JPH10320709A - 磁気テープ内蔵式記録再生装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本来リムーバルメディアとして使用されてい
た磁気テープを、ハードディスク等と同様に、互換性に
捕われることなく、固定式の記録メディアとして使用す
るようにした最新の磁気テープ内蔵式記録再生装置を提
供するに当って、テープリールの構造の簡素化と、磁気
テープの組込みの簡易性を図ること。 【解決手段】 供給及び巻取リール３、４間に巻き付け
られた磁気テープ５と、その磁気テープ５を走行駆動す
るキャプスタン８と、その磁気テープ５に情報を記録、
再生する回転ヘッドドラム１１等を１つの密封ケース２
内に全て収納したものであって、供給及び巻取リール
３、４の上フランジを省略すると共に、これら一対の上
フランジを１枚の固定上フランジ板で共用したもの。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、コンピュータ（Ｃ
ＰＵ）のデジタル情報を記録、再生するテープストリー
マ、映像情報を記録、再生するテレピション受像機やビ
デオテープレコーダや飛行機における音声情報を記録、
再生するフライトレコーダ等の各種のデータを記録、再
生する各種の情報記憶装置に適用するのに最適な磁気テ
ープ内蔵式記録再生装置であって、磁気テープを固定式
の記録メディアとして使用するようにした最新の技術分
野に属するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来から、テープストリーマやビデオテ
ープレコーダ等の磁気テープを記録メディアとして使用
する記録再生装置では、磁気テープの互換性が必要とさ
れていたために、磁気テープをテープカセット内に収納
し、カセットローディング機構によるテープカセットの
脱着と、テープローディング機構による磁気テープのロ
ーディング及びアンローディングとの複合動作によって
磁気テープの互換性を実現させていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、カセットロー
ディング機構によるテープカセットの脱着やテープロー
ディング機構による磁気テープのローディング及びアン
ローディングを行うためには、大きなスペースが必要と
なることから、テープカセットの大きさが制限され、磁
気テープの長さを長くとれないために、記録面積（記録
容量）が小さくなってしまう。また、カセットローディ
ング機構やテープローディング機構は摩耗部品が多く、
高耐久性に欠けることから、品質や信頼性を下げる要因
となっている。また、テープカセットの脱着や磁気テー
プのローディング及びアンローディングの動作中にテー
プダメージを受け易く、磁気テープの耐久性を下げる要
因となっている。

【０００４】また、テープカセットの脱着の必要性があ
ることから、磁気テープの走行経路を完全密封するよう
な密封構造をとることができず、異物やダスト等の混入
による故障、ヘッドクロッグやスペーシングロス等によ
る記録、再生のミスや特性の劣化等を招き易い。また、
磁気テープの互換性が必要なためにフレキシブルに最新
技術を投入することができない等の問題があった。な
お、固定式の記録メディアとしてハードディスクを挙げ
ることができるが、ハードディスクは投影面積が同一サ
イズの磁気テープと比較すると、記録面積が明らかに劣
っており、記録容量においては、ハードディスクは磁気
テープに比べて不利である。

【０００５】本発明は、上記の問題を解決するためにな
されたものであって、本来リムーバルメディアとして使
用されていた磁気テープを、ハードディスク等と同様
に、互換性に補われることなく、固定式の記録メディア
として使用するようにした最新の磁気テープ内蔵式記録
再生装置を提供するものであるが、その際、特に、磁気
テープの供給及び巻取りを行う一対のテープリールの部
品点数及び組立て工数の削減、磁気テープの組込みの簡
易性等を図ることを目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明の磁気テープ内蔵式記録再生装置は、テープ
リールに巻き付けられた磁気テープと、その磁気テープ
を走行駆動する走行駆動手段と、その磁気テープに情報
を記録、再生する記録再生手段とを少なくとも備え、こ
れら磁気テープ、走行駆動手段及び記録再生手段を１つ
のケース内に全て収納したものであり、しかも、一対の
テープリールをそれぞれリールハブの下端に下リールフ
ランジのみを結合させた片フランジリールに構成し、か
つ、一対のテープリールの上リールフランジを１枚の固
定上フランジ板で共用させたものである。

【０００７】上記のように構成された本発明の磁気テー
プ内蔵式記録再生装置は、磁気テープ、走行駆動手段及
び記録再生手段を１つのケース内に全て収納したので、
磁気テープをハードディスク等と同様に、固定式の記録
メディアとして使用することが可能になった。しかも、
磁気テープの供給及び巻取りを行う一対のテープリール
がそれぞれリールハブの下端に下リールフランジのみを
結合した片フランジリールに構成されていて、これら一
対のテープリールの上リールフランジを１枚の固定上フ
ランジ板で共用させたので、部品点数及び組立て工数の
削減を図ることができる。そして、磁気テープをケース
内に組込む際に、磁気テープを所定のテープ走行路にロ
ーディングした後に、１枚の固定上フランジ板を後から
一対のテープリール上に装着して、磁気テープの上部を
この固定上フランジで押えることができる。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、本発明を適用した磁気テー
プ内蔵式記録再生装置の実施の形態を図を参照して説明
する。

【０００９】「磁気テープ内蔵式記録再生装置の第１の
実施形態」まず、図１〜図４によって、磁気テープ内蔵
式記録再生装置１の第１の実施形態について説明する。
即ち、この磁気テープ内蔵式記録再生装置１には、非磁
性金属であるアルミニウム等の軽金属や耐熱合成樹脂等
によって形成されたケースである密封ケース２が使用さ
れている。そして、この密封ケース２はケース本体２ａ
の上部開口にパッキング２ｂを介して密着されたケース
上蓋２ｃを複数のビス２ｄによってケース本体２ａに固
着することによって密封構造のケースに構成されてい
る。

