JPH10313122A - 薄膜トランジスタ - Google Patents

薄膜トランジスタ

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JPH10313122A
JPH10313122A JP14564298A JP14564298A JPH10313122A JP H10313122 A JPH10313122 A JP H10313122A JP 14564298 A JP14564298 A JP 14564298A JP 14564298 A JP14564298 A JP 14564298A JP H10313122 A JPH10313122 A JP H10313122A
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JP
Japan
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thin film
film transistor
film
tft
forming
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JP14564298A
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English (en)
Inventor
Kouyuu Chiyou
宏勇 張
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Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd
Original Assignee
Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期的な信頼性の高い薄膜トランジスタを提
供する。 【解決手段】 基板と薄膜トランジスタの間に下地保護
膜を形成することにより、薄膜トランジスタ形成工程に
おける熱処理、又は薄膜トランジスタの動作時における
発熱による基板からの不純物の拡散を抑制する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は非単結晶半導体薄膜
を用いた薄膜トランジスタ(以下にTFT ともいう)及び
その製造方法に関するものであり、特に液晶ディスプレ
ー,イメージセンサー等に適用可能な高信頼性を持つ薄
膜トランジスタの作製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、化学的気相法等によって、作製さ
れた非単結晶半導体薄膜を利用した薄膜トランジスタが
注目されている。この薄膜トランジスタは、絶縁性基板
上に前述の如く化学的気相法等を用いて形成されるの
で、その作製雰囲気温度が最高で500 ℃程度と低温で形
成でき、安価なソーダガラス, ホウケイ酸ガラス等を基
板として用いることができる。
【0003】この薄膜トランジスタは電界効果型であ
り、いわゆるMOSFETと同様の機能を有しているが、前述
の如く安価な絶縁性基板上に低温で形成できる。さら
に、その作製する最大面積は薄膜半導体を形成する装置
の寸法にのみ限定されるもので、容易に大面積基板上に
トランジスタを作製できるという利点を持っていた。こ
のため多量の画素を持つマトリクス構造の液晶ディスプ
レーのスイッチング素子や、一次元又は二次元のイメー
ジセンサー等のスイッチング素子として極めて有望であ
る。
【0004】また、この薄膜トランジスタを作製するに
はすでに確立された技術であるフォトリソグラフィーが
応用可能で、いわゆる微細加工が可能であり、IC等と同
様に集積化を図ることも可能であった。この従来より知
られたTFT の代表的な構造を図2に概略的に示す。
【0005】(20)はガラスよりなる絶縁性基板であり、
(21)は非単結晶半導体よりなる薄膜半導体、(22),(23)
はソース/ドレイン領域で、(24),(25) はソース/ドレ
イン電極、(26)はゲート絶縁膜で(27)はゲート電極であ
ります。このように構成された薄膜トランジスタは、ゲ
ート電極(27)に電圧を加えることにより、ソース/ドレ
イン(22),(23) 間に流れる電流を調整するものでありま
す。
【0006】この時、この薄膜トランジスタの応答速度
