JPH10321120A - 電子銃 - Google Patents

電子銃

Info

Publication number
JPH10321120A
JPH10321120A JP13918997A JP13918997A JPH10321120A JP H10321120 A JPH10321120 A JP H10321120A JP 13918997 A JP13918997 A JP 13918997A JP 13918997 A JP13918997 A JP 13918997A JP H10321120 A JPH10321120 A JP H10321120A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cathode
electron
electron emission
electron gun
emission surface
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP13918997A
Other languages
English (en)
Inventor
Mamoru Nakasuji
護 中筋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nikon Corp filed Critical Nikon Corp
Priority to JP13918997A priority Critical patent/JPH10321120A/ja
Publication of JPH10321120A publication Critical patent/JPH10321120A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electron Sources, Ion Sources (AREA)
  • Solid Thermionic Cathode (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子線縮小転写装置用の電子銃として好適
な、低電流で高エミッタンス・低輝度特性を得ることの
できる電子銃を提供する。 【解決手段】 LaB6 製のカソード3の電子放出面3
aの周辺部に、導電性でかつ該カソードの母材よりも高
仕事関数の物質からなる被膜(カーボン膜4)を設け、
カソード周辺部からの電子線放出をできるだけ抑制し
た。また、電子放出面3aの径をウェーネルト2の孔2
cの径よりも小とし、カソード3の母材の径をウェーネ
ルト孔2cの径より大とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子線縮小転写装
置用の電子銃に適した、低輝度・高エミッタンスのビー
ム特性が要求される電子銃に関する。
【0002】
【従来の技術】電子線描画装置における電子銃を例にと
って従来技術を説明する。図3は、電子線描画装置の一
般的な構成を模式的に示す図である。電子銃22はカソ
ード23、ウェーネルト24及びアノード26から構成
されており、電子銃22から放出された電子ビームは、
アライメントコイル27によりビーム中心が光軸に調節
され、第1アパーチャ28で周辺のボケ部分がカットさ
れ、縮小レンズ系29を経てビーム径が縮小され、対物
レンズ31により描画面32上に集束されて描画する。
なお、図示しない偏向電極が、第2アパーチャ30と描
画面32の間に設けられている。電子銃22のカソード
23として、最近、例えばLaB6 (ランタンヘキサボ
ライド)単結晶が使用されている。
【0003】上記カソード23は、例えば1,200℃
といった高温に加熱されているとともに、10〜100
kVのマイナス電圧が印加されている。アノード26の電
位は通常0Vである。カソード23からは、アノード2
6に向けて電子線が放出される。ウェーネルト24は、
カソード23よりもやや低い(絶対値)マイナス電圧が
印加されており、カソード23からアノード26方向に
向かう電子線を光軸に寄せるような電界を形成する。ア
ノード26の中央部には孔が開いており、カソード23
から出た電子線は、アノード26方向に加速され、アノ
ード26の中央孔を通過して下方に進行する。
【0004】このような、いわゆる一筆書きの描画用の
電子線露光装置では、電子銃としては、高輝度を得るた
めにカソードの先端の電子放出面(部)がとがったもの
が用いられていた。その後、いわゆるセルプロジェクシ
ョン方式の電子線露光装置では、小面積(レチクル上で
一例5×5μm )の投影転写露光が行われるので、次第
に、高エミッタンス特性が得られるよう電子放出面が広
く平坦なもの(一例電子放出面径0.2mm)も開発され
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、電子銃
のカソードの電子放出面が広くなって電子線(ビーム)
の径が大きくなるにつれ、カソードの無駄電流が次第に
問題となってきた。カソードの無駄電流とは、カソード
に供給された電流の内で、転写露光に実際に利用される
高エミッタンスビームとならない部分のことである。例
えば、カソード先端面の電子放出面が円形の場合、加熱
された一部側面含む先端部から電子が放出されるが、こ
のうち高エミッタンスな電子線を形成して転写露光に利
用されうるのは、電子放出面のごく中心部から放出され
る電子線のみである。ただし、セルプロジェクション式
電子線露光装置では、未だにビーム電流が1〜2μA と
小さいので、多少の無駄な電流が流れても問題は重大で
はなかった。
【0006】しかしながら、次世代DRAMの実生産に
対応できる、1ショット当りの転写面積を広げた(レチ
クル上で一例1,000×1,000μm )高スループ
ットの電子線転写露光装置では、20μA 程度のビーム
電流となり、従来に比べて一桁も電流が大きくなる。こ
うなると、電源の負担が過大となるとともに、無駄電流
に起因する発生熱の問題も解決を要する問題となってき
た。
【0007】本発明は、電子線縮小転写装置用の電子銃
として好適な、低電流で高エミッタンス・低輝度特性を
得ることのできる電子銃を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の電子銃は、カソードの電子放出面の周辺部
