の方法で記
録することができる。
記録するとその後の書き換えが極めて困難な領域(ライ
トワンス機能、リ−ドオンリ−機能)へは、通常の磁気
記録媒体と同様の方法で行うことができ、また任意に信
号の書き換えのできる領域(リライト機能)へは、まず
この領域に磁界を印加して磁化した後、通常の方法で記
録することができる。
【0231】また一度信号を記録するとその後の書き換
えが極めて困難な領域としては、あらかじめ信号を書き
込んでいる領域(リ−ドオンリ−機能)と使用の都度書
き込む領域(ライトワンス機能)とに区別して使用する
ことも可能である。
えが極めて困難な領域としては、あらかじめ信号を書き
込んでいる領域(リ−ドオンリ−機能)と使用の都度書
き込む領域(ライトワンス機能)とに区別して使用する
ことも可能である。
【0232】本発明の磁気記録媒体を磁気カ−ドに適用
すると、特に大きな威力を発揮する。たとえばプリペ−
ドカ−ドや磁気定期券、磁気切符に応用した場合には、
磁性層の同一トラック上、あるいは異なるトラック上に
上記の2種類あるいは3種類の信号を記録することがで
きる。このようにすることにより、一度信号を記録する
とその後の書き換えが極めて困難な領域には、改ざんさ
れてはいけない初期金額や発行日時あらかじめ書き込ん
でおくと、極めて有効である。またこの領域には、使用
金額をパンチ穴を開ける代りに、磁気的にマ−キングす
るような追記記録用に使用することも可能である。
すると、特に大きな威力を発揮する。たとえばプリペ−
ドカ−ドや磁気定期券、磁気切符に応用した場合には、
磁性層の同一トラック上、あるいは異なるトラック上に
上記の2種類あるいは3種類の信号を記録することがで
きる。このようにすることにより、一度信号を記録する
とその後の書き換えが極めて困難な領域には、改ざんさ
れてはいけない初期金額や発行日時あらかじめ書き込ん
でおくと、極めて有効である。またこの領域には、使用
金額をパンチ穴を開ける代りに、磁気的にマ−キングす
るような追記記録用に使用することも可能である。
【0233】任意に信号の書き換えのできる領域へは、
カ−ドを使用の都度デ−タを書き換えるデ−タを記録で
きる。このような特性をもった磁気記録媒体は、これま
で存在せず、本発明の磁気記録媒体により始めて実現し
たものであり、極めて実用的価値の高い磁気記録媒体で
ある。
カ−ドを使用の都度デ−タを書き換えるデ−タを記録で
きる。このような特性をもった磁気記録媒体は、これま
で存在せず、本発明の磁気記録媒体により始めて実現し
たものであり、極めて実用的価値の高い磁気記録媒体で
ある。
【0234】また既述したように、通常新規な媒体を市
場で普及させるためには、その媒体を使用するための記
録装置および読み取り装置も新たに開発し、これらの装
置を普及させる必要がある。しかし磁気カ−ドのよう
に、すでに世界の隅々まで記録および読み取り装置が普
及している現状において、これらの装置類を全て置き換
えることは、極めて困難な状況にある。
場で普及させるためには、その媒体を使用するための記
録装置および読み取り装置も新たに開発し、これらの装
置を普及させる必要がある。しかし磁気カ−ドのよう
に、すでに世界の隅々まで記録および読み取り装置が普
及している現状において、これらの装置類を全て置き換
えることは、極めて困難な状況にある。
【0235】本発明の磁気記録媒体は、デ−タの記録、
再生時に加える磁界の種類と、磁界を加える順序の組合
せだけで、基本的に現在普及している記録および読み取
り装置をそのまま使用して、リライト機能、ライトワン
ス機能、リ−ドオンリ−機能を発現させることができ
る。このように現状の装置類をほとんど変更することな
く、現状のカ−ドと互換性を維持しながら、強力なセキ
ュリティ−発揮できることは、実用的見地から図り知れ
ないほどインパクトは大きい。
再生時に加える磁界の種類と、磁界を加える順序の組合
せだけで、基本的に現在普及している記録および読み取
り装置をそのまま使用して、リライト機能、ライトワン