【００１０】そして、密封ケース２内に一対のテープリ
ールである供給リール３及び巻取リール４に両端が固着
されて巻き付けられた磁気テープ５と、その磁気テープ
５を走行駆動する走行駆動手段を構成する一対のリール
モータである供給リールモータ６及び巻取リールモータ
７、キャプスタン８及びそのキャプスタン８に圧着、離
間自在のピンチローラ１０と、磁気テープ５にデータを
ヘリカルスキャン方式によって記録、再生する記録再生
手段を構成する多チャンネルの回転ヘッドドラム１１
と、磁気テープ５の走行ガイド手段を構成する回転ヘッ
ドドラム１１の両側に配置された一対の傾斜ガイドであ
るテープ入口ガイド１３及びテープ出口ガイド１４、供
給リール３とテープ入口ガイド１３との間及び巻取リー
ル４とテープ出口ガイド１４との間にそれぞれ配置され
た複数のテープ供給側ガイド１５及びテープ巻取側ガイ
ド１６と、走行中の磁気テープ５のテンションをコント
ロールする手段であるテープ供給側及びテープ巻取側テ
ンションレギュレータ１７、１８等が収納されている。

【００１１】そして、密封ケース２のケース本体２ａの
下部には板金等で構成されたシャーシ１９が複数のビス
によって固着されていて、このシャーシ１９にはキャプ
スタン１８や回転ヘッドドラム１１の回転制御、多チャ
ンネルヘッドによる記録、再生の制御、テープテンショ
ンのコントロールや各種の信号処理を行うためのメイン
回路基板２０が水平（密封ケースと平行であること）に
ビス止めされている。そして、このメイン回路基板２０
の端部には複数のインターフェース２１が取り付けられ
ている。なお、供給リール３及び巻取リール４は供給リ
ールモータ６及び巻取リールモータ７のスピンドル６
ａ、７ａにそれぞれ直結されていて、これら供給リール
３及び巻取リール４は供給リールモータ６及び巻取リー
ルモータ７によって吊下げられた構造に構成されてい
る。従って、密封ケース２内の上層位置に隔壁を構成し
ているモータ取付板兼用のモータ回路基板（板金に絶縁
層を介してプリント配線を施した基板）２２が水平に架
設されていて、そのモータ回路基板２２に供給リールモ
ータ６及び巻取リールモータ７が取り付けられている。
そして、このモータ回路基板２２がフレキシブルプリン
ト基板等によって密封ケース２の密封性を損なうことな
くメイン回路基板１８に接続されている。なお、キャプ
スタン８及び回転ヘッドドラム１１はキャプスタンモー
タ９及びドラムモータ１２に直結されているが、ドラム
モータ１２によってキャプスタン８を兼用して回転駆動
することも可能である。

【００１２】そして、この磁気テープ内蔵式記録再生装
置１は各種サイズを採用することが可能であるが、コン
ピュータ業界における３．５インチ・スタンダード・ハ
イト・サイズを考慮した場合には、例えば、磁気テープ
５の幅を８ｍｍに設定し、磁気テープ内蔵式記録再生装
置１全体のサイズは、幅Ｗ＝１０１．６ｍｍ、高さＨ＝
４．２ｍｍ、奥行きＤ＝１４６ｍｍ等に設定することが
可能である。そして、このサイズに設定した場合には、
ハードディスクに比べて磁気テープ５の記録面積（記録
容量）を大幅に増大することが可能となり、極めて長時
間の情報記録を行うことができる。

【００１３】そして、この磁気テープ内蔵式記録再生装
置１は、後述するように、コンピュータ用のテープスト
リーマ、テンビジョン受像機やビデオテープレコーダ、
或いは飛行機用のフライトレコーダ等としてこれらのコ
ンピュータ、テレビジョン受像機や飛行機等の各種の情
報記憶装置に内蔵されて使用されるが、その際、この磁
気テープ内蔵式記録再生装置１はシャーシ１９の側面及
び下面に形成されている複数のネジ止め用穴（ネジ立て
された穴）１９ａを利用してネジ止めされ、インターフ
ェース２１によって所定の回路に接続される。従って、
この磁気テープ内蔵式記録再生装置１は、本来リムーバ
ルメディアとして使用されていた磁気テープ５を、ハー
ドディスク等と同様に、互換性に捕われることなく、固
定式の記録メディアとして使用するようにしたものであ
り、カセットローディング機構やテープローディング機
構等を省略することができる上に、磁気テープ５を密封
ケース２に内蔵しているので、防塵性も非常に高いもの
となっている。また、メイン回路基板２０は密封ケース
２内に配置することも可能であるが、図２〜図４のよう
に、メイン回路基板２０を密封ケース２の外部に配置す
ることによって、メイン回路基板２０にマウントされて
いるＬＳＩ等の発熱部品を磁気テープ５や回転ヘッドド
ラム１１等から隔絶することができて、熱影響による磁
気テープ５の劣化や回転ヘッドのヘッドクロッグ等を未
然に防止することができる。そして、供給リールモータ
６及び巻取リールモータ７に直結された供給リール３及
び巻取リール４によって固定式の記録メディアである磁
気テープ５を走行駆動するので、例えば磁気テープの高
速走行から減速するタイミング等、テープ速度のコント
ロールを高精度に、かつ、容易に行える。

【００１４】そして、デジタル情報、映像情報、音声情
報等の各種のデータの記録、再生時には、磁気テープ５
をピンチローラ１０によってキャプスタン８に圧着し
て、そのキャプスタン８によって磁気テープ５を定速走
行させながら、一対のテンションレギュレータ１７、１
８との共働作用によって供給リールモータ６及び巻取リ
ールモータ７で供給リール３及び巻取リール４を回転制
御することによって、磁気テープ５を定テンションで供
給リール３から繰り出し、かつ、巻取リール４で巻き取
るように走行させて、多チャンネルの回転ヘッドドラム
１１によって各種の情報を磁気テープ５にヘリカルスキ
ャン方式で多重に記録し、再生することになる。この
際、供給リールモータ６及び巻取リールモータ７の回転
制御のみによって磁気テープ５を定テンションで定速走
行するように構成して、キャプスタン８及びピンチロー
ラ１０を省略することができる。また、記録再生手段で
ある回転ヘッドドラム１１は、多チャンネルの固定ヘッ
ドに置換することが可能である。更に、磁気テープ５の
早送りや巻戻し等の高速走行時に、多チャンネルの回転
ヘッドドラム１１や固定ヘッドに対する磁気テープ５の
テンションを下げる必要が生じる場合には、テープ入口
ガイド１３及びテープ出口ガイド１４やこれらの両側の
テープ供給側ガイド１５及びテープ巻取側ガイド１６を
適宜移動させることが可能である。

