JPH11105332A - 画像形成方法及び装置 - Google Patents

画像形成方法及び装置

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JPH11105332A
JPH11105332A JP28473097A JP28473097A JPH11105332A JP H11105332 A JPH11105332 A JP H11105332A JP 28473097 A JP28473097 A JP 28473097A JP 28473097 A JP28473097 A JP 28473097A JP H11105332 A JPH11105332 A JP H11105332A
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JP
Japan
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toner
voltage
control electrode
recording member
carrier
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Withdrawn
Application number
JP28473097A
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English (en)
Inventor
Toshio Sakai
捷夫 酒井
Takahiko Tokumasu
貴彦 徳増
Masafumi Kadonaga
雅史 門永
Klokkal Peyre
クロッカル ペール
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Ricoh Co Ltd
Array Printers AB
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Array Printers AB
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 直接画像形成方式を採用した画像形成方法及
び画像形成装置において、尾引きの発生を防止して良好
な画像を形成する。 【解決手段】 トナー制御部材3の制御電極に画像信号
電圧Vblackを印加することにより飛翔して紙に到達す
るトナー群の先頭のトナーが紙に到達する時刻と、該ト
ナー群の最後尾のトナーが該紙に到達する時刻との差
が、紙が60μm移動する時間以下となるように、上記
画像信号電圧を印加した後に、該画像信号電圧印加によ
りトナー担持体1から離脱したトナーのうち比較的後で
トナー担持体から離脱した低速度のトナーを逆方向に加
速してトナー担持体1に戻すような電界を形成する非画
像信号電圧Vwhiteを上記制御電極に印加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トナー担持体に担
持させた上記トナーを選択的に飛翔させて、該トナー担
持体と該トナー担持体に対向する対向電極との間にある
記録部材上に付着させることで画像を形成する画像形成
方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、粉体画像形成方法としてダイレク
トトーニングまたはトナープロジェクションと称される
画像形成方式が知られている。この画像形成方式は、孔
やスリットの周りに設けた制御電極部に電圧を印加して
帯電させたトナー層又はトナークラウドに電界を加え、
特定の位置のトナーを選択的に飛翔させ、その孔やスリ
ットを通して移動させて紙等の記録部材に直接画像を形
成するものである。
【0003】図5は、このような画像形成方式を採用し
た画像形成装置の画像記録部の拡大模式図である。トナ
ー7を担持するトナー担持体1は接地され、このトナー
担持体1と対向して設けられた対向電極部材2との間
に、トナー担持体1上に担持されたトナー7を対向電極
部材2に向けて飛翔させるための飛翔電界を形成する飛
翔電界形成手段としての電源8が接続されている。この
電源8により対向電極部材2にトナー7の平均的な帯電
極性と逆の極性の直流高電圧が印加される。
【0004】また、トナー担持体1と対向電極部材2と
の間には、微小開口部としてのトナー通過孔31と、該
トナー通過孔31の周りに設けられた制御電極32とを
有するトナー飛翔制御部材としてのトナー制御部材3が
配設されている。そして、該トナー担持体1と該トナー
制御部材3の各制御電極32との間には、画像情報に基
づいて生成された制御電圧を各制御電極32に印加する
電源(以下「画像電源」という)9が接続されている。
この画像電源9により、画像情報に基づいて各制御電極
32に対して互いに独立した画像信号電圧が印加され
る。
【0005】また、図示の装置では、上記トナー制御部
材3の制御電極32と対向電極部材2との間隔Liは
0.5mm、制御電極32とトナー担持体1との間隔L
kは0.05mm、トナー担持体1の周速は300mm
/sec、紙6の搬送速度は100mm/secであ
る。
【0006】図6はトナーの飛翔状態を示した模式図で
ある。例えば、マイナスに帯電するトナーを用い、トナ
ー担持体1を接地し、対向電極部材2に+0.9kVの
直流高電圧を印加し、制御電圧32に+325Vの画像
信号電圧Vblackを200μsec印加すると、トナー
担持体1上のトナー7に対して6×106V/mの電界
が作用する。その電界の作用の結果、トナー7に加わる
クーロン力が、トナー7とトナー担持体1との間に作用
している付着力や鏡像力の和を上回って、トナー7は対
向電極部材2に向かって飛翔し始め、トナー制御部材3
の孔31を通過し、対向電極部材2に印加した電圧で形
成される飛翔電界に引かれて飛翔し続け、対向電極部材
2上を図示しない搬送手段により所定方向に搬送されて
いる紙6に当たって止まり、紙6上に画像が記録され
る。なお、この装置において、紙6上のトナーを付着さ
せない非画像部に対応する制御電極32には、−50V
の非画像信号電圧Vwhiteが印加される。
【0007】以上のように、上記構成の画像形成装置を
用いて紙6上に画像を形成することができる
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記構成の
画像形成装置を用いて記録部材上にドットを形成した場
合、他の画像形成方式、例えば、インクジェット方式
や、レーザプリンタあるいはLEDプリンタなどで用い
られる電子写真方式等を用いて形成されたドットに比較
して、該ドットの形状が劣ってしまう。具体的には、該
形成されるドットの形状が、円状ではなく彗星状になる
(以下、尾引きという)という問題点があった。
【0009】本発明者らは、このような尾引きの発生と
いう問題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、飛翔する
トナー群の先端と後端との距離が非常に延びているのが
原因と判った。
【0010】上記尾引きの発生原因を調べるために、ト
ナー制御部材と対向電極部材間を飛翔するトナー群を1
秒間13500コマの高速度カメラで撮影して観察した
ところ、トナー群が長く延びて先頭と後端とでは約1.
