JP3676874B2 - 粉体画像記録方法及び装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トナーを担持するトナー担持体と対向電極との間に配設された、互いに独立あるいは一連の複数の微小開口部と各微小開口部のトナー通過を制御する複数の制御電極部とを備えたトナー飛翔制御部材の該制御電極部に、画像信号に応じて電圧を印加し、上記トナー担持体上からのトナーを上記微小開口部に通して上記対向電極側に移行させ、上記トナー飛翔制御部材と上記対向電極との間に位置する記録部材上に付着させることで画像を形成する粉体画像記録方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、粉体画像記録方法としてダイレクトトーニングまたはトナープロジェクションと称される画像記録方式が知られている。この画像記録方式は、孔やスリットの周りに設けた画像電極に電圧を印加し、帯電させたトナーをその孔やスリットを通して移動(飛翔)させ、紙等の記録部材に直接画像を形成するものである。
【0003】
上記画像記録方式については多くの提案がなされている。例えば、特公昭44−26333号公報には、図11に示すように、背面電極11、記録体12、制御格子13、メッシュ電極14、このメッシュ電極にトナーを供給する毛皮ブラシ15を順に配置した装置が開示されている。この装置では、絶縁性トナー16をブラシの回転により摩擦帯電させ、メッシュ電極と背面電極の間の空間に形成される電界で加速して背面電極に向かわせ、制御格子を通して紙上に像を形成する。この制御格子に加える電気信号の値を変えるとメッシュ電極と制御格子間の電界が逆転し、トナーが飛翔せず地肌部(白)が形成され、また電気信号を加減することで画像濃度を変えることもできるようになっている。
【0004】
ところが、上記装置では絶縁性トナーをもちいるので、これを摩擦帯電させるのにブラシを回転させる大がかりな装置が必要となる。絶縁性トナーの摩擦帯電を、二成分現像方式や一成分現像方式における、と同様の方法で行うことも考えられるが、これらにおいても、キャリヤ、撹拌機構、現像ローラなどが必要のため、装置が大がかりになってしまう。また、摩擦帯電によって熱が発生するため、トナーの母体樹脂として比較的融点の高い樹脂を用いる必要があることから、定着時の温度を低下させるのが困難であり、省エネルギーが実現されにくいという不具合もある。
【0005】
一方、例えば、特公平6−47298号公報には、導電性トナー91を用いた技術が開示されている。図12に導電性トナーの飛翔機構の説明図を示す。簡単のために制御電極は省いている。図示のように、例えば、トナー担持体6aを接地し、対向電極4に負の電圧−Vを印加すると、トナー担持体6aから導電性トナー91に正の電荷qが注入される。トナー担持体6aと対向電極4との間隔がdであるとすると、導電性トナー91の周りの電界Eは、トナー担持体6aから対向電極4に向かう方向(以下、上向きという。)で大きさがV/dとなる。従って、導電性トナー91に上向き静電力F=qV/dが作用することとなる。この静電力Fが導電性トナー91に下向きに働く重力とトナー間あるいはトナー担持体6aとの付着力(ファンデルワールス力)との和よりも大きくなると、導電性トナー91はトナー担持体6aから離れ、対向電極4に向かって飛翔する。このように、導電性トナー91を用いれば電荷注入により容易に帯電させることができ、摩擦帯電を必要としない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記導電性トナーを用いた構成によれば、高温高湿環境で記録部材としての紙などの抵抗が低下した場合に、飛翔して紙に付着したトナーに、紙から逆極性の電荷が注入され、トナーが逆極性に帯電してしまう。そしてこの逆極性の電荷によるトナー担持体方向の静電力が、記録部材とトナー間の引力、すなわちファンデルワールス力よりも大きくなると、該トナーが逆方向に飛翔(以下、逆飛翔という。)してしまい、画像濃度が大幅に低下してしまうという問題点があった。
