JPH10317245A - 潜在3次元捲縮発現性自己伸長糸とその製造方法および複合糸 - Google Patents
潜在3次元捲縮発現性自己伸長糸とその製造方法および複合糸Info
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- JPH10317245A JPH10317245A JP12871597A JP12871597A JPH10317245A JP H10317245 A JPH10317245 A JP H10317245A JP 12871597 A JP12871597 A JP 12871597A JP 12871597 A JP12871597 A JP 12871597A JP H10317245 A JPH10317245 A JP H10317245A
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Abstract
長糸とその製造方法および複合糸を提供する。 【解決手段】ポリエステルマルチフィラメントからなる
フラットヤーンであって、染色加工時の沸水処理および
/または乾熱処理等によって3次元捲縮を発現すると同
時に糸軸方向へ自己伸長性を示し、式1に示す伸縮伸長
率CSが2%以上10%以下で式2に示す伸縮弾性率C
Dが60%以上で、さらに180℃乾熱処理後の自己伸
長率ΔSHが式3に示す範囲にあることを特徴とする潜
在3次元捲縮発現性自己伸長糸。 CS(%)={(LC2−LC1)/LC1}×100
…1 CD(%)={(LC2−LC3)/(LC2−LC
1)}×100…2 0%<ΔSH≦12%
…3 ここで、 LC1:180℃乾熱処理後2mg/d荷重下の長さm
m LC2:180℃乾熱処理後0.1g/d荷重下の長さ
mm LC3:LC2測定後再度2mg/d荷重下をかけた時
の長さmm である。
Description
チフィラメントからなる潜在3次元捲縮発現性自己伸長
糸とその製造方法および複合糸に関するものであり、さ
らに詳しくは製織あるいは編立て時にはフラットヤーン
でありながら通常の染色加工を実施することによって実
質的に3次元捲縮発現方向へ自己伸長性を示すことで、
従来にない膨らみ・ソフト感を有する布帛を提供できる
ポリエステルマルチフィラメントからなる潜在3次元捲
縮発現性自己伸長糸とその製造方法および複合糸に関す
る。
ントを用いた織編物は、薄地から中厚地にいたるまで多
数上市されており、熱収縮差を利用して織編物にふくら
み感を与えた異収縮混繊糸が利用されている。
が共に収縮糸でありながら、熱処理により収縮の大なる
フィラメントと収縮の小なるフィラメントを組み合わせ
たものは十分な熱収縮差を得るため収縮の大なるフィラ
メントの熱収縮率を大きくする必要があるが、ふくらみ
感は出るものの芯のある硬い風合いになりやすい欠点を
有している。
に富む織編物を得る手段として、熱処理により収縮する
フィラメントと自己伸長性を示すフィラメントとを混繊
あるいは合撚した糸条を用いて製織編し、染色加工工程
等の熱処理により自己伸長性糸状を織編物表面へ浮き出
させる提案、例えば特公昭61−36099号公報、特
公昭62−60504号公報、特公平3−42334号
公報、特公平4−1097号公報、特公平4−1805
1号公報など多数提案され一応の効果は得られている。
は、染色加工工程等の熱処理により結晶配向化が進み、
自己伸長性を示すものであるが、自己伸長性の構成フィ
ラメントが一様に繊維軸方向に伸長してしまうため、均
整な表面感となるばかりでなく、ポリエステル特有のヌ
メリ感が残存したものであった。
ものとして、糸に捲縮を付与する提案が特開平8−32
5871号公報、特開平9−3739号公報、特開平9
−21026号公報などに示されているが、熱処理前の
段階ですでに捲縮を有しているために、通常の仮ヨリ加
工糸のようにふかつきの強いものであったり、熱処理後
に捲縮が発現するものであっても捲縮発現力が弱いばか