0msecの時間差があるのが観察された。次に、画像信号
電圧印加と同時に飛翔し始めたトナーの飛翔の様子をシ
ミュレーションしたところ、このトナーがトナー担持体
から離脱して紙に着地するまでに要する時間Ttraverse
は518μsecであった。このシミュレーションで求め
られた、トナーの飛翔開始から200μsec経過毎のそ
れぞれのトナーの位置を図7に示す。なお、図7(a)
は、トナーに該トナーが飛翔する電界を与えた瞬間のト
ナーの位置を示し、図7(b)、図7(c)、図7
(d)はそれぞれ、上記瞬間から200μsec経過後、
400μsec経過後、518μsec経過後のトナーの位置
を示している。また、上記画像信号電圧印加から200
μsec後に飛翔し始めたトナーについても同様のシミュ
レーションを行った。このトナーがトナー担持体から離
脱して紙に着地するまでに要する時間Ttraverseは12
43μsecであった。このシミュレーションで求められ
た、トナーの飛翔開始から200μsec経過毎のそれぞ
れのトナーの位置を図8に示す。なお、図8(a)は、
トナーに該トナーが飛翔する電界を与えた瞬間のトナー
の位置を示し、図8(b)、図8(c)、図8(d)、
図8(e)、図8(f)、図8(g)、図8(h)はそ
れぞれ、上記瞬間から200μsec経過後、400μsec
経過後、600μsec経過後、800μsec経過後、10
00μsec経過後、1200μsec経過後、1243μse
c経過後のトナーの位置を示している。図8のトナー
は、上記画像信号電圧印加から飛翔を開始するまでの時
間(以下、飛翔開始時間という)Tstartが200μsec
であるので、上記画像信号電圧印加から該トナーが紙に
付着するまでの時間Ttotalは、1443μsecとなる。
これらのシミュレーション結果から、上記画像信号電圧
印加と同時に飛翔し始めたトナーが紙に付着してから上
記画像信号電圧印加から200μsec後に飛翔し始めた
トナーが紙に付着するまでの時間差Tlengthは、925
μsecとなる。従って、上記画像信号電圧を200μsec
間印加する間にトナー担持体から飛翔するトナー群の先
端が記録部材に到達してから該トナー群の後端が記録部
材に到達するまでの時間が、画像信号の印加時間(パル
ス幅)に比して約5倍にもなってしまう。このように上
記時間が長くなってしまうのは、トナーの帯電量分布や
粒径分布が主な原因ではなく、画像信号がoffになっ
たとき、飛翔し始めたばかりでまだ十分な速度に加速さ
れていない後半のトナーがゆっくり飛翔するのが主な原
因であるということが図7及び図8に示したシミュレー
ションの結果からわかる。
【0011】本発明は以上の背景に鑑みなされたもので
あり、その目的とするところは、尾引きの発生を防止す
ることができる画像形成装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、トナー担持体に担持させたトナ
ーを、該トナー担持体と該トナー担持体に対向する対向
電極との間に配設されかつ互いに独立あるいは一連の複
数の微小開口部と各微小開口部のトナー通過を制御する
複数の制御電極部とを有するトナー飛翔制御部材の該制
御電極部に画像信号に応じて電圧を印加することによ
り、選択的に飛翔させ、該飛翔させたトナーを上記微小
開口部に通して上記対向電極側に移行させ、所定方向に
搬送される記録部材上に付着させることで画像を形成す
る画像形成方法において、上記制御電極部に上記トナー
担持体上のトナーを飛翔させるような電圧を印加するこ
とにより該トナー担持体から離脱したトナーのうち、少
なくとも最後にトナー担持体を離脱したトナーを上記ト
ナー担持体に戻し、それ以外のトナーを上記記録部材上
に付着させるように、上記制御電極部に上記電圧を印加
した後に、トナーを上記トナー担持体へ戻す方向の電界
を形成するような電圧を該制御電極部に印加することを
特徴とするものである。
【0013】また、請求項2の発明は、請求項1の画像
形成方法において、上記制御電極部に上記トナー担持体
上のトナーを飛翔させるような電圧を印加することによ
り飛翔して上記記録部材に到達するトナー群の先頭のト
ナーが記録部材に到達する時刻と、該トナー群の最後尾
のトナーが上記記録部材に到達する時刻との差が、該記
録部材が60μm移動する時間以下となるように、上記
トナー担持体上のトナーを飛翔させるような電圧を印加
した後に上記制御電極部に印加する電圧を設定したこと
を特徴とするものである。
【0014】また、請求項3の発明は、請求項1又は2
の画像形成方法において、上記電界がコロナ放電開始電
界以下の電界強度となるように上記電圧を設定したこと
を特徴とするものである。
【0015】また、請求項4の発明は、トナー担持体に
担持させたトナーを、該トナー担持体と該トナー担持体
に対向する対向電極との間に配設されかつ互いに独立あ
るいは一連の複数の微小開口部と各微小開口部のトナー
通過を制御する複数の制御電極部とを有するトナー飛翔
制御部材の該制御電極部に画像信号に応じて電圧を印加
することにより、選択的に飛翔させ、該飛翔させたトナ
ーを上記微小開口部に通して上記対向電極側に移行さ
せ、所定方向に搬送される記録部材上に付着させること
で画像を形成する画像形成方法において、上記制御電極
部に上記トナー担持体上のトナーを飛翔させるような電
圧を印加することにより飛翔して上記記録部材に到達す
るトナー群の先頭のトナーが記録部材に到達する時刻
と、該トナー群の最後尾のトナーが上記記録部材に到達
する時刻との差が、該記録部材が60μm移動する時間
以下となるように、上記電圧を印加した後の上記制御電
極部の電位を設定したことを特徴とするものである。
【0016】また、請求項5の発明は、請求項4の画像
形成方法において、上記トナー担持体上のトナーを飛翔
させるような電圧を印加した後の上記制御電極部の電位
が、上記トナーの飛翔を加速する方向の電界を形成する