ス機能、リ−ドオンリ−機能を発現させることができ
る。このように現状の装置類をほとんど変更することな
く、現状のカ−ドと互換性を維持しながら、強力なセキ
ュリティ−発揮できることは、実用的見地から図り知れ
ないほどインパクトは大きい。
【図1】MnBi磁性粉末の保磁力の温度依存性の一例
を示した図である。
を示した図である。
【図2】MnBi磁性粉末を用いた磁気記録媒体の初期
磁化曲線およびヒステリシス曲線の一例を示した図であ
る。
磁化曲線およびヒステリシス曲線の一例を示した図であ
る。
【図3】MnBi磁性粉末およびコバルト含有酸化鉄磁
性粉末を用いた磁気カ−ドの再生出力の磁界安定性を調
べた図である。
性粉末を用いた磁気カ−ドの再生出力の磁界安定性を調
べた図である。
【図4】一度信号を記録すると書き換えが困難な領域
(領域A)と、任意に書き換えができる領域(領域B)
を形成した本発明の実施例に係る磁気カ−ドの一例を示
す図である。
(領域A)と、任意に書き換えができる領域(領域B)
を形成した本発明の実施例に係る磁気カ−ドの一例を示
す図である。
【図5】領域Aと領域Bをカ−ドの上下に形成した本発
明の実施例に係る磁気カ−ドの他の例を示す図である。
明の実施例に係る磁気カ−ドの他の例を示す図である。
【図6】領域Aと領域Bを複数本形成した本発明の実施
例に係る磁気カ−ドの他の例を示す図である。
例に係る磁気カ−ドの他の例を示す図である。
【図7】領域Aと領域Bをカ−ドの上下に複数本形成し
た本発明の実施例に係る磁気カ−ドの他の例を示す図で
ある。
た本発明の実施例に係る磁気カ−ドの他の例を示す図で
ある。
【図8】領域Aと領域Bをカ−ドの上下に複数本形成し
た本発明の実施例に係る磁気カ−ドの他の例を示す図で
ある。
た本発明の実施例に係る磁気カ−ドの他の例を示す図で
ある。
【図9】領域Aと領域Bを一本のトラック内に複数個形
成した本発明の実施例に係る磁気カ−ドの他の例を示す
図である。
成した本発明の実施例に係る磁気カ−ドの他の例を示す
図である。
【図10】領域Aと領域Bを一本のトラック内に形成し
た本発明の実施例に係る磁気カ−ドの他の例を示す図で
ある。
た本発明の実施例に係る磁気カ−ドの他の例を示す図で
ある。
【図11】領域Aと領域Bを一本のトラック内に形成
し、かつ他のトラックに領域Bを形成した本発明の実施
例に係る磁気カ−ドの他の例を示す図である。
し、かつ他のトラックに領域Bを形成した本発明の実施
例に係る磁気カ−ドの他の例を示す図である。
【図12】一本のトラック内に領域Aと領域Bを形成し
たトラックを、複数本形成した本発明の実施例に係る磁
気カ−ドの他の例を示す図である。
たトラックを、複数本形成した本発明の実施例に係る磁
気カ−ドの他の例を示す図である。
【図13】一本のトラック内に領域Aと領域Bを形成
し、他に領域Aと領域Bのトラックを複数本形成した本
発明の実施例に係る磁気カ−ドの他の例を示す図であ
る。
し、他に領域Aと領域Bのトラックを複数本形成した本
発明の実施例に係る磁気カ−ドの他の例を示す図であ
る。
【図14】位置情報を記録したトラックと、一本のトラ
ック内に領域Aと領域Bを形成したトラックを有する本
発明の実施例に係る磁気カ−ドの他の例を示す図であ
る。
ック内に領域Aと領域Bを形成したトラックを有する本
発明の実施例に係る磁気カ−ドの他の例を示す図であ
る。
【図15】位置情報を記録したトラックと、一本のトラ
ック内に領域Aと領域Bを形成したトラックを複数本形
成した本発明の実施例に係る磁気カ−ドの他の例を示す
図である。
ック内に領域Aと領域Bを形成したトラックを複数本形
成した本発明の実施例に係る磁気カ−ドの他の例を示す
図である。
【図16】位置情報を記録したトラックと、一本のトラ
ック内に異なる記録幅で領域Aと領域Bを形成したトラ
ックを有する本発明の実施例に係る磁気カ−ドの他の例
を示す図である。
ック内に異なる記録幅で領域Aと領域Bを形成したトラ
ックを有する本発明の実施例に係る磁気カ−ドの他の例
を示す図である。