に、導電性でかつ該カソードの母材よりも高仕事関数の
物質からなる被膜を設けたことを特徴とする。すなわ
ち、高エミッタンスの電子線放出に寄与しえないカソー
ドの部分に高仕事関数の物質を被覆することにより、同
部分からの電子線放出をできるだけ抑制した。この被覆
は導電性なので、カソードの電子放出面と基本的に同じ
電位となり、電子放出面近傍の電場を乱すこともない。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の1態様の電子銃において
は、カソードの母材がLaB6 であり、被膜の物質がC
(炭素)である。また、カソードの電子放出面から放出
される電子線の通過する孔を有するウェーネルトが備え
られており、上記被膜の設けられていない電子放出面の
径がウェーネルトの孔径よりも小であり、カソードの母
材の径はウェーネルトの孔径より大である。
【0010】LaB6 は大抵の金属と高温で反応して結
果的に腐触されるが、カーボンとは反応しない。また、
カーボンはLaB6 より仕事関数がはるかに高いので、
LaB6 が電子放出を行う温度では、電子放出をほとん
ど起こさない。この態様の電子銃においては、カソード
面は電子放出面より大きく、カソードエッジに起因する
等ポテンシャル面の歪みがビーム領域まで及ばないた
め、高エミッタンス特性が得られる。また、カソードエ
ッジあるいはカソード側面からの性質の良くない電子放
出を抑えられるので、電子銃電流が小さくても必要なビ
ーム電流を確保できる。
【0011】本発明においては、カソードの電子放出面
の周辺部に、該カソードの母材と高温で反応しない物質
からなる下地膜を設け、その上に、導電性でかつ上記カ
ソードの母材よりも高仕事関数の物質からなる表面膜を
設けることもできる。ここで、カソードの母材をLaB
6 とし、上記下地膜の物質をセラミックスとし、上記表
面膜の物質を金属とすることもできる。この場合に好適
なセラミックスとしては、スパッタで膜形成したアルミ
ナやSiCを挙げることができる。また、好適な金属と
してはTaやMoの如き高融点金属を挙げることができ
る。
【0012】以下、図面を参照しつつ説明する。図1
は、本発明の1実施例に係る電子線転写装置用の電子銃
の構造を示す側面断面図である。アノード1は、中央に
電子線の通過する孔1aを有し、カソード側の面が球面
1bとなっている。この球面1bは、アノードの出側の
中心点1cを中心とする面である。後述のウェーネルト
2の内凹面2a、2bやカソード3の電子放出面3a
も、同じ点1cを中心とする球面にすることもできる。
このアノード1は、MoやW、ステンレス等の材料で作
製できる。通常、アノードは0V(グラウンドレベル)
である。
【0013】ウェーネルト2は、上部中央が大きくえぐ
られており、その内側壁面2aは、中央に向かって図の
下方(反アノード側)に傾斜している。ウェーネルト底
面2bの中央部には、中心孔2cが開いている。ウェー
ネルト2はアノード1と同様の材料で作製できる。ウェ
ーネルト2には、−100.02kVの負電圧が印加され
ている。
【0014】カソード3は、比較的薄い円板状をしてい
る。このカソード3の母材3bはLaB6 の単結晶であ
る。カソード3の表面には、図の上面(アノード1側の
面)の中央部の電子放出面3aを除いて、カーボン表面
膜4が形成されている。このカーボン表面膜4は、スパ
ッタリングにより成膜されており、厚さは約100nmで
ある。なお、カーボンの仕事関数は5eV程度と、LaB
6 の仕事関数2.4eVよりも2倍以上大きい。
【0015】カソードの電子放出面3aの径は、母材3
bの径の0.2〜0.9以下が好ましい。この例では、
電子放出面3aの径2mm、母材3bの径8mmである。一
方、ウェーネルト2の孔2cの径は、電子放出面3aの
径の1.1〜2以上で、カソード3の外径の0.5〜
0.9が好ましい。この例では、ウェーネルト孔2cの
径は3.5mmである。このようにすることによって、カ
ソード3のエッジ近傍電場における等ポテンシャル面の
歪が、カソード電子放出面3a上からウェーネルトの孔
2cにかけての領域(ビーム領域7)まで及ぶことがな
い。また、電子放出面3の直径はウェーネルト孔径より
小さいので、電子放出面での等ポテンシャル面はカソー
ド面にほぼ平行になり、カソード面からは一様な電子放
出が得られる。
【0016】カソード3は、反電子放出面側からヒータ
ーフィラメント5によって加熱される。同フィラメント
5には、加熱電源6から電力が供給される。
【0017】図2は、本発明の他の1実施例に係る電子
銃の構造を示す側面断面図である。この例では、カソー
ド3′が段付きの丸棒状であり、その上端面(アノード
1側端面)が電子放出面3a′となっている。電子放出
面3aの周囲(端面のエッジ部)及びカソード3′上部
側面は、カーボン表面膜4が施されている。カソード
3′の下部はやや細くなっており、その周囲に、直熱式
のグラファイトヒーター8が接している。このグラファ
イトヒーター8は、Moやステンレス製のカソード支持
部品9によって保持されている。
【0018】なお、カソード3′はウェーネルト孔2c
の中央部に入り込んで、カソード電子放出面3a′は、
ウェーネルト2の底面2b上に突出している。このよう
な構成により、ウェーネルトに負電位が印加された時に
電子放出面3a′近傍の電場がカソード面に平行とな
り、高エミッタンスのビームが得られる利点が期待でき
る。
【0019】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、無駄電流を低減して、低電流で高エミッタン
ス・低輝度の電子銃を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例に係る電子線転写装置用の電
子銃の構造を示す側面断面図である。
【図2】本発明の他の1実施例に係る電子銃の構造を示
す側面断面図である。
【図3】電子線描画装置の一般的な構成を模式的に示す
図である。
【符号の説明】
1 アノード 2 ウェーネルト 3 カソード 4 カーボン表面
膜 5 ヒーターフィラメント 6 加熱電源 7 ビーム領域 8 グラファイト
ヒーター 9 カソード支持部品
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01J 37/073 H01J 37/073