りでなく、2次元捲縮のため織物拘束力下で十分に嵩高
性を発揮できないものであった。さらにはこれらの提案
に開示されている製造方法では、捲縮あるいは潜在的捲
縮を付与するために糸加工を低速で行わなければならな
かったり、特殊な設備が必要であり、生産性に劣るもの
であった。
題点に鑑み、染色加工時の沸水処理および/または乾熱
処理によって、あるいはこれらに準ずる熱処理によっ
て、3次元捲縮発現と自己伸長性を同時に発現させ、織
編物とした時に十分な膨らみとソフト感を提供できるポ
リエステルマルチフィラメントからなる潜在3次元捲縮
発現性自己伸長糸とその製造方法および複合糸を提供す
ることを目的とするものである。
発現性自己伸長糸とその製造方法および複合糸は上記の
課題を解決するために次の構成を有する。すなわち、 [1]ポリエステルマルチフィラメントからなるフラッ
トヤーンであって、染色加工時の沸水処理および/また
は乾熱処理、あるいはこれらに準ずる熱処理によって実
質的に3次元捲縮を発現すると同時に糸軸方向へ自己伸
長性を示し、次式(1)に示す伸縮伸長率(CS)が2
%以上10%以下かつ次式(2)に示す伸縮弾性率(C
D)が60%以上で、さらに180℃乾熱処理後の自己
伸長率(ΔSH)が次式(3)に示す範囲にあることを
特徴とする潜在3次元捲縮発現性自己伸長糸。
の長さ(mm) LC2:180℃乾熱処理後0.1g/d荷重下の長さ
(mm) LC3:LC2測定後再度2mg/d荷重下をかけた時
の長さ(mm) である。
発現性自己伸長糸と沸水収縮率が2%以上20%以下の
熱収縮性糸とが流体交絡および/または合撚されている
複合糸。
であることを特徴とする前記[2]項記載の複合糸。
0-3のポリエステルマルチフィラメント未延伸糸を該未
延伸糸の自然延伸倍率(NDR)以上破断倍率以下の延
伸倍率でガラス転移点プラス20℃以下の温度下で、か
つ仮ヨリ数(K)が下記式(4)を満足する条件下に延
伸仮ヨリした後、オーバーフィード率25%以上でかつ
処理温度(T)が下記式(5)を満足する条件下で糸条
を収縮させることを特徴とする潜在3次元捲縮発現性自
己伸長糸の製造方法。
スターを用いることを特徴とする前記[4]項記載の潜
在3次元捲縮発現性自己伸長糸の製造方法。
ることを特徴とする前記[4]項または[5]項に記載
の潜在3次元捲縮発現性自己伸長糸の製造方法。
する。
伸長糸は、熱処理前は捲縮やトルクを有さないフラット
ヤーンでありながら、通常の染色加工工程での熱処理を
受けることで十分な3次元捲縮と自己伸長性を同時に発
現するものである。
とで織物にする際は通常のポリエステル延伸糸と同様の
取扱い性となるばかりでなく、熱処理前後で織物交錯点
での空隙変化が大きくなり、風合いがふかつくことな
く、織物を曲げたり圧縮したり剪断した際に自由度が大
きくなることで回復性が良くなり、いわゆる反発性の向
上につながるのである。このときに十分空隙を増加させ
るためには通常の仮ヨリ加工糸で知られる3次元捲縮が
有効である。
が重要であり、これを下回ると嵩高効果に劣るものとな
り、また10%を越えると通常の仮ヨリ加工糸のような
ふかつき感が強く好ましくない。さらにこの時の伸縮弾
性率(CD)は60%以上とすることが重要であり、6
0%に満たないと嵩高効果にへたりが見られるため好ま
しくない。
し込み賦型による折りたたみ捲縮を2次元捲縮と定義し
たときに、通常の仮ヨリ加工糸の単糸が有する螺旋、反
転構造を示すものである。
性を示すものであるが、ここで言う自己伸長性とは繊維
に張力をかけない状態で熱処理したとき、熱処理後の糸
長が熱処理前の糸長に比べ長くなる性質を示すものであ
る。すなわち、熱処理により捲縮発現と同時に伸長する
ことで単糸間の空隙が増大し、先に述べた反発性の向上
に加え、糸および織編み物とした際に見掛けカバーファ
クターは密でありながら空隙を有し、膨らみとソフト感
を向上させる効果があるのである。ここで自己伸長性は
大きいほど空隙増大の方向であるが、180℃乾熱処理
で伸長率が12%を越えるとふかつきが出てくるので好
