JPH10312607A - テープガイド装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 （読み出し／書き込み）時において、テープ
20のふらつきの低減および適正な位置での走行を実現さ
せ、更に製作またはメンテナンスおよび修理が容易で低
コストであり、部品の損耗率が低い。以上のような、磁
気ヘッド16を含むテープガイド装置10の設計および製
作。 【解決手段】 磁気ヘッド16のテープ摺動面18をテープ
ガイド軸33，35に対して偏り角、本発明では天頂角36を
成してテープ20と係合するように配設する。更に、走行
時のテープ20に張力を加えることでテープ20を偏らせテ
ープ20のふらつきを低減する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は磁気情報の記憶及び
再生に関し、特に磁気テープ情報記憶再生装置及び製品
のテープガイド装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】磁気テープ情報記憶及び再生システムの
性能、その部品の複雑性及びコストは絶えず改善され続
けている。磁気記憶システムの用途はオーディオ、ビデ
オ及びデータの記憶／再生の分野に多い。消費者は性能
の改善を常に要求すると同時に価格は従来の製品と同じ
水準に維持されるかあるいは低下することを望む。この
ため、製品設計者は性能の改善と同時に設計の簡略化を
追及してきた。

【０００３】一例として、ネットワーク及びパーソナル
コンピュータのバックアップに用いるコンピュータシス
テム用テープ情報記憶製品の需要が近年高まっている。
しかし、コンピュータハードウエア及びソフトウエアの
領域をよく知るユーザーは、２、３年毎に、より低価格
になり性能がほぼ２倍に向上することを期待するように
なっている。かかる期待はマイクロプロセッサ及びメモ
リ素子の改良によるところが大きい。また、かかる期待
がコンピュータバックアップシステム用のテープ情報記
憶製品の開発に拍車をかけている。同様な期待がオーデ
ィオテーププレーヤ／レコーダ、ビデオカメラ及びビデ
オカセットレコーダ（ＶＣＲ）に用いるもののような磁
気テープカセット装置の分野にも寄せられている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、特に１つあ
るいはそれ以上の磁気ヘッド及び磁気ヘッド上のリボン
テープを適正な位置で確実に走行させるように構成され
た複数のテープガイドを有するテープ情報記憶／再生製
品に関する。搬送システムが、リボンテープを、共通の
書き込みギャップラインと１つの共通の読み出しギャッ
プライン及び１トラックあたりに複数設けられた読み出
しあるいは書き込みコイルを有するヘッド上（または複
数のヘッド上）に供給する。例えば、リボンテープ上に
18あるいは24の平行なトラックを記録することができ
る。テープガイドはヘッドの読み出し／書き込みギャッ
プに対するテープの迎え角すなわち傾斜角及び位置合わ
せを適切にするためにヘッドの両側に配置される。トラ
ック位置はテープガイドによって決まり、トラック幅は
ヘッド内のコアの物理的寸法によって規定される。反復
可能な読み出し／書き込み動作を実現するためにはテー
プとヘッドを正確に位置合わせすることが極めて重要で
ある。

【０００５】また、磁気テープの幅に対する摺動面の大
きさも極めて重要である。摺動面の幅がテープ幅より小
さい場合、テープは摺動面上を走行する際にそのテープ
エッジに沿って歪められ、結果テープの損傷が発生す
る。摺動面の幅がテープ幅より大きい場合、テープが摺
動面上を走行する際にふらつきやすくなり、テープ走行
方向に対して横に移動をしてヘッドとテープとの間に読
み出し/書き込み上の問題が発生する。テープ幅に対す
る摺動面の大きさを精度良くすることは不可能ではない
としても困難である。これはテープ幅にはテープごとに
ばらつきがあり、また使用時に経時変化することもある
ためである。更に、適正な大きさの摺動面を有するテー
プガイドの製作はコスト高になる傾向がある。

