JPH10317242A - 特殊複合仮撚糸 - Google Patents

特殊複合仮撚糸

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JPH10317242A
JPH10317242A JP12528797A JP12528797A JPH10317242A JP H10317242 A JPH10317242 A JP H10317242A JP 12528797 A JP12528797 A JP 12528797A JP 12528797 A JP12528797 A JP 12528797A JP H10317242 A JPH10317242 A JP H10317242A
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JP
Japan
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yarn
wound
filament yarn
false
slab
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Application number
JP12528797A
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English (en)
Inventor
Masayuki Fujiwara
正幸 藤原
Haruhiko Kawamoto
晴彦 川本
Yasuo Kishida
恭雄 岸田
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Unitika Ltd
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Unitika Ltd
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  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 明瞭かつランダム性に富み、ずれのないスラ
ブ部と、捲縮を有する地部により、製編織すれば従来に
ない優れた外観と風合を有する布帛となる特殊複合仮撚
糸を提供する。 【解決手段】 乾熱収縮率20%以上、かつ熱収縮応力0.
4g/d以上の高収縮性マルチフィラメント糸が最外層を構
成する高収縮マルチフィラメント糸C(糸条C)となる
ように用いて仮撚加工して得られた糸条である。そし
て、少なくとも1本のマルチフィラメント糸A(糸条
A)の周囲を少なくとも1本のマルチフィラメント糸B
(糸条B)が1重あるいは3重に捲回した加工糸の周囲
を、少なくとも1本の糸条Cが1重あるいは3重に捲回
し、糸全体としては、糸条Aに対して糸条B、Cにより
2重、4重、6重捲回部がランダムに形成され、前記4
重捲回部には糸条Aが捲縮を有する部分と捲縮を有しな
い部分が存在し、かつ前記複合仮撚糸の各捲回部の最外
層の撚方向は、2重捲回部に対して糸条Aが捲縮を有し
ない4重捲回部は同方向、糸条Aが捲縮を有する4重捲
回部と6重捲回部は逆方向である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、明瞭かつランダム
性に富み、ずれのないスラブ部と捲縮を有する地部によ
り、製編織すれば従来にない優れた外観と風合を有する
布帛となる特殊複合仮撚糸に関するものである。
【0002】
【従来の技術】スラブを有する糸を用いた織編物は、そ
の外観と風合に特徴があり、広く用いられている。スラ
ブを有する糸条の一例として、特公昭62-21887号公報で
は、糸(芯糸)を仮撚加工するに際し、加撚域に、芯糸
より3%以上大きい乾熱収縮率を有する別の糸(捲付
糸)を供給し、複合仮撚加工して得られた、スラブが芯
糸に固定され、ずれのない特殊絡糸が提案されている。
しかしながら、この特殊絡糸は、芯糸より3%以上大き