【００１５】「磁気テープ内蔵式記録再生装置の第２の
実施形態」次に、図８及び図９は磁気テープ内蔵式記録
再生装置１の第２の実施形態を示したものであって、こ
の場合は、供給リールモータ６、巻取リールモータ７、
キャプスタンモータ９、ドラムモータ１２、メイン回路
基板２０及びモータ回路基板２２等の発熱部品の全てを
密封ケース２の外部に配置して、これらの発熱部品６、
７、９、１２、２０及び２２等の熱影響による磁気テー
プ５の劣化や回転ヘッドドラム１１の回転ヘッドのヘッ
ドクロッグ等をより一層防止できるように構成したもの
である。

【００１６】「磁気テープ内蔵式記録再生装置の第３の
実施形態」次に、図１０は磁気テープ内蔵式記録再生装
置１の第３の実施形態を示したものであって、この場合
は、１つの密封ケース２内に隔壁２５によって上下に２
分割された２つの密封室２６を構成し、供給リール３及
び巻取リール４、磁気テープ５、供給リールモータ６及
び巻取リールモータ７、キャプスタン８、ピンチローラ
１０、回転ヘッドドラム１１、テープ入口ガイド１３及
びテープ出口ガイド１４、テープ供給側ガイド１５及び
テープ巻取側ガイド１６、一対のテンションレギュレー
タ１７、１８等の磁気テープ５の走行駆動手段、記録再
生手段、走行ガイド手段、テンションコントロール手段
等を２つの密封室２６内にそれぞれ収納させて、実質的
に２つの磁気テープ内蔵式記録再生装置１を密封ケース
２内に上下２段に組み込んだものである。従って、この
磁気テープ内蔵式記録再生装置１によれば、２つの磁気
テープ内蔵式記録再生装置１のうちの一方でデータの記
録を行いながら、他方でデータの再生が可能であり、高
速アクセス、高転送レートの磁気テープ内蔵式記録再生
装置１を構成することができる上に、磁気テープ５の記
録面積（記録容量）を２倍に増大することができる。な
お、この際、磁気テープ内蔵式記録再生装置１を１つの
密封ケース２内に上下３段以上に収納することも可能で
ある。

【００１７】「磁気テープ内蔵式記録再生装置の第４の
実施形態」次に、図１１は磁気テープ内蔵式記録再生装
置１の第４の実施形態を示したものであって、供給リー
ル３及び巻取リール４、磁気テープ５、供給リールモー
タ６及び巻取リールモータ７、キャプスタン８、キャプ
スタンモータ９、ピンチローラ１０、回転ヘッドドラム
１１、ドラムモータ１１、テープ入口ガイド１３及びテ
ープ出口ガイド１４、複数のテープ供給側ガイド１５及
びテープ巻取側ガイド１６、一対のテンションレギュレ
ータ１７、１８、メイン回路基板２０及びモータ回路基
板２２等の全てを密封ケース２内に収納し、メイン回路
基板２０のインターフェース２１のみを密封ケース２外
に露出させたものである。なお、この場合は、１つの密
封ケース２の内部を隔壁２５によって第１の収納エリア
３０と第２の収納エリア３１とに上下に分離し、供給リ
ール３及び巻取リール４、磁気テープ５、キャプスタン
８、ピンチローラ１０、回転ヘッドドラム１１、テープ
入口ガイド１３及びテープ出口ガイド１４、テープ供給
側ガイド１５及びテープ巻取側ガイド１６、一対のテン
ションレギュレータ１７、１８等を第１の収納エリア３
０内に収納し、供給リールモータ６及び巻取リールモー
タ７、キャプスタンモータ９、ドラムモータ１２、メイ
ン回路基板２０等の発熱部品を第２の収納エリア３１内
に収納したものである。従って、この場合は、磁気テー
プ内蔵式記録再生装置１の構成部品の全てを１つの密封
ケース２で覆っており、インターフェース２１のみがそ
の密封ケース２外に露出されているので、後述するコン
ピュータ、テレビジョン受像機やビデオテープレコーダ
或いはフライトレコーダ等の各種の情報記憶装置に対し
てこの磁気テープ内蔵式記録再生装置１を脱着可能に装
着することができて、この磁気テープ内蔵式記録再生装
置１にリムーバルメディアとしての互換性を備えること
ができる。また、隔壁２５は収納エリア３１内の発熱部
品から発生する熱を第１の収納エリア３０内に対して隔
絶しているので、磁気テープ５の劣化や回転ヘッドのヘ
ッドクロッグ等を極力防止することができる。

【００１８】「磁気テープ内蔵式記録再生装置の第５の
実施形態」次に、図１２は磁気テープ内蔵式記録再生装
置１の第５の実施形態を示したものであって、この場合
は、一対のリールモータである供給及び巻取リールモー
タ６、７と一対のテープリールである供給及び巻取リー
ル３、４を直結したテープリール装置を示したものであ
り、モータ回路基板２２に固着された軸受４１によって
ロータ４２の中心のスピンドル６ａ、７ａの上端側を回
転自在に支持し、そのロータ４２の上面の外周に固着し
た環状のロータマグネット４３とモータ回路基板２２の
下面に環状にマウントした複数のステータコイル４４と
によって吊下げ方式の供給及び巻取リールモータ６、７
を構成している。そして、これら供給及び巻取リールモ
ータ６、７のスピンドル６ａ、７ａの下端に供給及び巻
取リール３、４を脱着可能に直結して、これら供給及び
巻取リールモータ６、７によって供給及び巻取リール
３、４を直接回転駆動することができるように構成され
ている。

