JP4092103B2 - 画像形成方法及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トナーによる画像を被画像形成体に形成するための画像形成方法及び転写方法、並びにその画像形成方法を用いるファクシミリ、プリンタ、複写機等の画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、画像をいわゆる電子写真方式によって転写紙等の被画像形成体に形成する画像形成方法が知られている。この電子写真方式においては、次のようなプロセスで画像を形成する。即ち、感光体ドラム等の潜像担持体上に静電潜像を形成し、現像手段によってこの静電潜像にトナーを静電的に付着させてトナー像を得る。そして、このトナー像を被画像形成体に直接転写するか、あるいは中間転写を介して間接転写するかしてトナー画像を形成する。これら直接転写や間接転写においては、転写元部材(例えば潜像担持体)と、転写ローラ等の転写バイアス部材との間に転写電界を形成しておき、両者間に被画像形成体を進入させることで転写元部材上のトナー像に対して被画像形成体に向かう静電力を作用させることが一般に行われる。このような転写では、被画像形成体として厚みのあるものを用いるほど、それを介在させ得るように、転写元部材と転写バイアス部材との間隔を大きく確保する必要がある。しかしながら、長くし過ぎると有効な強度の転写電界を転写元部材と転写バイアス部材との間に形成すべく、実情にそぐわないほどの高電圧を転写バイアス部材に印加する必要に迫られるため、その間隔には限界がある。よって、使用し得る被画像形成体が、紙材や樹脂フィルムなどといった薄厚のものに限られていた。CD−ROMなどの光ディスクに画像を形成する画像形成装置も知られているが(例えば特開平5−212857号公報)、この装置の場合でも被画像形成体たる光ディスクの厚みはせいぜい1〜2[mm]であり、ペットボトルやガラス瓶などといった立体的な被画像形成体に画像を形成することは至難の業である。
【0003】
一方、従来より、ダイレクトトーニングあるいはトナープロジェクションと呼ばれる直接記録方式によって画像を形成する画像形成方法も知られている。この直接記録方式は、現像によって得られたトナー像を被画像形成体に転写するといったプロセスを実施するのではなく、被画像形成体に画像を直接記録する。具体的には、トナー担持ローラ等のトナー担持体と、これに対向する対向電極と、両者間に配設したトナー飛翔制御板とを用いて被画像形成体に画像を直接形成する。このトナー飛翔制御板には、貫通開口たる孔と、孔の周囲を覆うドーナツ状の飛翔制御電極との組合せが複数設けられている。任意の飛翔制御電極に飛翔電圧が印加されると、その飛翔制御電極に対向するトナー担持体領域からトナーの集合体がドット状に飛翔し、その飛翔制御電極の内側にある孔に進入する。そして、対向電極に印加されている対向電圧の影響によって孔内から対向電極に向けて飛翔を続け、対向電極上の記録紙等に付着してドット像を形成する。かかる直接記録方式では、孔内と対向電極との間において、同極性に帯電しているトナー粒子同士を静電斥力によって横方向に拡散させながら飛翔させてしまうと、ドット像を輪郭のボケた濃度の低いものにしてしまう。このため、孔内に進入したトナーの飛翔を対向電極に向けて継続させるための電界については、トナーの横方向への拡散を抑え得る強度で形成する必要がある。そして、孔と対向電極との間隔を大きくし過ぎると、かかる強度を得ることは極めて困難になる。その一方で、孔2と対向電極との間には記録紙等の被画像形成体を介在させる必要がある。よって、直接記録方式においても、電子写真方式と同様に、被画像形成体としてシート材や板状材といった薄厚のものを用いる必要があり、ペットボトルやガラス瓶などといった立体的なものを用いることは極めて困難であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上の背景に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、立体的な被画像形成体に画像を形成することができる画像形成方法、転写方法及び画像形成装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、電子写真方式や直接記録方式において立体的な被画像形成体の使用を想定してみた。そして、次に説明する事柄に着目した。即ち、例えば、直接記録方式において被画像形成体としてペットボトルを用いる場合、孔と対向電極との間隔をペットボトルの幅以上に確保する必要がある。ペットボトルのサイズにもよるが、500[ml]サイズでも少なくとも数[cm]は必要になる。ところが、対向電極上に載置したペットボトルの表面と、孔との間隔(孔からボトル表面までのトナー飛翔距離)は、せいぜい数百μmといったオーダーである。孔内のトナーをボトル表面まで到達させるためには、この数百μmといった僅かな空間に電界を形成すれば足りる。それにもかかわらず、更にボトル表面からボトル内部を経由して対向電極に至るまでの数[cm]といった非常に大きな空間に電界を形成しながら、孔とボトル表面との間で所望の電界強度を得ようとすることになる。このため、一般ユーザー向けの画像形成方法としては実情にそぐわないほどの高電圧を対向電極に印加する必要が生ずるのである
【0006】
