JPH10318928A - 成分測定装置および成分測定用チップ - Google Patents
成分測定装置および成分測定用チップInfo
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- JPH10318928A JPH10318928A JP9348737A JP34873797A JPH10318928A JP H10318928 A JPH10318928 A JP H10318928A JP 9348737 A JP9348737 A JP 9348737A JP 34873797 A JP34873797 A JP 34873797A JP H10318928 A JPH10318928 A JP H10318928A
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Abstract
提供すること。 【解決手段】血中成分測定装置1は、試験紙を内蔵する
チップを装着するホルダー(試験紙装着部)と、該ホル
ダーに装着チップの試験紙へ発光素子41によりパルス
光を照射し、受光素子42によりその反射光の強度を検
出する測光部4と、該測光部4からの信号に基づいて血
糖値を算出する演算部を備える制御手段10とを有す
る。演算部は、複数のパルス光に対し、そのパルス光の
照射時と非照射時とにおける反射光の強度の差を求め、
それらの平均値から血糖値を算出する。この場合、サン
プリング数(測定回数)は、交流商用電源の第1の周期
と第2の周期の最小公倍数またはその整数倍に相当する
時間内に発せられたパルス光の数とすることができる。
Description
定のような、目的とする成分の量を測定する成分測定装
置および成分測定用チップに関するものである。
成分測定装置)が知られている。この血糖測定装置は、
血中のブドウ糖量に応じて呈色する試験紙の呈色の度合
いを光学的に測定(測色)して血糖値を定量化するもの
である。
紙の測色は、発光素子および受光素子を備える測光部に
おいて、試験紙に光を照射しその反射光の強度を測定す
ることにより行われているが、このような測定は、検体
である血液を試験紙に展開した後、該試験紙を遮光状態
で測定するため、外光(外乱光)の影響を受けずに光学
的測定を行うことができた。
は、試験紙に血液(検体)を供給・展開する操作を行っ
た後、その試験紙を遮光状態が確保される空間へ挿入
し、測定を開始する操作が必要であり、そのため、操作
性が劣るという欠点があるとともに、試験紙への血液の
供給から測色までの時間が一定でなく、それによる測定
誤差が生じるという問題がある。
への血液の供給・展開から測定までの一連の操作を連続
的、自動的に行うことができる血糖測定装置の開発が望
まれている。このような血糖測定装置としては、例え
ば、血糖測定装置に既に装着された試験紙に対し、血液
を供給し、測色および血糖値の定量化までを自動的に行
う構成が考えられる。
験紙に対する光学的測定が遮光状態で行われないため、
外光(外乱光)の影響を受け、測定結果に誤差が生じ、
測定精度が低下するという問題がある。
たぶ等を針やメス等で穿刺し、該穿刺部から皮膚上に流
出した少量の血液を試験紙で直接吸収させるかまたは試
験紙ホルダーの小孔を介して試験紙へ吸収させることに
より行われる。
はなく、試験紙への供給操作をうまく行うことができな
かったり、流出した血液が皮膚上で広がってしまったり
して、試験紙への供給量が不足することがあり、このよ
うな場合には、測定結果が不正確となり、測定精度が低
下するという問題がある。
が簡単で、測定精度が高い血中成分測定装置、および検
体の適正な供給により測定精度の向上が図れる成分測定
用チップを提供することにある。
(1)〜(39)の本発明により達成される。
して検体中の所定成分の量を測定する成分測定装置であ
って、前記試験紙を装着する試験紙装着部と、前記試験
紙装着部に装着された試験紙へパルス光を照射し、その
反射光の強度を検出する測光部と、前記測光部からの信
号に基づいて目的とする成分の量を算出する演算部とを
有し、前記演算部は、前記パルス光の照射時と非照射時
とにおける前記反射光の強度の差を求め、その値から前
記成分を算出することを特徴とする成分測定装置。
して検体中の所定成分の量を測定する成分測定装置であ
って、前記試験紙を装着する試験紙装着部と、前記試験
紙装着部に装着された試験紙へパルス光を間欠的に照射
し、その反射光の強度を検出する測光部と、前記測光部
からの信号に基づいて目的とする成分の量を算出する演
算部とを有し、前記演算部は、複数の前記パルス光に対
し、そのパルス光の照射時と非照射時とにおける前記反
射光の強度の差を求め、それらの平均値から前記成分の
量を算出することを特徴とする成分測定装置。
交流商用電源の半周期またはその整数倍に相当する時間
内に発せられたパルス光に対し行われる上記(2)に記
載の成分測定装置。
第1の周期と第2の周期のいずれかを選択するモードを
有する上記(3)に記載の成分測定装置。
交流商用電源の第1の周期と第2の周期の最小公倍数ま
たはその整数倍に相当する時間内に発せられたパルス光
に対し行われる上記(2)に記載の成分測定装置。
を手動でまたは自動的に切替可能な上記(1)ないし
(5)のいずれかに記載の成分測定装置。
を第1の回数と第2の回数とに切替可能であり、前記第
2の回数が前記第1の回数の整数倍である上記(1)な
いし(5)のいずれかに記載の成分測定装置。
状態における前記反射光の強度との相対的な比較によ
り、前記成分の量の算出を行う上記(1)ないし(7)
のいずれかに記載の成分測定装置。
記測光部からの信号に基づいて前記試験紙装着部への試
験紙の装着を自動的に検出する機能を有する上記(1)
ないし(8)のいずれかに記載の成分測定装置。
記測光部からの信号に基づいて前記試験紙装着部へ装着
された試験紙に検体が展開されたことを自動的に検出す
る機能を有する上記(1)ないし(9)のいずれかに記
載の成分測定装置。
による測定値の補正を行う第1の補正手段を有する上記
(1)ないし(10)のいずれかに記載の成分測定装置。
験紙に検体が展開されたときの前記反射光の強度により
前記条件の相違を判断する上記(11)に記載の成分測定
装置。
正を行う第2の補正手段を有する上記(1)ないし(1
2)のいずれかに記載の成分測定装置。
成する細管と、検体を吸収可能な試験紙とを備え、前記
細管を経て導入された検体を前記試験紙に展開して検体
中の成分の測定を行うことを特徴とする成分測定用チッ
プ。
ップ本体の底部に突出形成され、検体導入流路を形成す
る細管と、前記チップ本体の底部内側に設置され、発色
試薬を担持した試験紙とを備え、前記細管の毛細管現象
により前記細管の検体流入側端に供給された検体を検体
流出側端に移送し、該検体を前記試験紙に展開し、それ
を測色して検体中の成分の測定を行うことを特徴とする
成分測定用チップ。
装着部、他端側に検体を採取するための検体導入流路を
