JPH10310876A - 樹脂クロメート組成物及び表面処理金属板 - Google Patents
樹脂クロメート組成物及び表面処理金属板Info
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- JPH10310876A JPH10310876A JP13617997A JP13617997A JPH10310876A JP H10310876 A JPH10310876 A JP H10310876A JP 13617997 A JP13617997 A JP 13617997A JP 13617997 A JP13617997 A JP 13617997A JP H10310876 A JPH10310876 A JP H10310876A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 加工部裸耐食性、耐クロム溶出性、保存安定
性、上塗り塗料との2次密着性および耐指紋性に優れた
樹脂クロメート組成物および樹脂クロメート処理金属板
を提供する。 【解決手段】 (a)全酸成分中の芳香族ジカルボン酸
成分を30モル%以上、かつ、ポリエステル樹脂中のス
ルホン酸金属塩成分をイオウ量として0.1〜8重量%
含有するポリエステル樹脂の水溶液又は水分散体、
(b)エチレン系不飽和化合物からなる水性樹脂、
(c)水溶性クロム化合物及び(d)鉱酸を主成分とす
ることを特徴とする。
性、上塗り塗料との2次密着性および耐指紋性に優れた
樹脂クロメート組成物および樹脂クロメート処理金属板
を提供する。 【解決手段】 (a)全酸成分中の芳香族ジカルボン酸
成分を30モル%以上、かつ、ポリエステル樹脂中のス
ルホン酸金属塩成分をイオウ量として0.1〜8重量%
含有するポリエステル樹脂の水溶液又は水分散体、
(b)エチレン系不飽和化合物からなる水性樹脂、
(c)水溶性クロム化合物及び(d)鉱酸を主成分とす
ることを特徴とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂クロメート組
成物、特に、金属、例えば冷延鋼板、Znめっき鋼板、
Zn系合金めっき鋼板、Al、Pb、Sn、Ni、C
u、Cd、Ti等の金属めっき鋼板あるいはこれらの金
属の合金めっき鋼板等の表面に塗布、乾燥して樹脂クロ
メート皮膜を形成する樹脂クロメート組成物並びに樹脂
クロメート皮膜を有する表面処理金属板に関するもので
ある。
成物、特に、金属、例えば冷延鋼板、Znめっき鋼板、
Zn系合金めっき鋼板、Al、Pb、Sn、Ni、C
u、Cd、Ti等の金属めっき鋼板あるいはこれらの金
属の合金めっき鋼板等の表面に塗布、乾燥して樹脂クロ
メート皮膜を形成する樹脂クロメート組成物並びに樹脂
クロメート皮膜を有する表面処理金属板に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、冷延鋼板、Znめっき鋼板、Zn
−Ni系、Zn−Ni−Co系、Zn−Ni−Cr系、
Zn−Fe系、Zn−Co系、Zn−Cr系、Zn−M
n系等のZn系合金めっき鋼板あるいは、Al、Pb、
Sn、Ni、Cu、Cd、Ti等の金属めっき鋼板ある
いはこれら金属の合金めっき鋼板等の耐食性を改善する
ために、クロメート処理してクロメート皮膜を形成する
ことが一般的に行われている。このクロメート処理は大
別すると電解型クロメート処理と塗布型クロメート処理
にわけることができる。
−Ni系、Zn−Ni−Co系、Zn−Ni−Cr系、
Zn−Fe系、Zn−Co系、Zn−Cr系、Zn−M
n系等のZn系合金めっき鋼板あるいは、Al、Pb、
Sn、Ni、Cu、Cd、Ti等の金属めっき鋼板ある
いはこれら金属の合金めっき鋼板等の耐食性を改善する
ために、クロメート処理してクロメート皮膜を形成する
ことが一般的に行われている。このクロメート処理は大
別すると電解型クロメート処理と塗布型クロメート処理
にわけることができる。
【0003】電解型クロメート処理としては例えばクロ
ム酸を主成分とし、他に硫酸を添加したもの(特公昭3
9−7461号公報)、リン酸を添加したもの(特公昭
30−3514号公報、特公昭35−8917号公報、
特公昭36−9559号公報、特公昭36−9560号
公報)、ほう酸を添加したもの(米国特許第27331
