JP2004523378A - ダイレクトプリント装置及び方法 - Google Patents
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Abstract
コンピュータで生成された画像情報を、粒子源(3)から記録ヘッド機構を通過して背部電極に向かう帯電トナー粒子を選択的に移動させる静電場パターンに変換するダイレクトプリント方法及び装置である。記録ヘッド機構は、複数の開口と該開口に対応して配置された複数の制御電極とを備えており、帯電トナー粒子は、記録ヘッド機構に対して移動する受像面上に、画像の形状に付着する。制御手段は、画像位置領域の少なくとも一部においてアドレスドットあたり少なくとも35個の帯電トナー粒子に対応する量の帯電トナー粒子をアドレスするように構成されている。
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータにより生成された画像情報を、電気的に帯電された粒子を粒子搬送体から記録ヘッド機構を通じて受像面に向かって選択的に移動させる静電場パターンに変換するダイレクトプリント装置及び方法であって、それによって、受像面が記録ヘッド機構に対して移動することにより帯電粒子が受像面上に画像の形状に堆積するものに関する。
【0002】
より詳しくは、本発明は、ダイレクトプリントにおけるプリント文字の品質及び鮮明さを向上することに関する。
【背景技術】
【0003】
米国特許第5,036,341号には、コンピュータで生成された信号から直接に、受像基板上にトナー粒子により文書及び写真を生成するダイレクト静電プリント装置及び方法が開示されている。このような装置は一般的に、画像情報に従った制御により粒子源から受像媒体へ選択的に移動するトナー粒子を通過させる複数の開口が設けられた記録ヘッド機構を備えている。
【0004】
米国特許第5,036,341号の記録ヘッド機構は、列と行とに配列されて交差するワイヤからなる格子で形成されている。各ワイヤは個々の電源に接続されている。始めは、トナーがワイヤメッシュを通過してしまわないように、ワイヤは接地されている。受像基板上の所望のプリント位置が交差部分の下方を通過すると、対応する行及び列の隣接するワイヤには、粒子源からトナー粒子を吸引する静電場を生成するためのプリント電位が与えられる。トナー粒子は、交差する4本のワイヤで形成される四角形状の開口を通過して推進され、受像基板上に所望のパターンに堆積する。この記録ヘッド機構の構造上の欠点は、個々のワイヤが、隣接する開口の開放及び閉鎖に対して過敏となり、開口間のワイヤの縁が狭いことに起因して画像形成が不正確になり得ることである。
【0005】
この影響は、本出願人による米国特許第5,847,733号に記載された配置によって軽減される。米国特許第5,847,733号では、開口を有する絶縁基板に形成された制御電極配列を提案している。環状電極は各開口に関連づけられ、トナー粒子に対する開口の開閉を制御するように駆動される。各開口には更に、偏向電極が設けられている。それらは開口の周りに非対称の静電場を選択的に生成し、トナー粒子を受像部材に堆積される前に偏向するように制御される。この方法はドット偏向制御(DDC)と呼ばれる。これにより、個々の開口において、いくつかのドット位置にアドレスする(address)ことが可能となる。したがって、開口を密集させなくてもプリントのアドレス性(addressability)が向上する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ダイレクト静電プリントのプリント品質は非常に良好ではあるが、更なる向上が引き続き必要である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
したがって、本発明の目的は、ダイレクト静電プリント装置のプリント文字の品質及び鮮明さを向上することである。請求項1によれば、本目的は、画像位置領域の少なくとも一部においてアドレスドットあたり少なくとも35個の帯電トナー粒子に相当する量の帯電トナー粒子をアドレスするように構成された制御手段によって達成される。それは、それぞれのドットにおいて、ドットの明瞭な縁輪郭を提供するのに十分な数のトナー粒子を確保することによってなされる。
【0008】
本発明の更なる特徴及び長所は、明細書及び従属請求項に開示されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1〜4cに示す装置を使ってダイレクト静電プリントを行うために、粒子搬送体と背部電極との間で帯電粒子を移動させることを可能とする背景静電場がそれらの間に生成される。選択可能な複数の開口が設けられたマトリクス電極のような記録ヘッド機構は、背景電場の中における粒子搬送体と背部電極との間に挿入され、画像情報を静電場パターンに変換する制御ユニットに接続される。その静電場パターンは、画像情報に従った制御により、マトリクス電極の通路を選択的に開閉し、粒子搬送体からの帯電粒子の移動を許可又は規制する。開放された開口を通過することを許可された帯電粒子の調整された流れは、このようにして背景電場に晒され、背部電極に向かって推進される。帯電粒子は受像面に付着し、目に見える画像を形成するように1行ずつプリント走査される。
【0010】
ダイレクト静電プリントに用いられる記録ヘッド機構は、列と行とに配列された交差するワイヤからなる格子や、開口が形成された絶縁材料からなる基板であってそれら開口に応じて配置された制御電極からなるプリント回路が塗布された基板など、様々な手段をとり得る。一般的に、記録ヘッド機構は、粒子搬送体と対向する第1の面と、背部電極と対向する第2の面と、基板を貫通する複数の開口とを有してポリイミド等の絶縁材料からなるフレキシブル基板を備えている。第1の面は絶縁層で覆われ、制御電極は基板の第1の面と絶縁層との間に配置され、各制御電極がそれぞれの開口を取り囲むように形成されている。好ましくは、開口は、基板の幅方向を横断するように、すなわち受像面の移動方向と直交するように延びる1又は複数の列に沿って配置される。
【0011】
そのような手法によれば、各開口は、画像の横方向に関する特定のドット位置をアドレスするために用いられる。したがって、プリントの横方向のアドレス性は、記録ヘッドを貫く開口の密度によって制約される。例えば、300dpiのプリントアドレス性のためには、横方向に1インチ当たり300個の開口を有する記録ヘッド機構が必要となる。
【0012】
都合の良いことに、当該種類のダイレクト静電プリント装置は、ドット変更制御手段を備えている。それにより、各開口は、開口を通過するトナー粒子の移動を制御するだけでなく、受像面に対するそれらの移動の軌跡をも制御することによって、多くのドット位置をアドレスするために用いられ、それによって目的のドット位置を得る。DDC法は、記録ヘッド機構の開口の数を多くすることなくプリントアドレス性を向上させる。これは、記録ヘッド機構に、変更可能な偏向電位に接続された偏向電極を設けることによって達成され、その偏向電位は、各印刷周期の間、静電制御場の対称性を連続的に変更してトナー粒子の調整された流れを所定方向に偏向する。例えば、1印刷周期当たり3段階の偏向を行うDDC方法では、1インチ当たりわずか200個の開口しか備えていない記録ヘッド機構を用いて、600dpiのプリントアドレス性が得られる。
【0013】
改良されたDDC方法では、ドットサイズとドット位置の制御を同時に行う。この方法では、トナー粒子の調整された流れの収束を変動するように偏向電極を用い、ドットサイズを制御する。各開口は、それぞれ偏向電位D1,D2に接続された2つの偏向電極に囲まれており、制御電極により生成された静電制御場は両偏向電位D1,D2が同じ電位を有する限り実質的に対称となる。D1及びD2の電位は、受像面に向かって輸送されているときのトナー粒子に収束力を与えるように調整され、それにより小ドットが形成される。それと同時にドット位置は、トナーの軌跡を所定のドット位置に向けて偏向するように、D1とD2との電位差を調整することによって制御される。
【0014】
一般的に、DDC方法に用いられる記録ヘッド機構は、ポリイミド等の絶縁材料からなるフレキシブル基板であって、粒子搬送体に対向する第1の面と、背部電極に対向する第2の面と、基板を貫く複数の開口とを有するフレキシブル基板を備えている。第1の面は、制御電極を有する第1のプリント回路によって覆われ、第2の面は偏向電極を有する第2のプリント回路によって覆われている。両プリント回路は絶縁層によって被覆されている。このような方法を用いることにより、160ミクロンオーダーの直径を有する開口によって、60ミクロンのドットを得ることができる。
【0015】
図1は、少なくとも1つのプリントステーション、好ましくは4つのプリントステーション(Y,M,C,K)と、受像面を供給する中間部材1001と、駆動ローラ1010と、少なくとも1つの支持ローラ1011と、好ましくは多数の調整自在な保持要素1012とを備えた画像形成装置1000を示している。4つのプリントステーションは、中間部材1001に関連して配列されている。図1の中間部材、すなわち転写ベルト1001は、駆動ローラ1010に取り付けられている。少なくとも一つの支持ローラ1011には、転写ベルト1001に一定の張力を与える機構が設けられ、転写ベルト1001の横方向の移動が防止されている。保持要素1012は、転写ベルト1001を各プリントステーションに対して正確に位置決めするためのものである。
【0016】
図1の駆動ローラ1010は、ベルト1001の移動方向と直交するように延びる回転軸を有し、1印刷周期あたり1アドレスドット位置の速度でベルト1001を搬送して1行ごとにプリント走査を行わせるような回転速度を有する円筒形の金属製スリーブである。調整自在な保持要素1012は、ベルトの表面を各プリントステーションから所定の隙間を存した位置に維持するように配置されている。図1の保持要素1012は、少なくとも各プリントステーションの近傍でベルト1001をわずかに傾け、ベルト張力と共同してベルトを安定させる力の成分を生成するために、正確な配置でもってベルト移動方向と直交するように配置された円筒形スリーブである。安定させる力の成分は、対応するプリントステーションに働く電位差の相互作用に起因してベルト1001に作用する静電吸引力成分と逆方向で、かつ、好ましくは静電吸引力成分よりも大きな力である。
【0017】
図1に示す装置における転写ベルト1001は、基材として厚みが30〜200ミクロンの複合材料からなる無端ベルトである。基部の複合材料は、熱可塑性ポリアミド樹脂、又は、ガラス転移点が260℃かつ融点が388℃のような高い熱抵抗を有し、250℃オーダーの温度未満で安定した力学的性質を有する他の好適な材料を含んでいてもよい。転写ベルトの複合材料は、カーボン等のような充填材が均一密度に含まれており、それにより、転写ベルト1001の全表面にわたって均一な導電特性が得られる。図1の転写ベルト1001の外表面は、適当な導電性、熱抵抗、付着特性、剥離特性、及び表面粗さを有する導電性ポリマーからなり厚みが5〜30ミクロンの被覆層によって覆われている。
【0018】
転写ベルト1001は4つの異なるプリントステーションを通過するように搬送され、トナー粒子は転写ベルトの外表面に付着し、重なり合って4色のカラー画像を形成する。トナー画像は、転写ベルトの内側表面に直接接触して横方向に配置された固着ホルダー1014を備える溶融ユニット1013を通過するように搬送される。固着ホルダーは、好適には例えばモリブデンのような抵抗体材料からなり、転写ベルトの内側表面と接触するように保持された加熱エレメント1015を備えている。加熱エレメント1015に電流が流れると、固着ホルダー1014は、転写ベルト1001の外側表面に付着したトナー粒子が溶融するのに必要な温度に達する。溶融ユニット1013は更に、転写ベルト1001の幅方向を横断するように配置され固着ホルダー1014に対向する加圧ローラ1016を備えている。図1に示す装置では、未印刷の紙やダイレクトプリントに適当な他の媒体のような情報搬送体1002は、紙供給ユニット1021から送り出され、加圧ローラ1016と転写ベルトとの間で搬送される。加圧ローラ1016は固着ホルダーの加熱面に対して加圧されながら回転し、それによって、溶融したトナー粒子が情報搬送体1002上で固着され、永続的な画像が形成される。溶融ユニット1013を通過した後、転写ベルトは、クリーニングエレメント1017と接触するようになる。クリーニングエレメント1017は、例えば繊維状材料からなり転写ベルト1001の幅方向に延びる交換可能な剥離ブレードのようなものであり、転写されていないトナー粒子を外側表面から除去するものである。
【0019】
組み合わされた画像の転写及び溶融の工程を一つのユニットで行う代わりに、情報搬送体への画像の転写及び溶融/固着は、分離されたユニットで行われる。通常、溶融ユニットには、紙を外部トレイへ送り出す手段が設けられており、紙はその外部トレイからユーザによって回収される。
【0020】
トナー粒子は、粒子の電荷及び粒子と粒子搬送体の表面との間の距離に本質的に関連する吸着力によって、粒子搬送体(例えば図2〜3の1033)の表面に担持される。選択された開口を通じてトナーを移動させるために制御電極に与えられる静電場は、適当な量のトナー粒子が吸着力に打ち勝って粒子搬送体から放出されるのに十分なように選択される。静電場は、放出されるこれら粒子が選択された開口を通過するのに十分な運動量を得るまで、与えられる。その後、移動してきたトナー粒子は、背部電極からの吸引力にさらされ、受像面に受け止められる。
【0021】
電荷量、電荷分布、粒子径等の各トナー粒子の特性は、ダイレクトプリント方法におけるプリント性能にとって特に重要であることが分かっている。したがって、大きなトナー粒子は制御電極列の開口を閉塞しやすいので、トナー粒子のサイズ及びサイズ分布はプリント結果に影響を与える。加えて、選択された“開いた”開口を通過することを許可されたトナー粒子は、背部電極からの均一な吸引場の影響のもと、受像面に向かって加速される。移動粒子のプリント面における分布を制御するために、偏向パルスを与えることによって粒子を偏向することができ、その結果、受像面におけるアドレス可能な領域が増大する。それゆえ、表面電荷の小さな小粒子は、偏向特性が小さい。
【0022】
通常、トナー粒子はいわゆる溶融粉砕法によって生成される。その方法では、混合プロセスを用いながら、着色した樹脂を分散された色剤及び他の添加剤と共に粉砕及び分類する。しかし、この方法は、小径のトナー粒子を生成するのに理想的な方法ではない。なぜなら、生成量が比較的少なく、粒子サイズの変動が大きく、不均一な組成を有するトナー粒子が生産されやすいからである。不均一なトナーでは、電荷の均一性が劣り、プリントの品質を損なうことがある。
【0023】
トナー粒子は、化学重合法によっても生成することができ、この方法は、均一なサイズの小さなトナー粒子を生成するのにより適している。基本的な3つの方法がある。すなわち、懸濁重合法、分散重合法、及びエマルジョン重合法である。懸濁重合法及び分散重合法では、10ミクロン前後の大きさの完全に球形なトナー粒子が生成される。エマルジョン重合法では、サブミクロン以下のサイズの重合体粒子が生成され、それら粒子は、ミクロンオーダの粒子を形成するように、その他の方法、例えば熱溶解又は凝固によって集められる。集められた粒子の形状は、集合プロセスの進行の条件次第で、ぶどうの房のような形から球形へと変化する。
【0024】
トナー粒子は、多くの成分を含むことができる。例えば、シクロヘキサン又はノルボルネンのような2重結合の脂環式化合物からなる共重合体や、エチレン、プロピレン又はブチレンのようなアルファオレフィン等の、サイクリックポリオレフィンを基材とする結合樹脂(binding resin)である。したがって、トナー粒子は2つ又は複数の成分を含んでいてもよい。
【0025】
ダイレクトプリントに用いられるトナーは、例えば印刷中にトナー供給システム内で再循環されるキャリヤービーズの形状をとる適当なトナーキャリヤーを含んだ多成分からなるトナーであってもよい。トナー樹脂及びトナーキャリヤーに加えて、多成分トナーには、異なる色材、電荷量調整剤、磁性添加剤、容積添加剤(bulk additives)、表面添加剤、導電性添加剤等が含まれていてもよい。好適には、トナー粒子は不規則な表面構造を有し、平均直径は3〜8ミクロンの範囲にある。当該適応対象によっては、導電性トナー粒子、非導電性トナー粒子、非磁性トナー粒子、又は磁性トナー粒子を設けて利用するようにしてもよい。
【0026】
