JPH10314884A - 薄肉円板状素材の外周増肉方法 - Google Patents

薄肉円板状素材の外周増肉方法

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JPH10314884A
JPH10314884A JP13765897A JP13765897A JPH10314884A JP H10314884 A JPH10314884 A JP H10314884A JP 13765897 A JP13765897 A JP 13765897A JP 13765897 A JP13765897 A JP 13765897A JP H10314884 A JPH10314884 A JP H10314884A
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Hiroshi Kojima
宏 小島
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 薄肉円板状素材の外周に増肉部を形成するに
際して、増肉用ロールによる加圧に際しては、素材の肉
厚が問題となる。即ち肉厚が素材の材質にもよるが、通
常の鋼板では実験結果から2.6mm厚が限界で、それ
より薄い鋼板は変形してクラックを発生する等の問題が
ある。本発明は上記通常の増肉加工では限界の例えば
2.6mm以下の肉薄の素材に対しても所定の増肉部を
形成することの出来る増肉方法を提供することを目的と
する。 【解決手段】 薄肉円板状素材の外周所定長さを表裏両
面に亘り波打ち状に屈曲して幅出し部を形成し、ついで
該幅出し部を増肉ロールにより半径方向に押圧して断面
台形状の増肉部に形成することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は薄肉円板状素材の外
周に例えば歯車等を形成するために増肉部を形成する方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】上記薄肉円板状素材の外周を増肉するた
めには、通常は図10に示す如くスピニングマシンを利
用して上記素材Wを回転しつゝ外周を増肉ロールRを半
径方向に押圧して鎖線で示す断面台形の増肉部Cを形成
する方法がある。22はスピニングマシンの回転主軸に
取付けられた駆動円板、24は心押台に取付けられる支
持円板を示す。駆動円板22及び支持円板24の外径は
それぞれ形成すべき増肉部Cの内径とし、絞りロールR
は所定の曲面、例えば台形の成形面Raを形成する。こ
れにより素材Wを回転しつゝ絞りロールRを半径方向に
押圧することにより図10の鎖線に示す台形等の増肉部
Cを形成するものであり、該増肉部Cは更に所定形状に
圧縮して例えば歯車等を刻設するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記絞りロールRによ
る加圧に際しては、素材Wの肉厚と突出し量Lが問題と
なる。即ち肉厚が素材の材質にもよるが、通常の鋼板で
は実験結果からはL=10×tが限界でありt=2.6
mmの場合はL=26mmが限界であるも、増肉後の形
状のボリューム(体積)からするとLを26mm以内と
することはできず、結果として2.6mmより薄い鋼板
は図11に示す如く変形Dして、場所によってはクラッ
クEを発生する等の問題がある。本発明はかゝる点に鑑
み上記通常の増肉加工では限界の例えば2.6mm以下
の肉薄の素材に対しても所定の増肉部を形成することの
出来る増肉方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の薄肉円板状素材の外周増肉方法は、薄肉円板
状素材の外周近傍適所の所定長さを表裏両面に亘り波打
ち状に屈曲して幅出し部を形成し、ついで該幅出し部を
増肉ロールにより半径方向に押圧して断面台形状の増肉
部に形成することを特徴とする。
【0005】上記の方法からなる本発明は、素材の外周
近傍適所の所定長さを表裏両面に亘り波打ち状に屈曲し
て幅出し部を形成することにより、素材は幅方向への押
圧力に対する強度は増加する。これにより半径方向への
圧縮は表裏方向に屈曲することなく、増肉される。
【0006】
【発明の実施の形態】図1乃至図8は本発明の実施例を
示す。薄肉円板状素材Wに対する増肉方法は、2工程に
分けて行われる。先ず外周所定長さを図1に示す予備成
形機構1により波打ち状に屈曲する。即ちこの予備成形
機構1は、回転主軸2に取付けられる駆動円板3と心押
台に回転可能に取付けられる支持円板4並びに両円板
3、4に挟持して取付けられる薄肉円板状素材Wの外周
近傍適所(に対し表裏両面に亘り波打ち状に屈曲する幅
出し成形部材5とを備える。
【0007】この幅出し成形部材5は、対をなす歯車1
0a、10bと、それぞれの歯車をベアリング11a、