形成する細管をそれぞれ有し、前記細管の検体流出側に
検体を吸収可能な試験紙が設置されていることを特徴と
する成分測定用チップ。
に対しほぼ直交する方向に延在している上記(14)ない
し(16)のいずれかに記載の成分測定用チップ。
に、前記検体導入流路に連通する第1の溝を有する構造
をなしている上記(14)ないし(17)のいずれかに記載
の成分測定用チップ。
向に延在し、前記細管の外周面に開放している上記(1
8)に記載の成分測定用チップ。
との接合境界部分の周長が、前記検体導入流路の全内周
長の50%以下である上記(18)または(19)に記載の
成分測定用チップ。
上である上記(18)ないし(20)のいずれかに記載の成
分測定用チップ。
に、前記検体導入流路に連通する第2の溝を有する構造
をなしている上記(14)ないし(21)のいずれかに記載
の成分測定用チップ。
ップ本体内に突出する突出部を有し、前記第2の溝は、
前記突出部に、前記細管の径方向に延在しかつ前記突出
部の外周面に開放するよう形成されている上記(22)に
記載の成分測定用チップ。
との接合境界部分の周長が、前記検体導入流路の全内周
長の50%以下である上記(22)または(23)に記載の
成分測定用チップ。
以上である上記(22)ないし(24)のいずれかに記載の
成分測定用チップ。
に、検体の展開を補助する間隙を有する上記(14)ない
し(25)のいずれかに記載の成分測定用チップ。
臨む位置に、前記検体導入流路側に突出する凸部を有す
る上記(14)ないし(26)のいずれかに記載の成分測定
用チップ。
検体導入流路内に挿入されている上記(27)に記載の成
分測定用チップ。
体の展開を規制する環状凸部を有する上記(14)ないし
(28)のいずれかに記載の成分測定用チップ。
記凸部を中心とする円環状の環状凸部を有する上記(2
7)または(28)に記載の成分測定用チップ。
記チップ本体の内面に対し固定される固定部を有する上
記(14)ないし(30)のいずれかに記載の成分測定用チ
ップ。
に沿って間欠的に融着また接着により固定されている上
記(31)に記載の成分測定用チップ。
着して使用される上記(14)ないし(32)のいずれかに
記載の成分測定用チップ。
の試験紙装着部への装着時に前記試験紙と前記試験紙装
着部との非接触を確保する離間手段を有する上記(14)
ないし(33)のいずれかに記載の成分測定用チップ。
の内面に形成され、前記試験紙装着部に当接するスペー
サーである上記(34)に記載の成分測定用チップ。
〜2.0mmである上記(14)ないし(35)のいずれかに
記載の成分測定用チップ。
0mmである上記(14)ないし(36)のいずれかに記載の
成分測定用チップ。
(37)のいずれかに記載の成分測定用チップを装着して
使用する成分測定装置。
かに記載の成分測定装置であって、その試験紙装着部に
上記(14)ないし(37)のいずれかに記載の成分測定用
チップを装着して使用する成分測定装置。
び成分測定用チップを添付図面に示す好適実施例に基づ
いて詳細に説明する。
測定装置)の実施例の内部構造を示す平面図、図2は、
成分測定装置の断面側面図、図3は、成分測定装置のブ
ロック図、図4ないし図7は、成分測定装置の動作の一
例を示すフローチャート、図8は、反射光強度の経時変
化を示すグラフである。
分測定装置1は、ケーシング2を有し、該ケーシング2
内には、プリント基板3が配置されている。また、ケー
シング2の一端部には、測光部4が設けられている。ケ
ーシング2の窓部には、液晶表示装置(LCD)9が設
置されている。
ータで構成される制御手段10が搭載されており、血中
成分測定装置1の諸動作を制御する。この制御手段10
には、測光部4からの信号に基づいて目的とする血中成
分(例えばブドウ糖)を算出する演算部が内蔵されてい
る。この演算部は、後述するヘマトクリット値補正計算
(第1の補正手段)および温度補正計算(第2の補正手
段)等も行う。
ある場合に、その濃度に関連する条件の1つである。
41と、受光素子(フォトダイオード)42とを有して
おり、これらは、ホルダー43に収納、保持されてい
る。発光素子41は制御手段10と電気的に接続され、
受光素子42は、図示しない増幅器およびA/D変換器
44を介して制御手段10と電気的に接続されている。
により作動し、所定の時間間隔でパルス光を発する。こ
のパルス光は、例えば、その周期が0.5〜3.0msec
程度、1パルスの発光時間が0.05〜0.3msec程度
とされる。
500〜720nm程度、より好ましくは580〜650
nm程度とされる。
紙53を内蔵する成分測定用チップ(以下単に「チッ
プ」と言う)5が着脱自在に装着される。なお、ここで
は、チップ5の一般的な構成を簡単に説明し、チップ5
の好ましい構造は、後に詳細に説明する。
明)の有底筒状のチップ本体51と、該チップ本体51
の底部内側に設置された試験紙53とで構成されている
(図1参照)。
が突出形成されている。この細管52の先端に検体(血
液)を接触させると、毛細管現象により検体は細管52
内に吸引され、移送されて試験紙53へ到達し、試験紙
53上に展開される。
ましくは親水性を有するシート状多孔質基材)に試薬を
担持させたものである。試薬は、血液中の測定すべき成
分により適宜決定される。
で、発光素子41を点灯させると、発光素子41から発
せられた光は試験紙53に照射され、その反射光は、受
光素子42に受光され、光電変換される。受光素子42
からは、その受光光量に応じたアナログ信号が出力さ
れ、所望に増幅された後、A/D変換器44にてデジタ
ル信号に変換され、制御手段10に入力される。
電源電圧検出部7、スイッチ回路8、制御発振部11、
時計発振部12、データ記憶部13、ブザー出力部1
4、外部出力部15、温度測定部16を有している。
源電圧検出部7は、この電池61の電圧を検出し、該検
出値を制御手段10へ出力する。これにより、電池61
の残量をチャックすることができる。
イッチの入力を検出し、その信号を制御手段10へ入力
する。スイッチの種類としては、電源スイッチ、記憶デ
ータ読出スイッチ、時刻設定・変更スイッチ、リセット
スイッチ、ブザー作動/不作動選択スイッチ、50Hz/
60Hz商用電源周波数選択スイッチ等が挙げられる。
より、オン/オフすることができる。
1、操作部材32、33、34等のうちのいずれか1つ
または2つ以上を組み合わせて操作することにより作動
させることができる。
選択スイッチは、商用電源周波数を50Hz(第1の周期
に対応)にする第1モード、60Hz(第2の周期に対
応)にする第2モード、いずれの場合でも共用できる第
3モードのうちの1つを選択することができる。
ので、一定時間間隔のクロックパルスを発振し、制御手
段10のマイクロコンピューター(マイクロプロセッシ
ングユニット:MPU)の動作用基準信号の供給を行
う。
定する時計を構成するもので、一定時間間隔のクロック
パルスを発振し、制御手段10が内蔵する時計制御回路
の動作用基準信号の供給を行う。