99号、米国特許第2780592号)、ハロゲンイオ
ンを添加したもの(特公昭39−14363号公報)
等、各種陰イオンを添加した浴を用いて鋼板を陰極電解
処理することが知られている。
ム酸を主成分とし、他に硫酸を添加したもの(特公昭3
9−7461号公報)、リン酸を添加したもの(特公昭
30−3514号公報、特公昭35−8917号公報、
特公昭36−9559号公報、特公昭36−9560号
公報)、ほう酸を添加したもの(米国特許第27331
99号、米国特許第2780592号)、ハロゲンイオ
ンを添加したもの(特公昭39−14363号公報)
等、各種陰イオンを添加した浴を用いて鋼板を陰極電解
処理することが知られている。
【0004】塗布型クロメート処理としては3価クロム
を主成分とする水溶性クロム化合物、無機コロイド化合
物及び無機アニオンを含有する酸性水溶液を塗布するも
の(特開昭63−218279号公報)、6価クロムの
一部を3価に還元したクロム酸にコロイド状シリカを混
合して処理するもの(特開昭63−243279号公
報)、3価クロムを主成分とする水溶性クロム化合物、
無機コロイド化合物及び無機ア二オンを含有する液を処
理するもの(特開昭63−218279号公報)、特定
元素のクロム酸と特定割合のコロイド化合物及び無機ア
ニオンを混合した液を処理するもの(特開昭63−17
8873号公報)、6価クロムと3価クロムの比を特定
化したクロム酸及び無機コロイド及び無機アニオンを含
む液で処理するもの、SiO2及びPO4 3-を含み全クロ
ム中の3価クロムの比を規定したクロム酸水溶液で処理
するもの(特開平1−65272号公報)、特定量の3
価クロムイオンを含有する6価と3価のクロムイオンに
対し特定量のケイフッ化物とフッ化物の各ナトリウム塩
を含有する液で処理するもの(特開平1−56879号
公報)特定量の3価クロムイオンを含有する6価と3価
のクロムイオンにたいして特定量のSiO2を含有させ
た水溶液で処理するもの(特開平1−56877号公
報)特定量の3価クロムイオンを含有する6価と3価の
クロムイオンにたいして特定量のケイフッ化アンモニウ
ムとシランカップリング剤を含有した液で処理するもの
(特開平1−56878号公報)、クロムとシリカゾル
を特定割合含有し、6価クロム量とシリカゾル粒径を特
定した液で処理するもの(特開平2−104672号公
報)、特定割合のクロムイオン、リン酸、珪酸ゾルを含
有し、かつ、全クロムイオン中の6価クロムイオンを特
定した液で処理するもの(特開平2−85372号公
報)、クロム酸、無水コロイド化合物、シランカップリ
ング剤を特定比で配合した液で処理するもの(特開平3
−146676号公報)、特定量の3価クロムイオンを
含有する6価と3価のクロムイオンにたいして、シリカ
ゲル、リン酸、Znを含有させた液で処理するもの(特
開平3−68783号公報)等を挙げることができる。
を主成分とする水溶性クロム化合物、無機コロイド化合
物及び無機アニオンを含有する酸性水溶液を塗布するも
の(特開昭63−218279号公報)、6価クロムの
一部を3価に還元したクロム酸にコロイド状シリカを混
合して処理するもの(特開昭63−243279号公
報)、3価クロムを主成分とする水溶性クロム化合物、
無機コロイド化合物及び無機ア二オンを含有する液を処
理するもの(特開昭63−218279号公報)、特定
元素のクロム酸と特定割合のコロイド化合物及び無機ア
ニオンを混合した液を処理するもの(特開昭63−17
8873号公報)、6価クロムと3価クロムの比を特定
化したクロム酸及び無機コロイド及び無機アニオンを含
む液で処理するもの、SiO2及びPO4 3-を含み全クロ
ム中の3価クロムの比を規定したクロム酸水溶液で処理
するもの(特開平1−65272号公報)、特定量の3
価クロムイオンを含有する6価と3価のクロムイオンに
対し特定量のケイフッ化物とフッ化物の各ナトリウム塩
を含有する液で処理するもの(特開平1−56879号
公報)特定量の3価クロムイオンを含有する6価と3価
のクロムイオンにたいして特定量のSiO2を含有させ
た水溶液で処理するもの(特開平1−56877号公
報)特定量の3価クロムイオンを含有する6価と3価の
クロムイオンにたいして特定量のケイフッ化アンモニウ
