JPH10317572A - 内装板接続構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 接続作業を簡単且つ確実に行うことができ、
遮音性能も向上させることができる内装板接続構造を提
供する。 【解決手段】 化粧合板１の裏面に遮音シート２を貼着
してその両側縁裏側に桟材３を固着し、両側の桟材３の
外側面に長手方向に沿った凹溝４を形成して内装板５と
なし、化粧合板１の裏面に遮音シート２を貼着し、その
裏面にクッション材６を貼着して帯板状の目地板７とな
し、同クッション材６を圧縮変形させて目地板７の両側
縁部分を内装板５の凹溝４に挿入嵌合してなる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、室内の天井や壁等
において、内装板を目地板を介して接続してなる内装板
接続構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来から、図５に示す如く、目地板７を
介して両側の内装板５を接続してなる内装板接続構造は
知られている。この場合、内装板５は室内の天井に施工
されるもので、化粧合板１の両側縁裏側に桟材３を固着
し、該両側の桟材３の外側面に長手方向に沿った凹溝４
を形成してなる。又、目地板７は帯板状の木質板で、そ
の両側縁部分が内装板５の凹溝４に挿入嵌合されて、両
側の内装板５は目地板７を介して接続されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の技術においては、階上の騒音が階下へと伝わり易く
て遮音性能に問題があった。この場合に、図５に二点鎖
線で示す如く、内装板５の化粧合板１の裏側に遮音シー
ト２を貼着して遮音性能を向上させることも考えられる
が、そうした場合でも、目地板７を介した接続部分の遮
音性能は向上させることができないものであった。特
に、同接続部分においては、目地板７と凹溝４との嵌合
部分に隙間が発生し易く、音の通過を遮断することは困
難なものであり、同隙間の存在によってガタツキ音が発
生することも考えられる。又、同隙間をなくそうとする
と嵌合がきつくなって、目地板７の両側縁部分を凹溝４
に挿入嵌合して行う内装板５の接続作業に支障を来すこ
とになるものであった。

【０００４】本発明は、上記従来の技術における問題を
悉く解決するために発明されたもので、すなわち、その
課題は、接続作業を簡単且つ確実に行うことができ、遮
音性能も向上させることができる内装板接続構造を提供
することである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明の請求項１記載の
内装板接続構造は、化粧合板の裏面に遮音シートを貼着
し、該遮音シートの両側縁裏側に桟材を固着し、該両側
の桟材の外側面に長手方向に沿った凹溝を形成して内装
板となし、化粧合板の裏面に遮音シートを貼着し、該遮
音シートの裏面にクッション材を貼着して帯板状の目地
板となし、同クッション材を圧縮変形させて目地板の両
側縁部分を内装板の凹溝に挿入嵌合し、該目地板を介し
て両側の内装板を接続してなる。

【０００６】この場合、内装板と目地板とでは、同様の
化粧合板及び遮音シートが採用されている。化粧合板と
しては、木質合板の表面に突板を貼着した通常の化粧合
板が使用され、その表面には一般に塗装が施されてい
る。遮音シートとしては、塩化ビニル樹脂その他の軟質
合成樹脂に硫酸バリウム、鉛粉等の高比重物質を混入し
た材料をシート状に形成したものが使用されている。桟
材は木質角材でなり、遮音シートの両側縁裏側に固着さ
れた後に、内装板の両側縁部分の寸法出し切断作業と共
に、その外側面に凹溝が簡単に形成されている。又、ク
ッション材は弾性に富んだ軟質材でなり、例えば、軟質
合成樹脂、ゴム等、或いは、それ等の発泡体、又は、不
織布その他の繊維体で形成されている。

【０００７】したがって、この場合、化粧合板の裏面に
遮音シートが貼着され、該遮音シートの両側縁裏側に桟
材が固着され、該両側の桟材の外側面に長手方向に沿っ
た凹溝が形成されて内装板となり、化粧合板の裏面に遮
音シートが貼着された帯板状の目地板の両側縁部分が内
装板の凹溝に挿入嵌合され、該目地板を介して両側の内
装板が接続されるので、目地板の挿入嵌合部分で遮音シ
ートが重複することになって、該目地板を介した接続部
分を含む全体で遮音性能が得られる。又、その際、遮音
シートの裏面にクッション材が貼着されて帯板状の目地
板となり、同クッション材が圧縮変形されて目地板の両
側縁部分が内装板の凹溝に挿入嵌合されるので、内装板
の凹溝に目地板の両側縁部分はクッション材を介してガ
タツキなく確実に且つスムーズで簡単に挿入嵌合され、
しかも、同挿入嵌合部分では隙間が発生し難くて音の通
過は遮断され、ガタツキ音を発生することもなくて、遮
音性能が向上される。