図2に示すように、画像形成装置のプリントステーション、例えば図1に示されるプリントステーションは、好適にはトナー粒子を保持するための交換可能又は再充填可能な容器1030を有する粒子供給ユニット1003を備える。容器1030は、前壁及び後壁(図示せず)と、一対の側壁と、前壁から後壁に向かって細長い開口1031を有する底壁とを備えており、トナー粒子を粒子帯電部材1034を介してスリーブ1033に連続的に供給するように配置されたトナー送給エレメント1032が設けられている。粒子帯電部材1034は、好適には、繊維状の弾性材料で形成あるいは覆われた供給ブラシ又はローラによって形成されている。供給ブラシは、供給ブラシの繊維状物質とスリーブの適当な被覆材料との間に生じる摩擦作用を通じてのトナー粒子の摩擦電気に起因する接触電荷交換により粒子を帯電するために、スリーブ1033の周囲面と機械的に接触する。スリーブ1033は、好ましくは導電性材料で被覆された金属で形成され、好ましくは実質的に円筒形状を有し、粒子容器1030の細長い開口1031と平行に延びる回転軸を有する。帯電されたトナー粒子は、本来的に(Q/D)2に比例する静電力によりスリーブ1033の表面に保持される。ここで、Qは粒子の電荷量であり、Dは粒子の中心とスリーブ1033の境界との間の距離である。選択的に、帯電ユニットは付加的に充電電源(図示せず)を備えていてもよく、それはトナー粒子に電荷を誘導又は注入するための静電場を供給する。粒子の帯電は接触電荷交換により行うことが最も望ましいのではあるが、通常の電荷注入ユニット、電荷誘導ユニット又はコロナ充電ユニットなどのような他の好適な充電ユニットを用いて行うこともできる。
【0027】
計量エレメント1035は、スリーブ1033の周囲面上のトナー粒子の凝集を調整するために、スリーブ1033のすぐ近くに位置づけられており、その面上に比較的薄い均一な粒子層を形成する。計量エレメント1035は、柔らかい又は堅い、絶縁性の又は金属のブレード、ローラ又は粒子層を均一の厚さにするのに好適な他の部材から形成されていてもよい。計量エレメント1035は、粒子層の摩擦電気に影響を与えてスリーブ表面の粒子の電荷密度を均一にする計量電源(図示せず)に接続されていてもよい。
【0028】
粒子充電部材及び計量エレメントには、種々の様式及び材料を用いることができる。例えば、粒子充電部材は、繊維状の弾性力のある材料に代わって、重合発泡材料(polymeric foam material)によって形成されていてもよく、それを含んでいてもよい。
【0029】
図3において、スリーブ1033は、記録ヘッド機構1005をスリーブ1033の周囲面に対して所定の位置に適切に支持及び保持するための位置決め装置1040に関連づけて配置されている。位置決め装置1040はフレーム1041により形成されており、フレーム1041は、前側部分と、後側部分と、スリーブ1033の各側方においてその回転軸と平行に配置された横方向に延びる2つの側方規制体1042,1043とを備えている。第1の側方規制体1042は、スリーブ1033の回転方向の上流側に配置され、記録ヘッド機構1005を記録ヘッド機構1005の全幅にわたって横断するように延びる横断固定軸に沿って固定するための固定手段1044が設けられている。第2の側方規制体1043は、スリーブ1033の下流側に位置づけられ、記録ヘッド機構1005をスリーブ1033の周囲面に対して所定の位置に支持するための支持エレメント1045又はピボットが設けられている。支持エレメント1045及び固定軸が互いに上記のように位置づけられていることから、記録ヘッド機構1005は少なくとも一部の長さ方向に沿って弓なりの姿勢に保持されている。この弓形状は、支持エレメント1045と固定軸との相対位置によって定まる曲率半径を有し、記録ヘッド機構1005の一部をスリーブ1033の周囲面の対応する部分の周りに湾曲するように大きさが決められている。支持エレメント1045は、その長手軸上の固定支持位置で記録ヘッド機構1005と接触するように配置され、固定支持位置の縦方向及び横方向の双方に関する記録ヘッド機構1005の微小な位置変動を許容しており、スリーブ1033に起こりうる偏心又は好ましくない他の変動を調整している。つまり、支持エレメント1045は、記録ヘッド機構1005を固定点まわりに揺動自在にするように配置され、記録ヘッド機構1005とスリーブ1033の周囲面との間の距離は、スリーブ1033の好ましくない機械的欠陥の有無に拘わらず、印刷プロセスの各時期ごとに全横断方向に沿って一定に維持される。位置決め装置1040の前側部分及び後側部分には、固定部材1046が設けられており、トナー供給ユニット1003は固定部材1046上において、スリーブ1033の回転軸と記録ヘッド機構1005の横軸との間の距離を一定にするための固定位置に取り付けられている。好ましくは、固定部材1046は、プリントステーションに対向する転写ベルトの対応する保持エレメント1012からスリーブ1033を正確に離すために、スリーブ1033の前端及び後端に配置されている。固定部材1046は、好ましくは、スリーブ1033の回転軸と対応する保持部材1012の中心横断軸とが平行になるような及び平行となることを維持するような大きさになっている。
【0030】
図4a,4b,4cに示すように、例えば図1に示すような型の画像形成装置の記録ヘッド機構1005は、ポリイミド等のような可撓性のある絶縁材料からなる基板1050を備えている。基板1050は、所定の厚みを有しており、スリーブ(粒子搬送体)に対向する第1表面、転写ベルトに対向する第2表面、全プリント領域にわたってスリーブ1033の回転軸と平行に延びる横断軸1051、及び第1表面から第2表面にかけて基板1050を貫くように配置された複数の開口1052を備えている。基板の第1表面は、例えばパリレンなどのような絶縁材料からなる第1カバー層1501に覆われている。第1プリント回路は、開口に対応して配列された複数の制御電極1053を有し、更にいくつかの実施形態では制御電極1053に対応して配置されたシールド電極構造(図示せず)を有し、基板1050と第1カバー層1501との間に配置されている。基板の第2表面は、例えばパリレンなどのような絶縁材料からなる第2カバー層1502に覆われている。第2プリント回路は、複数の偏向電極1054を有し、基板1050と第2カバー層1502との間に配置されている。記録ヘッド機構1005は帯電防止材料、好ましくは酸化シリコン等のような半導体材料からなる層を更に備えており、転写ベルト1001に対向する第2カバー層1502の少なくとも一部の上に配置されている。記録ヘッド機構1005は、制御電極1053に接続された可変制御電源を備える制御ユニット(図示せず)と協同し、各プリント動作の間、対応する開口1052を通じて移動するトナー粒子の量を制御する制御電位を供給する。制御ユニットは、対応する開口1052を通過するトナー粒子の収束及び軌跡を制御する偏向電圧パルスを供給するために、偏向電極1054に接続された偏向電源(図示せず)を更に備えている。ある種の型式では、制御ユニットは、シールド電極に接続されたシールド電源(図示せず)も備え、隣接する制御電極1053を互いに静電気的に仕切るシールド電位を供給し、それらの間の電気的な相互干渉を防止する。基板1050は、好適には、約50ミクロンオーダの厚さのポリイミドからなる可撓性シートである。第1及び第2のプリント回路は、通常のエッチング技術を用いて基板1050の第1及び第2の表面にそれぞれエッチングされたほぼ8〜9ミクロンの厚さの銅製回路である。第1及び第2のカバー層1501,1502は、真空蒸着法によって基板1050上に積層された5〜10ミクロンの厚みのパリレンである。開口1052は、一般的なレーザミクロ機械加工法を用いて、記録ヘッド機構1005を貫通して形成される。開口1052は、好ましくは軸を中心とした円形又は細長い形状を有し、直径が80〜120ミクロンの範囲、あるいは、短径が約80ミクロンで長径が約120ミクロンである。開口1052は好ましくは軸に沿って一定の形状を有し、例えば円筒形状の開口であるが、いくつかの実施形態において好適には、軸に沿って連続的又は段階的に形状が変化する開口、例えば円錐形の開口であってもよい。
【0031】
好ましい態様では、記録ヘッド機構1005は、各印刷周期において3回の偏向工程を用いて600dpiの印刷を実行するように寸法づけられる。つまり、各印刷周期の間に、記録ヘッド機構の各開口1052を通じて3つのドット位置がアドレス可能である。したがって、横方向の各々3つのドット位置に対して、1つの開口1052が設けられている。すなわち、記録ヘッド機構1005の横方向と平行に、1インチあたり200個の開口が等間隔に配置されている。開口1052は、一般的に、1列又は数列に整列され、好ましくは、各列が1インチあたり100個の開口を備える2列の平行な列に整列されている。一方、開口ピッチ、つまり、同一の列の隣り合う開口の軸間距離は、0.01インチ又は約254ミクロンである。開口の列は、好ましくは記録ヘッド機構1005の横軸1051のそれぞれの側に位置づけられ、すべての開口が横方向に等間隔に配列されるように互いに横方向にずらされている。開口の列の間の距離は、好ましくは、ドット位置の全数に対応して選ばれる。
【0032】
第1のプリント回路は、それぞれが対応する開口1052の周囲を囲む環状構造を有する制御電極1053と、好ましくは長手方向に延び、環状構造を対応する制御電源に接続するコネクターとを備える。環状構造が好ましいものの、制御電極1053は、開口1052を連続的又は部分的に取り囲む種々の形状をとることができ、好ましくは開口の軸に関して対称性を有する形状をとることができる。いくつかの実施形態では、特に開口1052が一列に並んでいるときに、好適には、制御電極は縦方向長さよりも横方向長さの方が短い。
【0033】
第2のプリント回路は、複数の偏向電極1054を備えている。各偏向電極1054は、対応する開口1052周囲の所定部分の周りに配置された2つの半円状又は三日月状の偏向切片1541,1542に分割されている。偏向切片1541,1542は、開口1052の中心を通って延び縦方向と所定の偏向角度dをなす偏向軸1543の各側において、開口1052の軸に関して対称に配置されている。偏向軸1543は、各印刷周期のベルト移動の影響を消すために、各印刷周期の間に実行される偏向工程の数に応じて寸法づけられ、転写ベルト上の横方向のドット位置を揃える。例えば、偏向工程を3回行うときには、適当な偏向角度はarctan(アークタンジェント)(1/3)、すなわち約18.4°に決定される。したがって、第1のドットはベルト移動方向の上流側に若干偏向され、第2のドットは偏向されず、第3のドットはベルト移動方向の下流側に若干偏向される。これにより、転写ベルト上に、横方向に揃ったドットが得られる。したがって、各偏向電極1054は、上流側切片1541と下流側切片1542とを備え、上流側切片1541はすべて第1の偏向電源D1に接続され、下流側切片1542はすべて第2の偏向電源D2に接続されている。各印刷周期において、3つの偏向工程(例えば、D1<D2;D1=D2;D1>D2)を行うことができ、D1とD2との差によって、各開口1052を通じてのトナー粒子の偏向軌跡が決定され、トナー画像のドット位置が決定される。
【0034】
記録ヘッド機構は、種々の仕様又は材料で構成することができる。例えば、真空蒸着法により基板上に堆積される代わりに、被覆層は基板上に積層された5〜20ミクロンの厚さのフィルムで構成されていてもよい。更に、ドット偏向制御が用いられないような応用例の場合には、偏向電極はもちろん不要となる。
【0035】
図5は、円筒形ドラム2001に受像面が設けられてなる画像形成装置2000の簡単化された概略図である。画像形成装置は、それぞれ一色ごとに設けられた1又は複数のプリントステーション2003を備えている。通常、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの色が用いられる。各プリントステーション2003は、好適には細長いカートリッジアセンブリの形態を有し、記録ヘッド機構2005の近傍に配置される。記録ヘッド機構2005は、選択可能な複数の開口を有するマトリクス電極を備え、マトリクス電極は、対応するカートリッジ2003と背部電極との間に現れる背景電場内に挿入されている。背部電極は、図5の画像形成装置では、円筒形ドラム2001により構成されている。ドラム2001は、画像形成装置が動作している間中回転するように設けられている。このため、ドラム2001は、駆動手段(図5では図示せず)によって駆動される。さらに、ドラム2001は、印刷に用いられる紙(又は、他の情報媒体)の長さよりもわずかに長い円周を有している。ドラム2001は、アルミニウムで形成されていることが好ましいが、好適な性質を有する他の材料で形成されていてもよい。
【0036】
各記録ヘッド2005は、制御ユニット(図5では図示せず)に接続されている。制御ユニットは、当該画像情報を静電場のパターンに変換し、対応するカートリッジ2003からの帯電トナー粒子の移動を許容又は規制するように、マトリクス電極の通路を選択的に開閉する。このような方法により、帯電粒子は、背部電極すなわちドラム2001に向かって、開いた開口を通過することができる。そして、帯電トナー粒子は、ドラム2001の表面に堆積する。したがって、図5の画像形成装置では、ドラム2001は背部電極及び受像面の双方を構成している。
【0037】
動作中にドラム2001が回転することによって、ドラム上に形成された画像は、記録紙や印刷に好適な他の媒体からなるシートのような情報搬送体2002に対し、転写される。記録紙シート2002は、用紙供給ユニット2021から送り出され、搬送されてドラム2001の下方を通過する。画像を記録紙シート2002に転写するために、記録紙シートはベルト2017によりドラム2001に押しつけられて接触する。ベルト2017もまた、ベルト2017が巻かれた2つのローラ2016によって駆動される。このように、トナー粒子はドラム2001の外側表面上に堆積し、そして、記録紙シート2002上に重ね合わされて4色の画像を形成する。
【0038】
したがって、ベルト2017の機能は、転写工程を規定する。ベルト2017は、ドラム2001の受像面の最も低い部分に位置することが好ましい。その結果、トナー粒子に作用する重力により、動作の間、受像面から記録紙シート2002への粒子の転写が促進される。
【0039】
前記帯電粒子により記録紙シート2002上に画像が形成された後は、記録紙シート2002は溶融ユニット2013に送り出される。溶融ユニット2013では、記録紙シート2002上に画像が定着される。特に、溶融ユニット2013は、加熱エレメント、好適にはモリブデン等の抵抗型の加熱エレメントを有する定着ホルダー(図示せず)を備えている。加熱エレメントに電流が流れると、定着ホルダーは記録紙シート2002に堆積したトナー粒子を溶融するために必要な温度に到達する。溶融ユニット2013は更に、記録紙シート2002の幅方向にわたって横方向に配置された加圧ローラ(図示せず)を備えている。加えて、溶融ユニット2013には、記録紙2002を外部トレイ(図示せず)に送り出す手段が設けられている。外部トレイの記録紙はユーザによって取り出される。
【0040】
更に、溶融ユニット2013を通過した後に、記録紙シート2002は、転写されなかったトナー粒子を記録紙シート2002から除去するクリーニングエレメント(図示せず)と接触する。クリーニングエレメントは、例えば、記録紙シート2002(または、他の好適な情報搬送体)の幅方向にわたって延びる繊維状材料からなる交換可能なスクレーパーブレード(scraper blade)で構成される。
【0041】
プリントステーション2003及び記録ヘッド機構2005は、ハウジングエレメント(図5には図示せず)に搭載され、ドラム2001に対して所定の位置に維持されている。
【0042】
図5に示すような種類の画像形成装置は、マルチパス方法のダイレクトプリントに特に好適であり、マルチパス方法によれば、所定数の開口を備える記録ヘッド機構の解像度を増加させることができる。記録ヘッド機構2005の開口数よりも大きな解像度を実現するために、ドラム2001により供給される受像面の2以上のパスの間マルチパスプリントは行われ、各パスにおいて、縦方向の複数の行のプリントが堆積される。行の一部分がドットのない状態で残されるような画像内容であるために行のすべての部分がドットを受けないとしても、プリントの縦行(column)とは、1つ又は複数の開口による印刷ドットを受ける受像面の縦行のことである。一部分がドットのない状態で残されるような画像内容であるために横行のすべての部分がドットを受けないとしても、プリントの横行とは、複数の開口からの印刷ドットを受ける受像面の横行のことである。プリントの横行における隣接する2つの縦行の間の最も短い距離は、2つの画素間のピッチ又は距離として規定される。第1パスの後、次のパスは長手方向に関して第1パスと同一の側であってもよく、反対側であってもよい。
【0043】
横方向は、受像面が円筒形ドラム上に設けられている場合、ドラム表面の記録ヘッド機構に向かう円筒の径方向ベクトルに直交する方向であり、ドラムの回転軸と平行なドラム表面に沿った方向である。受像面が転写ベルトに設けられた場合、横方向はベルト面内のベルト移動方向と直交する方向である。ベルトの移動とは、ベルトが2つのローラ(図示せず)の周りを移動するために必要な移動である。したがって、横方向は、通常、これらローラの軸と平行となる。縦方向は受像面すなわち転写ベルト又はドラムの面内における横方向と直交する方向である。ドラムの場合、縦方向は、横方向と直交しドラムの表面に沿った方向である。転写ベルトの場合、縦方向は、ベルトの表面の位置に拘わらず、ローラの回転軸と直交しベルトの表面の面内に位置する方向である。
【0044】
