JPH10112405A - 希土類ボンド磁石およびその製造方法 - Google Patents
希土類ボンド磁石およびその製造方法Info
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- JPH10112405A JPH10112405A JP8266290A JP26629096A JPH10112405A JP H10112405 A JPH10112405 A JP H10112405A JP 8266290 A JP8266290 A JP 8266290A JP 26629096 A JP26629096 A JP 26629096A JP H10112405 A JPH10112405 A JP H10112405A
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- H01F1/01—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 希土類−鉄系磁石原料粉末をバインダーと共
に成形して固化してなる希土類ボンド磁石において、そ
の磁気特性をさらに向上させると共に、耐酸化性をもさ
らに優れたものとする。 【解決手段】 希土類−鉄系磁石原料粉末をバインダー
と共に成形して固化するに際し、バインダーとして、室
温での粘度が10〜400ポイズである液体バインダー
を用いて希土類−鉄系磁石原料粉末をバインダーと共に
成形して固化することによって、成形体中の希土類磁石
原料粉末粒子の粒度分布において粒径が32μm未満の
粒子の重量比が5%以上60%以下である成形体を経て
希土類ボンド磁石を得る。
に成形して固化してなる希土類ボンド磁石において、そ
の磁気特性をさらに向上させると共に、耐酸化性をもさ
らに優れたものとする。 【解決手段】 希土類−鉄系磁石原料粉末をバインダー
と共に成形して固化するに際し、バインダーとして、室
温での粘度が10〜400ポイズである液体バインダー
を用いて希土類−鉄系磁石原料粉末をバインダーと共に
成形して固化することによって、成形体中の希土類磁石
原料粉末粒子の粒度分布において粒径が32μm未満の
粒子の重量比が5%以上60%以下である成形体を経て
希土類ボンド磁石を得る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種事務機器用モ
ータや各種アクチュエータ等の構成部品として使用され
る永久磁石に係わり、とくに、磁気特性および耐酸化性
により一層優れた希土類ボンド磁石およびその製造方法
に関するものである。
ータや各種アクチュエータ等の構成部品として使用され
る永久磁石に係わり、とくに、磁気特性および耐酸化性
により一層優れた希土類ボンド磁石およびその製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、各種事務機器用モータや各種アク
チュエータ等の構成部品として使用される永久磁石に
は、フェライト磁石やアルニコ磁石などが多く用いられ
てきたが、さらに進んでこれらよりもより一層磁気特性
に優れたものとしてSmCo5型やSm2Co17型の
サマリウム−コバルト磁石なども多く使用されてきた。
チュエータ等の構成部品として使用される永久磁石に
は、フェライト磁石やアルニコ磁石などが多く用いられ
てきたが、さらに進んでこれらよりもより一層磁気特性
に優れたものとしてSmCo5型やSm2Co17型の
サマリウム−コバルト磁石なども多く使用されてきた。
【0003】そしてさらに進んで、希土類−鉄系磁石が
主要な永久磁石として多く使用されるようになってきて
おり、希土類成分としてNd,Pr,Sm,Tb,Dy
等を用い、鉄系成分としてFe,Ni,Co等を用い、
その他の成分としてB,Si,C,N,P等を用いた希
土類−鉄系磁石がOA機器,AV機器,モータ類,アク
チュエータ類等に幅広く採用されている。
主要な永久磁石として多く使用されるようになってきて
おり、希土類成分としてNd,Pr,Sm,Tb,Dy
等を用い、鉄系成分としてFe,Ni,Co等を用い、
その他の成分としてB,Si,C,N,P等を用いた希
土類−鉄系磁石がOA機器,AV機器,モータ類,アク
チュエータ類等に幅広く採用されている。
【0004】希土類−鉄系磁石はその製造方法から、ボ