ましくない。
フィラメントで構成されるものであれば、繊度やフィラ
メント数、断面形状などは特に限定されるものではな
く、例えばカチオン染料でも染められるように第3成分
が共重合されたポリマーであったり、前記成分や粘度差
のあるものを含むポリマーをブレンド紡糸やサイドバイ
サイドに貼合わせたものであってもよく、同様に断面形
状についても中空や三角の異形断面糸であってもよい。
元捲縮発現性自己伸長糸と沸水収縮率が2%以上20%
以下の熱収縮性糸の少なくとも2糸条で構成されている
ものである。
前記した潜在3次元捲縮発現性自己伸長糸が熱処理によ
り捲縮発現と同時に自己伸長性を示す一方で、熱収縮す
る糸を含むため、糸自体の空隙拡大を増長することがで
きるものである。
20%のものであることが好ましい。沸水収縮率が2%
に満たないと、先に述べた混用効果が得にくくなり、ま
た沸水収縮率が20%を越えると、潜在3次元捲縮発現
性自己伸長糸との糸長差が大きくなり過ぎ、ふかついた
風合いやアイロンによるあたりが出たり、収縮率が大き
いために織編み物とした際に密度が高くなり過ぎたり、
荷重下での歪み回復率が低下し、いわゆる膝抜け現象が
出やすくなるばかりか、かえって繊維軸収縮により織編
み物内の空隙増大効果をスポイルし、芯のある硬い風合
いのものになるため好ましくない。
ト数、断面形状などに特に限定はなく、いわゆる仮ヨリ
加工糸に代表される捲縮を有していても差支えない。
のしごき等で複合糸が分離して後の加工工程通過性に悪
影響を及ぼさない程度に集束されていればよく、一般に
知られる流体交絡や合撚されていることが好ましい。特
に、本発明糸を複合する際に流体乱流処理である、いわ
ゆるタスラン加工を採用すると、複合糸構成糸間で発現
する糸長差に加え、ループ調の形態変化をも加えられる
ため、変化に富んだ織編み物が得られ、効果的である。
伸長糸の製造方法について説明する。
通常の高速紡糸方法によって得られる複屈折率が20×
10-3〜80×10-3のポリエステルマルチフィラメン
ト未延伸糸を用いる。未延伸糸の複屈折率が20×10
-3未満では配向度が低すぎて繊維の特性が経時変化しや
いため一定品質の原糸を加工に供給できにくくなるため
好ましくない。また、複屈折率が80×10-3を越える
と、配向度が高くなり、以下に説明する仮ヨリ延伸の際
十分にヨリ歪みを記憶させにくくなって、染色加工時の
熱処理による捲縮発現が不十分であったり、延伸仮ヨリ
後の熱収縮性が低下し、自己伸長性を付与しにくくなる
ため好ましくない。
エステルマルチフィラメント未延伸糸を、該未延伸糸の
自然延伸倍率(以下NDRと称す)以上の延伸倍率でガ
ラス転移点プラス20℃未満の温度下で延伸同時仮ヨリ
する。
いと、仮ヨリ張力が低くなって加工安定性に欠け、糸切
れを起こしやすいことに加え、繊維軸方向および仮ヨリ
歪み方向への分子配向が高められず、ひき続き行うオー
バーフィード収縮熱処理を施しても、自己伸長性を付与
しにくくなり、好ましくない。
配向を高めつつ、繊維の結晶化を急激に促進させないこ
とが重要であり、そのために仮ヨリ延伸時にはガラス転
移点+20℃以下の温度とすることが重要である。さら
に通常の染色加工工程で自己伸長性と同時に十分な3次
元捲縮を発現させるためには、仮ヨリ数も重要なファク
ターであり、仮ヨリ数(K)は下記式(4)を満足する
条件下に設定するものである。仮ヨリ数(K)がこの範
囲を下回ると、ヨリ歪みの記憶が不十分となり、目的と
する十分な3次元捲縮が得られにくくなり、逆にこの範
囲を上回ると、糸加工安定性に欠けるため好ましくな
い。
用いることが、糸加工の生産性向上および主に毛羽発生
に関する糸質問題の点から有効であり、例えば3軸フリ
クションツイスターやベルトニップツイスターが好まし
い。
オーバーフィード条件下で収縮熱処理を施し、仮ヨリに
よる捲縮およびトルクを潜在化させ、見掛け上捲縮を有
さないフラットヤーンとなし、染色加工工程で自己伸長
性と同時に3次元捲縮発現を示す状態にするものであ