は次式で与えられる。 S=μ・V/L2 ここでLはチャネル長,μはキャリアの移動度,Vはゲ
ート電圧。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この薄膜トランジスタ
に用いられる非単結晶半導体層は半導体層中に多量の結
晶粒界等を含んでおり、これらが原因で単結晶の半導体
に比べてキャリアの移動度が非常に小さく、上式より判
るようにトランジスタの応答速度が非常に遅いという問
題が発生していた。特にアモルファスシリコン半導体を
用いた時その移動度はだいたい0.1 〜1 (cm2/V・Sec
)程度で、ほとんどTFT として動作しない程度のもの
であった。
【0008】このような問題を解決するには、上式より
明らかなようにチャネル長を短くすることと、キャリア
移動度を大きくすることが知られ、種々の改良が行われ
ている。
【0009】特にチャネル長Lを短くすると、その2乗
で応答速度に影響するので非常に有効な手段である。し
かしながら、TFT の特徴である大面積基板上に素子を形
成する場合、フォトリソグラフィー技術を用いて、ソー
スとドレイン間の間隔(だいたいのチャネル長に対応す
る)を10μm 以下にすることは、その加工精度、歩留ま
り、生産コスト等の面から明らかに困難であり、TFT の
チャネル長を短くする手段として現在のところ有効な手
段は確立されていない。
【0010】一方、半導体層自身の持つ移動度(μ)を
大きくする方法としては、TFTに使用する半導体層と
して単結晶半導体または多結晶半導体を採用したり、T
FTの活性層部分を単結晶半導体または多結晶半導体と
することが行われている。
【0011】前者の方法では、半導体層を形成する際の
温度を高くする必要がある。一方、後者の方法は部分的
に温度を高くしてTFTの活性層部分を単結晶半導体ま
たは多結晶半導体とするものであるが、いずれの方法に
おいても通常のTFT作製工程よりも若干高い温度が必
要である。
【0012】例えば、 (1) 非晶質半導体薄膜トランジスタにおいて、非晶質シ
リコンの成膜温度は約250℃程度でその後の熱アニー
ル工程の温度は最大で400℃程度必要である。(2) 熱
再結晶多結晶半導体薄膜トランジスタにおいて、減圧C
VD法による多結晶シリコンの成膜温度と熱による再結
晶化工程の必要温度は500〜650℃である。 (3) 活性層のみを多結晶化した薄膜トランジスタにおい
て、半導体層を形成するのに必要なCVDの温度は25
0℃〜450℃程度であるが、CWレーザによる活性層
の再結晶化工程では600℃を超える温度となる。
【0013】このように薄膜トランジスタの製造工程に
おいては避けられない熱処理工程が存在している。
【0014】一方、TFTはソーダガラス等の基板上に
形成されており、特にスタガ型とコプラナ型はキャリア
の表面導電チャネルを持つ活性層がガラス基板と直接に
接している。
【0015】TFT製造工程では前述のように避けられ
ない熱処理工程が存在するので、ガラス基板中に存在す
るナトリウム、カリウム等のアルカリ不純物並びに金属
等が外部に拡散し、活性層やTFTを構成する半導体層
に侵入する。これによりTFTは、移動度の低下やしき
い値の変動等デバイス特性を悪化させたり、長期の信頼
性に悪影響を与える。
【0016】また、TFTの動作により、TFT自身が
発熱するこれによりガラス基板の温度が上昇し、同様に
基板より不純物が拡散して、TFTに影響を与える。
【0017】本発明は前述の如き問題を解決するもので
あり、素子特性の良い、長期の信頼性の高いTFTの作
製方法を提供することを課題とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の問題を解
決する為に、TFT素子を形成する前にガラス基板上に
CVD法またはスパッタ法によりTFT素子のゲート絶
縁膜に使用可能な絶縁膜と同じ材料からなる膜を下地保
護膜として設け、その下地保護膜上にTFT素子を形成
していることを特徴とするものであります。
【0019】すなわち、ガラス基板はゲート絶縁膜に使
用可能な絶縁膜、例えばシリコン酸化膜で覆われている
ためTFT作製工程等での熱処理工程またはTFT動作
時の発熱による基板温度上昇時におけるガラス基板より
の不純物の拡散を防止し、TFT素子の特性の向上およ
