JPH11334136A - 画像形成方法及び画像形成装置 - Google Patents

画像形成方法及び画像形成装置

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JPH11334136A
JPH11334136A JP15843898A JP15843898A JPH11334136A JP H11334136 A JPH11334136 A JP H11334136A JP 15843898 A JP15843898 A JP 15843898A JP 15843898 A JP15843898 A JP 15843898A JP H11334136 A JPH11334136 A JP H11334136A
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JP
Japan
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image forming
forming method
voltage
electric field
counter electrode
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JP15843898A
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Toshio Sakai
捷夫 酒井
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
Array Printers AB
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 DDC法を用いる画像形成方法又は画像形成
装置において、単位画像を形成すべく飛翔させた画像形
成粒子の集合体の先頭部を記録部材に到達させてから、
該集合体の後端部を該記録部材に到達させるまでのタイ
ムラグを短縮することができる画像形成方法又は画像形
成装置を提供する。 【解決手段】 飛翔制御電極としてのリング状電極2a
に印加する電圧値よりも偏向制御電極対2bに印加する
電圧値をトナーとは逆極性側に大きくする。これによ
り、現像ローラ1から発せられ且つ孔2内に進入する電
気力線のうち、孔2の内壁に接触しない電気力線の数
を、孔2cの内壁に終わる又は接触する電気力線の数よ
りも多く形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、ファクシ
ミリ、プリンター等の画像形成装置、及びこの装置に用
いられる画像形成方法に係り、詳しくは、ドットディフ
レクションコントロール法の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、画像形成方法としてダイレクトト
ーニングまたはトナープロジェクションと称される画像
形成方法が知られている。この画像形成方法(以下、飛
翔記録方法という)は、次のようなプロセスで画像を形
成するものである。即ち、孔やスリットの周りに設けた
飛翔制御電極に電圧を印加して、帯電させた画像形成粒
子、例えばトナーの層やトナークラウドに電界を加え、
該孔や該スリットに対応する特定の位置のトナー等の集
合体を選択的に飛翔させる。そして、この集合体を上記
孔や上記スリットを通して移動させて紙等の記録部材に
付着させることで、該集合体による単位画像を該記録部
材の表面に直接形成する。なお、「単位画像」とは、例
えばドット等のことを示し、画像形成粒子の集合体によ
り形成される最小単位の画像を示す概念である。
【0003】図1は、飛翔記録方法によるトナーの飛翔
状態を示した模式図である。図中、1は粒子担持体とし
ての現像ローラ、2はポリイミド樹脂等からなる開口部
保持部材としてのフレキシブルプリント基板(以下、F
PCと称する)、3は記録部材としての紙、4は対向電
極、5はトナーをそれぞれ示す。また、FPC2は、微
小開口部としての孔2cと、孔2cの周囲に配置され、
銅等の材料から形成されたリング状の飛翔制御電極であ
るリング状電極2aとからなる単位画像形成部としての
ドット形成部を複数有している。なお、図1は1つのド
ット形成部を拡大して示している。
【0004】飛翔記録方法では、例えば、マイナスに帯
電するトナーを用い、現像ローラ1を接地し、対向電極
4に+1200[V]の直流高電圧を印加し、リング状
電極2aに+300[V]の飛翔電圧(Vblack)
を200[μsec]印加する。この印加により、粒子
担持体1上のトナー5に対して6×106[V/m]の
電界が作用する。そして、この作用の結果、トナー5に
加わるクーロン力が、トナー5と現像ローラ1との間に
作用している付着力や鏡像力の和を上回って、トナー5
の集合体が対向電極4に向かって飛翔し、FPC2の孔
を通過する。この孔を通過したトナー5の集合体は、対
向電極4に印加された電圧により形成される飛翔電界に
引かれてさらに飛翔を続け、対向電極4上を搬送手段
(不図示)により所定方向に搬送されている紙3に付着
して飛翔を終える。この付着により、紙3上に複数のト
ナー5の集合体からなるドットが記録される。
【0005】そして、近年、この飛翔記録方法の応用技
術として、上記飛翔制御電極の他に偏向制御電極を設
け、この偏向制御電極に偏向電圧を印加することによ
り、飛翔させたトナーの飛翔経路を偏向させるドットデ
ィフレクションコントロール法(以下、DDC法と称す
る)が提案されている。
【0006】図2(a)、(b)及び(c)はそれぞれ
DDC法によるトナー5の飛翔状態を示した模式図であ
る。図中、2b1及び2b2はリング状電極2aの近傍
に対向配置された偏向制御電極対である。また、黒色で
示されるリング状電極2aは、上記Vblackが印加
されている状態を示す。さらに、黒色で示される偏向制
御電極2b1又は2b2は、後述の偏向電圧(Vact
ive)が印加されている状態を、白色で示される飛翔
制御電極2b1又は2b2は、該偏向電圧が印加されて
いない状態(又はVactiveよりもゼロに近い電圧
値であるVnonactが印加されている状態)を、そ
れぞれ示す。
【0007】DDC法では、上記Vblackに加え
て、例えば+330[V]の偏向電圧(Vactiv
e)を偏向制御電極2bに印加することにより、トナー
5の飛翔経路を主走査方向に偏向させてトナー5の紙3
上への付着位置を、本来の付着位置から図2の左方向
(a)又は右方向(c)にずらす。そして、このように
トナー5の紙3上への付着位置をずらすことにより、1
つの上記ドット形成部から、紙3上の3画素分に相当す
る3つのドットを形成することができる。具体的には、
紙3を副走査方向に1画素分移動させる間に、飛翔経路
を主走査方向の図面左方向に偏向させたトナー5の集合
体によるドットLd(図2(a))と、飛翔経路を偏向
させないトナー5の集合体によるドットNd(図2
(b))と、飛翔経路を主走査方向の図面右方向に偏向
させたトナー5の集合体によるドットRd(図2
(c))とを、紙3上に形成する。なお、図2におい
て、偏向制御電極2b1及び2b2をそれぞれリング状
電極2aと同一平面上に配置しているが、リング状電極
2aより現像ローラ1側又は対向電極4側に配置しても
よい。
【0008】図3は、DDC法に用いられるドット形成
部の一例の平面図である。図3において、左右方向は主
走査方向、上下方向は副走査方向、2b1は左偏向用の
偏向制御電極、2b2は右偏向用の偏向制御電極であ
る。図に示されるように、半月状に形成された偏向制御
電極2b1及び2b2は、飛翔制御電極としてのリング
状2aを挟みながら主走査方向に対してθ(18.4
°)の角度を保持して傾斜するように配置されている。
このように偏向制御電極2b1及び2b2を傾斜させて
配置することにより、紙3を移動させてもドットLd、
ドットNd及びドットRdをそれぞれ主走査方向におい
て平行に形成することができる。
【0009】以上のように、DDC法では、1つの上記
ドット形成部により3つのドットを形成できるので、F
PCの構造を簡素化して製造コストを低減することがで
きる。例えば、100[dpi]用のFPCで300
[dpi]の画像を形成することができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、飛翔記録方
法やDDC法では、ドットを形成するトナー5の集合体
はストリーム状に飛翔し、該集合体の先頭部が紙3に到
達してから最後部が紙3に到達するまでにタイムラグが
ある。そして、このタイムラグにより、ドットは正円形
にならず、紙3の移動方向に延びる楕円状に形成され
る。このため、紙3の移動速度を速めすぎると、ドット
形状の乱れにより画像の質を低下させてしまう。即ち、
従来の飛翔記録方式やDDC法においては、ドットを形
成すべく飛翔させたトナー5の集合体の先頭部を紙3に
到達させてから、該集合体の後端部を紙3に到達させる
までにタイムラグを生ずる結果、画像形成速度の高速化
が阻害されるという問題がある。特に、DDC法におい
ては、1つのドット形成部で3つのドットを形成しなけ
ればならないので、従来の飛翔記録方法よりも紙3の移
動速度を低下させる必要がある。このため、上記タイム
ラグの短縮化が強く望まれている。
【0011】そこで、本発明者は、トナー5の集合体を
ストリーム状に飛翔させてしまう原因を解明すべく、高
速度カメラ(コダック社製、Kodak EKTAPRO HS Motion
Analyzer Model 4540)を用いて、140倍の倍率でD
DC法におけるトナー5の飛翔状態を1秒あたり27,
000コマのビデオ画像として撮影した。そして、この
ビデオ画像を25[コマ/sec]の速度で再生しなが
らトナー5の集合体の飛翔状態を観察したところ、次の
ような3つの現象を確認した。1.孔2c内を通過中の
一部のトナー5は、孔2cの内壁に衝突して飛翔速度を
低減される。2.孔2cの内壁に衝突したトナー5の一
部は、飛翔制御電極2aに引き付けられて孔2cの内壁
に付着した後、上記飛翔電圧(Vblack)の印加終
了に伴って再び飛翔を開始する。3.孔2c周辺のFP
C上面への飛翔・付着によって淘汰され、集合体を構成
しないはずのトナー5が、上記飛翔電圧(Vblac
k)の印加終了に伴って該FPC上面から離脱して孔2
cの内部に進入することにより、トナー5の集合体の後
端部を延長する。
【0012】ドット形成シミュレーションシステムを用
いてDDC法によるドットNd(非偏向ドット)の形成
をシミュレーションしたときにおける、トナー5の集合
体の飛翔状態を模式図である図4に示す。なお、このシ
