JP3613844B2 - 磁気記録再生装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、テープカセット内で磁気テープが巻回されるリールを回転させるロータを備える磁気記録再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
リール間に記録再生を行う磁気テープが巻回されたテープカセットを使用する磁気記録再生装置としてオーディオテープレコーダ、DAT(デジタルオーディオテープレコーダ)、VTR(ビデオテープレコーダ)、ストリーマ等があり、磁気テープの走行は装着されたテープカセットの各リールをリールモータで回転駆動させることにより行うものである。
【0003】
そこで、図5に、従来のリールモータ部分の構成図を示す。図5(A)は平面図、図5(B)は側面図である。図5(A),(B)において、ステータ基板11上で各リールシャフト12,13に回転軸14a,14bが一体に形成されたロータ14,15が着脱自在に嵌合されて配設されるもので、ロータ14が供給側となり、ロータ15が巻取側となる。ロータ14,15は、凹形状の円盤で形成されて内側にマグネット(図示せず)が設けられており、該マグネットとステータ基板11上にそれぞれ対応して設けられたコイル(図示せず)とが微小空隙を介在させて対向配置される。この状態で組み込まれた装置の搬送等が行われると、ロータ14,15が外れたり、又は外れないまでも正規の位置よりずれて傾いたりする場合があり、ロータ14,15が回転できないという事態を生じる。
【0004】
そのため、ステータ基板11上に、各ロータ14,15に対応するロータ押え部材16,17が取り付けられる。このロータ押え部材16,17は、ステータ基板11上に取り付けられるための取着部分と、高さ方向及びロータ14,15方向に突出する押え片18,19で構成され、この押え片18,19が対応するロータ14,15の一部上方に該ロータ14,15が回転可能な位置にストッパとして配置される。これにより、装置の搬送等によるロータ14,15の外れや傾斜を防止することができるものである。
【0005】
一方、各ロータ14,15の近傍に、装着されるテープカセットの高さ方向の位置決めを行う位置決めシャフト20,21が立設される。
ここで、図6に、図5の位置決めシャフトとテープカセットとの関係の説明図を示す。図6は正面図を示したもので、カセット装着脱機構(図示せず)により装着されたテープカセット22は、その磁気テープが巻回されたリールの中心部にロータ14,15の回転軸14a,15aが嵌合される。このときに、テープカセット22は位置決めシャフト20,21に当接して高さ方向の位置決めが行われるものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記ロータ押え部材16,17はステータ基板にネジ込み等により位置決めされて取り付けられ、位置決めシャフト20,21はカシメ等により取り付けられる。すなわち、組み立て工程において4つの部品をそれぞれ取り付けることから、部品点数や、組み立て工程において低コスト化を図ることができないという問題がある。
【0007】
そこで、本発明は上記課題に鑑みなされたもので、部品点数の削減、組立工程の削減による低コスト化を図る磁気記録再生装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1では、記録再生を行う磁気テープがテープカセット内で巻回される供給側リール及び巻取側リールをそれぞれ対応して回転させる供給側ロータ及び巻取側ロータを備える磁気記録再生装置において、
前記供給側ロータの脱落を防止する第1の押え片、前記巻取側ロータの脱落を防止する第2の押え片、及び装着される前記テープカセットの位置決めを行う所定数の位置決め部が一体に形成されたロータ押え部材が設けられており、
該位置決め部は、その先端部に装着されたテープカセットが当接されて該テープカセットの高さ方向の位置を決める構成とした磁気記録再生装置が構成される。
【0009】
請求項2では、請求項1記載のロータ押え部材に、該ロータ押え部材を取り付けるシャーシに対して位置決めを行うための所定数の突起部が一体に形成されてなる。
【0010】
すなわち、請求項1の発明では、ロータ押え部材に一体に形成した第1及び第2の押え片で供給側ローラ及び巻取側ロータをそれぞれ押え、且つ、該ロータ押え部材に一体に形成した所定数の位置決め部が装着されるテープカセットの位置決めを行う。これにより、各ロータの脱落防止とテープカセットの位置決めとを行う部材が単一で形成され、部品点数の削減、組立工程の削減による低コスト化を図ることが可能となる。
【0012】
請求項2の発明では、ロータ押え部材に所定数の突起部を一体に形成して、対応するシャーシに取り付けられる際の位置決めをさせる。これにより、ロータ押え部材を容易に位置決めして取り付けることが可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1に、本発明の一実施例の要部構成図を示す。また、図2に、図1のロータ押え部材の斜視図を示す。図1(A)はロータ部分の平面図、図1(B)はその側面図である。図1(A),(B)は記録再生を行う磁気テープが供給側リール及び巻取側リール間に巻回されたテープカセットを使用する磁気記録再生装置としてのオーディオテープレコーダ、DAT、VTR、ストリーマ等に使用されるリール駆動部を示したものである。
