JPH10315529A - 画像形成方法及び画像形成装置 - Google Patents

画像形成方法及び画像形成装置

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JPH10315529A
JPH10315529A JP14337697A JP14337697A JPH10315529A JP H10315529 A JPH10315529 A JP H10315529A JP 14337697 A JP14337697 A JP 14337697A JP 14337697 A JP14337697 A JP 14337697A JP H10315529 A JPH10315529 A JP H10315529A
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JP
Japan
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toner
electric field
counter electrode
flying
carrier
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Withdrawn
Application number
JP14337697A
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English (en)
Inventor
Toshio Sakai
捷夫 酒井
Takahiko Tokumasu
貴彦 徳増
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 直接記録方式を採用した画像形成装置におい
て、トナーの速度を加速した後に減速してから記録部材
に付着することにより、高速記録が可能で、かつ、チリ
の発生の防止が可能な画像形成装置を提供する。 【解決手段】 対向電極部材2とトナー制御部材3との
間の該対向電極部材2近傍に中間電極部材10を設け、
かつ、該中間電極部材10に電圧を印加するための電源
11を設ける。そして、該トナー担持体1から飛翔した
トナーを加速させる電界を該中間電極部材10とトナー
担持体1との間に形成し、かつ、該中間電極部材10と
対向電極部材2との間に該トナーを減速させる電界を形
成するように、対向電極部材2及び中間電極部材10に
それぞれ印加する電圧を設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トナー担持体に担
持させた上記トナーを選択的に飛翔させて、該トナー担
持体と該トナー担持体に対向する対向電極との間にある
記録部材上に付着させることで画像を形成する画像形成
方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、粉体画像形成方法としてダイレク
トトーニングまたはトナープロジェクションと称される
画像形成方式が知られている。この画像形成方式は、孔
やスリットの周りに設けた制御電極部に電圧を印加して
帯電させたトナー層又はトナークラウドに電界を加え、
特定の位置のトナーを選択的に飛翔させ、その孔やスリ
ットを通して移動させて紙等の記録部材に直接画像を形
成するものである。
【0003】図7は、このような画像形成方式を採用し
た画像形成装置の画像記録部の拡大模式図である。トナ
ー7を担持するトナー担持体1は接地され、このトナー
担持体1と対向して設けられた対向電極部材2との間
に、トナー担持体1上に担持されたトナー7を対向電極
部材2に向けて飛翔させるための飛翔電界を形成する飛
翔電界形成手段としての電源8が接続されている。この
電源8により対向電極部材2にトナー7の平均的な帯電
極性と逆の極性の直流高電圧が印加される。
【0004】また、トナー担持体1と対向電極部材2と
の間には、微小開口部としてのトナー通過孔31と、該
トナー通過孔31の周りに設けられた制御電極32とを
有するトナー飛翔制御部材としてのトナー制御部材3が
配設されている。そして、該トナー担持体1と該トナー
制御部材3の各制御電極32との間には、画像情報に基
づいて生成された制御電圧を各制御電極32に印加する
電源(以下「画像電源」という)9が接続されている。
この画像電源9により、画像情報に基づいて各制御電極
32に対して互いに独立した画像信号電圧が印加され
る。
【0005】また、図示の装置では、上記トナー制御部
材3の制御電極32と対向電極部材2との間隔Liは
0.5mm、制御電極32とトナー担持体1との間隔L
kは0.05mm、トナー担持体1の周速は150mm
/sec、紙6の搬送速度は50mm/secである。
【0006】図8はトナーの飛翔状態を示した模式図で
ある。例えば、マイナスに帯電するトナーを用い、トナ
ー担持体1を接地し、対向電極部材2に+1.5kVの
直流高電圧を印加し、制御電圧32に+325Vを0.