ミュレーションシステムにおいて観察されるトナーの飛
翔状態は、実際のトナーの飛翔状態に酷似していること
が反復的な比較試験により実証されている。また、この
シミュレーション(以下、シミュレーション1と称す
る)は、次の式1から式8までに示される条件の具備を
想定して実施された。また、図4の各図はそれぞれ対向
電極4の図示を省略されおり、(a)はVblackが
印加された瞬間の状態を示し、(b)から(h)はこの
瞬間以降、0.100[msec]経過毎の状態を順次
示すものである。
【式1】解像度=300[dpi]
【式2】Vblack=+300[V]
【式3】Vnonact=0[V]
【式4】 対向電極4への印加電圧=+1200[V]
【式5】Vblackの信号パルス付与時間=0.20
0[msec]
【式6】トナー5の粒径=8[μm]
【式7】トナー5の帯電量=−10[μC/g]
【式8】飛翔トナー量=約150[個/1ドット]
【0013】飛翔記録方法やDDC法においては、図4
(b)に示されるように、孔2cを通過する一部のトナ
ー5は孔2cの内壁に衝突する。そして、(c)から
(g)に示されるように、衝突したトナー5の一部
((c)で弓状の集合体の両端部)は飛翔速度を低減さ
れ、衝突しないトナー5から徐々に離れる。また、
(c)に示されるように、他の一部はVblackを印
加された飛翔制御電極2aに引かれ、孔2cの内壁に付
着する。さらに、(d)に示されるように、Vblac
kの印加終了に伴い、孔2cの内壁に付着したトナー5
が飛翔を再開すると同時に、孔2c周辺のFPC上面へ
の飛翔・付着によって淘汰されたトナー5が該FPC上
面から離脱する。そして、(d)から(h)に示される
ように、FPC上面から離脱したトナー5の一部が、粒
子担持体1に戻らずに、又は、粒子担持体1に一旦戻っ
た後に、孔2c内に落下する。これら一連の現象によ
り、トナー5の集合体をストリーム状に飛翔させている
ことがわかる。
【0014】なお、上記シミュレーション1で想定した
画像形成部の構成を図5に示す。図中L1からL13ま
ではそれぞれ寸法[μm]を示し、L1=140、L2
=10、L3=30、L4=50、L5=15、L6=
12、L7=30、L8=12、L9=15、L10=
10、L11=30、L12=500、L13=80で
ある。
【0015】本発明は以上の背景に鑑みなされたもので
あり、その第1の目的とするところは、DDC法を用い
る画像形成方法又は画像形成装置において、単位画像を
形成すべく飛翔させた画像形成粒子の集合体の先頭部を
記録部材に到達させてから、該集合体の後端部を該記録
部材に到達させるまでのタイムラグを短縮することがで
きる画像形成方法又は画像形成装置を提供することであ
る。
【0016】また、その第2の目的とするところは、上
記第1の目的に加えて、形成する単位画像のサイズ拡大
を軽減することができる画像形成方法又は画像形成装置
を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、複数の微小開口部を互いに独立
あるいは一連に設けた開口部保持部材と、該開口部保持
部材と一体又は別体に設け、粒子担持体に担持させた電
荷を有する画像形成粒子の該粒子担持体からの飛翔を制
御させる複数の飛翔制御電極と、該開口部保持部材と一
体又は別体に設け、画像形成粒子の飛翔経路の偏向を制
御させる複数の偏向制御電極とを該粒子担持体と該粒子
担持体に対向させた対向電極との間に配設し、画像情報
に基づいて、該対向電極に対向電圧を印加するととも
に、任意の飛翔制御電極に飛翔電圧を印加して該粒子担
持体から画像形成粒子を選択的に飛翔させ、又は、任意
の飛翔制御電極に飛翔電圧を、該偏向制御電極に偏向電
圧をそれぞれ印加して該粒子担持体から画像形成粒子を
選択的且つ偏向的に飛翔させ、飛翔させた画像形成粒子
を任意の微小開口部を通して該対向電極側に移行させる
ことで、該対向電極又は該対向電極上の記録部材の表面
に画像形成粒子を付着させて画像を形成する画像形成方
法であって、該粒子担持体と該対向電極との間を飛翔さ
せる画像形成粒子の集合体に対して、各画像形成粒子の
分布範囲を飛翔させる方向に拡大させないように制御す
ることを特徴とするものである。
【0018】請求項1の発明においては、単位画像を形
成すべく飛翔させた画像形成粒子の集合体に対して、各
画像形成粒子の飛翔方向における分布範囲の拡大を軽減
する。この軽減により、飛翔させた各画像形成粒子に対
して記録部材への到達時間のバラツキを軽減することが
できる。
【0019】請求項2の発明は、請求項1の画像形成方
法であって、上記制御が、画像形成粒子と上記微小開口
部の内壁との衝突を軽減することを特徴とするものであ
る。
【0020】請求項2の発明においては、上記飛翔させ
た画像形成粒子と上記微小開口部の内壁との衝突を軽減
することにより、上記集合体における各画像形成粒子の
飛翔速度のバラツキ、及び、画像形成粒子の該内壁への
付着、を軽減する。この軽減により、上記集合体におけ
る各画像形成粒子は、記録部材への到達時間のバラツキ
を軽減される。
【0021】請求項3の発明は、請求項2の画像形成方
法であって、上記粒子担持体から延び、且つ上記微小開
口部の内部に進入する電気力線のうち、該微小開口部の
内壁に接触することなく該微小開口部を通過する電気力
線が、該接触する電気力線よりも多く形成されることに
より、上記衝突が軽減されることを特徴とするものであ
る。
【0022】請求項3の発明においては、上記粒子担持
体から上記微小開口部に進入する電気力線のうち、該微
小開口部の内壁に接触させることなく該微小開口部を通
過させる電気力線の数を、該接触させる電気力線の数よ
りも多くする条件で電界を形成させる(以下、前者の電
気力線を非壁接型電気力線と、後者の電気力線を壁接型
電気力線と、それぞれ称する)。そして、このような条
件で電界を形成させることにより、上記微小開口部を通
過する画像形成粒子のうち、該微小開口部の内壁に接触
することなく該通過する画像形成粒子の数を、該接触し
て通過する画像形成粒子の数よりも少なくする。即ち、
上記条件で電界を形成させることにより、上記衝突を軽
減し、飛翔させた各画像形成粒子における記録部材への
到達時間のバラツキを軽減する。
【0023】請求項4の発明は、請求項3の画像形成方
法であって、上記飛翔電圧よりも画像形成粒子の電荷に
対して逆極性側に大きな値の上記偏向電圧が印加される
ことにより、上記微小開口部の内壁に接触することなく
該微小開口部を通過する電気力線が、該接触する電気力
線よりも多く形成されることを特徴とするものである。
【0024】請求項4の発明においては、例えば、画像
形成粒子をマイナス帯電させる場合には、上記偏向電圧
の値を上記飛翔電圧の値よりもプラス側に大きく設定す
ることにより、非壁接型電気力線を壁接型電気力線より
も多く形成させる。そして、非壁接型電気力線を壁接型
電気力線よりも多く形成させることにより、上記衝突を
軽減し、飛翔させた各画像形成粒子における記録部材へ
の到達時間のバラツキを軽減する。
【0025】請求項5の発明は、請求項4の画像形成方
法であって、上記偏向制御電極と上記微小開口部との距
離が、上記飛翔制御電極と該微小開口部との距離よりも
大きいことを特徴とするものである。
【0026】請求項5の発明においては、上記偏向制御
電極と上記微小開口部との距離を、上記飛翔制御電極と
該微小開口部との距離よりも大きく設定することによ
り、小さく設定する場合よりも非壁接型電気力線の数を
多く形成させる。つまり、上記偏向制御電極と上記微小
開口部との距離が、上記飛翔制御電極と該微小開口部と
の距離より小さい場合よりも、非壁接型電気力線の数が
多く形成される。そして、非壁接型電気力線の数が多く
形成されることで、上記衝突がより軽減される。
【0027】請求項6の発明は、請求項1の画像形成方
法であって、上記制御が、上記開口部保持部材の上記粒
子担持体との対向面に接触した画像形成粒子に対して、
上記微小開口部を通過させないようにすることを特徴と
するものである。
【0028】請求項6の発明においては、上記対向面と
の接触により淘汰した画像形成粒子、即ち、単位画像の
形成には不要であり、上記集合体に混入させたくない画
像形成粒子に対して、上記微小開口部を通過させないよ
うに制御する。この制御により不要な画像形成粒子の上
記集合体への混入を軽減することで、該集合体の後端部
の延長を軽減する。
【0029】請求項7の発明は、請求項6の画像形成方
法であって、上記制御が、上記逆極性側に大きな値の上
記偏向電圧を印加させることにより、上記対向面に付着
した画像形成粒子を該対向面から離脱させないことを特
徴とするものである。
【0030】請求項7の発明においては、例えば、画像
形成粒子をマイナスに帯電させる場合には、上記偏向電
圧の値をプラス側に大きく設定して上記対向面と画像形
成粒子との付着力を高めることにより、上記飛翔電圧の
印加終了により該付着力を弱めてもなお、該画像形成粒
子を該対向面に付着させている状態を維持する。この状
態の維持により不要な画像形成粒子の上記集合体への混
入を軽減することで、該集合体の後端部の延長を軽減す
る。
【0031】請求項8の発明は、請求項6の画像形成方
法であって、上記制御が所定のタイミングで上記飛翔電
圧の極性を逆転させることにより、上記微小開口部の周
囲の上記対向面から発し、且つ上記粒子担持体に到達す
る電気力線が形成されることを特徴とするものである。
【0032】請求項8の発明においては、所定のタイミ
ングで上記飛翔電圧の極性を逆転させることにより、上
記微小開口部の周囲の対向面から発し、且つ上記粒子担
持体に到達するように電気力線を形成させる。そして、
上記微小開口部の周囲の対向面に付着した画像形成粒
子、即ち、不要な画像形成粒子、を上記粒子担持体に向
けて逆飛翔させる。この逆飛翔により、不要な画像形成
粒子の上記集合体への混入が軽減され、該集合体の後端
部の延長が軽減される。例えば、請求項7の発明では、
上記対向面のみに接触・付着した画像形成粒子について
は上記集合体への混入を軽減できる。しかし、該対向面
と該微小開口部の入り口との境界に付着した画像形成粒
子については、重力又は電界の影響により該微小開口部
に落下させて上記集合体に混入させてしまうおそれがあ
る。一方、本発明では、上記対向面に付着した画像形成
粒子を所定のタイミングで上記粒子担持体に向けて逆飛
翔させることで、該タイミングの後における上記混入と
上記集合体の後端部の延長とを防止することができる。
【0033】請求項9の発明は、請求項8の画像形成方
法であって、上記所定のタイミングは、上記対向面に接
触することなく上記微小開口部の入り口を通過する上記
