JP3999052B2 - 通気幅木 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、建物に床衝撃が発生した際に、その衝撃音が床下空間部を介して下階層に伝搬するのを緩衝、遮断することができる通気幅木に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、マンション等の高層住宅においては、各階層における床スラブ等の床基盤とこの床基盤上に施工される床との間に床下空間部を有する二重床構造が設けられてあり、この床下空間部によって上下階層間の遮音機能を発揮させるように構成しているが、上階層側に床衝撃音、特に、重量床衝撃音が加わると、床下空間部の空気層がその衝撃波によって瞬間的に圧縮されて床基盤を叩く、所謂、太鼓現象が発生し、下階層に騒音となって伝搬するという問題点があった。
【0003】
このため、図6に示すように、床基盤C1上に施工している床Bの端面と壁スラブ等の壁面C2との間に隙間21を設けると共にこの隙間21上における壁面C2の下端部に施工された幅木A'の後面側に上記隙間21に連通する空隙部22を設け、さらにこの幅木A'の上端部に、長さ方向に所定間隔毎に、前後面間に貫通した多数の通気孔23を設けて、この通気孔23によって上記空隙部22と室内空間部E間を連通させた構造とし、床基盤C1と床Bとの間の床下空間部D内の空気層が床衝撃音によって圧縮された時に、その空気の一部を上記隙間21から幅木A'の後面側に設けている空隙部22を通じて幅木A'の通気孔23から室内空間部Eに逃がすことにより、床衝撃音を遮断するように構成している。また、前後面間に貫通する通気孔23を設けた幅木に代えて、全体を通気性材料より形成してなる幅木を採用することも行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前後面間に貫通した多数の通気孔23を設けてなる幅木を施工すると、その通気孔23の開口端が室内空間部Eに直接、露出した状態となって部屋の美観を損なう虞れがあるばかりでなく、塵埃等が該通気孔23に侵入、付着して幅木を汚損し、外観を著しく損するという問題点がある。また、幅木全体を多孔質の通気性材料によって形成した場合には、幅木としての強度が弱くなると共に外観的にも好ましくなく、そのため、前面に化粧シート等の化粧層を施して室内との美観の調和を図ると、この化粧層によって通気性が損なわれて床衝撃音を緩衝する作用を行わせることができなくなるという問題点があった。
【0005】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、二重床等の床下空間部を有する防音床構造において、良好な床衝撃音遮断性能を発揮すると共に外観的にも優れた通気幅木を提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の通気幅木は、請求項1に記載したように、後面側に通気用隙間を設けている幅木本体の上端部に、後方に向かって窪んでいる一定の縦幅と奥行きを有する凹溝部を全長に亘って設けていると共に、この凹溝部の垂直な奥底面の上部に、該凹溝部の長さ方向に所定間隔毎に幅木本体の前面と上記空気用隙間を設けている後面間に連通する通気孔を設け、さらに、凹溝部の上端部に上方に向かって垂直突片部を突設してこの垂直突片部にカバー部材の下端面中央部に設けている下向き開口の縦条溝を嵌合させることにより幅木本体の上端部にカバー部材を装着していると共に、このカバー部材の前側壁板部の下部を上記凹溝部の開口上端から下方に向かって突出させて上記通気孔を隠蔽させ、且つ、この前側壁板部の下部と凹溝部の垂直な奥底面との間に下向きに開口した通気口を設けてなる構造を有している。
【0007】