そこで、上記目的を達成するために、請求項1の発明は、帯電したトナーを担持するトナー担持体と、該トナー担持体上からのトナーの飛翔を制御するための複数の飛翔制御電極と、上記トナー担持体に対向する複数の貫通開口を有する板状部材とを用意しておき、上記飛翔制御電極に飛翔電圧を印加する工程と、該飛翔電圧の印加によって上記トナー担持体から飛翔させたトナーに上記貫通開口を通過させる工程と、通過させたトナーを被画像形成体に付着させる工程とを実施して画像を形成する画像形成方法において、トナーを付着させる前の上記被画像形成体の表面に向けて液滴噴霧手段から噴霧した液滴を互いに対向する電極の間に通し、電極間での放電、又は電極からの電荷注入によって該液滴にトナーの帯電極性とは逆極性の電荷を付与し、電荷付与後の液滴を該表面に付着させることで、該表面を該逆極性に帯電させることを特徴とするものである
また、請求項発明は、請求項画像形成方法において、上記液として、溶剤中に可溶性樹脂を溶解せしめたものを用いることを特徴とするものである。
また、請求項発明は、請求項画像形成方法において、上記液として常温で固体となる液体を液化させたもの用いることを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、請求項1、2又は3の画像形成方法において、上記液として硬化性樹脂又は可塑性樹脂を含有するものを用いることを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、請求項の画像形成方法において、上記トナーとして、上記硬化性樹脂の硬化剤、又は上記可塑性樹脂の可塑剤を含有するものを用いることを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、請求項1乃至5の何れかのの画像形成方法において、上記液滴として、不透明で有色のものを用いることを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、請求項1乃至6の何れかの画像形成方法において、上記液を上記被画像形成体に対して1[μm]以上の厚みで付着させることを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、請求項1乃至7の何れかの画像形成方法において、上記飛翔電圧を印加した上記飛翔制御電極と、上記逆極性に帯電させた上記被画像形成体の表面との間に2[V/m]以上の強度の電界を形成することを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、請求項1乃至8の何れかの画像形成方法において、上記被画像形成体の表面における全領域のうち、形成する画像を内包し得る所定領域だけに上記液滴を付着させることを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項4又は5の画像形成方法において、上記可塑性樹脂として熱可塑性樹脂を用い、上記被画像形成体に付着させた上記液滴の上にトナーを付着させる前に、該被画像形成体を加熱することを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項1乃至10の何れかの画像形成方法において、画像形成後の上記被画像形成体を除電することを特徴とするものである。
これらの画像形成方法においては、飛翔電圧を飛翔制御電極に印加してトナーをトナー担持体から飛翔させ板状部材の貫通開口に進入させる一方で、被画像形成体の表面をトナーの帯電極性と逆極性に帯電させ、該飛翔制御電極と被画像形成体の表面とに電位差を生じせしめる。この電位差により、貫通開口内のトナーの飛翔を被画像形成体の表面に向けて継続させ得る電界を形成することができる。かかる構成では、従来の直接記録方式のように被画像形成体の裏面側に対向電極を配設し、これに対向電圧を印加するといったことが必要なくなる。そして、このことにより、立体的な被画像形成体の厚みに起因して、実情にそぐわないほどの高電圧を対向電極に印加しなければならないといった事態を解消して該被画像形成体に画像を形成することができる
請求項12の発明は、帯電したトナーを担持するトナー担持体と、該トナー担持体上からのトナーの飛翔を制御するための複数の飛翔制御電極と、上記トナー担持体に対向する複数の貫通開口を有する板状部材とを備え、上記飛翔制御電極への飛翔電圧の印加によって上記トナー担持体から飛翔させたトナーに上記貫通開口を通過させ、通過後のトナーを被画像形成体に付着させて画像を形成する画像形成装置において、トナーを付着させる前の上記被画像形成体の表面に向けて液滴噴霧手段から噴霧した液滴を互いに対向する電極の間に通し、電極間での放電、又は電極からの電荷注入によって該液滴にトナーの帯電極性とは逆極性の電荷を付与し、電荷付与後の液滴を該表面に付着させることで、該表面を該逆極性に帯電させる帯電手段を設けたことを特徴とするものである。
この直接記録方式の画像形成装置においては、請求項1の画像形成方法と同様の理由により、実情にそぐわないほどの高電圧を対向電極等に印加しなければならないといった事態を解消して、該被画像形成体に画像を形成することができる
【0007】
【発明の実施の形態】
まず、本発明を適用した画像形成装置の説明をする前に、従来の画像形成装置の例について説明する。
[第1従来例]