ような電位であることを特徴とするものである。
【0017】また、請求項6の発明は、トナーを担持す
るトナー担持体と、該トナー担持体と対向する対向電極
と、該トナー担持体と対向電極との間に配設され、互い
に独立あるいは一連の複数の微小開口部と各微小開口部
のトナー通過を制御する複数の制御電極部とを有するト
ナー飛翔制御部材と、上記トナー飛翔制御部材と上記対
向電極との間に位置する記録部材を搬送する搬送手段と
を備え、該トナー飛翔制御部材の上記制御電極部に、画
像信号に応じて電圧を印加することにより、上記トナー
担持体上のトナーを選択的に飛翔させ、該飛翔させたト
ナーを上記微小開口部に通して上記対向電極側に移行さ
せ、上記搬送される記録部材上に付着させることで画像
を形成する画像形成装置において、上記制御電極部に上
記トナー担持体上のトナーを飛翔させるような電圧を印
加することにより該トナー担持体から離脱したトナーの
うち、少なくとも最後にトナー担持体を離脱したトナー
を上記トナー担持体に戻し、それ以外のトナーを上記記
録部材上に付着させるように、上記電圧が印加された後
の上記制御電極部に、トナーを上記トナー担持体へ戻す
方向の電界を形成するような電圧を印加する電圧印加手
段を設けたことを特徴とするものである。
【0018】また、請求項7の発明は、請求項6の画像
形成装置において、上記制御電極部に上記トナー担持体
上のトナーを飛翔させるような電圧を印加することによ
り飛翔して上記記録部材に到達するトナー群の先頭のト
ナーが記録部材に到達する時刻と、該トナー群の最後尾
のトナーが上記記録部材に到達する時刻との差が、該記
録部材が60μm移動する時間以下となるように、上記
電圧印加手段により上記制御電極部に印加する電圧を設
定したことを特徴とするものである。
【0019】また、請求項8の発明は、請求項6又は7
の画像形成装置において、上記電界がコロナ放電開始電
界以下の電界強度となるように上記電圧を設定したこと
を特徴とするものである。
【0020】また、請求項9の発明は、トナーを担持す
るトナー担持体と、該トナー担持体と対向する対向電極
と、該トナー担持体と対向電極との間に配設され、互い
に独立あるいは一連の複数の微小開口部と各微小開口部
のトナー通過を制御する複数の制御電極部とを有するト
ナー飛翔制御部材と、上記トナー飛翔制御部材と上記対
向電極との間に位置する記録部材を搬送する搬送手段と
を備え、該トナー飛翔制御部材の上記制御電極部に、画
像信号に応じて電圧を印加することにより、上記トナー
担持体上のトナーを選択的に飛翔させ、該飛翔させたト
ナーを上記微小開口部に通して上記対向電極側に移行さ
せ、上記搬送される記録部材上に付着させることで画像
を形成する画像形成装置において、上記制御電極部に上
記トナー担持体上のトナーを飛翔させるような電圧を印
加することにより飛翔して上記記録部材に到達するトナ
ー群の先頭のトナーが記録部材に到達する時刻と、該ト
ナー群の最後尾のトナーが上記記録部材に到達する時刻
との差が、該記録部材が60μm移動する時間以下とな
るような電圧を、上記トナー担持体上のトナーを飛翔さ
せるような電圧が印加された後の上記制御電極部に印加
する電圧印加手段を設けたことを特徴とするものであ
る。
【0021】また、請求項10の発明は、請求項9の画
像形成装置において、上記電圧印加手段により上記制御
電極部に印加する電圧を、トナーの飛翔を加速する方向
の電界を形成するような電圧に設定したことを特徴とす
るものである。
【0022】請求項1、2、及び、3の画像形成方法に
おいては、上記制御電極部に上記電圧を印加した後に、
トナーを上記トナー担持体へ戻す方向の電界を形成する
ような電圧を印加することにより、上記トナー担持体上
のトナーを飛翔させるような電圧の印加で上記トナー担
持体から離脱したトナーのうち、少なくとも最後にトナ
ー担持体を離脱したトナーを上記トナー担持体に戻す。
そして、それ以外のトナー、すなわち、上記トナー担持
体に戻すトナーに比して早くにトナー担持体を離脱し、
かつ、該トナー担持体に戻すトナーに比して上記トナー
担持体上のトナーを飛翔させるような電圧で形成される
電界によって加速されて高速のトナーを上記記録部材上
に付着させる。これにより、上記選択的に飛翔させたト
ナーを全て記録部材上に付着させる場合に比して、記録
部材上に付着する最初のトナーが記録部材に付着してか
ら最後のトナーが記録部材に付着するまでの時間が短く
なるので、該最初のトナーが記録部材に付着してから最
後のトナーが記録部材に付着するまでに記録部材が搬送
される距離が短くなる。従って、該記録部材上の、上記
最初のトナーが付着する箇所と上記最後のトナーが付着
する箇所との搬送方向の距離が短くなる。
【0023】請求項2及び3の画像形成方法において
は、上記トナー担持体上のトナーを飛翔させるような電
圧を印加した後に上記制御電極部に印加する電圧によ
り、上記トナー担持体から飛翔して上記記録部材に到達
するトナー群の先頭のトナーが記録部材に到達する時刻
と、該トナー群の最後尾のトナーが上記記録部材に到達
する時刻との差が、該記録部材が60μm移動する時間
以下となる。これにより、該記録部材上の、上記先頭の
トナーが付着する箇所と上記最後尾のトナーが付着する
箇所との搬送方向の距離が、60μm以内となる。
【0024】また、請求項3の画像形成方法において
は、上記電界がコロナ放電開始電界以下の電界強度とな
るので、コロナ放電が発生するのを防止することができ
る。
【0025】請求項4及び5の画像形成方法において
は、上記トナー担持体上のトナーを飛翔させるような電
圧を印加した後の上記制御電極部の電位の設定により、
上記トナーを飛翔させるような電圧の印加により飛翔し
て上記記録部材に到達するトナー群の先頭のトナーが記
録部材に到達する時刻と、該トナー群の最後尾のトナー
が上記記録部材に到達する時刻との差が、該記録部材が