【０００６】最近、磁気ヘッド上でリボン磁気テープを
確実に位置合わせするためのいくつかの試みがなされて
いる。かかる技術は、オーディオ及びコンピュータの用
途に用いられるような磁気テープカートリッジあるいは
供給リールと巻き取りリールを有する開放型磁気テープ
アッセンブリー（カートリッジ無し）に用いる磁気テー
プガイドアッセンブリーに適用することができる。米国
特許5,218,501 号に開示されたかかるテープガイド装置
には、筒形ローラ機構に取り付けられた、磁気テープの
上端に摩擦係合するように偏らせることのできる板ばね
が用いられる。このばねはテープの上端に加わる力の調
整を可能にし、更にテープとばねの間の接触角度を調整
しうるように取り付けられる。他の同様な設計には、テ
ープエッジガイドを確実に偏らせ、磁気テープのテープ
エッジに係合させる円すいコイルばねが用いられる。

【０００７】米国特許5,253,135 号に開示された他のテ
ープガイド装置は一対の突起を持つ磁気ヘッドであり、
前記突起は突起間で磁気テープを受けられるようにテー
プ摺動面上に配設されており、パッドの端部がこれらの
突起に接触している。この磁気テープはパッドによって
テープ摺動面に押圧されるが、突起が実質的にパッドを
支持するためその圧力は小さい。このように、パッドは
テープに過大な圧力を加えることがない。過大な圧力が
加わる場合、テープ摺動面上の摩擦が過大になり、テー
プ上にテープ速度の不安定性に起因するワウ及びフラッ
タが生じる。

【０００８】米国特許5,610,787 号に開示された他のテ
ープガイド装置は、それぞれが上下のテープエッジガイ
ドリムを有する２対のテープガイド要素を有する磁気テ
ープ装置である。一方の対はヘッドの両側にヘッドに隣
接して１つずつ配置されている。第２の対の要素はヘッ
ドの両側に、ヘッドから更にに遠く配置されている。第
１の対と第２の対のテープガイドリムの位置は最小限の
テープ幅を有する磁気テープの一方のテープエッジが第
１の対のそれぞれの対応するリムに接触し、他のテープ
エッジが第２の対のそれぞれの他の対応するリムに接触
するように配置される。

【０００９】米国特許5,134,536 号に開示された他のテ
ープガイド装置は、テープ走行経路を記録／再生システ
ムに対するヘッドの取付角の許容誤差範囲を広げるよう
に調整することによって高温下での使用中の信頼性と摺
動性を向上させるテープガイドを有する磁気ヘッドであ
る。リボンテープは、このテープを傾斜部の摺動接触部
を経て制限部材に向かって押しやるような大きさとされ
たテープガイドに沿って送られる。摺動接触部に沿って
制限部材に対向してストッパが設けられ、傾斜部側への
テープの移動を防止する。摺動接触部の幅は、好適には
リボンテープの幅以下である。しかし、この技術では磁
気テープが傾斜部のストッパ上を走行する際にそのテー
プエッジが巻き上がる傾向がある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明は間隔をおいたほ
ぼ平行な軸上にある１対のテープガイドを担持するキャ
リアすなわち支持ベースを有するテープガイド装置を提
供する。各テープガイドは、摺動接触部及びその上に移
動可能に支持されたリボンテープの１つのテープエッジ
と係合する少なくとも１つのテープガイド要素を有す
る。テープ摺動面を有する磁気ヘッドが前記リボンテー
プと係合するように支持される。前記テープ摺動面はリ
ボンテープとテープガイド軸に対するある天頂角を成し
て係合するように配設される。前記磁気ヘッド及びテー
プガイド上を走行中のテープに走行張力を加えることに
よって、テープ上に横方向の力が生じ、前記テープの一
方のテープエッジを前記テープガイドの前記テープガイ
ド要素に向かって偏らせ、テープのふらつきが低減され
る。