集合体の最後部が、上記粒子担持体と上記対向電極との
間の所定位置を通過した後であることを特徴とするもの
である。
【0034】請求項9の発明においては、上記粒子担持
体と上記対向電極との間の所定位置を、例えば、上記集
合体の最後部、即ち、単位画像の形成に必要である画像
形成粒子、を上記極性の逆転により逆飛翔させないよう
な位置に設定することにより、該逆飛翔を防止すること
ができる。即ち、上記所定位置を調整することにより、
単位画像の形成に必要な画像形成粒子の逆飛翔を防止す
ることができる。
【0035】請求項10の発明は、請求項9の画像形成
方法であって、上記所定位置は、上記粒子担持体と上記
対向電極とに挟まれ、上記微小開口部に対向し、且つ、
上記対向面よりも該対向電極側にある空間で、上記極性
が逆転された後に形成される該粒子担持体へ向かう逆走
向電界と、該対向電極に向かう正走向電界との境界に相
当する位置よりも、該対向電極側であることを特徴とす
るものである。
【0036】請求項10の発明においては、上記集合体
の最後部は、上記極性を逆転されると上記正走向電界の
内側に存在するようになり、該正走向電界の影響を受け
て上記対向電極に向かう飛翔を継続する。このため、上
記極性を逆転させても上記集合体の最後部を逆飛翔させ
ない。例えば、上記所定位置を上記逆走向電界と上記正
走向電界との境界に相当する位置よりも上記粒子担持体
側に設定すると、上記極性の逆転により、上記集合体の
最後部を該逆走向電界の内側に存在させてしまう。そし
て、上記逆走向電界の影響により、上記集合体の最後部
を逆飛翔させてしまうおそれがある。本発明において
は、上記極性の逆転により、上記集合体の最後部を上記
正走向電界の内側に存在させることにより、単位画像の
形成に必要な画像形成粒子の逆飛翔を防止する。
【0037】請求項11の発明は、請求項9の画像形成
方法であって、上記所定位置は、上記逆走向電界と上記
正走向電界との境界に相当する位置よりも上記粒子担持
体側にあり、上記集合体の最後部は上記極性を逆転され
た後の慣性力により該正走向電界の内側に到達すること
を特徴とするものである。
【0038】請求項11の発明においては、上記集合体
の最後部を上記逆走向電界と上記正走向電界との境界に
相当する位置に到達させる前に、上記極性を逆転させ
る。即ち、請求項10の発明よりも早いタイミングで上
記極性を逆転させる。そして、上記極性を逆転させるタ
イミングを早くすることで、上記対向面と上記微小開口
部の入り口との境界に付着する不要な画像形成粒子の上
記集合体への混入をより確実に軽減する。一方、上記極
性の逆転により、上記集合体の最後部は上記逆走向電界
の内側に存在するようになるが、慣性力によって上記正
走向電界の内側まで到達する。そして、上記正走向電界
の影響を受けて上記対向電極に向かう飛翔を継続する。
即ち、上記極性を逆転させるタイミングを早めることで
上記集合体の後端部の延長をより確実に軽減するととも
に、単位画像の形成に必要な画像形成粒子の逆飛翔を防
止する。
【0039】請求項12の発明は、請求項8の画像形成
方法であって、上記所定のタイミングは、上記対向面に
接触した画像形成粒子が上記正走向電界に相当する領域
内に進入する前であり、且つ該画像形成粒子が慣性力を
有していても該正走向電界の内側に到達しない位置に存
在するときであることを特徴とするものである。
【0040】請求項12の発明においては、上記対向面
に接触した画像形成粒子は、上記極性の逆転によって上
記逆走向電界の内側で、且つ慣性力を有していても上記
正走向電界に到達しない位置に存在するようになる。そ
して、上記逆走向電界の影響を受けて上記粒子担持体に
向かって逆飛翔する。この逆飛翔によって、上記対向面
に接触した画像形成粒子、即ち不要な画像形成粒子、の
上記集合体への混入が防止され、該混入による該集合体
の後端部の延長が防止される。
【0041】上記第2の目的を達成するために、請求項
13の発明は、請求項4又は5の画像形成方法であっ
て、所定タイミングで、上記粒子担持体と上記対向電極
とに挟まれ、上記微小開口部に対向し、且つ、上記対向
面よりも該対向電極側にある全て又は一部の空間で該対
向電極に向かって形成される正走向電界の形状を、該微
小開口部の中心軸線に向かいながら該対向電極に向かう
収束型に変形させることを特徴とするものである。
【0042】請求項13の発明においては、上記集合体
内の画像形成粒子は、所定のタイミングで上記正走向電
界の形状を上記収束型に変形されることにより、上記微
小開口部の中心軸線の方向に集結しながら上記対向電極
に向かって飛翔するようになる。このため、上記対向電
極又は上記記録部材における上記集合体の付着領域が縮
小される。
【0043】請求項14の発明は、請求項13の画像形
成方法であって、上記正走向電界の形状が、上記飛翔電
圧、又は該飛翔電圧及び上記偏向電圧の値を変化される
ことにより変形されることを特徴とするものである。
【0044】請求項14の発明においては、上記飛翔電
圧、又は該飛翔電圧及び上記偏向電圧の値を変化させる
ことにより、上記正走向電界の形状を上記収束型に変化
させる。例えば、所定のタイミングで上記飛翔電圧の印
加を終了し、且つ上記偏向電圧の印加をそのまま継続す
ることで、上記正走向電界の形状を上記収束型に変化さ
せる。このように、上記正走向電界の形状を印加する電
圧値の変化により変化させるので、特別な部材や装置等
を設ける必要がない。
【0045】請求項15の発明は、請求項14の画像形
成方法であって、上記変化により、上記飛翔電圧の極性
が逆転されることを特徴とするものである。
【0046】請求項15の発明においては、上記飛翔電
圧の極性を逆転させて上記粒子担持体と上記対向面との
間の電界の向きを該粒子担持体へ向かう方向に偏向させ
る。そして、不要な画像形成粒子を上記粒子担持体に向
けて逆飛翔させる。この逆飛翔により、不要な画像形成
粒子の上記集合体への混入が軽減され、該集合体の後端
部の延長が軽減される。
【0047】請求項16の発明は、請求項15の画像形
成方法であって、上記変化により、上記飛翔電圧の値が
上記偏向電圧の値より上記逆極性側に大きくなることを
特徴とするものである。
【0048】請求項16の発明においては、上記逆転時
に、上記偏向電圧よりも上記逆極性側に大きい値の上記
飛翔電圧を印加することにより、正規極性側に大きい値
の該飛翔電圧を印加する場合よりも、上記集合体を飛翔
させてから該集合体の最後部を上記対向電極又は該対向
電極上の記録部材に到達させるまでの集合体飛翔時間を
短縮する場合がある。例えば、本発明者は鋭意研究によ
り上記逆転時の飛翔電圧の値を、上記偏向電圧よりも上
記逆極性側に大きく、且つ該偏向電圧との電位差を40
0[V]以上、600[V]以下とすることにより、正
規極性側に大きくする場合よりも集合体飛翔時間を短縮
できることを見出した。
【0049】請求項17の発明は、請求項16の画像形
成方法であって、上記変化により、上記飛翔電圧と上記
偏向電圧との電位差が、200[V]以上、600
[V]以下になることを特徴とするものである。
【0050】請求項17の発明においては、上記逆転時
に、上記偏向電圧との電位差を200[V]から600
[V]までの範囲に設定した上記飛翔電圧を印加する。
この設定によって、集合体飛翔時間を、上記偏向電圧よ
り正規極性側に大きい値の上記飛翔電圧を印加する場合
と同等に、あるいは該場合よりも短縮する。
【0051】請求項18の発明は、請求項15の画像形
成方法であって、上記変化により、上記偏向電圧の値が
上記飛翔電圧の値より上記逆極性側に大きくなることを
特徴とするものである。
【0052】請求項18の発明においては、上記逆転時
に、上記飛翔電圧よりも上記逆極性側に大きい値の上記
偏向電圧を印加することにより、正規極性側に大きい値
の該偏向電圧を印加する場合よりも、形成する単位画像
のサイズを縮小する場合がある。例えば、本発明者は鋭
意研究により上記逆転時の偏向電圧の値を、上記飛翔電
圧よりも上記逆極性側に大きく、且つ該飛翔電圧との電
位差を200[V]以上に設定することにより、正規極
性側に大きくする場合よりも単位画像のサイズを短縮で
きることを見出した。
【0053】請求項19の発明は、請求項18の画像形
成方法であって、上記変化により、上記飛翔電圧と上記
偏向電圧との電位差が、200[V]以上、800
[V]以下になることを特徴とするものである。
【0054】請求項19の発明においては、上記逆転時
の偏向電圧を、上記飛翔電圧よりも上記逆極性側に大き
く、且つ該飛翔電圧との電位差が200[V]以上にな
るように設定することにより、正規極性側に大きくする
場合よりも単位画像のサイズを短縮する。さらに、上記
飛翔電圧との電位差を800[V]以下に設定すること
により、コロナ放電の発生を抑えることができる。
【0055】請求項20の発明は、請求項13、14、
15、16、17、18又は19の画像形成方法であっ
て、上記所定タイミングは、上記集合体の最後部が上記
対向電極又は該対向電極上の記録部材に到達し得る位置
に存在するときであることを特徴とするものである。
【0056】本発明において、「集合体の最後部が上記
対向電極又は該対向電極上の記録部材に到達し得る位置
に存在するとき」とは、例えば、上記集合体の最後部
が、上記収束型の電界に相当する領域内に存在するとき
や、慣性力により該電界に到達することができる位置に
存在するときなどである。
【0057】請求項20の発明においては、上記所定タ
イミングのときに、上記集合体の最後部は上記対向電極
又は該対向電極上の記録部材に到達し得る位置に存在す
る。例えば、請求項15の発明のように上記極性を逆転
させる場合には、上記粒子担持体に向かう電界の影響に
より上記集合体の最後部を逆飛翔させるおそれがある。
即ち、本発明においては、上記所定タイミングのとき
に、上記集合体の最後部を上記対向電極又は該対向電極
上の記録部材に到達させ得る位置に存在させることによ
り、単位画像の形成に必要な画像形成粒子の逆飛翔を防
止する。
【0058】請求項21の発明は、請求項20の画像形
成方法であって、上記所定タイミングは、上記集合体の
最後部が上記収束型の電界に相当する領域内に進入する
前であることを特徴とするものである。
【0059】請求項21の発明においては、上記集合体
の最後部を上記収束型の電界に相当する領域内に進入さ
せる前を、上記所定タイミングとする。例えば、画像形
成粒子の正規飛翔方向において、上記収束型の電界が始
まる位置は、上記飛翔電圧や上記偏向電圧の値等によっ
て大きく異なる。また、上記集合体の飛翔経路内におい
て、上記極性の逆転によって上記粒子担持体に向かう電
界が形成される場合には、該電界が該集合体を粒子担持
