JPH1032112A - 異方性希土類ボンド磁石粉末および異方性希土類ボンド磁石の製造方法 - Google Patents
異方性希土類ボンド磁石粉末および異方性希土類ボンド磁石の製造方法Info
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- JPH1032112A JPH1032112A JP9008352A JP835297A JPH1032112A JP H1032112 A JPH1032112 A JP H1032112A JP 9008352 A JP9008352 A JP 9008352A JP 835297 A JP835297 A JP 835297A JP H1032112 A JPH1032112 A JP H1032112A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 磁気特性が優れており、なおかつより機械的
強度が大きい磁石を得ること。 【解決手段】 希土類磁石粉末に樹脂の粘度を低下させ
る効果のある粘度調整剤を含有している樹脂が混合され
ている異方性希土類ボンド磁石粉末を使用し、その粉末
を磁場成形して成形体を製造し、その成形体から粘度調
整剤を蒸発させた後、成形体を硬化させることによって
異方性希土類ボンド磁石を製造する。
強度が大きい磁石を得ること。 【解決手段】 希土類磁石粉末に樹脂の粘度を低下させ
る効果のある粘度調整剤を含有している樹脂が混合され
ている異方性希土類ボンド磁石粉末を使用し、その粉末
を磁場成形して成形体を製造し、その成形体から粘度調
整剤を蒸発させた後、成形体を硬化させることによって
異方性希土類ボンド磁石を製造する。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は希土類磁石粉末と樹
脂よりなる異方性希土類ボンド磁石粉末および異方性希
土類ボンド磁石の製造方法に関するものであり、特に混
合する樹脂の粘度に関するものである。
脂よりなる異方性希土類ボンド磁石粉末および異方性希
土類ボンド磁石の製造方法に関するものであり、特に混
合する樹脂の粘度に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】ボンド磁石は焼結磁石に比べて磁気特性
は劣るものの加工性や製造コストなどの点で焼結磁石よ
りも優れているので最近多用されつつある。ボンド磁石
は一般に磁石粉末にエポキシ樹脂などの樹脂を混合し、
混練して、そのようにして得られた粉末を成形すること
によって製造される。また、異方性のボンド磁石の場合
には上記成形時に磁場をかけながら成形を行う。すなわ
ち磁場成形を行う。このようにして得られる磁石に要求
される特性としては主に磁気特性と機械的強度がある。
これらの特性はボンド磁石では主として磁気特性では磁
場成形時での磁場配向性、機械的強度では混合する樹脂
の磁石粉末に対する割合によって支配される。したがっ
て、これらの特性を向上させるためには、磁気特性に対
しては磁場配向性を良くし、機械的強度に対しては樹脂
量を増やすことによってそれぞれの目的が達成される。
は劣るものの加工性や製造コストなどの点で焼結磁石よ
りも優れているので最近多用されつつある。ボンド磁石
は一般に磁石粉末にエポキシ樹脂などの樹脂を混合し、
混練して、そのようにして得られた粉末を成形すること
によって製造される。また、異方性のボンド磁石の場合
には上記成形時に磁場をかけながら成形を行う。すなわ
ち磁場成形を行う。このようにして得られる磁石に要求
される特性としては主に磁気特性と機械的強度がある。
これらの特性はボンド磁石では主として磁気特性では磁
場成形時での磁場配向性、機械的強度では混合する樹脂
の磁石粉末に対する割合によって支配される。したがっ
て、これらの特性を向上させるためには、磁気特性に対
しては磁場配向性を良くし、機械的強度に対しては樹脂
量を増やすことによってそれぞれの目的が達成される。