ンド磁石と焼結磁石に大別される。このうち、希土類−
鉄系ボンド磁石を製造するに際しては、Nd−Fe−B
系等の磁石材料組成の金属溶湯を溶製したのち、この金
属溶湯をノズルを介して回転ロール上に流下させること
により磁石材料組成の超急冷金属薄帯に形成し、この超
急冷金属薄帯を粉砕して希土類−鉄系磁石原料粉末を得
たのち、所定の磁気特性を与えるために適宜の熱処理を
施し、この希土類−鉄系磁石原料粉末と固体の樹脂バイ
ンダー(例えば、固体のエポキシ樹脂)と適宜の潤滑剤
(例えばステアリン酸リチウム)とを混合し、10to
n/cm2程度の高圧を加えて加圧成形したのち150
℃,1時間程度のキュア処理(硬化処理)を行うことに
よって樹脂を固化させることによりボンド磁石としてい
る。
ンド磁石と焼結磁石に大別される。このうち、希土類−
鉄系ボンド磁石を製造するに際しては、Nd−Fe−B
系等の磁石材料組成の金属溶湯を溶製したのち、この金
属溶湯をノズルを介して回転ロール上に流下させること
により磁石材料組成の超急冷金属薄帯に形成し、この超
急冷金属薄帯を粉砕して希土類−鉄系磁石原料粉末を得
たのち、所定の磁気特性を与えるために適宜の熱処理を
施し、この希土類−鉄系磁石原料粉末と固体の樹脂バイ
ンダー(例えば、固体のエポキシ樹脂)と適宜の潤滑剤
(例えばステアリン酸リチウム)とを混合し、10to
n/cm2程度の高圧を加えて加圧成形したのち150
℃,1時間程度のキュア処理(硬化処理)を行うことに
よって樹脂を固化させることによりボンド磁石としてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の希土類ボンド磁石にあっては、高圧を加える
加圧成形時に希土類−鉄系磁石原料粉末がさらに破砕さ
れて微粉末が多量に発生し、多量に発生した微粉末がキ
ュア処理時(硬化処理時)や表面塗装電着工程時等にお
いて酸化することにより磁気特性が低下することがある
という問題点を有していたことから、このような問題点
を解決することが課題としてあった。
うな従来の希土類ボンド磁石にあっては、高圧を加える
加圧成形時に希土類−鉄系磁石原料粉末がさらに破砕さ
れて微粉末が多量に発生し、多量に発生した微粉末がキ
ュア処理時(硬化処理時)や表面塗装電着工程時等にお
いて酸化することにより磁気特性が低下することがある
という問題点を有していたことから、このような問題点
を解決することが課題としてあった。
【0006】
【発明の目的】本発明は、このような従来の課題にかん
がみてなされたものであって、希土類−鉄系磁石原料粉
末をバインダーと共に成形して固化してなる希土類ボン
ド磁石において、その磁気特性をさらに向上させると共
に耐酸化性をもさらに優れたものにできるようにするこ
とを目的としている。
がみてなされたものであって、希土類−鉄系磁石原料粉
末をバインダーと共に成形して固化してなる希土類ボン
ド磁石において、その磁気特性をさらに向上させると共
に耐酸化性をもさらに優れたものにできるようにするこ
とを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる希土類ボ
ンド磁石は、請求項1に記載しているように、希土類−
鉄系磁石原料粉末をバインダーと共に成形して固化して
なり、成形体中の希土類磁石原料粉末粒子の粒度分布に
おいて粒径が32μm未満の粒子の重量比が5%以上6
0%以下であるものとしたことを特徴としている。
ンド磁石は、請求項1に記載しているように、希土類−
鉄系磁石原料粉末をバインダーと共に成形して固化して
なり、成形体中の希土類磁石原料粉末粒子の粒度分布に
おいて粒径が32μm未満の粒子の重量比が5%以上6
0%以下であるものとしたことを特徴としている。
【0008】そして、本発明に係わる希土類ボンド磁石
の実施態様においては、請求項2に記載しているよう
に、希土類−鉄系磁石原料粉末が超急冷凝固粉末である
ものとすることができる。
の実施態様においては、請求項2に記載しているよう
に、希土類−鉄系磁石原料粉末が超急冷凝固粉末である
ものとすることができる。
【0009】また、本発明に係わる希土類ボンド磁石の
製造方法は、請求項3に記載しているように、希土類−
鉄系磁石原料粉末をバインダーと共に成形して固化する
に際し、前記バインダーとして室温での粘度が10〜4