び長期の信頼性向上を実現することができるものであり
ます。以下に実施例を示し本発明を説明する。
【0020】
【実施例】
〔実施例1〕この実施例1に対応するプレーナ型薄膜ト
ランジスタの概略的な作製工程を図1に示す。
【0021】まず、ガラス基板(1) としてソーダガラス
を用い、このソーダガラス(1) 上に公知のスパッタリン
グ法により、全面に下地保護膜として酸化珪素(2) を30
0nmの厚さに形成した。その作成したその作製条件を以
下に示す。 スパッタガス 酸素100% 反応圧力 0.5Pa RFパワー 400W 基板温度 150℃ 成膜速度 5nm/min
【0022】次に、これらの上にI型の非単結晶珪素半
導体膜(3) を公知のプラズマCVD法で約100nmの厚さ
に形成した。その作成したその作製条件を以下に示す。 基板温度 300℃ 反応圧力 0.05Torr Rfパワー(13.56MHz) 80W 使用ガス SiH4
【0023】その後、所定のエッチング処理を行い図1
(A)に示す状態を得た。この後この活性層を多結晶化す
る為にエキシマレーザーを使用して、この活性層に対し
てレーザーアニール処理を施した。その条件を以下に示
す。 レーザエネルギー密度 200mJ/cm2 照射ショット数 50回
【0024】この上に低抵抗非単結晶半導体層として、
N型の導電型を有する非単結晶珪素膜(4) を形成する。
この時の作成条件は以下のとおりであった。 基板温度 220℃ 反応圧力 0.05Torr Rfパワー(13.56MHz) 120W 使用ガス SiH4+PH3 膜厚 1500Å
【0025】このN型の非単結晶珪素膜(4) は、その形
成時にH2 ガスを多量に導入しRfパワーを高くして、微
結晶化させて電気抵抗を下げたものを使用してもよい。
【0026】次に公知のフォトリソグラフィー技術を用
いて、この非単結晶珪素膜(4) をソース/ドレイン領域
(4) を残しチャネル形成領域(7) をパターニングし、図
1(B)に示す状態を得た。
【0027】この後、チャネル形成領域(7) の活性化の
為に、水素プラズマ処理を下記の条件で行いチャネル領
域の活性化を行った。 基板温度 250℃ RFパワー 100W 処理時間 60分
【0028】この後、先の下地保護膜(2) と同じ材料で
かつ同じ形成方法にてゲート酸化膜(5)100nmの厚みに形
成後ソース/ドレイン領域のコンタクトホールを公知の
エッチング法により形成し、その上にアルミニウム電極
(6) を形成して、図1(C)の状態を得薄膜トランジスタ
を完成した。
【0029】本実施例の場合、ソース/ドレイン電極
(6) の下にはゲート絶縁膜(5) 、下地保護膜(2) が存在
する。 これらは同じ材料、同じ形成方法により形成さ
れているので薄膜トランジスタ作製工程における熱処理
又は薄膜トランジスタ動作時の発熱によって発生するこ
れら膜の熱膨張に差がなく、その上部に存在するアルミ
ニウム等の金属電極の断線又はピーリングを起こさず長
期の信頼性に優れたものとなった。
【0030】〔実施例2〕図3に本実施例の作製方法の
概略図を示す。まず、ソーダガラス基板(1) 上に、公知
のスパッタリング法により実施例1と同じ作製条件にて
酸化珪素膜を作製した。
【0031】次に、この下地保護膜(2) 上にモリブデン
金属(10)を200nmの厚さに形成した後にこの上に低抵
抗非単結晶半導体層としてP型の導電型を有する非単結
晶珪素膜(8) を形成する。この時の作製条件は以下のと
おりであった。 基板温度 230℃ 反応圧力 0.05Torr Rfパワー(13.56MHz) 150W 使用ガス SiH4+B2H6 膜厚 200Å
【0032】この場合膜厚は200 Åとし後工程で作製す
るI型半導体層とのオーミックコンタクトをとる目的だ
けとした。
【0033】次に、これらを所定のパターンにエッチン
グして図3(A)の状態を得た。そして、これらの上に
I型の非単結晶珪素半導体膜(3) を公知のスパッタ法で
200nmの厚さに形成した。その作成したその作製条件を
以下に示す。 基板温度 250℃ 反応圧力 0.2Pa Rfパワー(13.56MHz) 80W 使用ガス Ar
【0034】次に、実施例1と同じようにこのI型半導
体層(3) の多結晶化と水素プラズマ処理による活性化を
行い図3(B)に示す状態を得た。
【0035】さらに、スパッタリング法によりゲート絶