このように構成した通気幅木において、請求項2に係る発明は、上記幅木本体の後面側の通気用隙間が、幅木本体の上端部に装着しているカバー部材の後側壁板部の後面を壁面下端部に密着させた際に凹溝部の垂直な外底面と壁面間で形成される狭幅隙間と、凹溝部の下側水平壁面部の下方における幅木本体の後面と壁面間で形成される広幅隙間とからなることを特徴とするものである。
【0008】
さらに、請求項3に係る発明は、上記通気用隙間における広幅隙間に上下方向に連通した多数の通気小孔を有する帯板形状の通気部材を配設、固定し、この通気部材の後面を壁面に当接させるように構成していることを特徴とする。
【0009】
【作用】
床スラブ等の床基盤上に施工した床の壁際上に、壁面の下端部に沿って本発明の幅木を施工する。この際、床の壁際側の端面と壁面との間に通気用空隙部を設けておき、この通気用空隙部に幅木本体の裏面側に設けている通気用隙間の下端を連通させた幅木取付構造としておく。このように幅木を施工している床構造において、床面上に重量物が落下等して床衝撃音が発生すると、床と床基盤間の床下空間部の空気層がその衝撃波により瞬間的に圧縮されるが、その圧縮によって床下空間部内に床の端面と壁間の上記通気用空隙部に向かう空気の流れが発生して該空気の一部がこの通気用空隙部から幅木本体の後面と壁との間の隙間と幅木本体の上端部に設けている通気孔を順次通過してカバー部材と幅木本体の上端部との対向面間に設けている下向きに開口した通気口を通じて室内空間部に抜け出し、床衝撃音が階下に伝わるのを防止することができる。
【0010】
このような幅木取付構造において、幅木本体の上端部に設けてられている多数の通気孔は、幅木本体の上端部に設けているカバー部材によって隠蔽されているので室内側には全く露呈することはなく、室内側空間と調和の取れた優れた外観を呈する幅木を提供し得ると共に、前面に塵埃等が付着して汚れた場合には、その汚れの拭き取りが容易に行うことができる。
【0011】
幅木本体の前後面間に亘って貫通している上記多数の通気孔を、幅木本体の上端部に形成した後方に向かって窪んでいる凹溝部の垂直な奥底面の上部に設けておくことによって、各通気孔が幅木本体の垂直な前面(表面)から後方に配列した状態となると共に、上記凹溝部の上端部に垂直突片部を突設してこの垂直突片部にカバー部材の下面中央部に設けている下向き開口の縦条溝を嵌合させれば、このカバー部材により上記全ての通気孔を簡単に隠蔽した構造の幅木を構成することができ、その上、カバー部材の前面と幅木本体の前面とが同一垂直面上に合わせることができてあたかも一枚物の見栄えのよい幅木の外観を呈する。
【0012】
さらに、上記カバー部材の後面(裏面)を壁面に当接させた状態にして施工すると、幅木本体の上端部に設けている上記凹溝部の後面側にはその後面と壁面との間に狭幅隙間が形成されると共に、凹溝部から下方の幅木本体の後面と壁面との間に広幅隙間が形成され、この広幅隙間に、上下方向に連通した多数の通気小孔を有する帯板形状の通気部材を配設、固定してこの通気部材を上記カバー部材と共に壁面に当接させることにより、幅木を正確に且つ安定した状態で強固に施工することができ、その上、通気部材の多数の通気小孔によって空気流を平行に整流しながら円滑に流通させることができる。
【0013】