【図17】位置情報を記録したトラックと、一本のトラ
ック内に異なる記録幅で領域Aと領域Bを形成したトラ
ックを複数本有する本発明の実施例に係る磁気カ−ドの
他の例を示す図である。
ック内に異なる記録幅で領域Aと領域Bを形成したトラ
ックを複数本有する本発明の実施例に係る磁気カ−ドの
他の例を示す図である。
【図18】位置情報を記録したトラックと、領域Aと領
域Bを一本のトラック内に混在させて形成させた本発明
の実施例に係る磁気カ−ドの他の例を示す図である。
域Bを一本のトラック内に混在させて形成させた本発明
の実施例に係る磁気カ−ドの他の例を示す図である。
【図19】リ−ドオンリ−トラック、ライトワンストラ
ック、さらにリライトトラックを各1本形成した本発明
の実施例に係る磁気カ−ドの他の例を示す図である。
ック、さらにリライトトラックを各1本形成した本発明
の実施例に係る磁気カ−ドの他の例を示す図である。
【図20】リ−ドオンリ−トラックとライトワンストラ
ックを各1本形成し、さらにリライトトラックを2本形
成した本発明の実施例に係る磁気カ−ドの他の例を示す
図である。
ックを各1本形成し、さらにリライトトラックを2本形
成した本発明の実施例に係る磁気カ−ドの他の例を示す
図である。
【図21】リ−ドオンリ−トラックとライトワンストラ
ックを各1本形成し、さらにリライトトラックを2本、
カ−ドの端側に形成した本発明の実施例に係る磁気カ−
ドの他の例を示す図である。
ックを各1本形成し、さらにリライトトラックを2本、
カ−ドの端側に形成した本発明の実施例に係る磁気カ−
ドの他の例を示す図である。
【図22】リ−ドオンリ−トラックを1本、ライトワン
ストラックを2本形成し、さらにリライトトラックを2
本、カ−ドの端側に形成した本発明の実施例に係る磁気
カ−ドの他の例を示す図である。
ストラックを2本形成し、さらにリライトトラックを2
本、カ−ドの端側に形成した本発明の実施例に係る磁気
カ−ドの他の例を示す図である。
【図23】1本のトラック内にライトワンス機能とリラ
イト機能の2種類の機能をもたせ、さらにリ−ドオンリ
−トラックとリライトトラックを形成させた本発明の実
施例に係る磁気カ−ドの他の例を示す図である。
イト機能の2種類の機能をもたせ、さらにリ−ドオンリ
−トラックとリライトトラックを形成させた本発明の実
施例に係る磁気カ−ドの他の例を示す図である。
【図24】1本のトラック内にリ−ドオンリ−機能とリ
ライト機能の2種類の機能をもたせ、さらにライトワン
ストラックとリライトトラックを形成させた本発明の実
施例に係る磁気カ−ドの他の例を示す図である。
ライト機能の2種類の機能をもたせ、さらにライトワン
ストラックとリライトトラックを形成させた本発明の実
施例に係る磁気カ−ドの他の例を示す図である。
【図25】1本のトラック内にライトワンス機能とリラ
イト機能をもった領域を複数個所形成し、さらにリライ
トトラックを2本、リ−ドオンリ−トラックを1本形成
した本発明の実施例に係る磁気カ−ドの他の例を示す図
である。
イト機能をもった領域を複数個所形成し、さらにリライ
トトラックを2本、リ−ドオンリ−トラックを1本形成
した本発明の実施例に係る磁気カ−ドの他の例を示す図
である。
【図26】1本のトラック内にリ−ドオンリ−機能とリ
ライト機能をもった領域を複数個所形成し、さらにライ
トワンストラックを1本、リライトトラックを2本形成
した本発明の実施例に係る磁気カ−ドの他の例を示す図
である。
ライト機能をもった領域を複数個所形成し、さらにライ
トワンストラックを1本、リライトトラックを2本形成
した本発明の実施例に係る磁気カ−ドの他の例を示す図
である。
【図27】1本のトラック内にリ−ドオンリ−機能とリ
ライト機能を、他のトラック内にライトワンス機能とリ
ライト機能を形成し、かつリライトトラックを形成した
本発明の実施例に係る磁気カ−ドの他の例を示す図であ
る。
ライト機能を、他のトラック内にライトワンス機能とリ
ライト機能を形成し、かつリライトトラックを形成した