縁膜(5) を実施例1と同様に100nm形成した後、モ
リブデン金属によりゲート電極(9) を形成し所定のパタ
ーンに形成した。 このようにして図3(C)に示す薄
膜トランジスタを完成させた。
【0036】本実施例の場合、低抵抗半導体層下に金属
電極を有しているので、その配線抵抗が非常に小さい特
徴を有する。特に大面積の液晶装置のスイッチング素子
としてTFT を用いる際、この配線抵抗が小さい為に、駆
動信号波形がなまることがなく、多量のTFT を高速で応
答させることができる。また、本発明は、その他のデバ
イス構造を持つ薄膜トランジスタにも当然応用可能であ
る。
【0037】
【発明の効果】本発明の構成により、基板としての低温
ガラス中に存在する不純物が薄膜トランジスタの活性層
さらには素子自身へ侵入することを抑えることができ、
高相互コンダクタンスおよび高電界効果移動度を持つ薄
膜トランジスタを提供することができた。
【0038】また、デバイス動作時における発熱により
基板より拡散する不純物をも抑えることができ、薄膜ト
ランジスタの電機的特性の劣化を抑制でき良好で長期の
安定性と信頼性を持つ薄膜トランジスタを実現すること
ができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例のTFT の製造工程を示す概
略図。
【図2】 従来のTFT の断面構造図。
【図3】 本発明の一実施例のTFT の製造工程を示す概
略図。
【符号の説明】
1 基板 2 下地保護膜 3 活性層 4 ソース/ドレイン領域 5 ゲート絶縁膜 6 ゲート並びにソース、ドレイン電極 7 チャネル形成領域 8 ソース/ドレイン領域 9 ゲート電極 10 ソース/ドレイン電極 20 基板 21 活性層 22、23 ソース/ドレイン領域 24、25 ソース/ドレイン電極 26 ゲート絶縁膜 27 ゲート電極
【手続補正書】
【提出日】平成10年5月29日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 薄膜トランジスタ
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は非単結晶半導体薄膜
を用いた薄膜トランジスタ(以下にTFT ともいう)及び
その製造方法に関するものであり、特に液晶ディスプレ
ー,イメージセンサー等に適用可能な高信頼性を持つ薄
膜トランジスタの作製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、化学的気相法等によって、作製さ
れた非単結晶半導体薄膜を利用した薄膜トランジスタが
注目されている。この薄膜トランジスタは、絶縁性基板
上に前述の如く化学的気相法等を用いて形成されるの
で、その作製雰囲気温度が最高で500 ℃程度と低温で形
成でき、安価なソーダガラス, ホウケイ酸ガラス等を基
板として用いることができる。
【0003】この薄膜トランジスタは電界効果型であ
り、いわゆるMOSFETと同様の機能を有しているが、前述
の如く安価な絶縁性基板上に低温で形成できる。さら
に、その作製する最大面積は薄膜半導体を形成する装置
の寸法にのみ限定されるもので、容易に大面積基板上に
トランジスタを作製できるという利点を持っていた。こ
のため多量の画素を持つマトリクス構造の液晶ディスプ
レーのスイッチング素子や、一次元又は二次元のイメー
ジセンサー等のスイッチング素子として極めて有望であ
る。
【0004】また、この薄膜トランジスタを作製するに
はすでに確立された技術であるフォトリソグラフィーが
応用可能で、いわゆる微細加工が可能であり、IC等と同
様に集積化を図ることも可能であった。この従来より知
られたTFT の代表的な構造を図2に概略的に示す。
【0005】(20)はガラスよりなる絶縁性基板であり、
(21)は非単結晶半導体よりなる薄膜半導体、(22),(23)
はソース/ドレイン領域で、(24),(25) はソース/ドレ
イン電極、(26)はゲート絶縁膜で(27)はゲート電極であ
ります。このように構成された薄膜トランジスタは、ゲ
ート電極(27)に電圧を加えることにより、ソース/ドレ
イン(22),(23) 間に流れる電流を調整するものでありま
す。
【0006】この時、この薄膜トランジスタの応答速度
