JPH10316726A - ベンゾフェノン基又はベンゾトリアゾール基を有するポリシロキサン系共重合体 - Google Patents

ベンゾフェノン基又はベンゾトリアゾール基を有するポリシロキサン系共重合体

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JPH10316726A
JPH10316726A JP14112197A JP14112197A JPH10316726A JP H10316726 A JPH10316726 A JP H10316726A JP 14112197 A JP14112197 A JP 14112197A JP 14112197 A JP14112197 A JP 14112197A JP H10316726 A JPH10316726 A JP H10316726A
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JP
Japan
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group
copolymer
polysiloxane
benzophenone
benzotriazole
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JP14112197A
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English (en)
Inventor
Kenichi Umishio
健一 海塩
Hiroshi Fukui
寛 福井
Kazuhisa Ono
和久 大野
Masato Aoyama
真人 青山
Toshiyuki Tanaka
俊行 田中
Hiroaki Yamaoka
弘明 山岡
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Mitsubishi Chemical Corp
Shiseido Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Shiseido Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐汚染性を有する新規な紫外線吸収性樹脂を
提供する。 【解決手段】 一般式(1)のポリシロキサン含有ビニ
ル系単量体(A)と下記一般式(2)の紫外線吸収基を
有するビニル系単量体(B)とを共重合して得られる、
数平均分子量が2,000〜2,000,000である
ベンゾフェノン基又はベンゾトリアゾール基を有するポ
リシロキサン系共重合体。 【化1】 CH2 =R1 C−X−(Si(R2 2 O)n −Si(R3 3 (1) 【化2】 CH2 =CR1 −Y (2) 〔R1 は水素原子又はメチル基、R2 ,R3 は炭素数1
〜3のアルキル基又はフェニル基、nは6〜100の整
数、Xはフェニレン基又は、カルボニルオキシアルキレ
ン基もしくはカルボニルオキシアルキレンオキシアルキ
レン基、Yはベンゾフェノン基、ベンゾトリアゾール基
のいずれかの特性基を有する置換基。〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐汚染性を有する
新規な紫外線吸収性樹脂に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、樹脂製品や金属製品の被覆基材の
表面に耐汚染性、耐水性、耐油性を与えるために製品表
面にポリシロキサンからなる塗膜を形成させる方法が知
られている。しかし、屋外で使用する場合、塗膜の紫外
線遮断性が不足しているために、塗膜自身又は製品が変
色したりひび割れ等を起こしたりして、塗膜としての能
力が十分に発揮されないことがあった。紫外線吸収剤を
塗膜に混合しても良いが、その紫外線吸収剤が徐々に表
面にブリードアウトし、流出してしまうと紫外線遮断性
効果がなくなってしまっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、樹脂
製品や金属製品の表面に塗布することにより、耐汚染
性、耐水性、耐油性とともに紫外線吸収性を同時に付与
することが出来る皮膜を与える共重合体を提供すること
にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記一般式
(1)で示されるポリシロキサン含有ビニル系単量体
(A)と下記一般式(2)で示される紫外線吸収基を有
するビニル系単量体(B)とを、(A)と(B)の比率