る。なお、捲縮発現処理は、染色加工工程に限定される
ものではなく、これらに準ずる熱処理によっても可能で
ある。
状態とは、延伸仮ヨリによって繊維の結晶部および非晶
部が繊維軸方向や仮ヨリ加撚歪み方向に配向した後、収
縮熱処理により結晶部は繊維軸方向と仮ヨリ加撚歪み方
向に成長せずに配向したまま非晶部が十分に緩和した状
態にあるものと思われるが、推定の域はでない。
は、収縮熱処理時のオーバーフィード率を25%以上と
することが重要である。25%未満では染色加工工程で
3次元捲縮の発現は認められるものの、同時に自己伸長
性を示さなくなるため好ましくない。
も述べたように、収縮熱処理時に繊維の結晶化を急激に
促進させずにかつ非晶部を十分に緩和させることが重要
であり、このため収縮熱処理温度は仮ヨリ加工時の受熱
温度(加熱温度)(TK)に対し、プラス40℃以上、
170℃以下とすることが重要である。プラス40℃に
満たなければ十分なオーバーフィード条件が取れないた
め、非晶部の緩和が不足して自己伸長性を示さなくな
り、またプラス170℃を越えると結晶化が促進し自己
伸長性を示さなくなるため好ましくない。
トヒータを用いてもよいが、好ましくは非接触式ヒータ
を採用することが糸加工性の安定のため好ましい。
性自己伸長糸の一例を示す側面図であり、図2は、本発
明に係る潜在3次元捲縮発現性自己伸長糸を熱処理によ
り3次元捲縮発現と自己伸長発現した状態の一例を示す
側面図である。
捲縮発現性自己伸長糸の製造方法の一例を示す概略工程
図である。
糸1は、ガイド2を介して、供給ローラ3に供給され、
1次ヒータ4により加熱されるとともに、仮ヨリツイス
ター5により仮ヨリが付与されつつ供給ローラ3と第1
の送り出しローラ6との間で延伸される。第1の送り出
しローラ6から送り出された糸条は第2の送り出しロー
ラ8との間でオーバーフィードされつつ2次ヒータ7に
より加熱され、ワインダー9に巻き取られるようになっ
ている。
的に説明するが、本発明はこれにより限定されるもので
はない。なお本文中および実施例記載の各物性値は以下
の測定方法によるものである。
率(CD) JIS−L1090 伸縮性A法に準ずる(詳細は以下
の通り) 試料を乾燥機に入れて荷重をかけない状態下に乾熱18
0℃で10分間処理する。試料を取り出して冷却後、試
料の上端をクランプで固定し、2mg/dの初荷重をか
けて垂下し、30秒後上部クランプから正しく20cm
(LC1)を量って印を付け、次に0.1g/dの荷重
をかけて30秒後の試料の長さ(LC2)を測り、除重
後、2分間放置して再び初荷重をかけて30秒後の試料
の長さ(LC3)を測り、次の式によって伸縮伸長率
(%)および伸縮弾性率(%)を算出する。試験回数は
20回とし、その平均値を少数点以下1けたまでで表
す。
1)}×100 なお、試料の長さが十分にないときは初荷重下の試長
(LC1)を任意とする。
m)を測定する。次いでその荷重を取り除き、試料を乾
燥機にいれて乾熱180℃で10分間処理する。試料を
取り出して冷却後再度試料に0.1g/dの荷重をか
け、その長さL2(mm)を測定する。上記L1、L2
を下記式に代入し180℃自己伸長率(ΔSH)を算出
する。なお、測定回数5回の平均値をもってその測定値
とする。
(g/d)の初荷重をかけて巻き返し、巻き回数が10
回のかせを作る。このかせに0.1(g/d)の荷重を
かけ、その長さL3(mm)を測定する。次いで試料を
ガーゼ等に包んだ状態でバスに入れ、沸騰水常圧98℃
で10分間処理する。試料を取り出して自然乾燥後再度
0.1g/dの荷重をかけ、その長さL4(mm)を測
定する。上記L3、L4を下記式に代入し、沸水収縮率
を算出する。なお、測定回数5回の平均値をもってその
測定値とする。
り測定する。
cm、初荷重0.1g/d、引張り速度20cm/mi
nの条件で糸の引張り試験を行い、強伸度曲線を得る。
強伸度曲線上で一定強力伸張領域の延長線と同伸張領域
を越えて破断に至る立上がり部分の延長線との交点の伸
度を読みとる。なお、測定回数5回の平均値をもってそ