は次式で与えられる。 S=μ・V/L2 ここでLはチャネル長,μはキャリアの移動度,Vはゲ
ート電圧。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この薄膜トランジスタ
に用いられる非単結晶半導体層は半導体層中に多量の結
晶粒界等を含んでおり、これらが原因で単結晶の半導体
に比べてキャリアの移動度が非常に小さく、上式より判
るようにトランジスタの応答速度が非常に遅いという問
題が発生していた。特にアモルファスシリコン半導体を
用いた時その移動度はだいたい0.1 〜1 (cm2/V・Sec
)程度で、ほとんどTFT として動作しない程度のもの
であった。
【0008】このような問題を解決するには、上式より
明らかなようにチャネル長を短くすることと、キャリア
移動度を大きくすることが知られ、種々の改良が行われ
ている。
【0009】特にチャネル長Lを短くすると、その2乗
で応答速度に影響するので非常に有効な手段である。し
かしながら、TFT の特徴である大面積基板上に素子を形
成する場合、フォトリソグラフィー技術を用いて、ソー
スとドレイン間の間隔(だいたいのチャネル長に対応す
る)を10μm 以下にすることは、その加工精度、歩留ま
り、生産コスト等の面から明らかに困難であり、TFT の
チャネル長を短くする手段として現在のところ有効な手
段は確立されていない。
【0010】一方、半導体層自身の持つ移動度(μ)を
大きくする方法としては、TFTに使用する半導体層と
して単結晶半導体または多結晶半導体を採用したり、T
FTの活性層部分を単結晶半導体または多結晶半導体と
することが行われている。
【0011】前者の方法では、半導体層を形成する際の
温度を高くする必要がある。一方、後者の方法は部分的
に温度を高くしてTFTの活性層部分を単結晶半導体ま
たは多結晶半導体とするものであるが、いずれの方法に
おいても通常のTFT作製工程よりも若干高い温度が必
要である。
【0012】例えば、 (1) 非晶質半導体薄膜トランジスタにおいて、非晶質シ
リコンの成膜温度は約250℃程度でその後の熱アニー
ル工程の温度は最大で400℃程度必要である。 (2) 熱再結晶多結晶半導体薄膜トランジスタにおいて、
減圧CVD法による多結晶シリコンの成膜温度と熱によ
る再結晶化工程の必要温度は500〜650℃である。 (3) 活性層のみを多結晶化した薄膜トランジスタにおい
て、半導体層を形成するのに必要なCVDの温度は25
0℃〜450℃程度であるが、CWレーザによる活性層
の再結晶化工程では600℃を超える温度となる。
【0013】このように薄膜トランジスタの製造工程に
おいては避けられない熱処理工程が存在している。
【0014】一方、TFTはソーダガラス等の基板上に
形成されており、特にスタガ型とコプラナ型はキャリア
の表面導電チャネルを持つ活性層がガラス基板と直接に
接している。
【0015】TFT製造工程では前述のように避けられ
ない熱処理工程が存在するので、ガラス基板中に存在す
るナトリウム、カリウム等のアルカリ不純物並びに金属
等が外部に拡散し、活性層やTFTを構成する半導体層
に侵入する。これによりTFTは、移動度の低下やしき
い値の変動等デバイス特性を悪化させたり、長期の信頼
性に悪影響を与える。
【0016】また、TFTの動作により、TFT自身が
発熱するこれによりガラス基板の温度が上昇し、同様に
基板より不純物が拡散して、TFTに影響を与える。
【0017】更に、薄膜トランジスタ作製工程における
熱処理又は薄膜トランジスタ動作時の発熱によって発生
する熱膨張の差により、アルミニウム等の金属電極の断
線又はピーリングが発生し、長期の信頼性に悪影響を与
えた
【0018】本発明は前述の如き問題を解決するもので
あり、素子特性の良い、長期の信頼性の高いTFTの作
製方法を提供することを課題とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記の問題を解決する為
に本発明は、多結晶化された珪素膜よりなるTFT素子
のチャネル領域は、ゲート絶縁膜と該ゲート絶縁膜と同
一材料からなる絶縁膜とに挟まれていることを特徴とす
ものであります。
【0020】更に、TFT素子を形成する前にガラス基
板上にCVD法またはスパッタ法によりTFT素子のゲ
ート絶縁膜に使用可能な絶縁膜と同じ材料からなる膜を