体の方向に引き戻そうとする力の強さも、上記飛翔電圧
や上記偏向電圧の値等によって大きく異なる。本発明に
おいては、集合体の最後部を、上記収束型の電界に相当
する領域内に進入させる前に該電界を形成させても、該
最後部を逆飛翔させない。そして、上記集合体の最後部
をこの領域に進入させる前に上記収束型の電界を形成さ
せることにより、該最後部を該電界内に長時間存在させ
て、該最後部の上記中心軸線への偏向量をより大きくす
る。
【0060】請求項22の発明は、請求項20の画像形
成方法であって、上記所定タイミングは、上記集合体の
先頭部が上記収束型の電界内の収束領域に相当する領域
内に存在するときであることを特徴とするものである。
【0061】本発明において、「収束領域」とは、上記
収束型の電界内で、画像形成粒子を上記中心軸線に向か
って偏向させる作用が特に大きい領域のことを示す概念
である。
【0062】請求項22の発明においては、上記集合体
の先頭部を上記収束型の電界内の収束領域に相当する領
域内に存在させているときを上記所定タイミングとして
も、該集合体の最後部を逆飛翔させない。そして、上記
所定タイミングの後に、上記集合体の先頭部、ひいては
該集合体の最後部に、上記収束領域を通過させることに
より、該集合体の上記中心軸線への偏向量をより大きく
する。
【0063】請求項23の発明は、請求項20の画像形
成方法であって、上記所定タイミングは、上記集合体の
先頭部が上記収束型の電界に相当する領域内に進入する
前であることを特徴とするものである。
【0064】請求項23の発明においては、上記集合体
の先頭部を、上記収束型の電界に相当する領域内に進入
させる前を上記所定タイミングとしても、該集合体の最
後部を逆飛翔させない。そして、上記集合体の先頭部を
この領域に進入させる前に上記収束型の電界を形成させ
ることにより、該集合体を該電界内に最も長時間存在さ
せることができ、該集合体における各画像形成粒子の上
記中心軸線への偏向量を大きくすることができる。
【0065】請求項24の発明は、互いに独立あるいは
一連に形成された複数の微小開口部を有する開口部保持
部材と、該開口部保持部材と一体又は別体に形成され、
粒子担持体に担持される電荷を有する画像形成粒子の該
粒子担持体からの飛翔を制御する複数の飛翔制御電極
と、該開口部保持部材と一体又は別体に形成され、画像
形成粒子の飛翔経路の偏向を制御する複数の偏向制御電
極と、を該粒子担持体に対向する対向電極と該粒子担持
体との間に備え、画像情報に基づいて、該対向電極に対
向電圧を印加するとともに、任意の飛翔制御電極に飛翔
電圧を印加して該粒子担持体から画像形成粒子を選択的
に飛翔させ、又は、任意の飛翔制御電極に飛翔電圧を、
該偏向制御電極に偏向電圧をそれぞれ印加して該粒子担
持体から画像形成粒子を選択的且つ偏向的に飛翔させ、
飛翔させた画像形成粒子を任意の微小開口部を通して該
対向電極側に移行させることで、該開口部保持部材と該
対向電極との間に搬送した記録部材の表面に画像形成粒
子を付着させて画像を形成する画像形成装置であって、
請求項1乃至23の画像形成方法を用いて画像を形成す
るものである。
【0066】請求項24の発明においては、請求項1乃
至23の画像形成方法を用いて画像を形成する。
【0067】
【発明の実施の形態】まず、従来の飛翔記録方法を用い
る画像形成装置(以下、飛翔記録画像形成装置と称す
る)の一例について説明する。図6は本一例の飛翔記録
画像形成装置の要部の概略構成を示す斜視図である。本
飛翔記録画像形成装置は、画像形成粒子としてのトナー
を担持する粒子担持体としての現像ローラ1、現像ロー
ラ1に対向するように配置した対向電極4、複数のドッ
ト形成部を有するFPC2等を備えている。現像ローラ
1はトナーを収容するトナー容器6の内部に配置され、
現像ローラ1の表面には、公知技術によりトナーを担持
させることができる。本一例では、ドクターブレード7
あるいは図示を省略されたトナー供給部材と現像ローラ
1との間における摩擦によってマイナスに摩擦帯電した
トナーを、静電気力で現像ローラ1上に担持し、ドクタ
ーブレード7で規制することによりトナー層を形成して
いる。
【0068】上記FPC2は、トナー容器6の下壁部に
形成された開口を塞ぐように取り付けられている。この
FPC2は、図7に示されるように、現像ローラ1と対
向電極部材4との間で現像ローラ1から対向電極4への
トナー飛翔を制御するように、複数の微小開口部として
のトナー通過孔(以下「孔」という)2c及び各孔の周
りに形成された内径0.160[mm]の飛翔電極とし
てのリング状電極2aを有している。
【0069】図8は、本飛翔記録画像形成装置の画像記
録部の拡大模式図である。トナー5を担持する現像ロー
ラ1は接地され、この現像ローラ1と対向して設けられ
た対向電極4との間に、現像ローラ1上に担持されたト
ナー5を対向電極4に向けて飛翔させるための飛翔電界
を形成する高圧電源8が接続されている。この高圧電源
8により対向電極4にトナー5の平均的な帯電極性と逆
の極性の直流高電圧が印加される。
【0070】また、現像ローラ1と対向電極部材4との
間には、FPC2が配設されている。そして、現像ロー
ラ1とFPC2の各リング状電極2aとの間には、画像
情報に基づいて生成された制御電圧を各リング状電極2
aに印加する電源(以下「画像電源」という)9が接続
されている。この画像電源9により、画像情報に基づい
てON/OFF制御されたパルス状の飛翔電圧が各リン
グ状電極2aに対して印加される。この飛翔電圧のON
時の電圧(以下、飛翔電圧又はVblackという)の
値は例えば+300[V]、OFF時の電圧(以下、非
飛翔制御電圧又はVwhiteという)の値は例えば−
50[V]に設定される。
【0071】また、図示の装置では、上記FPC2のリ
ング状電極2aと対向電極4との間隔Liは0.5[m
m]、リング状電極2aと現像ローラ1との間隔Lkは
0.05[mm]、現像ローラ1の周速は300[ms
ec]、紙3の搬送速度は50[msec]である。
【0072】図9はトナーの飛翔状態を示した模式図で
ある。例えば、マイナスに帯電するトナーを用い、現像
ローラ1を接地し、対向電極4に+1200[V]の直
流高電圧(以下、対向電圧又はVbeとも称する)を印
加し、飛翔制御電極2aに+300[V]の飛翔制御電
圧(Vblack)を200[μsec]印加する。こ
の印加により、現像ローラ1上のトナー5に対して6×
106[V/m]の電界が作用する。そして、この作用
の結果、トナー5に加わるクーロン力が、トナー5と現
像ローラ1との間に作用している付着力や鏡像力の和を
上回って、トナー5の集合体が対向電極4に向かって飛
翔し、FPC2の孔を通過する。この孔を通過したトナ
ー5の集合体は、対向電極4に印加された電圧により形
成される飛翔電界に引かれてさらに飛翔を続け、対向電
極4上を搬送手段(不図示)により所定方向に搬送され
ている紙3に付着して飛翔を終える。この付着により、
紙3上に複数のトナー5の集合体からなるドットが記録
される。
【0073】以上のように、従来の飛翔記録画像形成装
置を用いて紙3上に画像を形成することができる。
【0074】次に、DDC法を用いて画像を形成する従
来の画像形成装置(以下、DDC画像形成装置)の一例
について説明する。本一例に係るDDC画像形成装置に
おいては、上記飛翔記録画像形成装置の構成に加え、F
PC2が現像ローラ1から飛翔したトナーを偏向する偏
向制御電極対2bを有している。図10は、本DDC画
像形成装置におけるFPC2の孔2cの拡大図であり、
(a)は平面図、(b)は断面図である。このFPC2
は、リング状電極2aに加え、リング状電極2aよりも
対向電極部材4側に偏向制御電極対である偏向制御電極
2b−1及び2b−2を有している。偏向制御電極2b
−1及び第2偏向制御電極2b−2はそれぞれ半月状、
具体的には上記リング状電極2aの180度よりも小さ
な角度分に相当する形状をしていて、リング状電極2a
を挟んで対向的に形成されている。
【0075】以上の構成の装置において、偏向制御電極
2b−1と偏向制御電極2b−2との間の電位差を変え
ると、該電位差により形成される電界が変わり、図2に
示されたようにトナー5の着地点が変わる。そして、左
右の偏向制御電極間の電位差に正比例して上記中央部に
対応する位置からのシフト量は大きくなる。(以下、余
白)
【0076】DDC法においては、このシフト量の調整
により1つのドット形成部で3つのドットを形成できる
ので、ドット形成部の数を減らすことが可能である。例
えば、300[dpi]で3分割する場合には、一つの
孔から時間的に3つに分けてトナーストリームを通過さ
せ、その先頭トナーストリームを左に300[dpi]
相当分約84[μm]偏向させ、次のトナーストリーム
は偏向電圧を印加せずに直進させ、3番目のトナースト
リームは、右に約84[μm]偏向させて画像を形成す
る。このようにすれば、100[dpi]用のドット形
成部数で300[dpi]の画像を得ることができる。
【0077】[第1実施形態]次に、本発明を適用した
画像形成装置の第1実施形態について説明する。図11
は、上記シミュレーション1において現像ローラ1とF
PC2との間に形成された電気力線のうち、現像ローラ
1から孔2cに進入する電気力線を示す模式図である。
図示のように、上記シミュレーション1においては、現
像ローラ1から孔2cに進入して形成される電気力線
が、現像ローラ1からリング状電極2aに向けて傾斜し
て発せられ、孔2cの内壁で終わっている形状を呈して
いることがわかる。このような電気力線の形状により、
現像ローラ1から飛翔したトナー5の集合体の一部が、
孔2cを通過する際に孔2cの内壁と衝突していたと考
えられる。従って、孔2cに進入して形成される電気力
線を、孔2cの内壁に衝突させないように電界を形成さ
せれば、トナー5の集合体と孔2cの内壁との衝突を軽
減できるはずである。
【0078】本発明者は、上記シミュレーション1で想
定した画像形成部と同様の構成において、次の表1に示
す条件で各電圧を印加したときに仮想形成される電気力
線の形状を、上記ドット形成シミュレーションシステム
を用いて調査した。
【表1】
【0079】上記表1に示すように、本調査においては
Vblackを+300[V]で一定に保ち、左右の偏
向制御電極2b1及び2b2へのVnonactを+2
00[V]ずつ順次増加させた。また、Vnonact
の増加に伴い、Vbeも+200[V]ずつ増加させる
ことで、偏向制御電極2b(1及び2)と対向電極4と
の電位差、即ち、両電極間の電界強度を一定にした。
【0080】上記表1のAからEまでの条件で、各電圧
