JPH10314767A - 超臨界水反応装置及び超臨界水反応処理流体の減圧方法 - Google Patents

超臨界水反応装置及び超臨界水反応処理流体の減圧方法

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JPH10314767A
JPH10314767A JP9130651A JP13065197A JPH10314767A JP H10314767 A JPH10314767 A JP H10314767A JP 9130651 A JP9130651 A JP 9130651A JP 13065197 A JP13065197 A JP 13065197A JP H10314767 A JPH10314767 A JP H10314767A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 処理流体系統の圧力制御が容易な超臨界水反
応装置及び超臨界水反応処理液の減圧方法を提供する。 【解決手段】 本超臨界水反応装置70は、超臨界水が
滞留する超臨界水領域を内部に有する反応器12を備
え、有機物を含む流体を超臨界水領域に導入して、超臨
界水内で流体中の有機物を分解し処理流体として流出さ
せる。本装置は、処理流体の減圧系統として、処理流体
を冷却する冷却器36と、処理流体を減圧する減圧弁3
8と、減圧弁を調節して、反応器内の圧力を第1の所定
圧力に制御する第1の圧力制御装置52と、減圧弁の下
流に設けれた気液分離槽40と、気液分離槽の圧力を第
2の所定圧力に制御する第2の圧力制御装置54と、気
液分離槽に流入した処理流体の温度が二酸化炭素の臨界
温度以上であるように、処理流体の冷却器出口温度を調
節する温度調節装置72とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超臨界水反応装置
及び超臨界水反応処理流体の減圧方法に関し、更に詳細
には、安定した超臨界水反応を維持できるように改良し
た超臨界水反応装置及び超臨界水反応処理流体の減圧方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】超臨界水反応装置とは、超臨界水の高い
反応性を利用して有機物を分解する装置であって、例え
ば、難分解性の有害な有機物を分解して無害な二酸化炭
素と水に転化したり、難分解性の高分子化合物を分解し
て有用な低分子化合物に転化したりするために、現在、
その実用化が盛んに研究されている。超臨界水とは、超
臨界状態にある水、即ち、水の臨界点を越えた状態にあ
る水を言い、詳しくは、臨界温度、即ち374.1℃以
上の温度で、かつ水の臨界圧力、即ち22.04MPa
以上の圧力下にある状態の水を言う。超臨界水は、有機
物を溶解する溶解能が高く、有機化合物に多い非極性物
質をも完全に溶解することができ、また、超臨界水は、
酸素や窒素などの気体と任意の割合で混合して単一相を
構成することができる。
【0003】環境問題に対する認識の高まりと共に、超
臨界水反応装置の適用分野の一つとして、環境汚染物質
の分解、無害化が、注目されている。すなわち、超臨界
水のこのような性質を利用した超臨界水反応により、従
来技術では分解することが難しかった有害な難分解性の
有機物、例えば、PCB(ポリ塩化ビフェニル)、ダイ
オキシン、有機塩素系溶剤等を分解して、二酸化炭素、
水、無機塩などの無害な生成物に転化する試みである。
【0004】ここで、超臨界水反応とは、超臨界水内の
反応又は超臨界水を媒体とした反応を意味し、例えば塩
素や硫黄などの塩生成物質を含む難分解性有機物を超臨
界水内で酸化剤、例えば空気により酸化分解する酸化反
応、或いは超臨界水内で高分子有機物を低分子化する分
解反応等が例として挙げられる。これらの超臨界水反応
では、超臨界水が反応物、例えば有機物と酸素とを溶解
する溶媒としてのみ、すなわち反応場としてのみ機能す
る場合もあり、また超臨界水が反応物と反応する場合も
あり、超臨界水が反応に寄与する態様は、複雑でかつ様
々である。
【0005】超臨界水反応は、基本的には、図4に示す
ような超臨界水反応装置によって実施される。超臨界水
反応装置10は、縦型反応容器12を備え、反応容器1
2の上部には、水の臨界点以上の条件、即ち超臨界条件
が維持されている超臨界水領域14が存在している。被
処理水に含まれる有機物中に塩素化合物、硫黄化合物等
の酸形成物質が含まれている場合には、超臨界水反応に
より酸が生成して、反応容器12を腐食するので、中和
剤により中和して塩に転化する。この場合には、通常、
超臨界水領域14との界面16を介して反応容器12の
下部に水の臨界温度より低い温度に維持されている亜臨
界水領域18を形成し、生成した塩を超臨界水領域14
から亜臨界水領域に移行させて再溶解し、後述するよう
に亜臨界排水と共に排出している。超臨界水領域14に
は超臨界水が、亜臨界水領域18には亜臨界水が、それ
ぞれ界面16を介して滞留している。
【0006】反応容器12の上部には、流入管20が接
続され、超臨界水反応を行う流体が超臨界水領域14に
流入する。流入管20には、超臨界水反応により処理す
る有機物を有する被処理水を送入する被処理水ライン2
2、有機物を酸化させる酸化剤として空気を送入する空
気ライン24、及び、超臨界水領域に超臨界水を供給す
る超臨界水ライン26が合流している。反応容器12の
上部には、更に、処理流体ライン30が接続され、被処
理水中の有機物が、超臨界水反応により、主として水と
二酸化炭素になって処理流体と共に超臨界水領域14か
ら処理流体ライン30を通って流出する。有機物が塩素
系化合物を有する場合には、生成する塩酸を中和するた
めに、被処理水にアルカリ中和剤を添加する中和剤ライ
ン28が被処理水ライン22に接続されており、また、
中和により生じた塩を移行させる亜臨界水領域18が形
成されている。亜臨界水領域18を形成する際には、亜
臨界水ライン32及び亜臨界排水ライン34が反応容器
12の下部に接続され、亜臨界水ライン32は亜臨界水
領域18に亜臨界水を供給し、また亜臨界排水ライン3
4は超臨界水反応及び中和反応により生成した塩を溶解
ないし懸濁している亜臨界水を亜臨界水領域18から亜
臨界排水として排出する。
【0007】処理流体ライン30には、図4に示すよう
に、冷却器36、減圧弁38、第1気液分離槽40及び
第2気液分離槽42が順次設けてある。反応容器12か
ら流出した処理流体は、冷却器36により熱を回収され
つつ所定温度、例えば約20℃に降温される。次いで、
処理流体は、減圧弁38により減圧され、断熱膨張しつ
つ一部蒸発し、蒸発熱により約15℃に温度低下した状
態で第1気液分離槽40に入る。第1気液分離槽40
で、処理流体は、気液分離し、気体は第1気液分離槽4
0の頂部から第1ガスライン44を経由して大気中に放
出される。一方、液体は、第1液体ライン46を経由
し、減圧により一部蒸発して気液混相流で第2気液分離
槽42に流入する。第2気液分離槽42で、気液混相流
は、気液分離し、気体は第2気液分離槽42の頂部から
第2ガスライン48及び第1ガスライン44を経由して
大気中に放出され、一方、液体は第2液体ライン50を
経由して系外に送水される。
【0008】処理流体は、急激な圧力降下による減圧弁
38の消耗を防ぐために、2段階で減圧される。減圧の
第1段階では、処理流体は減圧弁38により減圧され
る、第2段階では、第1気液分離槽40と第2気液分離
槽42との間で行われる。減圧弁38は処理流体を減圧
しつつ流量調節し、圧力制御装置52は、反応容器12
内の圧力を所定の圧力、例えば24MPaに維持するよ
うに減圧弁38の弁開度を調整する。第1気液分離槽4
0は、その圧力が例えば10MPaに保持されるように
第1ガスライン44に設けた圧力制御弁54により制御
され、また第1液体ライン46に設けられた調節弁56
を液面制御装置58により調整することにより、槽内の
液面が所定液面に位置するように制御される。第2気液
分離槽42は、その圧力が例えば0.6MPaに保持さ
れるように第2ガスライン48に設けた圧力制御弁60
により制御され、また第2液体ライン50に設けられた
調節弁62を液面制御装置64により調整することによ
り、槽内の液面が所定液面に位置するように制御され
る。
【0009】図示しないが、必要に応じて、被処理水ラ
イン22、空気ライン24及び超臨界水ライン26に
は、供給する被処理水、空気及び超臨界水を所定の温度
に昇温し、所定の圧力に昇圧する加熱装置、圧縮機及び
昇圧ポンプがそれぞれ設けてある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述の従来の
超臨界水反応装置では、減圧弁、第1気液分離槽及び第
2気液分離槽からなる処理流体系統の2段階圧力制御が
システムの設計思想通りには機能せず、処理流体系統の
機器の運転状態が安定しないという問題があった。例え
ば、超臨界水反応装置のスタートアップでは、第1気液
分離槽及び第2気液分離槽の圧力制御が難しく、特に、
第2気液分離槽の圧力が大きく変動して、時には第2気
液分離槽の設計圧力を超えることもあった。そこで、以
上の問題に照らして、本発明の目的は、処理液体系統の
圧力制御が容易な超臨界水反応装置及び処理液の減圧方
法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、処理水の
圧力制御システムが安定しない理由を調べ、以下のこと
を見い出した。即ち、水、二酸化炭素、窒素、酸素、空
気等から構成されている処理流体は、第1気液分離槽4
0に流入した際、主として水からなる液体と、窒素、酸
素、空気等のガスとに気液分離される。二酸化炭素の大
部分は、第1気液分離槽40の圧力10MPa、温度1
5℃という運転条件では、液体として存在し、第2気液
分離槽42に流入し、そこで気体として第2ガスライン
48を経由して大気中に放出される。一方、超臨界水反
応装置のスタートアップ時には、超臨界水反応が開始さ
れていないために、二酸化炭素が殆ど存在しない。その
ため、スタートアップ時には、第2ガスライン48の圧
力制御弁60は殆ど閉止状態にある一方、超臨界水反応
が進行し始めると、二酸化炭素が急激に生成するため
に、第2気液分離槽42からの二酸化炭素の放出量が増
大し、圧力制御が追随できずに、第2気液分離槽42内
の圧力が上昇し、時には設計圧力を超えることもある。
そこで、本発明者らは、通常、第1気液分離槽で放出す
る酸素、窒素等のガス量は二酸化炭素ガス量の10倍程
度であることに注目し、放出ガス量が多い第1気液分離
槽で、二酸化炭素を酸素、窒素等と共に放出するように
すれば、二酸化炭素の生成量の多寡によって圧力制御が
不安定になることを無くすことができると考え、研究の
末に、本発明を完成するに到った。
【0012】上記目的を達成するために、上述の知見に
基づき、本発明に係る超臨界水反応装置は、超臨界水が
滞留する超臨界水領域を内部に有する反応器を備え、有
機物を含む流体を超臨界水領域に導入して、超臨界水内
で流体中の有機物を分解し処理流体として流出させる超
臨界水反応装置において、反応器から処理流体を流出さ
せる処理流体ラインに設けられ、処理流体を冷却する冷
却器と、処理流体ラインに設けられ、処理流体を減圧す
る減圧弁と、減圧弁の弁開度を調整して、反応器内の圧
力を第1の所定圧力に制御する第1の圧力制御装置と、
減圧弁の下流に設けられ、処理流体を気液に分離する気
液分離槽と、気液分離槽の圧力を第2の所定圧力に制御
する第2の圧力制御装置と気液分離槽に流入した処理流
体の温度が二酸化炭素の臨界温度以上であるように、処
理流体の冷却器出口温度を調節する温度調節装置とを備
えていることを特徴としている。
【0013】本発明で言う二酸化炭素の臨界温度は、3
1.1℃である。本発明で使用する冷却器は、処理流体
を他の流体、例えば被処理流体と熱交換させて冷却する
熱交換器でも、水で冷却する水冷却器でも、空気で冷却
する空冷式冷却器でも良い。本発明で使用する温度調節
装置は、熱交換器による冷却の場合には他の流体の流量
を、水冷却器の場合には水の流量及び/又は水温、空冷
式冷却器の場合には空気を送るファンの回転数等を、そ
れぞれ調節することにより、処理流体の冷却器出口温度
を調節する。冷却器出口温度は、少なくとも、処理流体
が断熱膨張しつつ一部気化し蒸発熱により温度低下する
低下温度分を二酸化炭素の臨界温度に加えた温度であっ
て、例えば低下温度分が8℃とすれば、冷却器出口温度
は8+31.1=約40℃である。低下温度は、処理流
体が第1の所定圧力から第2の所定圧力へ断熱膨張しつ
つ一部気化するとして、気液平衡計算及び熱収支計算に
より求めることができる。
【0014】本発明の超臨界水反応装置では、温度調節
装置に代えて、冷却器で冷却された処理流体を二酸化炭
素の臨界温度以上に加熱する加熱手段を減圧弁と気液分
離槽との間に設けても良い。加熱手段は、既知の加熱手
段を使用でき、例えば、スチーム管、電気抵抗発熱線等
を処理流体ラインの配管に沿って付設したり、或いは処
理流体ラインの配管の外側をスチームジャケット管で取
り囲む二重管構造にしても良い。更には、本発明の超臨
界水反応装置では、温度調節装置に代えて、冷却器で冷
却された処理流体を二酸化炭素の臨界温度以上に加熱す
る加熱手段を気液分離槽内に設けても良い。加熱手段
は、既知の加熱手段を使用でき、例えばスチームコイル
管を気液分離槽の下部の液体滞留部に設ける。
【0015】本発明に係る超臨界水反応処理流体の減圧
方法は、超臨界水が滞留する超臨界水領域を内部に有す
る反応器を備え、有機物を含む流体を超臨界水領域に導
入して、超臨界水内で流体中の有機物を分解する超臨界
水反応装置から流出する超臨界水反応処理液の減圧方法
であって、反応器から流出した処理流体を冷却する冷却
ステップと、冷却された処理流体を所定圧力に減圧する
減圧ステップと、減圧された処理流体を気液分離する気
液分離ステップとを備え、冷却ステップでは、減圧ステ
ップを経た処理流体の温度が二酸化炭素の臨界温度以上
であるように、処理流体を冷却することを特徴としてい
る。
【0016】本明細書で、処理流体とは、被処理液中の
反応対象物の分解により生成した生成物、即ち水、炭酸
ガス等の気体に加えて、超臨界水等を含む流体である。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に、添付図面を参照し、実施
例を挙げて、本発明の実施の形態を具体的かつ詳細に説
明する。実施例1 本実施例は、本発明に係る超臨界水反応装置の実施例の
一つであって、図1は本実施例の超臨界水反応装置の構
成を示すフローシートである。本実施例の超臨界水反応
装置70は、図4で説明した従来の超臨界水反応装置1
0の構成に加えて、第1気液分離槽40の液体滞留部4
0aの温度が二酸化炭素の臨界温度以上の温度、例えば
35℃になるように処理流体の温度を調節する温度調節
装置72を備えている。温度調節装置72は、第1気液
分離槽40の液体滞留部40aの液体の温度を測定する
温度計74と、冷却器36の冷却水又は他の流体の流量
を調整する流量調節弁76と、温度計74の測定温度に
基づいて流量調節弁76を調節し、処理流体を所定出口
温度にする温度制御装置78とから構成されている。所
定出口温度とは、気液分離槽に流入した処理流体の温度
が二酸化炭素の臨界温度以上であるような温度であっ
て、所定出口温度は、少なくとも、二酸化炭素の臨界温
度に断熱膨張による一部気化により温度低下する低下温
度分を加えた温度であって、例えば40℃である。
【0018】以上の構成により、本超臨界水反応装置7
0では、第1気液分離槽40の液体滞留部40aの温度
は、二酸化炭素の臨界温度(31.1℃)以上の35℃
に維持され、二酸化炭素は全て気体として第1気液分離
槽40から流出する。一方、第1気液分離槽40から第
1ガスライン44を経由して流出する窒素、酸素及び空
気の量は、生成される二酸化炭素の量の少なくとも10
倍であるから、二酸化炭素が全量排出される場合と、ス
タートアップ時の超臨界水反応開始前で二酸化炭素が排
出されない場合との間で、圧力制御弁54を通過するガ
ス流量は大きくは変わらない。よって、両者の場合と
も、処理流体系統を安定して圧力制御でき、従って超臨
界水反応装置を安定して運転することができる。
【0019】本実施例では、反応容器12から流出した
処理流体を温度調節装置72により制御しつつ40℃ま
で冷却する。次いで、冷却された処理流体を減圧弁38
により10MPaに減圧する。減圧された処理流体は、
断熱膨張による一部気化により温度低下して35℃で、
10MPaに圧力制御されている第1気液分離槽40に
気液混相流で流入し、気液分離する。第1気液分離槽4
0の液体滞留部40aの温度は、二酸化炭素の臨界温度
以上の温度であるから、処理流体中の二酸化炭素の全て
が、気体となって、酸素、窒素の他の気体と共に第1ガ
ラスライン44を経由して大気中に放出される。
【0020】実施例2 本実施例は、本発明に係る超臨界水反応装置の実施例の
一つであって、図2は本実施例の超臨界水反応装置の要
部の構成を示すフローシートである。本実施例の超臨界
水反応装置80は、実施例1の温度調節装置72に代え
て、図2に示すように、減圧弁38と第1気液分離槽4
0との間の処理流体ライン30の配管の外周を囲むよう
に設けたスチームジャケット管81からなる加熱手段
と、加熱手段81により加熱される処理流体の加熱温度
を所定の35℃に制御する温度調節装置82とを備えて
いる。温度調節装置82は、第1気液分離槽40の液体
滞留部40aの液体の温度を測定する温度計84と、ス
チームジャケット管81に流入するスチーム流量を調整
する流量調節弁86と、温度計84の測定温度に基づい
て流量調節弁86を調節し、処理流体を所望の温度、例
えば35℃に昇温する温度制御装置88とから構成され
ている。
【0021】以上の構成により、本超臨界水反応装置8
0では、第1気液分離槽40の液体滞留部40aの温度
は、二酸化炭素の臨界温度(31.1℃)以上の35℃
に維持されている。よって、実施例1と同様に、通常運
転時及びスタートアップ時の双方の場合で、処理流体水
系統を安定して圧力制御でき、従って超臨界水反応装置
を安定して運転することができる。
【0022】実施例3 本実施例は、本発明に係る超臨界水反応装置の実施例の
一つであって、図3は本実施例の超臨界水反応装置の要
部の構成を示すフローシートである。本実施例の超臨界
水反応装置90は、実施例1の温度調節装置72に代え
て、図3に示すように、第1気液分離槽40の液体滞留
部40aに設けたスチームコイル管91からなる加熱手
段と、加熱手段91により加熱される流体滞留部40a
の液体の加熱温度を所定の35℃に制御する温度調節装
置92とを備えている。加熱手段92は、第1気液分離
槽40の液体滞留部40aの液体の温度を測定する温度
計94と、スチームコイル管91に流入するスチーム流
量を調整する流量調節弁96と、温度計94の測定温度
に基づいて流量調節弁96を調節し、処理液体を所定の
温度、例えば35℃に昇温する温度制御装置98とから
構成されている。
【0023】以上の構成により、本超臨界水反応装置9
0では、第1気液分離槽40の液体収容部40aの温度
は、二酸化炭素の臨界温度(31.1℃)以上の35℃
に維持されている。よって、実施例1と同様に、通常運
転時及びスタートアップ時の双方の場合で、処理液体系
統を安定して圧力制御でき、従って超臨界水反応装置を
安定して運転することができる。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、減圧弁の下流の気液分
離槽の液体滞留部の温度を二酸化炭素の臨界温度以上に
維持することにより、二酸化炭素を全て気体として第1
気液分離槽から他の気体と共に流出させているので、二
酸化炭素が全量排出される場合と、スタートアップ時の
超臨界水反応開始前で二酸化炭素が排出されない場合と
の間で、処理流体系統の圧力制御条件が大きく変動せ
ず、よって、両者の場合とも、処理流体系統を安定して
圧力制御でき、従って超臨界水反応装置を安定して運転
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の超臨界水反応装置の構成を示すフロ
ーシートである。
【図2】実施例2の超臨界水反応装置の要部の構成を示
すフローシートである。
【図3】実施例3の超臨界水反応装置の要部の構成を示
すフローシートである。
【図4】従来の超臨界水反応装置の構成を示すフローシ
ートである。
【符号の説明】
10 従来の超臨界水反応装置 12 縦型反応容器 14 超臨界水領域 16 界面 18 亜臨界水領域 20 流入管 22 被処理水ライン 24 空気ライン 26 超臨界水ライン 28 中和剤ライン 30 処理流体ライン 32 亜臨界水ライン 34 亜臨界排水ライン 36 冷却器 38 減圧弁 40 第1気液分離槽 42 第2気液分離槽 44 第1ガスライン 46 第1液体ライン 48 第2ガスライン 50 第2液体ライン 52 圧力制御装置 54、60 圧力制御弁 56、62 調節弁 58、64 液面制御装置 70 実施例1の超臨界水反応装置 72、82、92 温度調節装置 74、84、94 温度計 76、86、96 流量調節弁 78、88、98 温度制御装置 80 実施例2の超臨界水反応装置 81 スチームジャケット管 90 実施例3の超臨界水反応装置。 91 スチームコイル管

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超臨界水が滞留する超臨界水領域を内部
    に有する反応器を備え、有機物を含む流体を超臨界水領
    域に導入して、超臨界水内で流体中の有機物を分解し処
    理液として流出させる超臨界水反応装置において、 反応器から処理流体を流出させる処理流体ラインに設け
    られ、処理流体を冷却する冷却器と、 処理流体ラインに設けられ、処理流体を減圧する減圧弁
    と、 減圧弁の弁開度を調整して、反応器内の圧力を第1の所
    定圧力に制御する第1の圧力制御装置と、 減圧弁の下流に設けられ、処理流体を気液に分離する気
    液分離槽と、 気液分離槽の圧力を第2の所定圧力に制御する第2の圧
    力制御装置と気液分離槽に流入した処理流体の温度が二
    酸化炭素の臨界温度以上であるように、処理流体の冷却
    器出口温度を調節する温度調節装置とを備えていること
    を特徴とする超臨界水反応装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の超臨界水反応装置にお
    いて、 温度調節装置に代えて、冷却器で冷却された処理流体を
    二酸化炭素の臨界温度以上に加熱する加熱手段を減圧弁
    と気液分離槽との間に設けたことを特徴とする超臨界水
    反応装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の超臨界水反応装置にお
    いて、 温度調節装置に代えて、冷却器で冷却された処理流体を
    二酸化炭素の臨界温度以上に加熱する加熱手段を気液分
    離槽内に設けたことを特徴とする超臨界水反応装置。
  4. 【請求項4】 超臨界水が滞留する超臨界水領域を内部
    に有する反応器を備え、有機物を含む流体を超臨界水領
    域に導入して、超臨界水内で流体中の有機物を分解する
    超臨界水反応装置から流出する、超臨界水反応処理流体
    の減圧方法であって、 反応器から流出した処理流体を冷却する冷却ステップ
    と、 冷却された処理流体を所定圧力に減圧する減圧ステップ
    と、 減圧された処理流体を気液分離する気液分離ステップと
    を備え、 冷却ステップでは、減圧ステップを経た処理流体の温度
    が二酸化炭素の臨界温度以上であるように、処理流体を
    冷却することを特徴とする超臨界水反応処理流体の減圧
    方法。
  5. 【請求項5】 減圧ステップを経た処理流体を二酸化炭
    素の臨界温度以上に加熱して気液分離ステップに移行さ
    せることを特徴とする請求項4に記載の超臨界水反応処
    理流体の減圧方法。
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