下地保護膜として設け、その下地保護膜上にTFT素子
を形成していることを特徴とするものであります。
【0021】このため、薄膜トランジスタ作製工程にお
ける熱処理又は薄膜トランジスタ動作時の発熱によって
発生する熱膨張に差がなく、アルミニウム等の金属電極
の断線又はピーリングを抑制し、TFT素子の特性の向
上および長期の信頼性向上を実現することができるもの
であります。
【0022】加えて、ガラス基板はゲート絶縁膜に使用
可能な絶縁膜、例えばシリコン酸化膜で覆われているた
めTFT作製工程等での熱処理工程またはTFT動作時
の発熱による基板温度上昇時におけるガラス基板よりの
不純物の拡散を防止し、TFT素子の特性の向上および
長期の信頼性向上を実現することができるものでありま
す。以下に実施例を示し本発明を説明する。
【0023】
【実施例】 〔実施例1〕この実施例1に対応するプレーナ型薄膜ト
ランジスタの概略的な作製工程を図1に示す。
【0024】まず、ガラス基板(1) としてソーダガラス
を用い、このソーダガラス(1) 上に公知のスパッタリン
グ法により、全面に下地保護膜として酸化珪素(2) を30
0nmの厚さに形成した。その作成したその作製条件を以
下に示す。 スパッタガス 酸素100% 反応圧力 0.5Pa RFパワー 400W 基板温度 150℃ 成膜速度 5nm/min
【0025】次に、これらの上にI型の非単結晶珪素半
導体膜(3) を公知のプラズマCVD法で約100nmの厚さ
に形成した。その作成したその作製条件を以下に示す。 基板温度 300℃ 反応圧力 0.05Torr Rfパワー(13.56MHz) 80W 使用ガス SiH4
【0026】その後、所定のエッチング処理を行い図1
(A)に示す状態を得た。この後この活性層を多結晶化す
る為にエキシマレーザーを使用して、この活性層に対し
てレーザーアニール処理を施した。その条件を以下に示
す。 レーザエネルギー密度 200mJ/cm2 照射ショット数 50回
【0027】この上に低抵抗非単結晶半導体層として、
N型の導電型を有する非単結晶珪素膜(4) を形成する。
この時の作成条件は以下のとおりであった。 基板温度 220℃ 反応圧力 0.05Torr Rfパワー(13.56MHz) 120W 使用ガス SiH4+PH3 膜厚 1500Å
【0028】このN型の非単結晶珪素膜(4) は、その形
成時にH2 ガスを多量に導入しRfパワーを高くして、微
結晶化させて電気抵抗を下げたものを使用してもよい。
【0029】次に公知のフォトリソグラフィー技術を用
いて、この非単結晶珪素膜(4) をソース/ドレイン領域
(4) を残しチャネル形成領域(7) をパターニングし、図
1(B)に示す状態を得た。
【0030】この後、チャネル形成領域(7) の活性化の
為に、水素プラズマ処理を下記の条件で行いチャネル領
域の活性化を行った。 基板温度 250℃ RFパワー 100W 処理時間 60分
【0031】この後、先の下地保護膜(2) と同じ材料で
かつ同じ形成方法にてゲート酸化膜(5)100nmの厚みに形
成後ソース/ドレイン領域のコンタクトホールを公知の
エッチング法により形成し、その上にアルミニウム電極
(6) を形成して、図1(C)の状態を得薄膜トランジスタ
を完成した。
【0032】本実施例の場合、ソース/ドレイン電極
(6) の下にはゲート絶縁膜(5) 、下地保護膜(2) が存在
する。 これらは同じ材料、同じ形成方法により形成さ
れているので薄膜トランジスタ作製工程における熱処理
又は薄膜トランジスタ動作時の発熱によって発生するこ
れら膜の熱膨張に差がなく、その上部に存在するアルミ
ニウム等の金属電極の断線又はピーリングを起こさず長
期の信頼性に優れたものとなった。
【0033】〔実施例2〕図3に本実施例の作製方法の
概略図を示す。まず、ソーダガラス基板(1) 上に、公知
のスパッタリング法により実施例1と同じ作製条件にて
酸化珪素膜を作製した。
【0034】次に、この下地保護膜(2) 上にモリブデン
金属(10)を200nmの厚さに形成した後にこの上に低抵
抗非単結晶半導体層としてP型の導電型を有する非単結
晶珪素膜(8) を形成する。この時の作製条件は以下のと
おりであった。 基板温度 230℃ 反応圧力 0.05Torr Rfパワー(13.56MHz) 150W 使用ガス SiH4+B2H6 膜厚 200Å