00ポイズである液体バインダーを用いて希土類−鉄系
磁石原料粉末を前記バインダーと共に成形して固化する
ようにしたことを特徴としている。
製造方法は、請求項3に記載しているように、希土類−
鉄系磁石原料粉末をバインダーと共に成形して固化する
に際し、前記バインダーとして室温での粘度が10〜4
00ポイズである液体バインダーを用いて希土類−鉄系
磁石原料粉末を前記バインダーと共に成形して固化する
ようにしたことを特徴としている。
【0010】そして、本発明に係わる希土類ボンド磁石
の製造方法の実施態様においては、請求項4に記載して
いるように、希土類−鉄系磁石原料粉末が超急冷凝固粉
末であるようになすことができ、同じく請求項5に記載
しているように、液体バインダーが液体熱硬化性樹脂で
あるようになすことができ、同じく請求項6に記載して
いるように、成形圧力が5〜15ton/cm2である
ようになすことができる。
の製造方法の実施態様においては、請求項4に記載して
いるように、希土類−鉄系磁石原料粉末が超急冷凝固粉
末であるようになすことができ、同じく請求項5に記載
しているように、液体バインダーが液体熱硬化性樹脂で
あるようになすことができ、同じく請求項6に記載して
いるように、成形圧力が5〜15ton/cm2である
ようになすことができる。
【0011】
【発明の作用】本発明に係わる希土類ボンド磁石では、
希土類−鉄系磁石原料粉末をバインダーと共に成形して
固化してなり、成形体中の希土類磁石原料粉末粒子の粒
度分布において粒径が32μm未満の粒子の重量比が5
%以上60%以下であるものとしているので、従来のよ
うに微粉末が多量に含まれていないことから、微細粒と
粗粒とのバランスが良好なものとなって成形体の密度が
より一層向上したものになると共に、キュア処理(硬化
処理)や電着工程(表面塗装工程)などで酸化を生じが
たいものとなって、希土類ボンド磁石の磁気特性がさら
に向上したものになると共に耐酸化性もさらに優れたも
のとなる。
希土類−鉄系磁石原料粉末をバインダーと共に成形して
固化してなり、成形体中の希土類磁石原料粉末粒子の粒
度分布において粒径が32μm未満の粒子の重量比が5
%以上60%以下であるものとしているので、従来のよ
うに微粉末が多量に含まれていないことから、微細粒と
粗粒とのバランスが良好なものとなって成形体の密度が
より一層向上したものになると共に、キュア処理(硬化
処理)や電着工程(表面塗装工程)などで酸化を生じが
たいものとなって、希土類ボンド磁石の磁気特性がさら
に向上したものになると共に耐酸化性もさらに優れたも
のとなる。
【0012】また、本発明に係わる希土類ボンド磁石の
製造方法では、希土類−鉄系磁石原料粉末をバインダー
と共に成形して固化するに際し、前記バインダーとして
室温での粘度が10〜400ポイズである液体バインダ
ーを用いて希土類−鉄系磁石原料粉末を前記バインダー
と共に成形して固化するようにしたから、高圧をかけて
加圧成形する場合において前記液体バインダーは自己潤
滑剤として作用することとなるので、従来のように成形
時に希土類−鉄系磁石原料粉末に破砕を生じがたいもの
となり、微粉末が多量に発生しないものとなるので、微
粉末と粗粉末との量比率が適切なものとなって成形体の
密度がより一層向上したものになると共に、微粉末が多
量に発生した場合のようなキュア処理(硬化処理)時や
電着工程(表面塗装工程)時等での酸化が防止されるこ
ととなって、希土類ボンド磁石の磁気特性および耐酸化
性がさらに向上したものとなる。
製造方法では、希土類−鉄系磁石原料粉末をバインダー
と共に成形して固化するに際し、前記バインダーとして
室温での粘度が10〜400ポイズである液体バインダ
ーを用いて希土類−鉄系磁石原料粉末を前記バインダー
と共に成形して固化するようにしたから、高圧をかけて
加圧成形する場合において前記液体バインダーは自己潤
滑剤として作用することとなるので、従来のように成形
時に希土類−鉄系磁石原料粉末に破砕を生じがたいもの
となり、微粉末が多量に発生しないものとなるので、微
粉末と粗粉末との量比率が適切なものとなって成形体の
密度がより一層向上したものになると共に、微粉末が多
量に発生した場合のようなキュア処理(硬化処理)時や
電着工程(表面塗装工程)時等での酸化が防止されるこ