【００１１】また、本発明はテープのふらつきを制御す
る方法を提供する。この方法によれば、間隔をおいたほ
ぼ平行な軸上に１対のテープガイドが設けられる。リボ
ンテープが前記テープガイド上を走行するように配設さ
れ、各テープガイドは摺動接触部と移動可能に支持され
る前記リボンテープの一つのテープエッジと係合する少
なくとも１つのテープガイド要素を有する。磁気ヘッド
のテープ摺動面は前記リボンテープを前記テープガイド
の軸に対してある天頂角を成して接触するように配設さ
れる。前記テープに張力が加わり、前記テープは前記磁
気ヘッド及び前記テープガイド上を横方向の力が前記テ
ープに発生するように移動し、その結果前記テープの一
方のテープエッジが前記テープガイドの前記テープガイ
ド要素側に偏って、前記テープのふらつきが低減され
る。

【００１２】このテープガイド装置は磁気リボンテープ
をテープ走行経路上でガイドするようにほぼ平行に配列
された少なくとも２つのテープガイドを有する。各テー
プガイドは摺動接触部及び前記テープの１つのテープエ
ッジと係合する少なくとも１つのテープガイド要素を有
する。磁気ヘッドは前記テープガイドの間にテープガイ
ド軸に対してある天頂角を成して配置される。更に、前
記磁気ヘッドはテープガイドに対して、入側と出側にお
いて前記テープと前記磁気ヘッドとの間で前記テープの
上下のテープエッジに対する近寄り角と離出角を成すよ
うに配置される。前記磁気ヘッド及び前記テープガイド
上を走行中の前記テープにテープ駆動機構によって走行
張力を加えることによって、前記テープに横方向の力が
発生し、前記テープの一方のテープエッジが前記テープ
ガイドの前記テープガイド要素側に偏り、前記テープの
ふらつきが低減される。

【００１３】また、このテープガイド装置は部品点数を
低減した簡単な構造を有するテープガイド装置を用いて
リボン状の磁気テープをほとんどふらつきのない状態で
ガイドするように設計されており、製作、メンテナンス
及び修理が容易で、しかも低コストである。更に、可動
部品数を低減したことによって全体的な部品の損耗が大
幅に低減される。

【００１４】本発明の方法は、間隔をおいた平行な軸上
に１対のテープガイドを設けるステップ、リボンテープ
をそれぞれが摺動接触部及び移動可能に支持されたリボ
ンテープの１つのテープエッジと係合する少なくとも１
つのテープガイド要素を有する前記テープガイド上を走
行するように配設するステップ、磁気ヘッドのテープ摺
動面を前記リボンテープに前記テープガイドの軸に対し
てある天頂角を成して接触するように配設するステッ
プ、及び前記テープに張力を加えて前記テープを前記磁
気ヘッド及び前記テープガイド上で前記テープ上に横方
向の力が生じるように移動させ、それによって前記テー
プの一方のテープエッジを前記テープガイドの前記テー
プガイド要素側に偏らせて前記テープのふらつきを低減
するステップからなる。

【００１５】

【発明の実施の形態】図１は本発明の装置及び方法の実
施に適したテープガイド装置10を示す。好適には、本発
明のテープガイド装置10は、磁気ヘッド16の両側に、磁
気ヘッド16のテープ摺動面18が磁気テープ20のリボンを
摺動可能に支持する１対のテープガイド12及び14を備え
ている。テープガイド12及び14は、ベース22によって間
隔をおいたほぼ平行なテープガイド軸33及び35上にそれ
ぞれ支持される。好適には、これらの軸は平行である。
一実施形態においては、ベース22は磁気テープカセット
のテープの読み出しに使用可能な磁気テープカセット装
置の支持構造を形成する。他の実施形態においては、ベ
ース22は、オーディオ及びコンピュータの用途に用いら
れるもののような供給リール及び巻き取りリールを有す
る開放型磁気テープアッセンブリー（カートリッジレス
テープアッセンブリー）を受ける支持キャリッジを形成
する。いずれの実施形態においても、テープガイド12及
び14の間には２つ以上の磁気ヘッドを設けることが可能
であることは明らかである。更に、３つ以上のテープガ
イドを設けてテープ20を磁気ヘッド16上にガイドするこ
とができる。