い乾熱収縮率を有する捲付糸で形成されたずれのないス
ラブを有するものの、芯糸に対して鞘糸が1重、3重に
捲回しているのみで明瞭なスラブとはいえず、織編物に
するとスラブが不明瞭となり、形態変化に乏しいという
欠点があった。
【0003】また、特公平1-20254号公報では、少なく
とも3種の糸条を同時に仮撚加工して得られた2重、4
重、6重捲付部を有する複合ファンシーヤーンが提案さ
れている。この複合ファンシーヤーンは、芯側に配され
た糸に対して、鞘側の糸が2重、4重、6重に捲回して
いるので、形態変化は前者に比べれば出やすいが、図4
で示したように、単に捲回させる糸を1本増やして3本
の糸条を同時に仮撚加工して得られたものであり、仮撚
スピンナを糸条が通過する際に捲回状態、すなわち糸条
の太細によって旋回力が変動したとしても、その変動は
鞘側の糸全てに同時に伝達されるため、ランダム性に欠
け、パターン化されたものになってしまう。
【0004】しかも芯糸に捲縮が存在しないので、変化
に乏しくて製編織してもスラブ効果を強調することがで
きなかった。また、捲回構造が鞘側の糸の往復運動によ
るものであるのでスラブ自体が動きやすく、製編織の際
にスラブがずれてネップ状の欠点になる問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の欠点
を解消し、製編織して得られる布帛に明瞭かつ多様なス
ラブ部がランダムに存在し、斑感、スパン調の風合及び
ふくらみ感を付与するとともに、スラブ部のずれがない
特殊複合仮撚糸を提供することを技術的な課題とするも
のである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を達成するために鋭意検討した結果、本発明に到達し
た。すなわち、本発明は、乾熱収縮率20%以上、かつ熱
収縮応力0.4g/d以上の高収縮性マルチフィラメント糸が
最外層を構成する高収縮マルチフィラメント糸C(糸条
C)となるように用いて仮撚加工して得られた糸条であ
って、少なくとも1本のマルチフィラメント糸A(糸条
A)の周囲を少なくとも1本のマルチフィラメント糸B
(糸条B)が1重あるいは3重に捲回した加工糸の周囲
を、少なくとも1本の糸条Cが1重あるいは3重に捲回
し、糸全体としては、糸条Aに対して糸条B、Cにより
2重、4重、6重捲回部がランダムに形成され、前記4
重捲回部には糸条Aが捲縮を有する部分と捲縮を有しな
い部分が存在し、かつ前記複合仮撚糸の各捲回部の最外
層の撚方向は、2重捲回部に対して糸条Aが捲縮を有し
ない4重捲回部は同方向、糸条Aが捲縮を有する4重捲
回部と6重捲回部は逆方向であることを特徴とする特殊
複合仮撚糸を要旨とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】まず、本発明を図面を参照しなが
ら説明する。図1は本発明の特殊複合仮撚糸の一実施態
様を示す説明図であり、図1(a)は側面図、図1
(b)は糸条Aに対する糸条B、Cの捲回状態を示して
おり、図1(a)、(b)の位置が対応するように示し
たものである。
【0008】図1において、糸条Bは、糸条Aに対して
(イ)と(ニ)の領域では1重に捲回し、この領域の糸
条Aには解撚による捲縮が付与されている。また、糸条
Bは、(ロ)と(ハ)の領域では糸条Aに3重に捲回し
ており、この部分は撚の反転による捲付により解撚され
ていないので糸条Aは捲縮を有していない。
【0009】一方、糸条Cは、糸条AとBで形成される
仮撚捲付糸に対して(イ)と(ロ)の領域では1重に捲
回し、(ハ)と(ニ)の領域では3重に捲回している。
【0010】すなわち、糸全体としては、糸条Aに対し
て(イ)の領域では糸条B、Cにより2重捲回部を形成
し、(ロ)の領域では糸条Bの3重捲回部に糸条Cが1
重に捲回することで4重捲回部を形成しており、これと
は逆に(ニ)の領域では糸条Bの1重捲回部に糸条Cが
3重に捲回することで4重捲回部を形成している。さら
に、(ハ)の領域では糸条Bの3重捲回部に糸条Cが3