また、幅木本体の下端に一定の縦幅を有するゴム製のシール部材を下方に向かって突設しておくことにより、その下端部を常に床面に密着させた状態を保持して塵埃等が幅木と床との間の隙間に侵入するのを確実に阻止することができると共に、幅木の施工時においては上記幅木本体に対して上下方向に位置調整可能なカバー部材と共にこのシール部材の上下方向の取付位置が調整可能となって精度のよい幅木の施工が可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の具体的な実施の形態を図面について説明すると、図1、図2において、1は木質材、或いは合成樹脂材よりなる一定の縦幅を有する正面横長長方形状の幅木本体で、その上端部に、後方に向かって窪んでいる一定の縦幅と奥行き(深さ)を有する凹溝部2を全長に亘って水平状に形成していると共に、この凹溝部2の溝底部の上部、即ち、垂直な奥底面の上部に、水平方向に所定間隔毎に幅木本体1の前後面間に貫通した通気孔3、3・・・を設けてあり、さらに、幅木本体1の上端に幅木本体1と同一材料よりなるカバー部材4を装着して、このカバー部材4における幅木本体1の前面側を被覆した前側壁板部4aの下端部を上記凹溝部2の開口前端の上端から下方に向かって垂設させてこの下端部により上記全ての通気孔3を隠蔽していると共に、該カバー部材4の下端部と通気孔3を設けている凹溝部2上部との対向面間に下方に向かって開口した通気口5を形成している。
【0015】
上記凹溝部2は、幅木本体1の上端から一定の縦幅寸法を存した部分を全長に亘って後方に向かって断面コ字状に膨出させることにより形成されてあり、その下側の水平な壁面部2aは幅木本体1の上端部から後方に向かって直角に屈折していて凹溝部2よりも下方部側の幅木本体1の後面から凹溝部2の深さに相当する幅寸法だけ後方に突出している。さらに、この凹溝部2の上側の水平な壁面部2bの高さ、即ち、凹溝部2の垂直な溝底面2cから前方に向かって突出した該壁面部2bの突出幅は、下側の水平壁面部2aの高さ、即ち、凹溝部2の垂直な溝底面2cから前方に向かって突出した該壁面部2aの突出幅よりも低く(幅狭く)形成されてあり、上記上側水平壁面部2bの上面、即ち、凹溝部2の上端部に上方に向かって一定高さと厚みを有する垂直突片部6を突設していると共に上側水平壁面部 2bの後端面から後方に向かって一定幅の水平突片部7を突設している。
【0016】
一方、上記カバー部材4は、その前後方向の厚みが凹溝部2から下方側の幅木本体1の前面(表面)と凹溝部2の上端後方に突設している水平突片部7の後端面間の幅寸法に等しい厚みに形成された角棒部材からなり、その下端面中央部に全長に亘って上記凹溝部2の上側水平壁面部2bから突設している垂直突片部6に嵌合させる下向きに開口した縦条溝8を設けている。なお、この縦条溝8の深さは、垂直突片部6の突出高さよりも深く形成している。
【0017】
上記縦条溝8の前後溝壁面を形成しているカバー部材4の前側壁面部4aと後側壁面部4bとにおいて、前側壁面部4aの厚みを上記凹溝部2の下方側の幅木本体1の前面と凹溝部2の上側水平壁面部2bの前端面との間の幅寸法に等しい厚みに形成して、カバー部材4の縦条溝8を幅木本体1側の上記垂直な突片部6に被嵌させることにより幅木本体1の上端部にカバー部材4を装着した時に、このカバー部材4の前面が凹溝部2から下方側の幅木本体1の前面と同一垂直面上になるように形成している。
【0018】
さらに、カバー部材4の上記前側壁面部4aの下部4a' を上記凹溝部2の開口前端における上端から下方に向かって突出させてあり、この突出下部4a' によって上記全ての通気孔3を隠蔽させていると共に、該突出下部4a' の後面と通気孔3を設けている凹溝部2の溝底面との隙間によって下向きに開口した上記通気口5を形成している。そして、この通気口5の下端は、前方に向かって開口している凹溝部2内の下端部を通じて室内側空間部Dに連通するように構成している。
【0019】
また、カバー部材4の上記後側壁板部4bの厚みは、凹溝部2の上端から後方に突出している上記水平突片部7の突出幅に等しく形成してあり、従って、後側壁板部4bの後面と水平突片部7の後端面とは垂直面上で面一となるように形成されているが、後側壁板部4bの厚みを水平突片部7の突出幅よりも僅かに厚くしておいてもよい。
【0020】