は本第1従来例に係るプリンタの概略構成図である。このプリンタは、直接記録方式によって画像を形成するものである。図において、被画像形成体たる記録紙Pは給紙カセット1に複数枚重ねて収容されている。一番上に位置する記録紙Pは、これに当接している給紙ローラ2の回転によってプリンタ内の紙搬送路に送られる。そして、搬送ローラ3対によって形成される搬送ニップを経た後、紙搬送ユニット4に受け渡される。
【0008】
この紙搬送ユニット4は、無端状の紙搬送ベルト4aを駆動ローラ4bと従動ローラ4cとによって張架しながら、駆動ローラ4bの回転によって図中時計回り方向に無端移動せしめられる。紙搬送ベルト4aは、搬送ローラ対3から受け渡された記録紙Pを、定着ユニット5に向けて搬送する途中で画像記録部100に通す。この画像記録部100は、イエロー記録ユニット100Y、マゼンタ記録ユニット100M、シアン記録ユニット100C、ブラック記録ユニット100Bkを備えている。これら記録ユニットは、それぞれ紙搬送ベルト4aの図中上側に配設される本体部と、紙搬送ベルト4aの裏面に当接する対向ローラ(104Y、M、C、Bk)とを有しており、使用するトナーの色がイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックと異なる点以外は、ほぼ同様の構成となっている。イエロー記録ユニット100Yを例にすると、トナー収容部101Y、トナー担持体たるトナー担持ローラ102Y、板状部材たる飛翔制御板103Yなどが設けられた本体部を、紙搬送ベルト4aのおもて面に所定の間隙を介して対向させている。また、無端移動せしめられる紙搬送ベルト4aをこの本体部との間に介在させるように、対向ローラ104Yを、紙搬送ベルト4aの裏面に当接させている。対向電極としての対向ローラ104Yには、図示しない電圧印加手段によって対向電圧が印加されている。
【0009】
は、イエロー記録ユニット100Yによる画像記録の原理を説明するための説明図である。図において、板状部材たる飛翔制御板103Yは、ポリイミド等からなる絶縁性板材と、これに形成された複数の孔105Yと、これらを個々に囲むドーナツ状の飛翔制御電極106Yとを有している。なお、図においては、便宜上、孔105Yと飛翔制御電極106Yとの組合せを1つしか示していないが、例えば600[dpi]用の飛翔制御板103Yであればこの組合せを4960個有している。かかる構成の飛翔制御板103Yの図中上側には、例えば接地された状態で、マイナス極性に帯電したイエロートナー(Ty)を表面に担持するトナー担持ローラ102Yが所定の間隙(本例では50μm)を介して配設されている。飛翔制御電極106Yにプラス極性の飛翔電圧が印加されると、トナー担持ローラ102Y上で飛翔制御電極106Yとの対向位置にあるイエロートナーや、その近傍に位置するイエロートナーに所定強度の電界が作用する。この電界の作用により、イエロートナーに加わる静電力が、イエロートナーとトナー担持ローラ102Yとの付着力を上回り、イエロートナーの集合体がドット状の形状でトナー担持ローラ102Yから選択的に飛翔して孔105Y内に進入する。そして、飛翔制御電極106Yと、これよりも高い電位を帯びている上記対向ローラ104Yとの間に形成される電界に引かれて飛翔を続け、孔105Yを通過する。対向ローラ104Yの図中上側では、無端移動せしめられている紙搬送ベルト4aと、これに搬送される記録紙Pとが存在している。孔105Yを通過したイエロートナーの集合体は、紙搬送ベルト4aによって搬送される記録紙Pの表面に付着して、イエローのドット像となる。
【0010】
は飛翔制御板103Yの一部を対向ローラ側から見た平面図である。図において、矢印Wは、図示しない記録紙の搬送方向を示している。各飛翔制御電極106Yは、その100[μm]の内径φの内側に80[μm]の孔105Yを内包するように形成されで構成され、W方向と直交する方向(主走査方向)における設置ピッチPhが形成画像の解像度に応じて設定されている。貫通開口たる孔105Yと、飛翔制御電極106Yとの組合せは、記録紙P上の主走査方向(図中左右方向)にドット抜けのない線画像を形成し得るように、W方向の約2[mm]の領域において8列形成されている。各飛翔制御電極106Yには、個々に飛翔電圧を導くための電気的に独立したリード107Yが連結し、各リード107Yにはそれぞれ図示しないHVICが接続されている。このような構成により、各飛翔制御電極106Yに対する飛翔電圧のON/OFFがそれぞれ独立に行われ、記録紙P上に複数のイエロードット像からなるイエロートナー像が形成される。
【0011】
先に示した図において、紙搬送ベルト4aに受け渡された記録紙Pは、まず、イエロー記録ユニット100Y内に進入し、ここでイエロートナー像が形成せしめられる。そして、マゼンタ記録ユニット100M、シアン記録ユニット100C、ブラック記録ユニット100Bk内を順次通過して、マゼンタトナー像、シアントナー像、ブラックトナー像がイエロートナー像の上に順次記録される。このような重ね合わせの記録によってフルカラー画像が形成された記録紙Pは、紙搬送ベルト4aから定着ユニット5に送られる。そして、加熱ローラ5aと加圧ローラ5bとによって形成される定着ニップに挟まれてフルカラー画像が定着せしめられる。
【0012】