が重量比で10対90から90対10である範囲で共重
合して得られる、数平均分子量が2,000〜2,00
0,000であるベンゾフェノン基又はベンゾトリアゾ
ール基を有するポリシロキサン系共重合体に関する。
【化1】 CH2 =R1 C−X−(Si(R2 2 O)n −Si(R3 3 (1) 〔式中、R1 は水素原子又はメチル基を示す。R2 とR
3 は炭素数1〜3のアルキル基又はフェニル基で、同じ
基でも異なっていても良い。nは6〜100の整数を示
す。Xはフェニレン基又は、−COOCm 2m−(m=
1〜5の整数)で示されるカルボニルオキシアルキレン
基又は、−COOCm 2m−O−Cm 2m−(m=1〜
5の整数)で示されるカルボニルオキシアルキレンオキ
シアルキレン基を示す。〕
【化2】 CH2 =CR1 −Y (2) (式中、R1 は水素原子又はメチル基であり、Yはベン
ゾフェノン基、ベンゾトリアゾール基のいずれかより選
ばれる基を有する置換基。)
【0005】また本発明は、前記一般式(1)で示され
るポリシロキサン含有ビニル系単量体(A)と前記一般
式(2)で示される紫外線吸収基を有するビニル系単量
体(B)とを、さらに他の共重合可能な単量体を加えて
共重合反応させて得られる前記ベンゾフェノン基又はベ
ンゾトリアゾール基を有するポリシロキサン系共重合体
に関する。
【0006】また本発明は、熱可塑性樹脂又は熱硬化性
樹脂100重量部に対して、前記いずれかのベンゾフェ
ノン基又はベンゾトリアゾール基を有するポリシロキサ
ン系共重合体を0.1〜200重量部の割合で配合して
いることを特徴とする樹脂組成物に関する。
【0007】また本発明は、熱可塑性樹脂又は熱硬化性
樹脂100重量部に対して、前記いずれかのベンゾフェ
ノン基又はベンゾトリアゾール基を有するポリシロキサ
ン系共重合体を0.1〜200重量部の割合で配合した
樹脂組成物の有機溶媒溶液からなる、耐汚染性、耐水
性、耐油性とともに紫外線吸収性を同時に有する塗膜を
与える樹脂塗液に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明において、前記ベンゾフェ
ノン基又はベンゾトリアゾール基を有するポリシロキサ
ン系共重合体の製造に使用できるポリシロキサン含有ビ
ニル系単量体(A)は、下記一般式(1)で示される化
合物である。
【化1】 CH2 =R1 C−X−(Si(R2 2 O)n −Si(R3 3 (1) 〔式中、R1 は水素原子又はメチル基を示す。R2 とR
3 は炭素数1〜3のアルキル基又はフェニル基で、同じ
基でも異なっていても良い。nは6〜100の整数を示
す。Xはフェニレン基又は、−COOCm 2m−(m=
1〜5の整数)で示されるカルボニルオキシアルキレン
基又は、−COOCm 2m−O−Cm 2m−(m=1〜
5の整数)で示されるカルボニルオキシアルキレンオキ
シアルキレン基を示す。〕
【0009】上記一般式(1)の化合物の中で好ましい
ポリシロキサン含有ビニル系単量体としては、
【化3】CH2 =R1 CCOO−Cm 2m−(Si(C
3 2 O)n −Si(CH3 3 で示される化合物を挙げることが出来る。
【0010】特に好ましいポリシロキサン含有ビニル系
単量体としては、
【化4】CH2 =C(CH3 )COO−C3 6 −(S
i(CH3 2 O)n −Si(CH3 3 で示される化合物が挙げられる。これらのポリシロキサ
ン含有ビニル系単量体の合成法は、例えば、Adv. Poly
m. Sci. 第86巻1〜86ページ(1988年)など
に記載されている。
【0011】本発明において、前記のベンゾフェノン基
又はベンゾトリアゾール基を有するポリシロキサン系共
重合体の製造に使用できる紫外線吸収基を有するビニル
系単量体(B)は下記一般式(2)で示される化合物で
ある。
【化2】 CH2 =CR1 −Y (2) 〔式中、R1 は水素原子又はメチル基であり、Yはベン
ゾフェノン基、ベンゾトリアゾール基のいずれかより選
ばれる特性基を有する置換基。〕
【0012】置換基Yは、ベンゾフェノン基又はベンゾ
トリアゾール基を特性基としてその中に有する置換基で
あればよく、特に限定はされない。置換基Yの具体例と
しては、つぎのような置換基を挙げることができる。
【0013】
【化5】
【0014】
【化6】
【0015】本発明において、前記ベンゾフェノン基又
はベンゾトリアゾール基を有するポリシロキサン系共重
合体の製造に使用できる一般式(2)のビニル単量体に
含まれるベンゾフェノン基を有するビニル単量体及びベ
ンゾトリアゾール基を有するビニル単量体は、それぞれ