【０００８】本発明の請求項２記載の内装板接続構造
は、上記請求項１記載の内装板接続構造において、クッ
ション材を発泡体で形成したことを特徴とする。したが
って、この場合は、特に、クッション材が発泡体で形成
されるので、発泡体の中空構造の作用によって遮音性能
は更に向上される。

【０００９】本発明の請求項３記載の内装板接続構造
は、上記請求項１又は２記載の内装板接続構造におい
て、クッション材と対向する凹溝の内側面を溝開口側が
巾広となるように傾斜面として形成したことを特徴とす
る。したがって、この場合は、特に、クッション材と対
向する凹溝の内側面が傾斜面として形成されて溝開口側
が巾広となるので、同クッション材を圧縮変形させて目
地板の両側縁部分を内装板の凹溝に挿入嵌合する作業が
更にスムーズで楽に行われる。

【００１０】

【発明の実施の形態】図１〜３は、本発明の請求項１〜
３全てに対応する一実施形態を示し、該実施形態の内装
板接続構造は天井に施工されており、化粧合板１の裏面
に遮音シート２を貼着し、該遮音シート２の両側縁裏側
に桟材３を固着し、該両側の桟材３の外側面に長手方向
に沿った凹溝４を形成して内装板５となし、化粧合板１
の裏面に遮音シート２を貼着し、該遮音シート２の裏面
にクッション材６を貼着して帯板状の目地板７となし、
同クッション材６を圧縮変形させて目地板７の両側縁部
分を内装板５の凹溝４に挿入嵌合し、該目地板７を介し
て両側の内装板５を接続してなる。

【００１１】又、該実施形態の内装板接続構造において
は、クッション材６を発泡体で形成しており、該クッシ
ョン材６と対向する凹溝４の内側面を溝開口側が巾広と
なるように傾斜面８として形成している。この場合、図
２に示す如く、凹溝４の溝開口部の巾寸法Ｔは溝底部の
巾寸法ｔよりも大きく形成され、該溝開口部の巾寸法Ｔ
は目地板７の全体厚み寸法と略等しく設定されており、
同溝開口部の巾寸法Ｔと溝底部の巾寸法ｔとの寸法差
（Ｔ−ｔ）は目地板７のクッション材６の厚み寸法より
も小さくなっていて、該クッション材６の圧縮変形され
得る範囲内に納まっている。具体的には、目地板７の全
体厚み寸法が5.0mm 、そのクッション材６の厚み寸法が
1.5mm であり、これに対応するように、凹溝４の溝開口
部の巾寸法Ｔは5.0mm 、同溝底部の巾寸法ｔは4.0mm に
各々形成されている。

【００１２】又、内装板５と目地板７とでは、同様の化
粧合板１及び遮音シート２が採用されている。化粧合板
１としては、木質合板９の表面に突板10を貼着した通常
の化粧合板が使用されており、その表面には塗装が施さ
れていて、全体の厚み寸法は2.5mm となっている。遮音
シート２としては、軟質塩化ビニル樹脂に硫酸バリウ
ム、鉛粉等の高比重物質を混入した材料をシート状に押
出成形したものが使用されており、その厚み寸法は1.0m
m となっている。桟材３は木質角材でなり、遮音シート
２の両側縁裏側に固着された後に、内装板５の両側縁部
分の寸法出し切断作業と共に、その外側面に凹溝４が簡
単に形成されている。又、クッション材６は弾性に富ん
だ軟質材でなり、この場合は、発泡倍率10〜20倍程度の
軟質ウレタン樹脂の発泡体で形成されている。

【００１３】又、図３に示す如く、両側の桟材３の間に
は複数本の横桟材11が並設架設されて格子組体として一
体化され、該一体化されたものが遮音シート２の裏側に
貼着固定されている。又、目地板７の表面中程部分は露
出するように接続されているが、該露出部分は内装板５
の表面と同様の様相となるので、外観的に支障を来すこ
とがない。又、目地板７の両側縁部分を内装板５の凹溝
４に挿入嵌合するに際しては、接着剤を使用して嵌合固
着させても良いが、接着剤を使用せずともクッション材
６の弾性復元力の作用によって簡単に且つ確実に接続さ
れるので、抜き外し得るように挿入嵌合しておいて、内
装板５や目地板７の取替作業が容易に行われるようにし
ておいても良い。

【００１４】したがって、該実施形態の内装板接続構造
においては、目地板７の挿入嵌合部分で遮音シート２が
重複することになるので、該目地板７を介した接続部分
を含む全体で遮音性能が得られる。又、その際、クッシ
ョン材６が圧縮変形されて目地板７の両側縁部分が内装
板５の凹溝４に挿入嵌合されるので、内装板５の凹溝４
に目地板７の両側縁部分はクッション材６を介してガタ
ツキなく確実に且つスムーズで簡単に挿入嵌合され、し
かも、同挿入嵌合部分では隙間が発生し難くて音の通過
は遮断され、ガタツキ音を発生することもなくて、遮音
性能が向上される。この場合、高齢者の居間として一階
の和室が使用されることが多いが、二階の騒音が一階へ
と伝わり難くなるので、同一階の和室の遮音度は良好に
確保されることとなる。