ととなって、希土類ボンド磁石の磁気特性および耐酸化
性がさらに向上したものとなる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明に係わる希土類ボンド磁石
およびその製造方法は、希土類−鉄系磁石原料粉末を用
いるものであるが、この希土類−鉄系磁石原料粉末とし
ては、希土類としてNd,Pr,Sm,Tb,Dy等を
含み、鉄系金属としてFe,Ni,Co等を含み、その
他の成分としてB,Si,C,N,P等の既知の元素を
含む合金の溶湯から製作したものが用いられる。
およびその製造方法は、希土類−鉄系磁石原料粉末を用
いるものであるが、この希土類−鉄系磁石原料粉末とし
ては、希土類としてNd,Pr,Sm,Tb,Dy等を
含み、鉄系金属としてFe,Ni,Co等を含み、その
他の成分としてB,Si,C,N,P等の既知の元素を
含む合金の溶湯から製作したものが用いられる。
【0014】そして、このような合金の溶湯を回転円盤
や回転ロール上に流下させて超急冷金属薄帯を作製し、
この金属薄帯を粉砕することによって、希土類−鉄系磁
石原料粉末を得る。
や回転ロール上に流下させて超急冷金属薄帯を作製し、
この金属薄帯を粉砕することによって、希土類−鉄系磁
石原料粉末を得る。
【0015】ここで、希土類−鉄系磁石原料粉末の粒径
としては、この希土類−鉄系磁石原料粉末を室温での粘
度が10〜400ポイズである液体バインダーを用いて
混練して得た混練物を例えば5〜15ton/cm2程
度の高圧を加えて加圧成形した後の状態で、成形体中の
希土類−鉄系原料粉末粒子の粒度分布において粒径が3
2μm未満の粒子の重量比が5%以上60%以下となる
ようにする。
としては、この希土類−鉄系磁石原料粉末を室温での粘
度が10〜400ポイズである液体バインダーを用いて
混練して得た混練物を例えば5〜15ton/cm2程
度の高圧を加えて加圧成形した後の状態で、成形体中の
希土類−鉄系原料粉末粒子の粒度分布において粒径が3
2μm未満の粒子の重量比が5%以上60%以下となる
ようにする。
【0016】このとき、液体バインダーの粘度が室温で
10ポイズよりも低いものを用いると、液体バインダー
の粘性が弱いものとなって自己潤滑性が小さいものとな
ることにより高圧で成形したときに希土類−鉄系磁石原
料粉末の破砕がより多く生じ、微細な粉末粒子が増大す
ることによって、従来の固体バインダーを用いて高圧で
加圧成形した場合のようにこの加圧成形により発生した
微細粒子が多すぎることにより成形体の密度上昇に限界
を生じたりあるいは成形体のキュア処理時や電着工程時
に粒界酸化を生じて、希土類ボンド磁石の磁気特性が低
下したものとなる。
10ポイズよりも低いものを用いると、液体バインダー
の粘性が弱いものとなって自己潤滑性が小さいものとな
ることにより高圧で成形したときに希土類−鉄系磁石原
料粉末の破砕がより多く生じ、微細な粉末粒子が増大す
ることによって、従来の固体バインダーを用いて高圧で
加圧成形した場合のようにこの加圧成形により発生した
微細粒子が多すぎることにより成形体の密度上昇に限界
を生じたりあるいは成形体のキュア処理時や電着工程時
に粒界酸化を生じて、希土類ボンド磁石の磁気特性が低
下したものとなる。
【0017】また、液体バインダーの粘度が室温で40
0ポイズよりも大きいと、液体バインダーの粘性が強す
ぎるものとなって希土類−鉄系磁石原料粉末とバインダ
ーとの混練が困難なものとなる。
0ポイズよりも大きいと、液体バインダーの粘性が強す
ぎるものとなって希土類−鉄系磁石原料粉末とバインダ
ーとの混練が困難なものとなる。
【0018】このようにして、希土類−鉄系磁石原料粉
末を室温での粘度が10〜400ポイズである液体バイ
ンダーと共に成形することによって、成形後において、
成形体中の希土類−鉄系磁石原料粉末粒子の粒度分布に
おいて32μm未満の粒径の粒子の重量比が5%以上6
0%以下である希土類ボンド磁石用成形体を得る。
末を室温での粘度が10〜400ポイズである液体バイ
ンダーと共に成形することによって、成形後において、
成形体中の希土類−鉄系磁石原料粉末粒子の粒度分布に
おいて32μm未満の粒径の粒子の重量比が5%以上6
0%以下である希土類ボンド磁石用成形体を得る。
【0019】このとき、粒径が32μm未満の粒子の量
が重量比で5%未満であると、粗粒の間を埋める微細粒