M)、第2メモリー(ROM)および第3メモリー(不
揮発性RAM)を備えている。測光部4より入力された
測光値(測光データ)は、所定のフォーマットに従って
第1メモリーに記憶される。
られた吸光度と、目的とする血中成分量(以下「血糖
値」で代表する)との関係(検量線)が予めテーブル化
されて記憶されている。
の校正値が予め記憶されている。ここで言う固有の校正
値には、図5中ステップ112の反射光量の規定値、図
6中ステップ126(1)の最終吸光度計算の補正係数
などがある。
信号に基づいて、ブザーを作動させ、音を発する。
データを例えばパソコンのような外部装置へ出力するた
めのものである。この場合、外部出力部15は、例えば
RS232Cのような通信ドライバーを内蔵している。
また、赤外線通信を行う場合には、外部出力部15は、
赤外線発光素子およびその駆動回路を内蔵している。
温度センサー(サーミスタ)を備えている。温度測定部
16では、随時温度測定がなされ、その温度情報は、デ
ータ記憶部13の第1メモリーに記憶される。また、第
1メモリーから読み出された温度情報は、制御手段10
へ入力され、血糖値の温度補正計算に利用される。
基づき、血中成分測定装置1の動作例を説明する。
チによりリセットされると、時計が作動する(ステップ
100)とともに、電源スイッチがオンされたかを判断
する(ステップ101)。電源スイッチがオンされた
ら、液晶表示装置(LCD)9を駆動してその全セグメ
ントを2秒間点灯させ(ステップ102)、次いで現在
の時刻を表示する(ステップ103)。
ッチ操作が無く、2分間経過したか(ステップ10
4)、あるいは電源スイッチが1秒間以上押された場合
(ステップ105)には、自動的に電源をオフとし(ス
テップ106)、ステップ101へ戻る。
動させて反射光量(反射光の強度)を測定する(ステッ
プ107)。この測定方法については、後に詳述する。
定値以上か否かを判断し(ステップ108)、規定値未
満である場合には、液晶表示装置(LCD)9に「バッ
テリー不足」を表示するとともに、測定を禁止する(ス
テップ109)。
光量(反射光+外光)のレベルが規定値以下か否かを判
断し(ステップ110)、規定値を超える場合には、外
光過多であるため、液晶表示装置(LCD)9に「L」
を表示し、ステップ107へ戻る。
は、反射光量が規定範囲内かを判断し(ステップ11
2)、規定範囲外の場合には、ステップ107へ戻る。
反射光量が規定範囲内である場合には、ホルダー43に
チップ5が装着されたものと判断し、反射光量の測定を
高精度測定に切り替える(ステップ113)。この測定
方法については、後に詳述する。
して反射光量が規定範囲内か否かを判断し(ステップ1
14)、4秒間連続して反射光量が規定範囲内ではない
場合には、ステップ107へ戻る。4秒間連続して反射
光量が規定範囲内である場合には、チップ5がホルダー
43に安定して装着されていることが確認されたものと
判断し、液晶表示装置(LCD)9に「−−−」を表示
する。この状態で、チップ5への検体(血液)の供給を
待つこととなる。
以上減少したか否かを判断し(ステップ116)、3%
以上減少したら、チップ5に血液が供給され、試験紙5
3に展開されたものと判断し、血糖値測定のための本測
定を開始する(ステップ117)。
(未使用の試験紙53の反射光量)を”白レベル”(デ
ータ1)としてデータ記憶部13の第1メモリーに記憶
する(ステップ118)。
鳴らし、測定が開始されたことを報知する(ステップ1
19)。なお、ブザー作動/不作動選択スイッチにより
ブザーの不作動が選択されている場合には、ブザーは鳴
らない。
ントダウンが開始され(ステップ119)、これを液晶
表示装置(LCD)9に秒単位で表示する。カウントダ
ウンは、例えば「18」秒からスタートし、「17」、
「16」、「15」・・・「1」のように1秒毎に表示
する。
(ステップ120)、反射光量を測定する(ステップ1
21)。なお、この4秒は、血液が試験紙53上に均一
に展開されるのに十分な時間である。
(図7参照)を行う。すなわち、反射光量がチップ5を
装着している状態のレベル以上か否かを判断し(ステッ
プ200)、該レベル未満である場合には、チップ5が
ホルダー43から取り外されたものと判断し、液晶表示
装置(LCD)9に「エラー1」を表示する(ステップ
201)とともに、本測定を中止し、ステップ107へ
戻る。
全光量のレベルが規定値(例えば照度に換算して300
0ルクス)以下か否かを判断し(ステップ202)、規
定値を超える場合には、外光過多であるため、液晶表示
装置(LCD)9に「エラー2」を表示する(ステップ
203)とともに、本測定を中止し、ステップ107へ
戻る。
が規定値以下である場合には、次工程(ステップ12
2)へ移行する。
光量(試験紙53に血液が展開された直後であり、試験
紙中の発色試薬が発色する前の状態の反射光量)を”ヘ
マトクリット値補正データ”(データ2)としてデータ
記憶部13の第1メモリーに記憶し(ステップ12
2)、本測定開始後、18秒経過したか否かを判断する
(ステップ123)。
テップ124)、前記と同様のエラーチェック*1を経
た後、この測定値を”最終発色データ”(データ3)と
してデータ記憶部13の第1メモリーに記憶する(ステ
ップ125)。
1メモリーに記憶されている前記データ1、2、3等に
基づき、血糖値の計算を行う(ステップ126)。以下
詳述すると、まず、最終吸光度(呈色度)を計算する。
この最終吸光度は、未発色の試験紙53の反射光量に対
する発色時の反射光量の相対的な比率、すなわち、デー
タ1に対するデータ3の比率(=データ1/データ3)
として求められる。
記憶されている個々の装置に対する補正係数(校正値)
を最終吸光度に加算または乗算し、補正する。
血糖値を求める。すなわち、データ記憶部13の第2メ
モリーに記憶されている前記検量線のデータ(例えば2
0〜600mg/dl の範囲)に、求められている個体補正
された最終吸光度を対応させ、該当するデータを血糖値
として定める。
6より入力される温度情報は、データ記憶部13の第1
メモリーに記憶されている。一方、血中成分測定1およ
び試験紙53の温度変化に対する特性を考慮した補正係
数が第2のメモリーに予め記憶されており、第1メモリ
ーより読み出された温度情報から、温度補正係数を定
め、この温度補正係数を前記血糖値に乗算(または加
算)する。
前記データ2は、血液のヘマトクリット値に応じて変化
し、その後の反射光量の測定値に影響を及ぼすが、デー
タ2に対する血糖値の補正係数(補正値)が第2のメモ
リーに予め記憶されており、第1メモリーより読み出さ
れたデータ2とデータ3とから、ヘマトクリット値補正
係数を定め、このヘマトクリット値補正係数を前記血糖
値に加算(または乗算)する。このヘマトクリット値補
正については、後に詳述する。
リット値補正計算を行い、最終的な血糖値(最終血糖
値)を求める。
置(LCD)9に表示し、測定終了時刻とともに第1メ