4msec印加すると、トナー担持体1上のトナー7に
対して4×106V/mの電界が作用する。その電界の
作用の結果、トナー7に加わるクーロン力が、トナー7
とトナー担持体1との間に作用している付着力や鏡像力
の和を上回って、トナー7は対向電極部材2に向かって
飛翔し始め、トナー制御部材3の孔31を通過し、対向
電極部材2に印加した電圧で形成される飛翔電界に引か
れて飛翔し続け、対向電極部材2上を搬送されている紙
6に当たって止まり、紙6上に画像が記録される。
【0007】以上のように、上記構成の画像形成装置を
用いて紙6上に画像を形成することができる
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記構成の
画像形成装置を用いて記録部材上にドットを形成した場
合、他の画像形成方式、例えば、インクジェット方式
や、レーザプリンタあるいはLEDプリンタなどで用い
られる電子写真方式等を用いて形成されたドットに比較
して、該ドットの形状が劣ってしまう。具体的には、該
ドットが形成される所望の領域周辺に数多くのトナーが
散らばってしまい(以下、チリと呼ぶ)、結果として文
字やラインがぼけてしまうという問題点があった。
【0009】図9に、図7の画像記録部を有する画像形
成装置を用いて紙上に形成したドット画像の拡大図を示
す。各ドット71の周辺に多くのトナー7が散らばって
いてドットの輪郭がぼけている。そこで、本発明者ら
は、このようなチリの発生という問題を解決すべく鋭意
研究を重ねた結果、飛翔したトナーが記録部材に衝突
し、横方向に跳ね返ったり、記録部材と衝突して跳ね返
ったトナーが記録部材に向かう後続のトナーと空中で衝
突することによって横にそれていったりすることが、上
記チリの発生原因であることを見いだした。
【0010】まず、上記チリの発生原因を調べるため
に、飛翔したトナーが記録部材としての紙に付着すると
ころを1秒間40000コマの高速度カメラで撮影して
観察したところ、紙に衝突したトナーが不特定の方向に
大小さまざまに跳ね返るのが観察された。このときのト
ナーの衝突時の速度(以下、衝突速度という)を該高速
度カメラの映像と計算機シミュレーションで求めると、
平均的に3m/secを超えていることが判った。ここで、
トナーと紙との衝突係数を0.2、トナーとトナーとの
衝突係数を1.0と仮定して、トナー担持体1上のトナ
ーが紙6上へ移動する様子をシミュレーションした結果
を図10(a)乃至(h)に示す。なお、図10(a)
は、トナーに該トナーが飛翔する電界を与えた瞬間のト
ナーの状態を示し、図10(b)、図10(c)、図1
0(d)、図10(e)、図10(f)、図10
(g)、図10(h)はそれぞれ、上記瞬間から100
μs経過後、200μs経過後、300μs経過後、4
00μs経過後、500μs経過後、600μs経過
後、700μs経過後のトナーの状態を示している。こ
の一連のシミュレーション結果から、トナー担持体1か
ら飛翔したトナーがトナー通過孔31を通過し、記録部
材である紙6側に移行して該紙6に付着する際に、該ト
ナーが該紙6からランダムに跳ね返ることがわかる。そ
して、跳ね返ったトナーのうち、そのまま紙に付着して
該紙6上の上記トナー通過孔に対応する部分に密集して
ドット71を形成するものもあるが、いくつかのトナー
7aは、該ドット71を形成するトナーから離れた部分
に向かっており、該ドット71から離れた部分に付着す
ると考えられる。
【0011】以上述べたような高速度カメラの観察結果
及びシミュレーションの結果から、上記チリの発生原因
は、飛翔したトナーが記録部材に衝突し、横方向に跳ね
返ったり、記録部材と衝突して跳ね返ったトナーが記録
部材に向かう後続のトナーと空中で衝突することによっ
て横にそれていったりすることであることがわかる。こ
のような記録部材との衝突による跳ね返りを防止するに
は、トナーの衝突係数を小さくすることとトナーの衝突
速度を小さくすることとが考えられるが、トナーの衝突
係数は該トナーの製法や母体樹脂材料などによって決ま
るものであり、これを変更することは非常に困難であ
る。