重に捲回することで6重捲回部を形成している。
【0011】また、本発明の特殊複合仮撚糸の各捲回部
の最外層の撚方向は、図1の(イ)の2重捲回部に対し
て、糸条Bの3重捲回部の周囲に糸条Cが1重に捲回し
た部分である4重捲回部(ロ)は、過解撚されて同方向
であり、これとは逆に糸条Bの1重捲回部の周囲に糸条
Cが3重に捲回した部分である4重捲回部(二)と糸条
Bの3重捲回部の周囲に糸条Cが3重に捲回した部分で
ある6重捲回部(ハ)は、撚の反転による捲付のために
解撚されておらず、逆方向である。すなわち、2重捲回
部に対して、各捲回部の最外層の撚方向は、糸条Aが捲
縮を有しない4重捲回部は同方向、糸条Aが捲縮を有す
る4重捲回部と6重捲回部は逆方向である。
【0012】上記の構成を有する本発明の特殊複合仮撚
糸において、少なくとも最外層を形成する糸条Cは、仮
撚工程における供給糸が乾熱収縮率20%以上で、熱収縮
応力0.4g/d以上の熱収縮性糸条であり、仮撚工程で
熱処理を受けた高収縮糸である必要がある。
【0013】なお、本発明における熱収縮応力とは、糸
条を0.1g/dの張力下に一定長で把持し、これを加熱
昇温していくと、糸条は熱収縮しようとするが、両端が
固定されているため実際の収縮は起こらず、その代わり
糸条に収縮しようとする内部応力が生じるが、この応力
をいう。この熱収縮応力は、市販のカネボウ熱応力測定
器KF−2型(カネボウエンジニアリング株式会社製)
を用いて、温度に対応する応力を記録針に記録し、ピー
ク応力値を糸条の繊度(デニール)で除して求める。ま
た、乾熱収縮率は、JIS L−1013乾熱収縮率B
法に準拠して,温度180℃で測定するものである。
【0014】本発明の特殊複合仮撚糸は、少なくとも糸
条Cが、好ましくは糸条B、Cが高収縮糸であり、仮撚
加撚域でスラブ部を形成しながら、仮撚ヒータで熱処理
を受けて収縮することでスラブ部が締まり、このため製
編織の際にスラブ部がずれることがなく、また、スラブ
部がより密になるため染色した際にスラブ部の濃染によ
る色調変化も付与することができる。
【0015】一方、糸条Cの仮撚工程への供給糸の乾熱
収縮率が20%未満では、仮撚工程で熱処理を受けても、
収縮が少なくてスラブ部の締まりが不十分なため、製編
織の際にスラブ部がずれてネップなどの欠点が発生す
る。また、供給糸の熱収縮応力が0.4g/d未満では、
スラブ部を締めるだけの応力に欠けるためやはりスラブ
部の締まりが不足し、製編織の際にスラブ部がずれ、ネ
ップなどの欠点が生じやすい。
【0016】このように、本発明の特殊複合仮撚糸は、
ふくらみを有する2重捲回部と糸条Aが解撚された4重
捲回部、糸条Aが解撚されていない4重捲回部及び6重
捲回部がランダムに形成されているので、製編織して得
られる布帛に変化に富んだスラブ効果を付与することが
できる。しかも芯糸となる糸条Aに仮撚捲縮が付与され
ているため、ソフトでふくらみ感のあるスパン調風合が
表現できるとともに、少なくとも糸条Cに高収縮糸を用
いることでスラブ部の移動が抑制され、製編織の際のス
ラブ部のずれによる欠点を防止できる。
【0017】本発明の特殊複合仮撚糸を構成する糸条
A、B、Cとしては、ポリアミド、ポリエステルなどの
熱可塑性合成繊維であれば、いずれの素材を用いてもよ
い。
【0018】次に、本発明の特殊複合仮撚糸の製法例に
ついて説明する。図3は本発明の特殊複合仮撚糸の製法
例を示す概略工程図である。図3において、糸条A用の
供給糸は、給糸ローラ1によりパッケージから第1の仮
撚域に供給され、第1ヒータ4、スピンナ5、第1引取
ローラ6により一連の仮撚加工が施されるが、その際、
給糸ローラ2によりパッケージから引き出された糸条B
用の供給糸は、ガイド3を経て糸条Aの加撚域に、好ま
しくは糸軸と垂直にオーバーフィード状態で供給され
る。そして、糸条Bは、糸条Aの旋回力により糸条Aに
捲回されつつ、捲回張力の変動により上下に振動し、加
撚域で図2(a)で示すように、糸条Aに対して1重、
3重捲回部を形成する。