単独で用いても良いし、組み合わせて用いても良い。こ
れらの置換基Yを有する一般式(2)のビニル単量体の
製造方法は、例えば、J. Appl. Polym. Sci.第10巻、
663〜672ページ(1966年)や、米国特許第
3,072,585号明細書等に記載されている。
【0016】本発明において、前記ベンゾフェノン基又
はベンゾトリアゾール基を有するポリシロキサン系共重
合体の製造は、ポリシロキサン含有ビニル系単量体
(A)と紫外線吸収基を有するビニル系単量体(B)と
をラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合等の公知
の方法で共重合させることによって行うことが出来る
が、ラジカル重合が重合反応の制御の容易さの点で好ま
しい。ラジカル重合による場合、公知の種々のラジカル
重合開始剤を用いることが出来る。
【0017】また、得られた共重合体を所定の目的に用
いる際の溶媒への溶解性や、他に塗料を併用する場合の
その塗料への溶解性、親和性を向上させるために、さら
に別の共重合可能な化合物、例えば、スチレン、炭素数
1〜23のアルキル(メタ)アクリレート、ウレタン
(メタ)アクリレート等を共重合反応系に加えて共重合
させても良い。これらのポリシロキサン含有ビニル系単
量体(A)と一般的なビニル単量体との共重合方法は、
例えば、Adv. Polym. Sci. 第86巻1〜86ページ
(1988年)などに記載されている。
【0018】共重合反応は、例えば、ポリシロキサン含
有ビニル系単量体(A)と紫外線吸収基を有するビニル
系単量体(B)とをメチルイソブチルケトン、トルエン
等の溶媒に溶解させた後、過酸化ベンゾイル、アゾビス
イソブチロニトリル等のラジカル重合開始剤の存在下
で、60〜110℃の温度下で4〜8時間反応させるこ
とにより行うことが出来る。
【0019】本発明の前記ベンゾフェノン基又はベンゾ
トリアゾール基を有するポリシロキサン系共重合体にお
けるポリシロキサン含有ビニル系単量体(A)と紫外線
吸収基を有するビニル系単量体(B)の比率は、重量比
で10対90乃至90対10の範囲、好ましくは70対
30乃至30対70である。ポリシロキサン含有ビニル
系単量体(A)の比率が10より小さくなると、耐汚染
性が発現しにくくなるので好ましくなく、紫外線吸収基
を有するビニル系単量体(B)の比率が10より小さく
なると、共重合体の紫外線吸収率が小さくなって、紫外
線遮断効果が発現しにくくなるので好ましくない。
【0020】本発明の前記ベンゾフェノン基又はベンゾ
トリアゾール基を有するポリシロキサン系共重合体の分
子量は、以下の条件下で、テトラヒドロフランを溶離液
として測定したGPC(ゲルパーミエイションクロマト
グラフィー)測定によるポリスチレン換算の数平均分子
量が、2,000〜2,000,000のものである。
【0021】機器: TOSOH(東ソー)社製 カラム: TOSOH(東ソー)社製 TSK gel G 4000H + G 1000H 温度:40℃ 流速:1ml/分 注入量:25μl 注入濃度:1重量 検出器:RI(屈折器計)
【0022】共重合体の分子量が2,000未満の場合
は高分子量化した利点が失われ、最終的塗膜からブリー
ドアウトしやすくなり、耐汚染性、耐水性、耐油性、紫
外線遮断性を長期的に付与することが出来ない。他方、
共重合体の分子量が2,000,000を越えた場合
は、塗布時に使用する溶媒への溶解性、他に塗料を併用
する場合の、その塗料への溶解性、親和性に劣るので好
ましくない。
【0023】本発明で得られるベンゾフェノン基又はベ
ンゾトリアゾール基を有するポリシロキサン系共重合体
は各種基材の表面に塗布することにより、基材表面に、
耐汚染性、耐水性、耐油性、紫外線遮断性を長期的に付
与することができる。また、本発明の共重合体を基材に
塗布する場合、そのまま溶液として使用することもでき
るが、塗膜の風合い、強度等の改良のため、熱可塑性樹
脂又は熱硬化性樹脂をバインダーとして併用することも
できる。
【0024】本発明の前記ベンゾフェノン基又はベンゾ
トリアゾール基を有するポリシロキサン系共重合体を製
造するために、前記ポリシロキサン含有ビニル系単量体
(A)と紫外線吸収基を有するビニル系単量体(B)と
を共重合させる際に、別の共重合可能な単量体化合物、
例えば、スチレン、アルキル(メタ)アクリレート、ウ
レタン(メタ)アクリレート等を加えて共重合させる
と、得られる前記ポリシロキサン系共重合体のバインダ
ーへの相溶性を高めることができ、本発明の共重合体は
一層ブリードアウトしにくくなり、さらに性能を長期間