【００１６】図１に示すように、テープガイド12及び14
はそれぞれ少なくともテープ20の幅と同じ距離だけ間隔
をおいて配置された上下のテープガイド要素24，26及び
28，30を有する。好適には、テープガイド12及び14は回
転ガイド機構を形成する。そして、テープガイド要素2
4，26及び28，30はそれぞれテープ接触面40及び42の上
下にフランジ部材を形成する。あるいは、テープガイド
12及び14は固定された非回転テープガイド機構を形成し
てもよく、テープガイド要素24，26及び28，30とテープ
摺動面40，42もまた固定とすることができる。更に、テ
ープ摺動面40及び42を固定し、テープガイド要素24，26
及び28，30を回転させることもできる。更に、テープ接
触面40及び42を回転させ、テープガイド要素24，26及び
28，30もまた回転させるようにしてもよい。また、テー
プガイド要素28，30をテープガイド14から削除すること
もできる。かかる実施形態においては、他のテープガイ
ド12がテープ20のテープエッジと係合するテープガイド
要素26を提供する。

【００１７】本明細書の目的上、テープガイド装置とテ
ープ駆動装置は、テープ駆動装置をコンピュータ、ラッ
クあるいは別のコンピュータ周辺装置内に取り付けうる
ように任意の向きに取り付けることができるものとす
る。したがって、ここでは“上”及び“下" は立面図内
でのテープ20の平面図を区別するために用いる相対的な
用語である。かかる用語は限定的なものと見るべきでは
なく、本発明の装置及び方法の内、適当な１つの動作構
成の説明を補足し明確にする上で便宜的に用いるもので
ある。

【００１８】図１に示すように、テープガイド12及び14
はベース22の上にそれぞれねじ付き保持ファスナー32及
び34を介して回転するように取り付けられている。テー
プガイド要素24，26及び28，30は、好適には円筒状のフ
ランジ部材である。あるいは、テープガイド12及び14は
ベース22上に回転しない状態で取り付けることができ
る。テープ20がテープ駆動機構（図示せず）によってテ
ープガイド12及び14上で移動するように搬送される。フ
ァスナー32及び34はそれぞれテープガイド12及び14の中
央に、テープガイド12及び14が間隔をおいたほぼ平行な
軸上にテープ接触面40及び42を成すような状態で設けら
れる。好適には、テープ接触面40及び42はそれぞれ円筒
状に形成される。したがって、テープ20はほぼ同じ向き
を有するテープ接触面40及び42のそれぞれの上に引っ張
られる。しかし、磁気ヘッド16はテープ接触面40及び42
の間に配置され、テープ摺動面18はテープ接触面40及び
42に対してある天頂角すなわち偏り角36を成す。

【００１９】また、磁気ヘッド16は読み出し/書き込み
時に磁気ヘッド16の上部を走行するテープ20が確実に偏
り係合するようにテープ20の直線状の走行経路を偏向す
るようにテープ接触面40及び42の間に設けられる。磁気
ヘッド16をテープ接触面40及び42の内側の離脱面に対し
てかかる天頂角36で傾斜させることによって、テープガ
イド12及び14に対する偏り力が生じる。これによって、
張力がかかっているときテープ20が下部テープエッジ38
に沿って下部テープガイド要素26及び30に当たるように
駆動される。テープ駆動機構（図示せず）がテープ20に
張力を加えると、テープ20は、上部テープエッジ39が下
部テープエッジ38よりも大きな力によって引っ張られる
ため、磁気ヘッド16の上部で屈曲する。テープ20のかか
る偏った伸長すなわち屈曲によってテープ20に横方向の
力が生じ、テープがガイド12及び14から離れる方向に移
動し、下部テープガイド要素26及び30と偏り係合する。
好適には、テープ20の伸長は弾性的伸長である。