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カソードの電子放出面の周辺部に、導電
    性でかつ該カソードの母材よりも高仕事関数の物質から
    なる被膜を設けたことを特徴とする電子銃。
  2. 【請求項2】 上記カソードの母材がLaB6 であり、
    上記被膜の物質がCであることを特徴とする請求項1記
    載の電子銃。
  3. 【請求項3】 カソードの電子放出面の周辺部に、該カ
    ソードの母材と高温で反応しない物質からなる下地膜を
    設け、その上に、導電性でかつ上記カソードの母材より
    も高仕事関数の物質からなる表面膜を設けたことを特徴
    とする電子銃。
  4. 【請求項4】 上記カソードの母材がLaB6 であり、
    上記下地膜の物質がセラミックスであり、上記表面膜の
    物質が金属であることを特徴とする請求項3記載の電子
    銃。
  5. 【請求項5】 さらに、上記カソードの電子放出面から
    放出される電子線の通過する孔を有するウェーネルトを
    備え、上記膜の設けられていない電子放出面の径が該ウ
    ェーネルトの孔径よりも小であることを特徴とする請求
    項1〜4いずれか1項記載の電子銃。
  6. 【請求項6】 上記カソードの母材の径は上記ウェーネ
    ルトの孔径より大であることを特徴とする請求項5記載
    の電子銃。
  7. 【請求項7】 端面が電子放出面となっている円柱形の
    LaB6 からなるカソードを有し、該カソードの円柱側
    面部分をC膜で被覆したことを特徴とする電子銃。
JP13918997A 1997-05-15 1997-05-15 電子銃 Pending JPH10321120A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13918997A JPH10321120A (ja) 1997-05-15 1997-05-15 電子銃