にわたって維持することが出来る。
【0025】この場合、別の共重合可能な単量体の使用
量は、得られるベンゾフェノン基又はベンゾトリアゾー
ル基を有するポリシロキサン系共重合体の特性、即ち樹
脂製品や金属製品の表面に塗布することによって耐汚染
性、耐水性、耐油性とともに紫外線吸収性を同時に付与
できるという特性を損なわない限り、特に制限はない。
通常ポリシロキサン含有ビニル系単量体(A)と紫外線
吸収基を有するビニル系単量体(B)の合計量100重
量部に対して、300重量部以下、好ましくは、50重
量部以下である。
【0026】バインダーとしては、以下に述べるような
熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂100重量部に対して、
本発明の共重合体を0.1〜200重量部混合した組成
物を溶液として塗布すればよく、基材表面に均一かつ透
明な皮膜を形成させることが出来る。バインダーとして
使用し得る熱可塑性樹脂としては、溶媒に可溶であれば
特に制限はなく、塗布する基材の種類に応じて適宜選択
できる。例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリ
アミド、ポリアクリレート、ポリウレタン等が挙げられ
る。
【0027】また、塗膜により高い強度、耐薬品性等が
要求される場合には、バインダーとして熱硬化性樹脂を
使用することができる。例えば、ウレタン工業で使用さ
れるポリオール類に本発明のベンゾフェノン基又はベン
ゾトリアゾール基を有するポリシロキサン系共重合体を
混合し、さらにイソシアネート化合物を含む硬化剤と混
合させた後、基材に塗布し、硬化、乾燥すれば、より耐
摩耗性に優れた耐久性の高い塗膜を形成させることが出
来る。この際、ウレタン工業で使用される溶媒、例えば
トルエン、ミネラルスピリット、メチルエチルケトン等
及び硬化触媒等の添加剤を使用しても良い。
【0028】本発明の前記ベンゾフェノン基又はベンゾ
トリアゾール基を有するポリシロキサン系共重合体を含
む塗膜を表面に設けることができる被覆基材としては、
熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂の各種樹脂製品、例え
ば、フィルムやシート、射出成形品等が挙げられる。熱
可塑性樹脂製品としては、特に制限はなく、例えば、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、プロピレン
−エチレン共重合体樹脂、ポリ4−メチルペンテン−1
樹脂等のオレフィン系樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレ
ン−アクリロニトリル樹脂、ABS樹脂、ポリエステル
樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ(メタ)アクリレート樹
脂、ポリウレタン樹脂等の製品が挙げられる。
【0029】上記の熱可塑性樹脂としてのポリアミド樹
脂製品としては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン
610、ナイロン11、ナイロン12等の製品が挙げら
れる。また、ポリエステル樹脂製品としては、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポ
リカーボネート等の製品が挙げられる。熱硬化性樹脂製
品としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹
脂、メラミン樹脂等の製品が挙げられる。
【0030】また、エチレン−プロピレン共重合体エラ
ストマー(EPR)、エチレン−プロピレン−ジエン共
重合体エラストマー(EPDM)、スチレン−ブタジエ
ン−スチレンブロック共重合体の水素添加物(SEB
S)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合
体の水素添加物(SEPS)等の各種熱可塑性エラスト
マーやゴム等の製品にも適用することができる。
【0031】金属基材としては特に制限されるものでは
ないが、例えば、鉄、アルミニウム、亜鉛、銅等及びそ
の合金等の製品が挙げられる。
【0032】
【実施例】以下、実施例により本発明をより具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。
【0033】実施例1 下記構造式で示されるポリシロキサン含有メタクリレー
ト(信越化学(株)製「X−22−174DX」)3.