【0007】
なお、導電性トナーを積層する場合にも、トナー周囲の電界によって静電誘導がおこり、用紙表面に付着した2層目以上のトナーの電荷が対向電極に近い1層目のトナーに移動し、上記2層目以上のトナーが逆極性に帯電するので逆飛翔してしまう。すなわち、導電性トナーでは基本的に1層しかトナー層を形成できない。このため、イエロー、マゼンタ、シアンの異色トナーを積層してフルカラーを作成することができないという不具合もあった。
【0008】
また、上述のようにトナーの逆飛翔が起こると、記録部材に向かう方向に飛翔するトナーと逆飛翔するトナーとが空中で弾性衝突し、運動方向が変わって横方向に遠くまで飛び、記録部材上の目的の画像の周りに散らばってトナーが付着し(以下、チリという。)、画像と非画像の境界線がぼやけてしまい、画像のシャープ性が欠ける原因になるという不具合もあった。
【0009】
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、高湿時の紙や導体にも画像記録できる粉体画像記録方法及び装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、トナーを担持するトナー担持体と対向電極との間に配設された、互いに独立あるいは一連の複数の微小開口部と各微小開口部のトナー通過を制御する複数の制御電極部とを備えたトナー飛翔制御部材の該制御電極部に、画像信号に応じて電圧を印加し、上記トナー担持体上からのトナーを上記微小開口部に通して上記対向電極側に移行させ、上記トナー飛翔制御部材と上記対向電極との間に位置する記録部材上に付着させることで画像を形成する粉体画像記録方法において、上記トナーとして、本粉体画像記録方法で用いる電圧の範囲内で、正又は負のどちらか一方にしか帯電しないという特性である整流性を示す整流性トナーを用いたことを特徴とするものである。
【0011】
また、請求項2の発明は、トナーを担持するトナー担持体と対向電極との間に配設された、互いに独立あるいは一連の複数の微小開口部と各微小開口部のトナー通過を制御する複数の制御電極部とを備えたトナー飛翔制御部材の該制御電極部に、画像信号に応じて電圧を印加し、上記トナー担持体上からのトナーを上記微小開口部に通して上記対向電極側に移行させ、上記トナー飛翔制御部材と上記対向電極との間に位置する記録部材上に付着させることで画像を形成する粉体画像記録装置において、上記トナーとして、請求項1のトナーを用いたことを特徴とするものである。
【0012】
請求項1又は2の発明においては、使用する整流性トナーが、正又は負のどちらか一方にしか帯電しないという特性を有する。よって、高温高湿環境で記録部材としての紙などの抵抗が低下した場合でも、飛翔して紙に付着したトナーに、紙から逆極性の電荷が注入されてトナーが逆極性に帯電することがない。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を粉体画像記録装置であるカラープリンタに適用した実施形態について説明する。
図1は本実施形態に係るカラープリンタの要部の概略構成図である。本カラープリンタでは、記録部材としての記録紙10は給紙カセット1から呼び出しローラ2により給紙され、記録紙搬送機能を備え、支持ローラ31、32に支持されたベルト状の対向電極4の矢印方向の回動により、制御電極5上に送られる。このベルト状対向電極4に記録紙搬送機能を持たせるには、例えば対向電極4に多数の孔を形成し、図示しないバキューム装置により、紙を対向電極表面に吸着する。そして、この制御電極5の上を水平に送られる間に制御電極5の下方に配置された、上部に開孔を有する4つのトナー容器6から、制御電極による制御で飛翔したカラートナー(以下、トナーという。)が付着して、記録紙10への記録が行われる。
【0014】