60μm移動する時間以下となる。これにより、該記録
部材上の、上記先頭のトナーが付着する箇所と上記最後
尾のトナーが付着する箇所との搬送方向の距離が、60
μm以内となる。
【0026】また、請求項5の画像形成方法において
は、上記電圧を印加した後の上記制御電極部の電位によ
り上記トナーの飛翔を加速する方向の電界が形成され
て、上記トナーを飛翔させるような電圧の印加により飛
翔して上記記録部材に到達するトナー群の先頭のトナー
が記録部材に到達する時刻と、該トナー群の最後尾のト
ナーが上記記録部材に到達する時刻との差が、該記録部
材が60μm移動する時間以下となる。これにより、該
記録部材上の、上記先頭のトナーが付着する箇所と上記
最後尾のトナーが付着する箇所との搬送方向の距離が、
60μm以内となる。
【0027】請求項6、7、及び、8の画像形成装置に
おいては、上記トナー担持体上のトナーを飛翔させるよ
うな電圧が印加された後の上記制御電極部に、上記電圧
印加手段によって印加する電圧により、トナーを上記ト
ナー担持体へ戻す方向の電界が形成される。そして、上
記トナー担持体上のトナーを飛翔させるような電圧の印
加で上記トナー担持体から離脱したトナーのうち、少な
くとも最後にトナー担持体を離脱したトナーを上記トナ
ー担持体に戻す。そして、それ以外のトナー、すなわ
ち、上記トナー担持体に戻すトナーに比して早くにトナ
ー担持体を離脱し、かつ、該トナー担持体に戻すトナー
に比して上記トナー担持体上のトナーを飛翔させるよう
な電圧で形成される電界によって加速されて高速のトナ
ーを上記記録部材上に付着させる。これにより、上記選
択的に飛翔させたトナーを全て記録部材上に付着させる
場合に比して、記録部材上に付着する最初のトナーが記
録部材に付着してから最後のトナーが記録部材に付着す
るまでの時間が短くなるので、該最初のトナーが記録部
材に付着してから最後のトナーが記録部材に付着するま
でに記録部材が搬送される距離が短くなる。従って、該
記録部材上の、上記最初のトナーが付着する箇所と上記
最後のトナーが付着する箇所との搬送方向の距離が短く
なる。
【0028】請求項7及び8の画像形成装置において
は、上記トナー担持体上のトナーを飛翔させるような電
圧が印加された後の上記制御電極部に、上記電圧印加手
段によって印加する電圧により、上記トナーを飛翔させ
るような電圧の印加により飛翔して上記記録部材に到達
するトナー群の先頭のトナーが記録部材に到達する時刻
と、該トナー群の最後尾のトナーが上記記録部材に到達
する時刻との差が、該記録部材が60μm移動する時間
以下となる。これにより、該記録部材上の、上記先頭の
トナーが付着する箇所と上記最後尾のトナーが付着する
箇所との搬送方向の距離が、60μm以内となる。
【0029】また、請求項8の画像形成装置において
は、上記電界がコロナ放電開始電界以下の電界強度とな
るので、コロナ放電が発生するのを防止することができ
る。
【0030】請求項9及び10の画像形成装置において
は、上記トナー担持体上のトナーを飛翔させるような電
圧が印加された後の上記制御電極部に上記電圧印加手段
によって印加する電圧により、上記トナーを飛翔させる
ような電圧の印加により飛翔して上記記録部材に到達す
るトナー群の先頭のトナーが記録部材に到達する時刻
と、該トナー群の最後尾のトナーが上記記録部材に到達
する時刻との差が、該記録部材が60μm移動する時間
以下となる。これにより、該記録部材上の、上記先頭の
トナーが付着する箇所と上記最後尾のトナーが付着する
箇所との搬送方向の距離が、60μm以内となる。
【0031】また、請求項10の画像形成装置において
は、上記電圧印加手段により上記制御電極部に印加する
電圧によりトナーの飛翔を加速する方向の電界が形成さ
れて、上記トナーを飛翔させるような電圧の印加により
飛翔して上記記録部材に到達するトナー群の先頭のトナ
ーが記録部材に到達する時刻と、該トナー群の最後尾の
トナーが上記記録部材に到達する時刻との差が、該記録
部材が60μm移動する時間以下となる。これにより、
該記録部材上の、上記先頭のトナーが付着する箇所と上
記最後尾のトナーが付着する箇所との搬送方向の距離
が、60μm以内となる。
【0032】
【発明の実施の形態】
[実施形態1]以下、本発明を画像形成装置に適用した
実施形態について説明する。図1は本実施形態に係る画
像形成装置の要部の概略構成を示す斜視図である。本画
像形成装置は、トナーを担持するスリーブ状のトナー担
持体1、該トナー担持体1に対向するように配置した対
向電極としての対向電極部材2、トナー制御部材3等を
備えている。上記トナー担持体1はトナーを収容するト
ナー容器4の内部に配置され、該トナー担持体1の表面
には、公知の電子写真方式の画像形成装置でトナー担持
体にトナーを担持するときに採用される公知技術によ
り、トナーを担持することができる。本実施形態では、
ドクターブレード5あるいは図示しないトナー供給部材
とトナー担持体1との間での摩擦によってマイナスに摩
擦帯電したトナーを、静電気力でトナー担持体1上に担
持し、ドクターブレード5で規制することによりトナー
層を形成している。
【0033】上記トナー制御部材3は、トナー容器4の
下壁部に形成された開口を塞ぐように取り付けられてい
る。このトナー制御部材3は、図2に示すように、トナ
ー担持体1と対向電極部材2との間で該トナー担持体1
から該対向電極部材2へのトナー飛翔を制御するよう
に、複数の微小開口部としてのトナー通過孔(以下
「孔」という)31及び各孔の周りに形成された内径φ
が0.160mmのリング状の制御電極32を有してい
る。この孔31の直径φhや、記録媒体としての紙6の
搬送方向と直交する方向(トナー担持体1の軸方向)に
おける孔31間のピッチPh等は、紙6に記録する画像
の解像度に応じて設定される。本実施形態では、解像度
300dpi程度の画像を記録できるように、厚さ0.