【0019】この後、解撚域で解撚作用を受けるが、3
重捲回部は、糸条Bの撚の反転による捲付のため解撚が
行われず、図2(b)で示したように、施撚方向と同方
向の撚を有するものとなる。一方、1重捲回部における
糸条Bは、過解撚により施撚方向と逆方向の撚を有する
ものとなり、また、糸条Aには、捲縮によるふくらみが
付与される。第1引取ローラ6通過直後の仮撚捲付糸
は、上記のような1重捲回部と3重捲回部とをランダム
な長さで交互に有している。
【0020】引き続いて、第1引取ローラ6を通過した
仮撚捲付糸は、第2ヒータ9、スピンナ10、第2引取ロ
ーラ11により第2の仮撚加工が施されるが、この際、給
糸ローラ7によりパッケージから引き出された糸条C用
の供給糸は、ガイド8を経て前記仮撚捲付糸の加撚域
に、好ましくは糸軸と垂直にオーバーフィード状態で供
給される。このとき、糸条C用の供給糸は、芯糸となる
仮撚捲付糸の旋回力により前記仮撚捲付糸に捲回しつ
つ、捲回張力の変動により上下に振動し、図2(c)で
示すように、前記仮撚捲付糸に対して1重、3重に捲回
し、糸全体としては、糸条Aに対して、糸条B、Cが2
重、4重、6重捲回部を形成する。
【0021】つまり、本発明においては、このように仮
撚捲付工程を2回経ることにより、第2の仮撚加工のス
ピンナ10を通過する仮撚捲付糸の捲回状態がランダムで
あるため、太さ斑による旋回力の差がランダムに発現し
て糸条Cに伝達され、捲付状態が多様化されることによ
り、極めて自然な形態変化を付与できる。
【0022】この後、解撚作用を受け、次いで、捲取パ
ッケージ12に捲取られるが、6重捲回部と糸条Bの1重
捲回部に糸条Cが3重に捲回した部分は解撚が行われ
ず、図1(a)のように、施撚方向と同方向の撚を有す
るものとなる。一方、2重捲回部と糸条Bの3重捲回部
に糸条Cが1重に捲回した部分は、過解撚されて施撚方
向と逆方向の撚を有するものとなる。すなわち図1で説
明すると、各捲回部の最外層の撚方向は、2重捲回部
(イ)に対して糸条Aが捲縮を有しない4重捲回部
(ロ)は同方向、糸条Aが捲縮を有する4重捲回部
(ニ)と6重捲回部(ハ)は逆方向となる。
【0023】以上の一例のような方法を用い、糸条C又
は糸条B、C用の供給糸として高収縮性糸を採用するこ
とで、本発明の特殊複合仮撚糸を製造することができ
る。
【0024】
【作用】本発明の特殊複合仮撚糸は、ふくらみを有する
2重捲回部と芯糸の捲縮状態が異なる2種のスラブが存
在する4重捲回部及び6重捲回部をランダムに有するの
で、製編織して得られる布帛に明瞭かつ多様でランダム
なスラブが存在し、斑感、ふくらみ感及びスパン調の風
合を表現できるとともに、高収縮性糸の収縮により、ス
ラブ部の移動を抑制することで、製編織の際にスラブ部
がずれるのを解消することができる。
【0025】
【実施例】次に、本発明を実施例により具体的に説明す
る。なお、スラブ部のずれの評価は次の方法で行った。
市販の梨地ワッシャ2個を逆向きに合わせた間に、2重
捲回部と次の2重捲回部との間で囲まれた4重捲回部と
6重捲回部にわたるスラブ部の両端に印をつけた糸を通
し、実繊度の30分の1gの荷重を掛けて3m/分の速度
で走行させ、ワッシャ通過後の印の部分のずれを観察し
た。測定は10個所で行い、移動したスラブ部の個数と次
式に示すずれ率で評価した。 ずれ率(%)=[(X−Y)/X]×100 ただし、Xは走行前のスラブ部の長さ、Yは走行後のス
ラブ部の長さである。
【0026】実施例1 糸条A用の供給糸として 100d/48fのポリエチレンテ
レフタレート(PET)マルチフィラメント糸、糸条B
用の供給糸として75d/36fのPETマルチフィラメン
ト糸、糸条C用の供給糸としてイソフタル酸成分を10モ
ル%共重合したPET系共重合ポリエステルを紡糸−延
伸して得られた、乾熱収縮率が32%、熱収縮応力が0.5
g/dのポリエステルマルチフィラメント糸30d/12f
を用い、図3に示す仮撚加工装置でスピンナ5、スピン