【００２０】テープガイド12及び14のそれぞれの形態
は、各テープガイドがテープ接触部及び移動可能に支持
されたリボンテープの１つのテープエッジと係合する少
なくとも１つのテープガイド要素を有する限り、変更す
ることができる。また、テープガイド12及び14は１つの
固定したあるいは回転する部品から形成することができ
る。例えば、面40及び42は摺動面を形成するように固定
され、同時に要素26，28及び30，32を回転できるように
設けることができる。あるいは、テープガイド12及び14
を回転させ、要素26，28及び30，32を固定する。更に、
要素24及び28は削除することができる。これは、磁気ヘ
ッドを天頂角36だけ偏らせることによってテープ20が要
素24及び28から離れる下方に駆動されるためである。

【００２１】本明細書の目的上、“磁気ヘッド" という
用語は１つの読み出し及び／または書き込み磁気ヘッド
すなわち読み出し／書き込み用の磁気ヘッドと消去ヘッ
ドの両方が１つの部材に組み込まれた磁気ヘッドあるい
は一体の部材すなわちアッセンブリーを形成する一群の
すなわち複数の磁気ヘッドを指すものであることを指摘
しておく。

【００２２】また、本明細書の目的上、“天頂角" とい
う用語は磁気ヘッドのテープ摺動面と磁気ヘッドの両側
に横方向に配設されたテープガイドのテープ摺動面すな
わち隣接する離脱点との間の傾斜角すなわち偏り角を指
すものであることを指摘しておく。かかる“天頂角" は
磁気ヘッドがテープに対してテープガイドと同じ側ある
いはテープガイドと反対の側にある状態でテープを直線
的な走行経路から偏らせるように磁気ヘッドを配置する
ことによって加えることができる。テープは使用時には
任意の向きにガイドすることができ、“天頂" という用
語は観察者の真上に位置する天球の任意に点を指すもの
ではない。磁気ヘッド16には垂直な摺動面18を設けるこ
とができ、テープガイド12及び14は磁気ヘッド16に対し
てある天頂角を成して傾斜している。あるいは、磁気ヘ
ッド16を上下に移動させてテープと係合させることがで
きる。更に、磁気ヘッド16を傾斜させてテープと係合さ
せ、本発明の天頂角を成す傾斜を加えることができる。

【００２３】図１に示すように、磁気ヘッド16のテープ
摺動面18は書き込みギャップラインと読み出しギャップ
ラインからなるヘッドギャップ領域を有する。前記書き
込みギャップライン及び前記読み出しギャップラインは
それぞれ１情報トラックにつき複数の書き込みあるいは
読み出しコイルから形成することができる。

【００２４】図２にはテープ20を下方に偏らせて下部テ
ープガイド要素30及び26（図では隠れている）と係合さ
せる天頂角36を画成するような、テープガイド14及び12
（図では隠れている）の垂直軸に対する磁気ヘッド16の
配置を示す。あるいは、磁気ヘッド16は負の天頂角を成
すように偏らせてテープ20をテープガイド12及び14に乗
せ、上部テープガイド要素24及び28（図では隠れてい
る）と係合させることができる。更に、磁気ヘッド16を
テープ20の反対側に取り付けて、天頂偏り角がテープガ
イド12及び14のテープガイド軸に対して正方向であるか
負方向であるかに応じて下方あるいは上方に偏らせるこ
ともできる。しかし、磁気ヘッド16がテープ20に対して
テープガイド12及び14の反対側に配置されている場合、
テープガイド12及び14間のテープ20の走行経路はテープ
ガイド12及び14の接触面積が増大するように偏向され、
これによってテープ20の移動に要する摩擦力が増大す
る。かかる構成は磁気ヘッド16がテープガイド12及び14
とは異なるベースに支持されている場合、たとえばテー
プガイド12及び14がテープ格納カセット内に設けられて
いる場合に適切である。あるいは、磁気ヘッド16及びテ
ープガイド12、14の構成を同じベース上に設け、テープ
20を磁気ヘッド16とテープガイド12及び14の間に通すこ
とができる。