ムとシランカップリング剤を含有した液で処理するもの
(特開平1−56878号公報)、クロムとシリカゾル
を特定割合含有し、6価クロム量とシリカゾル粒径を特
定した液で処理するもの(特開平2−104672号公
報)、特定割合のクロムイオン、リン酸、珪酸ゾルを含
有し、かつ、全クロムイオン中の6価クロムイオンを特
定した液で処理するもの(特開平2−85372号公
報)、クロム酸、無水コロイド化合物、シランカップリ
ング剤を特定比で配合した液で処理するもの(特開平3
−146676号公報)、特定量の3価クロムイオンを
含有する6価と3価のクロムイオンにたいして、シリカ
ゲル、リン酸、Znを含有させた液で処理するもの(特
開平3−68783号公報)等を挙げることができる。
【0005】また、塗布型クロメート処理の一種である
が、有機樹脂を添加した塗布型クロメート処理、いわゆ
る樹脂クロメート処理が最近開発されている。例えば特
定したクロム、アモルファスシリカ、リン酸化合物、ポ
リアクリル酸で構成し、かつ、皮膜最表層のC/Si比
を特定する処理法(特開平2−163385号公報)、
クロメート液中にメチルメタクリレート等の共重合体の
アクリル系エマルジョンを特定条件で添加して処理する
方法(特開平2−179883号公報)、クロム酸、ク
ロム酸還元生成物、アクリルエマルジョン、シリカゾル
を特定条件で含有する液を塗布する方法(特開平3−2
15683号公報)、クロム酸、クロム酸還元生成物、
アクリルエマルジョン、湿式タイプシリカゾルを特定条
件で含有する液を塗布する方法(特開平3−21568
1号公報)、エチレン系不飽和カルボン酸成分、水酸基
含有モノマー成分、その他のエチレン系不飽和化合物成
分からなる水性エマルジョンと水溶性クロム化合物と無
機化合物の水系コロイド及び両性金属と反応して難水溶
性塩を形成する無機物とを混合してなる金属表面処理用
組成物(特開平5−230666号公報)等を挙げるこ
とができる。これらの樹脂クロメート処理物は平面部の
耐食性はほぼ満足できるものである。
が、有機樹脂を添加した塗布型クロメート処理、いわゆ
る樹脂クロメート処理が最近開発されている。例えば特
定したクロム、アモルファスシリカ、リン酸化合物、ポ
リアクリル酸で構成し、かつ、皮膜最表層のC/Si比
を特定する処理法(特開平2−163385号公報)、
クロメート液中にメチルメタクリレート等の共重合体の
アクリル系エマルジョンを特定条件で添加して処理する
方法(特開平2−179883号公報)、クロム酸、ク
ロム酸還元生成物、アクリルエマルジョン、シリカゾル
を特定条件で含有する液を塗布する方法(特開平3−2
15683号公報)、クロム酸、クロム酸還元生成物、
アクリルエマルジョン、湿式タイプシリカゾルを特定条
件で含有する液を塗布する方法(特開平3−21568
1号公報)、エチレン系不飽和カルボン酸成分、水酸基
含有モノマー成分、その他のエチレン系不飽和化合物成
分からなる水性エマルジョンと水溶性クロム化合物と無
機化合物の水系コロイド及び両性金属と反応して難水溶
性塩を形成する無機物とを混合してなる金属表面処理用
組成物(特開平5−230666号公報)等を挙げるこ
とができる。これらの樹脂クロメート処理物は平面部の
耐食性はほぼ満足できるものである。
【0006】
【発明の解決しようとする課題】そして、上記従来の樹
脂クロメート組成物及び表面処理金属板の中でも、特開
平5−230666号公報に記載されている水性エマル
ジョンによる樹脂クロメート処理金属板は平面部の耐食
性だけでなく、建浴後の長期の液安定性及び塗膜面の上
塗り塗料との2次密着性においても優れている。しか
し、塗膜形成後に凹凸加工が施された部分の耐食性には
依然問題があった。
脂クロメート組成物及び表面処理金属板の中でも、特開
平5−230666号公報に記載されている水性エマル
ジョンによる樹脂クロメート処理金属板は平面部の耐食
性だけでなく、建浴後の長期の液安定性及び塗膜面の上
塗り塗料との2次密着性においても優れている。しか
し、塗膜形成後に凹凸加工が施された部分の耐食性には
依然問題があった。
【0007】一方、加工部耐食性に問題の多かった他の
樹脂クロメート処理金属板と比較して、ポリエステル系
の樹脂クロメート処理金属板は、加工時にめっき層に亀
裂が発生する溶融亜鉛めっき鋼板等の母材を用いても良