【0012】しかしながら、上記トナーの衝突速度を小
さくするために、該トナーを飛翔させるための電界を弱
くして該トナーを飛翔させる際の速度を低下させると、
記録速度が大幅に低下してしまうという不具合が生じ
る。
【0013】本発明は以上の背景に鑑みなされたもので
あり、その目的とするところは、高速記録が可能で、か
つ、チリの発生の防止が可能な画像形成装置を提供する
ことである。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、トナー担持体に担持させたトナ
ーを選択的に飛翔させて、該トナー担持体と該トナー担
持体に対向する対向電極との間にある記録部材上に付着
させることで画像を形成する画像形成方法において、上
記選択的に飛翔させたトナーの速度を加速した後に減速
させてから上記記録部材上に付着させることを特徴とす
るものである。
【0015】この画像形成方法においては、上記選択的
に飛翔させたトナーの速度を加速しながら該トナーを移
動させる。そして、その後減速させて上記記録部材上に
付着させる。これにより、トナーが記録部材上に移動す
るのに要する時間を増加させることなく、該記録部材に
衝突する際の速度を低減して跳ね返りを低減することが
可能となる。
【0016】請求項2の発明は、請求項1の画像形成方
法において、上記トナー担持体から飛翔させるトナーに
該トナーが該トナー担持体から離脱するような飛翔電界
を与えることにより該トナーを選択的に飛翔させ、該選
択的に飛翔させたトナーを上記飛翔電界によって加速し
た後に、該トナーを減速させるような減速電界を該トナ
ーに与えることにより減速させてから上記記録部材上に
付着させることを特徴とするものである。
【0017】この画像形成方法においては、上記トナー
担持体から飛翔させるトナーに該トナーが該トナー担持
体から離脱するような飛翔電界を与えることにより該ト
ナーを選択的に飛翔させ、該選択的に飛翔させたトナー
を上記飛翔電界によって加速しながら移動させる。その
後、該トナーを減速させるような減速電界を該トナーに
与えることにより減速させてから上記記録部材上に付着
させる。これにより、トナーが記録部材上に移動するの
に要する時間を増加させることなく、上記記録部材に衝
突する際の速度を低減して跳ね返りを低減することが可
能となる。
【0018】請求項3の発明は、トナーを担持するトナ
ー担持体と、該トナー担持体と対向する対向電極と、該
トナー担持体と対向電極との間に配設され、互いに独立
あるいは一連の複数の微小開口部と各微小開口部のトナ
ー通過を制御する複数の制御電極部とを有するトナー飛
翔制御部材と、を備え、該トナー飛翔制御部材の上記制
御電極部に、画像信号に応じて電圧を印加することによ
り、上記トナー担持体上のトナーを選択的に飛翔させ、
該飛翔させたトナーを上記微小開口部に通して上記対向
電極側に移行させ、上記トナー飛翔制御部材と上記対向
電極との間に位置する記録部材上に付着させることで画
像を形成する画像形成装置において、選択的に飛翔させ
たトナーの速度を加速する加速電界と、該加速電界で加
速されたトナーが記録部材に付着する直前に該トナーの
速度を減速する減速電界とを設けたことを特徴とするも
のである。
【0019】この画像形成装置においては、上記選択的
に飛翔させたトナーの速度を上記加速電界によって加速
しながら移動させる。そして、該加速されたトナーの速
度を、上記減速電界によって減速させ、該減速したトナ
ーが記録部材上に付着する。これにより、トナーが記録
部材上に移動するのに要する時間を増加させることな
く、該トナーが記録部材に衝突する際の速度を低減して
跳ね返りを低減することが可能となる。
【0020】請求項4の発明は、請求項3の画像形成装
置において、上記トナー飛翔制御部材の開口部を通過し
たトナーを通過させる開口部を有し、上記トナー担持体
から飛翔したトナーを加速させるような加速電界を形成
し、かつ、対向電極との間を飛翔するトナーを減速させ
るような減速電界を形成するための中間電極を、上記ト
ナー飛翔制御部材と上記対向電極との間に設けたことを
特徴とするものである。
【0021】この画像形成装置においては、上記トナー