このカバー部材4は、上記のようにその縦条溝8に幅木本体1の上端から上方に突設している垂直突片部6を挿嵌させることにより、幅木本体1に一体的に装着されて幅木Aを形成しているものであるが、施工時においては、図4に示すように、このカバー部材4の後面を壁面C2に密接させた状態にして取付けられるものであり、この施工状態においては、凹溝部2の垂直な外底面と壁面C2との間には幅狭い隙間9が形成されてこの狭幅隙間9の上部に上記全ての通気孔3の開口後端を臨ませていると共に、凹溝部2から下側の幅木本体1の後面と壁面C2との間には幅広い隙間10が形成されている。
【0021】
また、幅木本体1の下端には後方に向かって直角に屈折してなる支持片11を形成していると共に幅木本体1の下端に、全長に亘って一定縦幅を有する断面舌片形状のゴム製のシール部材12を下方に向かって突設している。なお、幅木本体1の垂直突片部6から支持片11に至る前面に、塩ビシート等の化粧シート13を全面的に貼着していると共にカバー部材4もその上端部後面から前面及び下端面に亘って上記と同一化粧シート14を貼着している。
【0022】
15は幅木本体1の後面側における上記広幅隙間10内に略全面的に配設、固定されたプラスチック製段ボールからなる帯板形状の通気部材で、上下端面間に亘って連通した多数の直状通気小孔16を設けてあり、この通気小孔16の下端開口部を幅木本体1の下方空間部に連通させていると共に上端開口部を上記狭幅隙間9に連通させている。さらに、この通気部材15の厚みを幅木本体1の前面とカバー部材4の後面間の幅寸法に等しい厚みに形成して、その後面をカバー部材4の後面と共に壁面C2の密着させて幅木Aを安定した状態で壁面C2に固定できるように形成している。この際、通気部材15はその下端面の一部を上記支持片11に支持された状態でその前面を接着剤等によって幅木本体の後面に固定されている。
【0023】
なお、通気部材15としてはプラスチック製段ボール以外にグラスウール等の吸音材を採用してもよく、また、このような通気部材13を広幅隙間10内に配することなく広幅隙間10をそのまま通気用通路として使用してもよい。この場合、幅木Aは、上端部に装着している上記カバー部材4の後面のみが壁面C2に密接、支持させた固定状態となって、幅木本体1の前面に何らかの衝撃力が作用した時に幅木本体が凹んだり後方に変形する虞れがあるので、幅木本体1の後端部に下方に向かってリブ(図示せず)を突設してこのリブの後端面を上記カバー部材4の後面と共に壁面C2に密接、受止させた構造とすればよい。なお、このようなリブを突設した場合には、該リブに上下方向に連通する通気部分を設けておくことは勿論である。
【0024】
このように構成した幅木Aは図3〜図5に示すように、建物の各階層における床スラブ等の床基盤C1とこの床基盤C1上に支持部材等を介して施工された床Bとの間に床下空間部Dを設けてなる二重床構造において、建物の室内空間部Eを区画形成している壁スラブからなる壁面C2の下端部にそのカバー部材4の後面と通気部材15の後面とを接着剤等によって接着することにより施工される。この際、カバー部材4を幅木本体1の凹溝部2の上端から突出している垂直突片部6に対してその縦条溝8の嵌合深さを調整することにより幅木本体1の取付位置を所定位置に設定すると共に、幅木本体1の下端から下方に突設しているシール部材12を床Bの壁際側の端部上に弾接させて床面の不陸を吸収させている。
【0025】
また、床Bにおける壁際側の端面と壁面C2との間には床下空間部Dと室内空間部Eとを連通させる隙間17が設けられてあり、上記幅木Aはこの隙間17上に配設されていて該隙間17の上端を幅木本体1の上記シール部材12によって密封された空間部18を通じて幅木本体1の後面側の隙間9、10に臨ませた構造としている。
【0026】