モリーに記憶し、液晶表示装置(LCD)9に「記憶」
および「完了」の文字を表示し、ブザーを鳴らして測定
終了を報知する(ステップ127)。また、求められた
最終血糖値は、必要に応じ、外部出力部15より外部装
置等へ出力される。
がオフとなるまで前記と同様の工程を繰り返す。
量)の測定方法について説明する。前記ステップ10
7、113、117、121、124等では、発光素子
41から発せられるパルス光の照射時の反射光強度と非
照射時の反射光強度の差を求め、これを反射光強度とす
る。すなわち、図8に示すように、1つのパルス光nに
対し、その照射時(Bn 点)における反射光強度から、
その直前のパルス光非照射時(An 点)における反射強
度を減算した値を反射光強度Pn とする。
は変動しているが、このような測定を行うことにより、
外光成分がキャンセルされるので、外光光量の変動に影
響されることなく、照射光による反射光成分のみが取り
出され、正確な反射光強度を測定することができる。
は、複数(n個)のパルス光に対し、そのパルス光の照
射時と非照射時とにおける反射光強度の差を求めるのが
好ましい。すなわち、
における反射光強度 としたとき、
・・・+Pn ) で表すことができる。
ことができるが、測定精度をより向上するために、次の
ようにして定めるのが好ましい。
周波数は、50Hz(関東地区)または60Hz(関西地
区)と定められているが、各々の場合において、その交
流商用電源の半周期(10または8.333msec)また
はその整数倍に相当する時間内に発せられたパルス光に
対し行われるのが好ましい。
分は、主に照明光によるものであるが、照明光のうち蛍
光灯については、それにより照射される光量が交流商用
電源の周期で繰り返し増減する。従って、交流商用電源
の半周期(波形の山または谷1つ分)またはその整数倍
に相当する時間内に発せられたパルス光のそれぞれに対
し、前述したような反射光強度の測定を行い、その平均
値を求めることにより、このような外光の変動がキャン
セルされ、より高精度の反射光強度の測定が可能とな
る。
ード、第2モード)は、本血中成分測定装置1を使用す
る地域に応じて、前記50Hz/60Hz商用電源周波数選
択スイッチにより人為的に切り替えることができ、それ
に応じて、パルス光のサンプリング数(n)が自動的に
定まるよう構成されている。
の周波数が50Hz、60Hzのいずれの場合でも共用でき
る方法である。すなわち、前記50Hz/60Hz商用電源
周波数選択スイッチを第3モードに設定すると、交流商
用電源の50Hzに対応する第1の周期(20msec)と6
0Hzに対応する第2の周期(16.666msec)の最小
公倍数(100msec)に相当する時間内に発せられたパ
ルス光のそれぞれに対し、前述したような反射光強度の
測定を行い、その平均値を求める。
0.78msecとすると、100msec間に128回の反射
光強度の測定を行うこととなる。
が50Hz、60Hzのいずれの場合であっても、それに応
じた切り替えを行うことなく、前記第1の方法と同様の
効果を得ることができる。
反射光強度の測定に適用される。この場合、測定回数
(128回)は、前記第1の周期(20msec)と前記第
2の周期(16.666msec)の最小公倍数(100ms
ec)に相当する時間内に発せられたパルス光の数であ
り、前記効果を得るのに比較的小さい数であるため、低
い消費電力で測定することができる(低消費電力測定)
という利点がある。
源周波数選択スイッチを第3モードに設定すると、交流
商用電源の50Hzに対応する第1の周期(20msec)と
60Hzに対応する第2の周期(16.666msec)の最
小公倍数(100msec)の整数倍(特に2以上の整数
倍)に相当する時間内に発せられたパルス光のそれぞれ
に対し、前述したような反射光強度の測定を行い、その
平均値を求める。
0.78msecとすると、400msec(100msecの4
倍)間に512回の反射光強度の測定を行うこととな
る。
が50Hz、60Hzのいずれの場合であっても、それに応
じた切り替えを行うことなく、前記第1の方法と同様の
効果を得ることができ、しかも、パルス光のサンプリン
グ数(測定回数)が前記第2の方法の整数倍(4倍)と
なるため、さらに高精度の測定を行うことができる。
113で切り替えられ、以後の測定(ステップ117、
121、124)においても、該第3の方法が適用され
る。
の方法への切り替えは、ステップ113において自動的
になされるが、第2の方法、第3の方法のいずれを実行
するかの選択(より広義には、反射光強度の測定回数の
選択)を所定のスイッチ操作により手動で行うよう構成
することもできる。
回数と切替可能としたとき、第2の回数(例えば512
回)が第1の回数(例えば128回)の整数倍(4倍)
であるのが好ましい。
発色の状態における反射光強度(データ1)に対する発
色時の反射光強度(データ3)の相対的な比率に基づい
て血糖値を求めるので、発光素子41、受光素子4
2、回路等の経時的な特性変動がキャンセルされ、その
影響を受けず、測定回路のスパン(ゲイン)の調整状
態が測定値に影響を及ぼさず、測定部4の光学系の
傷、汚れ、異物付着等による測定値への影響が抑制でき
るという効果がある。
チップ5がホルダー43に装着されたことを、反射光量
が規定範囲内か否かの判断(ステップ112)により自
動的に検出する機能を有するので、測定操作を容易に行
うことができる。
の試験紙53に血液が展開されたことを、反射光量の所
定量の減少の検出(ステップ116)により自動的に検
出する機能を有するので、血糖値の測定(本測定)の開
始時期を自動的に設定することができ、測定操作が容易
であるとともに、より迅速でかつ再現性のある測定が可
能となる。
ヘマトクリット値)の相違による測定値の補正を行う第
1の補正手段を有すること、さらには、測定温度の相違
による測定値の補正を行う第2の補正手段を有すること
により、より高精度の測定を行うことができる。
実施例について説明する。図9は、成分測定用チップ
(チップ5)の構成例を示す縦断面図、図10および図
11は、それぞれ、同チップの細管の検体流入側端部お
よび検体流出側端部の構成を示す斜視図、図12および
図13は、それぞれ、細管の検体流入側端部および検体
流出側端部における各部の寸法を示す図、図14は、同
チップを血中成分測定装置に装着した状態を示す縦断面
図、図15および図16は、それぞれ、試験紙の構成例
を示す斜視図および平面図、図17は、図16中のA−
A線断面図である。なお、図9中の下側を「基端」、上
側を「先端」として説明する。
のチップ本体51と、該チップ本体51の底部511か
ら突出した細管52と、チップ本体51内に設置された
試験紙53とで構成されている。
と共に、チップ5を血中成分測定装置1の測光部4へ装
着する装着部を構成するものである。
13と、胴部513の基端外周に形成されたフランジ5
14とで構成されている。また、底部511の内側に