飛翔制御部材と上記対向電極との間に中間電極が設けら
れている。これにより、上記中間電極、トナー担持体、
及び対向電極に電圧を印加して、トナー担持体から飛翔
したトナーを加速させるような加速電界を形成し、か
つ、対向電極との間を飛翔するトナーを減速させるよう
な減速電界を形成することが可能となる。そして、上記
トナー担持体から飛翔したトナーの速度を上記加速電界
によって加速しながら移動させ、該加速されたトナーの
速度を、上記減速電界によって減速させ、該減速したト
ナーを記録部材上に付着させることが可能となる。これ
により、トナーが記録部材上に移動するのに要する時間
を増加させることなく、該トナーが記録部材に衝突する
際の速度を低減することが可能であり、跳ね返りを低減
することが可能となる。また、上記中間電極は上記開口
部を有しているので、上記トナー飛翔制御部材の開口部
を通過したトナーの対向電極側への移行を遮ることがな
い。
【0022】請求項5の発明は、請求項4の画像形成装
置において、上記中間電極に電圧を印加する電圧印加手
段を設け、上記トナー担持体から飛翔したトナーを加速
させるような加速電界を該中間電極と該トナー担持体と
の間に形成し、かつ、該中間電極の開口部を通過したト
ナーを減速させるような減速電界を該中間電極と対向電
極との間に形成するように、該中間電極、トナー担持
体、及び、対向電極への印加電圧をそれぞれ設定したこ
とを特徴とするものである。
【0023】この画像形成装置においては、上記電圧印
加手段により上記中間電極に電圧を印加することができ
る。そして、上記中間電極、トナー担持体、及び、対向
電極への印加電圧の設定により、上記トナー担持体から
飛翔したトナーを加速させるような加速電界を該中間電
極と該トナー担持体との間に形成し、かつ、該中間電極
の開口部を通過したトナーを減速させるような減速電界
を該中間電極と対向電極との間に形成することができ
る。これにより、上記トナー担持体から飛翔したトナー
の速度を上記加速電界によって加速しながら移動させ、
該加速されたトナーの速度を、上記減速電界によって減
速させ、該減速したトナーを記録部材上に付着させるこ
とができる。よって、トナーが記録部材上に移動するの
に要する時間を増加させることなく、該トナーが記録部
材に衝突する際の速度を低減させ、跳ね返りを低減する
ことが可能となる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明を画像形成装置に適
用した実施形態について説明する。図1は本実施形態に
係る画像形成装置の要部の概略構成を示す斜視図であ
る。本画像形成装置は、トナーを担持するスリーブ状の
トナー担持体1、該トナー担持体1に対向するように配
置した対向電極としてのスリーブ状の対向電極部材2、
トナー制御部材3等を備えている。上記トナー担持体1
はトナーを収容するトナー容器4の内部に配置され、該
トナー担持体1の表面には、公知の電子写真方式の画像
形成装置で現像ローラにトナーを担持するときに採用さ
れる公知技術により、トナーを担持することができる。
本実施形態では、ドクターブレード5あるいは図示しな
いトナー供給部材とトナー担持体1との間での摩擦によ
ってマイナスに摩擦帯電したトナーを、静電気力でトナ
ー担持体1上に担持し、ドクターブレード5で規制する
ことによりトナー層を形成している。
【0025】上記トナー制御部材3は、トナー容器4の
下壁部に形成された開口を塞ぐように取り付けられてい
る。このトナー制御部材3は、図2に示すように、トナ
ー担持体1と対向電極部材2との間で該トナー担持体1
から該対向電極部材2へのトナー飛翔を制御するよう
に、複数の微小開口部としてのトナー通過孔(以下
「孔」という)31及び各孔の周りに形成された内径φ
が0.160mmのリング状の制御電極32を有してい
る。この孔31の直径φhや、記録媒体としての紙6の
搬送方向と直交する方向(トナー担持体1の軸方向)に
おける孔31間のピッチPh等は、紙6に記録する画像
の解像度に応じて設定される。本実施形態では、解像度
300dpi程度の画像を記録できるように、厚さ0.