【０００３】しかしながら、樹脂量を増やすと、磁場成
形時に配向がかかりにくくなり、磁場配向性が悪くな
り、得られる磁石の磁気特性が低下するという問題が生
じる。
形時に配向がかかりにくくなり、磁場配向性が悪くな
り、得られる磁石の磁気特性が低下するという問題が生
じる。
【０００４】かかる問題に対して特公昭５３−３４６４
０号公報では、樹脂の粘度が１〜２００ポイズの範囲で
ある比較的低粘度の樹脂を使用し、磁場成形時の磁場配
向性を高めて得られる磁石の磁気特性の向上を図ってい
る。すなわち、低粘度の樹脂を使用すると、高粘度の樹
脂に比べて樹脂の流動性が良いので、磁場成形時に配向
がかかりやすくなり、得られる磁石の磁気特性が向上す
る。
０号公報では、樹脂の粘度が１〜２００ポイズの範囲で
ある比較的低粘度の樹脂を使用し、磁場成形時の磁場配
向性を高めて得られる磁石の磁気特性の向上を図ってい
る。すなわち、低粘度の樹脂を使用すると、高粘度の樹
脂に比べて樹脂の流動性が良いので、磁場成形時に配向
がかかりやすくなり、得られる磁石の磁気特性が向上す
る。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら低粘度の
樹脂を使用した粉末では高粘度の樹脂を使用した粉末に
に比べて得られる磁石の機械的強度が劣り、高強度が要
求される用途においては上記方法で得られた磁石では強
度が不十分で使用に供することができない。
樹脂を使用した粉末では高粘度の樹脂を使用した粉末に
に比べて得られる磁石の機械的強度が劣り、高強度が要
求される用途においては上記方法で得られた磁石では強
度が不十分で使用に供することができない。
【０００６】一方、樹脂量を増やしたり、高粘度の樹脂
を使用すると、磁場配向性が悪くなり、磁気特性が低下
する。
を使用すると、磁場配向性が悪くなり、磁気特性が低下
する。
【０００７】本発明は、磁気特性が優れており、なおか
つより機械的強度が大きい磁石が得られるようなボンド
磁石粉末およびそのボンド磁石粉末を使用した磁石の製
造方法を提供することを目的とする。
つより機械的強度が大きい磁石が得られるようなボンド
磁石粉末およびそのボンド磁石粉末を使用した磁石の製
造方法を提供することを目的とする。
【０００８】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の希土類ボンド磁石粉末は以下の構成を採用
する。
に、本発明の希土類ボンド磁石粉末は以下の構成を採用
する。
【０００９】希土類磁石粉末に樹脂の粘度を低下させる
効果のある粘度調整剤を含有している樹脂が混合されて
いることを特徴とする異方性希土類ボンド磁石粉末であ
る。
効果のある粘度調整剤を含有している樹脂が混合されて
いることを特徴とする異方性希土類ボンド磁石粉末であ
る。
【００１０】また、上記目的を達成するために、本発明
の異方性希土類ボンド磁石は以下の方法で製造する。
の異方性希土類ボンド磁石は以下の方法で製造する。
【００１１】希土類磁石粉末に樹脂の粘度を低下させる
効果のある粘度調整剤を含有している樹脂を混合し、混
練して混合物粉末を製造し、得られた混合物粉末を磁場
中で成形することによって成形体を製造し、そのように
製造した成形体から粘度調整剤を蒸発させた後、粘度調
整剤が脱離した成形体を硬化させることによって製造す
る。
効果のある粘度調整剤を含有している樹脂を混合し、混
練して混合物粉末を製造し、得られた混合物粉末を磁場
中で成形することによって成形体を製造し、そのように
製造した成形体から粘度調整剤を蒸発させた後、粘度調
整剤が脱離した成形体を硬化させることによって製造す
る。
【００１２】粘度調整剤については、以下のように取り
扱う。希土類磁石粉末に粘度調整剤を含有している樹脂
を混合し、それらを混練し、得られた粉末を磁場中で成
形することによって成形体を製造し、その成形体から粘
度調整剤を蒸発させる。その後、粘度調整剤が蒸発した
成形体を硬化させることによって異方性希土類ボンド磁