本発明の実施例に係る磁気カ−ドの他の例を示す図であ
る。
【図28】1本のトラック内にリ−ドオンリ−機能、リ
ライト機能およびライトワンス機能の3種類の機能をも
たせた本発明の実施例に係る磁気カ−ドの他の例を示す
図である。
ライト機能およびライトワンス機能の3種類の機能をも
たせた本発明の実施例に係る磁気カ−ドの他の例を示す
図である。
【図29】1本のトラック内にリ−ドオンリ−機能、リ
ライト機能およびライトワンス機能の3種類の機能をも
たせ、さらにリライトトラックを形成した本発明の実施
例に係る磁気カ−ドの他の例を示す図である。
ライト機能およびライトワンス機能の3種類の機能をも
たせ、さらにリライトトラックを形成した本発明の実施
例に係る磁気カ−ドの他の例を示す図である。
【図30】1本のトラック内にリ−ドオンリ−機能、リ
ライト機能およびライトワンス機能の3種類のをもた
せ、さらにライトワンストラックを1本、リライトトラ
ックを2本を形成した本発明の実施例に係る磁気カ−ド
の他の例を示す図である。
ライト機能およびライトワンス機能の3種類のをもた
せ、さらにライトワンストラックを1本、リライトトラ
ックを2本を形成した本発明の実施例に係る磁気カ−ド
の他の例を示す図である。
【図31】1本のライトワンス機能とリライト機能の2
種類の機能をもたせ、もう1本のトラック内にはリ−ド
オンリ−機能、リライト機能およびライトワンス機能の
3種類の機能をもたせ、さらにリライトトラックを形成
した本発明の実施例に係る磁気カ−ドの他の例を示す図
である。
種類の機能をもたせ、もう1本のトラック内にはリ−ド
オンリ−機能、リライト機能およびライトワンス機能の
3種類の機能をもたせ、さらにリライトトラックを形成
した本発明の実施例に係る磁気カ−ドの他の例を示す図
である。
【図32】1本のトラック内にライトワンス機能とリラ
イト機能の2種類の機能をもたせ、もう1本のトラック
内にはリ−ドオンリ−機能、リライト機能およびライト
ワンス機能の3種類の機能をもたせ、さらに、ライトワ
ンストラックとリライトトラックを複数本形成した本発
明の実施例に係る磁気カ−ドの他の例を示す図である。
イト機能の2種類の機能をもたせ、もう1本のトラック
内にはリ−ドオンリ−機能、リライト機能およびライト
ワンス機能の3種類の機能をもたせ、さらに、ライトワ
ンストラックとリライトトラックを複数本形成した本発
明の実施例に係る磁気カ−ドの他の例を示す図である。
【図33】2本のトラック内にリ−ドオンリ−機能、リ
ライト機能およびライトワンス機能の3種類の機能をも
たせ、さらにライトワンストラックとリライトトラック
を形成した本発明の実施例に係る磁気カ−ドの他の例を
示す図である。
ライト機能およびライトワンス機能の3種類の機能をも
たせ、さらにライトワンストラックとリライトトラック
を形成した本発明の実施例に係る磁気カ−ドの他の例を
示す図である。
A 一度信号を記録すると書き換えが困難な領域 B 任意に信号の書き換えが可能な領域 C 領域Aと領域Bの存在位置を記録した領域 1 磁性層 2 リ−ドオンリ−機能を有するトラックあるいは領域 3 ライトワンス機能を有するトラックあるいは領域 4 リライト機能を有するトラックあるいは領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田川 博文 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内 (72)発明者 伊藤 明彦 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内
Claims (32)
- 【請求項1】 磁気信号の記録再生が可能な磁気記録媒
体において、磁気記録媒体がMnBiを主体とする磁性
粉末と、磁気ヘッドで記録、消去、書き換えが可能な磁
性粉末とを含有する磁性層を有し、該磁性層が任意に信
号の書き換えができる領域と、1度信号を記録すると書
き換えが困難な領域とを有することを特徴とする磁気記