075mmのポリイミドからなる基板に、直径φhが
0.140mmの孔31を、上記ピッチPhが0.08
45mmとなる間隔で形成している。また、この孔31
は、紙6の搬送方向の幅Wが約2mmの領域に8列(3
1−1〜31−8)形成され、孔31の総数は2300
個となっている。各孔31の周りには互いに電気的に独
立した、内径φが0.160mmのリング状の制御電極3
2が形成され、各制御電極32は、画像情報に応じた電
圧を印加するための電源回路に接続されている。
【0026】また、上記トナー制御部材3と対向電極部
材2との間には、中間電極としての中間電極部材10が
設けられている。この中間電極部材10については後に
詳述する。
【0027】図3は、本実施形態に係る画像形成装置の
画像記録部の拡大模式図である。図7の画像記録部と同
様、トナー担持体1は接地され、該トナー担持体1とト
ナー制御部材3の各制御電極32との間には、画像情報
に基づいて生成された制御電圧を各制御電極32に印加
する画像電源9が接続されている。この画像電源9によ
り、画像情報に基づいて各制御電極32に対して互いに
独立した画像信号電圧が印加される。
【0028】また、このトナー担持体1と対向電極部材
2との間には、後述の電圧を印加するための電圧印加手
段としての電源8が設けられている。
【0029】また、上記制御電極32とトナー担持体1
との間隔Lkは0.05mm、トナー担持体1の周速は
150mm/sec、紙6の搬送速度は50mm/se
cにそれぞれ設定した。
【0030】そして、本実施形態においては、トナー担
持体から選択的に飛翔させたトナーの速度を加速し、そ
の後に減速させてから上記記録部材上に付着させるよう
な構成を採用している。具体的には、上記トナー担持体
から選択的に飛翔させたトナーを加速するための加速電
界と、該加速電界で加速されたトナーが記録部材に付着
する直前に該トナーの速度を減速するための減速電界と
を設けた構成を採用している。以下、この構成及び動作
について説明する。 (以下、余白)
【0031】図示の装置では、上記加速電界と減速電界
とをトナー担持体1と対向電極部材2との間に形成する
ために、該対向電極部材2とトナー制御部材3との間の
該対向電極部材2近傍に前述の中間電極部材10を設け
ている。また、該中間電極部材10に電圧を印加するた
めに電圧印加手段としての電源11を設けている。該中
間電極部材10は、上記トナー制御部材の孔31を通過
したトナーを通過させるための直径0.140mmの開口
部101を有している。該中間電極部材10は、例え
ば、電子写真複写機又はプリンタ等で用いられるスコロ
トロン帯電器のグリッドの製法として用いられる作製
法、具体的には薄いアルミ板をトナー制御部材の孔パタ
ーンに合わせてエッチングする方法により作製すること
ができる。
【0032】この画像形成装置において画像形成時の記
録速度を確保するためには、上記トナーの減速は該トナ
ーができるだけ紙に近づいてから行うのが望ましい。こ
のことから、上記中間電極部材10は対向電極部材2に
近づけて設けるのが望ましい。図示の例においては、上
記トナー制御部材3と中間電極部材10との間隔L1を
0.5mm,該中間電極部材10と上記対向電極部材2と
の間隔L2を0.25mmに設定した。
【0033】また、本実施形態においては、該トナー担
持体1から飛翔したトナーを加速させる電界を該中間電
極部材10とトナー担持体1との間に形成し、かつ、該
中間電極部材10と対向電極部材2との間に該トナーを
減速させる電界を形成するように、上記トナー担持体
1、中間電極部材10、及び、対向電極部材2にそれぞ
れ印加する電圧を設定している。具体的には、上述のよ
うにトナー担持体1は接地し、また、中間電極部材10
にはトナーの帯電極性と逆極性、本実施形態ではプラス
の電圧を上記電源11によって印加することにより、ト
ナー担持体1上に担持されたトナー7を該中間電極部材
2に向けて飛翔させるための加速電界としての飛翔電界
を形成する。また、対向電極部材2には該中間電極部材
に印加する電圧と同極性でかつ該電圧よりも低い電圧、
0V、又は、該中間電極部材に印加する電圧と逆極性の
電圧を、上記電源8により印加する。このような電圧を