の測定値とする。
を紡速3000m/minで溶融紡糸し、55デニール
24フィラメントで複屈折率が35×10-3、NDRが
53%の高配向未延伸糸を得た。この高配向未延伸糸
(ガラス転移点77℃)を用い、図3に示す工程で仮ヨ
リツイスターに3軸フリクションツイスターを使用し
て、表1に示す条件下で加工した。
乾熱180℃で10分間処理したところ、図2に示すよ
うに、微細な捲縮を発現すると共に、自己伸長性を示
し、糸条は嵩高性に富んでおり、伸縮伸長率は5.3
%、伸縮弾性率は79.2%、自己伸長率は3.5%で
あった。
リエステルマルチフィラメント通常延伸糸50デニール
24フィラメントをHemajet製タスランノズルを
使用し、常温の高圧空気流にて混繊加工し、105デニ
ール48フィラメントを得た。この糸に通常法で800
T/mの撚糸を施し、タテおよびヨコ糸に用い、綾羽二
重を製織した。製織した布帛をリラックス精練した後、
180℃でセットし、17%のアルカリ減量加工を施
し、引き続き液流染色機を用い分散染料で染色した後1
60℃でファイナルセットした。得られた織物は適度な
膨らみと張り腰を有しており、特に微妙な表面タッチと
反発性にすぐれた風合いを有するものであった。またこ
の織物の表面を走査型電子顕微鏡を使用して観察したと
ころ、収縮熱処理糸が微細な捲縮を発現していることが
確認された。
5デニール24フィラメントの高配向未延伸糸を用い、
1次ヒータ温度を70℃とし、その他の条件は表1に示
す条件下に図3に示す工程で加工した。得られた加工糸
を荷重をかけない状態下で乾熱180℃で10分間処理
したところ、微細な捲縮を発現すると共に、自己伸長性
を示し、伸縮伸長率は7.8%、伸縮弾性率は72.3
%、自己伸長率は1.0%であった。
5デニール24フィラメントの高配向未延伸糸を用い、
1次ヒータ温度を150℃とし、その他の条件は表1に
示す条件下に図3に示す工程で加工した。得られた加工
糸を荷重をかけない状態下で乾熱180℃で10分間処
理したところ、微細な捲縮の発現は見られたが、自己伸
長性は示さず、熱収縮性の糸であった。この糸の伸縮伸
長率は13.8%、伸縮弾性率は68.1%、自己伸長
率は−8.2%であった。
5デニール24フィラメントの高配向未延伸糸を用い、
仮ヨリツイスターにスピンドルタイプを使用して、仮ヨ
リ数を1800T/mに変更し、その他の条件は表1に
示す条件下に図3の工程で加工した。得られた加工糸を
荷重を掛けない状態下で乾熱180℃で10分間処理し
たところ、自己伸長性は示したものの、捲縮発現は不十
分であった。この糸の伸縮伸長率は1.3%、伸縮弾性
率は87.2%、自己伸長率は2.0%であった。
ポリエステルマルチフィラメント通常延伸糸50デニー
ル24フィラメントをHemajet製タスランノズル
を使用し、常温の高圧空気流にて混繊加工し、105デ
ニール48フィラメントを得た。この糸を用い実施例1
と同一条件で綾羽二重を製織し、精練−セット−アルカ
リ減量−染色−ファイナルセットした。得られた織物は
適度な膨らみを有していたがヌメリ感のある風合いを持
つものであった。またこの織物の表面を走査型電子顕微
鏡を使用して観察したところ収縮熱処理糸はほぼストレ
ートであることが確認された。
5デニール24フィラメントの高配向未延伸糸を用い、
収縮熱処理率を20%とし、その他の条件は表1に示す
条件下に図3に示す工程で加工した。得られた加工糸を
荷重をかけない状態下で乾熱180℃で10分間処理し
たところ、微細な捲縮の発現は見られたが、自己伸長性
は示さず、熱収縮性の糸であった。この糸の伸縮伸長率
は6.3%、伸縮弾性率は73.2%、自己伸長率は−
13.1%であった。
5デニール24フィラメントの高配向未延伸糸を用い、
延伸倍率を1.1倍とし、その他の条件は表1に示す条
件下に図3に示す工程で加工したが仮ヨリ張力が変動
し、しばらくするうちに糸切れが発生しサンプリングで
きなかった。
5デニール24フィラメントの高配向未延伸糸を用い、