を印加したときに仮想形成された電気力線の形状を模式
図である図12から図16までにそれぞれ示す。それぞ
れの図に示すように、Vnonactの値を増加させる
に従い、孔2cに終わる又は接触する電気力線の数を減
少させることがわかる。また、Vblackの値よりも
Vnonactの値を大きくすると、孔2の内壁に接触
しない電気力線の数を、孔2cの内壁に終わる又は接触
する電気力線の数よりも多く形成できることがわかる
(図12及び13参照)。
【0081】上記表1のAからEまでの条件で、ドット
の形成をシミュレーションしたときにおけるトナー5の
飛翔状態を、模式図である図17から図21までにそれ
ぞれ示す(以下、本シミュレーションをシミュレーショ
ン2と称する)。それぞれの図に示すように、Vnon
actの値を増加させるに従い、トナー5の集合体にお
ける現像ローラ1から紙3までの到達時間を短縮でき
る。
【0082】以下、本シミュレーション2において、V
nonactの値の増加に伴い、トナー5の集合体の上
記到達時間を短縮できる原因について考察する。紙3に
到達させるトナー5の集合体を、次の2種類に分類する
ことができる。即ち、ドットを形成すべく孔2cを通過
させるトナー群(以下、ドット形成トナー群と称する)
と、ドットの形成には不要でありFPC2の上面への付
着により飛翔させたトナー群から淘汰するトナー群(以
下、淘汰トナー群と称する)とである。
【0083】図17に示されるように、上記表1のAの
条件では、ドット形成トナー群の一部のトナー5が、孔
2cを通過する際に孔2cの内壁と衝突して拡散する。
この拡散により、ドット形成トナー群の先頭部と最後部
とにおける紙3への到達時間にタイムラグが生ずる。ま
た、孔2cの内壁と衝突したトナー5の一部は、リング
状電極2a又は偏向制御電極対2bに引かれて該内壁に
付着する((b)及び(c)参照)。そして、Vbla
ckの印加が終了されると、孔2cの内壁に付着したト
ナー5の一部は、該内壁から離脱して再び飛翔を開始す
ることで上記タイムラグをより延長している((d)参
照)。また、(d)以降の図に示されるように、淘汰ト
ナー群はVblackの印加終了に伴ってFPC2上面
から離脱し、直接又は一旦現像ローラ1上に付着した後
に、一部が孔2cに向けて飛翔してドット形成トナー群
の後端部に混入する(以下、該混入するトナー又はトナ
ー群を混入トナー又は混入トナー群と称する)。この混
入トナー群が上記タイムラグを更に延長している。これ
らの結果、トナー群の後端部は、紙3への到達に0.7
msec以上要している((h)参照)。
【0084】図18に示されるように、上記表1のBの
条件では、孔2c内壁に付着するトナー5の数が低減さ
れている((c)参照)。しかし、(d)以降の図に示
されるように、Vblackの印加終了に伴って混入ト
ナー群が出現し、上記タイムラグを延長している。この
結果、トナー群の後端部は、紙3への到達に0.7[m
sec]を要している((h)参照)。
【0085】図19に示されるように、上記表1のCの
条件では、Vblackの印加終了に伴う混入トナーの
数が低減されている((d)以降参照)。この結果、ト
ナー群の後端部における紙3への到達時間が0.6[m
sec]に短縮されている。
【0086】図20又は図21に示すように、上記表1
のD又はEの条件では、Vblackの印加を終了して
も、淘汰トナー群の各トナー5の殆どをFPC2上面か
ら離脱させず、混入トナーの数を1つ又は2つにまで低
減している(それぞれ(d)参照)。この結果、トナー
群の後端部における紙3への到達時間をそれぞれ0.3
[msec]まで短縮している。この到達時間は、60
0dpiの画像の形成を可能にする速さである。但し、
上記表1のEの条件では、現像ローラ上の電界強度を3
×106V/mより大きくしていると推測され、放電を
招来するおそれがある。そこで、本発明者は、現像ロー
ラ上の電界強度を3×106とし、且つ、図16(上記
表1のE)と同様の形状の電界を形成し得る各電圧値を
調査した。この調査の結果、Vblackを+150
[V]、左右のVnonactを+800[V]、Vb
eを+2000[V]に設定すると、図16と同様の形
状の電界を形成できることがわかった。なお、Vbla
ckの値を+300[V]から+150[V]に低下さ
せてこの電界を形成している。このため、一見、リング
状電極2aの電圧を低下できるように思えるが、Vwh
iteの値も−50[V]から−200[V]に低下さ
せているので、VblackとVwhiteとの電位差
は変化せず+350[V]のままである。
【0087】Vblackを+150[V]、Vnon
actを+800[V]、Vbeを+2000[V]に
設定したシミュレーション(以下、シミュレーション3
と称する)におけるトナー5の飛翔状態を模式図である
図22に示す。図示のように、本シミュレーション3で
は、トナー5が上記表1のEの条件とほぼ同様の状態で
飛翔する。
【0088】次に、本発明者は、各電極への印加電圧の
値を上記シミュレーション3と同等に設定し、且つ、孔
2cに対する偏向制御電極対2bの相対的距離をリング
状電極2aよりも大きく、同等に、又は小さく設定する
条件で、上記ドット形成シミュレーションシステムによ
り電界を仮想形成させた。模式図である図23、図24
及び図25に、この仮想形成の結果を示す。それぞれの
図に示されるように、偏向制御電極対2bを孔2cに近
づけるに従い、孔2cを通過する電気力線の数を減少さ
せてしまう。
【0089】図26、図27及び図28は、それぞれ図
23、図24及び図25の電界の条件下におけるトナー
の飛翔状態を示す模式図である。それぞれの図に示され
るように、孔2cに対する偏向制御電極対2bの相対的
距離をリング状電極2aよりも小さく設定しなければ、
即ち、リング状電極2aより近づけなければ、トナーの
後半部の遅れを許容範囲内に納めることができる。
【0090】そこで、以上の結果を踏まえ、第1実施形
態の画像形成装置では、上述した従来のDDC画像形成
装置の構成に加えて、次の条件1から条件3までの構成
を備えるものとする。
【条件1】マイナス帯電トナーを用いる場合には、Va
ctive及びVnonactの値を、Vblackの
値よりも大きくする。
【条件2】プラス帯電トナーを用いる場合には、Vac
tive及びVnonactの値を、Vblackの値
よりも小さくする。
【条件3】孔2cに対する偏向制御電極対2bの相対的
距離が、リング状電極2aよりも小さい。
【0091】[第2実施形態]次に、本発明を適用した
画像形成装置の第2実施形態について説明する。上述し
たように、例えば、マイナス帯電トナーを用いる場合に
は、Vactive及びVnonactの値を、Vbl
ackの値よりも大きくすることで、混入トナーの数を
低減して上記タイムラグを短縮できる。そして、Vbl
ackを+150[V]、Vnonactを+800
[V]、Vbeを+2000[V]とそれぞれ想定した
上記シミュレーション3では、混入トナーの数を2つに
まで低減でき、トナー群の紙3への到達時間を0.3
[msec]にまで短縮できた(図22参照)。しか
し、この2つの混入トナーの出現がなければ、この到達
時間を更に0.25[msec]にまで短縮できる(不
図示)。即ち、上記タイムラグを更に0.05[mse
c]短縮できる。
【0092】本発明者は、この2つの混入トナーをどの
ように出現させているかを確かめるべく、上記シミュレ
ーションの映像を拡大し、0.01[msec]間隔の
コマ送りで観察した。この観察の結果、FPC2上面の
淘汰トナー群に包含されるトナー5のうち、FPC2上
面と孔2cの入り口との境界部に付着したトナー5が、
Vblackの印加開始から0.10[msec]後
に、重力又は電界の影響により孔2cの内部に落下する
ことが確認された。
【0093】そこで、この落下を防止すべく、Vbla
ckの印加を開始してから種々のタイミングで、リング
状電極2aにVblackと逆極性の電圧(以下、シャ
ッター電圧又はVsと称する)を印加することにした。
このようにリング状電極2aに逆極性の電圧を印加する
と、現像ローラ1とFPC2上面との間に形成される電
界の向きを逆転させ、淘汰トナー群に包含されるトナー
5の一部をFPC2上面から現像ローラ1に向けて逆飛
翔させることができる。なお、現像ローラ1とFPC上
面との間において、Vsの印加後の電界形状は、Vbl
ack印加時の電界形状が完全に逆転されるものではな
いが、本明細書においては、便宜上、逆転と称すること
とする。また、以下、リング状電極2aへの印加電圧
を、Vblackの印加開始からVsに切り替えるまで
の時間を、リング電圧切り替え時間と称する。
【0094】図29は、Vblackを+150
[V]、Vsを−400[V]、Vnonactを+8
00[V]、Vbeを+2000[V]、リング電圧切
り替え時間を0.06[msec]に、それぞれ設定し
たシミュレーション4におけるトナー5の飛翔状態を示
す模式図である。図示のように、本シミュレーション4
においては、淘汰トナー群のうち、孔2c周囲のFPC
2上面に付着したトナー5がVsの印加に伴って逆飛翔
している。この逆飛翔により、上記2つの混入トナーは
出現していない。しかし、Vsの印加によりドット形成
トナー群の形状を乱す結果、紙3への到達時間は上記シ
ミュレーション3と同様に0.30[msec]であっ
た。なお、本シミュレーション4において、リング電圧
切り替え時間を0.06[msec]に設定したが、こ
のタイミングは、ドット形成トナー群の後端部がFPC
2の上面を通過する前、即ち孔2cの内部に進入する前
である。
【0095】図30は、リング電圧切り替え時間を0.
07[msec]に設定した他は、上記シミュレーショ
ン4と同様の条件に設定したシミュレーション5におけ
るトナー5の飛翔状態を示す模式図である。図示のよう
に、本シミュレーション5においても、淘汰トナーは上
記シミュレーション4と同様に出現しなかった。また、
ドット形成トナー群の形状の乱れに多少の改善が認めら
れ、この結果、ドット形成トナー群の後端部における紙
3への到達時間が0.25[msec]まで短縮され
た。なお、図中(d)はVblackの印加開始から
0.30[msec]後の状態を示すものであり、ドッ
ト形成トナー群の後端部は、(c)と(d)との間の時
間帯で紙3に到達している。また、本シミュレーション
5において、リング電圧切り替え時間を0.07[ms
ec]に設定したが、このリング電圧切り替え時間は、
ドット形成トナー群の後端部がFPC2上面、即ち孔2
cの入り口部を通過するタイミングである。
【0096】図31は、リング電圧切り替え時間を0.