【0035】この場合膜厚は200 Åとし後工程で作製す
るI型半導体層とのオーミックコンタクトをとる目的だ
けとした。
【0036】次に、これらを所定のパターンにエッチン
グして図3(A)の状態を得た。そして、これらの上に
I型の非単結晶珪素半導体膜(3) を公知のスパッタ法で
200nmの厚さに形成した。その作成したその作製条件を
以下に示す。 基板温度 250℃ 反応圧力 0.2Pa Rfパワー(13.56MHz) 80W 使用ガス Ar
【0037】次に、実施例1と同じようにこのI型半導
体層(3) の多結晶化と水素プラズマ処理による活性化を
行い図3(B)に示す状態を得た。
【0038】さらに、スパッタリング法によりゲート絶
縁膜(5) を実施例1と同様に100nm形成した後、モ
リブデン金属によりゲート電極(9) を形成し所定のパタ
ーンに形成した。 このようにして図3(C)に示す薄
膜トランジスタを完成させた。
【0039】本実施例の場合、低抵抗半導体層下に金属
電極を有しているので、その配線抵抗が非常に小さい特
徴を有する。特に大面積の液晶装置のスイッチング素子
としてTFT を用いる際、この配線抵抗が小さい為に、駆
動信号波形がなまることがなく、多量のTFT を高速で応
答させることができる。また、本発明は、その他のデバ
イス構造を持つ薄膜トランジスタにも当然応用可能であ
る。
【0040】
【発明の効果】本発明は、チャネル領域の上下が同じ材
料、同じ形成方法により形成されている絶縁膜であるの
で薄膜トランジスタ作製工程における熱処理又は薄膜ト
ランジスタ動作時の発熱によって発生するこれら膜の熱
膨張に差がなく、その上部に存在するアルミニウム等の
金属電極の断線又はピーリングを起こさず長期の信頼性
に優れたものとなった。
【0041】更に、本発明の構成により、基板としての
低温ガラス中に存在する不純物が薄膜トランジスタの活
性層さらには素子自身へ侵入することを抑えることがで
き、高相互コンダクタンスおよび高電界効果移動度を持
つ薄膜トランジスタを提供することができた。
【0042】また、デバイス動作時における発熱により
基板より拡散する不純物をも抑えることができ、薄膜ト
ランジスタの電機的特性の劣化を抑制でき良好で長期の
安定性と信頼性を持つ薄膜トランジスタを実現すること
ができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例のTFT の製造工程を示す概
略図。
【図2】 従来のTFT の断面構造図。
【図3】 本発明の一実施例のTFT の製造工程を示す概
略図。
【符号の説明】 1 基板 2 下地保護膜 3 活性層 4 ソース/ドレイン領域 5 ゲート絶縁膜 6 ゲート並びにソース、ドレイン電極 7 チャネル形成領域 8 ソース/ドレイン領域 9 ゲート電極 10 ソース/ドレイン電極 20 基板 21 活性層 22、23 ソース/ドレイン領域 24、25 ソース/ドレイン電極 26 ゲート絶縁膜 27 ゲート電極

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス基板の上に設けられた薄膜トラン
    ジスタにおいて、 該薄膜トランジスタのチャネル領域は多結晶化された珪
    素膜よりなり、 前記チャネル領域は、ゲート絶縁膜と該ゲート絶縁膜と
    同一材料からなる絶縁膜とに挟まれていることを特徴と
    する薄膜トランジスタ。
  2. 【請求項2】 ガラス基板の上に設けられた薄膜トラン
    ジスタにおいて、 該薄膜トランジスタのチャネル領域は多結晶化された珪
    素膜よりなり、 前記活性層は、ゲート絶縁膜と該ゲート絶縁膜と同一材
    料からなる下地保護膜とに挟まれていることを特徴とす
    る薄膜トランジスタ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004265932A (ja) * 2003-02-14 2004-09-24 Canon Inc 放射線撮像装置
US7541617B2 (en) 2003-02-14 2009-06-02 Canon Kabushiki Kaisha Radiation image pickup device

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