好な耐食性を有する。しかし、ポリエステル樹脂の水溶
液又は水分散体、水溶性クロム化合物及び鉱酸を混合し
た樹脂クロメート処理組成物は長期間の保存が利かない
といった問題があり、さらには上塗りにアルキッド塗料
を用いて2次密着性試験を行うと塗膜が一部、剥離する
といった問題も生じてくる。
樹脂クロメート処理金属板と比較して、ポリエステル系
の樹脂クロメート処理金属板は、加工時にめっき層に亀
裂が発生する溶融亜鉛めっき鋼板等の母材を用いても良
好な耐食性を有する。しかし、ポリエステル樹脂の水溶
液又は水分散体、水溶性クロム化合物及び鉱酸を混合し
た樹脂クロメート処理組成物は長期間の保存が利かない
といった問題があり、さらには上塗りにアルキッド塗料
を用いて2次密着性試験を行うと塗膜が一部、剥離する
といった問題も生じてくる。
【0008】さらに、本発明者らは特願平8−1077
87号出願において全ジカルボン酸中芳香族ジカルボン
酸が30%以上のポリエステル樹脂の水溶液又は水分散
体、水溶性クロム化合物、無機化合物の水系コロイド及
び両性金属と反応して難水溶性塩を形成する無機物を混
合した金属表面処理用組成物を提案しているが、この組
成物から得られたポリエステル樹脂クロメート皮膜は平
面及び加工部の耐食性、耐クロム溶出性は良好であるが
建浴後の長期安定性にやや問題があり、また、上塗り塗
料との2次密着性にも問題が残っている。本発明は、こ
れらの問題点を解決したものである。
87号出願において全ジカルボン酸中芳香族ジカルボン
酸が30%以上のポリエステル樹脂の水溶液又は水分散
体、水溶性クロム化合物、無機化合物の水系コロイド及
び両性金属と反応して難水溶性塩を形成する無機物を混
合した金属表面処理用組成物を提案しているが、この組
成物から得られたポリエステル樹脂クロメート皮膜は平
面及び加工部の耐食性、耐クロム溶出性は良好であるが
建浴後の長期安定性にやや問題があり、また、上塗り塗
料との2次密着性にも問題が残っている。本発明は、こ
れらの問題点を解決したものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の樹脂クロメート組成物は、(a)全酸成分
中の芳香族ジカルボン酸成分を30モル%以上、かつ、
ポリエステル樹脂中のスルホン酸金属塩成分をイオウ量
として0.1〜8重量%含有するポリエステル樹脂の水
溶液又は水分散体、(b)エチレン系不飽和化合物から
なる水性樹脂、(c)水溶性クロム化合物及び(d)鉱
酸を主成分とすることを特徴とする。
め、本発明の樹脂クロメート組成物は、(a)全酸成分
中の芳香族ジカルボン酸成分を30モル%以上、かつ、
ポリエステル樹脂中のスルホン酸金属塩成分をイオウ量
として0.1〜8重量%含有するポリエステル樹脂の水
溶液又は水分散体、(b)エチレン系不飽和化合物から
なる水性樹脂、(c)水溶性クロム化合物及び(d)鉱
酸を主成分とすることを特徴とする。
【0010】上記の構成からなる本発明の樹脂クロメー
ト組成物は、液を長期間安定して保存することができる
ばかりでなく、各種金属めっき鋼板又は鋼板に塗布する
ことにより、従来、技術的に両立が困難であるとされて
きた加工部の裸耐食性と耐クロム溶出性がともに極めて
優れ、かつ、耐指紋性、外観品位、上塗り塗料との2次
密着性にも優れた樹脂クロメート表面処理金属板を得る
ことができる。
ト組成物は、液を長期間安定して保存することができる
ばかりでなく、各種金属めっき鋼板又は鋼板に塗布する
ことにより、従来、技術的に両立が困難であるとされて
きた加工部の裸耐食性と耐クロム溶出性がともに極めて
優れ、かつ、耐指紋性、外観品位、上塗り塗料との2次
密着性にも優れた樹脂クロメート表面処理金属板を得る
ことができる。
【0011】また、本発明の樹脂クロメート組成物とし
て、樹脂クロメート組成物中に(e)コロイダルシリカ
を含有することができる。
て、樹脂クロメート組成物中に(e)コロイダルシリカ
を含有することができる。
【0012】上記の構成からなる樹脂クロメート組成物
は、表面処理金属板としたとき耐食性が一段と向上した
ものである。
は、表面処理金属板としたとき耐食性が一段と向上した
ものである。
【0013】また、本発明の樹脂クロメート組成物の好
ましい実施態様として、(a)全酸成分中の芳香族ジカ