【００１５】又、該実施形態の内装板接続構造において
は、クッション材６が発泡体で形成されているので、発
泡体の中空構造の作用によって遮音性能は更に向上され
ている。又、クッション材６と対向する凹溝４の内側面
が傾斜面８として形成されて溝開口側が巾広となってい
るので、同クッション材６を圧縮変形させて目地板７の
両側縁部分を内装板５の凹溝４に挿入嵌合する作業が更
にスムーズで楽に行われるものとなっている。

【００１６】図４は、本発明の請求項１、２に対応する
別の実施形態を示し、該実施形態の内装板接続構造にお
いては、凹溝４の内側面が傾斜しておらず、該凹溝４の
溝巾寸法Ｔは奥行きにわたって等しく、目地板７の全体
厚み寸法よりも若干小さく形成されている。具体的に
は、凹溝４の溝巾寸法Ｔが4.5mm に形成されていて、目
地板７の全体厚み寸法5.0mm と同溝巾寸法Ｔ4.5mm との
寸法差0.5mm は、目地板７のクッション材６の厚み寸法
1.5mm よりも小さくなっていて、該クッション材６の圧
縮変形され得る範囲内に納まっている。なお、それ以外
は上記実施形態と同様に構成されており、上記実施形態
におけると同様の作用効果が奏される。

【００１７】なお、上記二つの実施形態における内装板
接続構造を、実際に、一階の天井に施工し、二階の床に
一般の木質床材を施工して、該木質床材上で500HZ の振
動に伴う騒音を発生させて、同一階での遮音度を測定す
ると、前者の実施形態にあっては28dB、後者の実施形態
にあっては26.5dBとなり、従来の技術で示した遮音シー
ト２を貼着していない一般のものが23dBであったのに比
して、いずれも、遮音度は高く確保されることが確認さ
れた。

【００１８】又、本発明の内装板接続構造においては、
化粧合板１として、繊維板の表面に合成樹脂シートを貼
着したものを使用しても良く、又、遮音シート２とし
て、それ自体で高比重のゴムシートを使用しても良く、
又、クッション材６として、無発泡の軟質合成樹脂、ゴ
ム、或いは、不織布その他の繊維体等を使用しても良い
ものであって、これ等の材質は上記実施形態において使
用したものに限定されるものではない。

【００１９】

【発明の効果】上述の如く、本発明の請求項１記載の内
装板接続構造においては、目地板の挿入嵌合部分で遮音
シートが重複して、該目地板を介した接続部分を含む全
体で遮音性能が得られ、又、内装板の凹溝に目地板の両
側縁部分はクッション材を介してガタツキなく確実に且
つスムーズで簡単に挿入嵌合され、しかも、同挿入嵌合
部分では隙間が発生し難くて音の通過は遮断され、ガタ
ツキ音を発生することもなくて、遮音性能が向上され
る。

【００２０】又、本発明の請求項２記載の内装板接続構
造においては、特に、クッション材が発泡体で形成され
るので、発泡体の中空構造の作用によって遮音性能は更
に向上される。

【００２１】又、本発明の請求項３記載の内装板接続構
造においては、特に、クッション材と対向する凹溝の内
側面が傾斜面として形成されて溝開口側が巾広となり、
同クッション材を圧縮変形させて目地板の両側縁部分を
内装板の凹溝に挿入嵌合する作業が更にスムーズで楽に
行われる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態である内装板接続構造を示
す断面図。

【図２】同内装板接続構造を示す分解断面図。

【図３】同内装板接続構造を示す概略斜視図。

【図４】別の実施形態である内装板接続構造を示す分解
断面図。

【図５】従来例である内装板接続構造を示す断面図。

【符号の説明】

１ 化粧合板 ２ 遮音シート ３ 桟材 ４ 凹溝 ５ 内装板 ６ クッション材 ７ 目地板 ８ 傾斜面

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 化粧合板の裏面に遮音シートを貼着し、
   該遮音シートの両側縁裏側に桟材を固着し、該両側の桟
   材の外側面に長手方向に沿った凹溝を形成して内装板と
   なし、化粧合板の裏面に遮音シートを貼着し、該遮音シ
   ートの裏面にクッション材を貼着して帯板状の目地板と
   なし、同クッション材を圧縮変形させて目地板の両側縁
   部分を内装板の凹溝に挿入嵌合し、該目地板を介して両
   側の内装板を接続してなる内装板接続構造。
2. 【請求項２】 クッション材を発泡体で形成したことを
   特徴とする請求項１記載の内装板接続構造。
3. 【請求項３】 クッション材と対向する凹溝の内側面を
   溝開口側が巾広となるように傾斜面として形成したこと
   を特徴とする請求項１又は２記載の内装板接続構造。