以下の説明では、画像又は印刷可能な領域が参照される。本内容では、受像面の領域上のトナー粒子によって画像が形成される。また、画像には、トナー粒子を受け止めることができるものの、画像内容に応じてトナー粒子を受け止める必要がないためにトナー粒子を受け止めない印刷可能な領域が含まれる。典型的には、画像はA4用紙のほぼ全体の面積にわたって印刷されるが、印刷されない余白に囲まれた小さな面積であってもよい。例えば、画像には、同一の記録紙シートに印刷される複数の絵又は印刷領域を含んでいてもよい。A4の記録紙を例にとって説明するが、記録紙のサイズはA4に限定されず、A3、A5又は他のサイズであってもよい。
【0045】
同一方向に2パスのダイレクトプリントを実行すると、単位長さ当たりの開口数は、単一パスで所望の解像度を得るために必要とされる数の半分となる。第1パスでは、受像面に前半の画像が形成される。前半の画像は、意図する最終画像の一つおきの縦行を備えている。すなわち、一行おきに印刷され、一行おきに印刷されないことになる。当該受像面及び記録ヘッドは、受像面の移動方向を横切る方向に相対移動する。この相対移動は、当業者に知られている任意の適当な手段によって実行される。そして、第2パスにおいて、残りの行が印刷され、完全な画像が形成される。第2パスは、第1パスと同じ縦方向又は反対の縦方向に移動する受像面に対して実行される。図6及び図7に、この作用を示す。第1パスで印刷される領域は、図6においてハッチングされた領域1161で表される。図7は、第2パス後の受像面の同一セクションを表している。第2パスで印刷された領域は、異なったハッチングがされた領域1162によって示される。
【0046】
ドット密度、つまり、ドットを形成するために用いられるトナー粒子の量は、利用できるトナー粒子の量が不足することに起因して、記録ヘッド機構の開口位置によって異なる。これは、スターべーション効果(starvation effect)として知られている。ドット密度の変動は、同一の列の開口間及び/又は異なる列の開口間でも生じうる。議論している例では、一列の開口しかなく、2つのパス間で、列は1ドットピッチだけ横方向に移動する。本ケースでは、隣り合う一対の列は、同一の開口によって印刷される。これは図8に示されており、開口の第1の位置は参照符号1170で示され、第2パスにおける同一の開口の位置は、参照番号1171で示されている。そのため、各開口は、隣り合う2つの行を印刷することにより、2行分の印刷を行う。もし、例えば、4番目ごとの開口が前述したスターべーション効果を受けたとすると、これらの開口は、残りの開口によって生成される行よりも低い光学濃度(optical density)を有するプリント行を生成する。もし、開口列が1ドットピッチだけ横方向に移動したとすると、隣り合う行はより低い濃度で印刷されることになる。その結果、行の幅は、単一の開口で印刷される幅の2倍の幅となる。このような2倍の幅の行は、見る人にとって、より目立つことになる。2パスにおいて単一の開口によって生成される低濃度の行は、薄い色調を有しており、図8の参照番号1172で表される。2パスにおいて単一の開口によって生成される高濃度の行は、濃い色調を有しており、図8の参照番号1173で表される。
【0047】
図9に示すように、この“スターべーション”を低減するため、開口の列を、パス間において横方向に1ドットピッチ以上移動させることができる。列は、横方向に横方向ピッチLの2N+3倍移動される。ここで、Nは0を含む整数である。Nは、横方向の移動により十分な数の開口を利用して画像を印刷するように、開口数と印刷される画像の幅とに依存する最大の値をとる。ピッチLは隣接するドット同士の距離である。600dpi(dots per inch)の場合、ピッチは約42ミクロンである。600dpiの2パス印刷の場合、開口の1列の移動は、約127ミクロン、あるいは前述の式で特定されるように、それよりも大きな整数倍である。これは図9に表されており、開口列は、第1パスが生じる参照番号1180で示される第1の位置から、第2パスが生じる参照番号1181で示される位置にまで移動する。薄い影がつけられた開口は、低濃度のドットを生じる開口を表している。一方、薄い影がつけられた行は、低濃度の印刷行を表している。図9において、同一の開口によって2パスで生じた低濃度の行は、参照番号1182で表され、同一の開口によって2パスで生じたより高濃度の行は、参照番号1183で表されている。図9から分かるように、低濃度の行1182は、図8の行1172よりも幅が狭く、見る人にとってより見にくくなっている。図9の画像の側方の領域から明らかなように、各印刷行のすべてが開口によって印刷されるという訳ではない。意図する画像を印刷するために開口のすべてが必要とはならないように、列の開口の数は選択されている。印刷領域外の列の端部の開口からの印刷は抑制されている。
【0048】
図10は、3パスプリントの概略図である。図10において、開口の列は、参照番号1191で表され第1パスが生じる第1の位置から、参照番号1192で表され第2パスが生じる位置に移動し、そして、参照番号1193で示される位置に移動する。横方向の単位長さ当たりの開口数は、単一パスの解像度を達成するために必要とされる数の1/3である。第1パスでは、画像の1/3が形成される。この1/3の印刷行は、参照番号1194で示されている。受像面と記録ヘッド機構とは、受像面内における印刷方向と直交する方向に相対移動し、好ましくはドラム(又はベルト)によって横方向に移動する。第2パスでは、参照番号1195で示される画像の第2行が印刷される。Nが0を含む整数であるとした場合、記録ヘッド機構は横方向ピッチの3N+2倍の量だけ横方向に移動する。Nは、横方向の移動により十分な数の開口を利用して画像を印刷するように、開口数と印刷される画像の幅とに依存する最大の値をとる。第2パスは、ベルトが第2パスとして同一の縦方向又は逆方向に移動することによって生じる。最終の第3パスでは、参照番号1196で示される画像の残りの行が印刷される。第2パスと第3パスとの間において、記録ヘッド機構は横方向ピッチLの3N+2倍の長さだけ横方向に移動する。なお、Nは0を含む整数である。Nは、横方向の移動により十分な数の開口を利用して画像を印刷するように、開口数と印刷される画像の幅とに依存する最大の値をとる。第3パスは、受像面が第1パスと同一方向又は逆方向に移動することによって生じる。図10は、第3パスの終わりにおける受像面を概略的に表している。薄い影がつけられた開口は、低濃度のドットを生成する開口を表している。薄い影がつけられた行は、低濃度の印刷行を表している。これら低濃度の行は、互いに隣接していないことが分かる。各パスの間では、開口列は横方向ピッチLの3N+2倍の長さだけ横方向に移動する。あるいは、列は、各パスの間で横方向ピッチの3N+4倍の長さだけ横方向に移動してもよい。なお、Nは0を含む整数である。開口の数及び横方向長さは、意図する画像を印刷するのに開口のすべてを使う必要がないように選択される。印刷領域外の列の端部の開口からの印刷は抑制されている。本装置は、使用しない開口が開口の列又は列群の両端に位置し、パスの間、両端の開口又は開口群が同時に使用されないように構成されていてもよい。
【0049】
一般に、画像を完成させるために必要なパス数をP、0を含む整数をNとした場合、1列の開口を備えた記録ヘッド機構では、移動量は少なくともピッチ長さのPN+P+1倍又はPN+Pー1倍でよい。しかし、あるパス数では、移動量の可能性はより許容される。5パスでは、移動量はピッチ長さXの5×N+X倍であってもよい。なお、Xは2、3、4又は6であり、Nは0を含む整数である。本ケースでは、X=4とX=6とは前記一般式に対応し、X=2とX=3とは特別の値である。さらに、7パスでは、移動量はピッチ長さの7×N+X倍であってもよい。ここで、Xは2、3、4、5、6、又は8であり、Nは0を含む整数である。本ケースでは、X=6とX=8とは、前記一般式に対応し、X=2、3、4又は5は特別な値である。特別な値は、特にパス数が素数の場合に生じる。本ケースでは、ピッチ長さの数は、7の倍数又は1以外である。
【0050】
記録ヘッド機構は、1列以上の横方向の開口列を備えていてもよい。横方向の各開口列の開口数は、等しくてもよく、異なっていてもよい。開口列の各開口のピッチは、等しくてもよく、異なっていてもよい。各列の開口間のピッチは、各列において等しくてもよく、異なる列では異なるピッチの開口を含んでいてもよい。ある列の開口は、他の列の開口に対して千鳥状に配置されている。2列の開口列を有する記録ヘッド機構では、ある列の開口は、他の列における開口の間の中心位置に配置されていてもよい。あるいは、ある列の開口は、他の列の開口に対して中心からずれるように配置され、縦方向に揃わないようにしてもよい。また、1つの記録ヘッドに対し、3列以上の開口を設けてもよい。開口列の数は各記録ヘッドにおいて等しくてもよく、異なっていてもよい。
【0051】
これは図11に表され、記録ヘッド機構は2列の開口1201、1202を備えている。ある列の開口1201は他の列の開口1202に対して横方向にずれている。図示された開口は互いに横方向に同一距離だけ離れているが、これは本質的ではない。各開口列は、完成画像を印刷するのに必要とされる単位長さ当たり開口数の1/6の開口を備え、2列の開口列によって、完成画像を印刷するのに必要とされる単位長さ当たり開口数の1/3の開口を備える。画像は、記録ヘッド機構により3パスで印刷される。第1、第2及び第3パスの開口列の位置は、1203、1204及び1205でそれぞれ表される。各パスの間で、記録ヘッド機構及び受像面は、ピッチ長さLの4倍の距離だけ相対移動する。図11では、第2開口列によって印刷された印刷行には、影がつけられている。第1、第2及び第3パスの間印刷される行は、1206、1207及び1208でそれぞれ示される。図11から分かるように、ピッチ長さの4倍だけ移動することにより、隣接する印刷行は異なる列に属する開口によって印刷されることになる。
【0052】
印刷中、開口列には同量のトナー粒子が供給されないかもしれない。ある列はトナー搬送体の移動に関して常に他の列よりも上流側又は下流側にあるので、上流側の列には下流側の列よりも多量のトナーが供給される。その結果、下流側の列は他の列よりも低濃度のドットを形成するかもしれない。隣接する印刷行が同一列の開口によって印刷されるとすると、低濃度であることがより明瞭となり、幅が2倍の低濃度の行が生成される。おそらく、隣接する2つの印刷行は同一列の開口によって生成されることはなく、低濃度の行は常に互いに離れて目立たなくなっている。しかし、行幅の4倍のパス間で相対移動させて画像を描く場合、移動量は行幅の8倍となるかもしれない。列の開口数及び開口の横方向長さは、意図する画像を印刷するのに各列の開口の全ては必要とされないように選択されている。印刷領域外の列の端部の開口からの印刷は抑制されている。本装置は、使用しない開口が開口の列又は列群の両端に位置し、パスの間、両端の開口又は開口群が同時に使用されないように構成されていてもよい。
【0053】
さらに、いわゆるDDC開口制御を用いてもよい。DDC制御を用いると、各開口は単一のパスで1行以上の印刷が可能となる。DDC制御では、互いに隣接していない1つの開口から行を印刷するように設定されていることが好ましいが、それよりは好ましくない実施形態として、隣接する行を単一のパスで印刷することも可能である。具体例(図12参照)では、DDC制御は、単位パス当たり各開口から、隣り合わない2つの行を印刷するように設定されており、印刷行は互いにピッチ長さの2倍の距離だけ離れている。図12において、開口列は、参照番号1210で表され第1パスが生じる第1の位置から、参照番号1213で表され第2パスが生じる位置にまで移動する。1つの開口1211により印刷される行は、図面中の影線1212で示される。行を生成する開口1211の位置は、影線で表されている。本例の開口は、1行分離れた印刷行を生成する。受像面及び記録ヘッド機構は、転写ベルトの面内において転写ベルトの移動方向と直交する方向に、ピッチ長さLの5倍だけ相対移動する。第2パスでは、画像の第2の行群が印刷される。第2パスの開口の位置1213は、第2開口列により示されている。第2パスの開口1211で印刷される行は、図面中の影線1214で示されている。記録ヘッド機構は、横方向ピッチ長さLのN×2+5倍の量だけ横方向に移動する。なお、Nは0を含む整数である。Nは、横方向の移動により十分な数の開口を利用して画像を印刷するように、開口数と印刷される画像の幅とに依存する最大の値をとる。ここで、パス間の相対移動が5となるように、Nは0である。明らかなように、相対移動は、1つの開口で印刷される行が互いに隣接しないようになされている。しかし、相対移動は5以上であってもよく、例えば7,9等であってもよい。
【0054】
DDC制御を用いた他の例(図13参照)では、各開口は互いにピッチ長さの4倍離れた2つの印刷行を印刷する。図13において、開口列は、参照番号1220で表され第1パスが生じる第1の位置から、参照番号1223で表され第2パスが生じる位置にまで移動する。1つの開口1221により印刷される行は、図面中の影線1222で示される。行を生成する開口1221の位置は、影線で表されている。第2パスの開口の位置1223は、第2の開口列で示される。第2パスにおいて開口1221で印刷される行は、図中の影線1224で示されている。
【0055】
他の例では、1パスの印刷行間の距離が少なくとも6とすると、相対移動量はより少なくなる。本ケースでは、相対移動量は、わずか3ピッチ長さである。これが可能である理由は、1つの開口で印刷される個々の印刷行が、異なるパスにおいて同一の開口により印刷される行の混ざり合いを許容するのに十分なくらい離れているからである。これは図14に示されており、開口列は、参照番号1230で表され第1パスが生じる第1の位置から、参照番号1233で表され第2パスが生じる位置にまで移動する。第1パスにおいて開口1231から印刷される行1232は、ハッチングされた影線のように印刷され、第2パスにおいて印刷される行1234は、異なるハッチング影線のように印刷される。図から分かるように、あるパスの行は他のパスの行と混ざり合っている。
【0056】
さらに、各開口から1ライン及び1パスあたり2つの行を印刷する例では、2つの行の間の距離はピッチ長さの3倍であり、画像は3パスで印刷される。本ケースでは、パス間の横方向の相対移動量は、N×3+5又はN×3+7という式に従って、ピッチ長さの5倍、7倍又はそれ以上の距離であってもよい。なお、Nは0を含む整数である。
【0057】
さらに、各開口から1ライン及び1パスあたり3つの行を印刷する例では、3つの行の間の距離はピッチ長さの2倍であり、画像は2パスで印刷される。本ケースでは、パス間の横方向の相対移動量は、N×2+7という式に従って、ピッチ長さの7倍、9倍又はそれ以上の距離であってもよい。なお、Nは0を含む整数である。
【0058】
他の例では、隣接する印刷行を印刷するためにDDC制御が用いられる。各開口は隣接する2つの行を印刷し、間隔は1ピッチ長さとなる。画像は2パスで印刷される。本ケースでは、パス間の横方向の相対移動量は、N×4+6という式に従って、ピッチ長さの6倍、10倍又はそれ以上の距離であってもよい。なお、Nは0を含む整数である。
【0059】
さらに他の例では、隣接する印刷行を印刷するためにDDC制御が用いられる。各開口は隣接する2つの行を印刷し、間隔は1ピッチ長さとなる。画像は3パスで印刷される。本ケースでは、パス間の横方向の相対移動量は、N×6+4又はN×6+8という式に従って、ピッチ長さの4倍、8倍又はそれ以上の距離であってもよい。なお、Nは0を含む整数である。
【0060】
さらに他の例では、隣接する印刷行を印刷するためにDDC制御が用いられる。各開口は隣接する3つの行を印刷し、間隔は1ピッチ長さとなる。画像は2パスで印刷される。本ケースでは、パス間の横方向の相対移動量は、N×6+9という式に従って、ピッチ長さの9倍、15倍又はそれ以上の距離であってもよい。なお、Nは0を含む整数である。
【0061】
DDC制御を複数の開口列と組み合わせて利用することも可能である。
【0062】
通常、受像面に対する記録ヘッド機構の横方向への相対移動量は、記録ヘッド機構における開口間の横方向距離よりも大きい。このことは、任意の開口にとって、その後のパスの間における横方向位置は、それ以前のパスにおける当該開口の横方向に隣り合う開口の位置を超える、ということを意味する。代わりになるべきものとして、任意の開口は、それ以前のパスに1パスを加えた分、すなわち2パス以前において当該開口と横方向に隣り合う開口の位置を超えていく。このことは、開口は、次のパスの時点で又は次のパスの間で、隣接する開口位置を超える、ということを意味する。
【0063】
記録ヘッド機構の開口の横方向の間隔は、任意の好適な値をとることができる。好ましくは、その値は、ピッチ長さの1〜9倍の値であり、より好ましくは、ピッチ長さの2〜6倍またはそれ以下の値である。さらに好ましくは、ピッチ長さの3〜5倍である。
【0064】
前述の図5において、受像面部材はドラム2001である。ドラムは軸2201回りに回転する。ドラムの周囲部には、4つのプリントステーション2003が配置されている。プリントステーション2003は、それぞれ異なる色、例えばイエロー、シアン及びマゼンタのトナー粒子を備えており、カラー印刷が可能となっている。第4のプリントステーションは、白黒印刷が可能なように黒色のトナー粒子を備えている。また、黒のプリントステーションは、カラープリントステーションの前に配置することができる。また、画像を他の媒体に転写するための転写ステーション2016,2017が設けられている。転写は、静電吸引力により行ってもよく、圧力転写で行ってもよい。必要であれば、記録ヘッド機構のトナー粒子を除去するためのクリーニングステーション(例えば、図2の参照番号1061に示すようなタイプのもの)を設けてもよい。クリーニングステーションは、減圧源を備えている。減圧源は、記録ヘッド機構に吸引力が作用するように、ドラムにおける横方向に並ぶ1以上の開口列を通じて作用する。