ルボン酸成分を30モル%以上、かつ、ポリエステル樹
脂中のスルホン酸金属塩成分をイオウ量として0.1〜
8重量%含有するポリエステル樹脂の水溶液又は水分散
体と(b)エチレン系不飽和化合物からなる水性樹脂と
の配合比率が、固形分重量比で(a):(b)=3:1
〜1:3であることができる。
ましい実施態様として、(a)全酸成分中の芳香族ジカ
ルボン酸成分を30モル%以上、かつ、ポリエステル樹
脂中のスルホン酸金属塩成分をイオウ量として0.1〜
8重量%含有するポリエステル樹脂の水溶液又は水分散
体と(b)エチレン系不飽和化合物からなる水性樹脂と
の配合比率が、固形分重量比で(a):(b)=3:1
〜1:3であることができる。
【0014】また、本発明の樹脂クロメート組成物の好
ましい実施態様として、(b)エチレン系不飽和化合物
からなる水性樹脂のエチレン系不飽和化合物が、カルボ
キシル基含有エチレン系不飽和化合物0.1〜10重量
%、水酸基含有エチレン系不飽和化合物1〜30重量
%、その他のエチレン系不飽和化合物60〜98.9重
量%からなることができる。
ましい実施態様として、(b)エチレン系不飽和化合物
からなる水性樹脂のエチレン系不飽和化合物が、カルボ
キシル基含有エチレン系不飽和化合物0.1〜10重量
%、水酸基含有エチレン系不飽和化合物1〜30重量
%、その他のエチレン系不飽和化合物60〜98.9重
量%からなることができる。
【0015】さらにまた、本発明の表面処理金属板は、
鋼板又はめっき鋼板の表面に、請求項1、2、3、又は
4記載の樹脂クロメート組成物から形成された金属クロ
ム換算で5〜300mg/m2のクロムを含有する皮膜
を有するものであることを特徴とする。
鋼板又はめっき鋼板の表面に、請求項1、2、3、又は
4記載の樹脂クロメート組成物から形成された金属クロ
ム換算で5〜300mg/m2のクロムを含有する皮膜
を有するものであることを特徴とする。
【0016】かかる、本発明の表面処理金属板は、従
来、技術的に両立が困難であるとされてきた加工部の耐
食性と耐クロム溶出性をともに有するばかりでなく、耐
指紋性、外観品位、上塗り塗料との2次密着性にも優れ
た特性を有する。
来、技術的に両立が困難であるとされてきた加工部の耐
食性と耐クロム溶出性をともに有するばかりでなく、耐
指紋性、外観品位、上塗り塗料との2次密着性にも優れ
た特性を有する。
【0017】また、本発明の表面処理金属板の好ましい
実施態様として、めっき鋼板が亜鉛若しくは亜鉛合金め
っき鋼板、アルミニウム若しくはアルミニウム合金めっ
き鋼板、鉛若しくは鉛合金めっき鋼板又は錫若しくは錫
合金めっき鋼板であることができる。
実施態様として、めっき鋼板が亜鉛若しくは亜鉛合金め
っき鋼板、アルミニウム若しくはアルミニウム合金めっ
き鋼板、鉛若しくは鉛合金めっき鋼板又は錫若しくは錫
合金めっき鋼板であることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0019】本発明で用いる(a)ポリエステル樹脂
は、酸性分として芳香族ジカルボン酸(スルホン酸金属
塩基等の親水基含有芳香族ジカルボン酸を含む)を全酸
成分の30モル%以上、好ましくは40モル%以上含有
することが必要である。芳香族ジカルボン酸が30モル
%未満では耐クロム溶出性、耐指紋性が悪化する。親水
基を含有しない芳香族ジカルボン酸としては、例えばテ
レフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、1,5−
ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、2,2’−
ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテ
ルジカルボン酸等が挙げられる。このうち、特に、テレ
フタル酸、イソフタル酸が好ましく、これらの酸成分と
例えばエチレングリコールから得られる繰り返し単位は
鉱酸やクロム酸が存在しても安定である。
は、酸性分として芳香族ジカルボン酸(スルホン酸金属
塩基等の親水基含有芳香族ジカルボン酸を含む)を全酸
成分の30モル%以上、好ましくは40モル%以上含有
することが必要である。芳香族ジカルボン酸が30モル
%未満では耐クロム溶出性、耐指紋性が悪化する。親水