【００１９】即ち、この図１２に示す磁気テープ内蔵式
記録再生装置１の第５の実施形態では、供給及び巻取リ
ールモータ６、７のスピンドル６ａ、７ａの下端を供給
及び巻取リール３、４のリールハブ７１の中心に形成し
た中心穴４８に上方から抜き差し自在に挿入し、これら
のスピンドル６ａ、７ａの外周で、リールハブ７１の上
端上に接着等にて固着した脱着可能結合手段であるマグ
ネット４９によって供給及び巻取リール３、４を供給及
び巻取リールモータ６、７のロータ４２の下面に吸着さ
せることによって、これら供給及び巻取リールモータ
６、７のスピンドル６ａ、７ａの下端に供給及び巻取リ
ール３、４を脱着可能に直結したものである。なお、リ
ールハブ４８の下端の中央に一体成形したピボット（中
央突起）５０を密封ケース２に形成した軸受５１で支持
するようにして、供給及び巻取リールモータ６、７及び
供給及び巻取リール３、４の上下両端を２点支持させる
ことにより、これら供給及び巻取リールモータ及び供給
及び巻取リール３、４を安定して回転駆動できるように
構成することもできる。なお、ピボット４８をバネ等で
下方から突き上げるようにして回転自在に支持すること
もできる。

【００２０】「磁気テープ内蔵式記録再生装置の第６の
実施形態」次に、図１３は磁気テープ内蔵式記録再生装
置１の第６の実施形態を示したものであって、この場合
は、密封ケース２に植立された固定のリール支軸５２の
外周に供給及び巻取リール３、４を軸受５３を介して上
方から抜き差し自在に挿入して回転自在に支持し、供給
及び巻取リールモータ６、７のスピンドル６ａ、７ａの
下端と供給及び巻取リール３、４のリールハブ７１の上
端の中央との間を脱着可能な結合手段であるトルク伝達
用の係合部５４によって脱着可能に直結して、供給及び
巻取リールモータ６、７で係合部５４を介して供給及び
巻取リール３、４を直接回転駆動するように構成したも
のである。

【００２１】「磁気テープ内蔵式記録再生装置の第７の
実施形態」次に、図１４は磁気テープ内蔵式記録再生装
置１の第７の実施形態を示したものであって、この場合
は、密封ケース２とモータ回路基板２２との間に固定軸
５５を取り付け、その固定軸５５の上端側と下端側との
外周に供給及び巻取リールモータ６、７のロータ４２と
供給及び巻取リール３、４とをそれぞれ軸受５６、５７
を介して上方から順次抜き差し自在に挿入して回転自在
に取り付け、スピンドル６ａ、７ａの外周で、ロータ４
２と供給及び巻取リール３、４のリールハブ７１とを結
合手段である係合爪等のトルク伝達用の係合部５８によ
って脱着可能に直結したものである。

【００２２】「磁気テープ内蔵式記録再生装置の第８の
実施形態」次に、図１５は磁気テープ内蔵式記録再生装
置１の第８の実施形態を示したものであり、この場合、
モニターテレビ６０を備えたパーソナルコンピュータや
各種制御用コンピュータ等のコンピュータ６１の内部に
高アクセス性を有する記録再生装置であるハードディス
クを用いるハードディスク装置６２やＭＤやＭＯ等を用
いる各種ディスク装置６３等の各種情報記憶装置と共に
磁気テープ内蔵式記録再生装置１を内蔵して、この磁気
テープ内蔵式記録再生装置１をハードディスク装置６２
等のバックアップ用の情報記憶装置やハードディスク装
置６２等と併用して使用するテープストリーマの実施形
態を示したものである。この場合、図１〜図４に示した
シャーシ１９の複数のネジ止め用穴１９ａを利用したネ
ジ止め方式によって磁気テープ内蔵式記録再生装置１を
コンピュータ６１の内部に固定して用いる固定方式の使
用と、図１１に示した脱着方式の磁気テープ内蔵式記録
再生装置１を用いて、この磁気テープ内蔵式記録再生装
置１をコンピュータ６１に対して脱着可能に装着する脱
着方式の使用との両方を採用できる。また、この場合、
コンピュータ６１を載置するパソコンディスク６４の脇
等に設置される制御ボックス６５の内部に磁気テープ内
蔵式記録再生装置１を１個〜複数個内蔵して、コンピュ
ータ６１の周辺機器として使用することもできる。なお
この場合も、磁気テープ内蔵式記録再生装置１を制御ボ
ックス６５に対して固定式と脱着方式の両方を採用でき
る。そして、このように、磁気テープ内蔵式記録再生装
置１をハードディスク装置６２等のバックアップ用の情
報処理装置やハードディスク装置６２等と併用して使用
することにより、極めて大容量の情報保存が可能なコン
ピュータ６１を実現できる。

【００２３】「磁気テープ内蔵式記録再生装置の第９の
実施形態」次に、図１６は磁気テープ内蔵式記録再生装
置１の第９の実施形態を示したものであって、この場合
は、磁気テープ内蔵式記録再生装置１をテレビジョン受
像機６６やビデオテープレコーダ６７の内部に内蔵して
使用するヘリカルスキャン方式の磁気記録再生装置の実
施形態を示したものであり、この場合も、磁気テープ内
蔵式記録再生装置１をテレビジョン受像機６６やビデオ
テープレコーダ６７内に固定式や脱着方式で装着するこ
とができる。また、従来のカセット脱着式記録再生装置
６８と併用することもできる。このように、磁気テープ
内蔵式記録再生装置１をテレビジョン受像機６７やビデ
オテープレコーダ６７に内蔵させることによって、大容
量の記録が可能となるので、従来のビデオテープレコー
ダのように時間（番組）を指定して予約録画しなくて
も、時間（番組）を指定せずに、全時間で、全番組を自
動録画しておき、後から見たい番組を選択して再生する
といった「過去録画機能」を実現することができる。

【００２４】「磁気テープ内蔵式記録再生装置のリール
装置の実施形態」次に、図１２〜図１４によって、磁気
テープ内蔵式記録再生装置のリール装置の実施形態につ
いて説明する。即ち、本発明では、一対のテープリール
である供給及び巻取リール３、４は、円筒状のリールハ
ブ７１と、そのリールハブ７１の下端に水平に結合した
円板状の下リールフランジ７２とを合成樹脂等によって
一体成形したものであり、上リールフランジが省略され
た片フランジリールに構成されている。そして、磁気テ
ープ５の両端がこれら供給及び巻取リール３、４のリー
ルハブ７１の外周に巻き取られて、下リールフランジ７
２上に水平に載置されるように構成されている。