子の量が少ないため、密度の大きい成形体を得ることが
困難となり、また、粒径が32μm未満の粒子の量が重
量比で60%超過であるときにも成形体の密度の上昇が
困難なものとなってくることとなり、成形体中の希土類
−鉄系磁石原料粉末粒子の粒度分布において粒径が32
μm未満の粒子の重量比が5%以上60%以下であるよ
うになすことによって、磁気特性がさらに向上すると共
に耐酸化性もさらに向上した希土類ボンド磁石を得るこ
とができるようになる。
が重量比で5%未満であると、粗粒の間を埋める微細粒
子の量が少ないため、密度の大きい成形体を得ることが
困難となり、また、粒径が32μm未満の粒子の量が重
量比で60%超過であるときにも成形体の密度の上昇が
困難なものとなってくることとなり、成形体中の希土類
−鉄系磁石原料粉末粒子の粒度分布において粒径が32
μm未満の粒子の重量比が5%以上60%以下であるよ
うになすことによって、磁気特性がさらに向上すると共
に耐酸化性もさらに向上した希土類ボンド磁石を得るこ
とができるようになる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例等についてさらに詳細
に説明する。
に説明する。
【0021】実施例 Nd12Fe86B6の組成(原子比)を有する金属溶
湯を溶製したのち、この金属溶湯をノズルを介して周速
25m/secで回転する回転ロール上に流下させて幅
約1mmの金属薄帯を連続的に形成させた。
湯を溶製したのち、この金属溶湯をノズルを介して周速
25m/secで回転する回転ロール上に流下させて幅
約1mmの金属薄帯を連続的に形成させた。
【0022】次いで、この金属薄帯を粉砕して希土類−
鉄系磁石原料粉末を得た。
鉄系磁石原料粉末を得た。
【0023】ここで得た希土類−鉄系磁石原料粉末の粒
度分布を図1に示す。図1に示すように、この原料粉末
では粒径が150〜212μmのものの割合が最も多く
なっていた。
度分布を図1に示す。図1に示すように、この原料粉末
では粒径が150〜212μmのものの割合が最も多く
なっていた。
【0024】次いで、表1の比較例および実施例1〜7
の欄に示すような常温での粘度が異なる液体エポキシバ
インダーを前記希土類−鉄系磁石原料粉末に各々2重量
%配合したのち、成形圧力10ton/cm2で加圧成
形して各々成形体を得た。
の欄に示すような常温での粘度が異なる液体エポキシバ
インダーを前記希土類−鉄系磁石原料粉末に各々2重量
%配合したのち、成形圧力10ton/cm2で加圧成
形して各々成形体を得た。
【0025】このようにして得た成形体中において粒径
が32μm未満の粒子の割合および成形体の密度を調べ
たところ、表1に示す結果であった。
が32μm未満の粒子の割合および成形体の密度を調べ
たところ、表1に示す結果であった。
【0026】また、表1の実施例6の成形体(密度:
6.26g/cm3)における粒度分布および粒径の累
積比を図2に示す。
6.26g/cm3)における粒度分布および粒径の累
積比を図2に示す。
【0027】次いで、各成形体に対してキュア処理(硬
化処理)として150℃で1時間の加熱処理を行い、さ
らに電着工程に供して表面塗装を行うことによって各々
希土類ボンド磁石を得た。
化処理)として150℃で1時間の加熱処理を行い、さ
らに電着工程に供して表面塗装を行うことによって各々
希土類ボンド磁石を得た。
【0028】次いで、各希土類ボンド磁石の磁気特性を
調べたところ、同じく表1に示す結果であった。
調べたところ、同じく表1に示す結果であった。
【0029】従来例 上記実施例で得た図1に示す粒度分布の希土類−鉄系磁
石原料粉末に固体バインダーとしてエポキシ樹脂を2重
量%とステアリン酸リチウムを1重量%添加したのち、
成形圧力10ton/cm2で加圧成形した。
石原料粉末に固体バインダーとしてエポキシ樹脂を2重
量%とステアリン酸リチウムを1重量%添加したのち、
成形圧力10ton/cm2で加圧成形した。
【0030】このようにして得た成形体中において粒径
が32μm未満の粒子の割合および成形体密度を調べた
ところ、同じく表1の従来例の欄に示す結果であった。
が32μm未満の粒子の割合および成形体密度を調べた
ところ、同じく表1の従来例の欄に示す結果であった。