【0065】
各プリントステーションに設けられた記録ヘッド機構2005は、図4a〜4cに示すタイプのもの、すなわち、列における開口の間のピッチが一定の2列の平行な開口列が設けられたものである。一方の列の開口は、他方の列の開口に対して千鳥状に配置されている。一方の列の開口の中心は、他方の列の開口間のスペースに位置づけられていてもよいが、偏心していてもよい。
【0066】
記録ヘッド機構2005のクリーニングは、各パスの終了後に行うことが好ましい。あるいは、1つの画像が形成された後、又は2以上の画像が形成された後に行われる。
【0067】
パスの間、ドラム上に形成される画像の横方向ラインの各々は、記録ヘッド機構を順に通り過ぎる。横方向ラインは、転写ステーション2016,2017を通過する。ドラムが回転している間、それは軸2201に沿って移動する。記録ヘッド機構体及びドラムは、ドラムの軸と平行な横方向に関し、互いに継続的に相対移動する。ドラムの各回転により、記録ヘッド機構のパスが生じる。印刷が行われている2以上のパス又はドラムの回転の後、画像の先端が溶融ユニットに達するとすぐに、転写ステーションは用紙に対して画像の転写を開始する。このような転写は、画像の他の部分が記録ヘッド機構のすべてを通過する前に開始されてもよい。クリーニングステーション(図示せず)は、各記録ヘッド機構が各パスにおいてクリーニングされるように配置されることが好ましい。
【0068】
画像はドラムの外周部の大部分を占めていることが好ましく、特に50%以上が好ましく、75%以上が更に好ましい。画像がドラムの外周部の十分な大きさを占めている場合には、すべての記録ヘッド機構による先のパスが終了するよりも前に、印刷のため画像の先端が通過し始める。
【0069】
パスの間又はパスの間中の横方向への相対移動は、以下の値であってもよい。パス数が3又は4であり記録ヘッド機構1つあたり2列の開口が設けられた第1の例では、ピッチ長さの(P+RxPxN+1)倍又は(P+RxPxNー1)倍の進行距離とすることにより、横方向の移動にとって好適な値が与えられる。ここで、Pはパス数であり、Rは列数であり、Nは0を含む整数である。パス数が5であり記録ヘッド機構1つあたり2列の開口が設けられた第2の例では、ピッチ長さの(P+RxPxN+X)倍又は(P+RxPxNーX)倍の進行距離とすることにより、横方向の移動にとって好適な値が与えられる。ここで、Xは+3、+1、ー1、ー3の値をとり得る。パス数が2であり記録ヘッド機構1つあたり3列の開口が設けられた第3の例では、進行距離をRxPxNー2とすることができる。パス数が3であり記録ヘッド機構1つあたり3列の開口が設けられた第4の例では、進行距離をRxPxN+Xとすることができる。ここで、Xはー7又はー5とすることができる。
【0070】
記録ヘッド機構における異なる開口列の間のドット密度がスターべーション効果によって変動する場合、上述の例は特に有用である。しかし、スターべーション効果は、横方向に互いに離隔されて隣り合ういくつかの開口においても、発生することがあり得る。この場合には、横方向の移動量を大きくすることが適当かもしれない。例えば、スターべーション効果を2倍以上にしてもよい。記録ヘッド機構又はプリンターの他の部分は、画像の光学濃度を計測する器具を備えていてもよい。本器具は、スターべーション効果の横方向範囲を検出してもよい。スターべーション効果の影響を受ける開口が、先のパスにおいて「欠乏した」開口によって形成された行に隣接する行を印刷しないように、上記器具の出力を使用して横方向への十分な移動を行ってもよい。
【0071】
いくつかのパスの後、記録ヘッド機構に対するドラムの相対移動の方向が反転される。これにより、移動方向が変化する間、印刷をしないパスが発生する。方向の変更は、1つの画像が完了した後であって他の画像が開始される前に行われることが好ましい。この場合もまた、印刷を行わないパスが生じ、ドラムの横方向の速度及び/又はパターンを変化させることが望ましい。
【0072】
転写ドラム2001は、導電性材料で形成することができる。トナー搬送体に向かって外方に突出する材料の表面に、絶縁材料からなる薄い層、好ましくは100ミクロン未満の層を随意に被覆してもよい。導電性材料は、電気を導通させる限りどのような材料でもよいが、好ましくは金属である。その金属は、好ましくはアルミニウムである。絶縁材料から成る薄い層は、転写ベルト又はドラムの表面上のトナーに電荷を反射するミラー電荷を形成するのに十分なだけの静電場ラインを通過させるに足るほど薄い層である。このミラー電荷は、トナーを転写ベルト又はドラムに保持する力を強める。絶縁材料は好適な任意の材料からなり、特に酸化アルミニウムが好適である。酸化アルミニウムはドラムの任意の導電性材料と組み合わせることができるが、表面がアルミのドラムに対して使用すると特に好適である。強度の高い材料からなるドラムはより高い圧力に耐えるので、上述の形態のドラムは、圧力を加えることにより画像が転写される場合に特に好適である。
【0073】
本形態のドラムは、前述したマルチパスのプリンターにおいて特に有用であるが、他の種類のプリンターにも用いることができ、特に、ドラム又はベルトの表面速度が大きいものに好適である。
【0074】
前述のいずれの例においても、ピッチ(ドット中心間の距離)は変更可能である。横方向ラインのドット間距離(水平方向ピッチ)及び/又は縦行のドット間距離(垂直方向ピッチ)を変更してもよい。水平方向ピッチは、パス間の横方向の相対移動量を変えることによって変更することができる。垂直方向ピッチは、印刷行間の縦方向の移動量を変えることによって変更することができる。
【0075】
画像形成装置に用いられる背部電極部材には、種々の異なるタイプのものを用いることができる。例えば、固定式又は回転式のロール又はスリーブでもよく、ガイドロールによって無端ループ状に配置された移動自在なベルトであってもよい。用途に応じて、背部電極部材には様々な種類の材料、例えば、好適な合金又は他の導電性材料からなるものを用いることができる。さらに、背部電極部材は、中間画像受像部材を構成するベルトの背部に配置することも可能である。
【0076】
また、画像が情報搬送体に直接印刷されるように、印刷の間、記録紙のような好適な情報搬送体が背部電極を横切り、あるいは、情報搬送体が導電性を有することによって背部電極を構成する実施形態も考えられる。
【0077】
他の用途では、中間画像が背部電極部材の表面に直接形成され、その後、画像は記録紙のような好適な受像層に転写される。いわゆるマルチインターレーシング(multi-interlacing;MIC)技術を用いる用途では、背部電極に直接印刷することが特に好適である。
【0078】
さらに、トナー粒子を搬送する静電場が、1対の電極以外の他の手段によって生成される応用例、例えば、それ自身が静電場を生成する好適な帯電搬送体によって静電場が生成されるような応用例も考えられる。
【0079】
印刷の品質を高め、印刷文字を鮮明にするために、本発明は、画像位置領域の少なくとも一部における各ドットに、十分な量のトナー粒子を与えることを提案している。トナー粒子の量は、少なくとも全光学濃度(full optical density)のドットの各々において、十分な数であるべきである。全光学濃度は、以下の器具によって測定された少なくとも1.4の光学濃度として定義される。その器具とは、Kollmogen Instruments Corp., PO Box 1297, Newburgh NY 12550, U.S.A. のMacbeth RD 914である。半光学濃度(half optical density)は、上述の測定による約0.7の光学濃度として定義される。
【0080】
本発明によれば、少なくとも35個の帯電トナー粒子が、画像位置領域の少なくとも一部の各ドットにアドレスされる。少なくとも全光学濃度のそれぞれに対し、1ドットあたり少なくとも35個の帯電トナー粒子がアドレスされることが好ましい。それにより、それぞれのドットにおいて、ドットの縁形状を明瞭にするのに十分な数のトナー粒子が確保される。
【0081】
本発明の他の態様によれば、溶融ユニット1013での溶融前の受像面上の帯電粒子の投影領域は、少なくとも画像位置領域の一部において(好ましくは、少なくとも全光学濃度上で)、受像面の印刷領域の少なくとも0.5倍である。溶融ユニット1013における溶融の後、投影領域は、少なくとも画像位置領域の一部において(好ましくは、少なくとも全光学濃度上で)、受像面の印刷領域の少なくとも0.8倍である。トナー粒子の投影領域は、顕微鏡によって容易に測定することができる。
【0082】
本発明の更に他の態様によれば、600×600dpi(dots per square inch)で印刷された各ドットは、全光学濃度上、少なくとも35個の帯電トナー粒子を含んでいる。半光学濃度上では、帯電トナー粒子の数は、600×600dpiで印刷された各ドットにおいて、少なくとも15個、好ましくは少なくとも25個である。
【0083】
本発明の他の実施形態によれば、全光学濃度上、300×300dpiの帯電トナー粒子の数は、各印刷ドットで少なくとも140個であり、半光学濃度上では、各印刷ドットで少なくとも50個、好ましくは少なくとも70個である。
【0084】
更に他の実施形態によれば、ドットサイズは少なくとも400×400dpi(dots per square inch)である。
【0085】
各ドットの粒子の数は、顕微鏡によって算定することができる。図5は、トナー粒子を番号1055で表した印刷ドットの拡大図である。
【0086】
各印刷工程の間に開口1052を通過して受像面に移動するトナー粒子の量は、制御ユニット(図示せず)によって制御され、制御ユニットは、制御電位を供給する制御電極1053に接続された可変型の制御電源を備えている。各印刷ドットにおけるトナー粒子の数に関する本発明の基準を満たすために、トナー粒子の粒子サイズも考慮しなければならない。トナー粒子の平均直径は、3〜8ミクロンが好ましい。
【0087】
トナー粒子は、非磁性体のトナー粒子であることが好ましい。
【0088】
各印刷工程におけるトナー粒子の供給量は、更に印刷工程の長さによって決定される。印刷工程の長さは、記録ヘッド機構に対する受像面の相対移動によって調整される。各印刷工程において十分な量のトナー粒子を供給するために、前述の所謂マルチパス技術を用いてもよい。
【0089】
本発明は前述の実施形態に限定されず、請求項の範囲内において変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】図1は、無端状に配置されたベルト上に受像面が設けられた画像形成装置の概略図である。
【図2】図2は、例えば図1に示すような画像形成装置のプリントステーションの概略断面図である。
【図3】図3は、粒子供給源及び受像面に対する記録ヘッド機構の位置付けを示す印刷領域の概略断面図である。
【図4a】図4aは、画像形成装置に用いられる種類の記録ヘッド機構の部分図であり、記録ヘッド機構におけるトナー供給ユニットに対向する面を示している。
【図4b】図4bは、画像形成装置に用いられる種類の記録ヘッド機構の部分図であり、記録ヘッド機構における受像面に対向する面を示している。
【図4c】図4cは、図4aの記録ヘッド機構のI−I線及び図4bのII−II線の断面図である。
【図5】図5は、円筒ドラムの外壁に受像面が設けられた画像形成装置の概略側面図である。
【図6】図6は、2パス方法における1パスで印刷された印刷列の概略図である。
【図7】図7は、図6に示す印刷列に第2パスを追加した概略図である。
【図8】図8は、2パスプリント方法で低濃度の印刷を行う開口の影響の概略図である。
【図9】図9は、第1の印刷パターンの概略図である。
【図10】図10は、第2の印刷パターンの概略図である。
【図11】図11は、第3の印刷パターンの概略図である。
【図12】図12は、第4の印刷パターンの概略図である。
【図13】図13は、第5の印刷パターンの概略図である。
【図14】図14は、第6の印刷パターンの概略図である。
【図15】図15は、印刷されたドットを拡大した概略図である。
【0001】
本発明は、コンピュータにより生成された画像情報を、電気的に帯電された粒子を粒子搬送体から記録ヘッド機構を通じて受像面に向かって選択的に移動させる静電場パターンに変換するダイレクトプリント装置及び方法であって、それによって、受像面が記録ヘッド機構に対して移動することにより帯電粒子が受像面上に画像の形状に堆積するものに関する。
【0002】
より詳しくは、本発明は、ダイレクトプリントにおけるプリント文字の品質及び鮮明さを向上することに関する。
【背景技術】
【0003】
米国特許第5,036,341号には、コンピュータで生成された信号から直接に、受像基板上にトナー粒子により文書及び写真を生成するダイレクト静電プリント装置及び方法が開示されている。このような装置は一般的に、画像情報に従った制御により粒子源から受像媒体へ選択的に移動するトナー粒子を通過させる複数の開口が設けられた記録ヘッド機構を備えている。
【0004】
米国特許第5,036,341号の記録ヘッド機構は、列と行とに配列されて交差するワイヤからなる格子で形成されている。各ワイヤは個々の電源に接続されている。始めは、トナーがワイヤメッシュを通過してしまわないように、ワイヤは接地されている。受像基板上の所望のプリント位置が交差部分の下方を通過すると、対応する行及び列の隣接するワイヤには、粒子源からトナー粒子を吸引する静電場を生成するためのプリント電位が与えられる。トナー粒子は、交差する4本のワイヤで形成される四角形状の開口を通過して推進され、受像基板上に所望のパターンに堆積する。この記録ヘッド機構の構造上の欠点は、個々のワイヤが、隣接する開口の開放及び閉鎖に対して過敏となり、開口間のワイヤの縁が狭いことに起因して画像形成が不正確になり得ることである。
【0005】
この影響は、本出願人による米国特許第5,847,733号に記載された配置によって軽減される。米国特許第5,847,733号では、開口を有する絶縁基板に形成された制御電極配列を提案している。環状電極は各開口に関連づけられ、トナー粒子に対する開口の開閉を制御するように駆動される。各開口には更に、偏向電極が設けられている。それらは開口の周りに非対称の静電場を選択的に生成し、トナー粒子を受像部材に堆積される前に偏向するように制御される。この方法はドット偏向制御(DDC)と呼ばれる。これにより、個々の開口において、いくつかのドット位置にアドレスする(address)ことが可能となる。したがって、開口を密集させなくてもプリントのアドレス性(addressability)が向上する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ダイレクト静電プリントのプリント品質は非常に良好ではあるが、更なる向上が引き続き必要である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
したがって、本発明の目的は、ダイレクト静電プリント装置のプリント文字の品質及び鮮明さを向上することである。請求項1によれば、本目的は、画像位置領域の少なくとも一部においてアドレスドットあたり少なくとも35個の帯電トナー粒子に相当する量の帯電トナー粒子をアドレスするように構成された制御手段によって達成される。それは、それぞれのドットにおいて、ドットの明瞭な縁輪郭を提供するのに十分な数のトナー粒子を確保することによってなされる。
【0008】
本発明の更なる特徴及び長所は、明細書及び従属請求項に開示されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1〜4cに示す装置を使ってダイレクト静電プリントを行うために、粒子搬送体と背部電極との間で帯電粒子を移動させることを可能とする背景静電場がそれらの間に生成される。選択可能な複数の開口が設けられたマトリクス電極のような記録ヘッド機構は、背景電場の中における粒子搬送体と背部電極との間に挿入され、画像情報を静電場パターンに変換する制御ユニットに接続される。その静電場パターンは、画像情報に従った制御により、マトリクス電極の通路を選択的に開閉し、粒子搬送体からの帯電粒子の移動を許可又は規制する。開放された開口を通過することを許可された帯電粒子の調整された流れは、このようにして背景電場に晒され、背部電極に向かって推進される。帯電粒子は受像面に付着し、目に見える画像を形成するように1行ずつプリント走査される。
【0010】