かかる構成の第1従来例のプリンタにおいて、被画像形成体としてペットボトル等の立体的なものを用いる場合には、紙搬送ベルト4aと各記録ユニット(100Y、M、C、Bk)との間隙を、数十[μm]といったオーダーではなく、例えば数〜数十[cm]といったオーダーまで広げる必要がある。すると、飛翔制御板と対向ローラとの間に有効な強度の電界を形成せしめるべく、実情にそぐわないほどの高電圧を対向ローラに印加する必要が生ずるため、立体的な被画像形成体への画像形成は事実上不可能であった。
【0022】
次に、本発明を適用した画像形成装置として、第1実施形態のプリンタについて説明する。
[第1実施形態]
図1は、本第1実施形態に係るプリンタの要部を示す構成図である。このプリンタは、直接記録方式によって画像を形成するものであり、上記第1従来例のプリンタとほぼ同様の構成のブラック記録部100Bkを備えている。但し、このブラック記録部100Bkには、対向ローラ等の対向電極が設けられていない。ブラック記録部100Bkのトナー担持ローラ102Bkは、電子写真方式や直接記録方式で用いられる一般的なもので、中抵抗のゴム層が金属製の心金に5[mm]程度の厚みで被覆され、全体の直径が30[mm]程度になっている。ブラックトナー(Tk)も一般的なもので、例えば、アクリル樹脂やポリエステル樹脂の母体に、その中に、ブラックの染料や顔料が分散せしめられた直径7[μm]程度の粒子である。トナー担持ローラ102Bkに担持されたブラックトナーBkの層は、図示しないドクターブレードによって摩擦帯電せしめられるとともに、その層厚が2〜3層に規制された後、飛翔制御板103Bkとの対向位置まで搬送される。
【0023】
飛翔制御板103Bkの図中下側には、被画像形成体としてのペットボトルBpがその長手方向を図中奥行き方向に位置させるように寝かされた状態で図示しないボトルホルダーに支持されている。このボトルホルダーは、支持している直径100[mm]のペットボトルBpを図示しない回転機構によって図中反時計回りに回転させることができる。ペットボトルBpの周囲には、飛翔制御板103Bkの他に、針状電極8、板状電極9、液滴噴射ユニット10、加熱装置11などが配設されている。
【0024】
上記針状電極8は図中奥行き方向に10[mm]のピッチで複数配設されており、これらには図示しないスイッチを介して+4[kV]の電源が接続されている。上記板状電極9はこれら複数の針状電極8の全てに対向し得るように図中奥行き方向の長さが設定され、図示しない電線を介して接地されている。各針状電極8に電源が供給されると、それらの先端付近からコロナ放電が発生し、そこで生成された正コロナイオンが各針状電極8先端と板状電極9との間に形成された電界Eの向きに沿うようにして板状電極9に向かって移動する。上記液滴噴射ユニット10は、ポリビニールアルコール、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、酢酸ビニール、ポバール、ポリエチレングリコール、ポリウレタン、ナイロンなどの膜を形成し易い樹脂が溶媒中に分散せしめられた溶液を、図中奥行き方向に幅のある形状で噴霧することができる。この噴霧により、半径1[μm]程度の微小液滴12の群が複数の針状電極8と板状電極9との間を通ってペットボトルBpに付着する。その途中で、各針状電極8から板状電極9に向かって移動する上記正コロナイオンが付着せしめられて正の電荷を帯びる。即ち、微小液滴12はペットボトルBpに付着するのに先立って正極性に帯電せしめられるのである。このように帯電しても、液滴噴射ユニット10からの噴射圧が十分に強いために、板状電極9側に引き寄せられて付着する前に、ペットボトルBpに到達する。そして、ペットボトルBp上で厚さ2[μm]の溶液層を形成してボトル表面を正極性に帯電させる。
【0025】
一方、飛翔制御板103Bkの飛翔制御電極106Bkに正極性の飛翔電圧が印加されると、接地されたトナー担持ローラ102Bkと、飛翔制御電極106Bkとの間に電界が形成される。トナー担持ローラ102Bk上で飛翔制御電極106Bkとの対向位置にあるブラック(Tk)の集合体は負極性に帯電しており、この電界の影響を受けてドット状に飛翔して、その一部が飛翔制御板103Bkの孔105Bk内に進入する。孔105Bkと、正極性に帯電したペットボトルBpの表面との間には、電界が形成されている。この電界の向きが、負極性のブラックトナー(Bk)を孔105Bk内からペットボトルBp側に移動させるような静電力を付与する方向であると、孔105Bk内のブラックトナー(Tk)の集合体はペットボトルBpに向けて飛翔を継続する。そして、飛翔制御電極106Bkと、ペットボトルBpとの間の1〜10[mm]程度の空間を飛翔した後、ペットボトルBp表面に付着してブラックドット像となる。
【0026】
このようにしてペットボトルBp表面に形成された複数のブラックドット像からなるブラックトナー像は、ペットボトルBpの回転に伴って加熱装置11との対向位置を通過する際に加熱される。そして、この加熱によってペットボトルBp表面に定着せしめられる。
【0027】
ところで、コロナ放電によって粒子に生ずる帯電量については、図2(新版 静電気ハンドブック 静電気学会編 p1047より抜粋)に示したグラフに基づいて計算することができる。本第1実施形態のプリンタでは、上述のように液滴噴射ユニット10から半径1[μm]の微小液滴12を噴霧している。そこで、図2の衝突帯電のグラフから半径1[μm]の粒子の帯電量Qを特定すると、次式が得られる。