【００２５】図３には、テープガイド12及び14に沿った
ほぼ垂直な方向付けと天頂角を表わす磁気ヘッド16に沿
って偏った方向付けとの間でのテープ20のプロフィール
変化を示す。磁気ヘッド16はテープガイド12及び14間の
テープ20の直線的走行経路を、テープ20が磁気ヘッド16
のテープ摺動面18の上部を走行しているときに磁気ヘッ
ド16の上部でテープ20を屈曲させ張力を加えるように偏
向させるように配置される。テープ20は上下部テープエ
ッジ39及び38で異なるテープ傾斜角44で面18と係合す
る。天頂角のために角度44は下部テープエッジ38沿いよ
りも上部テープエッジ39沿いで大きく、その結果テープ
20に横方向の力が生じて、テープは下部テープテープガ
イド要素26及び30側に移動する（図１参照）。

【００２６】図４にはテープガイド112 及び114 がそれ
ぞれ薄く細長いブラケットの形状に形成された代替的構
造を有するテープガイド装置110を示す。テープガイド1
12及び114 は一端に沿って切り欠かれ、テープ摺動面す
なわちテープガイド支持面140 ，142 及び上下部のテー
プガイドエッジ124 ，126 及び128 ，130 がそれぞれ形
成される。テープガイド112 及び114 はそれぞれベース
22を専用のファスナー対53を用いて取り付けるための間
隔をおいた開口部52を有する取り付けベース46及び50を
有する。同様に、磁気ヘッド116 はファスナー対53を用
いてベース22を取り付けるための間隔をおいた開口部対
52を有する取り付けベース48を有する。磁気ヘッド116
はテープ摺動面118 上でテープ20に天頂角36を成して偏
って係合した状態で支持される。したがって、ヘッドギ
ャップ領域156 を移動するテープ20上により精密に配置
することができる。これは、下部テープエッジ38をテー
プガイド要素126 及び130 に対して確実に偏らせること
によってテープ20のふらつきが低減あるいは除去される
ためである。

【００２７】図５はそれぞれ薄く細長いブラケットの形
状のテープガイド212 及び214 が磁気ヘッド216 の反対
側に一体に取り付けられた他の代替的構造のテープガイ
ド装置116 を示す。したがって、磁気ヘッド216 及びテ
ープガイド212 ，214 は単一の共通のユニットとして組
み立てられる。かかる構造は、磁気ヘッド216 及びテー
プガイド212 ，214 がオーディオレコーダ／プレーヤー
あるいはビデオカメラレコーダ（ＶＣＲ）内に支持され
るテープカセットたとえばオーディオ及びビデオカセッ
トへの使用に適している。磁気ヘッド216 及びテープガ
イド212 ，214は取り付けベース54に固定的に取り付け
られる。好適には、ベース54には磁気ヘッド216 及びテ
ープガイド212 ，214 をベース22に取り付けるのに用い
るファスナー対53を受けるための一対の取り付け開口部
52が形成される。テープ摺動面140 及び142 の大きさ及
びテープ摺動面218 に対する配置は、テープ20がテープ
駆動機構（図示せず）によって面218及びテープガイド2
12 ，214 上を引かれる際に天頂角36によってテープ20
が下方に移動して下部テープガイド要素126 及び130 と
係合するようなものとされる。その結果、テープ20は下
部テープガイド要素126 ，130 及び摺動面218 上を、ヘ
ッドギャップ領域256 がテープ20上に安定した精密な態
様で配置されるように横方向のふらつきのほとんどない
状態で走行する。

【００２８】更に、テープガイド12，14（図１から図
３）、112 ，114 （図４）及び212 、214 （図５）は金
属、摩擦低減含浸金属（たとえばテフロンを含浸した金
属）、プラスティック、強化プラスティック（たとえば
繊維強化プラスティック）、セラミック、あるいは他の
任意の適当な材料等の不必要に磁気テープを摩耗させな
い多数の適当な材料のうち，任意のもので製作すること
ができる。

【００２９】法律に従って、本発明の構造及び方法の特
徴をかなり具体的に説明した。しかし、ここに開示した
手段は本発明を実施するための好適な形態であって、本
発明はここに図示及び説明した具体的特徴に限定される
ものではないことを指摘しておく。したがって、本発明
は均等論にしたがって適切に解釈した特許請求の適正な
範囲内の形態及び変更態様をも特許請求の範囲とするも
のである。