は、試験紙53を固定する台座部512が形成されてい
る。試験紙53は、その外周部(固定部533)におい
て、例えば融着または接着剤による接着等の方法により
台座部512に固定される。
置1の測光部4へ装着する装着部を構成する。すなわ
ち、図14に示すように、チップ本体の胴部513の内
側に測光部4のホルダー43を嵌合して、チップ5を血
中成分測定装置1の測光部4へ装着する。
部513は、その内径が先端方向へ向けて漸減するテー
パ状をなしているのが好ましい。これにより、ホルダー
43の外径との差が若干ある場合でも、確実に嵌合、装
着することができる。
測光部4(試験紙装着部)へのチップ5の着脱の際に、
指等を掛けてその操作を行う把持部としての機能を有す
る。これにより、チップ5の着脱操作を容易かつ確実に
行うことができる。
部513、フランジ514は、全て一体形成されている
が、これらは、別部材を接合したものでもよい。また、
細管52も、チップ本体51の底部511に対し一体的
に形成されているが、前記と同様に、別部材を接合した
ものでもよい。
のものであり、その内部には、検体導入流路520が形
成されている。この検体導入流路520は、試験紙53
に対しほぼ直交する方向に延在しており、その先端には
検体流入口523、その基端には検体流出口527がそ
れぞれ形成されている。
20を通って試験紙53へ供給されるので、検体導入流
路520の内径(平均)は、0.2〜2.0mm程度であ
るのが好ましく、0.3〜1.0mm程度であるのがより
好ましい。検体導入流路520の内径が大き過ぎると、
毛細管現象による血液の移送が困難となり、また、内径
が小さ過ぎると、血液の供給速度が遅く、十分な量の血
液を試験紙53へ供給するのに長時間を要する。
積)は、検体導入流路520の長手方向に沿って一定で
も、変化していてもよい。
は、1〜10mm程度であるのが好ましく、2〜5mm程度
であるのがより好ましい。検体導入流路520の長さが
長過ぎると、毛細管現象による血液の移送に時間がかか
り、また、短過ぎると、図18に示す状態で、血液18
がチップ本体51の底部外面に付着するおそれがある。
端部および基端部は、それぞれ、検体流入側端部521
および検体流出側端部525を構成している。
入流路520に連通する溝522が形成されている。図
示の例では、溝522は、細管52の径方向に延在する
一文字状の溝である。この溝522の両端は、それぞれ
細管52の外周面に開放している。
採取するにあたり検体流入側端部521の端面を指等の
表面に接触させた際、検体導入流路520が塞がれず、
血液の流入路が確保されるので、血液の試験紙53への
供給を円滑かつ確実に行うことができる。
界部分の周長の合計をL1 、検体導入流路520の内径
(検体流入口523付近の内径)をd1 としたとき、周
長L1 と検体導入流路520の全内周長2πd1 とは、
次式(I)の関係を満足するのが好ましい。
液の吸入開始をより迅速、円滑に行うことができる。
等によりその好適な範囲があり、特に限定されないが、
通常は、0.1mm以上が好ましく、0.2〜1.8mm程
度がより好ましい。深さP1 が浅過ぎると、特に皮膚へ
の圧着力が大きい等の場合に、溝522内の血液の通過
が不十分となることがある。
図示のものに限定されず、検体流入側端部521の端面
を皮膚に当接したとき、端面の一部が皮膚と接触しない
ような構成であればよい。例えば、複数の溝522を、
検体導入流路520の検体流入口523を中心として放
射状(例えば十文字状)に形成したり、検体導入流路5
20に接するように平行に形成したりするパターンが挙
げられる。
53側)は、底部511のチップ本体内側(基端側)に
若干突出する突出部を形成しており、この検体流出側端
部525の端面には、検体導入流路520に連通する溝
(第2の溝)526が形成されている。図示の例では、
溝526は、細管52の径方向に延在する一文字状の溝
である。この溝526の両端は、それぞれ突出部(細管
52)の外周面に開放している。
入流路520を通過した血液が検体流出口527から溝
526を介して外周方向へ広がり、試験紙53上に供
給、展開されるので、その展開が迅速かつ均一になさ
れ、よって、より正確な測定値が得られる。
界部分の周長の合計をL2 、検体導入流路520の内径
(検体流出口527付近の内径)をd2 としたとき、周
長L2 と検体導入流路520の全内周長2πd2 は、次
式(II)の関係を満足するのが好ましい。
出口527から流出した血液の外周方向への拡散、展開
をより迅速、円滑行うことができる。
れないが、通常は、0.01mm以上が好ましく、0.0
5〜0.5mm程度がより好ましい。深さP2 が浅過ぎる
と、その機能を十分に発揮することができなくなるおそ
れがある。
定されず、例えば、複数の溝526を、検体導入流路5
20の検体流出口527を中心として放射状(例えば十
文字状)に形成したり、検体導入流路520に接するよ
うに平行に形成したりするパターンが挙げられる。
管52側の部分、すなわち、試験紙53とチップ本体5
1の底部511内面との間には、間隙54が設けられて
いる。この間隙54は、試験紙53上での血液の展開を
補助する機能を有している。すなわち、検体導入流路5
20の検体流出口527から流出した血液は、毛細管現
象により当該間隙54を通って放射状に広がるので、試
験紙53上での血液の展開を迅速かつ均一に行うことが
できる。
いが、0.02mm以上(平均値)が好ましく、0.04
mm〜0.4mm程度がより好ましい。このような寸法にお
いて、間隙54の前記機能をより有効に発揮することが
できる。なお、間隙54の幅(深さ)は、一定であって
も、試験紙53の中心部から外周側へ向かって変化(例
えば漸減)していてもよい。
に連通し、間隙54よりも深く形成された円環状凹部よ
りなる検体溜り55が設けられている。これにより、間
隙54を通って放射状に広がった血液は、この検体溜り
55に留まり、それ以上外周(試験紙53の接着、融着
等による固着部位)へ移動することが阻止されるので、
血液が過剰に供給された場合でも、余分な血液の漏れ出
しが防止される。よって、血中成分測定装置1の測光部
4等の血液付着による汚染が防止される。
512より外周側の位置には、血中成分測定装置1の測
光部4(試験紙装着部)へチップ5を装着したとき、試
験紙53とホルダー43との非接触を確保する離間手段
として、スペーサー56が形成されている。
は、底部511の内面に周方向に沿って配置された複数
(本実施例では90°間隔で4個)の凸部で構成されて
おり、チップ5の測光部4への装着時に、測光部4のホ
ルダー43の先端に当接して、ホルダー43の先端が試
験紙53に接触することを阻止する。
より、試験紙53が保護されると共に、試験紙53上に
展開された血液が測光部4に付着して汚染することが防
止される。
部4への装着時に、ホルダー43の先端に当接して、試
験紙53と測光部4の発光素子41および受光素子42