075mmのポリイミドからなる基板に、直径φhが
0.140mmの孔31を、上記ピッチPhが0.08
45mmとなる間隔で形成している。また、この孔31
は、紙6の搬送方向の幅Wが約2mmの領域に8列(3
1−1〜31−8)形成され、孔31の総数は2300
個となっている。各孔31の周りには互いに電気的に独
立した、内径φが0.160mmのリング状の制御電極3
2が形成され、各制御電極32は、画像情報に応じた電
圧を印加するための電源回路に接続されている。
【0034】図1の画像形成装置の画像記録部の基本的
な構成、寸法、電圧条件、及び、トナーの飛翔原理につ
いては、前述の図5及び図6を用いて説明したものと同
様であるので説明を省略する。
【0035】本実施形態にかかる画像形成装置において
は、非画像形成時の上記制御電極32に、電圧印加手段
としての画像電源9により印加する非画像信号電圧Vwh
iteを、上記画像信号電圧と逆極性で、該画像信号電圧
の印加停止時にトナー担持体1とトナー制御部材3との
間に存在する飛翔開始直後の低速度のトナーを逆方向に
加速してトナー担持体1に戻すのに十分な電界を上記ト
ナー担持体1とトナー制御部材3との間に形成するよう
な大きさに設定する。以下、このような電圧の設定につ
いて詳しく説明する。前述の寸法及び電圧条件を採用し
た画像記録部について、非画像信号電圧Vwhiteを−5
0V、−150V及び−300Vに設定してそれぞれシ
ミュレーションを行い、Ttraverse、Ttotal、Tlengt
hを求めた結果を表1、2、3に示す。但し、Tblack
は、各トナーが飛翔をし始めてから画像信号電圧の印加
が停止するまでの時間であり、制御電極32に画像信号
電圧を印加する時間が200μsecであることから、Ts
tartとTblackとの和は200μsecとなる。また、紙の
厚さは0.100mmに設定した。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】まず、上記非画像信号電圧Vwhiteを−5
0Vに設定した例では、前述の通り、上記画像信号電圧
印加と同時に飛翔し始めたトナーが紙に付着してから上
記画像信号電圧印加から200μsec後に飛翔し始めた
トナーが紙に付着するまでの時間差Tlengthは、925
μsecとなる。そして、この例においては、上記画像信
号電圧印加によりトナー担持体1から離脱したトナーは
全て紙に到達するので、上記画像信号電圧印加から20
0μsec後に飛翔し始めたトナーについてのTlengthの
値が、この例における最大Tlengthの値となる。この例
においては、該最大Tlengthの値が、画像信号の印加時
間である200μsecの約5倍にもなってしまい、ドッ
トが搬送方向に長く伸びてしまう。
【0040】一方、非画像信号電圧Vwhiteを−150
Vに設定した場合には、飛翔するトナー群が、制御電極
32に印加する画像形成電圧Vblackの印加が停止さ
れ、かつ、上記非画像信号電圧Vwhiteの印加が開始さ
れる時点よりも約50μsec前にトナー担持体1を離脱
したトナーのところで分岐する。具体的には、上記非画
像信号電圧Vwhiteの印加開始時に上記トナー担持体1
を離脱してからの時間が50μsec未満のトナーは非画
像信号電圧Vwhiteが印加された制御電極32と接地さ
れたトナー担持体1との間に形成される飛翔電界とは逆
向きの電界(以下、逆電界という)で、対向電極に向か
う方向とは逆向きすなわちトナー担持体1に向かう静電
力を受ける。そして、該静電力により減速されて停止し
続いてトナー担持体1に向かう方向に加速されて該トナ
ー担持体1に戻る。一方、上記時間が50μsec以上の
トナーで、かつ、上記非画像信号電圧Vwhiteの印加開
始時に制御電極とトナー担持体との間に位置しているト
ナーは、同様に上記逆電界で減速されるが、止まること
なくこの逆電界領域を脱し、制御電極32と対向電極部
材2との間に形成されている上記飛翔電界と同方向の加
速電界で再び対向電極部材2に向かう向きに加速され
て、該対向電極部材2の方に向けて飛翔する。上記非画
像信号電圧Vwhiteの印加開始時に上記トナー担持体1
を離脱してからの時間が50μsecのトナー、すなわ
ち、Tblackが50μsecのトナー7の飛翔の様子をシミ
ュレーションした結果を図3に示す。なお、図3(a)
は、トナーに該トナーが飛翔する電界を与えた瞬間のト
ナーの位置を示し、図3(b)、図3(c)、図3
(d)、図3(e)、図3(f)はそれぞれ、上記瞬間
から200μsec経過後、400μsec経過後、600μ
sec経過後、800μsec経過後、1000μsec経過後
のトナーの位置を示している。該トナーが図3(a)に
示す位置から図3(b)に示す位置に移動する間に上記
非画像信号電圧Vwhiteが印加され、上記逆電界により
減速されながらトナーは飛翔する。そして、図3(c)
に示す位置から図3(d)に示す位置に移動する間に上
記逆電界領域を脱し、その後上記加速電界で加速されな
がら対向電極部材2に向けて飛翔する。このトナーの場
合には、トナー担持体1から離脱して紙に着地するのに
要する時間Ttraverseは1020μsecであった。この
とき、先頭との時間差Tlengthは661μsecとなり、
このトナーが紙に付着するトナー群のほぼ後端となる。
従って、非画像信号電圧Vwhiteを−150Vに設定し
た場合には、上記画像信号電圧を200μsec印加する
ことにより飛翔しかつ紙に付着するトナー群の、先頭の
トナーが該紙に着地してから該トナー群の最後尾のトナ
ーが該紙に着地するまでの時間最大Tlengthは、661
μsecにほぼ等しいと考えてよい。従って、上記非画像
信号電圧を−150Vに設定した場合の最大Tlength
は、上記非画像信号電圧を−50Vに設定した例の最大
Tlengthと比較すると約30%短くなる。
【0041】さらに、非画像信号電圧Vwhiteを−30
0Vに設定した場合には、飛翔するトナー群が、制御電
極32に印加する画像形成電圧Vblackの印加が停止さ
れ、かつ、上記非画像信号電圧Vwhiteの印加が開始さ
れる時点よりも約80μsec前にトナー担持体1を離脱
したトナーのところで分岐する。すなわち、上記非画像
信号電圧Vwhiteの印加開始時に上記トナー担持体1を
離脱してからの時間が80μsecのトナーまでは紙に到
達し、それ以外の上記時間が80μsec未満のトナー
は、トナー担持体1に戻る。このとき上記時間が80μ
secのトナーの飛翔時間Ttraverseは802μsecに減
り、先頭との時間差Tlengthは422μsecとなる。よ
って、上記非画像信号電圧を−50Vに設定した例の最
大Tlengthと比較すると約56%も改善される。
【0042】表4は、以上の結果と合わせ、上記画像信
号電圧を200μsec間印加したときにトナー担持体1
から離脱するトナーが全て紙に付着した場合の効率を1
00%としたときのそれぞれの効率Efficiencyを示した