上記対向電極4には、導電性の支持ローラ31を介して図示しない電圧印加手段により電圧が印加されている。上記4つのトナー容器6はY、M、C、BKの各色のトナーを収容している。なお、上記制御電極5については後述する。
【0015】
記録紙10に付着した導電性トナーは、定着器としての熱ローラ7及び加圧ローラ8の間に送られて画像を定着される
【0016】
図2は、同プリンタの1色の、上記対向電極4と上記制御電極5と上記トナー−容器6内に設けられたトナー担持体6aとを備えた記録部の説明図である。上記制御電極5は、トナー担持体上のトナーに電界を与えることにより、該トナーの飛翔を制御するためのものである。上記制御電極5は、絶縁体である厚さ75μmのポリイミドフィルム52の両面に厚さ25μmの銅箔を接着し、それぞれの銅箔表面に電極パターンを露光後にエッチングし、最後に所定の位置に、ヤグレーザ等を用いて例えば直径120μmの孔54を設けて形成することができる。そして、対向電極4側の上記銅箔を画像信号に応じて電圧が印加される画像電極51とし、トナー担持体6a側の上記銅箔を、孔54の直下以外の部分でトナーが飛翔しないようにするためのシールド電極53とする。このシールド電極53は、対向電極と画像電極に画像記録時の電圧を与えても孔54の直下以外の部分のトナーに加わる電界が飛翔開始電界を下回って飛翔が起こらないように、例えばトナー担持体6aと同様に接地しておく。また、図2の例では、対向電極4と画像電極51の間隔は200μm、シールド電極53とトナー層表面との間隔は100μmである。
【0017】
次に、本実施形態における制御電極51及びシールド電極53の詳細について説明する。図3に1色分の制御電極及びシールド電極の一例を示す。この例は、600dpiの一例である。この例では、画像電極への記録時の電圧駆動に用いる図示しない高価なICドライバーの使用量を減らすために600dpiの主走査1ラインの画像電極を8分割駆動する。
図3において、白抜きの矢印Aで示すように左右方向が記録紙の搬送方向(以下、紙搬送方向という)である。上記ポリイミドフィルム52の記録紙搬送側の面に設ける画像電極51は、8つの孔54分の画像電極51を一体化した共通画像電極51aの620個の群により構成されている。この620個の共通画像電極51aの群では、各共通画像電極51aが紙搬送方向に対して所定角度傾斜し、かつ、隣合う共通画像電極同士の孔中心が紙搬送方向上で重なり合わないように隣合う共通画像電極と間隔をおいて配列されている。具体的には、紙搬送方向に直交する方向(以下、紙幅方向という)における孔54中心のピッチd1が600dpi相当の42.3μmになるように、上記傾斜角度及び間隔が設定されている。この共通画像電極51aの群全体の寸法は、紙搬送方向w1が1.65mmで、紙幅方向幅lがA4横幅と同じ210mmである。
【0018】
一方、上記ポリイミドフィルム52の記録紙搬送側とは反対の面には、前記シールド電極53の機能を兼ねた分割駆動のための8つのシールド兼分割駆動電極531〜538が設けられている。このシールド兼分割駆動電極531〜538は、分割駆動にあたって、画像信号に応じてトナーを飛翔させる電圧(以下、トナー飛翔用電圧という)が上記共通画像電極51aに印加されている状態でも、共通画像電極51aの駆動対象の孔以外の孔についてトナーが通過しないような電界を形成するためのものである。各シールド兼分割駆動電極531〜538それぞれは、搬送方向に対して直交する620個の孔を備えている。そして、各シールド兼分割駆動電極531〜538の620個の孔それぞれが、上記620個の共通画像電極51aの紙搬送方向における同一順位の孔に対応するようにして、紙搬送方向に並べられている。例えば、紙搬送方向で最下流に位置するシールド兼分割駆動電極531の620個の孔それぞれは、上記620個の共通画像電極51aの、紙搬送方向における最下流の孔に対応する。
そして、上記620個の共通画像電極51a及び8つのシールド兼分割駆動電極531〜538が図示しないICドライバに接続されている。