選ぶことにより、容易に上記加速電界及び減速電界を形
成することができる。
【0034】図4はトナーの飛翔状態を示した模式図で
ある。例えば、トナー担持体1と対向電極部材2とを接
地し、中間電極部材2に+1.5kVの直流高電圧を印
加し、制御電圧32に+325Vを0.4msec印加
すると、トナー担持体1上のトナー7に対して4×10
6V/mの電界が作用する。その電界の作用の結果、ト
ナー7に加わるクーロン力が、トナー7とトナー担持体
1との間に作用している付着力や鏡像力の和を上回っ
て、トナー7は対向電極部材2に向かって飛翔し始め
る。そして、トナー制御部材3の孔31を通過し、中間
電極部材10に印加した電圧で形成される飛翔電界によ
り加速されながら引かれて飛翔し続ける。そして、該中
間電極部材10に設けられた開口部101を通過する
と、該中間電極部材10と対向電極部材2との間に形成
された減速電界により減速されながら飛翔し、速度が低
下した状態で対向電極部材2上を搬送されている紙6に
当たって止まり、紙6上に画像が記録される。
【0035】このときの、トナーが紙6に衝突するとき
の衝突速度vは以下のようにして求められる。まず、ト
ナーの半径rを5μm、その比重ρを1000kg/m
3とすると、トナー1個の重量mは次の数1で求められ
る。
【0036】
【数1】 m=4/3πr3×ρ =5.24×10-13[kg] =5.24×10-10[g]
【0037】また、測定の結果、トナーの平均帯電量Q
/Mは−3μC/gであった。ゆえにトナー1個の電荷
量qはこの値と数1で求めたトナー1個の重量mとか
ら、数2で示す数式により求められる。
【0038】
【数2】 q=(Q/M)×m =−15.72×10-10[μC] =−15.72×10-16[C]
【0039】トナーが中間電極部材10と制御電極32
との間に形成された加速電界で加速されながら飛翔して
中間電極部材10の位置に達したときの該中間電極部材
10に垂直な方向(以下、Y方向という)の速度v
(0)の大きさを、実測及びシミュレーションの結果か
ら3m/secと仮定する。このとき対向電極部材2から
トナー担持体1に向かう方向を正とすると、上記速度V
(0)は数3のように示される。
【0040】
【数3】v(0)=−3[m/sec]
【0041】次に、中間電極と対向電極との間に形成さ
れる減速電界Ebは、中間電極の電位をVin、対向電
極の電位をVco、中間電極と対向電極との間隔をdと
すると数4で表される。なお、対向電極上には厚さ70
μmの紙が載っており、該紙の比誘電率は1.0ではな
いが、平行平板電極として近似する。
【0042】
【数4】 Eb=(Vin−Vco)/d =(1500−0)/0.00025 =6×106[V/m]
【0043】トナー1個に作用する静電力Feは、トナ
ーの有する電荷量qと、トナーの存在する領域での電界
Ebとから数5によって求められる。
【0044】
【数5】 Fe=q×Eb =94×10-10[N]
【0045】上記静電力Feによってトナーが受ける加
速度αは数6によって求められる。
【0046】
【数6】 α=Fe/m =1.8×104[m/sec2
【0047】中間電極部材10の対向電極側の面をY方
向のゼロ点とし、減速開始後の時間をtとしたとき、減
速電界中を飛翔するトナーのY方向の位置(=減速開始
後の飛翔距離)yは次式で求められる。
【0048】
【数7】y=0.5×α×t2+v(0)×t
【0049】トナーが減速開始後紙に衝突するまでの衝
突時間tCは、上記数7でy=−180μm(Yの負の
方向なのでマイナス符号がつく)とおいて求められる
(中間電極部材10と対向電極部材2との間隔は250
μmで、対向電極部材2上に厚さ70μmの紙がのって
いるので、減速開始後、紙に衝突するまでにトナーが飛
翔する距離は180μmとなる。)。
【0050】
【数8】tC=78[μsec]
【0051】従って、数9で示される衝突速度vは、以
下のように求められる。
【0052】
【数9】 v=α×tC+v(0) =1.59[m/sec]
【0053】以上の計算結果から、前述のように各印加
電圧および各電極間の間隔を設定した画像形成条件で
は、トナーが紙に衝突するときの速度すなわち衝突速度