【数1】
Q=5−17[C]
【0028】
粒子の質量については、次式によって求めることができる。
【数2】
m=(4/3)×π×r3×ρ[kg]
但し、r、ρはそれぞれ半径、比重を示す。
【0029】
ここで、上記溶液の比重は1.0であった。よって、単位質量当たりの帯電量は次式のようになる。
【数3】
Q/m=(1.194)−2[C/kg]
【0030】
ペットボトルBp上に形成された厚さ2[μm]の溶液層の単位面積S(1m)当たりの質量Mは、次式のようになる。
【数4】
M=S×t×ρ=2−3[kg]
但し、tは溶液層の厚さを示す。
【0031】
よって、上記溶液層の単位面積S当たりの電荷量qは、次式のようになる。
【数5】
q=Q/m×M=(1.194)−2/2−3
=(2.388)−5[C/m
【0032】
かかる電荷量qを有する上記溶液層が、図1においてペットボトルBpの回転に伴って孔105Bkの下側に位置すると、飛翔制御電極106Bkと溶液層との間に電界が形成される。このとき、飛翔制御電極106Bkのリング幅が20[μm]であるのに対して溶液層の幅がこれよりも遙かに多きいため、この電界中の電気力線は鉛直方向に平行とはならないが、リング幅の十分に広いコンデンサーモデルであると仮定してみる。すると、そこには次に示す3つの式が成立する。
【数6】
E=V/d[V/m]
但し、V、dは、それぞれ電位、距離を示す。
【数7】
V=qS/C[V]
【数8】
C=εε/d[C/N・m]
但し、ε、εはそれぞれ空気の比誘電率、真空の誘電率を示す。
【0033】
上記数6の式に数7、数8の式を代入して得た数式を用いて、εを1.0000として計算すると次式のようになる。
【数9】
E=q/εε
=q/(1.0000×ε
=q/ε
=(2.7)[V/m]
【0034】
従来の直接記録方式においては、飛翔制御電極と被画像形成体との間の電界強度Eを2〜3[V/m]に設定していた。よって、対向ローラ等の対向電極を設けなくても、正コロナイオンとの衝突によってQ/m=(1.194)−2[C/kg]に帯電せしめ微小液滴12を被画像形成体の表面に2[μm]の厚みで付着させれば、従来の直接記録方式と同様の強度の電界を飛翔制御電極と被画像形成体との間に形成し得ることになる。
【0035】
本発明者は、図1に示した装置を実際に試作して記録テストを行った。具体的には、約−10[μC/g]に帯電するブラックトナー(Tk)を用いて、飛翔制御電極106Bkに+300[V]の飛翔電圧を印加してみた。すると、ペットボトルBp上にブラックトナー像を形成することができた。なお、ブラックドット像を形成しない領域に相当する飛翔制御電極106Bkに対しては、−50[V]の飛翔抑制電圧を印加した。
【0036】
ブラックトナーの飛翔の様子を高速度カメラによって撮影したところ、1〜3[m/sec]の速度でペットボトルBpに到達していることがわかった。よって、従来の直接記録方式と同等の強度の電界を飛翔制御電極106Bkと被画像形成体表面との間に形成すれば、対向ローラ等の対向電極を設けなくても直接記録方式を実現し得ることが実証された。なお、本例では電界強度を(2.7)[V/m]としたが、少なくとも従来の下限であった2[V/m]であれば、孔105Y内に進入したトナーの被画像形成体に向けての飛翔を確実に継続させ得ると思われる。
【0037】
上述のように、本例ではブラックトナーが1〜3[m/sec]の速度でペットボトルBpに到達した。従来の直接記録方式において、このような速度でトナーが記録紙等の被画像形成体に到達すると、弾性に富むトナーは被画像形成体上で何度もバウンドしながら面方向に広がってしまうため、シャープネス性に欠ける非常にぼやけたドット像を形成していた。しかしながら、本例では、ペットボトルBp上の溶液層がクッションとなり、ブラックトナーが全く跳ねかえることなくボトル上で停止することがわかった。このため、小径でシャープネス性に優れたドット像となって、解像性に優れた画像が形成された。溶液層のクッション機能については、その粘度や厚みなどによって異なってくるが、少なくとも1[μm]以上あればトナーの跳ね返りの軽減を期待することができると思われる。
【0038】
ペットボトルBpの表面に直接記録されたブラックトナー像は、ボトルの回転に伴って加熱装置11との対向位置を通過する。この際、ボトル表面の溶液層が加熱装置11からの赤外線照射を受けて溶剤を蒸発させるとともに、ブラックトナー像に覆い被るように溶着する樹脂成分によって樹脂フィルム層を形成することが確認された。ペットボトルBpを上記ボトルホルダーから取り外してブラックトナー像を確認したところ、このフィルム層によって高精細の光沢を発揮し、且つ強固にボトル表面に固定されていることが確認された。よって、液滴噴射ユニット10に用いる溶液の樹脂としては、かかる樹脂フィルム層を形成し得る硬化性樹脂や可塑性樹脂が望ましい。加熱装置11については、溶液中の樹脂の硬化反応や可塑反応の原理に応じて、赤外線以外の加熱方式のものや、加熱を伴わない紫外線照射手段、気体噴射手段、硬化剤塗布手段、可塑剤塗布手段などに置き換えればよい。例えば、紫外線硬化樹脂を含有する溶液を用いる場合には、加熱装置11を紫外線照射装置に置き換えればよい。
【0039】