ものである。効率Efficiencyは、トナー担持体1から離
脱するトナーにおける、紙に付着するトナーの割合を示
すものである。従って、該効率が低いほど画像濃度も低
くなる。
【0043】
【表4】 (以下、余白)
【0044】上記時間差を短くするには、本実施形態で
行う方法の他に画像信号を印加する時間すなわちパルス
幅を短くすることも考えられる。しかしながら、パルス
幅を短くした場合には、ドットを構成するトナーの数が
減少して画像濃度が大幅に低下してしまう。言い換えれ
ば、同じ画像濃度で比較すると、パルス幅を短くした場
合の方が尾引きが解消されにくい。例えば、上記非画像
信号電圧Vwhiteを−150Vと−300Vに設定した
場合には、画像濃度は75%、60%に低下している。
非画像信号電圧Vwhiteを−50Vに設定し、パルス幅
を短くして上記画像濃度と同じ画像濃度が得られるの
は、パルス幅を200μsecの75%、60%、すなわ
ち、Tblack=150μsec、120μsecとした場合で
ある。上記非画像信号電圧Vwhiteが−50Vの場合、
トナー担持体1から最後に離脱するトナーのTtraverse
は、1243μsecなので、パルス幅が150μsec,1
20μsecのときの該トナーのTtotalは1393μse
c、1363μsecとなる。パルス幅が150μsec、1
20μsecのときの先頭のトナーのTtotalは、パルス幅
が200μsecのときのTstartが100μsec、すなわ
ち、Tblackが100μsecのトナーのTtotal669μs
ecよりも短いと考えられるので、パルス幅が150μse
c、120μsecのときの最大Tlengthはそれぞれ、13
93μsec−669μsec=724μsec、1363μsec
−669μsec=694μsecよりも長いと考えられる。
これは、上記非画像信号電圧Vwhiteを−150V,−
300Vに設定したときの最大Tlength661μsec、
422μsecよりも長くなり、同じ画像濃度で比較する
と、パルス幅を短くした方が尾引きが解消されにくいこ
とがわかる。言い換えれば、尾引きを解消できるように
本実施形態で採用する非画像信号電圧Vwhiteの設定を
行った場合の方が、同様に尾引きを解消できるようにパ
ルス幅を短くした場合に比して、画像濃度の低下を防止
することができる。
【0045】表5は、非画像信号電圧Vwhiteを変化さ
せて最大Tlengthを計算し、紙の搬送速度100mm/sec
から、該紙上の、上記トナー担持体1から飛翔して紙に
到達するトナー群の先頭のトナーが付着する箇所と、該
トナー群の最後尾のトナーが付着する箇所との搬送方向
の距離(以下、トナー長という)を算出した結果と、図
1の画像形成装置で画像評価を行った結果とを示すもの
である。なお、表5中〇は得られた画像が良好であった
ことを示し、×は得られた画像に尾引きが発生したこと
を示す。
【0046】
【表5】
【0047】表5に示した電圧範囲では、Vwhiteの絶
対値が大きいほど最大Tlenngthは小さくなり、上記ト
ナー長も短くなる。特に−200V以下の電圧範囲すな
わち絶対値が200V以上の負の電圧範囲では、尾引き
が目立たない良好な画像を得ることができた。本実施形
態の画像形成装置で形成する300dpiの画像では、
理想的なドットの直径は130〜140μmであり、上
記トナー長が60μmであると多少形状が長円形にはな
る。しかし、上記非画像信号電圧を上記−200V以下
の電圧範囲に設定すれば、尾引きがほぼ解消できるとみ
なすことができる。このことから、尾引きが解消された
画像を得るには、上記トナー長が60μm以下となるよ
うに、すなわち、上記最大Tlengthが、紙が60μm移
動する時間である600μsec以下となるように、上記
非画像信号電圧Vwhiteを設定するのが望ましい。
【0048】なお、上記非画像信号電圧Vwhiteにより
形成される電界が、コロナ放電開始電界よりも大きくな
ると、コロナ放電が発生するため好ましくない。図1の
画像形成装置においては、上記非画像信号電圧−350
V以下の電圧範囲すなわち絶対値が350V以上の負の
電圧範囲では、コロナ放電が発生する電界が形成される
こととなるので、−350V以下の電圧範囲では実験を
行わなかった。
【0049】[実施形態2]次に、他の実施形態につい
て説明する。本実施形態に係る画像形成装置の基本的な
構成及び動作については、上記実施形態1と同様である
ので説明を省略する。本実施形態に係る画像形成装置に
おいては、上記画像信号電圧Vblackを印加した後の上
記制御電極32の電位を、尾引きが解消できるように設
定している。以下、このような電位の設定について詳し
く説明する。前述の寸法及び電圧条件を採用した画像記
録部について、上記画像信号電圧Vblackを印加した後
の上記制御電極32に、電圧印加手段としての画像電源
9により印加する非画像信号電圧Vwhiteを0V、+5
0V、+100V、+150Vに設定してそれぞれシミ
ュレーションを行い、Ttraverse、Ttotal、Tlength
を求めた結果を表6に示す。なお、比較例として、上記
非画像信号電圧Vwhiteを−50Vに設定して同様にシ
ミュレーションした結果も示す。但し、Tblackは、各
トナーが飛翔をし始めてから画像信号電圧の印加が停止
するまでの時間であり、制御電極32に画像信号電圧を
印加する時間が200μsecであることから、Tstartと
Tblackとの和は200μsecとなる。また、紙の厚さは
0.100mmに設定した。
【0050】また、非画像信号電圧Vwhiteを変化させ
て最大Tlengthを計算し、紙の搬送速度100mm/secか
ら、該紙上の、上記トナー担持体1から飛翔して紙に到
達するトナー群の先頭のトナーが付着する箇所と、該ト
ナー群の最後尾のトナーが付着する箇所との搬送方向の
距離(以下、トナー長という)を算出した結果と、図1
の画像形成装置で形成した画像についての評価を行った
結果とを表7に示す。なお、表7中〇は得られた画像が
良好であったことを示し、×は得られた画像に尾引きが
発生したことを示す。(以下、余白)
【0051】
【表6】
【0052】
【表7】
【0053】表7に示した電圧範囲では、Vwhiteの値
が大きいほど最大Tlenngthは小さくなり、上記トナー
長も短くなる。そして、0V以上の電圧範囲では上記画
像形成装置で形成したドットの尾引きは大幅に改善さ
れ、尾引きが目立たない良好な画像を得ることができ
た。本実施形態の画像形成装置で形成する300dpi
の画像では、理想的なドットの直径は130〜140μ
mであり、上記トナー長が60μmであると多少形状が
長円形にはなる。しかし、上記非画像信号電圧を上記0
V以上の電圧範囲に設定すれば、尾引きがほぼ解消でき
るとみなすことができる。このことから、尾引きが解消
された画像を得るには、上記トナー長が60μm以下と
なるように、すなわち、上記最大Tlengthが、紙が60
μm移動する時間である600μsec以下となるよう