石を製造する。
扱う。希土類磁石粉末に粘度調整剤を含有している樹脂
を混合し、それらを混練し、得られた粉末を磁場中で成
形することによって成形体を製造し、その成形体から粘
度調整剤を蒸発させる。その後、粘度調整剤が蒸発した
成形体を硬化させることによって異方性希土類ボンド磁
石を製造する。
【００１３】すなわち、粘度調整剤を含有している樹脂
を使用して樹脂本来の粘度を一時的に低下させ、粘度が
低下した状態のままで磁場成形を行う。その後、その成
形体から粘度調整剤を加熱により蒸発させることによっ
て成形体から粘度調整剤を脱離させる。
を使用して樹脂本来の粘度を一時的に低下させ、粘度が
低下した状態のままで磁場成形を行う。その後、その成
形体から粘度調整剤を加熱により蒸発させることによっ
て成形体から粘度調整剤を脱離させる。
【００１４】したがって、磁場成形時には磁場の配向が
容易となり、磁場配向性が良くなり、得られる磁気特性
が向上する。一方、機械的強度においても高粘度の樹脂
を使用しているので磁気特性と同様に向上する。
容易となり、磁場配向性が良くなり、得られる磁気特性
が向上する。一方、機械的強度においても高粘度の樹脂
を使用しているので磁気特性と同様に向上する。
【００１５】混合する樹脂は、好ましくは熱硬化性樹脂
で、エポキシ樹脂がさらに好ましい。樹脂の粘度につい
ては、粘度調整剤を含有する前の混合する樹脂の常温
（２５℃）での粘度が３００ポイズ以上であり、粘度調
整剤を含有している状態での混合する樹脂の常温（２５
℃）での粘度が５０ポイズ以下であることがさらに好ま
しい。すなわち、粘度調整剤を含有する前の混合する樹
脂の常温（２５℃）での粘度が３００ポイズ以上になる
と、３００ポイズ未満の場合に比べて最終的に製造され
る磁石の機械的強度が飛躍的に高まる。また、粘度調整
剤を含有している状態での混合する樹脂の常温（２５
℃）での粘度が５０ポイズ以下になると、５０ポイズを
越えた場合に比べて磁場成形時における磁石の配向性が
さらに増大し、最終的に製造される磁石の磁気特性がよ
り一層向上する。
で、エポキシ樹脂がさらに好ましい。樹脂の粘度につい
ては、粘度調整剤を含有する前の混合する樹脂の常温
（２５℃）での粘度が３００ポイズ以上であり、粘度調
整剤を含有している状態での混合する樹脂の常温（２５
℃）での粘度が５０ポイズ以下であることがさらに好ま
しい。すなわち、粘度調整剤を含有する前の混合する樹
脂の常温（２５℃）での粘度が３００ポイズ以上になる
と、３００ポイズ未満の場合に比べて最終的に製造され
る磁石の機械的強度が飛躍的に高まる。また、粘度調整
剤を含有している状態での混合する樹脂の常温（２５
℃）での粘度が５０ポイズ以下になると、５０ポイズを
越えた場合に比べて磁場成形時における磁石の配向性が
さらに増大し、最終的に製造される磁石の磁気特性がよ
り一層向上する。
【００１６】粘度調整剤の混合割合については、樹脂に
対して重量比で１０〜１５％の範囲にあることがより一
層好ましい。すなわち、粘度調整剤の混合割合を樹脂に
対して１０％以上にすると、１０％未満の場合に比べて
磁場成形時における磁石の配向性がさらに増大し、最終
的に製造される磁石の磁気特性がより一層向上する。ま
た、１５％以下にすると、１５％を越えた場合に比べ
て、最終的に製造される磁石の機械的強度が飛躍的に高
まる。
対して重量比で１０〜１５％の範囲にあることがより一
層好ましい。すなわち、粘度調整剤の混合割合を樹脂に
対して１０％以上にすると、１０％未満の場合に比べて
磁場成形時における磁石の配向性がさらに増大し、最終
的に製造される磁石の磁気特性がより一層向上する。ま
た、１５％以下にすると、１５％を越えた場合に比べ
て、最終的に製造される磁石の機械的強度が飛躍的に高
まる。
【００１７】
【発明の実施の形態】混合する樹脂としては、十分な強
度を持たせるためにエポキシ樹脂で、粘度調整剤を含有
する前のその樹脂本来の常温（２５℃）での粘度が３０
０ポイズ以上である樹脂が最も好ましい。