【００２５】「磁気テープ内蔵式記録再生装置の固定上
フランジ板の第１の実施形態」次に、図１〜図５によっ
て、磁気テープ内蔵式記録再生装置１の固定上フランジ
板の第１の実施形態について説明する。即ち、本発明で
は、供給及び巻取リール３、４の一対の上リールフラン
ジを単一部品である１枚の固定上フランジ板７４によっ
て共用するように構成したものであり、この１枚の固定
上フランジ板７４には、左右一対の上リールフランジ相
当部７４ａと、回転ヘッドドラム１１の左右両側部まで
延長された左右一対の磁気テープ押え部７４ｂとが一体
成形されている。そして、この固定上フランジ板７４は
合成樹脂や非磁性金属等によって構成されている。な
お、固定上フランジ板７４には必要に応じて、左右一対
の上リールフランジ相当部７２ａの中央に開口７５が形
成されている。

【００２６】そして、磁気テープ５を密封ケース２内に
組み込む際には、まず、図５の（Ａ）に示すように、ケ
ース本体２ａ内のローディング手段を構成しているテー
プ入口及びテープ出口ガイド１３、１４を互いに近接さ
れたローディング開始位置まで矢印ａ方向に移動した状
態で、供給及び巻取リール３、４によって磁気テープ５
をケース本体２ａ内に上方から水平に装着して、これら
供給及び巻取リール３、４間に掛け渡されている磁気テ
ープ５をテープ入口及びテープ出口ガイド１３、１４の
回転ヘッドドラム１１側の狭いスペースＳに掛け渡す。
この際、供給及び巻取リール３、４は、上リールフラン
ジがなく、磁気テープ５を上方が完全開放されているの
で、磁気テープ５を上方から直視しながら、磁気テープ
５をテープ入口及びテープ出口ガイド１３、１４の回転
ヘッドドラム１１側の狭いスペースＳ内に極めて容易
に、かつ、安全に掛け渡すことができるので、その際
に、磁気テープ５の下エッジをテープ入口及びテープ出
口ガイド１３、１４上に不用意に衝突して、テープダメ
ージを与える危険が極めて少ない。

【００２７】次に、図５の（Ｂ）に示すように、テープ
入口及びテープ出口ガイド１３、１４を回転ヘッドドラ
ム１１の左右両側のローディング終了位置まで矢印ｂ方
向に移動して、磁気テープ５を供給リール３から引き出
しながら、図１に示したテープ走行位置である回転ヘッ
ドドラム１１の左右両側である磁気テープ５の供給側走
行路ＳＲ、巻取側走行路ＴＲ及び回転ヘッドドラム１１
の外周にヘリカル状で、ほぼＭ型にローディングして、
この磁気テープ５を複数のテープ供給側及びテープ巻取
側ガイド１５、１６、テンションレギュレータ１７、１
８及びキャプスタン８等に掛け渡す。この際、そのロー
ディング途中で、磁気テープ５がテープ入口及びテープ
出口ガイド１３、１４の上方に不用意にすべり上るよう
なことがあっても、供給及び巻取リール３、４には上リ
ールフランジがなく、これらの上方が完全開放されてい
るので、その磁気テープ５の上エッジが上リールフラン
ジに不用意に押し付けられてテープダメージが与えられ
る危険もない。従って、密封ケース２内への磁気テープ
５の組込み作業を極めて容易に、かつ、安全に行うこと
ができる。

【００２８】以上により、ケース本体２ａ内への磁気テ
ープ５の組込み作業が終了する。そこで、この後に、１
枚の固定上フランジ板７４、供給及び巻取リールモータ
６、７の順にこれらをケース本体２ａ内に上方から水平
に装着して、固定上フランジ板７４の左右一対の開口７
５を通して供給及び巻取リールモータ６、７を図１２〜
図１４に示した結合方法によって供給及び巻取リール
３、４に上方から直結すると共に、固定上フランジ板７
４の左右一対の上リールフランジ相当部７４ａを供給及
び巻取リール３、４に巻き取られている磁気テープ５の
上部に水平に配置し、左右一対の磁気テープ押え部７４
ｂを磁気テープ５の供給側及び巻取側走行路ＳＲ、ＴＲ
上に水平に配置して、この固定上フランジ板７４をケー
ス本体２ａ内に水平に固定する。そして、最後に、ケー
ス本体２ａの上部にケース上蓋２ｃをパッキング２ｂを
介してビス止めして、ケース本体２ａの上部開口を密封
する。

【００２９】なお、この際、図１〜図３に示すように、
固定上フランジ板７４をモータ回路基板２２の下部に複
数のスペーサ７６及びビス７７等によって予め平行に吊
り下げておき、その固定上フランジ板７４をモータ回路
基板２２と一緒にケース本体２ａ内に装着して、モータ
回路基板２２をケース本体２ａ内に複数のビス７８によ
って水平に固定することによって、その固定上フランジ
板７４をケース本体２ａ内に簡単に固定することができ
る。しかし、この固定上フランジ板７４をケース本体２
ａ内に単独で水平に固定することも可能である。そし
て、この固定上フランジ板７４をモータ回路基板２２や
ケース本体２ａ内に固定する方法としては、上記のビス
止め方法の他、各種係止爪や係止具による脱着可能な係
止方法、接着、熱溶着や超音波溶着等の固定方法等を用
いることができる。

【００３０】そして、このようにして、固定上フランジ
板７４を片フランジリールに構成されている供給及び巻
取リール３、４の上部に水平に装着したことによって、
これら供給及び巻取リール３、４のリールハブ７１の外
周に巻き取られて、下リールフランジ７２上に水平に載
置されている磁気テープ５の上部をこの固定上フランジ
板７４の左右一対の上リールフランジ相当部７４ａによ
って規制することができるので、これら供給及び巻取リ
ール３、４の下リールフランジ７２上で磁気テープ５が
不規則に浮き上るような、段巻きと称される巻き乱れ等
が発生することを未然に防止することができる。従っ
て、磁気テープ５を供給及び巻取リール３、４に常に整
然と交互に巻き取ることができて、磁気テープ５の走行
を安定させ、データの記録、再生の特性を向上させるこ
とができる。また、固定上フランジ板７４の左右一対の
上リールフランジ相当部７４ａ及び磁気テープ押え部７
４ｂは、密封ケース２を上下逆向きに反転したような場
合に、磁気テープ５が供給及び巻取リール３、４から不
用意に脱落したり、磁気テープ５が供給側及び巻取側走
行路ＳＲ、ＴＲから不用意に脱落することを未然に防止
する機能があり、高い安全性を確保できる。