は、約1.6m/secとなる。図5は、この画像形成条件
で図1の画像形成装置を用いて紙状に形成したドット画
像の拡大図である。図7の画像記録部を採用した画像形
成装置でドットを形成した場合に比して、ドット周辺の
チリは大幅に減少し、画像のシャープネスが大きく改善
された。
【0054】上記図1の画像形成装置において、対向電
極部材2に印加する電圧を、100V、200V、30
0V、400V,500V,600V,700Vに変化
させて、それぞれの電圧で画像形成を行ったところ、対
向電極部材2への印加電圧が300V以下のときに良好
なシャープネスを示す画像を得ることができた。中間電
極部材10と対向電極部材2との電位差とトナーが紙に
付着するときの衝突速度との関係を図6に示す。良好な
シャープネスを示す画像を得るためには、上記対向電極
部材2への印加電圧を300V以下にしたとき、すなわ
ち、中間電極部材10と対向電極部材2との電位差が1
200V以上のときであったという実測結果から、衝突
速度が2m/sec以下となるように上記電圧印加条件や各
電極の間隔等で決定される加速電界及び減速電界を設定
するのが望ましい。
【0055】さらに、20〜30種類のトナーについて
それぞれ同様に画像形成を行い、各トナーの飛翔状態と
紙への着地状態とを高速度カメラで観測したところ、衝
突速度が1m/sec以下であれば殆ど跳ね返りが生じるこ
とがなく、特に0.5m/sec前後であればトナーがソフ
トに着地することが判った。このような結果から、衝突
速度が特に0.5〜1.0msecになるように上記加速電
界及び減速電界を形成するのが望ましいといえる。
【0056】以上、上記実施形態によれば、上記選択的
に飛翔させたトナーの速度を加速しながら該トナーを移
動させ、その後減速させて記録部材である紙に付着させ
るので、トナーが記録部材上に移動するのに要する時間
を増加させることなく、該トナーが記録部材に衝突する
際の速度を低減して跳ね返りを低減することが可能とな
る。よって、高速記録が可能であり、かつ、チリの発生
の防止が可能となる。
【0057】なお、上記実施形態では上記加速電界及び
減速電界を形成するために中間電極部材を設けた例につ
いて説明したが、例えば、該中間電極部材を設けること
なく、制御電極32とトナー担持体1との間に、トナー
を加速させる加速電界を、該制御電極32と対向電極部
材10との間に該トナーを減速させる減速電界を形成す
るように、各電極への印加電圧を設定した構成を採用し
てもよい。但し、上記中間電極部材を設けた構成では、
制御電極への電圧印加によって飛翔したトナーは、トナ
ー担持体と紙との間で飛翔している途中で該制御電極へ
の印加電圧が切り替わっても、該中間電極部材とトナー
担持体との電位差によって形成される電界によって飛翔
し続ける。一方、上記中間電極部材を設けずに制御電極
32とトナー担持体1との間に、トナーを加速させる加
速電界を、該制御電極32と対向電極部材10との間に
該トナーを減速させる減速電界を形成する場合には、ト
ナー担持体から飛翔したトナーを記録部材側に移動させ
るための加速電界が制御電極への印加電圧によってのみ
形成されることとなるので、トナーがトナー担持体と紙
との間で飛翔している途中で該制御電極への印加電圧が
切り替わると該トナーが紙の方まで到達しない場合があ
り、高速駆動が困難となる。よって、上記実施形態のよ
うに中間電極部材を設けて上記加速電界及び減速電界を
形成するように構成した方が望ましい。
【0058】
【発明の効果】請求項1乃至5の発明によれば、トナー
が記録部材上に移動するのに要する時間を増加させるこ
となく、該記録部材に衝突する際の速度を低減して跳ね
返りを低減することが可能となる。よって、高速記録が
可能であり、かつ、チリの発生の防止が可能となるとい
う優れた効果がある。
【0059】特に、請求項4及び5の発明によれば、上
記開口部を有した中間電極を設けることにより、上記ト
ナー飛翔制御部材の開口部を通過したトナーの対向電極
側への移行を遮ることなく容易に上記加速電界及び減速
電界を形成することができるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る画像形成装置の要部の概略構成