【0014】
図1(A),(B)において、リール駆動部31は、ステータ基板32で回転軸33,34が一体に形成された供給側ロータ35及び巻取側ロータ36が、該回転軸33,34をリールシャフト37,38に着脱自在かつ回転自在に嵌合されて配設される各ロータ35,36は、前述のように凹形状の円盤で形成されて内側にマグネット(図示せず)が所定数設けられており、該マグネットにそれぞれ対応するコイル(図示せず)がステータ基板32上に設けられる。
【0015】
そして、各ロータ35,36がリールシャフト37,38に嵌合されたときに、マグネットとコイルが微小間隔で位置され、コイルに電流を流することによりロータ35,36が回転する。すなわち、後述するテープカセットが装着されたときに供給側リール及び巻取側リールに各ロータ35,36の回転軸33,34が嵌合して、ロータ35,36の回転で各リールを回転させることによりテープ走行が行われる。
【0016】
一方、ステータ基板32上にロータ押え部材39が取り付けられる。ロータ押え部材39は、図2に示すように、板状部材の両端を略垂直に折曲して第1及び第2の位置決め部40a,40bが一体で形成され、上記各ロータ35,36の間隔に対応する間隔で略垂直方向に折曲させて先端部材を外側方向に折曲させた第1及び第2の押え片41a,41bが一体で形成される。
【0017】
また、板状部材の両端側に、ステータ基板32にネジ込み等で取り付けるための取り付け孔42a,42bが形成されると共に、裏面に例えば第1及び第2の押え片41a,41bの近傍に突起部43a,43bが一体に形成される。なお、図1(B)に示すように、該突起部43a,43bに対応する孔32a,32bがステータ基板32に形成される。
【0018】
すなわち、図1(A),(B)に戻り、ロータ押え部材39がステータ基板32にネジ込み等で取り付けられたときに、第1の押え片41aが供給側ロータ35の上方に位置されて該ロータ35を回転自在に押え、第2の押え片41bが巻取側ロータ36の上方に位置されて該ロータ36を回転自在に押える。このとき、ステータ基板32の孔32a,32bに、取り付けられるロータ押え部材39の裏面の突起部43a,43bが嵌合して、該ステータ基板32上で位置決めされる。また、両端の第1及び第2の位置決め部40a,40bが立設された状態で装着されるテープカセットの高さ方向の位置決めを行う役割を果す(後述する)。
【0019】
ここで、図3に、図1のリール駆動部が使用される一例のDATの内部構成平面図を示す。図3に示すDAT51は、シャーシ52上にカセット装着脱機構53、上記リール駆動部31、回転ドラム54、テープローディング機構55等が配設されている。これらの機構等は全てシャーシ52の上部よりシャーシ52に取付けることができる構成とされており、組立て工程の簡易化が図られている。リール駆動部31は図1に示す構成として破線で示してある。
【0020】
カセット装着脱機構53は、テープカセットを装置51内の所定記録再生処理位置に装着するためのものであり、本実施例では例えばカセットホルダに対してローディング機構が昇降するカセット装着脱機構を用いている。テープカセットは、イジェクト状態においてカセットホルダ56に挿入脱され、またカセットホルダ56に挿入された状態でローディング機構が上昇してテープローディングされることによりテープカセットが装置51内の所定記録再生処理位置に装着される。
【0021】
テープローディング機構55は、テープカセットより磁気テープを引き出し上記の回転ドラム54に所定角度(本実施例では135°)にわたり巻き付けるための機構である。このテープローディング機構55は、所謂Mローディングを採用しており、図示しないリンク機構により一対のローディングベース57a,57bをガイド溝58a,58bに沿って移動させ、これに伴い磁気テープをローディング或いはアンローディングする構成とされている。
【0022】
ローディングベース57a,57bは、その上部にガイドローラ58a,58bと傾斜ポスト59a,59bを立設した構造とされている。これらのガイドローラ58a,58b及び傾斜ポスト59a,59bはローディングベース57a,57bの移動に伴い磁気テープをテープカセットより引き出すと共に、ローディング完了状態において磁気テープが所定のテープパスを形成させる機能を奏する。図3はローディング完了状態の装置51を示している。
【0023】
上記ローディングベース57a,57bは、ローディング状態において、シャーシ52に植設された位置決めピン60a,60bに当接することにより位置決めが行われる構成となっている。図3はローディングベース57a,57bが位置決めピン60a,60bに当接した状態を示している。また、位置決めピン60a,60bの上部にはテープ脱落防止ポスト61a,61bが配設されている。
【0024】
そして、ローディングされた磁気テープはピンチローラ62によりキャプスタン63に当接され、キャプスタンモータによってキャプスタン63が反時計方向(記録モード、再生モード等の定常モード時)又は時計方向(巻き戻しのリバースモード時)の回転でテープ走行が行われるものである。