録媒体。 - 【請求項2】 磁気ヘッドで記録、消去、書き換えが可
能な磁性粉末が、300Kにおいて16kOeの磁界を
印加して測定した保磁力が300Oeから8000Oe
の磁性粉末であることを特徴とする請求項1記載の磁気
記録媒体。 - 【請求項3】 300Kの温度において16kOeの磁
界を印加して測定したときに、保磁力が300〜120
00Oe、磁束密度が500〜3000G、角型Br/
Bmが0.60〜0.95であることを特徴とする請求項1
または2記載の磁気記録媒体。 - 【請求項4】 MnBiを主体とする磁性粉末と、磁気
ヘッドで記録、消去、書き換えが可能な磁性粉末とを含
有する磁性層、MnBiを主体とする磁性粉末を含有す
る磁性層、および磁気ヘッドで記録、消去、書き換えが
可能な磁性粉末を含有する磁性層の3種類の磁性層から
選ばれる2種以上の磁性層を適宜に積層した磁性層を有
することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の
磁気記録媒体。 - 【請求項5】 積層されるそれぞれの磁性層の厚さが1
〜20μmの範囲にあり、かつ積層された全体の磁性層
の厚さが2〜30μmの範囲にあることを特徴とする請
求項4記載の磁気記録媒体。 - 【請求項6】 1度信号を記録すると書き換えが困難な
領域が、信号があらかじめ書き込まれていて、かつこの
信号の書き換えが困難な領域を有することを特徴とする
請求項1〜5のいずれかに記載の磁気記録媒体。 - 【請求項7】 1度信号を記録すると書き換えが困難な
領域が、追記書き込みができて、1度信号を記録する
と、該信号の書き換えが困難な領域を有することを特徴
とする請求項1〜5のいずれかに記載の磁気記録媒体。 - 【請求項8】 1度信号を記録すると書き換えが困難な
領域が、信号があらかじめ書き込まれていて、かつこの
信号の書き換えが困難な領域と、さらに追記書き込みが
できて、1度信号を記録すると、該信号の書き換えが困
難な領域を有することを特徴とする請求項1〜5のいず
れかに記載の磁気記録媒体。 - 【請求項9】 任意に信号の書き換えができる領域と、
1度信号を記録すると書き換えが困難な領域とが、同一
あるいは異なるトラック上に形成されていることを特徴
とする請求項1〜8のいずれかに記載の磁気記録媒体。 - 【請求項10】 任意に信号の書き換えができる領域
と、1度信号を記録すると書き換えが困難な領域とが形
成されたトラックが、2本以上形成されていることを特
徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の磁気記録媒
体。 - 【請求項11】 任意に信号の書き換えができる領域
と、1度信号を記録すると書き換えが困難な領域とを有
し、さらにこれらの領域の存在位置に関する情報を記録
した領域を上記領域とは別に有することを特徴とする請
求項1〜10のいずれかに記載の磁気記録媒体。 - 【請求項12】 任意に信号の書き換えができる領域
と、1度信号を記録すると書き換えが困難な領域とを有
し、さらにこれらの領域の存在位置に関する情報を記録
した領域が、上記領域とは異なるトラック上に形成され
ていることを特徴とする請求項11記載の磁気記録媒
体。 - 【請求項13】 任意に信号の書き換えができる領域
と、1度信号を記録すると書き換えが困難な領域とが、
同一トラック上において、部分的あるいは全面的に重な
るように形成されていることを特徴とする請求項1〜1
2のいずれかに記載の磁気記録媒体。 - 【請求項14】 MnBiを主体とする磁性粉末と磁気
ヘッドで記録、消去、書き換えが可能な磁性粉末との含
有割合が重量比で表して1:9から9:1の範囲にある
ことを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の磁
気記録媒体。 - 【請求項15】 磁気ヘッドで記録、消去、書き換えが
可能な磁性粉末が、酸化物磁性粉末、金属磁性粉末、合
金磁性粉末および化合物磁性粉末の中から選ばれた少な