を示す斜視図。
【図2】同画像形成装置のトナー制御部材における制御
電極のパターンを示す説明図。
【図3】同画像形成装置の画像記録部の拡大模式図。
【図4】同画像記録部におけるトナーの飛翔状態を示す
模式図。
【図5】同画像形成装置で形成したドット画像の拡大
図。
【図6】中間電極部材10と対向電極部材2との電位差
とトナーが紙に付着するときの衝突速度との関係を示す
説明図。
【図7】従来の画像形成装置の画像記録部の拡大模式
図。
【図8】同画像記録部におけるトナーの飛翔状態を示す
模式図。
【図9】同画像形成装置で形成したドット画像の拡大
図。
【図10】(a)〜(h)は、トナー担持体1上のトナ
ーが紙6上へ移動する様子をシミュレーションした結果
を示す説明図。
【符号の説明】
1 トナー担持体 2 対向電極部材 3 トナー制御部材 31 孔 32 制御電極 4 トナー容器 5 ドクターブレード 6 紙(記録媒体) 7 トナー 8 電源 9 画像電源 10 中間電極部材 11 電源

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トナー担持体に担持させたトナーを選択的
    に飛翔させて、該トナー担持体と該トナー担持体に対向
    する対向電極との間にある記録部材上に付着させること
    で画像を形成する画像形成方法において、 上記選択的に飛翔させたトナーの速度を加速した後に減
    速させてから上記記録部材上に付着させることを特徴と
    する画像形成方法。
  2. 【請求項2】請求項1の画像形成方法において、 上記トナー担持体から飛翔させるトナーに該トナーが該
    トナー担持体から離脱するような飛翔電界を与えること
    により該トナーを選択的に飛翔させ、該選択的に飛翔さ
    せたトナーを上記飛翔電界によって加速した後に、該ト
    ナーを減速させるような減速電界を該トナーに与えるこ
    とにより減速させてから上記記録部材上に付着させるこ
    とを特徴とする画像形成方法。
  3. 【請求項3】トナーを担持するトナー担持体と、該トナ
    ー担持体と対向する対向電極と、該トナー担持体と対向
    電極との間に配設され、互いに独立あるいは一連の複数
    の微小開口部と各微小開口部のトナー通過を制御する複
    数の制御電極部とを有するトナー飛翔制御部材と、を備
    え、該トナー飛翔制御部材の上記制御電極部に、画像信
    号に応じて電圧を印加することにより、上記トナー担持
    体上のトナーを選択的に飛翔させ、該飛翔させたトナー
    を上記微小開口部に通して上記対向電極側に移行させ、
    上記トナー飛翔制御部材と上記対向電極との間に位置す
    る記録部材上に付着させることで画像を形成する画像形
    成装置において、 選択的に飛翔させたトナーの速度を加速する加速電界
    と、該加速電界で加速されたトナーが記録部材に付着す
    る直前に該トナーの速度を減速する減速電界とを設けた
    ことを特徴とする画像形成装置。
  4. 【請求項4】請求項3の画像形成装置において、 上記トナー飛翔制御部材の開口部を通過したトナーを通
    過させる開口部を有し、上記トナー担持体から飛翔した
    トナーを加速させるような加速電界を形成し、かつ、対
    向電極との間を飛翔するトナーを減速させるような減速
    電界を形成するための中間電極を、上記トナー飛翔制御
    部材と上記対向電極との間に設けたことを特徴とする画
    像形成装置。
  5. 【請求項5】請求項4の画像形成装置において、 上記中間電極に電圧を印加する電圧印加手段を設け、 上記トナー担持体から飛翔したトナーを加速させるよう
    な加速電界を該中間電極と該トナー担持体との間に形成
    し、かつ、該中間電極の開口部を通過したトナーを減速
    させるような減速電界を該中間電極と対向電極との間に
    形成するように、該中間電極、トナー担持体、及び、対
    向電極への印加電圧をそれぞれ設定したことを特徴とす
    る画像形成装置。
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