基を含有しない芳香族ジカルボン酸としては、例えばテ
レフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、1,5−
ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、2,2’−
ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテ
ルジカルボン酸等が挙げられる。このうち、特に、テレ
フタル酸、イソフタル酸が好ましく、これらの酸成分と
例えばエチレングリコールから得られる繰り返し単位は
鉱酸やクロム酸が存在しても安定である。
【0020】また、その他のジカルボン酸としては脂肪
族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸を共重合してもか
まわない。脂肪族ジカルボン酸としては、コハク酸、グ
ルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジオン
酸、アゼライン酸、ダイマー酸などが挙げられ、脂環族
ジカルボン酸としては、l,2−シクロヘキサンジカル
ボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4
−シクロヘキサンジカルボン酸、4−メチルヘキサヒド
ロ無水フタル酸、3−メチルヘキサヒドロ無水フタル
酸、2−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ジカルボキ
シ水素添加ビスフェノールA、ジカルボキシ水素添加ビ
スフェノールS、水素添加ダイマー酸、水素添加ナフタ
レンジカルボン酸などが挙げられる。このうち特に脂環
族ジカルボン酸では1,4−シクロヘキサンジカルボン
酸、脂肪族ジカルボン酸ではセバシン酸、アセライン酸
が特に好ましい。
族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸を共重合してもか
まわない。脂肪族ジカルボン酸としては、コハク酸、グ
ルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジオン
酸、アゼライン酸、ダイマー酸などが挙げられ、脂環族
ジカルボン酸としては、l,2−シクロヘキサンジカル
ボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4
−シクロヘキサンジカルボン酸、4−メチルヘキサヒド
ロ無水フタル酸、3−メチルヘキサヒドロ無水フタル
酸、2−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ジカルボキ
シ水素添加ビスフェノールA、ジカルボキシ水素添加ビ
スフェノールS、水素添加ダイマー酸、水素添加ナフタ
レンジカルボン酸などが挙げられる。このうち特に脂環
族ジカルボン酸では1,4−シクロヘキサンジカルボン
酸、脂肪族ジカルボン酸ではセバシン酸、アセライン酸
が特に好ましい。
【0021】上記(a)ポリエステル樹脂中のスルホン
酸金属塩成分の含有量はイオウ量として0.1〜8重量
%の範囲である。0.1重量%未満では親水性が不充分
でありポリエステル樹脂の良好な水溶解性又は水分散性
が得られず、8重量%を超えるとクロメート皮膜の親水
性が強くなりすぎ好ましくない。また、スルホン酸金属
塩成分の少ない領域ではポリアルキレングリコールを併
用することがさらに好ましい。ポリアルキレングリコー
ルとしてはポリエチレングリコール、ポリプロピレング
リコール、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられ
るが、ポリエステル樹脂の水分散性、表面処理金属板の
加工部の耐食性の面からポリエチレングリコールを用い
るのが最も好ましい。ポリアルキレングリコールの好ま
しい分子量は500〜20,000である。ポリアルキ
レングリコールと他のグリコールとを併用するときはラ
ンダム共重合でもブロック共重合でも良い。
酸金属塩成分の含有量はイオウ量として0.1〜8重量
%の範囲である。0.1重量%未満では親水性が不充分
でありポリエステル樹脂の良好な水溶解性又は水分散性
が得られず、8重量%を超えるとクロメート皮膜の親水
性が強くなりすぎ好ましくない。また、スルホン酸金属