ダイレクト静電プリントに用いられる記録ヘッド機構は、列と行とに配列された交差するワイヤからなる格子や、開口が形成された絶縁材料からなる基板であってそれら開口に応じて配置された制御電極からなるプリント回路が塗布された基板など、様々な手段をとり得る。一般的に、記録ヘッド機構は、粒子搬送体と対向する第1の面と、背部電極と対向する第2の面と、基板を貫通する複数の開口とを有してポリイミド等の絶縁材料からなるフレキシブル基板を備えている。第1の面は絶縁層で覆われ、制御電極は基板の第1の面と絶縁層との間に配置され、各制御電極がそれぞれの開口を取り囲むように形成されている。好ましくは、開口は、基板の幅方向を横断するように、すなわち受像面の移動方向と直交するように延びる1又は複数の列に沿って配置される。
【0011】
そのような手法によれば、各開口は、画像の横方向に関する特定のドット位置をアドレスするために用いられる。したがって、プリントの横方向のアドレス性は、記録ヘッドを貫く開口の密度によって制約される。例えば、300dpiのプリントアドレス性のためには、横方向に1インチ当たり300個の開口を有する記録ヘッド機構が必要となる。
【0012】
都合の良いことに、当該種類のダイレクト静電プリント装置は、ドット変更制御手段を備えている。それにより、各開口は、開口を通過するトナー粒子の移動を制御するだけでなく、受像面に対するそれらの移動の軌跡をも制御することによって、多くのドット位置をアドレスするために用いられ、それによって目的のドット位置を得る。DDC法は、記録ヘッド機構の開口の数を多くすることなくプリントアドレス性を向上させる。これは、記録ヘッド機構に、変更可能な偏向電位に接続された偏向電極を設けることによって達成され、その偏向電位は、各印刷周期の間、静電制御場の対称性を連続的に変更してトナー粒子の調整された流れを所定方向に偏向する。例えば、1印刷周期当たり3段階の偏向を行うDDC方法では、1インチ当たりわずか200個の開口しか備えていない記録ヘッド機構を用いて、600dpiのプリントアドレス性が得られる。
【0013】
改良されたDDC方法では、ドットサイズとドット位置の制御を同時に行う。この方法では、トナー粒子の調整された流れの収束を変動するように偏向電極を用い、ドットサイズを制御する。各開口は、それぞれ偏向電位D1,D2に接続された2つの偏向電極に囲まれており、制御電極により生成された静電制御場は両偏向電位D1,D2が同じ電位を有する限り実質的に対称となる。D1及びD2の電位は、受像面に向かって輸送されているときのトナー粒子に収束力を与えるように調整され、それにより小ドットが形成される。それと同時にドット位置は、トナーの軌跡を所定のドット位置に向けて偏向するように、D1とD2との電位差を調整することによって制御される。
【0014】
一般的に、DDC方法に用いられる記録ヘッド機構は、ポリイミド等の絶縁材料からなるフレキシブル基板であって、粒子搬送体に対向する第1の面と、背部電極に対向する第2の面と、基板を貫く複数の開口とを有するフレキシブル基板を備えている。第1の面は、制御電極を有する第1のプリント回路によって覆われ、第2の面は偏向電極を有する第2のプリント回路によって覆われている。両プリント回路は絶縁層によって被覆されている。このような方法を用いることにより、160ミクロンオーダーの直径を有する開口によって、60ミクロンのドットを得ることができる。
【0015】
図1は、少なくとも1つのプリントステーション、好ましくは4つのプリントステーション(Y,M,C,K)と、受像面を供給する中間部材1001と、駆動ローラ1010と、少なくとも1つの支持ローラ1011と、好ましくは多数の調整自在な保持要素1012とを備えた画像形成装置1000を示している。4つのプリントステーションは、中間部材1001に関連して配列されている。図1の中間部材、すなわち転写ベルト1001は、駆動ローラ1010に取り付けられている。少なくとも一つの支持ローラ1011には、転写ベルト1001に一定の張力を与える機構が設けられ、転写ベルト1001の横方向の移動が防止されている。保持要素1012は、転写ベルト1001を各プリントステーションに対して正確に位置決めするためのものである。
【0016】
図1の駆動ローラ1010は、ベルト1001の移動方向と直交するように延びる回転軸を有し、1印刷周期あたり1アドレスドット位置の速度でベルト1001を搬送して1行ごとにプリント走査を行わせるような回転速度を有する円筒形の金属製スリーブである。調整自在な保持要素1012は、ベルトの表面を各プリントステーションから所定の隙間を存した位置に維持するように配置されている。図1の保持要素1012は、少なくとも各プリントステーションの近傍でベルト1001をわずかに傾け、ベルト張力と共同してベルトを安定させる力の成分を生成するために、正確な配置でもってベルト移動方向と直交するように配置された円筒形スリーブである。安定させる力の成分は、対応するプリントステーションに働く電位差の相互作用に起因してベルト1001に作用する静電吸引力成分と逆方向で、かつ、好ましくは静電吸引力成分よりも大きな力である。
【0017】
図1に示す装置における転写ベルト1001は、基材として厚みが30〜200ミクロンの複合材料からなる無端ベルトである。基部の複合材料は、熱可塑性ポリアミド樹脂、又は、ガラス転移点が260℃かつ融点が388℃のような高い熱抵抗を有し、250℃オーダーの温度未満で安定した力学的性質を有する他の好適な材料を含んでいてもよい。転写ベルトの複合材料は、カーボン等のような充填材が均一密度に含まれており、それにより、転写ベルト1001の全表面にわたって均一な導電特性が得られる。図1の転写ベルト1001の外表面は、適当な導電性、熱抵抗、付着特性、剥離特性、及び表面粗さを有する導電性ポリマーからなり厚みが5〜30ミクロンの被覆層によって覆われている。
【0018】
転写ベルト1001は4つの異なるプリントステーションを通過するように搬送され、トナー粒子は転写ベルトの外表面に付着し、重なり合って4色のカラー画像を形成する。トナー画像は、転写ベルトの内側表面に直接接触して横方向に配置された固着ホルダー1014を備える溶融ユニット1013を通過するように搬送される。固着ホルダーは、好適には例えばモリブデンのような抵抗体材料からなり、転写ベルトの内側表面と接触するように保持された加熱エレメント1015を備えている。加熱エレメント1015に電流が流れると、固着ホルダー1014は、転写ベルト1001の外側表面に付着したトナー粒子が溶融するのに必要な温度に達する。溶融ユニット1013は更に、転写ベルト1001の幅方向を横断するように配置され固着ホルダー1014に対向する加圧ローラ1016を備えている。図1に示す装置では、未印刷の紙やダイレクトプリントに適当な他の媒体のような情報搬送体1002は、紙供給ユニット1021から送り出され、加圧ローラ1016と転写ベルトとの間で搬送される。加圧ローラ1016は固着ホルダーの加熱面に対して加圧されながら回転し、それによって、溶融したトナー粒子が情報搬送体1002上で固着され、永続的な画像が形成される。溶融ユニット1013を通過した後、転写ベルトは、クリーニングエレメント1017と接触するようになる。クリーニングエレメント1017は、例えば繊維状材料からなり転写ベルト1001の幅方向に延びる交換可能な剥離ブレードのようなものであり、転写されていないトナー粒子を外側表面から除去するものである。
【0019】
組み合わされた画像の転写及び溶融の工程を一つのユニットで行う代わりに、情報搬送体への画像の転写及び溶融/固着は、分離されたユニットで行われる。通常、溶融ユニットには、紙を外部トレイへ送り出す手段が設けられており、紙はその外部トレイからユーザによって回収される。
【0020】
トナー粒子は、粒子の電荷及び粒子と粒子搬送体の表面との間の距離に本質的に関連する吸着力によって、粒子搬送体(例えば図2〜3の1033)の表面に担持される。選択された開口を通じてトナーを移動させるために制御電極に与えられる静電場は、適当な量のトナー粒子が吸着力に打ち勝って粒子搬送体から放出されるのに十分なように選択される。静電場は、放出されるこれら粒子が選択された開口を通過するのに十分な運動量を得るまで、与えられる。その後、移動してきたトナー粒子は、背部電極からの吸引力にさらされ、受像面に受け止められる。
【0021】
電荷量、電荷分布、粒子径等の各トナー粒子の特性は、ダイレクトプリント方法におけるプリント性能にとって特に重要であることが分かっている。したがって、大きなトナー粒子は制御電極列の開口を閉塞しやすいので、トナー粒子のサイズ及びサイズ分布はプリント結果に影響を与える。加えて、選択された“開いた”開口を通過することを許可されたトナー粒子は、背部電極からの均一な吸引場の影響のもと、受像面に向かって加速される。移動粒子のプリント面における分布を制御するために、偏向パルスを与えることによって粒子を偏向することができ、その結果、受像面におけるアドレス可能な領域が増大する。それゆえ、表面電荷の小さな小粒子は、偏向特性が小さい。
【0022】
通常、トナー粒子はいわゆる溶融粉砕法によって生成される。その方法では、混合プロセスを用いながら、着色した樹脂を分散された色剤及び他の添加剤と共に粉砕及び分類する。しかし、この方法は、小径のトナー粒子を生成するのに理想的な方法ではない。なぜなら、生成量が比較的少なく、粒子サイズの変動が大きく、不均一な組成を有するトナー粒子が生産されやすいからである。不均一なトナーでは、電荷の均一性が劣り、プリントの品質を損なうことがある。
【0023】
トナー粒子は、化学重合法によっても生成することができ、この方法は、均一なサイズの小さなトナー粒子を生成するのにより適している。基本的な3つの方法がある。すなわち、懸濁重合法、分散重合法、及びエマルジョン重合法である。懸濁重合法及び分散重合法では、10ミクロン前後の大きさの完全に球形なトナー粒子が生成される。エマルジョン重合法では、サブミクロン以下のサイズの重合体粒子が生成され、それら粒子は、ミクロンオーダの粒子を形成するように、その他の方法、例えば熱溶解又は凝固によって集められる。集められた粒子の形状は、集合プロセスの進行の条件次第で、ぶどうの房のような形から球形へと変化する。
【0024】
トナー粒子は、多くの成分を含むことができる。例えば、シクロヘキサン又はノルボルネンのような2重結合の脂環式化合物からなる共重合体や、エチレン、プロピレン又はブチレンのようなアルファオレフィン等の、サイクリックポリオレフィンを基材とする結合樹脂(binding resin)である。したがって、トナー粒子は2つ又は複数の成分を含んでいてもよい。
【0025】
ダイレクトプリントに用いられるトナーは、例えば印刷中にトナー供給システム内で再循環されるキャリヤービーズの形状をとる適当なトナーキャリヤーを含んだ多成分からなるトナーであってもよい。トナー樹脂及びトナーキャリヤーに加えて、多成分トナーには、異なる色材、電荷量調整剤、磁性添加剤、容積添加剤(bulk additives)、表面添加剤、導電性添加剤等が含まれていてもよい。好適には、トナー粒子は不規則な表面構造を有し、平均直径は3〜8ミクロンの範囲にある。当該適応対象によっては、導電性トナー粒子、非導電性トナー粒子、非磁性トナー粒子、又は磁性トナー粒子を設けて利用するようにしてもよい。
【0026】
図2に示すように、画像形成装置のプリントステーション、例えば図1に示されるプリントステーションは、好適にはトナー粒子を保持するための交換可能又は再充填可能な容器1030を有する粒子供給ユニット1003を備える。容器1030は、前壁及び後壁(図示せず)と、一対の側壁と、前壁から後壁に向かって細長い開口1031を有する底壁とを備えており、トナー粒子を粒子帯電部材1034を介してスリーブ1033に連続的に供給するように配置されたトナー送給エレメント1032が設けられている。粒子帯電部材1034は、好適には、繊維状の弾性材料で形成あるいは覆われた供給ブラシ又はローラによって形成されている。供給ブラシは、供給ブラシの繊維状物質とスリーブの適当な被覆材料との間に生じる摩擦作用を通じてのトナー粒子の摩擦電気に起因する接触電荷交換により粒子を帯電するために、スリーブ1033の周囲面と機械的に接触する。スリーブ1033は、好ましくは導電性材料で被覆された金属で形成され、好ましくは実質的に円筒形状を有し、粒子容器1030の細長い開口1031と平行に延びる回転軸を有する。帯電されたトナー粒子は、本来的に(Q/D)2に比例する静電力によりスリーブ1033の表面に保持される。ここで、Qは粒子の電荷量であり、Dは粒子の中心とスリーブ1033の境界との間の距離である。選択的に、帯電ユニットは付加的に充電電源(図示せず)を備えていてもよく、それはトナー粒子に電荷を誘導又は注入するための静電場を供給する。粒子の帯電は接触電荷交換により行うことが最も望ましいのではあるが、通常の電荷注入ユニット、電荷誘導ユニット又はコロナ充電ユニットなどのような他の好適な充電ユニットを用いて行うこともできる。
【0027】
計量エレメント1035は、スリーブ1033の周囲面上のトナー粒子の凝集を調整するために、スリーブ1033のすぐ近くに位置づけられており、その面上に比較的薄い均一な粒子層を形成する。計量エレメント1035は、柔らかい又は堅い、絶縁性の又は金属のブレード、ローラ又は粒子層を均一の厚さにするのに好適な他の部材から形成されていてもよい。計量エレメント1035は、粒子層の摩擦電気に影響を与えてスリーブ表面の粒子の電荷密度を均一にする計量電源(図示せず)に接続されていてもよい。
【0028】
粒子充電部材及び計量エレメントには、種々の様式及び材料を用いることができる。例えば、粒子充電部材は、繊維状の弾性力のある材料に代わって、重合発泡材料(polymeric foam material)によって形成されていてもよく、それを含んでいてもよい。
【0029】
図3において、スリーブ1033は、記録ヘッド機構1005をスリーブ1033の周囲面に対して所定の位置に適切に支持及び保持するための位置決め装置1040に関連づけて配置されている。位置決め装置1040はフレーム1041により形成されており、フレーム1041は、前側部分と、後側部分と、スリーブ1033の各側方においてその回転軸と平行に配置された横方向に延びる2つの側方規制体1042,1043とを備えている。第1の側方規制体1042は、スリーブ1033の回転方向の上流側に配置され、記録ヘッド機構1005を記録ヘッド機構1005の全幅にわたって横断するように延びる横断固定軸に沿って固定するための固定手段1044が設けられている。第2の側方規制体1043は、スリーブ1033の下流側に位置づけられ、記録ヘッド機構1005をスリーブ1033の周囲面に対して所定の位置に支持するための支持エレメント1045又はピボットが設けられている。支持エレメント1045及び固定軸が互いに上記のように位置づけられていることから、記録ヘッド機構1005は少なくとも一部の長さ方向に沿って弓なりの姿勢に保持されている。この弓形状は、支持エレメント1045と固定軸との相対位置によって定まる曲率半径を有し、記録ヘッド機構1005の一部をスリーブ1033の周囲面の対応する部分の周りに湾曲するように大きさが決められている。支持エレメント1045は、その長手軸上の固定支持位置で記録ヘッド機構1005と接触するように配置され、固定支持位置の縦方向及び横方向の双方に関する記録ヘッド機構1005の微小な位置変動を許容しており、スリーブ1033に起こりうる偏心又は好ましくない他の変動を調整している。つまり、支持エレメント1045は、記録ヘッド機構1005を固定点まわりに揺動自在にするように配置され、記録ヘッド機構1005とスリーブ1033の周囲面との間の距離は、スリーブ1033の好ましくない機械的欠陥の有無に拘わらず、印刷プロセスの各時期ごとに全横断方向に沿って一定に維持される。位置決め装置1040の前側部分及び後側部分には、固定部材1046が設けられており、トナー供給ユニット1003は固定部材1046上において、スリーブ1033の回転軸と記録ヘッド機構1005の横軸との間の距離を一定にするための固定位置に取り付けられている。好ましくは、固定部材1046は、プリントステーションに対向する転写ベルトの対応する保持エレメント1012からスリーブ1033を正確に離すために、スリーブ1033の前端及び後端に配置されている。固定部材1046は、好ましくは、スリーブ1033の回転軸と対応する保持部材1012の中心横断軸とが平行になるような及び平行となることを維持するような大きさになっている。
【0030】