なお、硬化剤や可塑剤との混和によって硬化や可塑を開始する硬化性樹脂や可塑性樹脂を用いる場合には、硬化剤や可塑剤を含有するトナーを用いれば、加熱装置11やその代替え手段を設けることなく、樹脂フィルム層を形成することができる。かかる可塑剤や硬化剤としては、重合開始剤、架橋開始剤などが考えられる。
【0040】
また、図1に示したプリンタではイエロー単色の画像しか形成することができないが、ペットボトルBpを何周もさせている間に、第1従来例の各色記録ユニット(100Y、M、C、Bk)と同様のものをボトルとの対向部に順次移動させるようにすれば、フルカラー画像の形成も可能である
【0041】
次に、この第1実施形態のプリンタに、より特徴的な構成を付加した各実施例のプリンタについて説明する
【0051】
[実施例
上記第1実施形態のプリンタにおいて、液滴噴射ユニット10を100[℃]に加熱する噴射ユニット加熱手段を設ける一方で、ペットボトルBpを加熱する上記加熱装置11を撤去した。そして、樹脂を分散せしめた溶液の代わりに、低分子量のポリエチレングリコール樹脂を用いた。低分子量のポリエチレングリコールは常温では固体であるが、100[℃]では粘性の低い液体となる。この液体の微小液滴12は液滴噴射ユニット10から噴射されると、溶液の微小液滴と同様にコロナイオンによって正極性に帯電せしめられた後にペットボトルBpに付着した。そして、ボトル表面が正極性に帯電して、高濃度高精細のブラックトナー像が形成された。このブラックトナー像は、ボトル表面に固着したポリエチレングリコールによって定着されていた。
【0052】
かかる構成においては、ペットボトルBp上に付着したトナーを定着のために加熱手段で加熱してなくても、トナー像を定着させることができるので、定着用の加熱によるペットボトルBpの変形を抑えることができる。
【0056】
[実施例
上記第1実施形態のプリンタにおいて、負帯電性のブラックトナーの代わりに、正帯電性のブラックトナーをセットした。また、上記針状電極8、板状電極9を上記液滴噴射ユニット10内に1[mm]の間隙を置いて配設し、その間に溶液を位置させるようにした。そして、上記針状電極8に−1000[V]の電圧を印加したところ、液滴噴射ユニット10内の電極間に位置している溶液を負極性に帯電させた。この現象は、液体に対する電荷注入として知られている。電荷注入は、液体の電気抵抗が高すぎても低すぎてもうまくいかないが、1010[Ωcm]程度であれば良好に実現される。また、絶縁性の液体でも、針状電極8に対して例えば−10[kV]といったより高い電圧を印加すれば、液体中に存在する微小ボイド(微小気泡)内でのコロナ放電や、針状電極8からの電子の放出な溶液中に存在する微小なボイド(気泡)でコロナ放電させたり、また、針電極から直接電子を放出させたりすることも可能である。なお、液体の電気抵抗については、塩化ナトリウム等の水中電離物質(イオン性物質)の添加量によって調整してもよい。
【0057】
上記飛翔制御電極106Bkに+300[V]の飛翔電圧や+50[V]の飛翔抑制電圧を印加しながら、微小液滴12の付着によって表面を負極性に帯電させたペットボトルBpに画像を形成してみた。すると、高濃度高精細で且つ光沢のあるブラックトナー像を形成することができた。
【0058】
かかる構成においては、過度なコロナ放電によって多量のオゾンを発生させるといった事態を生ずることなく、ペットボトルBp表面をトナーとは逆極性の安定した電荷量で帯電させることができる。
【0059】
[実施例
上記第1実施形態のプリンタでは、微小液滴12をペットボトルBpのほぼ全面に渡って噴霧していたが、液滴噴射ユニット10の噴射先端幅を画像情報に基づいて可変させることによって噴霧幅を調整できるようにした。そして、画像情報に基づいて、例えばラベルのように10[cm]×5[cm]といった画像を内包させる所定領域だけに噴霧させるようにした。このように、画像を内包させる所定領域だけに微小液滴12を付着させても、上記第1実施形態と同様の高画質を再現することができた。
【0060】
かかる構成においては、ペットボトルBpに対して、画像を形成しない領域にも微小液滴12を付着させることによる無駄な溶液の消費を抑えることができる。なお、ペットボトルBpに形成する画像は、円形や多角形のベタ画像ではなく文字やシンボルなどといった複雑な形状をしている。よって、10[cm]×5[cm]などといった画像を包含させる定型的な領域だけに微小液滴12を付着させても、その中でトナー像を実際に形成する領域はより狭くなる。それ以外の領域については、電界形成やトナーの跳ね返りの軽減といった対策はそれほど重要でなく、光沢性を向上させたり、バックグラウンド色を付けたりなどといった別の目的を達成させれば足りる可能性がある。このような場合には、画像情報に基づいて、回転するペットボトルBpに対して噴射幅を連続的に変化させながら微小液滴12を噴霧させるようにすれば、無駄な溶液の消費を更に抑えることができる。更に、トナー像形成領域に対応しない針状電極8に対する電圧印加をOFFさせるようにすれば、無駄なエネルギー消費も抑えることができる。
【0061】
[実施例