51g、2−ヒドロキシ−4−メタクリロイルオキシエ
チルベンゾフェノン2.50g、ステアリルメタクリレ
ート2.50gをトルエン25gに溶解させ、90mg
のアゾビスイソブチロニトリルをラジカル重合開始剤と
して加え、かき混ぜながら、70℃に昇温して、同温度
で、7時間重合させた後、450mlのエタノールに再
沈殿させ、共重合体を得た。このようにして得られた共
重合体のテトラヒドロフランを溶離液とするGPC(ゲ
ルパーミエイションクロマトグラフィー)測定によるポ
リスチレン換算の数平均分子量は、22,100であっ
た。
【0034】 信越化学(株)製「X−22−174DX」の構造式:
【化1】CH2 =CR1 −X−(Si(R2 2 O)n
−Si(R3 3 該式中、R1 =R2 =R3 =メチル基、X=−COOC
3 6 −、nの平均値=60.1である化合物。
【0035】この共重合体のトルエン溶液を#40バー
コーターでポリカーボネートのフィルム上に塗り、乾燥
させて厚さ10μmの塗膜を形成し、水との接触角を測
定したところ、106度で、耐汚染性が期待できる接触
角であった。また、340,350nmにおける光線透
過率は、それぞれ、0.0%及び0.1%で、紫外線吸
収効果があることがわかった。
【0036】実施例2 下記ポリシロキサン含有メタクリレート(チッソ(株)
製「サイラープレーンFM−0711」)11.5g、
2−ヒドロキシ−4−メタクリロイルオキシエチルベン
ゾフェノン15.0g、ブチルメタクリレート3.2g
をメチルイソブチルケトン89gに溶解させ、900m
gのターシャリーブチルパーオキシイソプロピルカーボ
ネートをラジカル重合開始剤として加え、かき混ぜなが
ら、110℃に昇温して、同温度で、7時間重合させた
後、450mlのメタノールに再沈殿させ、共重合体を
得た。このようにして得られた共重合体のテトラヒドロ
フランを溶離液とするGPC(ゲルパーミエイションク
ロマトグラフィー)測定によるポリスチレン換算の数平
均分子量は、29,000であった。
【0037】チッソ(株)製「サイラープレーンFM−
0711」の構造式:
【化1】CH2 =CR1 −X−(Si(R2 2 O)n
−Si(R3 3 該式中、R1 =R2 =R3 =メチル基、X=−COOC
3 6 −、nの平均値=9.8である化合物。
【0038】この共重合体3gとポリメチルメタクリレ
ート樹脂粉末(三菱レイヨン(株)製BR−80)7g
をメチルエチルケトンに濃度10重量%となるように溶
解し、#20バーコーターでポリカーボネートのフィル
ム上に塗り、乾燥させて塗膜を形成した。この塗膜の水
との接触角を測定したところ、105度で、耐汚染性が
期待できる接触角であった。また、340,350nm
における光線透過率は、それぞれ、0.0%及び0.1
%で、紫外線吸収効果があることがわかった。
【0039】実施例3 ポリシロキサン含有メタクリレート(信越化学(株)製
「X−22−174DX」)11.0g、2−(2′−
ヒドロキシ−5′−メタクリロイルオキシエチルフェニ
ル)−2H−ベンゾトリアゾール8.0g、ブチルメタ
クリレート1.0gをメチルイソブチルケトン58gに
溶解させ、630mgのターシャリーブチルパーオキシ
イソプロピルカーボネートをラジカル重合開始剤、テル
ピノレン470mgを連鎖移動剤として加え、かき混ぜ
ながら、110℃に昇温して、同温度で、7時間重合さ
せた後、450mlのメタノールに再沈殿させ、共重合
体を得た。このようにして得られた共重合体のテトラヒ
ドロフランを溶離液とするGPC(ゲルパーミエイショ
ンクロマトグラフィー)測定によるポリスチレン換算の
数平均分子量は、9,100であった。
【0040】この共重合体3gとポリメチルメタクリレ
ート樹脂粉末(三菱レイヨン(株)製BR−80)7g
をメチルエチルケトンに濃度10重量%となるように溶
解し、#20バーコーターでポリカーボネートのフィル
ム上に塗り、乾燥させて塗膜を形成した。この塗膜の水
との接触角を測定したところ、105度で、耐汚染性が
期待できる接触角であった。また、340,350nm
における光線透過率は、それぞれ、0.0%及び0.1
%で、紫外線吸収効果があることがわかった。
【0041】比較例1 ポリシロキサン含有メタクリレート(信越化学(株)製
「X−22−174DX」)0.20g、2−ヒドロキ
シ−4−メタクリロイルオキシエチルベンゾフェノン
3.00g、ステアリルメタクリレート3.00gをト
ルエン30gに溶解させ、103mgのアゾビスイソブ
チロニトリルをラジカル重合開始剤として加え、かき混
ぜながら、70℃に昇温して、同温度で、7時間重合さ
せた後、450mlのエタノールに再沈殿させ、共重合