図4a,4b,4cに示すように、例えば図1に示すような型の画像形成装置の記録ヘッド機構1005は、ポリイミド等のような可撓性のある絶縁材料からなる基板1050を備えている。基板1050は、所定の厚みを有しており、スリーブ(粒子搬送体)に対向する第1表面、転写ベルトに対向する第2表面、全プリント領域にわたってスリーブ1033の回転軸と平行に延びる横断軸1051、及び第1表面から第2表面にかけて基板1050を貫くように配置された複数の開口1052を備えている。基板の第1表面は、例えばパリレンなどのような絶縁材料からなる第1カバー層1501に覆われている。第1プリント回路は、開口に対応して配列された複数の制御電極1053を有し、更にいくつかの実施形態では制御電極1053に対応して配置されたシールド電極構造(図示せず)を有し、基板1050と第1カバー層1501との間に配置されている。基板の第2表面は、例えばパリレンなどのような絶縁材料からなる第2カバー層1502に覆われている。第2プリント回路は、複数の偏向電極1054を有し、基板1050と第2カバー層1502との間に配置されている。記録ヘッド機構1005は帯電防止材料、好ましくは酸化シリコン等のような半導体材料からなる層を更に備えており、転写ベルト1001に対向する第2カバー層1502の少なくとも一部の上に配置されている。記録ヘッド機構1005は、制御電極1053に接続された可変制御電源を備える制御ユニット(図示せず)と協同し、各プリント動作の間、対応する開口1052を通じて移動するトナー粒子の量を制御する制御電位を供給する。制御ユニットは、対応する開口1052を通過するトナー粒子の収束及び軌跡を制御する偏向電圧パルスを供給するために、偏向電極1054に接続された偏向電源(図示せず)を更に備えている。ある種の型式では、制御ユニットは、シールド電極に接続されたシールド電源(図示せず)も備え、隣接する制御電極1053を互いに静電気的に仕切るシールド電位を供給し、それらの間の電気的な相互干渉を防止する。基板1050は、好適には、約50ミクロンオーダの厚さのポリイミドからなる可撓性シートである。第1及び第2のプリント回路は、通常のエッチング技術を用いて基板1050の第1及び第2の表面にそれぞれエッチングされたほぼ8〜9ミクロンの厚さの銅製回路である。第1及び第2のカバー層1501,1502は、真空蒸着法によって基板1050上に積層された5〜10ミクロンの厚みのパリレンである。開口1052は、一般的なレーザミクロ機械加工法を用いて、記録ヘッド機構1005を貫通して形成される。開口1052は、好ましくは軸を中心とした円形又は細長い形状を有し、直径が80〜120ミクロンの範囲、あるいは、短径が約80ミクロンで長径が約120ミクロンである。開口1052は好ましくは軸に沿って一定の形状を有し、例えば円筒形状の開口であるが、いくつかの実施形態において好適には、軸に沿って連続的又は段階的に形状が変化する開口、例えば円錐形の開口であってもよい。
【0031】
好ましい態様では、記録ヘッド機構1005は、各印刷周期において3回の偏向工程を用いて600dpiの印刷を実行するように寸法づけられる。つまり、各印刷周期の間に、記録ヘッド機構の各開口1052を通じて3つのドット位置がアドレス可能である。したがって、横方向の各々3つのドット位置に対して、1つの開口1052が設けられている。すなわち、記録ヘッド機構1005の横方向と平行に、1インチあたり200個の開口が等間隔に配置されている。開口1052は、一般的に、1列又は数列に整列され、好ましくは、各列が1インチあたり100個の開口を備える2列の平行な列に整列されている。一方、開口ピッチ、つまり、同一の列の隣り合う開口の軸間距離は、0.01インチ又は約254ミクロンである。開口の列は、好ましくは記録ヘッド機構1005の横軸1051のそれぞれの側に位置づけられ、すべての開口が横方向に等間隔に配列されるように互いに横方向にずらされている。開口の列の間の距離は、好ましくは、ドット位置の全数に対応して選ばれる。
【0032】
第1のプリント回路は、それぞれが対応する開口1052の周囲を囲む環状構造を有する制御電極1053と、好ましくは長手方向に延び、環状構造を対応する制御電源に接続するコネクターとを備える。環状構造が好ましいものの、制御電極1053は、開口1052を連続的又は部分的に取り囲む種々の形状をとることができ、好ましくは開口の軸に関して対称性を有する形状をとることができる。いくつかの実施形態では、特に開口1052が一列に並んでいるときに、好適には、制御電極は縦方向長さよりも横方向長さの方が短い。
【0033】
第2のプリント回路は、複数の偏向電極1054を備えている。各偏向電極1054は、対応する開口1052周囲の所定部分の周りに配置された2つの半円状又は三日月状の偏向切片1541,1542に分割されている。偏向切片1541,1542は、開口1052の中心を通って延び縦方向と所定の偏向角度dをなす偏向軸1543の各側において、開口1052の軸に関して対称に配置されている。偏向軸1543は、各印刷周期のベルト移動の影響を消すために、各印刷周期の間に実行される偏向工程の数に応じて寸法づけられ、転写ベルト上の横方向のドット位置を揃える。例えば、偏向工程を3回行うときには、適当な偏向角度はarctan(アークタンジェント)(1/3)、すなわち約18.4°に決定される。したがって、第1のドットはベルト移動方向の上流側に若干偏向され、第2のドットは偏向されず、第3のドットはベルト移動方向の下流側に若干偏向される。これにより、転写ベルト上に、横方向に揃ったドットが得られる。したがって、各偏向電極1054は、上流側切片1541と下流側切片1542とを備え、上流側切片1541はすべて第1の偏向電源D1に接続され、下流側切片1542はすべて第2の偏向電源D2に接続されている。各印刷周期において、3つの偏向工程(例えば、D1<D2;D1=D2;D1>D2)を行うことができ、D1とD2との差によって、各開口1052を通じてのトナー粒子の偏向軌跡が決定され、トナー画像のドット位置が決定される。
【0034】
記録ヘッド機構は、種々の仕様又は材料で構成することができる。例えば、真空蒸着法により基板上に堆積される代わりに、被覆層は基板上に積層された5〜20ミクロンの厚さのフィルムで構成されていてもよい。更に、ドット偏向制御が用いられないような応用例の場合には、偏向電極はもちろん不要となる。
【0035】
図5は、円筒形ドラム2001に受像面が設けられてなる画像形成装置2000の簡単化された概略図である。画像形成装置は、それぞれ一色ごとに設けられた1又は複数のプリントステーション2003を備えている。通常、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの色が用いられる。各プリントステーション2003は、好適には細長いカートリッジアセンブリの形態を有し、記録ヘッド機構2005の近傍に配置される。記録ヘッド機構2005は、選択可能な複数の開口を有するマトリクス電極を備え、マトリクス電極は、対応するカートリッジ2003と背部電極との間に現れる背景電場内に挿入されている。背部電極は、図5の画像形成装置では、円筒形ドラム2001により構成されている。ドラム2001は、画像形成装置が動作している間中回転するように設けられている。このため、ドラム2001は、駆動手段(図5では図示せず)によって駆動される。さらに、ドラム2001は、印刷に用いられる紙(又は、他の情報媒体)の長さよりもわずかに長い円周を有している。ドラム2001は、アルミニウムで形成されていることが好ましいが、好適な性質を有する他の材料で形成されていてもよい。
【0036】
各記録ヘッド2005は、制御ユニット(図5では図示せず)に接続されている。制御ユニットは、当該画像情報を静電場のパターンに変換し、対応するカートリッジ2003からの帯電トナー粒子の移動を許容又は規制するように、マトリクス電極の通路を選択的に開閉する。このような方法により、帯電粒子は、背部電極すなわちドラム2001に向かって、開いた開口を通過することができる。そして、帯電トナー粒子は、ドラム2001の表面に堆積する。したがって、図5の画像形成装置では、ドラム2001は背部電極及び受像面の双方を構成している。
【0037】
動作中にドラム2001が回転することによって、ドラム上に形成された画像は、記録紙や印刷に好適な他の媒体からなるシートのような情報搬送体2002に対し、転写される。記録紙シート2002は、用紙供給ユニット2021から送り出され、搬送されてドラム2001の下方を通過する。画像を記録紙シート2002に転写するために、記録紙シートはベルト2017によりドラム2001に押しつけられて接触する。ベルト2017もまた、ベルト2017が巻かれた2つのローラ2016によって駆動される。このように、トナー粒子はドラム2001の外側表面上に堆積し、そして、記録紙シート2002上に重ね合わされて4色の画像を形成する。
【0038】
したがって、ベルト2017の機能は、転写工程を規定する。ベルト2017は、ドラム2001の受像面の最も低い部分に位置することが好ましい。その結果、トナー粒子に作用する重力により、動作の間、受像面から記録紙シート2002への粒子の転写が促進される。
【0039】
前記帯電粒子により記録紙シート2002上に画像が形成された後は、記録紙シート2002は溶融ユニット2013に送り出される。溶融ユニット2013では、記録紙シート2002上に画像が定着される。特に、溶融ユニット2013は、加熱エレメント、好適にはモリブデン等の抵抗型の加熱エレメントを有する定着ホルダー(図示せず)を備えている。加熱エレメントに電流が流れると、定着ホルダーは記録紙シート2002に堆積したトナー粒子を溶融するために必要な温度に到達する。溶融ユニット2013は更に、記録紙シート2002の幅方向にわたって横方向に配置された加圧ローラ(図示せず)を備えている。加えて、溶融ユニット2013には、記録紙2002を外部トレイ(図示せず)に送り出す手段が設けられている。外部トレイの記録紙はユーザによって取り出される。
【0040】
更に、溶融ユニット2013を通過した後に、記録紙シート2002は、転写されなかったトナー粒子を記録紙シート2002から除去するクリーニングエレメント(図示せず)と接触する。クリーニングエレメントは、例えば、記録紙シート2002(または、他の好適な情報搬送体)の幅方向にわたって延びる繊維状材料からなる交換可能なスクレーパーブレード(scraper blade)で構成される。
【0041】
プリントステーション2003及び記録ヘッド機構2005は、ハウジングエレメント(図5には図示せず)に搭載され、ドラム2001に対して所定の位置に維持されている。
【0042】
図5に示すような種類の画像形成装置は、マルチパス方法のダイレクトプリントに特に好適であり、マルチパス方法によれば、所定数の開口を備える記録ヘッド機構の解像度を増加させることができる。記録ヘッド機構2005の開口数よりも大きな解像度を実現するために、ドラム2001により供給される受像面の2以上のパスの間マルチパスプリントは行われ、各パスにおいて、縦方向の複数の行のプリントが堆積される。行の一部分がドットのない状態で残されるような画像内容であるために行のすべての部分がドットを受けないとしても、プリントの縦行(column)とは、1つ又は複数の開口による印刷ドットを受ける受像面の縦行のことである。一部分がドットのない状態で残されるような画像内容であるために横行のすべての部分がドットを受けないとしても、プリントの横行とは、複数の開口からの印刷ドットを受ける受像面の横行のことである。プリントの横行における隣接する2つの縦行の間の最も短い距離は、2つの画素間のピッチ又は距離として規定される。第1パスの後、次のパスは長手方向に関して第1パスと同一の側であってもよく、反対側であってもよい。
【0043】
横方向は、受像面が円筒形ドラム上に設けられている場合、ドラム表面の記録ヘッド機構に向かう円筒の径方向ベクトルに直交する方向であり、ドラムの回転軸と平行なドラム表面に沿った方向である。受像面が転写ベルトに設けられた場合、横方向はベルト面内のベルト移動方向と直交する方向である。ベルトの移動とは、ベルトが2つのローラ(図示せず)の周りを移動するために必要な移動である。したがって、横方向は、通常、これらローラの軸と平行となる。縦方向は受像面すなわち転写ベルト又はドラムの面内における横方向と直交する方向である。ドラムの場合、縦方向は、横方向と直交しドラムの表面に沿った方向である。転写ベルトの場合、縦方向は、ベルトの表面の位置に拘わらず、ローラの回転軸と直交しベルトの表面の面内に位置する方向である。
【0044】
以下の説明では、画像又は印刷可能な領域が参照される。本内容では、受像面の領域上のトナー粒子によって画像が形成される。また、画像には、トナー粒子を受け止めることができるものの、画像内容に応じてトナー粒子を受け止める必要がないためにトナー粒子を受け止めない印刷可能な領域が含まれる。典型的には、画像はA4用紙のほぼ全体の面積にわたって印刷されるが、印刷されない余白に囲まれた小さな面積であってもよい。例えば、画像には、同一の記録紙シートに印刷される複数の絵又は印刷領域を含んでいてもよい。A4の記録紙を例にとって説明するが、記録紙のサイズはA4に限定されず、A3、A5又は他のサイズであってもよい。
【0045】
同一方向に2パスのダイレクトプリントを実行すると、単位長さ当たりの開口数は、単一パスで所望の解像度を得るために必要とされる数の半分となる。第1パスでは、受像面に前半の画像が形成される。前半の画像は、意図する最終画像の一つおきの縦行を備えている。すなわち、一行おきに印刷され、一行おきに印刷されないことになる。当該受像面及び記録ヘッドは、受像面の移動方向を横切る方向に相対移動する。この相対移動は、当業者に知られている任意の適当な手段によって実行される。そして、第2パスにおいて、残りの行が印刷され、完全な画像が形成される。第2パスは、第1パスと同じ縦方向又は反対の縦方向に移動する受像面に対して実行される。図6及び図7に、この作用を示す。第1パスで印刷される領域は、図6においてハッチングされた領域1161で表される。図7は、第2パス後の受像面の同一セクションを表している。第2パスで印刷された領域は、異なったハッチングがされた領域1162によって示される。
【0046】
ドット密度、つまり、ドットを形成するために用いられるトナー粒子の量は、利用できるトナー粒子の量が不足することに起因して、記録ヘッド機構の開口位置によって異なる。これは、スターべーション効果(starvation effect)として知られている。ドット密度の変動は、同一の列の開口間及び/又は異なる列の開口間でも生じうる。議論している例では、一列の開口しかなく、2つのパス間で、列は1ドットピッチだけ横方向に移動する。本ケースでは、隣り合う一対の列は、同一の開口によって印刷される。これは図8に示されており、開口の第1の位置は参照符号1170で示され、第2パスにおける同一の開口の位置は、参照番号1171で示されている。そのため、各開口は、隣り合う2つの行を印刷することにより、2行分の印刷を行う。もし、例えば、4番目ごとの開口が前述したスターべーション効果を受けたとすると、これらの開口は、残りの開口によって生成される行よりも低い光学濃度(optical density)を有するプリント行を生成する。もし、開口列が1ドットピッチだけ横方向に移動したとすると、隣り合う行はより低い濃度で印刷されることになる。その結果、行の幅は、単一の開口で印刷される幅の2倍の幅となる。このような2倍の幅の行は、見る人にとって、より目立つことになる。2パスにおいて単一の開口によって生成される低濃度の行は、薄い色調を有しており、図8の参照番号1172で表される。2パスにおいて単一の開口によって生成される高濃度の行は、濃い色調を有しており、図8の参照番号1173で表される。
【0047】
図9に示すように、この“スターべーション”を低減するため、開口の列を、パス間において横方向に1ドットピッチ以上移動させることができる。列は、横方向に横方向ピッチLの2N+3倍移動される。ここで、Nは0を含む整数である。Nは、横方向の移動により十分な数の開口を利用して画像を印刷するように、開口数と印刷される画像の幅とに依存する最大の値をとる。ピッチLは隣接するドット同士の距離である。600dpi(dots per inch)の場合、ピッチは約42ミクロンである。600dpiの2パス印刷の場合、開口の1列の移動は、約127ミクロン、あるいは前述の式で特定されるように、それよりも大きな整数倍である。これは図9に表されており、開口列は、第1パスが生じる参照番号1180で示される第1の位置から、第2パスが生じる参照番号1181で示される位置にまで移動する。薄い影がつけられた開口は、低濃度のドットを生じる開口を表している。一方、薄い影がつけられた行は、低濃度の印刷行を表している。図9において、同一の開口によって2パスで生じた低濃度の行は、参照番号1182で表され、同一の開口によって2パスで生じたより高濃度の行は、参照番号1183で表されている。図9から分かるように、低濃度の行1182は、図8の行1172よりも幅が狭く、見る人にとってより見にくくなっている。図9の画像の側方の領域から明らかなように、各印刷行のすべてが開口によって印刷されるという訳ではない。意図する画像を印刷するために開口のすべてが必要とはならないように、列の開口の数は選択されている。印刷領域外の列の端部の開口からの印刷は抑制されている。
【0048】