くとも1種の磁性粉末であることを特徴とする請求項1
〜14のいずれかに記載の磁気記録媒体。 - 【請求項16】 酸化物磁性粉末がガンマ酸化鉄磁性粉
末、マグネタイト磁性粉末、ガンマ酸化鉄マグネタイト
の中間酸化鉄磁性粉末、二酸化クロム磁性粉末、コバル
ト含有酸化鉄磁性粉末および六方晶フェライト磁性粉末
の中から選ばれた少なくとも1種の磁性粉末であること
を特徴とする請求項15記載の磁気記録媒体。 - 【請求項17】 六方晶フェライト磁性粉末がバリウム
フェライト磁性粉末およびストロンチウムフェライト磁
性粉末の中から選ばれた少なくとも1種の磁性粉末であ
ることを特徴とする請求項15記載の磁気記録媒体。 - 【請求項18】 金属磁性粉末が鉄を主成分とする磁性
粉末であることを特徴とする請求項15記載の磁気記録
媒体。 - 【請求項19】 合金磁性粉末が鉄−コバルトあるいは
鉄−ニッケルを主成分とする合金磁性粉末のいずれかで
あることを特徴とする請求項15記載の磁気記録媒体。 - 【請求項20】 化合物磁性粉末が鉄を主体とする窒化
物、炭化物あるいはサマリウムコバルト磁性粉末、ネオ
ジウム鉄ボロン磁性粉末の内のいずれかであることを特
徴とする請求項15記載の磁気記録媒体。 - 【請求項21】 磁気記録媒体が、カ−ド状の基板の片
面または両面に磁性層を設けたカ−ド状の磁気記録媒体
である請求項1〜20のいずれかに記載の磁気記録媒
体。 - 【請求項22】 磁性層がカ−ド状の基板の全面、部分
的またはストライプ状に設けられていることを特徴とす
る請求項21記載の磁気記録媒体。 - 【請求項23】 MnBiを主体とする磁性粉末と、磁
気ヘッドで記録、消去、書き換えが可能な磁性粉末とを
含有する磁性層を有する磁気記録媒体の磁性層を、低温
に冷却して消磁状態にした後、該磁性層に任意に書き換
えができる信号と、さらに1度記録すると書き換えが困
難な信号とを記録することを特徴とする磁気記録媒体の
記録方法。 - 【請求項24】 任意に書き換えができる信号と、さら
に1度記録すると書き換えが困難な信号とを記録する
際、磁気記録媒体を低温に冷却して消磁状態にした後、
任意に書き換えができる信号として、磁性層の任意の領
域に磁界を印加して磁化し、さらにその後信号を記録
し、さらに1度記録すると書き換えが困難な信号とし
て、前記の領域とは異なる領域に信号を記録することを
特徴とする請求項23記載の磁気記録媒体の記録方法。 - 【請求項25】 磁性層の任意の領域に磁界を印加して
磁化するときの磁界の印加手段が、磁気ヘッドあるいは
永久磁石であることを特徴とする請求項24記載の磁気
記録媒体の記録方法。 - 【請求項26】 磁性層の任意の領域に磁界を印加して
磁化するときの磁界が直流磁界であることを特徴とする
請求項24または25記載の磁気記録媒体の記録方法。 - 【請求項27】 磁性層の任意の領域に磁界を印加して
磁化するときの磁界強度が1000Oe以上であること
を特徴とする請求項24〜26のいずれかに記載の磁気
記録媒体の記録方法。 - 【請求項28】 MnBiを主体とする磁性粉末と、磁
気ヘッドで記録、消去、書き換えが可能な磁性粉末とを
含有する磁性層を有し、該磁性層が任意に信号の書き換
えができる領域と、1度信号を記録すると書き換えが困
難な領域とを有する磁気記録媒体において、1度信号を
記録すると書き換えが困難な領域に磁界を印加して磁化
した後に信号を再生することを特徴とする磁気記録媒体
の再生方法。 - 【請求項29】 1度信号を記録すると書き換えが困難
な領域における再生前の磁界の印加手段が、磁気ヘッド
あるいは永久磁石であることを特徴とする請求項28記
載の磁気記録媒体の再生方法。 - 【請求項30】 1度信号を記録すると書き換えが困難
な領域における再生前の磁界が直流磁界であることを特
徴とする請求項28または29記載の磁気記録媒体の再
生方法。 - 【請求項31】 1度信号を記録すると書き換えが困難
な領域における再生前の磁界強度が1000Oe以上で