度を持たせるためにエポキシ樹脂で、粘度調整剤を含有
する前のその樹脂本来の常温（２５℃）での粘度が３０
０ポイズ以上である樹脂が最も好ましい。
【００１８】樹脂に含有している粘度調整剤としては、
成形体にした後に成形体から加熱により蒸発することに
よって脱離させるので、常温での蒸気圧が小さい物質が
好ましい。また粘度調整剤の混合割合は樹脂に対して重
量比で１０〜１５％の範囲が最も好ましい。
成形体にした後に成形体から加熱により蒸発することに
よって脱離させるので、常温での蒸気圧が小さい物質が
好ましい。また粘度調整剤の混合割合は樹脂に対して重
量比で１０〜１５％の範囲が最も好ましい。
【００１９】磁石粉末と混合する直前すなわち粘度調整
剤を含有している状態での混合する樹脂の常温（２５
℃）での粘度は５０ポイズ以下であることが好ましい。
剤を含有している状態での混合する樹脂の常温（２５
℃）での粘度は５０ポイズ以下であることが好ましい。
【００２０】
【実施例】以下、具体的な実施例に基づいて、本発明を
説明する。 （実施例１および実施例２）純度９９．９％Ｓｍおよび
純度９９．９％Ｃｏを用いてアルゴン雰囲気中電気炉で
溶解混合し、次いで溶湯を鋳型中に流し込んで冷却し
た。さらにアルゴン雰囲気中電気炉において１２５０℃
３時間焼鈍することにより、Ｓｍ2 Ｃｏ17系合金が得ら
れた。得られた合金を電気炉でアルゴン雰囲気中１２５
０℃３０時間溶体化処理をし、室温まで冷却した。得ら
れた磁性粗粒をジェットミルにより微粉砕し、平均粒径
が１０μｍであるＳｍ2 Ｃｏ17粉末を得た。
説明する。 （実施例１および実施例２）純度９９．９％Ｓｍおよび
純度９９．９％Ｃｏを用いてアルゴン雰囲気中電気炉で
溶解混合し、次いで溶湯を鋳型中に流し込んで冷却し
た。さらにアルゴン雰囲気中電気炉において１２５０℃
３時間焼鈍することにより、Ｓｍ2 Ｃｏ17系合金が得ら
れた。得られた合金を電気炉でアルゴン雰囲気中１２５
０℃３０時間溶体化処理をし、室温まで冷却した。得ら
れた磁性粗粒をジェットミルにより微粉砕し、平均粒径
が１０μｍであるＳｍ2 Ｃｏ17粉末を得た。
【００２１】このＳｍ2 Ｃｏ17粉末に樹脂の粘度を低下
させる効果のある粘度調整剤としてジエチレングリコー
ル・モノメチルエーテルを樹脂に対して重量比で８％
（実施例１）または１７％（実施例２）含有しているエ
ポキシ樹脂をＳｍ2 Ｃｏ17粉末に対して重量比で３％そ
れぞれ混合したのち、それらを混練して異方性希土類ボ
ンド磁石粉末をそれぞれ得た。
させる効果のある粘度調整剤としてジエチレングリコー
ル・モノメチルエーテルを樹脂に対して重量比で８％
（実施例１）または１７％（実施例２）含有しているエ
ポキシ樹脂をＳｍ2 Ｃｏ17粉末に対して重量比で３％そ
れぞれ混合したのち、それらを混練して異方性希土類ボ
ンド磁石粉末をそれぞれ得た。
【００２２】なお、エポキシ樹脂の粘度については、実
施例１および実施例２のいずれの場合においても、粘度
調整剤を含有する前、すなわちその樹脂本来の常温（２
５℃）での粘度（粘度１）は、２５０ポイズであり、ま
た、Ｓｍ2 Ｃｏ17磁石粉末と混合する直前すなわち粘度
調整剤を含有している状態での混合するエポキシ樹脂の
常温（２５℃）での粘度は７０ポイズであった。
施例１および実施例２のいずれの場合においても、粘度
調整剤を含有する前、すなわちその樹脂本来の常温（２
５℃）での粘度（粘度１）は、２５０ポイズであり、ま
た、Ｓｍ2 Ｃｏ17磁石粉末と混合する直前すなわち粘度
調整剤を含有している状態での混合するエポキシ樹脂の
常温（２５℃）での粘度は７０ポイズであった。
【００２３】その後得られたボンド磁石粉末を２０ｋＯ
ｅの磁場中で成形して磁石成形体を得た。その成形体に
ついて、その成形体から粘度調整剤を蒸発させるため
に、成形体を硬化させる前に、９０℃で３０分窒素中電
気炉で保持することによって粘度調整剤を蒸発させた。
引き続き、１８０℃で９０分間窒素中電気炉で保持する
ことによって成形体を硬化させることによって異方性希