08[msec]に設定した他は、上記シミュレーショ
ン4と同様の条件に設定したシミュレーション6におけ
るトナー5の飛翔状態を示す模式図である。図示のよう
に、本シミュレーション6においても、混入トナーは出
現せず、ドット形成トナー群の後端部における紙3への
到達時間が0.25[msec]に短縮された。さら
に、ドット形成トナー群の形状の乱れも認められない。
なお、本シミュレーション4において、リング電圧切り
替え時間を0.08[msec]に設定したが、このリ
ング電圧切り替え時間は、ドット形成トナー群の後端部
がリング状電極2aを通過するタイミングである。
【0097】しかし、上記シミュレーション5及び本シ
ミュレーション6においては、上記到達時間を短縮でき
たが、ドット径の拡大が認められた。具体的には、従来
の上記DDC画像形成装置におけるドット径が150
[μm]であるのに対し、上記シミュレーション5及び
本シミュレーション6におけるドット径はそれぞれ20
0[μm]であり、50[μm]拡大された。
【0098】本発明者は、更に、リング電圧切り替え時
間を0.09[msec]及び0.10[msec]に
設定したシミュレーションを行った結果、リング電圧切
り替え時間を0.10[msec]に設定した場合にお
いて、混入トナーを出現させてしまった。
【0099】図32及び図33は、上記ドット形成シミ
ュレーションシステムにおいて、Vsを−400
[V]、Vnonactを+800[V]、Vbeを+
2000[V]に設定した条件で形成された仮想電界の
形状を、FPC2上面より上部と下部とに分けてそれぞ
れ示す模式図である。それぞれの図に示すように、この
条件では、概ね、FPC2上面より上部ではFPC2か
ら現像ローラ1に向かう電界が仮想形成され、FPC2
上面より下部では孔2cの入り口から対向電極4に向か
う電界が仮想形成されている。リング電圧切り替え時間
を0.10[msec]に設定した上記シミュレーショ
ンでは、FPC2上面と孔2c入り口との境界に付着し
たトナー5を、概ね孔2cの入り口に落下させた後、即
ち、孔2c入り口から対向電極に向かう電界に相当する
領域に進入させた後に、Vsを印加した結果、このトナ
ー5を対向電極4側に引き寄せていたことがわかる。こ
の結果、このトナー5を混入トナーとして出現させてい
た。従って、淘汰トナー群に包含される各トナー5を、
Vsを印加した後に現像ローラ1に向けて形成される電
界領域に相当する領域内に存在させている間にVsを印
加すれば、該各トナー5を現像ローラ1に向けて逆飛翔
させることができると考えられる。但し、この各トナー
5が慣性力を有している場合は、該慣性力により対向電
極4に向けて形成される電界内に進入させる場合がある
と考えられる。
【0100】図34は、Vsを−400[V]に設定し
た他は、上記シミュレーション4と同様の条件に設定し
たシミュレーション7におけるトナー5の飛翔状態を示
す模式図である。図示のように、本シミュレーション7
においても、淘汰トナー群の一部を逆飛翔させている。
しかし、一旦逆飛翔させても、再び飛翔方向を変えて孔
2cに向けて飛翔するトナー5を出現させ、このトナー
5をドット形成トナー群に混入させる結果、該ドット形
成トナー群の後端部を延長させている。そして、ドット
形成トナー群の紙3への到達時間を0.65[mse
c]にまで延長してしまった。
【0101】図35は上記シミュレーション7におい
て、Vs印加後に仮想形成された電界の形状を示す模式
図である。図に示されるように、上記シミュレーション
5においては、Vsの値が小さいために、FPC2上面
から現像ローラ1に向けて形成される電気力線は、途中
で方向転換して対向電極4に向かっている。このような
電気力線により、一旦逆飛翔させた淘汰トナーを、再度
対向電極に向けて飛翔させてドット形成トナー群に混入
させていたことがわかる。従って、孔2c周囲のFPC
2上面からの電気力線を現像ローラ1に到達させ得るよ
うに、Vsの値を設定する必要がある。具体的には、V
sの値をトナー5の帯電極性と同極性側に十分に大きく
設定する必要がある。
【0102】そこで、以上の結果を踏まえ、本第2実施
形態の画像形成装置は、上述した従来のDDC画像形成
装置の構成に加えて、次の条件4から条件7までの構成
を備えるものとする。
【条件4】トナー5の帯電極性と同極性のVsを印加す
る。
【条件5】孔2c周囲のFPC2上面において、該FP
C2上面から発し、且つ現像ローラ1に到達する電気力
線を形成させ得るように、Vsの値をトナー5の帯電極
性側に大きく設定している。
【条件6】VblackからVsへの切り替えは、Vs
の印加により、対向電極4へ向けて形成される電界領域
内(実際にはこの電界領域に相当する領域内)に、ドッ
ト形成トナー群の最後部を進入させた後に行う。
【条件7】VblackからVsへの切り替えは、Vs
の印加により、孔2c周辺のFPC2上面から発し、且
つ現像ローラ1に到達するように形成される電気力線の
領域内(実際にはこの領域内に相当する領域内)から、
淘汰トナー群を脱出させる前に行う。
【0103】なお、上記条件6に変えて、Vsの印加に
より対向電極4へ向けて形成される電界領域内(実際に
はこの電界領域に相当する領域内)に、ドット形成トナ
ー群の最後部を進入させる前であり、且つ慣性力により
該最後部を該電界領域内に到達させ得るタイミングで、
VblackからVsへの切り替えを行ってもよい。
【0104】[第3実施形態]次に、本発明を適用した
画像形成装置の第3実施形態について説明する。図36
は、上記ドット形成シミュレーションシステムにおい
て、Vblackを+300[V]、Vnonactを
0[V]に設定したときに仮想形成される電界の形状を
示す模式図である。即ち、この図36は、従来の上記D
DC画像形成装置で、上記ドットNdを形成するときの
電界の形状を示している。この図36の電界と上記シミ
ュレーション5及び6で仮想形成された電界(図33)
の形状とを比較すると、前者の電界は、孔2c内壁から
孔2cの中心軸線に向けて電気力線が絞りこまれている
のに対し、後者の電界は、逆に該電気力線が拡散してい
る(以下、前者の電界を収束型電界、後者の電界を拡散
型電界とそれぞれ称する)。上記シミュレーション5及
び6では、このように電界が拡散型に形成されることに
より、ドットの形状を拡大していたことがわかる。一
方、トナー5と孔2c内壁との衝突を軽減すべく、現像
ローラ1からの電気力線を孔2c内壁で終わらせないよ
うに、換言すれば現像ローラ1からの電気力線に孔2c
を通過させるようにするためには、上記条件1又は2の
ように、トナーの帯電極性とは逆極性の条件下で、Va
ctive及びVnonactの値をVblackの値
よりもマイナス側又はプラス側に大きくする必要があ
る。
【0105】しかしながら、上記条件1又は条件2によ
り形成される電界は、拡散型電界となってしまう。即
ち、上記タイムラグを極限まで低減しようとすると拡散
型電界によりドット径を拡大してしまい、該径を縮小し
ようとすると上記衝突や混入トナーの出現により該タイ
ムラグを延長してしまう。
【0106】本発明者は、これら相反する2つの要求を
両立させるために鋭意研究した結果、所定のタイミング
で拡散型電界から収束型電界に切り替えることで、上記
タイムラグの短縮化とドット径の縮小化を両立させるこ
とに成功した。即ち、トナーを飛翔させてから所定のタ
イミングまでは、拡散型の電界により上記衝突及び混入
トナー出現の軽減を図り、該タイミング以降は収束型の
電界によりドット径の縮小を図ることに成功した。 (以下、余白)
【0107】DDC画像形成装置において形成される電
界の形状は、各電極の位置及び大きさ、並びに、各印加
電圧の値、の組み合わせにより様々である。但し、一般
的には、各電極の位置は固定されているので、拡散型電
界から収束型電界に変化させるためには、各印加電圧の
値を変化させることにより行わなければならない。そし
て、拡散型電界から収束型電界に変化させるような各電
圧の組み合わせは無限に存在する。例えば、−400
[V]のVsを印加したときに、−600[V]のVa
ctive又はVnonactを印加することで収束型
電界を形成することができる。なお、収束型電界を形成
し得るこのような、Vs及びVnonact、又は、V
s、Vnonact及びVactive、の組み合わせ
を収束電圧と称する。
【0108】ドット径を縮小するためには、ドット形成
トナー群をより長い時間、収束型電界中に存在させるべ
く、Vblackから収束電圧への切り替えをより早く
することが望ましい。しかし、この切り替えを早めすぎ
ると、ドット形成トナー群を逆飛翔させてしまうおそれ
がある。また各トナー5を逆飛翔させなくても、飛翔方
向に拡散させて上記タイムラグを著しく延長してしまう
おそれがある。
【0109】そこで、本発明者は、Vblackから収
束電圧への適切な切り替えタイミングを考察すべく、種
々の該切り替えタイミングにおけるドット形成トナー群
の紙3への到達時間と、ドット径との関係をシミュレー
ションした。このシミュレーションの結果を次の表2に
示す。なお、本シミュレーションにおいては、拡散電界
をVblack=+150[V]、Vnonact=+
800[V]、Vbe=+2000[V]、現像ローラ
=接地の条件で、収束電界をVs=−400[V]、V
nonact=−200[V]、Vbe=2000
[V]、現像ローラ=接地の条件でそれぞれ仮想形成さ
せた。また、表2において、TcはVblackから収
束電圧への切り替え時間[μsec]を、Ttはドット
形成トナー群の紙3への到達時間[μsec]を、Dd
はドット径[μm]をそれぞれ示す。
【表2】
【0110】表2に示されるように、Fの条件ではドッ
ト径を比較的小さくすることができた(136[μ
m])が、到達時間を500[μsec]まで延長して
しまった。この延長の理由は上述のように、収束電圧に
切り替えた際に、ドット形成トナー群の全てのトナー5
を現像ローラ1の方向(以下、逆方向と称する)へ向か
う電界中に存在させて飛翔方向に拡散させてしまったた
めである。なお、逆方向に向かう電界中に存在させて
も、慣性力により全てのトナー5を対向電極到達させる
ことはできた。
【0111】上記表2のGの条件では、各トナー5の飛
翔方向における拡散を若干軽減して、到達時間を350
[μsec]に短縮するとともに、ドット径も114
[μm]に縮小することができた。なお、上記Fの条件
において、Tcを本Gの条件より早めているにもかかわ
らず、ドット径を本Gの条件より拡大している理由は、
収束電界の各トナー5に対する収束効果よりも、各トナ
ー5の拡散効果の方が勝ったためと考えられる。
【0112】上記表2のHの条件では、各トナー5の飛
翔方向における拡散をより軽減して、到達時間を300
[μsec]に短縮するとともに、ドット径も106
[μm]に縮小することができた。
【0113】上記表2のIの条件では、各トナー5の飛
翔方向における拡散を更に軽減して、到達時間を250
[μsec]に短縮することができた。しかし、ドット
径は121[μm]に拡大した。この拡大の理由はドッ
ト形成トナー群の収束電界中での存在時間を短縮した結
果、各トナー5に対する収束効果を低減したためであ
る。
【0114】そして、上記表2の条件J、K、Lの順
に、Tcを延長するにしたがって、ドット径を拡大して
いることがわかる。特に、上記Lの条件では、ドット径
のみならず、到達時間を大幅に延長してしまった(Tt
=450[μsec])。この延長の理由は、Tcの延
長によりFPC2上面と孔2c入り口部との境界部付着
させた淘汰トナーである2つのトナー5を、孔2cに落
下させてドット形成トナー群の後端部に混入させたため
である。
【0115】上記表2に示される各データをグラフ化し
たものを図37に示す。ドット径(Dd)と到達時間
(Tt)との最適値は、要求される画質やプリント速度
によりことなるので、一概に特定されるものではない
が、例えば、DDC法を用いる300dpi、20pp
mのプリンタで、A4版20ppmを100[mm/s
ec]の速度で記録する際に要求されるDdとTtの値
は、次の式9及び10のようになる。
【式9】Dd=25400[μm]/300[dpi]
×1.5=127[μm]
【式10】Tt=25.4[mm]/300[dpi]
/100[mm/sec]/3=282[μsec]
【0116】Dd及びTtの値を満足させる条件は、上
記表2のHの条件である。但し、記録速度の短縮化より
もドット径の縮小化を重視する場合には、上記Gの条件
の方がよく、逆の場合には上記Iの条件の方がよい。そ
してこれらの結果より、ドット形成トナー群の最後部を
加速電界領域に進入させことができ、且つ先頭部を収束
電界の収束領域に存在させることができる範囲内のタイ
ミングで、拡散型電界から収束型電界に切り替える必要