上記第1実施形態のプリンタにおいて、溶液中に分散せしめる樹脂として、熱可塑性樹脂を用いた。また、ペットボトルBpの表面に付着させた微小液滴12からなる溶液層を、孔105Bkからのトナー付着に先立って加熱するように、上記加熱装置11の位置を移動した。そして、ブラックトナー像を形成したところ、各ドット像をより小径に形成して、画像のエッジのシャープネス性をより向上させることができた。樹脂の高粘度化に伴って高粘性化した溶液がトナー着地時のクッション性をより高めたためである。
【0062】
[実施例
ブラックトナー像を形成した後のペットボトルBpには、溶液の影響による電荷が残っている場合がある。この残留電荷は、空気中に漂う埃等を引き寄せて汚れを発生させるおそれがある。そこで、上記第1実施形態のプリンタにおいて、加熱装置11よりもボトル回転方向下流側に除電手段たるコロナ帯電器を配設し、これを用いてACコロナ放電による除電を試みたところ、ペットボトルBpの残留電荷を除電することができた。
【0063】
かかる構成においては、ペットボトルBpの残留電荷に起因する汚れを抑えることができる。
【0071】
以上の第1実施形態や各実施例のプリンタにおいては、次に列記するような優れた作用効果を得ることができる。
即ち、被画像形成体たるペットボトルBpに対して直接記録を施してトナー像を形成する第1実施形態や各実施例のプリンタでは、被画像形成体の裏面側に対向電極を配設し、これに対向電圧を印加するといったことを実施しなくても、貫通開口たる孔105Bkと被画像形成体の表面との間に所望の強度の電界を形成することができる。このことにより、立体的なペットボトルBpの厚みに起因して、実情にそぐわないほどの高電圧を対向電極に印加しなければならないといった事態を解消して、ボトル表面に画像を形成することができる。
また、トナーと逆極性の電荷を有する微小液滴12の付着によってペットボトルBp表面を帯電させる第1実施形態や各実施例のプリンタにおいては、ボトル表面上の液層によってトナーの跳ね返りを抑えて、小径でシャープネス性に優れたドット像を形成することができる。しかも、固体微粒子ではなく液滴を用いることで、その飛散軽減対策を不要にすることもできる
また、溶液として、溶剤中に可溶性樹脂を溶解せしめたものを用いるものにおいては、可溶性樹脂をペットボトルBp表面に固着させてトナー像の定着を補助するとともにその光沢を向上させることができる。
また、ボトル表面に噴霧する液体として常温で固体となるものを液化させて用いるものにおいては、ボトル表面に付着したトナーを定着のために加熱手段で加熱してなくても、トナー像を定着させることができるので、定着用の加熱によるペットボトルBpの変形を抑えることができる。
また、第1実施形態や各実施例のプリンタにおいて、ペットボトルBpに付着させる液体中の樹脂として、硬化性樹脂や可塑性樹脂を用いれば、ボトル表面に樹脂フィルム層を形成して高精細の光沢を発揮させ、且つトナー像を強固にボトル表面に固定することができる。
また、トナーとして上記硬化性樹脂の硬化剤や上記可塑性樹脂の可塑剤を含有するものを用いれば、加熱装置11やその代替え手段を設けることなく、樹脂フィルム層を形成することができる。
また、上記硬化性樹脂や可塑性樹脂として、ペットボトルBpと同一の素材であるポリエチレンテレフタレートからなるものを用いれば、ボトル表面に対する上記樹脂フィルム層のより強い固着によってトナー像をより強固にボトル表面に固定することができる。しかも、画像を印刷したラベルをペットボトルBpから剥がすといった手間をかけることなく、ペットボトルBpを純度の高いポリエチレン素材としてリサイクル利用することが可能になる。
また、溶液(液体)に対してコロナ放電によって電荷を付与する第1実施形態のプリンタにおいては、溶液を容易に帯電せしめることができ、しかも摩擦帯電よりも帯電量の安定化を図ることができる。
また、溶液に対して電荷注入によって電荷を付与するものにおいては、過度なコロナ放電によって多量のオゾンを発生させるといった事態を生ずることなく、ペットボトルBp表面をトナーとは逆極性の安定した電荷量で帯電させることができる
また、溶液として、不透明な白色のものを用いるものにおいては、トナー像のバックグラウンドを有色にして像の視認性を向上させることができる。
また、溶液を用いる第1実施形態等のプリンタにおいて、溶液をボトル表面に対して1[μm]以上の厚みで付着させるようにすれば、ボトル表面着地時におけるトナーの跳ね返りの軽減を期待することができる。
また、第1実施形態や各実施例のプリンタにおいて、飛翔電圧を印加した飛翔制御電極106Bkと、固体微粒子や微小液滴12の付着によって帯電させたボトル表面との間に2[V/m]以上の強度の電界を形成させれば、孔105Bk内に進入した後のトナーの飛翔をボトル表面に向けて確実に継続させることができる。よって、確実に直接記録を実現することができる。
また、ボトル表面に対して、形成する画像を内包し得る所定領域だけに微小液滴12を噴霧するものにおいては、画像を形成しない領域にも微小液滴を付着させることによる無駄な溶液の消費を抑えることができる。
また、溶液中の樹脂として硬化性樹脂や可塑性樹脂を用い、ボトル表面に付着させた溶液層の上にトナーを付着させる前に、ボトル表面を加熱するものにおいては、加熱に伴う軟化によって高粘度化した樹脂や、樹脂の高粘度化に伴って高粘性化した溶液によってトナー着地時のクッション性をより高める。そして、このことにより、各ドット像をより小径に形成して、画像のエッジのシャープネス性をより向上させることができる。