体を得た。このようにして得られた共重合体のテトラヒ
ドロフランを溶離液とするGPC(ゲルパーミエイショ
ンクロマトグラフィー)測定によるポリスチレン換算の
数平均分子量は、14,100であった。この共重合体
3gとポリメチルメタクリレート樹脂粉末(三菱レイヨ
ン(株)製BR−80)7gをメチルエチルケトンに濃
度10重量%となるように溶解し、#20バーコーター
でポリカーボネートのフィルム上に塗り、乾燥させて塗
膜を形成した。この塗膜の水との接触角を測定したとこ
ろ、76度で、耐汚染性が期待できない接触角であっ
た。
【0042】比較例2 ポリシロキサン含有メタクリレート(信越化学(株)製
「X−22−174DX」)3.51g、2−ヒドロキ
シ−4−メタクリロイルオキシエチルベンゾフェノン
0.2gをトルエン20gに溶解させ、8mgのアゾビ
スイソブチロニトリルをラジカル重合開始剤として加
え、かき混ぜながら、70℃に昇温して、同温度で、7
時間重合させた後、450mlのエタノールに再沈殿さ
せ、共重合体を得た。このようにして得られた共重合体
のテトラヒドロフランを溶離液とするGPC(ゲルパー
ミエイションクロマトグラフィー)測定によるポリスチ
レン換算の数平均分子量は、25,000であった。こ
の共重合体3gとポリメチルメタクリレート樹脂粉末
(三菱レイヨン(株)製BR−80)7gをメチルエチ
ルケトンに濃度10重量%となるように溶解し、#20
バーコーターでポリカーボネートのフィルム上に塗り、
乾燥させて塗膜を形成した。この塗膜の340,350
nmにおける光線透過率は、それぞれ、1.0%及び
5.0%で、紫外線吸収効果はなかった。
【0043】
【発明の効果】本発明のベンゾフェノン基又はベンゾト
リアゾール基を有するポリシロキサン系共重合体は、分
子内にポリシロキサンと、ベンゾフェノン基又はベンゾ
トリアゾール基の双方を有するため、基材表面に、耐汚
染性、耐水性、耐油性、紫外線遮断性を長期的に付与す
る塗膜を形成することができる。また、各種樹脂との相
溶性の制御も可能なため、樹脂に混合して耐久性を上げ
たり、風合い、強度を上げることもできる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大野 和久 神奈川県横浜市港北区新羽町1050番地 株 式会社資生堂第一リサーチセンター内 (72)発明者 青山 真人 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内 (72)発明者 田中 俊行 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内 (72)発明者 山岡 弘明 東京都千代田区有楽町1丁目10番1号 三 菱化学株式会社東京支社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で示されるポリシロキ
    サン含有ビニル系単量体(A)と下記一般式(2)で示
    される紫外線吸収基を有するビニル系単量体(B)と
    を、(A)と(B)の比率が重量比で10対90から9
    0対10の範囲で共重合して得られる、数平均分子量が
    2,000〜2,000,000であるベンゾフェノン
    基又はベンゾトリアゾール基を有するポリシロキサン系
    共重合体。 【化1】 CH2 =R1 C−X−(Si(R2 2 O)n −Si(R3 3 (1) 〔式中、R1 は水素原子又はメチル基を示す。R2 とR
    3 は炭素数1〜3のアルキル基又はフェニル基で、同じ
    基でも異なっていても良い。nは6〜100の整数を示
    す。Xはフェニレン基又は、−COOCm 2m−(m=
    1〜5の整数)で示されるカルボニルオキシアルキレン
    基又は、−COOCm 2m−O−Cm 2m−(m=1〜
    5の整数)で示されるカルボニルオキシアルキレンオキ
    シアルキレン基を示す。〕 【化2】 CH2 =CR1 −Y (2) (式中、R1 は水素原子又はメチル基であり、Yはベン
    ゾフェノン基、ベンゾトリアゾール基のいずれかより選
    ばれる基を有する置換基。)
  2. 【請求項2】 熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂100重
    量部に、請求項1に記載のベンゾフェノン基又はベンゾ
    トリアゾール基を有するポリシロキサン系共重合体を
    0.1〜200重量部の割合で配合していることを特徴
    とする樹脂組成物。
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