図10は、3パスプリントの概略図である。図10において、開口の列は、参照番号1191で表され第1パスが生じる第1の位置から、参照番号1192で表され第2パスが生じる位置に移動し、そして、参照番号1193で示される位置に移動する。横方向の単位長さ当たりの開口数は、単一パスの解像度を達成するために必要とされる数の1/3である。第1パスでは、画像の1/3が形成される。この1/3の印刷行は、参照番号1194で示されている。受像面と記録ヘッド機構とは、受像面内における印刷方向と直交する方向に相対移動し、好ましくはドラム(又はベルト)によって横方向に移動する。第2パスでは、参照番号1195で示される画像の第2行が印刷される。Nが0を含む整数であるとした場合、記録ヘッド機構は横方向ピッチの3N+2倍の量だけ横方向に移動する。Nは、横方向の移動により十分な数の開口を利用して画像を印刷するように、開口数と印刷される画像の幅とに依存する最大の値をとる。第2パスは、ベルトが第2パスとして同一の縦方向又は逆方向に移動することによって生じる。最終の第3パスでは、参照番号1196で示される画像の残りの行が印刷される。第2パスと第3パスとの間において、記録ヘッド機構は横方向ピッチLの3N+2倍の長さだけ横方向に移動する。なお、Nは0を含む整数である。Nは、横方向の移動により十分な数の開口を利用して画像を印刷するように、開口数と印刷される画像の幅とに依存する最大の値をとる。第3パスは、受像面が第1パスと同一方向又は逆方向に移動することによって生じる。図10は、第3パスの終わりにおける受像面を概略的に表している。薄い影がつけられた開口は、低濃度のドットを生成する開口を表している。薄い影がつけられた行は、低濃度の印刷行を表している。これら低濃度の行は、互いに隣接していないことが分かる。各パスの間では、開口列は横方向ピッチLの3N+2倍の長さだけ横方向に移動する。あるいは、列は、各パスの間で横方向ピッチの3N+4倍の長さだけ横方向に移動してもよい。なお、Nは0を含む整数である。開口の数及び横方向長さは、意図する画像を印刷するのに開口のすべてを使う必要がないように選択される。印刷領域外の列の端部の開口からの印刷は抑制されている。本装置は、使用しない開口が開口の列又は列群の両端に位置し、パスの間、両端の開口又は開口群が同時に使用されないように構成されていてもよい。
【0049】
一般に、画像を完成させるために必要なパス数をP、0を含む整数をNとした場合、1列の開口を備えた記録ヘッド機構では、移動量は少なくともピッチ長さのPN+P+1倍又はPN+Pー1倍でよい。しかし、あるパス数では、移動量の可能性はより許容される。5パスでは、移動量はピッチ長さXの5×N+X倍であってもよい。なお、Xは2、3、4又は6であり、Nは0を含む整数である。本ケースでは、X=4とX=6とは前記一般式に対応し、X=2とX=3とは特別の値である。さらに、7パスでは、移動量はピッチ長さの7×N+X倍であってもよい。ここで、Xは2、3、4、5、6、又は8であり、Nは0を含む整数である。本ケースでは、X=6とX=8とは、前記一般式に対応し、X=2、3、4又は5は特別な値である。特別な値は、特にパス数が素数の場合に生じる。本ケースでは、ピッチ長さの数は、7の倍数又は1以外である。
【0050】
記録ヘッド機構は、1列以上の横方向の開口列を備えていてもよい。横方向の各開口列の開口数は、等しくてもよく、異なっていてもよい。開口列の各開口のピッチは、等しくてもよく、異なっていてもよい。各列の開口間のピッチは、各列において等しくてもよく、異なる列では異なるピッチの開口を含んでいてもよい。ある列の開口は、他の列の開口に対して千鳥状に配置されている。2列の開口列を有する記録ヘッド機構では、ある列の開口は、他の列における開口の間の中心位置に配置されていてもよい。あるいは、ある列の開口は、他の列の開口に対して中心からずれるように配置され、縦方向に揃わないようにしてもよい。また、1つの記録ヘッドに対し、3列以上の開口を設けてもよい。開口列の数は各記録ヘッドにおいて等しくてもよく、異なっていてもよい。
【0051】
これは図11に表され、記録ヘッド機構は2列の開口1201、1202を備えている。ある列の開口1201は他の列の開口1202に対して横方向にずれている。図示された開口は互いに横方向に同一距離だけ離れているが、これは本質的ではない。各開口列は、完成画像を印刷するのに必要とされる単位長さ当たり開口数の1/6の開口を備え、2列の開口列によって、完成画像を印刷するのに必要とされる単位長さ当たり開口数の1/3の開口を備える。画像は、記録ヘッド機構により3パスで印刷される。第1、第2及び第3パスの開口列の位置は、1203、1204及び1205でそれぞれ表される。各パスの間で、記録ヘッド機構及び受像面は、ピッチ長さLの4倍の距離だけ相対移動する。図11では、第2開口列によって印刷された印刷行には、影がつけられている。第1、第2及び第3パスの間印刷される行は、1206、1207及び1208でそれぞれ示される。図11から分かるように、ピッチ長さの4倍だけ移動することにより、隣接する印刷行は異なる列に属する開口によって印刷されることになる。
【0052】
印刷中、開口列には同量のトナー粒子が供給されないかもしれない。ある列はトナー搬送体の移動に関して常に他の列よりも上流側又は下流側にあるので、上流側の列には下流側の列よりも多量のトナーが供給される。その結果、下流側の列は他の列よりも低濃度のドットを形成するかもしれない。隣接する印刷行が同一列の開口によって印刷されるとすると、低濃度であることがより明瞭となり、幅が2倍の低濃度の行が生成される。おそらく、隣接する2つの印刷行は同一列の開口によって生成されることはなく、低濃度の行は常に互いに離れて目立たなくなっている。しかし、行幅の4倍のパス間で相対移動させて画像を描く場合、移動量は行幅の8倍となるかもしれない。列の開口数及び開口の横方向長さは、意図する画像を印刷するのに各列の開口の全ては必要とされないように選択されている。印刷領域外の列の端部の開口からの印刷は抑制されている。本装置は、使用しない開口が開口の列又は列群の両端に位置し、パスの間、両端の開口又は開口群が同時に使用されないように構成されていてもよい。
【0053】
さらに、いわゆるDDC開口制御を用いてもよい。DDC制御を用いると、各開口は単一のパスで1行以上の印刷が可能となる。DDC制御では、互いに隣接していない1つの開口から行を印刷するように設定されていることが好ましいが、それよりは好ましくない実施形態として、隣接する行を単一のパスで印刷することも可能である。具体例(図12参照)では、DDC制御は、単位パス当たり各開口から、隣り合わない2つの行を印刷するように設定されており、印刷行は互いにピッチ長さの2倍の距離だけ離れている。図12において、開口列は、参照番号1210で表され第1パスが生じる第1の位置から、参照番号1213で表され第2パスが生じる位置にまで移動する。1つの開口1211により印刷される行は、図面中の影線1212で示される。行を生成する開口1211の位置は、影線で表されている。本例の開口は、1行分離れた印刷行を生成する。受像面及び記録ヘッド機構は、転写ベルトの面内において転写ベルトの移動方向と直交する方向に、ピッチ長さLの5倍だけ相対移動する。第2パスでは、画像の第2の行群が印刷される。第2パスの開口の位置1213は、第2開口列により示されている。第2パスの開口1211で印刷される行は、図面中の影線1214で示されている。記録ヘッド機構は、横方向ピッチ長さLのN×2+5倍の量だけ横方向に移動する。なお、Nは0を含む整数である。Nは、横方向の移動により十分な数の開口を利用して画像を印刷するように、開口数と印刷される画像の幅とに依存する最大の値をとる。ここで、パス間の相対移動が5となるように、Nは0である。明らかなように、相対移動は、1つの開口で印刷される行が互いに隣接しないようになされている。しかし、相対移動は5以上であってもよく、例えば7,9等であってもよい。
【0054】
DDC制御を用いた他の例(図13参照)では、各開口は互いにピッチ長さの4倍離れた2つの印刷行を印刷する。図13において、開口列は、参照番号1220で表され第1パスが生じる第1の位置から、参照番号1223で表され第2パスが生じる位置にまで移動する。1つの開口1221により印刷される行は、図面中の影線1222で示される。行を生成する開口1221の位置は、影線で表されている。第2パスの開口の位置1223は、第2の開口列で示される。第2パスにおいて開口1221で印刷される行は、図中の影線1224で示されている。
【0055】
他の例では、1パスの印刷行間の距離が少なくとも6とすると、相対移動量はより少なくなる。本ケースでは、相対移動量は、わずか3ピッチ長さである。これが可能である理由は、1つの開口で印刷される個々の印刷行が、異なるパスにおいて同一の開口により印刷される行の混ざり合いを許容するのに十分なくらい離れているからである。これは図14に示されており、開口列は、参照番号1230で表され第1パスが生じる第1の位置から、参照番号1233で表され第2パスが生じる位置にまで移動する。第1パスにおいて開口1231から印刷される行1232は、ハッチングされた影線のように印刷され、第2パスにおいて印刷される行1234は、異なるハッチング影線のように印刷される。図から分かるように、あるパスの行は他のパスの行と混ざり合っている。
【0056】
さらに、各開口から1ライン及び1パスあたり2つの行を印刷する例では、2つの行の間の距離はピッチ長さの3倍であり、画像は3パスで印刷される。本ケースでは、パス間の横方向の相対移動量は、N×3+5又はN×3+7という式に従って、ピッチ長さの5倍、7倍又はそれ以上の距離であってもよい。なお、Nは0を含む整数である。
【0057】
さらに、各開口から1ライン及び1パスあたり3つの行を印刷する例では、3つの行の間の距離はピッチ長さの2倍であり、画像は2パスで印刷される。本ケースでは、パス間の横方向の相対移動量は、N×2+7という式に従って、ピッチ長さの7倍、9倍又はそれ以上の距離であってもよい。なお、Nは0を含む整数である。
【0058】
他の例では、隣接する印刷行を印刷するためにDDC制御が用いられる。各開口は隣接する2つの行を印刷し、間隔は1ピッチ長さとなる。画像は2パスで印刷される。本ケースでは、パス間の横方向の相対移動量は、N×4+6という式に従って、ピッチ長さの6倍、10倍又はそれ以上の距離であってもよい。なお、Nは0を含む整数である。
【0059】
さらに他の例では、隣接する印刷行を印刷するためにDDC制御が用いられる。各開口は隣接する2つの行を印刷し、間隔は1ピッチ長さとなる。画像は3パスで印刷される。本ケースでは、パス間の横方向の相対移動量は、N×6+4又はN×6+8という式に従って、ピッチ長さの4倍、8倍又はそれ以上の距離であってもよい。なお、Nは0を含む整数である。
【0060】
さらに他の例では、隣接する印刷行を印刷するためにDDC制御が用いられる。各開口は隣接する3つの行を印刷し、間隔は1ピッチ長さとなる。画像は2パスで印刷される。本ケースでは、パス間の横方向の相対移動量は、N×6+9という式に従って、ピッチ長さの9倍、15倍又はそれ以上の距離であってもよい。なお、Nは0を含む整数である。
【0061】
DDC制御を複数の開口列と組み合わせて利用することも可能である。
【0062】
通常、受像面に対する記録ヘッド機構の横方向への相対移動量は、記録ヘッド機構における開口間の横方向距離よりも大きい。このことは、任意の開口にとって、その後のパスの間における横方向位置は、それ以前のパスにおける当該開口の横方向に隣り合う開口の位置を超える、ということを意味する。代わりになるべきものとして、任意の開口は、それ以前のパスに1パスを加えた分、すなわち2パス以前において当該開口と横方向に隣り合う開口の位置を超えていく。このことは、開口は、次のパスの時点で又は次のパスの間で、隣接する開口位置を超える、ということを意味する。
【0063】
記録ヘッド機構の開口の横方向の間隔は、任意の好適な値をとることができる。好ましくは、その値は、ピッチ長さの1〜9倍の値であり、より好ましくは、ピッチ長さの2〜6倍またはそれ以下の値である。さらに好ましくは、ピッチ長さの3〜5倍である。
【0064】
前述の図5において、受像面部材はドラム2001である。ドラムは軸2201回りに回転する。ドラムの周囲部には、4つのプリントステーション2003が配置されている。プリントステーション2003は、それぞれ異なる色、例えばイエロー、シアン及びマゼンタのトナー粒子を備えており、カラー印刷が可能となっている。第4のプリントステーションは、白黒印刷が可能なように黒色のトナー粒子を備えている。また、黒のプリントステーションは、カラープリントステーションの前に配置することができる。また、画像を他の媒体に転写するための転写ステーション2016,2017が設けられている。転写は、静電吸引力により行ってもよく、圧力転写で行ってもよい。必要であれば、記録ヘッド機構のトナー粒子を除去するためのクリーニングステーション(例えば、図2の参照番号1061に示すようなタイプのもの)を設けてもよい。クリーニングステーションは、減圧源を備えている。減圧源は、記録ヘッド機構に吸引力が作用するように、ドラムにおける横方向に並ぶ1以上の開口列を通じて作用する。
【0065】
各プリントステーションに設けられた記録ヘッド機構2005は、図4a〜4cに示すタイプのもの、すなわち、列における開口の間のピッチが一定の2列の平行な開口列が設けられたものである。一方の列の開口は、他方の列の開口に対して千鳥状に配置されている。一方の列の開口の中心は、他方の列の開口間のスペースに位置づけられていてもよいが、偏心していてもよい。
【0066】
記録ヘッド機構2005のクリーニングは、各パスの終了後に行うことが好ましい。あるいは、1つの画像が形成された後、又は2以上の画像が形成された後に行われる。
【0067】
パスの間、ドラム上に形成される画像の横方向ラインの各々は、記録ヘッド機構を順に通り過ぎる。横方向ラインは、転写ステーション2016,2017を通過する。ドラムが回転している間、それは軸2201に沿って移動する。記録ヘッド機構体及びドラムは、ドラムの軸と平行な横方向に関し、互いに継続的に相対移動する。ドラムの各回転により、記録ヘッド機構のパスが生じる。印刷が行われている2以上のパス又はドラムの回転の後、画像の先端が溶融ユニットに達するとすぐに、転写ステーションは用紙に対して画像の転写を開始する。このような転写は、画像の他の部分が記録ヘッド機構のすべてを通過する前に開始されてもよい。クリーニングステーション(図示せず)は、各記録ヘッド機構が各パスにおいてクリーニングされるように配置されることが好ましい。
【0068】
画像はドラムの外周部の大部分を占めていることが好ましく、特に50%以上が好ましく、75%以上が更に好ましい。画像がドラムの外周部の十分な大きさを占めている場合には、すべての記録ヘッド機構による先のパスが終了するよりも前に、印刷のため画像の先端が通過し始める。
【0069】
パスの間又はパスの間中の横方向への相対移動は、以下の値であってもよい。パス数が3又は4であり記録ヘッド機構1つあたり2列の開口が設けられた第1の例では、ピッチ長さの(P+RxPxN+1)倍又は(P+RxPxNー1)倍の進行距離とすることにより、横方向の移動にとって好適な値が与えられる。ここで、Pはパス数であり、Rは列数であり、Nは0を含む整数である。パス数が5であり記録ヘッド機構1つあたり2列の開口が設けられた第2の例では、ピッチ長さの(P+RxPxN+X)倍又は(P+RxPxNーX)倍の進行距離とすることにより、横方向の移動にとって好適な値が与えられる。ここで、Xは+3、+1、ー1、ー3の値をとり得る。パス数が2であり記録ヘッド機構1つあたり3列の開口が設けられた第3の例では、進行距離をRxPxNー2とすることができる。パス数が3であり記録ヘッド機構1つあたり3列の開口が設けられた第4の例では、進行距離をRxPxN+Xとすることができる。ここで、Xはー7又はー5とすることができる。
【0070】
記録ヘッド機構における異なる開口列の間のドット密度がスターべーション効果によって変動する場合、上述の例は特に有用である。しかし、スターべーション効果は、横方向に互いに離隔されて隣り合ういくつかの開口においても、発生することがあり得る。この場合には、横方向の移動量を大きくすることが適当かもしれない。例えば、スターべーション効果を2倍以上にしてもよい。記録ヘッド機構又はプリンターの他の部分は、画像の光学濃度を計測する器具を備えていてもよい。本器具は、スターべーション効果の横方向範囲を検出してもよい。スターべーション効果の影響を受ける開口が、先のパスにおいて「欠乏した」開口によって形成された行に隣接する行を印刷しないように、上記器具の出力を使用して横方向への十分な移動を行ってもよい。
【0071】
いくつかのパスの後、記録ヘッド機構に対するドラムの相対移動の方向が反転される。これにより、移動方向が変化する間、印刷をしないパスが発生する。方向の変更は、1つの画像が完了した後であって他の画像が開始される前に行われることが好ましい。この場合もまた、印刷を行わないパスが生じ、ドラムの横方向の速度及び/又はパターンを変化させることが望ましい。
【0072】
転写ドラム2001は、導電性材料で形成することができる。トナー搬送体に向かって外方に突出する材料の表面に、絶縁材料からなる薄い層、好ましくは100ミクロン未満の層を随意に被覆してもよい。導電性材料は、電気を導通させる限りどのような材料でもよいが、好ましくは金属である。その金属は、好ましくはアルミニウムである。絶縁材料から成る薄い層は、転写ベルト又はドラムの表面上のトナーに電荷を反射するミラー電荷を形成するのに十分なだけの静電場ラインを通過させるに足るほど薄い層である。このミラー電荷は、トナーを転写ベルト又はドラムに保持する力を強める。絶縁材料は好適な任意の材料からなり、特に酸化アルミニウムが好適である。酸化アルミニウムはドラムの任意の導電性材料と組み合わせることができるが、表面がアルミのドラムに対して使用すると特に好適である。強度の高い材料からなるドラムはより高い圧力に耐えるので、上述の形態のドラムは、圧力を加えることにより画像が転写される場合に特に好適である。
【0073】
本形態のドラムは、前述したマルチパスのプリンターにおいて特に有用であるが、他の種類のプリンターにも用いることができ、特に、ドラム又はベルトの表面速度が大きいものに好適である。