があると考えられる。加えて、Ddの縮小化を重視する
場合には、ドット形成トナー群の先頭部を収束型電界に
相当する領域内に進入させる前に切り替えることが望ま
しく、また、Ttの短縮化を重視する場合には、ドット
形成トナー群の最後尾を収束型電界に相当する領域内に
進入させた後に切り替えることが望ましいと考えられ
る。
【0117】ところで、Ttを更に短縮するには、ドッ
ト形成トナー群の飛翔速度をより速めればよい。即ち電
界強度をより高めればよい。そこで、本発明者は、より
高い電界強度におけるTtを確認すべく、収束電圧にお
けるVnonactを−600[V]から−200
[V]に変更した条件でシミュレーションを行った。収
束電圧におけるVnonactを−200[V]にする
と、VblackよりVnonactの方がプラス側に
大きくなるので、リング状電極2aから偏向制御電極対
2bの間は、マイナス帯電トナーに対する加速電界とし
て作用させることができる。本シミュレーションの結果
を次の表3及び図38に示す。 (以下、余白)
【表3】
【0118】表3及び図38に示されるように、本シミ
ュレーションでも、Tcを大きくするとドット径を拡大
し、Tcを小さくするとTtを延長する。しかし、上記
表2及び図37のシミュレーション結果と比較すると、
同一のTc値において、Ttをより短縮し、Dtをより
拡大していることがわかる。そして、Tc=80[μs
ec]の条件で、Dd=127[μm]以下、且つ、T
t=282[μsec]以下を達成できた。この結果
は、VsよりもVnonact(又はVactive)
の値をトナー5と同極性側に大きく設定した場合でも、
収束型電界を形成させることができたことを示してい
る。即ち、マイナス帯電トナーを用いる場合には、Vs
よりもVnonact(又はVactive)の値を低
くして収束電界を形成させることができる。逆に、プラ
ス帯電トナーを用いる場合には、VsよりもVnona
ct(又はVactive)の値を高くして収束電界を
形成させることができる。
【0119】そして、本発明者は、Dtの縮小及びTc
の短縮を実現する条件で、収束電圧におけるVs及びV
nonact(又はVactive)の電位差の上限を
確認すべく、収束電圧におけるVsを−400[V]に
維持し、Vnonactを−800[V]から+400
[V]まで、順次200[V]ずつ増加させてシミュレ
ーションを行った。なお、Tcは80[μsec]に設
定した。本シミュレーションの結果を次の表4及び図3
9に示す。
【表4】
【0120】上記表4及び図39に示されるように、本
シミュレーションにおいては、Vnonactを高める
に従い、Ttを短縮する一方、Ddを拡大していること
がわかる。即ち、Vnonactを低くする程Ddを小
さくすることができる。特に、上記F3の条件では、D
d=91[μm]を実現している。なお、表4及び図3
9には図示を省略してあるが、Vnonactの値を−
1000、−1200、及び−1400[V]と順次マ
イナス側に大きく変化させても、Tt及びDdに変化は
認められなかった。但し、VnonactとVsとの電
位差を800[V]よりも高く設定すると、コロナ放電
が起こるおそれがある。このため、Ddの縮小化を重視
する場合には、Vnonactの値をVsよりも低く、
且つVsとの電位差を200[V]以上、800[V]
以下にすることが望ましいと考えられる。また、Ttの
短縮化を重視する場合には、逆に、Vnonactの値
をVsよりも高く、且つVsとの電位差を200[V]
以上、600[V]以下にすると良好な結果を得ること
ができる。
【0121】そこで、以上の結果を踏まえ、本第3実施
形態の画像形成装置では、上述した従来のDDC画像形
成装置の構成に加えて、次の条件8から条件12までの
構成を備えるものとする。
【条件8】所定のタイミングで収束電圧を印加すること
により、拡散型電界から収束型電界に切り替える。
【条件9】Ddの縮小化を重視するモード、即ちファイ
ンモードでは、収束電圧におけるVnonactの値を
Vsよりも低く、且つVsとの電位差を200[V]以
上、800[V]以下とする。
【条件10】上記ファインモードでは、ドット形成トナ
ー群の先頭部を収束型電界に相当する領域内に進入させ
る前に収束電圧を印加する。
【条件11】Ttの短縮化を重視するモード、即ち高速
プリントモードでは、収束電圧におけるVnonact
の値をVsよりも高く、且つVsとの電位差を200
[V]以上、600[V]以下とする。
【条件12】上記高速プリントモードでは、ドット形成
トナー群の最後尾を収束型電界に相当する領域内に進入
させた後に収束電圧を印加する。
【0122】以上、上記第1、2及び3実施形態におい
て、リング状の飛翔制御電極と半月状の偏向制御電極対
について説明したが、各電極の構造はこれらに限らず、
様々な変形が可能である。
【0123】また、帯電させたトナー粒子を用いる粉体
画像形成方法や粉体画像形成装置に限らず、イオンを制
御するイオンモジュレーシヨンや、帯電させたインク滴
を電界で偏向させる荷重偏向型インクジェット等を用い
る画像形成方法又は画像形成装置にも本発明が適応可能
である。
【0124】また、紙などの用紙を記録部材として、該
記録材上にトナーを付着させて画像形成を行うものを例
示したが、該記録部材としては、紙などの絶縁体の他、
紙の背面に上記対向電極として機能する電極層(例えば
アルミ箔層)を形成したものでもよい。更に、該対向電
極は、回転する無端ベルト状の金属薄膜からなり、付着
されたトナーを紙などの記録部材に転写する構成のもの
でもよい。
【0125】
【発明の効果】請求項1、2、3、4、5、6、7、
8、9、10、11、12又は13の発明によれば、飛
翔させた各画像形成粒子に対して記録部材への到達時間
のバラツキを軽減するので、画像形成粒子の集合体の先
頭部を記録部材に到達させてから、該集合体の後端部を
該記録部材に到達させるまでのタイムラグを短縮するこ
とができるという優れた効果がある。
【0126】特に、請求項4の発明によれば、上記偏向
電圧及び上記飛翔電圧の値の調整により上記到達時間の
バラツキを軽減するので、上記タイムラグの短縮のため
に特別な部材や装置を設ける必要がないという優れた効
果がある。
【0127】また特に、請求項5の発明によれば、上記
衝突がより軽減されるので、上記タイムラグをより短縮
することができるという優れた効果がある。
【0128】また特に、請求項6又は7の発明によれ
ば、上記集合体の後端部の延長を軽減するので、上記タ
イムラグを短縮することができるという優れた効果があ
る。
【0129】また特に請求項8の発明によれば、上記所
定のタイミングの後における上記集合体の後端部の延長
を防止することができるので、該延長による上記タイム
ラグの延長を防止することができるという優れた効果が
ある。
【0130】また特に請求項9の発明によれば、上記所
定位置の調整により単位画像の形成に必要な画像形成粒
子の逆飛翔を防止するので、該調整によって形成画像の
濃度不足を防止することができるという優れた効果があ
る。
【0131】また特に請求項10の発明によれば、単位
画像の形成に必要な画像形成粒子の逆飛翔を防止するの
で、形成画像の濃度不足を防止することができるという
優れた効果がある。
【0132】また特に請求項11の発明によれば、上記
集合体の後端部の延長をより確実に軽減するとともに、
単位画像の形成に必要な画像形成粒子の逆飛翔を防止す
るので、上記タイムラグをより短縮するとともに、形成
画像の濃度不足を防止することができるという優れた効
果がある。
【0133】請求項13、14、15、16、17、1
8、19、20、21、22又は23の発明によれば、
上記対向電極又は上記記録部材における上記集合体の付
着領域が縮小されるので、形成する単位画像のサイズを
縮小することができるという優れた効果がある。
【0134】特に、請求項14の発明によれば、上記正
走向電界の形状を収束型に変化させるための特別な部材
や装置等を設ける必要がないので、コストを低減するこ
とができるという優れた効果がある。
【0135】また特に請求項15の発明によれば、不要
な画像形成粒子の上記混入を軽減して上記該集合体の後
端部の延長を軽減できるので、該延長による上記タイム
ラグの延長を軽減することができるという優れた効果が
ある。
【0136】また特に、請求項16の発明によれば、上
記飛翔電圧と上記偏向電圧との電位差を調整することに
よって、該飛翔電圧の値を該偏向電圧より正規極性側に
大きくする場合よりも、集合体飛翔時間を短縮すること
ができるという優れた効果がある。
【0137】また特に、請求項17の発明によれば、集
合体飛翔時間を、上記偏向電圧より正規極性側に大きい
値の上記飛翔電圧を印加する場合と同等に、あるいは該
場合よりも短縮することができるという優れた効果があ
る。
【0138】また特に、請求項18の発明によれば、上
記偏向電圧と上記飛翔電圧との電位差を調整することに
よって、該偏向電圧の値を該飛翔電圧より正規極性側に
大きくする場合よりも、単位画像のサイズを縮小するこ
とができるという優れた効果がある。
【0139】また特に、請求項19の発明によれば、上
記偏向電圧の値を上記飛翔電圧の値より正規極性側に大
きくする場合よりも、単位画像のサイズを短縮するとと
もにコロナ放電の発生を抑えることができる。
【0140】また特に、請求項20の発明によれば、単
位画像の形成に必要な画像形成粒子の逆飛翔を防止する
ので、形成画像の濃度低下を防止することができるとい
う優れた効果がある。
【0141】また特に、請求項21の発明によれば、上
記最後部の上記中心軸線への偏向量をより大きくするの
で、単位画像のサイズをより縮小することができるとい
う優れた効果がある。
【0142】また特に、請求項22の発明によれば、上
記集合体の上記中心軸線への偏向量をより大きくするの
で、単位画像のサイズを更に縮小することができるとい
う優れた効果がある。
【0143】また特に、請求項23の発明によれば、上
記集合体における各画像形成粒子の上記中心軸線への偏
向量を大きくすることができるので、単位画像のサイズ
を縮小することができるという優れた効果がある。
【0144】請求項24の発明によれば、請求項1乃至
23の画像形成方法を用いて画像を形成するので、画像
形成粒子の集合体の先頭部を記録部材に到達させてか
ら、該集合体の後端部を該記録部材に到達させるまでの
タイムラグを短縮することができるという優れた効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】飛翔記録方法によるトナーの飛翔状態を示した
模式図。
【図2】(a)はDDC法によるドットLd形成時のト
ナーの飛翔状態を示した模式図。(b)はDDC法によ
るドットNd形成時のトナーの飛翔状態を示した模式
図。(c)はDDC法によるドットRd形成時のトナー
の飛翔状態を示した模式図。
【図3】DDC法に用いられるドット形成部の一例の平
面図。
【図4】(a)から(h)はそれぞれシミュレーション
1において観察されたトナー群の飛翔状態を示す模式
図。
【図5】シミュレーション1で想定した画像形成部の構
成図。
【図6】従来の飛翔記録画像形成装置における要部の概
略構成の一例を示す斜視図。
【図7】同飛翔記録画像形成装置におけるFPC2の拡
大平面図。
【図8】同飛翔記録画像形成装置の画像記録部の拡大模
式図。
【図9】従来のDDC画像形成装置におけるトナーの飛
翔状態を示した模式図。
【図10】(a)は同DDC画像形成装置におけるFP
C2の孔2cの拡大図平面図。(b)は同孔2cの拡大
断面図。
【図11】シミュレーション1において現像ローラ1と
FPC2との間に形成された電気力線のうち、現像ロー
ラ1から孔2cに進入する電気力線を示す模式図。
【図12】ドット形成シミュレーションシステムで条件
Aにおいて仮想形成された電気力線を示す模式図。
【図13】条件Bにおいて仮想形成された電気力線を示
す模式図。
【図14】条件Cにおいて仮想形成された電気力線を示
す模式図。
【図15】条件Dにおいて仮想形成された電気力線を示
す模式図。
【図16】条件Eにおいて仮想形成された電気力線を示
す模式図。
【図17】(a)から(h)は、それぞれ条件Aにおい
て観察されたトナー群の飛翔状態を示す模式図。
【図18】(a)から(h)は、それぞれ条件Bにおい
て観察されたトナー群の飛翔状態を示す模式図。
【図19】(a)から(h)は、それぞれ条件Cにおい
て観察されたトナー群の飛翔状態を示す模式図。
【図20】(a)から(h)は、それぞれ条件Dにおい
て観察されたトナー群の飛翔状態を示す模式図。
【図21】(a)から(h)は、それぞれ条件Eにおい
て観察されたトナー群の飛翔状態を示す模式図。
【図22】(a)から(h)は、それぞれシミュレーシ
ョン3において観察されたトナー群の飛翔状態を示す模
式図。