土類ボンド磁石を製造した。
ｅの磁場中で成形して磁石成形体を得た。その成形体に
ついて、その成形体から粘度調整剤を蒸発させるため
に、成形体を硬化させる前に、９０℃で３０分窒素中電
気炉で保持することによって粘度調整剤を蒸発させた。
引き続き、１８０℃で９０分間窒素中電気炉で保持する
ことによって成形体を硬化させることによって異方性希
土類ボンド磁石を製造した。
【００２４】製造した磁石は、振動型磁気測定装置（Ｖ
ＳＭ）で磁気特性を測定するとともに、簡易型圧縮装置
により圧環強度を測定した。結果を表１に示す。比較例
１として実施例１または実施例２における混合する樹脂
として、粘度調整剤を含有している樹脂の代わりに、粘
度調整剤を含有していなく、かつ、その樹脂の粘度が３
２８ポイズという比較的高粘度である従来のエポキシ樹
脂を使用して異方性希土類ボンド磁石を製造したものを
示した。また、比較例２として実施例１または実施例２
における混合する樹脂として、粘度調整剤を含有してい
る樹脂の代わりに、粘度調整剤を含有していなく、か
つ、その樹脂の粘度が３５ポイズという比較的低粘度で
ある従来のエポキシ樹脂を使用して異方性希土類ボンド
磁石を製造した結果もあわせて表１に示した。
ＳＭ）で磁気特性を測定するとともに、簡易型圧縮装置
により圧環強度を測定した。結果を表１に示す。比較例
１として実施例１または実施例２における混合する樹脂
として、粘度調整剤を含有している樹脂の代わりに、粘
度調整剤を含有していなく、かつ、その樹脂の粘度が３
２８ポイズという比較的高粘度である従来のエポキシ樹
脂を使用して異方性希土類ボンド磁石を製造したものを
示した。また、比較例２として実施例１または実施例２
における混合する樹脂として、粘度調整剤を含有してい
る樹脂の代わりに、粘度調整剤を含有していなく、か
つ、その樹脂の粘度が３５ポイズという比較的低粘度で
ある従来のエポキシ樹脂を使用して異方性希土類ボンド
磁石を製造した結果もあわせて表１に示した。
【００２５】
【表１】
【００２６】従来の方法による比較例とくらべて、本発
明による方法では、比較例１の高粘度の樹脂を使用した
場合に比べては、各磁気特性の値が、比較例２の低粘度
の樹脂を使用した場合に比べては、圧環強度の値が、そ
れぞれ大きくなった。すなわち、従来達成できなかった
磁気特性と機械的強度がともに優れた異方性希土類ボン
ド磁石が得られた。
明による方法では、比較例１の高粘度の樹脂を使用した
場合に比べては、各磁気特性の値が、比較例２の低粘度
の樹脂を使用した場合に比べては、圧環強度の値が、そ
れぞれ大きくなった。すなわち、従来達成できなかった
磁気特性と機械的強度がともに優れた異方性希土類ボン
ド磁石が得られた。
【００２７】（実施例３および実施例４）実施例１にお
ける混合する樹脂として、表１のように、粘度調整剤を
含有する前の混合する樹脂の常温（２５℃）での粘度が
３００ポイズ（実施例３）または３２８ポイズ（実施例
４）である樹脂を使用して、その他は実施例１と同様に
異方性希土類ボンド磁石を製造した。
ける混合する樹脂として、表１のように、粘度調整剤を
含有する前の混合する樹脂の常温（２５℃）での粘度が
３００ポイズ（実施例３）または３２８ポイズ（実施例
４）である樹脂を使用して、その他は実施例１と同様に
異方性希土類ボンド磁石を製造した。
【００２８】実施例１と同様に磁気特性および圧環強度
を測定した。結果を表１にあわせて示す。
を測定した。結果を表１にあわせて示す。
【００２９】実施例３および実施例４では、実施例１に
比べて、さらに圧環強度の値が大きくなった。このよう
に、粘度調整剤を含有する前の混合する樹脂の常温（２
５℃）での粘度が３００ポイズ以上であると、機械的強
度がさらに飛躍的に増大する。
比べて、さらに圧環強度の値が大きくなった。このよう
に、粘度調整剤を含有する前の混合する樹脂の常温（２
５℃）での粘度が３００ポイズ以上であると、機械的強
度がさらに飛躍的に増大する。