あることを特徴とする請求項28〜30のいずれかに記
載の磁気記録媒体の再生方法。 - 【請求項32】 1度信号を記録すると書き換えが困難
な領域に書き込まれている信号があらかじめ書き込まれ
ている信号であることを特徴とする請求項28〜31の
いずれかに記載の磁気記録媒体の再生方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8175926A JPH09297917A (ja) | 1995-06-19 | 1996-06-14 | 磁気記録媒体およびその記録再生方法 |
Applications Claiming Priority (7)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17654695 | 1995-06-19 | ||
JP19815695 | 1995-07-10 | ||
JP7-176546 | 1996-03-04 | ||
JP7-198156 | 1996-03-04 | ||
JP8-75148 | 1996-03-04 | ||
JP7514896 | 1996-03-04 | ||
JP8175926A JPH09297917A (ja) | 1995-06-19 | 1996-06-14 | 磁気記録媒体およびその記録再生方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09297917A true JPH09297917A (ja) | 1997-11-18 |
Family
ID=27465781
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8175926A Withdrawn JPH09297917A (ja) | 1995-06-19 | 1996-06-14 | 磁気記録媒体およびその記録再生方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09297917A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1172762A2 (en) * | 2000-07-14 | 2002-01-16 | LINTEC Corporation | Forgery-preventive identification medium and method for ascertaining the genuineness thereof |
KR20020033382A (ko) * | 2000-10-31 | 2002-05-06 | 전창오 | 자기 이중층을 가진 자기카드 및 그 제조방법 |
-
1996
- 1996-06-14 JP JP8175926A patent/JPH09297917A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1172762A2 (en) * | 2000-07-14 | 2002-01-16 | LINTEC Corporation | Forgery-preventive identification medium and method for ascertaining the genuineness thereof |
EP1172762A3 (en) * | 2000-07-14 | 2002-08-14 | LINTEC Corporation | Forgery-preventive identification medium and method for ascertaining the genuineness thereof |
KR20020033382A (ko) * | 2000-10-31 | 2002-05-06 | 전창오 | 자기 이중층을 가진 자기카드 및 그 제조방법 |
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