【0025】
そこで、図4に、図1のロータ押え部材とテープカセットとの関係の説明図を示す。図4において、まず上述のように、第1及び第2の位置決め部40a,40bと第1及び第2の押え片41a,41bが一体で形成されたロータ押え部材39がステータ基板32に、孔32a,32bに突起部43a,43bを嵌合させて位置決めされた状態でネジ込み等により取り付けられる。このときに第1及び第2の押え片41a,41bが供給側ロータ35及び巻取り側ロータ36を回転自在に押えて搬送時等の脱落を防止している。
【0026】
このリール駆動部31を備えた装置(例えば図3のDAT)に、テープカセット44がカセットホルダ(56)に保持されて装着されたときに、回転軸33,34がテープカセット44内の供給側リール及び巻取側リール(図示せず)に嵌合して回転可能状態とする。また、当該カセットホルダ(56)に保持されたテープカセット44は、装着時にロータ押え部材39の位置決め部40a,40bの先端部と当接して高さ方向の位置決めがなされるものである。
【0027】
このように、第1及び第2の押え片41a,41b及び第1及び第2の位置決め部40a,40bを単一のロータ押え部材39に形成することから、従来のように4つの部材が1つとなって部品点数の削減による低コスト化を図ることができるものである。この場合、例えば第1及び第2の押え片41a,41bのみを単一のロータ押え部材39に一体に形成しても従来の2つの部材が1つとすることができるもので、従来と比較するにあたって低コストとすることができるものである。
【0028】
同様に、部品点数が削減されることは組立工程においても削減されることとなり、ひいてはこれに伴うコスト軽減を図ることができるものである。
また、ロータ押え部39の裏面に、ステータ基板32の孔32a,32bに嵌合する突起部43a,43bを形成することで、組み立て時に治具等を必要とせずに容易に位置決め固定することができるものである。
【0029】
【発明の効果】
以上のように、請求項1の発明によれば、ロータ押え部材に一体に形成した第1及び第2の押え片で供給側ローラ及び巻取側ロータをそれぞれ押え、且つ、該ロータ押え部材に一体に形成した所定数の位置決め部が装着されるテープカセットの位置決めを行う。これにより、各ロータの脱落防止とテープカセットの位置決めとを行う部材が単一で形成され、部品点数の削減、組立工程の削減による低コスト化を図ることが可能となる。
【0031】
請求項2の発明によれば、ロータ押え部材に所定数の突起部を一体に形成して、対応するシャーシに取り付けられる際の位置決めをさせる構成とすることにより、ロータ押え部材を容易に位置決めして取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の要部構成図である。
【図2】図1のロータ押え部材の斜視図である。
【図3】図1のリール駆動部が使用される一例のDATの内部構成平面図である。
【図4】図1のロータ押え部材とテープカセットとの関係の説明図である。
【図5】従来のリールモータ部分の構成図である。
【図6】図5の位置決めシャフトとテープカセットとの関係の説明図である。
【符号の説明】
31 リール駆動部
32 ステータ基板
35 供給側ロータ
36 巻取側ロータ
39 ロータ押え部材
40a 第1の位置決め部
40b 第2の位置決め部
41a 第1の押え片
41b 第2の押え片
43a,43b 突起部
44 テープカセット
51 DAT
Claims (2)
- 記録再生を行う磁気テープがテープカセット内で巻回される供給側リール及び巻取側リールをそれぞれ対応して回転させる供給側ロータ及び巻取側ロータを備える磁気記録再生装置において、
前記供給側ロータの脱落を防止する第1の押え片、前記巻取側ロータの脱落を防止する第2の押え片、及び装着される前記テープカセットの位置決めを行う所定数の位置決め部が一体に形成されたロータ押え部材が設けられており、
該位置決め部は、その先端部に装着されたテープカセットが当接されて該テープカセットの高さ方向の位置を決める構成としたことを特徴とする磁気記録再生装置。 - 請求項1記載のロータ押え部材に、該ロータ押え部材を取り付けるシャーシに対して位置決めを行うための所定数の突起部が一体に形成されてなることを特徴とする磁気記録再生装置。
Priority Applications (1)
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JP16773395A JP3613844B2 (ja) | 1995-07-03 | 1995-07-03 | 磁気記録再生装置 |
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JPH0922550A JPH0922550A (ja) | 1997-01-21 |
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JP (1) | JP3613844B2 (ja) |
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1995
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