【0031】また、この成形体における粒度分布および
粒径の累積比は図3に示すものであった。
粒径の累積比は図3に示すものであった。
【0032】
【表1】
【0033】表1に示すように、固体エポキシバインダ
ーを用いた従来例の希土類ボンド磁石、および室温での
粘度が低い液体バインダーを用いた比較例の希土類ボン
ド磁石に比べて、室温での粘度が10〜400ポイズで
ある液体エポキシバインダーを用いた実施例1〜7の希
土類ボンド磁石の方が、磁気特性により一層優れたもの
となっていた。
ーを用いた従来例の希土類ボンド磁石、および室温での
粘度が低い液体バインダーを用いた比較例の希土類ボン
ド磁石に比べて、室温での粘度が10〜400ポイズで
ある液体エポキシバインダーを用いた実施例1〜7の希
土類ボンド磁石の方が、磁気特性により一層優れたもの
となっていた。
【0034】
【発明の効果】本発明による希土類ボンド磁石では、希
土類−鉄系磁石原料粉末をバインダーと共に成形して固
化してなり、成形体中の希土類磁石原料粉末粒子の粒度
分布において粒径が32μm未満の粒子の重量比が5%
以上60%以下であるものとしたから、従来のように微
粉末ないしは微細粒子が多量に含まれないものとなって
いるので、微細粒と粗粒とのバランスを良好なものにす
ることが可能となって成形体の密度をより一層高めるよ
うになすことが可能であり、かつまた、キュア処理(硬
化処理)や電着工程(表面塗装工程)などで酸化を生じ
がたいものとすることが可能となって、磁気特性および
耐酸化性により優れた希土類ボンド磁石であるという著
しく優れた効果がもたらされる。
土類−鉄系磁石原料粉末をバインダーと共に成形して固
化してなり、成形体中の希土類磁石原料粉末粒子の粒度
分布において粒径が32μm未満の粒子の重量比が5%
以上60%以下であるものとしたから、従来のように微
粉末ないしは微細粒子が多量に含まれないものとなって
いるので、微細粒と粗粒とのバランスを良好なものにす
ることが可能となって成形体の密度をより一層高めるよ
うになすことが可能であり、かつまた、キュア処理(硬
化処理)や電着工程(表面塗装工程)などで酸化を生じ
がたいものとすることが可能となって、磁気特性および
耐酸化性により優れた希土類ボンド磁石であるという著
しく優れた効果がもたらされる。
【0035】また、本発明による希土類ボンド磁石の製
造方法では、希土類−鉄系磁石原料粉末をバインダーと
共に成形して固化するに際し、前記バインダーとして室
温での粘度が10〜400ポイズである液体バインダー
を用いて希土類−鉄系磁石原料粉末を前記バインダーと
共に成形して固化するようにしたから、高圧を加えて加
圧成形する際において前記液体バインダーを自己潤滑剤
としても機能させることが可能となるので、従来のよう
に成形時に希土類−鉄系磁石原料粉末の破砕を生じがた
いものとすることが可能となり、微粉末ないしは微細粒
子と粗粉末ないしは粗大粒子との量比率をより適切なも
のとすることが可能となって成形体の密度をさらに高め
ることが可能であると共に、微粉末ないしは微細粒子が
多量に発生した場合のようなキュア処理(硬化処理)時
や電着工程(表面塗装工程)時等での酸化を防止するこ
とが可能となって、希土類ボンド磁石の磁気特性および
耐酸化性をより一層向上させることが可能であり、品質
のより優れた希土類ボンド磁石を製造することが可能で
あるという著しく優れた効果がもたらされる。
造方法では、希土類−鉄系磁石原料粉末をバインダーと
共に成形して固化するに際し、前記バインダーとして室
温での粘度が10〜400ポイズである液体バインダー
を用いて希土類−鉄系磁石原料粉末を前記バインダーと
共に成形して固化するようにしたから、高圧を加えて加
圧成形する際において前記液体バインダーを自己潤滑剤
としても機能させることが可能となるので、従来のよう
に成形時に希土類−鉄系磁石原料粉末の破砕を生じがた
いものとすることが可能となり、微粉末ないしは微細粒
子と粗粉末ないしは粗大粒子との量比率をより適切なも
のとすることが可能となって成形体の密度をさらに高め
ることが可能であると共に、微粉末ないしは微細粒子が
多量に発生した場合のようなキュア処理(硬化処理)時
や電着工程(表面塗装工程)時等での酸化を防止するこ
とが可能となって、希土類ボンド磁石の磁気特性および
耐酸化性をより一層向上させることが可能であり、品質