ナ10ともにスピンドルピンを用いて下記の条件で仮撚捲
縮加工を施し、本発明の特殊複合仮撚糸を得た。
【0027】 スピンドル回転数 12.5×104 rpm スピンナ5の仮撚数 Z−2500T/M スピンナ10の仮撚数 S−2000T/M 糸条A用の供給糸のフィード率 7% 糸条B用の供給糸のフィード率 80% 糸条C用の供給糸のフィード率 72% 第1ヒータ温度 200℃ 第2ヒータ温度 200℃ 得られた糸のスラブ部を前記の方法で評価したが、10個
所のうち、ずれたものはなく(ずれ率0%)、形態安定
性が極めて良好なものであった。
【0028】実施例2 糸条B用の供給糸としてイソフタル酸成分を10モル%共
重合したPET系共重合ポリエステルを紡糸−延伸して
得られた、乾熱収縮率が31%、熱収縮応力が0.5g/d
のポリエステルマルチフィラメント糸60d/24fを用い
る以外は,実施例1と同様の供給糸を用いて、図3に示
す仮撚加工装置でスピンナ5にスピンドルピン、スピン
ナ10に旋回ノズルを用いて下記の条件で仮撚捲縮加工を
施し、本発明の特殊複合仮撚糸を得た。 スピンドル回転数 12.5×104 rpm スピンナ5の仮撚数 Z−2500T/M スピンナ10(旋回ノズル)の旋回方向 S スピンナ10(旋回ノズル)のエア圧力 7.0kg/cm2 糸条A用の供給糸のフィード率 7% 糸条B用の供給糸のフィード率 80% 糸条C用の供給糸のフィード率 72% 第1ヒータ温度 200℃ 第2ヒータ温度 200℃ 得られた糸のスラブ部を前記の方法で評価したが、10個
所のうち、ずれたものはなく(ずれ率0%)、形態安定
性が極めて良好なものであった。
【0029】実施例1と実施例2で得られた特殊複合仮
撚糸を経糸と緯糸に用い、ウォータージェットルームを
使用して、経糸密度70本/2.54cm、緯糸密度45本/2.54
cm、平組織にて製織した後、得られた生機を常法により
精練、プレセットし、DianixBlue BG−FS(ダイス
タージャパン社製、分散染料)2%o.w.f.で染色(温度
130℃、浴比1:50、時間30分)した。次いで、常法に
より還元洗浄処理を施し、 110℃で60秒間乾燥した後、
170℃で30秒間の熱処理を施した。
【0030】得られた織物はいずれもスラブ部のランダ
ムな太さ斑により形態変化に富み、ソフトでふくらみの
あるスパン調を呈し、従来にない風合であり、特に実施
例2で得られた織物は糸の収縮によりスラブが密とな
り、濃染化することにより自然な色調変化が表現されて
いた。また、ネップ等の発生も全くなく、製織性も良好
であった。
【0031】比較例1 糸条Cとして乾熱収縮率が13.1%、熱収縮応力が 0.3g
/dの50d/24fのPETマルチフィラメント糸を用い
た以外は、実施例1と同様に加工を行い複合仮撚糸を得
た。得られた糸のスラブ部分を、前記の方法で評価した
結果、10点のうち9点のスラブがずれ、そのずれ率は57
〜86%と大きく、特に70%以上のものはネップ状となっ
ていた。
【0032】またこの糸を実施例1と同じ条件にて製
織、染色処理したところ、得られた織物はスラブのラン
ダムな太さ斑により形態変化に富み、ソフトでスパン調
の風合を有していたが、製織性が悪く、ウォータージェ
ットルームの反ノズル側に多数のネップが発生し、欠点
が多発した。
【0033】比較例2 実施例1と同じ糸構成で、図4に示す仮撚加工工程に従
い、次の条件で加工を行った。 スピンドル回転数 12.5×104 rpm スピンナ5の仮撚数 Z−2500T/M 糸条Aのフィード率 7% 糸条Bのフィード率 80% 糸条Cのフィード率 72% 第1ヒータ温度 200℃ 得られた糸のスラブ部のずれを前記の方法で評価した結
果、10点のうち1点のみスラブがずれたが、そのずれ率
は7%と小さかった。しかしながら、この糸を実施例1
と同じ条件にて製織、染色処理したところ、得られた織
物は形態変化に乏しく、従来のものと何等変わりがなか
った。また、実施例1の織物と比較して、風合が粗硬
で、ふくらみ感にも劣っていた。