【００３０】（実施例５および実施例６）実施例１にお
ける混合する樹脂として、表１のように、粘度調整剤を
含有している状態での混合する樹脂の常温（２５℃）で
の粘度が５０ポイズ（実施例５）または３５ポイズ（実
施例６）である樹脂を使用して、その他は実施例１と同
様に異方性希土類ボンド磁石を製造した。
ける混合する樹脂として、表１のように、粘度調整剤を
含有している状態での混合する樹脂の常温（２５℃）で
の粘度が５０ポイズ（実施例５）または３５ポイズ（実
施例６）である樹脂を使用して、その他は実施例１と同
様に異方性希土類ボンド磁石を製造した。
【００３１】実施例１と同様に磁気特性および圧環強度
を測定した。結果を表１にあわせて示す。
を測定した。結果を表１にあわせて示す。
【００３２】実施例５および実施例６では、実施例１に
比べて、さらに各磁気特性の値が大きくなった。このよ
うに、粘度調整剤を含有している状態での混合する樹脂
の常温（２５℃）での粘度が５０ポイズ以下であると、
磁気特性がさらに飛躍的に向上する。
比べて、さらに各磁気特性の値が大きくなった。このよ
うに、粘度調整剤を含有している状態での混合する樹脂
の常温（２５℃）での粘度が５０ポイズ以下であると、
磁気特性がさらに飛躍的に向上する。
【００３３】（実施例７、実施例８および実施例９）実
施例１または実施例２における混合する樹脂として、表
１のように、粘度調整剤の混合割合が樹脂に対して重量
比で１０％（実施例７）、１３％（実施例８）または１
５％（実施例９）である樹脂を使用して、その他は実施
例１または実施例２と同様に異方性希土類ボンド磁石を
製造した。
施例１または実施例２における混合する樹脂として、表
１のように、粘度調整剤の混合割合が樹脂に対して重量
比で１０％（実施例７）、１３％（実施例８）または１
５％（実施例９）である樹脂を使用して、その他は実施
例１または実施例２と同様に異方性希土類ボンド磁石を
製造した。
【００３４】実施例１または実施例２と同様に磁気特性
および圧環強度を測定した。結果を表１にあわせて示
す。
および圧環強度を測定した。結果を表１にあわせて示
す。
【００３５】実施例７、実施例８および実施例９では、
実施例１に比べて、さらに各磁気特性の値が大きくなっ
た。また、実施例２に比べて、さらに圧環強度の値が大
きくなった。このように、粘度調整剤の混合割合が樹脂
に対して重量比で１０〜１５％の範囲にあると、磁気特
性および圧環強度がともに、さらに飛躍的に向上する。
実施例１に比べて、さらに各磁気特性の値が大きくなっ
た。また、実施例２に比べて、さらに圧環強度の値が大
きくなった。このように、粘度調整剤の混合割合が樹脂
に対して重量比で１０〜１５％の範囲にあると、磁気特
性および圧環強度がともに、さらに飛躍的に向上する。
【００３６】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
混合する樹脂に樹脂の粘度を低下させる効果のある粘度
調整剤を含有した樹脂を使用しているので、以下に示す
ような効果をもたらす。
混合する樹脂に樹脂の粘度を低下させる効果のある粘度
調整剤を含有した樹脂を使用しているので、以下に示す
ような効果をもたらす。
【００３７】すなわち、粘度調整剤を含有している樹脂
を使用して樹脂本来の粘度を一時的に低下させ、粘度が
低下した状態のままで磁場成形を行う。その後、その成
形体から粘度調整剤を加熱により蒸発させることによっ
て成形体から粘度調整剤を脱離させる。
を使用して樹脂本来の粘度を一時的に低下させ、粘度が
低下した状態のままで磁場成形を行う。その後、その成
形体から粘度調整剤を加熱により蒸発させることによっ
て成形体から粘度調整剤を脱離させる。
【００３８】したがって、磁場成形時には磁場の配向が
容易となり、磁場配向性が良くなり、得られる磁気特性
が向上する。一方、機械的強度においても高粘度の樹脂
を使用しているので磁気特性と同様に向上する。
容易となり、磁場配向性が良くなり、得られる磁気特性
が向上する。一方、機械的強度においても高粘度の樹脂