に、上記画像信号電圧Vblackを印加した後の上記制御
電極32の電位を設定するのがよい。
【0054】さらに、上記非画像信号電圧Vwhiteを+
50V、+100V、+150Vにした場合には、上記
画像形成電圧Vblackの印加が停止された後にも上記非
画像信号電圧Vwhiteにより、上記画像形成電圧Vblack
の印加が停止された後にもトナーの飛翔を加速する方向
の電界が形成される。このため、上記トナー担持体1を
離脱して、該トナー担持体1と上記制御電極との間を飛
翔しているトナーは、該制御電極32と該トナー担持体
1との間に形成される飛翔電界と同じ向きの電界で加速
されながら飛翔し続けることとなる。これにより、画像
信号電圧印加が停止する直前にトナー担持体1から離脱
したトナーも、該画像信号電圧印加停止で失速すること
なく、引き続き加速されて飛翔するので、上記非画像信
号電圧Vwhiteを0Vに設定したときよりも、紙に到達
するまでに要する時間がさらに短くなる。よって、上記
画像信号電圧を200μsec印加することにより飛翔
し、紙に付着するトナー群の、先頭のトナーが該紙に着
地してから該トナー群の最後尾のトナーが該紙に着地す
るまでの時間最大Tlengthは、上記非画像信号電圧Vwh
iteを0Vに設定したときよりも短くなり、さらに良好
な画像を得ることができる。
【0055】また、上記画像信号電圧Vblackを印加する
ことによりトナー担持体1から離脱したトナーは全て紙
に付着することとなるので、画像濃度が低下することも
ない。
【0056】但し、上記非画像信号電圧Vwhiteを+1
50Vに設定したときには、尾引きは解消できたもの
の、場所によって地肌部に少々トナーが見られた。この
原因は、図4に示す印加電界とトナーの飛翔量との関係
を実測により求めた結果を用いて説明できる。すなわ
ち、図1の画像形成装置では、制御電極32とトナー担
持体1との間隔Lkが0.05mmであり、トナー担持
体1を接地し、制御電極32に+150V印加した場合
には、該トナー担持体1と制御電極32との間の電界が
3×106V/mになるので、トナーが飛翔し始めるた
めである。従って、上記非画像信号電圧Vwhiteは、該
電圧によって形成される電界が、トナーが飛翔を開始す
る電界よりも小さくなるように設定するのが望ましい。
【0057】以上、実施形態1及び2では、図1に示す
ような説明した画像形成装置と、制御電極板の構成やト
ナーの帯電方法が異なる画像形成装置であっても、上記
画像信号電圧Vblackが形成する電界で帯電したトナー
をトナー担持体1より静電力で離脱させ、その静電力で
飛翔させるダイレクトトーニング方式を採用した画像形
成方法を用いる画像形成装置全てに本発明は適用可能で
ある。例えば、スウェーデンのArray prinn
ters AB社が提案しているドットディフレクショ
ン法を採用した画像形成装置には特に効果的である。こ
のドットディフレクション法では、制御電極部としての
画像電極の一つの孔で3個のドットを形成する。例えば
最初の画像信号パルスで飛翔するトナー群は孔を抜けた
後、該画像信号パルスの印加開始のタイミングよりも遅
れたタイミングで形成される左偏向電界により、静電的
に左に偏向されて中心より一つ左のドットを形成する。
次の画像信号パルスで飛翔するトナー群が飛翔するとき
には偏向電界は形成されず、該トナー群は偏向されずに
まっすぐ進み、センターのドットを形成する。3番目の
画像信号パルスで形成されたトナー群は、該画像信号パ
ルスの印加開始のタイミングよりも遅れたタイミングで
形成される右偏向電界により、右に偏向されて右のドッ
トを形成する。この場合、最初のトナー群の先頭のトナ
ーが紙に付着してから最後尾のトナーが紙に付着するま
でに要する時間が長いと、トナー担持体1から離脱した
トナー全部が紙に着地する以前に偏向電界が消えること
となる。例えば、1番目の画像信号パルスで飛翔したト
ナー群を形成するトナー全部が紙に着地する以前に左偏
向電界が消えてしまうと、後ろのトナーは偏向量が不足
してセンターよりに着地し、センター向きの尾引きドッ
トになる。このような装置に本発明を適用すると、上記
画像信号パルスの印加により飛翔して紙に到達するトナ
ー群の先頭のトナーが該紙に到達する時刻と、該トナー
群の最後尾のトナーが該紙に到達する時刻との差が、該
紙が60μm移動する時間以下となり、偏向電界がある
うちに全てのトナーを着地させることができる。よっ
て、尾引きが発生せず、円形のドットになり画質が大幅
に改良される。
【0058】
【発明の効果】請求項1乃至10の発明によれば、尾引
きの発生を防止して、良好な画像を形成することができ
るという優れた効果がある。
【0059】特に、請求項3及び8の発明によれば、コ
ロナ放電の発生を防止することができるという優れた効
果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る画像形成装置の要部の概略構成
を示す斜視図。
【図2】同画像形成装置のトナー制御部材における制御
電極のパターンを示す説明図。
【図3】(a)〜(f)は、非画像信号電圧Vwhiteを
−150Vに設定した場合の、トナーの飛翔の様子をシ
ミュレーションした結果を示す説明図。
【図4】印加電界とトナーの飛翔量との関係を示す説明
図。
【図5】従来の画像形成装置の画像記録部の拡大模式
図。
【図6】同画像記録部におけるトナーの飛翔状態を示す
模式図。
【図7】(a)〜(d)は、従来の不具合を説明するた
めの説明図。
【図8】(a)〜(h)は、従来の不具合を説明するた
めの説明図。
【符号の説明】
1 トナー担持体 2 対向電極部材 3 トナー制御部材 31 孔 32 制御電極 4 トナー容器 5 ドクターブレード 6 紙(記録媒体) 7 トナー 8 電源 9 画像電源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 徳増 貴彦 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 門永 雅史 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 ペール クロッカル スウェーデン ブヨルランダ ストランド 97 ピーオーボックス3178 エス−423 61 トルスランダ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トナー担持体に担持させたトナーを、該ト
    ナー担持体と該トナー担持体に対向する対向電極との間
    に配設されかつ互いに独立あるいは一連の複数の微小開
    口部と各微小開口部のトナー通過を制御する複数の制御
    電極部とを有するトナー飛翔制御部材の該制御電極部に
    画像信号に応じて電圧を印加することにより、選択的に
    飛翔させ、該飛翔させたトナーを上記微小開口部に通し
    て上記対向電極側に移行させ、所定方向に搬送される記