との離間距離を一定に保つ機能も有している。これによ
り、前記距離が変動し光学的特性にバラツキが生じるこ
とによる測定誤差を少なくすることができ、測定精度の
向上に寄与する。
2は、所定の剛性を有する剛性材料で構成されている。
このような剛性材料としては、例えば、アクリル系樹
脂、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、硬
質ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリメチルメタ
クリレート、ABS樹脂、ポリエステル、ポリフェニレ
ンサルファイド(PPS)、ポリアミド、ポリイミド、
ポリアセタール等またはこれらのうちの1種以上を含む
ポリマーアロイ、ポリマーブレンド等の各種樹脂材料が
挙げられる。このなかでも、検体を迅速に導入、展開す
るのに特に適したものとして、アクリル系樹脂等の親水
性の高い材料または親水化処理されたものが好ましい。
理、グロー放電、コロナ放電、紫外線照射等の物理活性
化処理の他、界面活性剤、水溶性シリコン、ヒドロキシ
プロピルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリプ
ロピレングリコール等の付与(塗布)等により行うこと
ができる。
試薬(発色試薬)を担持(含浸)させたものである。こ
の担体は、好ましくは多孔性膜(シート状多孔質基材)
で構成されている。この場合、多孔性膜は、血液中の赤
血球を濾過できる程度の孔径を有するものが好ましい。
含浸させる試薬が特にオキシダーゼ反応のように大気中
の酸素を基質として反応する過程を含む試薬系の場合
に、検体が試験紙53上に展開後、検体受容側が検体に
覆われた状態でも、反応側より大気中の酸素が供給され
るので、反応を迅速に進ませることができ、よって、検
体またはその濾別成分(赤血球等)を除去することなく
発色状態を検出することができる。
不織布、織布、延伸処理したシート等が挙げられる。
ル類、ポリアミド類、ポリオレフィン類、ポリスルホン
類またはセルロース類等が挙げられるが、試薬を溶解し
た水溶液を含浸させたり、測定時には血球を濾過するた
め、親水性を有する材料または、親水化処理されたもの
が好ましい。親水化処理としては、前述した方法と同様
のものが挙げられる。
測定用の場合、グルコースオキシターゼ(GOD)と、
ペルオキシターゼ(POD)と、例えば4−アミノアン
チピリン、N−エチルN−(2−ヒドロキシ−3−スル
ホプロピル)−m−トルイジンのような発色剤(発色試
薬)とが挙げられ、その他、測定成分に応じて、例えば
アスコルビン酸オキシダーゼ、アルコールオキシダー
ゼ、コレステロールオキシダーゼ等の血液成分と反応す
るものと、前記と同様の発色剤(発色試薬)とが挙げら
れる。また、さらにリン酸緩衝液のような緩衝剤が含ま
れていてもよい。なお、試薬の種類、成分については、
これらに限定されないことは言うまでもない。
紙53の形状、構造について説明する。試験紙53の形
状は、図示のような円形が好ましいが、これに限定され
ず、その他例えば、楕円形、正方形、長方形、菱形等の
四角形、三角形、六角形、八角形等、必要に応じ選択し
て用いることができる。
径は、2〜10mm程度が好ましく、3〜6mm程度がより
好ましい。また、試験紙53の厚さは、0.02〜1.
0mm程度が好ましく、0.05〜0.4mm程度がより好
ましい。
導入流路520に臨む位置に、検体導入流路520側へ
向かって突出する凸部531を有している。この凸部5
31の高さは、特に限定されないが、少なくとも凸部5
31の先端が検体導入流路520内(検体流出口527
内)に挿入されているのが好ましい。
の端部(検体流出口527)の内径と同等またはそれよ
り小さく、また、円形であるのが好ましい。また、凸部
531の高さは、0.02〜1.0mm程度が好ましく、
0.05〜0.4mm程度がより好ましい。なお、凸部5
31の形状、寸法等は、これに限定されず、検体導入流
路520の横断面形状等に応じて、適宜選択することが
できる。
り、検体導入流路520を通過した血液をより迅速に試
験紙53へ供給することができる。
より内側(中心側)の位置に、前記凸部531と同方向
に突出する環状凸部532を有している。この環状凸部
532は、凸部531を中心とする円環状をなし、その
先端部が前記検体溜り55に挿入されている。
血液の展開を規制する機能を有する。これにより、余分
な血液が環状凸部532より外周側へ流出することが阻
止され、血液付着による汚染が防止される。
いが、試験紙53の外径(直径)の70〜95%程度が
好ましく、85〜95%程度がより好ましい。
1.0mm程度が好ましく、0.05〜0.5mm程度がよ
り好ましい。環状凸部532の高さは、0.02〜1.
0mm程度が好ましく、0.05〜0.4mm程度がより好
ましい。
径、幅、高さ等)は、チップ本体51の形状等に応じて
適宜選択することができる。また、環状凸部532の突
出方向は、凸部531と逆方向(基端方向)であっても
よい。
32は、例えば、型押しによる方法(試験紙53の基端
側面をパンチ等により押圧して突出させる方法)や、切
り出しによる方法により形成することができる。
の外周部、すなわち環状凸部532のさらに外周側に
は、固定部533が形成されており、試験紙53は、こ
の固定部533において、融着または接着剤による接着
等の方法によりチップ本体51の台座部512に固定さ
れる。
3の外周部に沿って複数の固定点534が間欠的に(好
ましくは等間隔で)形成されている。これにより、隣接
する固定点534間で通気が可能となり、検体流出口5
27から流出した血液を試験紙53上へ展開する際に、
間隙54および検体溜り55内にあった空気が、効率よ
く排出され、よって、血液の展開をより迅速に行うこと
ができる。
験紙53を融着または接着剤による接着等の方法により
固定することもできる。これにより、試験紙53をさら
に安定的にチップ本体51に支持、固定することがで
き、また、試験紙53の変形(湾曲、歪み、波打ち等)
により隙間が生じ、血液の展開を妨げることも防止され
る。
るときの状態を示す側面図である。同図に示すように、
血液の採取は、まず、指先(または耳たぶ)等を針やメ
ス等で穿刺し、該穿刺部から皮膚上に少量(例えば2〜
6μl程度)の血液18を流出させる。
ップ5を装着し、細管52の検体流入側端部521の端
面を皮膚に当接させる。指先の血液18は、溝522内
を経て検体流入口523へ至り、毛細管現象により吸引
されて検体導入流路520内を基端方向へ流れ、検体流
出口527へ到達する。このとき、指先の血液18は、
溝522の側面開口部(細管52の外周面に開放した部
分)から有効に吸入されるので、皮膚状で過剰に散らさ
れることもなく、ロスも少ない。
紙53の凸部531と接触して吸収されるとともに、そ
の一部は溝526を通って間隙54へ至る。間隙54内
へ流入した血液は、隣接する試験紙53に吸収、展開さ