【0074】
前述のいずれの例においても、ピッチ(ドット中心間の距離)は変更可能である。横方向ラインのドット間距離(水平方向ピッチ)及び/又は縦行のドット間距離(垂直方向ピッチ)を変更してもよい。水平方向ピッチは、パス間の横方向の相対移動量を変えることによって変更することができる。垂直方向ピッチは、印刷行間の縦方向の移動量を変えることによって変更することができる。
【0075】
画像形成装置に用いられる背部電極部材には、種々の異なるタイプのものを用いることができる。例えば、固定式又は回転式のロール又はスリーブでもよく、ガイドロールによって無端ループ状に配置された移動自在なベルトであってもよい。用途に応じて、背部電極部材には様々な種類の材料、例えば、好適な合金又は他の導電性材料からなるものを用いることができる。さらに、背部電極部材は、中間画像受像部材を構成するベルトの背部に配置することも可能である。
【0076】
また、画像が情報搬送体に直接印刷されるように、印刷の間、記録紙のような好適な情報搬送体が背部電極を横切り、あるいは、情報搬送体が導電性を有することによって背部電極を構成する実施形態も考えられる。
【0077】
他の用途では、中間画像が背部電極部材の表面に直接形成され、その後、画像は記録紙のような好適な受像層に転写される。いわゆるマルチインターレーシング(multi-interlacing;MIC)技術を用いる用途では、背部電極に直接印刷することが特に好適である。
【0078】
さらに、トナー粒子を搬送する静電場が、1対の電極以外の他の手段によって生成される応用例、例えば、それ自身が静電場を生成する好適な帯電搬送体によって静電場が生成されるような応用例も考えられる。
【0079】
印刷の品質を高め、印刷文字を鮮明にするために、本発明は、画像位置領域の少なくとも一部における各ドットに、十分な量のトナー粒子を与えることを提案している。トナー粒子の量は、少なくとも全光学濃度(full optical density)のドットの各々において、十分な数であるべきである。全光学濃度は、以下の器具によって測定された少なくとも1.4の光学濃度として定義される。その器具とは、Kollmogen Instruments Corp., PO Box 1297, Newburgh NY 12550, U.S.A. のMacbeth RD 914である。半光学濃度(half optical density)は、上述の測定による約0.7の光学濃度として定義される。
【0080】
本発明によれば、少なくとも35個の帯電トナー粒子が、画像位置領域の少なくとも一部の各ドットにアドレスされる。少なくとも全光学濃度のそれぞれに対し、1ドットあたり少なくとも35個の帯電トナー粒子がアドレスされることが好ましい。それにより、それぞれのドットにおいて、ドットの縁形状を明瞭にするのに十分な数のトナー粒子が確保される。
【0081】
本発明の他の態様によれば、溶融ユニット1013での溶融前の受像面上の帯電粒子の投影領域は、少なくとも画像位置領域の一部において(好ましくは、少なくとも全光学濃度上で)、受像面の印刷領域の少なくとも0.5倍である。溶融ユニット1013における溶融の後、投影領域は、少なくとも画像位置領域の一部において(好ましくは、少なくとも全光学濃度上で)、受像面の印刷領域の少なくとも0.8倍である。トナー粒子の投影領域は、顕微鏡によって容易に測定することができる。
【0082】
本発明の更に他の態様によれば、600×600dpi(dots per square inch)で印刷された各ドットは、全光学濃度上、少なくとも35個の帯電トナー粒子を含んでいる。半光学濃度上では、帯電トナー粒子の数は、600×600dpiで印刷された各ドットにおいて、少なくとも15個、好ましくは少なくとも25個である。
【0083】
本発明の他の実施形態によれば、全光学濃度上、300×300dpiの帯電トナー粒子の数は、各印刷ドットで少なくとも140個であり、半光学濃度上では、各印刷ドットで少なくとも50個、好ましくは少なくとも70個である。
【0084】
更に他の実施形態によれば、ドットサイズは少なくとも400×400dpi(dots per square inch)である。
【0085】
各ドットの粒子の数は、顕微鏡によって算定することができる。図5は、トナー粒子を番号1055で表した印刷ドットの拡大図である。
【0086】
各印刷工程の間に開口1052を通過して受像面に移動するトナー粒子の量は、制御ユニット(図示せず)によって制御され、制御ユニットは、制御電位を供給する制御電極1053に接続された可変型の制御電源を備えている。各印刷ドットにおけるトナー粒子の数に関する本発明の基準を満たすために、トナー粒子の粒子サイズも考慮しなければならない。トナー粒子の平均直径は、3〜8ミクロンが好ましい。
【0087】
トナー粒子は、非磁性体のトナー粒子であることが好ましい。
【0088】
各印刷工程におけるトナー粒子の供給量は、更に印刷工程の長さによって決定される。印刷工程の長さは、記録ヘッド機構に対する受像面の相対移動によって調整される。各印刷工程において十分な量のトナー粒子を供給するために、前述の所謂マルチパス技術を用いてもよい。
【0089】
本発明は前述の実施形態に限定されず、請求項の範囲内において変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】図1は、無端状に配置されたベルト上に受像面が設けられた画像形成装置の概略図である。
【図2】図2は、例えば図1に示すような画像形成装置のプリントステーションの概略断面図である。
【図3】図3は、粒子供給源及び受像面に対する記録ヘッド機構の位置付けを示す印刷領域の概略断面図である。
【図4a】図4aは、画像形成装置に用いられる種類の記録ヘッド機構の部分図であり、記録ヘッド機構におけるトナー供給ユニットに対向する面を示している。
【図4b】図4bは、画像形成装置に用いられる種類の記録ヘッド機構の部分図であり、記録ヘッド機構における受像面に対向する面を示している。
【図4c】図4cは、図4aの記録ヘッド機構のI−I線及び図4bのII−II線の断面図である。
【図5】図5は、円筒ドラムの外壁に受像面が設けられた画像形成装置の概略側面図である。
【図6】図6は、2パス方法における1パスで印刷された印刷列の概略図である。
【図7】図7は、図6に示す印刷列に第2パスを追加した概略図である。
【図8】図8は、2パスプリント方法で低濃度の印刷を行う開口の影響の概略図である。
【図9】図9は、第1の印刷パターンの概略図である。
【図10】図10は、第2の印刷パターンの概略図である。
【図11】図11は、第3の印刷パターンの概略図である。
【図12】図12は、第4の印刷パターンの概略図である。
【図13】図13は、第5の印刷パターンの概略図である。
【図14】図14は、第6の印刷パターンの概略図である。
【図15】図15は、印刷されたドットを拡大した概略図である。
Claims (30)
- 画像情報が、粒子搬送体から受像面に向かう帯電トナー粒子の輸送を調整するための静電場パターンに変換される画像形成装置であって、
帯電トナー粒子を前記粒子搬送体から前記受像面に向かって輸送可能とする背景静電場を生成するための背景電源(background voltage source)と、
前記背景静電場内に配置され、複数の開口と該開口に対応して配置された複数の制御電極とを有する記録ヘッド構造と、
画像情報に従って前記粒子搬送体から前記開口を通過して輸送される帯電トナー粒子の輸送を選択的に許可又は規制する制御電位を前記制御電極に供給するための制御電源と、
前記記録ヘッド構造に関連して移動するように配置され、輸送された帯電トナー粒子を画像の形状に受け止めるための前記受像面と、
全帯電トナー粒子を前記受像面のそれぞれのドット位置に当てる制御を行うよう構成された制御手段とを備え、
前記制御手段は、画像位置領域の少なくとも一部においてアドレスドットあたり少なくとも35個の帯電トナー粒子に相当する帯電トナー粒子をアドレスするように構成されていることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1の画像形成装置において、
前記制御手段は、画像位置領域の少なくとも一部において、画像位置領域1m2あたり2×1010個(画像位置領域1mm2あたり2×104個)の帯電トナー粒子をアドレスするように構成されていることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項2の画像形成装置において、
前記制御手段は、全光学濃度上、画像位置領域1m2あたり2×1010個(画像位置領域1mm2あたり2×104個)の帯電トナー粒子をアドレスするように構成されていることを特徴とする画像形成装置。 - 先行するいずれかの請求項の画像形成装置において、
前記制御手段は、画像位置領域の少なくとも一部において、受像面上の溶解前の粒子の投影面積が、該受像面の画像位置領域の少なくとも0.5倍となるように帯電トナー粒子をアドレスするように構成されていることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項4の画像形成装置において、
前記制御手段は、全光学濃度上、受像面上の溶解前の粒子の投影面積が、受像面の画像位置領域の少なくとも0.5倍となるように帯電トナー粒子をアドレスするように構成されていることを特徴とする画像形成装置。 - 先行するいずれかの請求項の画像形成装置において、
画像位置領域の少なくとも一部において、溶解後の帯電トナー粒子の投影面積が、受像面の画像位置領域の少なくとも0.8倍であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項6の画像形成装置において、
全光学濃度上、溶解後の帯電トナー粒子の投影面積が、受像面の画像位置領域の少なくとも0.8倍であることを特徴とする画像形成装置。 - 先行するいずれかの請求項の画像形成装置において、
前記制御手段は、全光学濃度上、600×600dpi(dots per square inch)のアドレスドットあたり少なくとも35個の帯電トナー粒子をアドレスするように構成されていることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項8の画像形成装置において、
前記制御手段は、半光学濃度上、600×600dpi(dots per square inch)のアドレスドットあたり少なくとも15個、好ましくは少なくとも25個の帯電トナー粒子をアドレスするように構成されていることを特徴とする画像形成装置。 - 先行するいずれかの請求項の画像形成装置において、
前記制御手段は、全光学濃度上、300×300dpi(dots per square inch)のアドレスドットあたり少なくとも140個の帯電トナー粒子をアドレスするように構成されていることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項9の画像形成装置において、
前記制御手段は、半光学濃度上、300×300dpi(dots per square inch)のアドレスドットあたり少なくとも50個、好ましくは少なくとも70個の帯電トナー粒子をアドレスするように構成されていることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1〜9のいずれかの画像形成装置において、
ドットサイズは少なくとも400×400dpi(dots per square inch)であることを特徴とする画像形成装置。 - 先行するいずれかの請求項の画像形成装置において、
前記トナー粒子は非磁性体からなることを特徴とする画像形成装置。 - 先行するいずれかの請求項の画像形成装置において、
背部電極を更に備え、
前記受像面は前記背部電極の第1の面からなり、前記画像形状のトナー粒子が前記第1の面から情報搬送体に転写自在になっていることを特徴とする画像形成装置。 - 先行するいずれかの請求項の画像形成装置において、
前記受像面は、背部電極としても機能する情報搬送体の第1の面からなることを特徴とする画像形成装置。 - 先行するいずれかの請求項の画像形成装置において、
中間画像受像部材と背部電極とを更に備え、
前記受像面は前記中間画像受像部材の第1の面からなり、背部電極は前記中間画像受像部材の第2の面に対向して位置づけられ、
前記画像形状が前記中間画像受像部材の第1の面から情報搬送体に転写自在になっていることを特徴とする画像形成装置。 - 先行するいずれかの請求項の画像形成装置において、
背部電極を更に備え、
前記受像面は情報搬送体の第1の面からなり、前記背部電極は前記情報搬送体の第2の面に対向して位置づけられていることを特徴とする画像形成装置。 - 画像情報を静電場のパターンに変換する画像形成方法であって、
粒子搬送体から受像面に向かう帯電トナー粒子の移動を調整すること、
帯電トナー粒子を前記粒子搬送体から前記受像面に向かって移動可能とする背景静電場を生成すること、
開口が設けられた記録ヘッド機構を前記背景静電場内に配置し、制御電極を該開口に対応して配置すること、
前記制御電極に電源を接続し、該制御電極に制御電位を供給して、画像情報に従って前記粒子搬送体から前記開口を通過して移動する帯電トナー粒子の移動を選択的に許可又は規制する静電場パターンを生成すること、
移動してきた帯電トナー粒子を画像の形状に受け止めるように前記記録ヘッド機構に対して前記受像面を移動させること、及び
前記受像面のそれぞれのドット位置にアドレスされる帯電トナー粒子の量を制御すること、を含み、
画像位置領域の少なくとも一部においてドットあたり少なくとも35個の帯電トナー粒子をアドレスするように、それぞれのドット位置にアドレスされる帯電トナー粒子の量を制御することを特徴とする画像形成方法。 - 請求項18の画像形成方法において、
画像位置領域の少なくとも一部において、画像位置領域1m2あたり2×1010個(画像位置領域1mm2あたり2×104個)に相当する量になるように帯電トナー粒子の量を制御することを特徴とする画像形成方法。 - 請求項19の画像形成方法において、
全光学濃度上、画像位置領域1m2あたり2×1010個(画像位置領域1mm2あたり2×104個)に相当する量になるように帯電トナー粒子の量を制御することを特徴とする画像形成方法。 - 請求項19又は20の画像形成方法において、
画像位置領域の少なくとも一部において、アドレスされるトナー粒子の量が、受像面上の溶解前の粒子の投影面積が該受像面の画像位置領域の少なくとも0.5倍となるように、帯電トナー粒子の量を制御することを特徴とする画像形成方法。 - 請求項21の画像形成方法において、
全光学濃度上、アドレスされるトナー粒子の量が、受像面上の溶解前の該粒子の投影面積が該受像面の画像位置領域の少なくとも0.5倍となるように、帯電トナー粒子の量を制御することを特徴とする画像形成方法。 - 先行するいずれかの請求項の画像形成方法において、
画像位置領域の少なくとも一部において、アドレスされるトナー粒子の量が、溶解後の帯電トナー粒子の投影面積が受像面の画像位置領域の少なくとも0.8倍となるように、帯電トナー粒子の量を制御することを特徴とする画像形成方法。 - 請求項23の画像形成方法において、
全光学濃度上、アドレスされるトナー粒子の量が、溶解後の帯電トナー粒子の投影面積が受像面の画像位置領域の少なくとも0.8倍となるように、帯電トナー粒子の量を制御することを特徴とする画像形成方法。 - 請求項18〜24のいずれかの画像形成方法において、
全光学濃度上、600×600dpi(dots per square inch)のドットあたり少なくとも35個の帯電トナー粒子をアドレスするように、それぞれのドット位置にアドレスされる帯電トナー粒子の量を制御することを特徴とする画像形成方法。 - 請求項25の画像形成方法において、
半光学濃度上、600×600dpi(dots per square inch)のドットあたり少なくとも15個、好ましくは少なくとも25個の帯電トナー粒子をアドレスするように、それぞれのドット位置にアドレスされる帯電トナー粒子の量を制御することを特徴とする画像形成方法。 - 請求項18〜25のいずれかの画像形成方法において、
全光学濃度上、300×300dpi(dots per square inch)のアドレスドットあたり少なくとも140個の帯電トナー粒子をアドレスするように、それぞれのドット位置にアドレスされる帯電トナー粒子の量を制御することを特徴とする画像形成方法。 - 請求項27の画像形成方法において、
半光学濃度上、300×300dpi(dots per square inch)のアドレスドットあたり少なくとも50個、好ましくは少なくとも70個の帯電トナー粒子をアドレスするように、それぞれのドット位置にアドレスされる帯電トナー粒子の量を制御することを特徴とする画像形成方法。 - 請求項18〜26のいずれかの画像形成方法において、
ドットサイズは少なくとも400×400dpi(dots per square inch)であることを特徴とする画像形成方法。 - 先行するいずれかの請求項の画像形成方法において、
前記トナー粒子は非磁性体からなることを特徴とする画像形成方法。
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