また、画像形成後のペットボトルBpを除電するものにおいては、ペットボトルBpの残留電荷に起因する汚れを抑えることができる
【0072】
【発明の効果】
請求項1乃至12の発明によれば、実情にそぐわないほどの高電圧を対向電極や転写バイアス部材などに印加しなければならないといった事態を解消して、該被画像形成体に画像を形成することができるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態に係るプリンタの要部を示す構成図。
【図2】 コロナ放電によって帯電する粒子半径と帯電量との関係を示すグラフ

【図3第1従来例に係るプリンタの概略構成図。
【図4イエロー記録ユニットによる画像記録の原理を説明するための説明図。
【図5飛翔制御板の一部を対向ローラ側から見た平面図
【符号の説明】
1 給紙カセット
2 給紙ローラ
3 搬送ローラ対
4 紙搬送ユニット
5 定着ユニット
6 中間記録ユニット
6a 中間記録ベルト(対向部材)
7 転写ローラ(転写バイアス部材)
100 画像記録部
100Y、M、C、Bk 記録ユニット
101Y、M、C、Bk トナー収容部
102Y、M、C、Bk トナー担持ローラ(トナー担持体)
103Y、M、C、Bk 飛翔制御板(板状部材)
104Y、M、C、Bk 対向ローラ(対向電極)
105Y、Bk 孔(貫通開口)
106Y、Bk 飛翔制御電極
107Y リード
200Y、M、C、Bk 感光体ドラム(潜像担持体)
201Y、M、C、Bk 帯電ローラ
202Y、M、C、Bk 現像器
P 記録紙(被画像形成体)
Bp ペットボトル(被画像形成体)

Claims (12)

  1. 帯電したトナーを担持するトナー担持体と、該トナー担持体上からのトナーの飛翔を制御するための複数の飛翔制御電極と、上記トナー担持体に対向する複数の貫通開口を有する板状部材とを用意しておき、上記飛翔制御電極に飛翔電圧を印加する工程と、該飛翔電圧の印加によって上記トナー担持体から飛翔させたトナーに上記貫通開口を通過させる工程と、通過させたトナーを被画像形成体に付着させる工程とを実施して画像を形成する画像形成方法において、
    トナーを付着させる前の上記被画像形成体の表面に向けて液滴噴霧手段から噴霧した液滴を互いに対向する電極の間に通し、電極間での放電、又は電極からの電荷注入によって該液滴にトナーの帯電極性とは逆極性の電荷を付与し、電荷付与後の液滴を該表面に付着させることで、該表面を該逆極性に帯電させることを特徴とする画像形成方法
  2. 請求項の画像形成方法において、
    上記液として、溶剤中に可溶性樹脂を溶解せしめたものを用いることを特徴とする画像形成方法。
  3. 請求項の画像形成方法において、
    上記液として、常温で固体となる液体を液化させたもの用いることを特徴とする画像形成方法。
  4. 請求項1、2又は3の画像形成方法において
    記液として硬化性樹脂又は可塑性樹脂を含有するものを用いることを特徴とする画像形成方法。
  5. 請求項の画像形成方法において、
    上記トナーとして、上記硬化性樹脂の硬化剤、又は上記可塑性樹脂の可塑剤を含有するものを用いることを特徴とする画像形成方法。
  6. 請求項1乃至5の何れかの画像形成方法において、
    記液滴として、不透明で有色のものを用いることを特徴とする画像形成方法。
  7. 請求項1乃至6の何れかの画像形成方法において、
    上記液を上記被画像形成体に対して1[μm]以上の厚みで付着させることを特徴とする画像形成方法。
  8. 請求項1乃至7の何れかの画像形成方法において、
    上記飛翔電圧を印加した上記飛翔制御電極と、上記逆極性に帯電させた上記被画像形成体の表面との間に2[V/m]以上の強度の電界を形成することを特徴とする画像形成方法。
  9. 請求項1乃至8の何れかの画像形成方法において、
    上記被画像形成体の表面における全領域のうち、形成する画像を内包し得る所定領域だけに上記液滴を付着させることを特徴とする画像形成方法。
  10. 請求項4又は5の画像形成方法において、
    上記可塑性樹脂として熱可塑性樹脂を用い、上記被画像形成体に付着させた上記液滴の上にトナーを付着させる前に、該被画像形成体を加熱することを特徴とする画像形成方法。
  11. 請求項1乃至10の何れかの画像形成方法において、
    画像形成後の上記被画像形成体を除電することを特徴とする画像形成方法。
  12. 帯電したトナーを担持するトナー担持体と、該トナー担持体上からのトナーの飛翔を制御するための複数の飛翔制御電極と、上記トナー担持体に対向する複数の貫通開口を有する板状部材とを備え、上記飛翔制御電極への飛翔電圧の印加によって上記トナー担持体から飛翔させたトナーに上記貫通開口を通過させ、通過後のトナーを被画像形成体に付着させて画像を形成する画像形成装置において、
    トナーを付着させる前の上記被画像形成体の表面に向けて液滴噴霧手段から噴霧した液滴を互いに対向する電極の間に通し、電極間での放電、又は電極からの電荷注入によって該液滴にトナーの帯電極性とは逆極性の電荷を付与し、電荷付与後の液滴を該表面に付着させることで、該表面を該逆極性に帯電させる帯電手段を設けたことを特徴とする画像形成装置。
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