を使用しているので磁気特性と同様に向上する。
【００３９】その結果、従来達成することが不可能であ
った磁気特性が優れており、なおかつより機械的強度が
大きいという双方の特性がともに良好な磁石を得ること
が可能になる。
った磁気特性が優れており、なおかつより機械的強度が
大きいという双方の特性がともに良好な磁石を得ること
が可能になる。
Claims (8)
- 【請求項１】 希土類磁石粉末に樹脂の粘度を低下させ
る効果のある粘度調整剤を含有している樹脂が混合され
ていることを特徴とする異方性希土類ボンド磁石粉末。 - 【請求項２】 粘度調整剤を含有する前の混合する樹脂
の常温（２５℃）での粘度が３００ポイズ以上であるこ
とを特徴とする請求項１記載の異方性希土類ボンド磁石
粉末。 - 【請求項３】 粘度調整剤を含有している状態での混合
する樹脂の常温（２５℃）での粘度が５０ポイズ以下で
あることを特徴とする請求項１または請求項２記載の異
方性希土類ボンド磁石粉末。 - 【請求項４】 粘度調整剤の混合割合が樹脂に対して重
量比で１０〜１５％の範囲にあることを特徴とする請求
項１、請求項２または請求項３記載の異方性希土類ボン
ド磁石粉末。 - 【請求項５】 希土類磁石粉末に樹脂の粘度を低下させ
る効果のある粘度調整剤を含有している樹脂を混合し、
混練して混合物粉末を製造し、該混合物粉末を磁場中で
成形することによって成形体を製造し、該成形体から粘
度調整剤を蒸発させた後、該成形体を硬化させることに
よって製造することを特徴とする異方性希土類ボンド磁
石の製造方法。 - 【請求項６】 粘度調整剤を含有する前の混合する樹脂
の常温（２５℃）での粘度が３００ポイズ以上であるこ
とを特徴とする請求項５記載の異方性希土類ボンド磁石
の製造方法。 - 【請求項７】 粘度調整剤を含有している状態での混合
する樹脂の常温（２５℃）での粘度が５０ポイズ以下で
あることを特徴とする請求項５または請求項６記載の異
方性希土類ボンド磁石の製造方法。 - 【請求項８】 粘度調整剤の混合割合が樹脂に対して重
量比で１０〜１５％の範囲にあることを特徴とする請求
項５、請求項６または請求項７記載の異方性希土類ボン
ド磁石の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9008352A JPH1032112A (ja) | 1996-05-15 | 1997-01-21 | 異方性希土類ボンド磁石粉末および異方性希土類ボンド磁石の製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8-120079 | 1996-05-15 | ||
| JP12007996 | 1996-05-15 | ||
| JP9008352A JPH1032112A (ja) | 1996-05-15 | 1997-01-21 | 異方性希土類ボンド磁石粉末および異方性希土類ボンド磁石の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH1032112A true JPH1032112A (ja) | 1998-02-03 |
Family
ID=26342854
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP9008352A Pending JPH1032112A (ja) | 1996-05-15 | 1997-01-21 | 異方性希土類ボンド磁石粉末および異方性希土類ボンド磁石の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH1032112A (ja) |
-
1997
- 1997-01-21 JP JP9008352A patent/JPH1032112A/ja active Pending
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