【００３１】そして、１枚の固定上フランジ板７４の左
右一対の上リールフランジ相当部７４ａは供給及び巻取
リール３、４の一対の上リールフランジを共用してお
り、しかも、この固定上フランジ板７４には左右一対の
磁気テープ押え部７４ｂも一体成形されているので、こ
の１枚の固定上フランジ板７４は左右一対の上リールフ
ランジ及び左右一対の磁気テープ押え部の４つの部品を
兼用する単一部品に構成されている。従って、この磁気
テープ内蔵式記録再生装置の部品点数及び組立て工数を
大幅に削減することができて、低コスト化並びに部品点
数の削減による小型、軽量化を図ることができる。

【００３２】なお、図６に示すように、上下リールフラ
ンジ７２、７３を有する供給及び巻取リール３、４を用
いた場合には、磁気テープ５を密封ケース２内に組込む
際に著しい不便を来すことになる。即ち、まず、図６の
（Ａ）に示すように、供給及び巻取リール３、４によっ
て磁気テープ５をケース本体２ａ内に上方から水平に挿
入して、磁気テープ５をローディング開始位置のテープ
入口及びテープ出口ガイド１３、１４の回転ヘッドドラ
ム１１側の狭いスペースＳに掛け渡す際には、供給及び
巻取リール３、４の一対の上リールフランジ７３が妨げ
となって、テープ入口及びテープ出口ガイド１３、１４
を直視しにくく、磁気テープ５を上記狭いスペースＳに
掛け渡しにくい。しかも、この際、磁気テープ５の下エ
ッジをテープ入口及びテープ出口ガイド１３、１４上に
不用意に衝突させるようなことがあると、一対の上リー
ルフランジ７３との間で磁気テープ５が上下から簡単に
押し潰されて、大きなテープダメージを与えてしまい易
い。また、図６の（Ｂ）に示すように、テープ入口及び
テープ出口ガイド１３、１４によって磁気テープ５を供
給リール３から矢印ｂ方向に引き出して、回転ヘッドド
ラム１１の外周にほぼＭ型にローディングする際、その
ローディング途中で、磁気テープ５がテープ入口及びテ
ープ出口ガイド１３、１４の上方に不用意にすべり上る
ようなことがあると、その磁気テープ５の上エッジが一
対の上リールフランジ７３に下方から強く押し付けられ
て、大きなテープダメージを与えてしまう。

【００３３】しかし、本発明では、密封ケース２内に磁
気テープ５を組込む際に、前述したように、固定上フラ
ンジ板７４を外して供給及び巻取リール３、４の上方を
完全開放させた状態で、その磁気テープ５の組込み作業
を行い、その作業終了後に、固定上フランジ板７４を取
り付けるようにしたので、密封ケース２内への磁気テー
プ５の組込み作業を極めて容易に行え、その際、テープ
ダメージを与えにくく、磁気テープ５の組込み作業を極
めて安全に行えるものである。

【００３４】「磁気テープ内蔵式記録再生装置の固定上
フランジ板の第２の実施形態」次に、図７は磁気テープ
内蔵式記録再生装置１の固定上フランジ板７４の第２の
実施形態を示したものであって、この場合は、左右一対
の磁気テープ押え部７４ｂを省略して、この１枚の固定
上フランジ板７４を左右一対の上リールフランジ相当部
７４ａのみによって構成した簡単な構造を示したもので
あり、この固定上フランジ板７４の密封ケース２内への
取り付けは、前述した固定上フランジ板の第１の実施形
態と同様に行われる。

【００３５】「磁気テープ内蔵式記録再生装置の固定上
フランジ板の第３の実施形態」次に、図８、図９及び図
１１は、磁気テープ内蔵式記録再生装置１の固定上フラ
ンジ板７４の第３の実施形態を示したものであって、こ
の場合は、まず、片フランジリールに構成されていて、
上方が開放されている供給及び巻取リール３、４が密封
ケース２内に上向きで水平に収納されていて、供給及び
巻取リールモータ６、７がこれら供給及び巻取リール
３、４の下部に直結されている。次に、固定上フランジ
板７４が密封ケース２の防塵用蓋であるケース上蓋２ｃ
によって共用されていて、このケース上蓋２ｃの下面側
に左右一対の上リールフランジ相当部７４ａと磁気テー
プ押え部７４ｂが一体成形されている。なお、このケー
ス上蓋２ｃには回転ヘッドドラム１１に対する逃げ用凹
部７９が一体成形されている。

【００３６】そして、磁気テープ５を供給及び巻取リー
ル３、４によって密封ケース２ａ内に前述したように上
方から収納してテープ走行路にローディング完了した後
に、ケース上蓋２ｃをパッキング２を介してケース本体
２ａの上部にビス止め等して、そのケース上蓋２ｃでケ
ース本体２ａの上部開口を閉塞し、密封ケース１を組み
立てる。すると、このケース上蓋２ｃの左右一対の上リ
ールフランジ相当部７４ａ及び磁気テープ押え部７４ｂ
が、供給及び巻取リール３、４のリールハブ７１の外周
に巻き取られて下リールフランジ７２上に水平に載置さ
れている磁気テープ５の上部と、磁気テープ５の供給側
及び巻取側走行路の上部に水平に装着されることにな
る。

【００３７】従って、この固定上フランジ板７４の第３
の実施形態は、前述した固定上フランジ板７４の第１、
第２の実施形態と同等の効果を奏することができるが、
特に、この第３の実施形態では、密封ケース２の防塵用
蓋体を構成しているケース上蓋２ｃによって固定上フラ
ンジ板７４を共用しているので、第１、第２の実施形態
に示した固定上フランジ板７４自体も省略することがで
きて、部品点数及び組立て工数をより一層削減すること
ができ、より一層の低コスト化、小型、軽量化を図るこ
とができる。しかも、磁気テープ５を供給及び巻取リー
ル３、４によってケース本体２ａ内に上方から収納して
テープ走行路にローディング完了した後、ケース上蓋２
ｃをパッキング２ｂを介してケース本体２ａの上部にビ
ス止め等するだけで良いので、密封ケース２内への磁気
テープ５及び固定上フランジ板の組込み作業を極めて簡
単に行うことができる。