【0019】
この例の制御電極においては、上記620個の共通画像電極51aの孔を、紙幅方向に並ぶ紙搬送方向で1番目の孔の列、同2番目の孔の列というように、シールド兼分割電極531〜538のそれぞれに対応する紙幅方向の孔列単位で、順次駆動状態にする。具体的には、例えば紙搬送方向で最上流側の孔列を駆動状態にするとき、つまり、該最上流側の孔列に相当するドットの画像情報に基づいたICドライバの出力を共通画像電極51aに印加するときは、同最上流側のシールド兼分割駆動電極538を、画像信号に応じてトナー飛翔用電圧が印加されている上記共通画像電極51aの孔に、飛翔トナーの通過する電界が形成され、かつ、トナーを飛翔させない電圧(以下、トナー不飛翔用電圧という)が印加されている上記共通画像電極51aの孔に、トナーが飛翔しない程度の電界しか形成されない電位状態(以下、駆動電位状態という)にする。一方、他のシールド兼分割駆動電極531〜537は、画像信号に応じてトナー飛翔用電圧が印加されている上記共通画像電極51aの孔にも、その直下のトナーが通過しない程度の電界しか形成されない電位状態(以下、非駆動電位状態という)にする。
【0020】
例えば、図2の例に関して上述した各部寸法及び対向電極電圧を採用し、共通画像電極51aにトナー飛翔時の電圧として例えば−180V、トナー不飛散用の電圧として−120Vをそれぞれ用いた場合、上記シールド兼分割駆動電極531〜538の駆動電圧状態様の電圧としては例えば20V、非駆動電圧状態の電圧としては0V(すなわち接地)を印加する。これによれば、トナー飛翔のための電界強度の下限である飛翔開始電界強度が、例えば4.0×105(V/m)である低抵抗のトナーを用いた場合、トナー飛翔用電圧が印加された共通画像電極51の孔と、駆動電圧状態用の電圧が印加されたシールド電極53の孔とが重なる孔54の直下では、トナー層に加わる電界強度が飛翔開始電界強度を上回って飛翔が起こり、該孔54を通って対向電極側に移転し、記録紙10に付着する。また、印加電圧の組み合わせがこれとは異なる孔54、すなわち、トナー不飛翔用電圧が印加されている共通画像電極51aの孔と駆動電圧状態の電圧が印加されているシールド兼分割駆動電極531〜538の孔とが重なる孔54や、共通画像電極51への印加電圧が上記トナー飛散用電圧かトナー不飛散用電圧かを問わず、非駆動電圧状態の電圧が印加されているシールド兼分割駆動電極51の孔と共通画像電極51の孔とが重なる孔54の直下では、トナー層に加わる電界が飛翔開始電界を下回って飛翔は起こらない。
【0021】
そして、上記620個の共通画像電極51aの紙搬送方向で例えば上流側から2番目の孔列を駆動状態にするときは、同上流側から2番目のシールド兼分割駆動電極537を駆動電位状態にし、他のシールド兼分割駆動電極531〜536及び538は非駆動電位状態にする。
以上の8分割駆動で、例えば、共通画像電極51aのすべてにトナー飛翔用電圧を印加した状態で、シールド兼分割駆動電極531〜538の紙搬送方向におけるピッチ分だけ記録紙が移動する時間をずらして上記8個のシールド兼分割駆動電極531〜538を順次駆動状態にすれば、紙幅方向に1本の直線が記録紙10上に記録される。
【0022】
図4に同カラープリンタの4色分の制御電極列を示す。各色とも表面に620個の共通画像電極からなる共通画像電極群51Y、51M、51C、51Bkと、裏面に8個のシールド兼分割駆動電極(図示せず。)を有する。なお図中、リード線に対応して記入した数字は、620個の画像電極の1番目から620番目それぞれとの対応を示すものである。例えば、記録時の画像電極の電位を−180Vとし、非記録時の画像電極の電位を−120Vとすると、各共通画像電極間の電位差は最大60Vと低く、隣り合う共通画像電極間にリーク電流が流れることはない。従って、リード線の幅と間隔をそれぞれ例えば30μmと小さくできるので、各色間のピッチd2は18.6mm、全体幅w2は61.8mmと小さくすることができる。