    録部材上に付着させることで画像を形成する画像形成方
    法において、 上記制御電極部に上記トナー担持体上のトナーを飛翔さ
    せるような電圧を印加することにより該トナー担持体か
    ら離脱したトナーのうち、少なくとも最後にトナー担持
    体を離脱したトナーを上記トナー担持体に戻し、それ以
    外のトナーを上記記録部材上に付着させるように、上記
    制御電極部に上記電圧を印加した後に、トナーを上記ト
    ナー担持体へ戻す方向の電界を形成するような電圧を該
    制御電極部に印加することを特徴とする画像形成方法。
  2. 【請求項2】請求項1の画像形成方法において、 上記制御電極部に上記トナー担持体上のトナーを飛翔さ
    せるような電圧を印加することにより飛翔して上記記録
    部材に到達するトナー群の先頭のトナーが記録部材に到
    達する時刻と、該トナー群の最後尾のトナーが上記記録
    部材に到達する時刻との差が、該記録部材が60μm移
    動する時間以下となるように、上記トナー担持体上のト
    ナーを飛翔させるような電圧を印加した後に上記制御電
    極部に印加する電圧を設定したことを特徴とする画像形
    成方法。
  3. 【請求項3】請求項1又は2の画像形成方法において、 上記電界がコロナ放電開始電界以下の電界強度となるよ
    うに上記電圧を設定したことを特徴とする画像形成方
    法。
  4. 【請求項4】トナー担持体に担持させたトナーを、該ト
    ナー担持体と該トナー担持体に対向する対向電極との間
    に配設されかつ互いに独立あるいは一連の複数の微小開
    口部と各微小開口部のトナー通過を制御する複数の制御
    電極部とを有するトナー飛翔制御部材の該制御電極部に
    画像信号に応じて電圧を印加することにより、選択的に
    飛翔させ、該飛翔させたトナーを上記微小開口部に通し
    て上記対向電極側に移行させ、所定方向に搬送される記
    録部材上に付着させることで画像を形成する画像形成方
    法において、 上記制御電極部に上記トナー担持体上のトナーを飛翔さ
    せるような電圧を印加することにより飛翔して上記記録
    部材に到達するトナー群の先頭のトナーが記録部材に到
    達する時刻と、該トナー群の最後尾のトナーが上記記録
    部材に到達する時刻との差が、該記録部材が60μm移
    動する時間以下となるように、上記電圧を印加した後の
    上記制御電極部の電位を設定したことを特徴とする画像
    形成方法。
  5. 【請求項5】請求項4の画像形成方法において、 上記トナー担持体上のトナーを飛翔させるような電圧を
    印加した後の上記制御電極部の電位が、上記トナーの飛
    翔を加速する方向の電界を形成するような電位であるこ
    とを特徴とする画像形成方法。
  6. 【請求項6】トナーを担持するトナー担持体と、該トナ
    ー担持体と対向する対向電極と、該トナー担持体と対向
    電極との間に配設され、互いに独立あるいは一連の複数
    の微小開口部と各微小開口部のトナー通過を制御する複
    数の制御電極部とを有するトナー飛翔制御部材と、上記
    トナー飛翔制御部材と上記対向電極との間に位置する記
    録部材を搬送する搬送手段とを備え、該トナー飛翔制御
    部材の上記制御電極部に、画像信号に応じて電圧を印加
    することにより、上記トナー担持体上のトナーを選択的
    に飛翔させ、該飛翔させたトナーを上記微小開口部に通
    して上記対向電極側に移行させ、上記搬送される記録部
    材上に付着させることで画像を形成する画像形成装置に
    おいて、 上記制御電極部に上記トナー担持体上のトナーを飛翔さ
    せるような電圧を印加することにより該トナー担持体か
    ら離脱したトナーのうち、少なくとも最後にトナー担持
    体を離脱したトナーを上記トナー担持体に戻し、それ以
    外のトナーを上記記録部材上に付着させるように、上記
    電圧が印加された後の上記制御電極部に、トナーを上記
    トナー担持体へ戻す方向の電界を形成するような電圧を
    印加する電圧印加手段を設けたことを特徴とする画像形
    成装置。
  7. 【請求項7】請求項6の画像形成装置において、 上記制御電極部に上記トナー担持体上のトナーを飛翔さ
    せるような電圧を印加することにより飛翔して上記記録
    部材に到達するトナー群の先頭のトナーが記録部材に到
    達する時刻と、該トナー群の最後尾のトナーが上記記録
    部材に到達する時刻との差が、該記録部材が60μm移
    動する時間以下となるように、上記電圧印加手段により
    上記制御電極部に印加する電圧を設定したことを特徴と
    する画像形成装置。
  8. 【請求項8】請求項6又は7の画像形成装置において、 上記電界がコロナ放電開始電界以下の電界強度となるよ
    うに上記電圧を設定したことを特徴とする画像形成装
    置。
  9. 【請求項9】トナーを担持するトナー担持体と、該トナ
    ー担持体と対向する対向電極と、該トナー担持体と対向
    電極との間に配設され、互いに独立あるいは一連の複数
    の微小開口部と各微小開口部のトナー通過を制御する複
    数の制御電極部とを有するトナー飛翔制御部材と、上記
    トナー飛翔制御部材と上記対向電極との間に位置する記
    録部材を搬送する搬送手段とを備え、該トナー飛翔制御
    部材の上記制御電極部に、画像信号に応じて電圧を印加
    することにより、上記トナー担持体上のトナーを選択的
    に飛翔させ、該飛翔させたトナーを上記微小開口部に通
    して上記対向電極側に移行させ、上記搬送される記録部
    材上に付着させることで画像を形成する画像形成装置に
    おいて、 上記制御電極部に上記トナー担持体上のトナーを飛翔さ
    せるような電圧を印加することにより飛翔して上記記録
    部材に到達するトナー群の先頭のトナーが記録部材に到
    達する時刻と、該トナー群の最後尾のトナーが上記記録
    部材に到達する時刻との差が、該記録部材が60μm移
    動する時間以下となるような電圧を、上記トナー担持体
    上のトナーを飛翔させるような電圧が印加された後の上
    記制御電極部に印加する電圧印加手段を設けたことを特
    徴とする画像形成装置。
  10. 【請求項10】請求項9の画像形成装置において、 上記電圧印加手段により上記制御電極部に印加する電圧
    を、トナーの飛翔を加速する方向の電界を形成するよう
    な電圧に設定したことを特徴とする画像形成装置。
JP28473097A 1997-09-30 1997-09-30 画像形成方法及び装置 Withdrawn JPH11105332A (ja)

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