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13918997A JPH10321120A (ja) 1997-05-15 1997-05-15 電子銃

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10321120A true JPH10321120A (ja) 1998-12-04

Family

ID=15239635

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13918997A Pending JPH10321120A (ja) 1997-05-15 1997-05-15 電子銃

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10321120A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007055154A1 (ja) * 2005-11-08 2007-05-18 Advantest Corporation 電子銃、電子ビーム露光装置及び露光方法
WO2008084537A1 (ja) * 2007-01-11 2008-07-17 Advantest Corporation 電子銃及び電子ビーム露光装置
JP2021061153A (ja) * 2019-10-07 2021-04-15 日本電子株式会社 電子銃、電子顕微鏡、3次元積層造形装置、及び電子銃の電流調整方法

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007055154A1 (ja) * 2005-11-08 2007-05-18 Advantest Corporation 電子銃、電子ビーム露光装置及び露光方法
JPWO2007055154A1 (ja) * 2005-11-08 2009-04-30 株式会社アドバンテスト 電子銃、電子ビーム露光装置及び露光方法
US7919750B2 (en) 2005-11-08 2011-04-05 Advantest Corporation Electron gun, electron beam exposure apparatus, and exposure method
JP5065903B2 (ja) * 2005-11-08 2012-11-07 株式会社アドバンテスト 露光方法
WO2008084537A1 (ja) * 2007-01-11 2008-07-17 Advantest Corporation 電子銃及び電子ビーム露光装置
JPWO2008084537A1 (ja) * 2007-01-11 2010-04-30 株式会社アドバンテスト 電子銃及び電子ビーム露光装置
JP2021061153A (ja) * 2019-10-07 2021-04-15 日本電子株式会社 電子銃、電子顕微鏡、3次元積層造形装置、及び電子銃の電流調整方法
US11398364B2 (en) 2019-10-07 2022-07-26 Jeol Ltd. Electron gun, electron microscope, three-dimensional additive manufacturing apparatus, and method of adjusting current of electron gun

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4528474A (en) Method and apparatus for producing an electron beam from a thermionic cathode
JP2005228741A (ja) 高輝度熱陰極
US5504799A (en) X-ray generation tube for ionizing ambient atmosphere
US6903499B2 (en) Electron gun and a method for using the same
US10903037B2 (en) Charged particle beam device
JP4167917B2 (ja) 電子エミッタを形成する方法
US3864572A (en) Electron beam apparatus comprising a point cathode
JPS585496B2 (ja) 安定な熱電界放出陰極を再生可能に製造する方法
JP7442299B2 (ja) 電子銃、電子放出装置、及び電子銃の製造方法
JP2002523860A (ja) ゲッター材料及びダイヤモンド膜を有する陰極構造体及びその製造方法
US4588928A (en) Electron emission system
US7657003B2 (en) X-ray tube with enhanced small spot cathode and methods for manufacture thereof
JPH10321120A (ja) 電子銃
US5962961A (en) Thermal field emission electron gun
JPS6343859B2 (ja)
US10593505B1 (en) Low temperature, high-brightness, cathode
JPH1074446A (ja) 電子放射陰極
JPH0684451A (ja) 熱電界放射陰極
JPS5960952A (ja) 電子ビ−ム露光装置用電子銃
JPH10223166A (ja) 電子銃
JPS6269424A (ja) 六硼化ランタン熱陰極
JPH0633643Y2 (ja) 電子銃のカソード支持構造
KR20080100158A (ko) 전자총, 전자빔 노광 장치 및 노광 방법
JPS6057651B2 (ja) 熱電子放射陰極
JPH01265437A (ja) 電子ビーム装置