このため、この4色分の共通画像電極群は同一のポリイミドフィルム上に、上述の方法で1回のパターン露光で同時に形成することが可能である。そのため、4色分の共通画像電極群間の位置精度は非常に高く、一番離れたイエローの共通画像電極群51Yとブラックの共通画像電極群51Bk間でも15μm以下の位置精度を保つことができる。無論、電極幅内でリード線を引き出せるシールド兼分割駆動電極についても、上述の方法で1回のパターン露光による4色同時形成が可能で、高い位置精度を保つことができる。この結果、非常に位置合わせに優れた高精細のプリントを得ることができる。
【0023】
本実施形態では、記録紙への記録を行うためのトナーとして、正のみにしか帯電しない整流性トナー90を用いる。以下、整流性トナー90を用いたときの動作について説明する。
【0024】
上記整流性トナー90としては、例えば、スチレンとアクリル系モノマーと下式で表される陽イオン性ポリマーの強重合体を母体樹脂とし、その中に色材を分散し、その表面に通常の粉砕法で形成した後シリカをまぶしたものを用いることができる。
【化1】
Figure 0003676874
【0025】
次に、上記方法で形成した整流性トナー90の特性について測定した結果について述べる。測定は、図5に示すような、トナー担持体6a上に設けた直径10mm、深さ1mmの凹部に整流性トナー90がセットされ、上記トナー担持体6aの上方に、該トナー担持体側表面に絶縁フィルム41が接着された対向電極4が1mmの間隔をおいて設置されている装置を用いて行った。
(以下、余白)
【0026】
まず、トナー担持体6aを接地し、上記対向電極4に所定の電圧を1秒間印加し、その後、対向電極上の絶縁フィルムに飛翔して付着したトナーの質量(以下、トナー飛翔量という。)を、通常の電子写真のトナーを測定するのと同一の装置で測定した。比較のために、導電性トナー91であるリコー製、導電性トナーRIFAX9000(商品名)でも同じ測定を行った。その結果を図6に示す。この結果から、導電性トナー91は正負どちらの電圧が印加されても飛翔するが、上記整流性トナー90は、負電圧が印加されたときのみ飛翔し、正電圧ではたとえ2000Vでも全く飛翔しないことがわかる。次に、対向電極4を接地し、トナー担持体6aに電圧を印加して同様にトナー飛翔量の測定を行った。その結果を図7に示す。この場合には、整流性トナーは正電圧が印加されたときのみ飛翔し、負電圧では例え−2000Vでも飛翔しないことがわかる。
【0027】
上記結果から、整流性トナー90は電荷注入により正には導電性トナー並に容易に帯電するが、負には絶縁性トナー並に帯電しない。このことは、強い整流性を有していることを示す。この理由は、上記の化学構造式において正イオンが主鎖に強固に捕らえられていて移動できないのに、負イオンはフリーで容易に移動できるので、上記対向電極4に負の電圧を印加して電界を与えた場合には、負イオンのみが移動して上記トナーから流出し、残された正イオンで正に帯電するが、逆電界を与えた場合には電子がトナー中に入れず、負に帯電しないためであると考えられる。
【0028】
次に、図5の装置において対向電極4の絶縁フィルムをはがした状態で、上記整流性トナー90と導電性トナーを同様に飛翔させて、トナー飛翔量を測定した。その結果を図8に示す。導電性トナー91を用いた場合には、対向電極に残ったトナーはほとんどゼロであったが、上記整流性トナー90を用いた場合には、対向電極に絶縁フィルムを接着した場合とほぼ同量のトナーが測定された。これは次の理由による。すなわち、図9(a)に示すように導電性トナー91も整流性トナー90も共に正に帯電して飛翔する点は同じであるが、この飛翔により対向電極に付着したときに、図9(b)に示すように、導電性トナー91は負電荷が注入されて逆飛翔するのに対し、整流性トナー90は負電荷が注入されないために正のままで逆飛翔しないためである。この結果から、対向電極側に低抵抗の記録部材を設置したときに、導電性トナーでは記録できないが、整流性トナーでは記録可能であるといえる。