【００３８】「磁気テープ内蔵式記録再生装置の固定上
フランジ板の第４の実施形態」次に、図１０は磁気テー
プ内蔵式記録再生装置１の固定上フランジ板７４の第４
の実施形態を示したものであって、この場合は、１つの
密封ケース２内に隔壁２５によって上下に２分割された
２つの密封室２６を構成し、供給リール３及び巻取リー
ル４、磁気テープ５、供給リールモータ６及び巻取リー
ルモータ７、キャプスタン８、ピンチローラ１０、回転
ヘッドドラム１１、テープ入口ガイド１３及びテープ出
口ガイド１４、テープ供給側ガイド１５及びテープ巻取
側ガイド１６、一対のテンションレギュレータ１７、１
８等の磁気テープ５の走行駆動手段、記録再生手段、走
行ガイド手段、テンションコントロール手段等を２つの
密封室２６内にそれぞれ収納させて、実質的に２つの磁
気テープ内蔵式記録再生装置１を密封ケース２内に上下
２段に組み込んだものであり、上下２段の供給及び巻取
リール３、４の上部に上下２段の固定上フランジ板７４
を水平に装着したものである。そして、この固定上フラ
ンジ板７４の第４の実施形態でも、第１〜第３の実施形
態と同等の効果を奏することができる。

【００３９】以上、本発明の実施の形態に付き説明した
が、本発明は上記した実施の形態に限定されることな
く、本発明の技術的思想に基づいて各種の変更が可能で
ある。例えば、本発明はコンピュータのデジタル情報を
記録、再生するテープストリーマ、テレビジョン受像機
の映像情報を記録、再生するビデオテープレコーダや飛
行機における音声情報等を記録、再生するフライトレコ
ーダその他の各種のデータを記録、再生する記録再生装
置に使用することが可能である。

【００４０】

【発明の効果】以上のように構成された本発明の磁気テ
ープ内蔵式記録再生装置は、次のような効果を奏する。

【００４１】請求項１は、磁気テープ、走行駆動手段及
び記録再生手段を１つのケース内に全て収納して、磁気
テープをハードディスク等と同様に、固定式の記録メデ
ィアとして使用することを可能にしたので、従来のよう
にテープカセットを脱着していたものと異なり、磁気テ
ープの長さを著しく長くすることが可能であり、記録面
積（記録容量）の大幅な増大によって大容量の記録再生
装置を実現することができる。また、テープカセットの
脱着や磁気テープのローディング及びアンローディング
の必要性がなくなることから、テープダメージを殆んど
受けず、磁気テープの寿命を大幅に増大することができ
て、例えば、１５万シャトルの使用にも耐え得る等、極
めて長日月に亘る高耐久の記録再生装置を実現すること
ができる。また、磁気テープ、走行駆動手段及び記録再
生手段をケース内に収納したことによって、異物やダス
ト等の混入による故障、ヘッドクロッグやスペーシング
ロス等による記録、再生のミスや特性の劣化を未然に防
止することができて、高精度、高性能の記録再生装置を
実現できる。

【００４２】請求項１は、磁気テープの供給及び巻取り
を行う一対のテープリールがそれぞれリールハブの下端
に下リールフランジのみを結合した片フランジリールに
構成されていて、これら一対のテープリールの上リール
フランジを１枚の固定上フランジ板で共用させたので、
部品点数及び組立て工数の削減を図ることができて、磁
気テープ内蔵式記録再生装置の低コスト化、小型、軽量
化を促進することができる。そして、磁気テープをケー
ス内に組込む際に、磁気テープを所定のテープ走行路に
ローディングした後に、１枚の固定上フランジ板を後か
ら一対のテープリール上に装着して、磁気テープの上部
をこの固定上フランジ板で押えることができるようにし
たので、磁気テープをケース内に組込む際に、その磁気
テープをケース内の狭いスペース内にてローディング手
段に容易に、かつ、安全に引っ掛け易い。また、その際
に、磁気テープをローディング手段と上リールフランジ
との間で上下から不用意に押し潰して大きなテープダメ
ージを与えてしまうような危険もないので、磁気テープ
をケース内に容易に、かつ、安全に組み込むことができ
て、磁気テープ内蔵式記録再生装置の生産性が高い。そ
れでいて、磁気テープ内蔵式記録再生装置の組立て完了
後においては、上下フランジリールを用いたものと同様
に供給及び巻取リールの下リールフランジと固定上フラ
ンジ板との間で磁気テープを上方からしっかり挟み込む
ことができるので、供給及び巻取リールに交互に巻き取
られる磁気テープに段巻きと称される巻き乱れ等が発生
せず、磁気テープを供給及び巻取リールに整然と巻き取
ることができて、磁気テープの走行を安定させ、データ
の記録、再生の特性を向上させることができる。また、
磁気テープ内蔵式記録再生装置の組立て完了後に、この
磁気テープ内蔵式記録再生装置を上下逆向きに反転させ
た場合にも、固定上フランジ板は供給及び巻取リールか
らの磁気テープの脱落等を未然に防止するので、安全性
が非常に高い。

【００４３】請求項２は、１枚の固定上フランジ板に磁
気テープの走行路に沿って延長された磁気テープ押え部
を一体に形成したので、より一層の部品点数及び組立て
工数の削減を図ることができる上に、磁気テープが走行
経路から不用意に脱落すること等を未然に防止すること
ができて、高い安全性を確保できる。

【００４４】請求項３は、一対のテープリールの上フラ
ンジを磁気テープ内蔵式記録再生装置のケースの上部を
閉塞する上蓋で共用させたので、請求項１の効果に加え
て、更に、部品点数及び組立て工数の削減を図ることが
できて、磁気テープ内蔵式記録再生装置のより一層の低
コスト化、小型、軽量化を促進することができる。しか
も、磁気テープを供給及び巻取リールによってケース内
に上方から組込んだ後に、ケースにケース上蓋を装着す
るだけで、供給及び巻取リールの上リールフランジを同
時に装着完了することができるので、磁気テープ内蔵式
記録再生装置の組立て作業をより一層容易に行うことが
できる。