【0034】
【発明の効果】本発明の特殊複合仮撚糸は、ふくらみを
持つ2重捲回部とランダムな太さ斑を有する実質的に3
種類のスラブが形成されているので、この糸を用いた織
編物に変化に富んだ形態と、ソフトでふくらみ感のある
スパン調の風合を付与することができる。また、高収縮
性フィラメント糸の収縮によりスラブ自体のずれが解消
されるため、製編織の際にネップの発生がなく、欠点減
少による経済的効果や作業の効率化を図ることが可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の特殊複合仮撚糸の一実施態様を示す説
明図であり、(a)は側面図、(b)は糸条Aに対する
糸条B、Cの捲回状態を示し、(a)、(b)の位置が
対応するように示したものである。
【図2】(a)は第1仮撚加工工程の加撚域での糸条の
状態を示す説明図、(b)は第1仮撚加工工程の解撚域
での糸条の状態を示す説明図、(c)は第2仮撚加工工
程の加撚域での糸条の状態を示す説明図である。
【図3】本発明の特殊複合仮撚糸の製法例を示す概略工
程図である。
【図4】従来の複合仮撚糸の製造方法を示す概略工程図
である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乾熱収縮率20%以上、かつ熱収縮応力0.
    4g/d以上の高収縮性マルチフィラメント糸が最外層を構
    成する高収縮マルチフィラメント糸Cとなるように用い
    て仮撚加工して得られた糸条であって、少なくとも1本
    のマルチフィラメント糸Aの周囲を少なくとも1本のマ
    ルチフィラメント糸Bが1重あるいは3重に捲回した加
    工糸の周囲を、少なくとも1本の高収縮マルチフィラメ
    ント糸Cが1重あるいは3重に捲回し、糸全体として
    は、マルチフィラメント糸Aに対してマルチフィラメン
    ト糸B、Cにより2重、4重、6重捲回部がランダムに
    形成され、前記4重捲回部にはマルチフィラメント糸A
    が捲縮を有する部分と捲縮を有しない部分が存在し、か
    つ前記複合仮撚糸の各捲回部の最外層の撚方向は、2重
    捲回部に対してマルチフィラメント糸Aが捲縮を有しな
    い4重捲回部は同方向、マルチフィラメント糸Aが捲縮
    を有する4重捲回部と6重捲回部は逆方向であることを
    特徴とする特殊複合仮撚糸。
  2. 【請求項2】 マルチフィラメント糸B用の供給糸が、
    乾熱収縮率20%以上で,かつ熱収縮応力が0.4g/d以上の
    高収縮性マルチフィラメント糸である請求項1記載の特
    殊複合仮撚糸。
JP12528797A 1997-05-15 1997-05-15 特殊複合仮撚糸 Pending JPH10317242A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1394297A1 (en) * 2001-04-24 2004-03-03 Morikawa Nenshi Kabushiki Kaisha Composite twisting and production method therefor, and woven fabric and knitted fabric using the composite twisting

Cited By (2)

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EP1394297A4 (en) * 2001-04-24 2005-03-23 Morikawa Nenshi Kabushiki Kais COMPOSITE TORSION AND CORRESPONDING PRODUCTION PROCESS, WOVEN FABRIC, AND KNIT FABRIC USING COMPOSITE TORSION

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