このように構成した床構造において、床面上に重量物が落下等して床衝撃音が発生すると、その衝撃波によって床下空間部E内の空気層が圧縮される。この時、床Bの端面と壁面C2との間には隙間17が設けられていてこの隙間17が幅木本体の後面側の隙間9、10から通気孔3を通じて室内側空間部Eに連通しているので、上記床下空間部E内の空気層が圧縮されると図4に矢印で示すように、上記隙間17に向かう空気流が発生し、この隙間17から幅木本体1の後面側の広幅隙間10に配設している通気部材15の通気小孔16内を上方に流通し、狭幅隙間9から通気孔3を通じて幅木本体1の上端部に形成している凹溝部2の上部内に流出したのち、この凹溝部2の上部を被覆しているカバー部材4の前側壁面部4aの下部4a' と凹溝部2の上端部との間の下向き通気口5を流下して該通気口5の下端から室内空間部Eに向かって開口している凹溝部2内の下端部を通じて室内側空間部Eに流出する。
【0027】
このように、床面上に衝撃音が発生した時に、床下空間部Eの空気の一部が室内側空間部Eに抜け出るので、床下空気層の圧縮を軽減して床衝撃音が階下に伝達するのを遮断することができる。
【0028】
なお、幅木本体1の後面側から前面側に空気を流出させるための凹溝部2の上部に設けている多数の通気孔3の形状は円形、楕円形、角孔形等のいずれでの形状であってもよいが、外観上、カバー部材4の前側壁板部4aの下部によって隠蔽しておくことが必要である。また、空気を殆ど抵抗なく流出させるためには、この全ての通気孔3の開口率を凹溝部2の上部の面積の30%以上にしておくことが望ましい。
【0029】
【発明の効果】
以上のように本発明の通気幅木によれば、請求項1に記載したように、後面側に通気用隙間を設けている幅木本体の上端部に前後面間に亘って貫通した通気孔を水平方向に所定間隔毎に設けて、これらの通気孔の後面側開口端を上記通気用隙間に連通させていると共に、前面側の開口端を幅木本体の上端部に設けているカバー部材によって隠蔽してあり、さらに、このカバー部材と幅木本体の上端部との対向面に下方に向けて開口した外部に連通する通気口を設けた構造としているので、この通気幅木を床スラブ等の床基盤の上方における床の壁際上に、壁面の下端部に沿って施工した状態においては、幅木本体の上端部に設けている多数の通気孔は、幅木本体の上端部に設けているカバー部材によって隠蔽されていて室内側には全く露呈することはないから、違和感を与えることがなく、室内側空間と調和の取れた優れた外観を呈する幅木を提供し得ると共に、通気孔に塵埃等が室内側空間部側から侵入、付着するのをカバー部材によって防止して清潔感のある幅木取付構造を構成することができる。
【0030】
さらに、上記幅木を床の壁際側の端面と壁面との間に設けている通気用空隙部にその裏面側の通気用隙間を連通させた状態で壁面の下端部に施工することによって、床面上に重量物が落下等して床衝撃音が発生しても、床下空間部の空気を上記通気用空隙部から幅木本体の後面と壁との間の隙間と幅木本体の上端部に設けている通気孔を円滑に流通させてカバー部材と幅木本体の上端部との対向面間に設けている下向きに開口した通気口を通じて室内空間部に逃がすことができ、従って、床衝撃音が階下に伝わるのを防止することができる。
【0031】
さらに、本発明によれば、幅木本体の前後面間に亘って貫通している上記多数の通気孔を、幅木本体の上端部に形成した後方に向かって窪んでいる一定の縦幅と奥行きを有する凹溝部の垂直な奥底面の上部に設けていると共に、凹溝部の上端部に突設している垂直突片部にカバー部材の下端面中央部に形成している下向き開口の縦条溝を嵌合させることにより幅木本体の上端部にカバー部材を装着し、このカバー部材の前側壁板部の下部を上記凹溝部の開口上端から下方に向かって突出させているので、このカバー部材の突出下部によって上記凹溝部の上部に設けている多数の通気孔を室内側から全く見えないように確実に隠蔽しておくことができると共に、このカバー部材の突出下部と凹溝部の垂直な奥底面との間に所定の開口幅を有する下向きに開口した通気口を形成することができ、この通気口の下方における凹溝部の下部内を通じて室内空間部に空気を流通させることができる。