【0029】
次に、上記整流性トナー90及び上記導電性トナー91をそれぞれ用いて、対向電極にパルス電圧を4回印加してトナーを1mgずつ4回飛翔させた後に、トナー飛翔量を測定した結果を図10に示す。この結果から、導電性トナー91を用いた場合にはパルス電圧印加回数に関わらずトナー飛翔量はほぼ一定であるが、整流性トナー90を用いた場合にはパルス電圧印加回数に比例してトナー飛翔量が増加する。ここで、導電性トナー91を用いた場合にもパルス電圧を印加する度に充分な量のトナーが飛翔するのが観察されているので、図9(c)に示すように、導電性トナー91を用いた場合には2層目以上のトナーは一旦飛翔しても逆飛翔してしまうのに対し、整流性トナーを用いた場合には、2層目以上のトナーも逆飛翔することなく対向電極に付着したままであると考えられる。すなわち、整流性トナーを用いれば、対向電極上に積層可能であるといえる。
【0030】
次に、図2のフルカラープリンタにおいて上記に述べたような正のみに帯電するような整流性トナーを用いた場合の動作について述べる。まず、トナー担持体6aとシールド電極を接地し、対向電極4に一定の電圧、例えば−400Vを印加する。また、画像電極にも一定の電圧、例えば−120Vが印加されていて、記録紙10への記録を行う場合には、図示しないICドライバより、例えば−60Vの画像信号パルス電圧が印加される。このとき、画像電極には前記−120Vの電圧に重畳されて−180Vの電圧が印加されることとなる。そして、トナー層表面に形成される電界により整流性トナー90に正の電荷が誘導され、該電荷に上記電界が作用して形成される対向電極4方向の静電力が、上記整流性トナー90に作用する。この静電力がトナー間あるいはトナー担持体6aとの付着力(ファンデルワールス力)と重力の和を上回ると、該整流性トナー90がトナー層から離脱して図中に点線で示す電気力線に沿って飛翔し、記録紙10に付着する。このように整流性トナー90が付着することによって、記録紙10に記録することができる。
【0031】
本実施形態においては整流性トナー90が飛翔して記録紙10に付着後、記録紙10の抵抗が低い場合でも、整流性トナー90に負電荷は注入されず、負に帯電することがない。このためトナー担持体に向かう方向の静電力が働かないので逆方向に飛翔することはない。従って低抵抗の記録紙10にも記録可能である。例えば、記録紙10としてアルミホイルのような導体を用いたり、普通紙を30°C、90%RHの高温高湿環境試験室にいれ4時間放置したものを用いたりした場合に、対向電極4に−400V、画像電極に−180Vの電圧を印加してプリントを行っても、高画像濃度のプリントが得られた。
【0032】
また、本実施形態において、フルカラープリントを行う場合には、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナーを用いて上述の動作を4回繰り返す。この場合、2層目のトナーが付着後に、静電誘導により2層目のトナーが負に帯電することはない。同様に3層目以降のトナーも負に帯電することがない。このため2層目以降のトナーにトナー担持体に向かう方向の静電力は働かず、逆方向に飛翔することはない。従ってトナーの積層が可能である。例えば、上記対向電極4を兼ねた搬送ベルトを66mm/secで移動させながら、固定電圧−120Vが印加されている上記画像電極51に、画像信号に応じて図示しないICドライバーから−60Vのパルス電圧を、0.082msec間ずつ印加することによって、フルカラープリントを得ることができた。
【0033】
また、上述のように、トナーが逆方向に飛翔することがないので、対向電極4方向に向かうトナーと逆飛翔するトナーとが弾性衝突を起こすことがなく、チリの発生を抑制することができる。
【0034】