れつつ、外周方向へ向かって放射状に広がって行く。こ
のようにして試験紙53による血液の吸収、展開、特に
凸部531付近での吸収がなされるに従い、検体導入流
路520に新たな吸引力が生じ、連続的に血液を試験紙
53へ供給することができる。
い場合でも、それを無駄なく試験紙53へ供給すること
ができる。また、逆に、指先の血液18の量が多く、試
験紙53へ過剰に供給された場合でも、余分な血液は、
検体溜り55に留まり、また環状凸部532によりそれ
より外周側へ流出することが阻止されるので、血液が試
験紙53外へ漏れ出して、胴部51の内面、測光部4あ
るいはこれらの周辺部等に付着し、汚染することが防止
される。このため、次回の測定に悪影響を及ぼすことも
なく、また、使用済のチップ5の廃棄処分においても、
感染等のおそれがなくなり、その安全性が高まる。
と、血液中の目的成分(例えばブドウ糖)と試験紙53
に担持された試薬とが反応し、目的成分の量に応じて呈
色する。この呈色強度を例えば前述した方法で測定する
ことにより、血液中の目的成分量(血糖値)が求まる。
なお、血液中に含まれている赤血球等は、濾別されて試
験紙53の間隙54側に留まるので、試験紙53の測色
に悪影響を及ぼすことはない。
は、指先に流出した血液18の量にかわらず、その血液
を簡単な操作で迅速かつ確実に試験紙53へ供給、展開
することができる。従って、測定エラーも極めて少な
く、測定精度の向上に寄与する。
因の1つとして、血液のヘマトクリット値が挙げられ
る。ヘマトクリット値は、血液中に占める赤血球の量
(容積)であるが、成人女性で35%〜45%、成人男
性で40%〜50%、また新生児では60%を超える場
合も多く、性別、年齢差等の個人差により相違する。従
って、血清を分離せず全血を検体とした検査において
は、一定量の血液が試験紙53へ供給されても、血清の
量にバラツキが生じるため、これが測定誤差要因とな
る。以下、血糖値の測定を例にして説明する。
ぞれにおいて、各々ヘマトクリット値30%、40%、
50%、60%に調整された血液を作製し、これらを用
いて測定開始から2秒毎に血糖値を測定したときの測定
結果の一例を表1、表2に示す。
ト値が低い(30%)と、展開速度、反応速度が速くな
るため、最終的な測定値(ヘマトクリット値補正前)
は、実際の血糖値より高い値が出る。ヘマトクリット値
が高い(50%以上)と、逆に、展開速度、反応速度が
遅くなり、実際の血糖値より低い値が出る。従って、以
下のようなヘマトクリット値補正を行う。
(本実施例では18秒)より前の途中の時間(測定時間
途中)に血糖値を予備的に測定し、この測定値(以下
「予備測定値」と言う)を利用する。この場合、予備測
定値の測定時間は、試験紙53への血液の展開がほぼ完
了した後、6秒以内のうちの任意の時間が好ましく、測
定開始から4秒以内のうちの任意の時間が好ましく、測
定開始から2〜4秒がさらに好ましい。以下、予備測定
値の測定時間を4秒として説明する。
)で、ヘマトクリット値を多段階(例えば30%、4
0%、50%、60%)に変えた数種のサンプル血液を
作製し、これらのサンプル血液に対し、実験的に予備測
定値(4秒経過時の測定値)と最終測定値(18秒経過
時の測定値)とを得ておく。サンプル血液中の血糖値を
種々変えた同様のサンプル血液を作製し、これらに対し
ても同様に予備測定値と最終測定値とを得ておく。
合わせに対する補正値(ヘマトクリット値補正係数)を
例えば表3のようにテーブル化してメモリー(第2のメ
モリー)に記憶しておく。
値と最終測定値とから前記表3に従って補正値を決定
し、この補正値を最終測定値に加算する。これにより、
測定する血液のヘマトクリット値の相違にかかわらず、
より正確な血糖値が得られる。
定用チップを図示の実施例に基づいて説明したが、本発
明は、これに限定されるものではない。
挙げて説明したが、検体はこれに限らず、その他、例え
ば尿、リンパ液、隋液、唾液等の体液またはその希釈
液、濃縮液であってもよい。
(血糖値)に限らず、例えば、タンパク、コレステロー
ル、尿酸、クレアチニン、アルコール、ナトリウム等の
無機イオン、ヘモグロビン(潜血)等であってもよい。
ような検体中の成分と試薬との反応により呈色した試験
紙の呈色強度を光学的に測定(測色)し、測定値へ換
算、表示するものの他に、検体中の成分の量に応じて生
じる電位変化を電気的に測定し、測定値へ換算、表示す
るものでもよい。
置によれば、試験紙の測色を遮光状態で行わない場合で
も、外光の変動の影響を受けることなく、高精度の測定
を行うことができる。特に、測定値を補正する温度補正
やヘマトクリット値補正のような各種補正手段を設けた
場合には、測定精度がさらに向上する。
の検体の供給・展開から測定までの一連の操作を連続
的、自動的に行うことができるので、簡単、迅速に、確
実性、再現性のある測定を行うことができる。
れを装着して使用する成分測定装置によれば、検体の形
態や量、採取部位、採取手技等の条件によらず、検体を
簡便、迅速かつ確実に採取し、試験紙上に展開すること
ができ、それにより、正確な測定値を得ることができ
る。
であり、特に、成分測定装置への着脱操作が簡単であ
る。特に、適正な装着状態を容易かつ確実に得ることが
でき、装着状態の不適による測定エラーや測定誤差も防
止できる。
使用済の成分測定用チップの廃棄に際しての安全性も高
い。
す平面図である。
トである。
トである。
トである。
トである。
る。
構成を示す斜視図である。
構成を示す斜視図である。
示す図である。
示す図である。
状態を示す縦断面図である。
きの状態を示す側面図である。
Claims (39)
- 【請求項1】 発色試薬を担持した試験紙を測色して検
体中の所定成分の量を測定する成分測定装置であって、 前記試験紙を装着する試験紙装着部と、前記試験紙装着
部に装着された試験紙へパルス光を照射し、その反射光
の強度を検出する測光部と、前記測光部からの信号に基
づいて目的とする成分の量を算出する演算部とを有し、 前記演算部は、前記パルス光の照射時と非照射時とにお
ける前記反射光の強度の差を求め、その値から前記成分
を算出することを特徴とする成分測定装置。 - 【請求項2】 発色試薬を担持した試験紙を測色して検
体中の所定成分の量を測定する成分測定装置であって、 前記試験紙を装着する試験紙装着部と、前記試験紙装着
部に装着された試験紙へパルス光を間欠的に照射し、そ
の反射光の強度を検出する測光部と、前記測光部からの
信号に基づいて目的とする成分の量を算出する演算部と
を有し、 前記演算部は、複数の前記パルス光に対し、そのパルス
光の照射時と非照射時とにおける前記反射光の強度の差
を求め、それらの平均値から前記成分の量を算出するこ
とを特徴とする成分測定装置。 - 【請求項3】 前記反射光の強度の差の測定は、交流商
用電源の半周期またはその整数倍に相当する時間内に発
せられたパルス光に対し行われる請求項2に記載の成分
測定装置。 - 【請求項4】 前記交流商用電源の周期として、第1の