【００４５】請求項４は、１枚のケース上蓋に磁気テー
プの走行経路に沿って延長された磁気テープ押え部を設
けたので、請求項３の効果に加えて、更に、部品点数及
び組立て工数の削減を図ることができて、磁気テープ内
蔵式記録再生装置のより一層の低コスト化、小型、軽量
化を促進することができると共に、磁気テープの走行経
路からの脱落も未然に防止することができて、高い安全
性を確保できる。

【００４６】請求項５は、ケースを密封ケースに構成
し、ケース上蓋を防塵用蓋体に構成したので、磁気テー
プ内蔵式記録再生装置の高い防塵性を確保できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を適用した磁気テープ内蔵式記録再生装
置及び固定上フランジ板の実施の形態における第１の実
施形態を説明する一部切欠き平面図である。

【図２】図１を下方から見た一部切欠き側面図である。

【図３】図１を右方向から見た一部切欠き側面図であ
る。

【図４】図１の背面図である。

【図５】同上の磁気テープ内蔵式記録再生装置における
密封ケース内への磁気テープの組込み作業工程を説明す
る概略図である。

【図６】同上の磁気テープ内蔵式記録再生装置における
密封ケース内に上下フランジリールを用いて磁気テープ
を組込む際の不都合な点を説明する概略図である。

【図７】同上の磁気テープ内蔵式記録再生装置における
固定上フランジ板の第２の実施形態を説明する一部切欠
き平面図である。

【図８】同上の磁気テープ内蔵式記録再生装置の第２の
実施形態を示すと共に、固定上フランジ板の第３の実施
形態を示す図１で下方側から見た時と同じ方向からの一
部切欠き側面図である。

【図９】同上の磁気テープ内蔵式記録再生装置の第２の
実施形態を示すと共に、固定上フランジ板の第３の実施
形態を示す図１で上方側から見た時と同じ方向からの一
部切欠き側面図である。

【図１０】同上の磁気テープ内蔵式記録再生装置の第３
の実施形態を示すと共に、固定上フランジ板の第４の実
施形態を示す図８と同様の一部切欠き側面図である。

【図１１】同上の磁気テープ内蔵式記録再生装置の第４
の実施形態を示すと共に、固定上フランジ板の第３の実
施形態を示す図８と同様の一部切欠き側面図である。

【図１２】同上の磁気テープ内蔵式記録再生装置におけ
るテープリール及びリールモータに関する第５の実施形
態を示した断面側面図である。

【図１３】同上の磁気テープ内蔵式記録再生装置におけ
るテープリール及びリールモータに関する第６の実施形
態を示した断面側面図である。

【図１４】同上の磁気テープ内蔵式記録再生装置におけ
るテープリール及びリールモータに関する第７の実施形
態を示した断面側面図である。

【図１５】同上の磁気テープ内蔵式記録再生装置の第８
の実施形態を説明する斜視図である。

【図１６】同上の磁気テープ内蔵式記録再生装置の第９
の実施形態を説明する斜視図である。

【符号の説明】

１は磁気テープ内蔵式記録再生装置、２はケースである
密封ケース、２ａはケース本体、２ｂはパッキング、２
ｃはケース上蓋、３はテープリールである供給リール、
４はテープリールである巻取リール、５は磁気テープ、
６は走行駆動手段である供給リールモータ、７は走行駆
動手段である巻取リールモータ、８は走行駆動手段であ
るキャプスタン、１１は記録再生手段である回転ヘッド
ドラム、７１はリールハブ、７２は下リールフランジ、
７４は固定上フランジ板、７４ａは上リールフランジ相
当部、７４ｂは磁気テープ押え部である。

フロントページの続き (72)発明者 高山 佳久 東京都品川区北品川６丁目７番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 吉沢 正樹 東京都品川区北品川６丁目７番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 前川 克己 東京都品川区北品川６丁目７番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 小関 和哉 東京都品川区北品川６丁目７番35号 ソニ ー株式会社内

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ケースと、 一対のテープリールに巻き付けられて上記ケース内に収
   納された磁気テープと、 上記ケース内に収納されて上記磁気テープを走行駆動す
   る走行駆動手段と、 上記ケース内に収納されて上記磁気テープにデータを記
   録、再生する記録再生手段とを少なくとも備えた磁気テ
   ープ内蔵式記録再生装置において、 上記一対のテープリールをそれぞれリールハブと、その
   リールハブの下端に結合された下リールフランジとから
   なる片フランジリールに構成し、 上記一対のテープリールの上リールフランジを１枚の固
   定上フランジ板で共用させたことを特徴とする磁気テー
   プ内蔵式記録再生装置。
2. 【請求項２】上記１枚の固定上フランジ板に上記磁気テ
   ープの走行経路に沿って延長された磁気テープ押え部を
   一体に形成したことを特徴とする請求項１記載の磁気テ
   ープ内蔵式記録再生装置。
3. 【請求項３】ケースと、 一対のテープリールに巻き付けられて上記ケース内に収
   納された磁気テープと、 上記ケース内に収納されて上記磁気テープを走行駆動す
   る走行駆動手段と、 上記ケース内に収納されて上記磁気テープに情報を記
   録、再生する記録再生手段とを少なくとも備えた磁気テ
   ープ内蔵式記録再生装置において、 上記一対のテープリールをそれぞれリールハブと、その
   リールハブの下端に結合された下リールフランジとから
   なる片フランジリールに構成し、 上記一対のテープリールの上リールフランジを上記ケー
   スの上部を閉塞するケース上蓋で共用させたことを特徴
   とする磁気テープ内蔵式記録再生装置。
4. 【請求項４】上記１枚のケース上蓋に上記磁気テープの
   走行経路に沿って延長された磁気テープ押え部を一体に
   形成したことを特徴とする請求項３記載の磁気テープ内
   蔵式記録再生装置。
5. 【請求項５】上記ケースが密封ケースに構成され、 上記ケース上蓋が防塵用蓋体に構成されたことを特徴と
   する請求項３又は請求項４記載の磁気テープ内蔵式記録
   再生装置。