【００３０】以下に本発明の実施の形態を要約する。 １．支持ベース（22）、及び前記ベース（22）によって
間隔をおいたほぼ平行なテープガイド軸（33，35）上に
担持される１対のテープガイド（12，14，112 ，114 ，
212 ，214 ）からなり、テープガイド（12，14，112 ，
114 ，212 ，214 ）はそれぞれ摺動接触部（40，42，14
0 ，142 ）及びその上に移動可能に支持されたリボンテ
ープ（20）の一つのテープエッジ（38）と係合する少な
くとも１つのテープガイド要素（26，30，126 ，130 ）
を有し、更に前記リボンテープ（20）と前記テープガイ
ド軸（33，35）に対する天頂角（36）を成して係合する
ように支持されたテープ摺動面（18，118 ，218 ）を有
する磁気ヘッド（16，116 ，216 ）からなり、前記テー
プ摺動面（18，118 ，218 ）及び前記接触部（40，42，
140 ，142 ）は前記テープの一方のテープエッジ（38）
を前記テープガイド（12，14，112 ，114 ，212 ，214
）の前記少なくとも１つのテープガイド要素（26，3
0，126 ，130 ）側に偏らせるように構成されているテ
ープガイド装置（10，110 ，210 ）。

【００３１】２．更に、前記テープガイド（212 、214
）は前記磁気ヘッド（216 ）に一体的に取り付けられ
る上記１記載のテープガイド装置（210 ）。

【００３２】３．更に、前記テープガイド（12，14，11
2 ，114 ）はそれぞれ前記磁気ヘッド（16，116 ）の反
対の側に担持されるように設けられた別々のテープガイ
ド（12，14，112 ，114 ）からなる上記１記載のテープ
ガイド装置（10，110 ，210 ）。

【００３３】４．更に、前記テープガイド（12，14，11
2 ，114 ，214 ）はそれぞれ固定された非回転テープガ
イド機構から形成されたテープガイド接触面（40，42，
140 ，142 ）である上記１記載のテープガイド装置（1
0，110 ，210 ）。

【００３４】５．更に、前記磁気ヘッド（16，116 ，21
6 ）は前記テープガイド（12，14，112 ，114 ，212 ，
214 ）が係合するのと同じ側で磁気テープ（20）と係合
するように前記テープ摺動面（18，118 ，218 ）で支持
される上記１記載のテープガイド装置（10，110 ，210
）。

【００３５】６．更に、前記テープガイド（12，14）は
円筒状のテープガイドからなる上記１記載のテープガイ
ド装置（10）。

【００３６】７．更に、前記テープガイド（112 ，114
）は円筒状のフランジ部材からなる上記６記載のテー
プガイド装置（10）。

【００３７】８．更に、前記テープガイド（112 ，114
）はテープ接触面（140 ，142 ）を成すように構成さ
れた薄く細長いブラケット及び少なくとも１つのテープ
ガイド要素（126 ，130 ）からなる上記１記載のテープ
ガイド装置（110 ，210 ）。

【００３８】９．更に、前記テープガイド（112 ，114
）は前記テープ接触面（140 ，142 ）の各端部に沿っ
て１つずつ設けられた１対のテープガイド要素（124 ，
126 ，128 ，130 ）からなる上記８記載のテープガイド
装置（110 ，210 ）。