2次ヒータ温度を50℃とし、その他の条件は表1に示
す条件下に図3に示す工程で加工を試みたが、2次ヒー
タ入口で走行糸がたるみ、糸切れが発生してサンプリン
グできなかった。
を紡速5000m/minで溶融紡糸し、75デニール
36フィラメントで複屈折率が85×10-3、破断伸度
60%の糸を得た。この高配向未延伸糸を用い、図3に
示す工程で加工を試みたが、2次ヒータ入口で走行糸が
たるみ、糸切れが発生してサンプリングできなかった。
現性自己伸長糸および複合糸は、織編み物とした後に通
常の染色工程を施すことにより、潜在3次元捲縮発現性
自己伸長糸が実質的に3次元捲縮発現と同時に自己伸長
発現することによって織編み物の交錯点および表面にラ
ンダムな多層構造をもたらすことで適度なふくらみ、張
り、腰およびソフト感を合わせもつ素晴らしい風合いが
得られ、また上述の製造方法によれば本発明の糸が特殊
な設備を用いることなく安価に安定して得られるもので
ある。
の一例を示す側面図である。
が熱処理により3次元捲縮発現と自己伸長発現した状態
の一例を示す側面図である。
糸の製造方法の一例を示す概略工程図である。
Claims (6)
- 【請求項1】ポリエステルマルチフィラメントからなる
フラットヤーンであって、染色加工時の沸水処理および
/または乾熱処理、あるいはこれらに準ずる熱処理によ
って実質的に3次元捲縮を発現すると同時に糸軸方向へ
自己伸長性を示し、次式(1)に示す伸縮伸長率(C
S)が2%以上10%以下かつ次式(2)に示す伸縮弾
性率(CD)が60%以上で、さらに180℃乾熱処理
後の自己伸長率(ΔSH)が次式(3)に示す範囲にあ
ることを特徴とする潜在3次元捲縮発現性自己伸長糸。 CS(%)={(LC2−LC1)/LC1}×100 …(1) CD(%)={(LC2−LC3)/(LC2−LC1)}×100…(2) 0%<ΔSH≦12% …(3) ここで、 LC1:180℃乾熱処理後2mg/d荷重下の長さ
(mm) LC2:180℃乾熱処理後0.1g/d荷重下の長さ
(mm) LC3:LC2測定後再度2mg/d荷重下をかけた時
の長さ(mm) である。 - 【請求項2】請求項1記載の潜在3次元捲縮発現性自己
伸長糸と沸水収縮率が2%以上20%以下の熱収縮性糸
とが流体交絡および/または合撚されている複合糸。 - 【請求項3】流体交絡が流体乱流処理によるものである
ことを特徴とする請求項2記載の複合糸。 - 【請求項4】複屈折率が20×10-3〜80×10-3の
ポリエステルマルチフィラメント未延伸糸を該未延伸糸
の自然延伸倍率(NDR)以上破断倍率以下の延伸倍率
でガラス転移点プラス20℃以下の温度下で、かつ仮ヨ
リ数(K)が下記式(4)を満足する条件下に延伸仮ヨ
リした後、オーバーフィード率25%以上でかつ処理温
度(T)が下記式(5)を満足する条件下で糸条を収縮
させることを特徴とする潜在3次元捲縮発現性自己伸長
糸の製造方法。 3.16×104 ×1/D1/2 ≧K≧ 3.16×104 ×(1/D1/2 )×0.6 …(4) TK+40≦T≦TK+170 …(5) ここで、 D:延伸後デニール(d) K:仮ヨリ数(T/m) TK:仮ヨリ加工時の加熱温度(℃) T:仮ヨリ加工後の処理温度(℃) である。 - 【請求項5】延伸仮ヨリ加工時に摩擦仮ヨリツイスター
を用いることを特徴とする請求項4記載の潜在3次元捲
縮発現性自己伸長糸の製造方法。 - 【請求項6】収縮熱処理に非接触式ヒータを用いること
を特徴とする請求項4または5に記載の潜在3次元捲縮
発現性自己伸長糸の製造方法。
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JP12871597A JP3572865B2 (ja) | 1997-05-19 | 1997-05-19 | 潜在3次元捲縮発現性自己伸長糸とその製造方法および複合糸 |
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