【図23】孔2cに対する偏向制御電極対2bの相対的
距離をリング状電極2aよりも大きく設定したときに仮
想形成された電気力線を示す模式図。
【図24】孔2cに対する偏向制御電極対2bの相対的
距離をリング状電極2aと同等に設定したときに仮想形
成された電気力線を示す模式図。
【図25】孔2cに対する偏向制御電極対2bの相対的
距離をリング状電極2aよりも小さく設定したときに仮
想形成された電気力線を示す模式図。
【図26】(a)から(h)は、それぞれ図23の電気
力線を用いたときに観察されたトナー群の飛翔状態を示
す模式図。
【図27】(a)から(h)は、それぞれ図24の電気
力線を用いたときに観察されたトナー群の飛翔状態を示
す模式図。
【図28】(a)から(h)は、それぞれ図25の電気
力線を用いたときに観察されたトナー群の飛翔状態を示
す模式図。
【図29】(a)から(h)は、それぞれシミュレーシ
ョン4において観察されたトナー群の飛翔状態を示す模
式図。
【図30】(a)から(h)は、それぞれシミュレーシ
ョン5において観察されたトナー群の飛翔状態を示す模
式図。
【図31】(a)から(h)は、それぞれシミュレーシ
ョン6において観察されたトナー群の飛翔状態を示す模
式図。
【図32】FPC2上面より上部に仮想形成された電気
力線の模式図。
【図33】FPC2上面より下部に仮想形成された電気
力線の模式図。
【図34】(a)から(h)は、それぞれシミュレーシ
ョン7において観察されたトナー群の飛翔状態を示す模
式図。
【図35】同シミュレーション7においてVs印加後に
仮想形成された電界の形状を示す模式図。
【図36】同DDC画像形成装置でドットNdを形成す
るときの電界の形状を示す模式図。
【図37】表2の各データを示すグラフ。
【図38】表3の各データを示すグラフ。
【図39】表4の各データを示すグラフ。
【符号の説明】
1 現像ローラ 2 FPC 2a リング状電極 2b 偏向制御電極対 2c トナー通過孔 3 紙 4 対向電極 5 トナー 6 トナー容器 7 ドクターブレード 8 高圧電源 9 画像電源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 597063831 Onnereds Brygga 13 421 57 Vestra Frolund a Sweden

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の微小開口部を互いに独立あるいは一
    連に設けた開口部保持部材と、該開口部保持部材と一体
    又は別体に設け、粒子担持体に担持させた電荷を有する
    画像形成粒子の該粒子担持体からの飛翔を制御させる複
    数の飛翔制御電極と、該開口部保持部材と一体又は別体
    に設け、画像形成粒子の飛翔経路の偏向を制御させる複
    数の偏向制御電極とを該粒子担持体と該粒子担持体に対
    向させた対向電極との間に配設し、画像情報に基づい
    て、該対向電極に対向電圧を印加するとともに、任意の
    飛翔制御電極に飛翔電圧を印加して該粒子担持体から画
    像形成粒子を選択的に飛翔させ、又は、任意の飛翔制御
    電極に飛翔電圧を、該偏向制御電極に偏向電圧をそれぞ
    れ印加して該粒子担持体から画像形成粒子を選択的且つ
    偏向的に飛翔させ、飛翔させた画像形成粒子を任意の微
    小開口部を通して該対向電極側に移行させることで、該
    対向電極又は該対向電極上の記録部材の表面に画像形成
    粒子を付着させて画像を形成する画像形成方法であっ
    て、該粒子担持体と該対向電極との間を飛翔させる画像
    形成粒子の集合体に対して、各画像形成粒子の分布範囲
    を飛翔させる方向に拡大させないように制御することを
    特徴とする画像形成方法。
  2. 【請求項2】請求項1の画像形成方法であって、上記制
    御が、画像形成粒子と上記微小開口部の内壁との衝突を
    軽減することを特徴とする画像形成方法。
  3. 【請求項3】請求項2の画像形成方法であって、上記粒
    子担持体から延び、且つ上記微小開口部の内部に進入す
    る電気力線のうち、該微小開口部の内壁に接触すること
    なく該微小開口部を通過する電気力線が、該接触する電
    気力線よりも多く形成されることにより、上記衝突が軽
    減されることを特徴とする画像形成方法。
  4. 【請求項4】請求項3の画像形成方法であって、上記飛
    翔電圧よりも画像形成粒子の電荷に対して逆極性側に大
    きな値の上記偏向電圧が印加されることにより、上記微
    小開口部の内壁に接触することなく該微小開口部を通過
    する電気力線が、該接触する電気力線よりも多く形成さ
    れることを特徴とする画像形成方法。
  5. 【請求項5】請求項4の画像形成方法であって、上記偏
    向制御電極と上記微小開口部との距離が、上記飛翔制御
    電極と該微小開口部との距離よりも大きいことを特徴と
    する画像形成方法。
  6. 【請求項6】請求項1の画像形成方法であって、上記制
    御が、上記開口部保持部材の上記粒子担持体との対向面
    に接触した画像形成粒子に対して、上記微小開口部を通
    過させないよいうにすることを特徴とする画像形成方
    法。
  7. 【請求項7】請求項6の画像形成方法であって、上記制
    御が上記逆極性側に大きな値の上記偏向電圧を印加させ
    ることにより、上記対向面に付着した画像形成粒子を該
    対向面から離脱させないことを特徴とする画像形成方
    法。
  8. 【請求項8】請求項6の画像形成方法であって、上記制
    御が所定のタイミングで上記飛翔電圧の極性を逆転させ
    ることにより、上記微小開口部の周囲の上記対向面から
    発し、且つ上記粒子担持体に到達する電気力線が形成さ
    れることを特徴とする画像形成方法。
  9. 【請求項9】請求項8の画像形成方法であって、上記所
    定のタイミングは、上記対向面に接触することなく上記
    微小開口部の入り口を通過する上記集合体の最後部が、
    上記粒子担持体と上記対向電極との間の所定位置を通過
    した後であることを特徴とする画像形成方法。
  10. 【請求項10】請求項9の画像形成方法であって、上記
    所定位置は、上記粒子担持体と上記対向電極とに挟ま
    れ、上記微小開口部に対向し、且つ、上記対向面よりも
    該対向電極側にある空間で、上記極性が逆転された後に
    形成される該粒子担持体へ向かう逆走向電界と、該対向
    電極に向かう正走向電界との境界に相当する位置より
    も、該対向電極側であることを特徴とする画像形成方
    法。
  11. 【請求項11】請求項9の画像形成方法であって、上記
    所定位置は、上記逆走向電界と上記正走向電界との境界
    に相当する位置よりも上記粒子担持体側にあり、上記集
    合体の最後部は上記極性を逆転された後の慣性力により
    該正走向電界の内側に到達することを特徴とする画像形
    成方法。
  12. 【請求項12】請求項8の画像形成方法であって、上記
    所定のタイミングは、上記対向面に接触した画像形成粒
    子が上記逆走向電界に相当する領域内で、慣性力を有し
    ていても上記正走向電界の内側に到達しない位置に存在
    するときであることを特徴とする画像形成方法。
  13. 【請求項13】請求項4又は5の画像形成方法であっ
    て、所定タイミングで、上記粒子担持体と上記対向電極
    とに挟まれ、上記微小開口部に対向し、且つ、上記対向
    面よりも該対向電極側にある全て又は一部の空間で該対
    向電極に向かって形成される正走向電界の形状を、該微
    小開口部の中心軸線に向かいながら該対向電極に向かう
    収束型に変形させることを特徴とする画像形成方法。
  14. 【請求項14】請求項13の画像形成方法であって、上
    記正走向電界の形状が、上記飛翔電圧、又は該飛翔電圧
    及び上記偏向電圧の値を変化されることにより変形され
    ることを特徴とする画像形成方法。
  15. 【請求項15】請求項14の画像形成方法であって、上
    記変化により、上記飛翔電圧の極性が逆転されることを
    特徴とする画像形成方法。
  16. 【請求項16】請求項15の画像形成方法であって、上
    記変化により、上記飛翔電圧の値が上記偏向電圧の値よ
    り上記逆極性側に大きくなることを特徴とする画像形成
    方法。
  17. 【請求項17】請求項16の画像形成方法であって、上
    記変化により、上記飛翔電圧と上記偏向電圧との電位差
    が、200[V]以上、600[V]以下になることを
    特徴とする画像形成方法。
  18. 【請求項18】請求項15の画像形成方法であって、上
    記変化により、上記偏向電圧の値が上記飛翔電圧の値よ
    り上記逆極性側に大きくなることを特徴とする画像形成
    方法。
  19. 【請求項19】請求項18の画像形成方法であって、上
    記変化により、上記飛翔電圧と上記偏向電圧との電位差
    が、200[V]以上、800[V]以下になることを
    特徴とする画像形成方法。
  20. 【請求項20】請求項13、14、15、16、17、
    18又は19の画像形成方法であって、上記所定タイミ
    ングは、上記集合体の最後部が上記対向電極又は該対向
    電極上の記録部材に到達し得る位置に存在するときであ
    ることを特徴とする画像形成方法。
  21. 【請求項21】請求項20の画像形成方法であって、上
    記所定タイミングは、上記集合体の最後部が上記収束型
    の電界に相当する領域内に進入する前であることを特徴
    とする画像形成方法。
  22. 【請求項22】請求項20の画像形成方法であって、上
    記所定タイミングは、上記集合体の先頭部が上記収束型
    の電界内の収束領域に相当する領域内に存在するときで
    あることを特徴とする画像形成方法。
  23. 【請求項23】請求項20の画像形成方法であって、上
    記所定タイミングは、上記集合体の先頭部が上記収束型
    の電界に相当する領域内に進入する前であることを特徴
    とする画像形成方法。
  24. 【請求項24】互いに独立あるいは一連に形成された複
    数の微小開口部を有する開口部保持部材と、該開口部保
    持部材と一体又は別体に形成され、粒子担持体に担持さ
    れる電荷を有する画像形成粒子の該粒子担持体からの飛
    翔を制御する複数の飛翔制御電極と、該開口部保持部材
    と一体又は別体に形成され、画像形成粒子の飛翔経路の
    偏向を制御する複数の偏向制御電極と、を該粒子担持体
    に対向する対向電極と該粒子担持体との間に備え、画像
    情報に基づいて、該対向電極に対向電圧を印加するとと
    もに、任意の飛翔制御電極に飛翔電圧を印加して該粒子
    担持体から画像形成粒子を選択的に飛翔させ、又は、任
    意の飛翔制御電極に飛翔電圧を、該偏向制御電極に偏向
    電圧をそれぞれ印加して該粒子担持体から画像形成粒子
    を選択的且つ偏向的に飛翔させ、飛翔させた画像形成粒
    子を任意の微小開口部を通して該対向電極側に移行させ
    ることで、該開口部保持部材と該対向電極との間に搬送
    した記録部材の表面に画像形成粒子を付着させて画像を
    形成する画像形成装置であって、請求項1乃至23の画
    像形成方法を用いて画像を形成する画像形成装置。
JP15843898A 1998-05-22 1998-05-22 画像形成方法及び画像形成装置 Withdrawn JPH11334136A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000051820A1 (fr) * 1999-03-01 2000-09-08 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Dispositif de formation d'image et procede associe

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2000051820A1 (fr) * 1999-03-01 2000-09-08 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Dispositif de formation d'image et procede associe

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