【００３９】10．テープのふらつきを制御する方法を提
供する、間隔をおいたほぼ平行なテープガイド軸（33，
35）上に１対のテープガイド（12，14，112 ，114 ，21
2 ，214 ）を設けるステップ、リボンテープ（20）を前
記テープガイド（12，14，112 ，114 ，212 ，214 ）を
走行するように配設するステップであって、各テープガ
イド（12，14，112 ，114 ，212，214 ）はテープ接触
面（40，42，140 ，142 ）と移動可能に支持されるリボ
ンテープ（20）の１つのテープエッジ（38）と係合する
少なくとも１つのテープガイド要素（26，30，126 ，13
0 ）を有するステップ、磁気ヘッド（16、116 、216 ）
のテープ摺動面（18，118 ，218 ）を前記リボンテープ
（20）に前記テープガイド軸（33，35）に対して天頂角
（36）を成して接触するように配設するステップ、およ
び前記テープ（20）を前記磁気ヘッド（16，116，216）
及びテープガイ（12，14，112，114，212 ，214 ）上
で、前記テープ（20）に横方向の力が発生するように移
動させ、それによって前記テープの一方のテープエッジ
（38）を前記テープガイド（12，14，112 ，114 ，212
，214 ）の前記テープガイド要素（26，30，126 ，130
）側に偏らせてテープのふらつきを低減するステップ
からなるテープのふらつきの制御方法。

【００４０】11．更に、前記テープ（20）を移動させる
ステップは、前記テープ（20）に張力を加えて、前記テ
ープ（20）をテープのふらつきを低減する横方向の偏り
力が生じるように移動させる上記10記載の方法。

【００４１】12．更に、前記テープ摺動面（18，118 ，
218 ）はテープの前記テープガイド（12，14，112 ，11
4 ，212 ，214 ）と共通の側に設けられる上記10記載の
方法。

【００４２】

【発明の効果】上述のように本発明のテープガイド装置
によれば、設けられた天頂角によってテープのエッジを
偏らせることができ、その結果テープのふらつきが低減
される。更に、構造が複雑でないため生産及びメンテナ
ンスを低コストで行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明にかかる磁気テープガイド装置の概略斜
視図である。

【図２】図１の磁気テープガイド装置の右側面図であ
り、磁気ヘッドとガイドローラとの間の天頂角を示す。

【図３】図１の磁気テープガイド装置の平面図である。

【図４】本発明にかかる他のテープガイド装置の概略斜
視図である。

【図５】本発明にかかる他のテープガイド装置の概略斜
視図である。

【符号の説明】

10 テープガイド装置 12，14 テープガイド 16 磁気ヘッド 18 テープ摺動面 20 磁気テープ 22 ベース 24，26，28，30 テープガイド要素 32，34 ねじ付きファスナー 33，35 テープガイド軸 36 天頂角 38，39 テープエッジ 40，42 テープ接触面 44 テープ傾斜角 46，48，50 取り付けベース 52 開口部 53 ファスナー対 54 取り付けベース 56 ヘッドギャップ領域 110 テープガイド装置 112 ，114 テープガイド 116 磁気ガイド 118 テープ摺動面 124 ，126 ，128 ，130 テープガイドエッジ 140 ，142 テープ摺動面 156 ヘッドギャップ領域 210 テープガイド装置 212，214 テープガイド 216 磁気ヘッド 218 テープ摺動面 256 ヘッドギャップ領域

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 支持ベース（22）、及び前記ベース（2
   2）によって間隔をおたほぼ平行なテープガイド軸（3
   3，35）上に担持される１対のテープガイド（12，14，1
   12, 114，214, 214）からなり、テープガイド（12，1
   4，112, 114，212, 214）はそれぞれ摺動接触部（40，4
   2，140, 142）及びその上に移動可能に支持されたリボ
   ンテープ（20）の一つのテープエッジ（38）と係合する
   少なくとも１つのテープガイド要素（26，30，126, 13
   0）を有し、更に、前記リボンテープ（20）と前記テー
   プガイド軸（33，35）に対する天頂角（36）を成して係
   合するように支持されたテープ摺動面（18，118, 218）
   をする磁気ヘッド（16，116, 216）からなり、 前記テープ摺動面（18，118, 218）及び前記接触部（4
   0，42，140, 142）前テープの一方のテープエッジ（3
   8）を前記テープガイド（12，14，112, 114, 212, 21
   4）の前記少なくとも１つのテープガイド要素（26，3
   0，126, 130）側に偏らせるように構成されているテー
   プガイド装置（10，110, 210）。