のより優れた希土類ボンド磁石を製造することが可能で
あるという著しく優れた効果がもたらされる。
【図1】本発明の実施例で得た希土類−鉄系磁石原料粉
末の粒度分布を調べた結果を例示するグラフである。
末の粒度分布を調べた結果を例示するグラフである。
【図2】図1に示した希土類−鉄系磁石原料粉末に室温
での粘度が140ポイズである液体エポキシバインダー
を添加して圧力10ton/cm2で加圧成形した成形
体中の粒子の粒度分布を調べた結果を例示するグラフで
ある。
での粘度が140ポイズである液体エポキシバインダー
を添加して圧力10ton/cm2で加圧成形した成形
体中の粒子の粒度分布を調べた結果を例示するグラフで
ある。
【図3】図1に示した希土類−鉄系磁石原料粉末に固体
エポキシバインダーおよび潤滑剤を添加して圧力10t
on/cm2で加圧成形した成形体中の粒子の粒度分布
を調べた結果を例示するグラフである。
エポキシバインダーおよび潤滑剤を添加して圧力10t
on/cm2で加圧成形した成形体中の粒子の粒度分布
を調べた結果を例示するグラフである。
Claims (6)
- 【請求項1】 希土類−鉄系磁石原料粉末をバインダー
と共に成形して固化してなり、成形体中の希土類磁石原
料粉末粒子の粒度分布において粒径が32μm未満の粒
子の重量比が5%以上60%以下であることを特徴とす
る希土類ボンド磁石。 - 【請求項2】 希土類−鉄系磁石原料粉末が超急冷凝固
粉末である請求項1に記載の希土類ボンド磁石。 - 【請求項3】 希土類−鉄系磁石原料粉末をバインダー
と共に成形して固化するに際し、前記バインダーとして
室温での粘度が10〜400ポイズである液体バインダ
ーを用いて希土類−鉄系磁石原料粉末を前記バインダー
と共に成形して固化することを特徴とする希土類ボンド
磁石の製造方法。 - 【請求項4】 希土類−鉄系磁石原料粉末が超急冷凝固
粉末である請求項3に記載の希土類ボンド磁石の製造方
法。 - 【請求項5】 液体バインダーが液体熱硬化性樹脂であ
る請求項3または4に記載の希土類ボンド磁石の製造方
法。 - 【請求項6】 成形圧力が5〜15ton/cm2であ
る請求項3ないし5のいずれかに記載の希土類ボンド磁
石の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8266290A JPH10112405A (ja) | 1996-10-07 | 1996-10-07 | 希土類ボンド磁石およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8266290A JPH10112405A (ja) | 1996-10-07 | 1996-10-07 | 希土類ボンド磁石およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10112405A true JPH10112405A (ja) | 1998-04-28 |
Family
ID=17428899
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8266290A Pending JPH10112405A (ja) | 1996-10-07 | 1996-10-07 | 希土類ボンド磁石およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10112405A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005033844A (ja) * | 2003-05-15 | 2005-02-03 | Aichi Steel Works Ltd | モータ装置及びその筐体 |
-
1996
- 1996-10-07 JP JP8266290A patent/JPH10112405A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005033844A (ja) * | 2003-05-15 | 2005-02-03 | Aichi Steel Works Ltd | モータ装置及びその筐体 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |