JPH10313787A - 餅様フライ食品の製造方法及びフライ食品用冷凍生地並びにフライ食品用プレミックス粉 - Google Patents

餅様フライ食品の製造方法及びフライ食品用冷凍生地並びにフライ食品用プレミックス粉

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JPH10313787A
JPH10313787A JP9125804A JP12580497A JPH10313787A JP H10313787 A JPH10313787 A JP H10313787A JP 9125804 A JP9125804 A JP 9125804A JP 12580497 A JP12580497 A JP 12580497A JP H10313787 A JPH10313787 A JP H10313787A
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牧陽 野口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 この発明は、タピオカ澱粉またはその加工澱
粉を主材料として、餅様食品を得ることを目的としたも
のである。 【解決手段】 タピオカ澱粉または加工タピオカ澱粉の
単独または混合した材料を主材料として含む材料粉を加
水、混合、成形した生地をフライし、フライ後の吸油率
が1〜10%(重量)とすることを特徴とした餅様フラ
イ食品の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、糯米を使用する
ことなく、餅様フライ食品を製造することを目的とした
餅様フライ食品の製造方法及びフライ食品用冷凍生地並
びにフライ食品用プレミックス粉に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来製造されている餅は、材料糯米を洗
米し、水を十分含浸させ、蒸米後餅搗機で製餅し、つい
で固化、切断及び成形の各工程を経ることが必須要件と
されており、フライ餅は、前記成形餅片をフライしてい
た。
【0003】また餅類の製造に際し、タピオカ澱粉また
は加工タピオカ澱粉を使用する発明が知られていた(特
開平2−207763号)。
【0004】更に化学的膨脹剤を使用する食品の中にタ
ピオカ澱粉を主成分とするプリペアードミックスの発明
が提案されている(特開平5−103601号)。
【0005】
【発明により解決すべき課題】前記従来の製餅に際して
は、多大の機械装置の設備用面積及び長い加工時間を必
要とするなどの問題点があった。
【0006】また前記タピオカ澱粉を用いる発明におい
ても相当多量の糯米を用いる為に、製餅に際しては、蒸
煮及び餅搗を必須要件としているので、機械装置、設備
面積及び長い加工時間を必要とする問題点があった。
【0007】更にタピオカ澱粉を主材料とする前記食品
中、ドーナツの製造については、餅様でないことは勿
論、含油量については記載されていないので、特殊膨脹
剤を使用する品質の異なる食品と認められた。
【0008】
【課題を解決する為の手段】この発明は、タピオカ澱粉
または加工タピオカ澱粉を主材料とし、吸油率を制限す
ることにより、餅様の食感を有する新規なフライ食品を
簡単な設備で、比較的短かい時間に製造することに成功
したのである。
【0009】即ち方法の発明は、タピオカ澱粉または加
工タピオカ澱粉の単独または混合した材料を主材料とし
て含む材料粉を加水、混合、成形した生地をフライし、
フライ後の吸油率が1〜10%(重量)とすることを特
徴とした餅様フライ食品の製造方法であり、主材料にチ
ーズを混合することとし、吸油率を1.5〜5%(重
量)としたものである。
【0010】また冷凍生地の発明は、タピオカ澱粉また
は加工タピオカ澱粉の単独または混合した材料を主材料
として含む材料粉を加水、混合、成形し、該生地を冷凍
したことを特徴とする餅様フライ食品用冷凍生地であ
り、主材料にチーズを混合したものである。
【0011】次にプレミックス粉の発明は、タピオカ澱
粉または加工タピオカ澱粉の単独または混合した材料を
主材料として含む材料粉に、小麦粉等、ベーキングパウ
ダー、乳化剤、その他必要な材料を混合したことを特徴
とする餅様フライ食品用プレミックス粉であり、主材料
にチーズを加入するものである。
【0012】前記において、吸油率を1%(重量)未満
にすると、製品がばさつき食感を損する問題点があっ
た。また吸油率が10%(重量)を超えると、製品がね
ちゃっくようになり、食感を損する問題点があった。
【0013】この発明においては、従来から知られてい
る加工タピオカ澱粉(エーテル化、エステル化、酸化、
架橋)が使用できる。更にエーテル化タピオカ澱粉はモ
チモチさを出すのに有効であり、架橋タピオカ澱粉はサ
ク味を出すので、エーテル化タピオカ澱粉を主体とし、
これに架橋タピオカ澱粉を組み合わせた澱粉、あるいは
エーテル化処理を主体として、これに架橋処理を併用し
て行ったタピオカ澱粉を使用することが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】この発明は、タピオカ澱粉または
加工タピオカ澱粉の単独または混合物を主材料として、
含む原材料を加水、混合、成形した生地をフライし、フ
ライ後の吸油率が1〜10%(重量)とすることを特徴
とした餅様フライ食品の製造方法である。前記生地に
は、バッターを含むものである。
【0015】この発明は、前記材料のプレミックス粉が
あり、前記製造方法における中間製品たる生地を冷凍し
た餅様フライ食品用冷凍生地がある。
【0016】この発明においては、タピオカ澱粉または
加工タピオカ澱粉の単独または混合した材料を主材料と
するものであるが、その他の粉類として、小麦粉、馬鈴
薯澱粉その加工粉、その他の食用粉を混合することがで
きると共に、チーズを混入することもできる。
【0017】この発明の標準的材料配合は次の通りであ
る。
【0018】 配合材料 A 加工タピオカ澱粉(またはタピオカ澱粉) 100に対し 小麦粉 50〜 80% ベーキングパウダー 0.5〜 4% 乳化剤 0.5〜 4% 糖類 0.1〜100% B チーズ(またはクリームチーズ) 10〜 60% 油脂 8〜 20% 水 40〜160% 糖類 0.1〜100%
【0019】前記材料配合例においては、A材料を予め
混合し、ついでミキサーに予め混合したA及びBを投入
して1〜5分間ミキシングする。
【0020】前記において、加水量、油脂量等の含量に
より、流動的でべたつきのある生地の場合は、生地の成
形にドーナツ生地用のデポジッターを用いる。この場
合、デポジッターからフライヤーに直接生地を落とし込
み、170〜190℃で2〜5分間フライする方が良い
場合もある。
【0021】ドーナツ生地様のデポジッターには、例え
ばベルショウー社製の「Fカッター」があり、使用する
「プランジャーカッター」は「フレンチクルーラー用」
を用いると、できた製品は火ぶくれが起こらず、保形性
が良い。
【0022】生地に流動性が無く、べたつきの少ない場
合にはシート成形に適する。この場合、シート成形後の
生地をフライヤーに投入し、2〜5分間フライする。次
にシート成形済の時点で冷凍生地にすることもできる
が、冷凍生地の場合には3〜6分と長めにフライすれば
良い。またこの生地を用いて包餡機で餡やフィリングを
包み、大福様の菓子を作ることもできる。
【0023】前記製品は、いずれの製法によっても独特
のモチモチ感を有し、例えば磯辺焼や、安倍川餅風のト
ッピングをすると、糯米から作ったものと殆ど見分けが
つかない位の外観と食感を有する。また、食塩、糖類、
その他の調味料を配合することで味付けが自然にできる
と共に、糖類、油脂、乳化剤、チーズ、クリームチーズ
は食品の老化を遅らせる効果があり、糯米から作ったも
のより柔らかい食感が長持ちする。
【0024】また卵を配合することで膨化したボリュウ
ムに富む製品にすることもできる。硬くなった製品は、
電子レンジ、オーブントースター等で加熱することで再
びモチモチ感を出すことができる。
【0025】次に吸油の調整、加水量、油脂添加量、糖
の添加量が多いと吸油率が大きくなる。この発明では、
吸油量を10%(重量)以下、好ましくは5%(重量)
以下に押さえることが必要である(吸油量が10%(重
量)以上となるとモチモチ感が失われる)。
【0026】
【実施例1】 磯辺焼風揚げ菓子の製造法 配合材料 A 加工タピオカ澱粉(またはタピオカ澱粉) 100% 小麦粉 70 ベーキングパウダー 2 食塩 1 乳化剤 1 B 油脂 10 顆粒チーズ 40 全卵 40 水 70 ミキシング 原材料Aを予め混合しておく。 原材料A及びBをミキサーに投入し、3分間ミキシングする。 成形 シーティング、カッティングをして 120mm×40mm×10mmの短冊形に成形する。 フライ 180℃で4分間フライする。 トッピング 醤油を塗り海苔を巻く。
【0027】出来上がった製品は、磯辺焼き同様の風
味、旨み、モチモチ感があり、翌日までモチモチ感が持
続した。この場合に、生地100%(重量)に対する吸
油率は、4.7%(重量)であった。
【0028】
【実施例2】 大福餅風揚菓子の製造法 配合材料 A 加工タピオカ澱粉 100% 小麦粉 70 ベーキングパウダー 2 食塩 1 乳化剤 1 グラニュー糖 20 B 油脂 6 顆粒チーズ 30 全卵 40 水 70 ミキシング 原材料Aを予め混合しておく。 原材料A及びBをミキサーに投入し、3分間ミキシングする。 成形 レオン自動機社製N−208型包餡機を用い、餡/生地の比を2 /1、総重量50gで包餡成形する。 フライ 180℃で4分間フライする。 トッピング 醤油を塗り海苔を巻く。
【0029】出来上がった製品は表面にキツネ色の皮が
あるが、大福餅様の食感を有する。製品の皮を分離し
て、生地の吸油率を測定したところ、9.5%(重量)
であった。
【0030】
【実施例3】 安倍川餅風ドーナツの製造法 配合材料 A 加工タピオカ澱粉 100% 小麦粉 70 クリームチーズパウダー 20 ベーキングパウダー 2 食塩 1 乳化剤 1 B 水 130 油脂 70 ミキシング 原材料Aを予め混合しておく。 ミキサーに原材料A及びBを投入し、3分間ミキシングする。 成形 ベルショー社製Fカッター(ドーナツ生地デポシッター)で生地 をカッティングし、生地を直接フライヤーに落とし込む。 ブランジャーカッターは径13/4インチのフレンチクルーラー 用を用いる。 フライ 180℃で片面75秒(反転式) トッピング きな粉砂糖をまぶす。
【0031】出来上がった製品は、フレンチクルーラー
ドーナツの形をしているが、風味、食感は安倍川餅と同
様で、翌日も食感のモチモチ感が持続する。この場合
に、生地の吸油率は、2%(重量)であった。
【0032】
【実施例4】 冷凍生地の製造法 配合材料、キシング及び成形は実施例1に準ずる。 冷凍 成形した生地を−30℃に設定した急速冷凍機に直に搬入し、 20分間冷凍処理をする。 保存 −20℃以下の冷凍ストッカーに保管する。 フライ 180℃で5分間フライする。 前記により製造した生地を2週間冷凍保存を行い上記の
通りフライし、醤油を塗り海苔を巻いた所、実施例1と
同様の良好な製品が得られる。
【0033】
【実施例5】実施例3と同様の安倍川餅風ドーナツをミ
ックス粉を用いて製造する方法を説明する。
【0034】 (1)プレミックス粉の製造法 配合材料 A 加工タピオカ澱粉(またはタピオカ澱粉) 100% 小麦粉 70 クリームチーズパウダー 20 ベーキングパウダー 2 食塩 1 乳化剤 1 B 油脂 70 ミキシング 配合Aをミキサーにて3分間ミキシングする。 ついで配合Bを加え、4分間ミキシングする。
【0035】(2)製品製造方法 ミキシング ミックス粉、水を下記の比率で3分間ミキ
シングする。
【0036】 ミックス粉 264% 水 130%
【0037】以下は実施例3と同様に行なう。
【0038】出来あがった製品は実施例3と同様に、良
好な製品であった。
【0039】
【試験例1】 配合材料 A 加工タピオカ澱粉+小麦粉 170% クリームチーズパウダー 20 ベーキングパウダー 2 食塩 1 乳化剤 1 B 水 130 油脂 70
【0040】上記のベース配合に於いて加工タピオカ澱
粉添加量を変化させ、比較試験を行った。加工法は実施
例3に準じた。製品評価は加工後24時間で行った。食
感評価は、10人のパネラーにより、最もモチモチ感の
あるものを3点とする3点評価法とした。総合点により
次の3段階評価をした所表1の結果を得た。
【0041】
【表1】
【0042】また、次の測定法により生地の吸油率を測
定した。
【0043】 F・A : フライ中に生地に吸収される油の量(%) F : フライオイルの減少量 n : フライ個数 W : 生地重量/個
【0044】
【試験例2】 配合材料 A 加工タピオカ澱粉 100% 小麦粉 70 クリームチーズパウダー 20 ベーキングパウダー 2 食塩 1 乳化剤 1 B 水 130 油脂 試験添加
【0045】上記のベース配合に於いて油脂添加量を変
化させ、比較試験を行った。加工法は実施例3に準じ
た。製品評価は加工後24時間で行った。食感評価は、
10人のパネラーにより、最もモチモチ感のあるものを
3点とする3点評価法とした。総合点により次の3段階
評価をした所表2の結果を得た。
【0046】
【表2】
【0047】また、試験例1と同様に生地の吸油率を測
定した。
【0048】
【試験例3】 配合材料 A 加工タピオカ澱粉 100% 小麦粉 70 クリームチーズパウダー 試験添加 ベーキングパウダー 2 食塩 1 乳化剤 1 B 水 130 油脂 16
【0049】上記のベース配合に於いてクリームチーズ
パウダー添加量を変化させ、比較試験を行った。加工法
は実施例3に準じた。製品評価は加工後24時間で行っ
た。食感評価は、10人のパネラーにより、最もモチモ
チ感のあるものを3点とする3点評価法とした。総合点
により次の3段階評価をした所表3の結果を得た。
【0050】
【表3】
【0051】また、試験例1と同様に生地の吸油率を測
定した。
【0052】
【発明の効果】この発明によれば、タピオカ澱粉または
加工タピオカ澱粉の単独または混合を主材料として通常
の要領により生地を製造し、これをフライすると共に、
製品の吸油率を制限したので、小麦粉を主成分とする食
品と同様に、蒸煮、餅搗工程を経ることなく、手軽に餅
様食品を得ることができる効果がある。また材料及び製
造方法の特性上、餅より老化の遅い餅様食品である。
【0053】更に冷凍生地ができると共に、プレミック
ス粉ができるので、流通を容易にし、餅を製造する時の
設備は一切不用になり、家庭でも良質の製品が容易に出
来る効果がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A23L 1/0522 A23L 1/195

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タピオカ澱粉または加工タピオカ澱粉の
    単独または混合した材料を主材料として含む材料粉を加
    水、混合、成形した生地をフライし、フライ後の吸油率
    が1〜10%(重量)とすることを特徴とした餅様フラ
    イ食品の製造方法。
  2. 【請求項2】 主材料にチーズを混合することとし、吸
    油率を1.5〜5%(重量)としたことを特徴とする請
    求項1記載の餅様フライ食品の製造方法。
  3. 【請求項3】 タピオカ澱粉または加工タピオカ澱粉の
    単独または混合した材料を主材料として含む材料粉を加
    水、混合、成形し、該生地を冷凍したことを特徴とする
    請求項1記載の製造に用いる餅様フライ食品用冷凍生
    地。
  4. 【請求項4】 主材料にチーズを混合したことを特徴と
    する請求項3記載の餅様フライ食品用冷凍生地。
  5. 【請求項5】 タピオカ澱粉または加工タピオカ澱粉の
    単独または混合した材料を主材料として含む材料粉に、
    小麦粉等、ベーキングパウダー、乳化剤、その他必要な
    材料を混合したことを特徴とする請求項1記載の製造に
    用いる餅様フライ食品用プレミックス粉。
  6. 【請求項6】 主材料にチーズを加入することを特徴と
    した請求項5記載の餅様フライ食品用プレミックス粉。
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