【0032】
その上、幅木本体の上端部から上方に突設している上記垂直突片部に対するカバー部材の縦条溝の嵌合深さを調整することによって幅木の縦幅や高さ等を簡単に調整することができると共に、カバー部材の前面と幅木本体の前面とが同一垂直面上に合わせることができてあたかも一枚物の見栄えのよい幅木の外観を呈する幅木を構成することができる。
【0033】
また、幅木本体の後面側の通気用隙間は、請求項2に記載したように、幅木本体の上端部に装着しているカバー部材の後側壁板部の裏面を壁面の幅木施工面に密着させた際に凹溝部の垂直な外底面と壁面間で形成される狭幅隙間と、凹溝部の下側水平壁面部の下方における幅木本体の後面と壁面間で形成される広幅隙間とからなるので、カバー部材を幅木施工面に密着、固定することによって、所定幅の通気用隙間を形成することができると共に、請求項3に記載したように、広幅隙間に、上下方向に連通した多数の通気小孔を有する帯板形状の通気部材を配設、固定してこの通気部材を上記カバー部材と共に壁面に当接させることにより、幅木を正確に且つ安定した状態で強固に施工することができ、その上、通気部材の多数の通気小孔によって空気流を平行に整流しながら円滑に流通させることができ、床下空間部を利用した建物の換気手段としても採用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の通気幅木の縦断側面図。
【図2】 その一部分の背面側からの分解斜視図。
【図3】 通気幅木を施工した床構造の一部を断面した斜視図。
【図4】 その通気構造を示す縦断側面図。
【図5】 床面側からみた幅木施工状態を示す斜視図。
【図6】 従来例を示す簡略縦断側面図。
【符号の説明】
1 幅木本体
2 凹溝部
3 通気孔
4 カバー部材
5 通気口
6 垂直突片部
8 縦条溝
9 狭幅隙間
10 広幅隙間
12 シール部材
15 通気部材
A 幅木
B 床
C1 床基盤
C2 壁面
D 床下空間部
E 室内空間部
Claims (3)
- 後面側に通気用隙間を設けている幅木本体の上端部に、後方に向かって窪んでいる一定の縦幅と奥行きを有する凹溝部を全長に亘って設けていると共に、この凹溝部の垂直な奥底面の上部に、該凹溝部の長さ方向に所定間隔毎に幅木本体の前面と上記空気用隙間を設けている後面間に連通する通気孔を設け、さらに、凹溝部の上端部に上方に向かって垂直突片部を突設してこの垂直突片部にカバー部材の下端面中央部に設けている下向き開口の縦条溝を嵌合させることにより幅木本体の上端部にカバー部材を装着していると共に、このカバー部材の前側壁板部の下部を上記凹溝部の開口上端から下方に向かって突出させて上記通気孔を隠蔽させ、且つ、この前側壁板部の下部と凹溝部の垂直な奥底面との間に下向きに開口した通気口を設けていることを特徴とする通気幅木。
- 幅木本体の後面側の通気用隙間は、幅木本体の上端部に装着しているカバー部材の後側壁板部の裏面を壁面下端部に密着させた際に凹溝部の垂直な外底面と壁面間で形成される狭幅隙間と、凹溝部の下側水平壁面部の下方における幅木本体の後面と壁面間で形成される広幅隙間とからなることを特徴とする請求項1に記載の通気幅木。
- 広幅隙間に、上下方向に連通した多数の通気小孔を有する帯板形状の通気部材を配設、固定し、この通気部材の後面を壁面に当接させるように構成していることを特徴とする請求項2に記載の通気幅木。
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