周期と第2の周期のいずれかを選択するモードを有する
請求項3に記載の成分測定装置。 - 【請求項5】 前記反射光の強度の差の測定は、交流商
用電源の第1の周期と第2の周期の最小公倍数またはそ
の整数倍に相当する時間内に発せられたパルス光に対し
行われる請求項2に記載の成分測定装置。 - 【請求項6】 前記反射光の強度の差の測定回数を手動
でまたは自動的に切替可能な請求項1ないし5のいずれ
かに記載の成分測定装置。 - 【請求項7】 前記反射光の強度の差の測定回数を第1
の回数と第2の回数とに切替可能であり、前記第2の回
数が前記第1の回数の整数倍である請求項1ないし5の
いずれかに記載の成分測定装置。 - 【請求項8】 前記演算部は、試験紙が未発色の状態に
おける前記反射光の強度との相対的な比較により、前記
成分の量の算出を行う請求項1ないし7のいずれかに記
載の成分測定装置。 - 【請求項9】 前記成分の量の測定に先立ち、前記測光
部からの信号に基づいて前記試験紙装着部への試験紙の
装着を自動的に検出する機能を有する請求項1ないし8
のいずれかに記載の成分測定装置。 - 【請求項10】 前記成分の量の測定に先立ち、前記測
光部からの信号に基づいて前記試験紙装着部へ装着され
た試験紙に検体が展開されたことを自動的に検出する機
能を有する請求項1ないし9のいずれかに記載の成分測
定装置。 - 【請求項11】 検体の濃度に関連する条件の相違によ
る測定値の補正を行う第1の補正手段を有する請求項1
ないし10のいずれかに記載の成分測定装置。 - 【請求項12】 前記試験紙装着部へ装着された試験紙
に検体が展開されたときの前記反射光の強度により前記
条件の相違を判断する請求項11に記載の成分測定装
置。 - 【請求項13】 測定温度の相違による測定値の補正を
行う第2の補正手段を有する請求項1ないし12のいず
れかに記載の成分測定装置。 - 【請求項14】 チップ本体と、検体導入流路を形成す
る細管と、検体を吸収可能な試験紙とを備え、 前記細管を経て導入された検体を前記試験紙に展開して
検体中の成分の測定を行うことを特徴とする成分測定用
チップ。 - 【請求項15】 有底筒状のチップ本体と、前記チップ
本体の底部に突出形成され、検体導入流路を形成する細
管と、前記チップ本体の底部内側に設置され、発色試薬
を担持した試験紙とを備え、 前記細管の毛細管現象により前記細管の検体流入側端に
供給された検体を検体流出側端に移送し、該検体を前記
試験紙に展開し、それを測色して検体中の成分の測定を
行うことを特徴とする成分測定用チップ。 - 【請求項16】 一端側に成分測定装置へ装着する装着
部、他端側に検体を採取するための検体導入流路を形成
する細管をそれぞれ有し、前記細管の検体流出側に検体
を吸収可能な試験紙が設置されていることを特徴とする
成分測定用チップ。 - 【請求項17】 前記検体導入流路は、前記試験紙に対
しほぼ直交する方向に延在している請求項14ないし1
6のいずれかに記載の成分測定用チップ。 - 【請求項18】 前記細管は、その検体流入側端面に、
前記検体導入流路に連通する第1の溝を有する構造をな
している請求項14ないし17のいずれかに記載の成分
測定用チップ。 - 【請求項19】 前記第1の溝は、前記細管の径方向に
延在し、前記細管の外周面に開放している請求項18に
記載の成分測定用チップ。 - 【請求項20】 前記第1の溝の前記検体導入流路との
接合境界部分の周長が、前記検体導入流路の全内周長の
50%以下である請求項18または19に記載の成分測
定用チップ。 - 【請求項21】 前記第1の溝の深さが0.1mm以上で
ある請求項18ないし20のいずれかに記載の成分測定
用チップ。 - 【請求項22】 前記細管は、その検体流出側端面に、
前記検体導入流路に連通する第2の溝を有する構造をな
している請求項14ないし21のいずれかに記載の成分
測定用チップ。 - 【請求項23】 前記細管の検体流出側に、前記チップ
本体内に突出する突出部を有し、前記第2の溝は、前記
突出部に、前記細管の径方向に延在しかつ前記突出部の
外周面に開放するよう形成されている請求項22に記載
の成分測定用チップ。 - 【請求項24】 前記第2の溝の前記検体導入流路との
接合境界部分の周長が、前記検体導入流路の全内周長の
50%以下である請求項22または23に記載の成分測
定用チップ。 - 【請求項25】 前記第2の溝の深さが0.01mm以上
である請求項22ないし24のいずれかに記載の成分測
定用チップ。 - 【請求項26】 前記試験紙の前記細管側の位置に、検
体の展開を補助する間隙を有する請求項14ないし25
のいずれかに記載の成分測定用チップ。 - 【請求項27】 前記試験紙の前記検体導入流路に臨む
位置に、前記検体導入流路側に突出する凸部を有する請
求項14ないし26のいずれかに記載の成分測定用チッ
プ。 - 【請求項28】 前記凸部の少なくとも先端が前記検体
導入流路内に挿入されている請求項27に記載の成分測
定用チップ。 - 【請求項29】 前記試験紙の外周より内側に、検体の
展開を規制する環状凸部を有する請求項14ないし28
のいずれかに記載の成分測定用チップ。 - 【請求項30】 前記試験紙の外周より内側に、前記凸
部を中心とする円環状の環状凸部を有する請求項27ま
たは28に記載の成分測定用チップ。 - 【請求項31】 前記試験紙は、その外周部に、前記チ
ップ本体の内面に対し固定される固定部を有する請求項
14ないし30のいずれかに記載の成分測定用チップ。 - 【請求項32】 前記固定部は、前記試験紙の外周に沿
って間欠的に融着また接着により固定されている請求項
31に記載の成分測定用チップ。 - 【請求項33】 成分測定装置の試験紙装着部に装着し
て使用される請求項14ないし32のいずれかに記載の
成分測定用チップ。 - 【請求項34】 前記チップ本体は、成分測定装置の試
験紙装着部への装着時に前記試験紙と前記試験紙装着部
との非接触を確保する離間手段を有する請求項14ない
し33のいずれかに記載の成分測定用チップ。 - 【請求項35】 前記離間手段は、前記チップ本体の内
面に形成され、前記試験紙装着部に当接するスペーサー
である請求項34に記載の成分測定用チップ。 - 【請求項36】 前記検体導入流路の内径が0.2〜
2.0mmである請求項14ないし35のいずれかに記載
の成分測定用チップ。 - 【請求項37】 前記検体導入流路の長さが1〜10mm
である請求項14ないし36のいずれかに記載の成分測
定用チップ。 - 【請求項38】 試験紙装着部に請求項14ないし37
のいずれかに記載の成分測定用チップを装着して使用す
る成分測定装置。 - 【請求項39】 請求項1ないし13のいずれかに記載
の成分測定装置であって、その試験紙装着部に請求項1
4ないし37のいずれかに記載の成分測定用チップを装
着して使用する成分測定装置。
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