11bを介して回転可能に取付ける支持アーム12a、
12bとを備え、支持アーム12a、12bはそれぞれ
支軸13a、13bにより支持筐体14に取付けられ、
かつ間隔調整ネジ15により、両歯車10a、10b間
の間隔を調整する如くなす。なお、両歯車は通常の歯車
としてもよいが、好ましくはサインカーブ10Cとす
る。そしてその高さhは、幅wの素材Wを屈曲すること
により得られる屈曲部Aの幅Bを形成する高さとする。
16は間隔調整ネジ15の駆動部材である。なお、この
歯車10a、10bの幅dは素材Wの外周近傍適所に形
成する波状屈曲部Aの高さとする。なお、この予備成形
機構1は次工程のスピニングマシンを利用してもよい。
【0008】つぎに図7はスピニングマシンを利用して
行う第2工程の増肉要領の説明図である。このスピニン
グマシン20は、前記第1工程の予備成形機構1により
外周近傍適所を波打ち状に屈曲された中間素材Waの屈
曲部Aに対し半径方向に圧縮して増肉部Cを形成するも
ので、駆動軸21に駆動円板22を取付け、心押台23
には支持円板24を回転可能に支持せしめる。Rは増肉
用成形ロールを示し、ターレット台25に取付けられ
る。26は該ターレット台25を載置し進退させる取付
け台、27は該取付け台26を左右方向に移行させる往
復台を示す。その他の構造は周知構造であり、説明を省
略する。なお、屈曲部Aを施す箇所は駆動円板22と支
持円板24により把持された際に突出する根元部分を包
含する範囲(従来例でクラックEの発生する箇所)であ
る。
【0009】次に薄肉円板状素材Wに対する増肉要領を
説明する。まず適宜手段により所定の外径と内径とを有
する素材Wを形成し、予備成形機構1の駆動円板3に取
付け、支持円板4とにより支持せしめる。ただし両円板
3、4の外径は形成すべき成形部Cの内径と略々同一径
とする。ついで成形部材5の両歯車10a、10bを素
材Wの外周に対し挟持せしめ、間隔調整ネジ15等によ
り両歯車間を狭窄しつゝ駆動円板3を回転し、素材Wの
外周に対し表裏両面に亘り波打ち状に屈曲する幅出し部
Aを形成する。その概要を図5に示す。即ち幅出し部A
の幅Bは、増肉加工可能な幅、具体的には前記2.6m
mより大、好ましくは3.0mmより大に形成する。
【0010】次に上記形成された中間素材Waを第2工
程のスピニングマシン20の駆動円板22に取付け、心
押台23の支持円板24とにより挟持せしめる。ついで
中間素材Waの幅出し部Aに対し増肉用成形ロールRを
押しつけ増肉部Cを形成する。その要領を図8及び図9
に示す。なおこの成形ロールRの成形部Raの角度θは
必要な増肉の形状により異なるが、その工程を複数回と
する場合、1工程としては可及的に狭くすることか好ま
しい。これにより増肉に際して湾曲することが防止され
る。なお、上記成形ロールRでは尖頭状で、そのまゝで
は偏平に成形が困難なときは、それよりも形成部の角度
を大とした第2の成形ロールR2により若干偏平の台形
に形成してもよい。
【0011】
【発明の効果】以上の如く本発明によるときは、薄肉円
板状素材の外周所定長さを表裏両面に亘り波打ち状に屈
曲して幅出し部を形成したから、素材は幅方向への押圧
力に対する強度は増加し、従って該幅出し部を増肉ロー
ルにより半径方向に押圧しても横方向へ変形することが
なく、確実に所要の台形状の増肉部に形成することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する第1工程の予備成形機構の説
明図である。
【図2】予備成形機構の幅出し成形部材の正面図であ
る。
【図3】図2における側面図である。
【図4】予備成形機構の成形歯車の平面図である。
【図5】素材に対する幅出し成形要領の説明図である。
【図6】屈曲部を説明するための中間素材の部分斜視図
である。
【図7】第2工程のスピニングマシンの説明図である。
【図8】幅出し部への増肉形成要領説明図である。
【図9】形成された増肉部の説明図である。
【図10】従来方法による増肉要領説明図である。
【図11】従来方法による増肉時に形成される湾曲の発
生要領の説明図である。
【符号の説明】
1 予備成形機構 10a 歯車 10b 歯車 20 スピニングマシン R 増肉成形ロール W 素材 Wa 中間素材 A 幅出し部 C 増肉部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薄肉円板状素材の外周近傍適所の所定長
    さを表裏両面に亘り波打ち状に屈曲して幅出し部を形成
    し、ついで該幅出し部を増肉ロールにより半径方向に押
    圧して断面台形状の増肉部に形成することを特徴とする
    薄肉円板状素材の外周増肉方法。
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