なお、上記実施形態では、正のみに帯電し得るトナーの一例についてのみ述べたが、粉体記録装置に用いられる電圧の範囲内で与えられうる電界により、正又は負のみに帯電しうる整流性トナーであれば、同様の効果を得ることができる。
【0035】
【発明の効果】
請求項1乃至2の発明によれば、使用する整流性トナーが、正又は負のどちらか一方にしか帯電しないという特性を有する。よって、高温高湿環境で記録部材としての紙などの抵抗が低下した場合でも、紙表面に付着したトナーに逆極性の電荷が注入されて該トナーが所望の極性と逆極性に帯電することがない。従って該トナーが逆飛翔せず、低抵抗の記録部材にも記録可能であるという優れた効果がある。なお、トナーを積層して画像を作成する場合にも記録部材表面に付着した2層目、3層目のトナーが所望の極性と逆極性に帯電して逆飛翔せず、トナーの積層が可能である。これにより、例えば異色のトナーを積層して良好なフルカラープリントを得ることができる。また、トナーが一方向にしか飛翔しないような電界を与えた場合には、トナーが所望の極性と逆極性に帯電して逆飛翔することがないので、記録部材に向かって飛翔するトナーと逆飛翔するトナーが弾性衝突を起こしてチリを生じることがなく、画像と非画像の境界が明確なシャープな画像が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係るカラープリンタの概略構成を示す正面図。
【図2】同プリンタの1色の記録部の説明図。
【図3】同プリンタの1色の制御電極列の平面図。
【図4】同プリンタの4色の制御電極列の平面図。
【図5】同プリンタで用いる整流性トナーの特性の測定装置。
【図6】図5の装置で測定した、トナー飛翔量の対向電極への印加電圧依存性。
【図7】図5の装置で測定した、トナー飛翔量のトナー担持体への印加電圧依存性。
【図8】図5の装置で絶縁フィルムをはがして測定した、トナー飛翔量の対向電極への印加電圧依存性。
【図9】整流性トナーと導電性トナーの飛翔の説明図。
【図10】図5の装置で測定した、トナー飛翔量の対向電極へのパルス電圧印加回数依存性。
【図11】従来用いられていた粉体画像記録装置の一例の原理説明図。
【図12】従来用いられていた導電性トナーの飛翔機構の説明図。
【符号の説明】
1 給紙カセット
10 記録紙
2 呼び出しローラ
3 搬送ローラ対
4 対向電極
5 制御電極
51 画像電極
52 ポリイミドフィルム
53 シールド電極
531〜538 シールド電極
54 孔
6 トナー担持体
7 熱ローラ
8 加圧ローラ
90 整流性トナー
91 導電性トナー

Claims (2)

  1. トナーを担持するトナー担持体と対向電極との間に配設された、互いに独立あるいは一連の複数の微小開口部と各微小開口部のトナー通過を制御する複数の制御電極部とを備えたトナー飛翔制御部材の該制御電極部に、画像信号に応じて電圧を印加し、上記トナー担持体上からのトナーを上記微小開口部に通して上記対向電極側に移行させ、上記トナー飛翔制御部材と上記対向電極との間に位置する記録部材上に付着させることで画像を形成する粉体画像記録方法において、
    上記トナーとして、本粉体画像記録方法で用いる電圧の範囲内で、正又は負のどちらか一方にしか帯電しないという特性である整流性を示す整流性トナーを用いたことを特徴とする粉体画像記録方法。
  2. トナーを担持するトナー担持体と対向電極との間に配設された、互いに独立あるいは一連の複数の微小開口部と各微小開口部のトナー通過を制御する複数の制御電極部とを備えたトナー飛翔制御部材の該制御電極部に、画像信号に応じて電圧を印加し、上記トナー担持体上からのトナーを上記微小開口部に通して上記対向電極側に移行させ、上記トナー飛翔制御部材と上記対向電極との間に位置する記録部材上に付着させることで画像を形成する粉体画像記録装置において、
    上記トナーとして、請求項1のトナーを用いたことを特徴とする粉体画像記録装置。
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