塩成分の少ない領域ではポリアルキレングリコールを併
用することがさらに好ましい。ポリアルキレングリコー
ルとしてはポリエチレングリコール、ポリプロピレング
リコール、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられ
るが、ポリエステル樹脂の水分散性、表面処理金属板の
加工部の耐食性の面からポリエチレングリコールを用い
るのが最も好ましい。ポリアルキレングリコールの好ま
しい分子量は500〜20,000である。ポリアルキ
レングリコールと他のグリコールとを併用するときはラ
ンダム共重合でもブロック共重合でも良い。
【0022】スルホン酸金属塩成分をポリエステル樹脂
中に導入する方法としてはポリエステル樹脂の重合時に
モノマーに結合した化合物を使用する方法、ポリエステ
ル樹脂にスルホン酸金属塩基を有する化合物を反応させ
る方法、ポリエステル樹脂をスルホン化し、塩とする方
法等があるが、ポリエステル樹脂の原料としてスルホン
酸金属塩基を有する化合物を使用することが望ましい。
スルホン酸金属塩基を有するエステル形成性二塩基酸成
分又はグリコール成分としては、5−ナトリウムスルホ
イソフタル酸、5−カリウムスルホイソフタル酸、ナト
リウムスルホテレフタル酸、2−ナトリウムスルホ−
1,4−ブタンジオール、2,5−ジメチル−3−ナト
リウムスルホ−2,5−ヘキサンジオ一ル等のスルホン
酸塩を有するものが挙げられる。スルホン酸塩基はアル
カリ金属塩が望ましいが、4級窒素や4級リンの塩であ
ってもよい。
中に導入する方法としてはポリエステル樹脂の重合時に
モノマーに結合した化合物を使用する方法、ポリエステ
ル樹脂にスルホン酸金属塩基を有する化合物を反応させ
る方法、ポリエステル樹脂をスルホン化し、塩とする方
法等があるが、ポリエステル樹脂の原料としてスルホン
酸金属塩基を有する化合物を使用することが望ましい。
スルホン酸金属塩基を有するエステル形成性二塩基酸成
分又はグリコール成分としては、5−ナトリウムスルホ
イソフタル酸、5−カリウムスルホイソフタル酸、ナト
リウムスルホテレフタル酸、2−ナトリウムスルホ−
1,4−ブタンジオール、2,5−ジメチル−3−ナト
リウムスルホ−2,5−ヘキサンジオ一ル等のスルホン
酸塩を有するものが挙げられる。スルホン酸塩基はアル
カリ金属塩が望ましいが、4級窒素や4級リンの塩であ
ってもよい。
【0023】本発明で用いる(a)ポリエステル樹脂の
グリコール成分としてはエチレングリコール、ジエチレ
ングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグ
リコール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−
1,3−プロパンジオール、1,4ーブタンジオール、
2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオ一ル、
1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペン
タンジオ一ル、1,6−ヘキサンジオ一ル、ネオペンチ
ルグリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレン
グリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタ
ンジオール、ポリテトラメチレングリコール、シクロヘ
キサンジメタノール、ジメチロールトリシクロデカン、
ビスフェノールA又はビスフェノールFのエチレンオキ
サイド付加物又はプロピレンオキサイド付加物、水素化
ビスフェノールA又はFのエチレンオキサイド付加物及
びプロピレンオキサイド付加物などが挙げられる。
グリコール成分としてはエチレングリコール、ジエチレ
ングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグ
リコール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−
1,3−プロパンジオール、1,4ーブタンジオール、
2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオ一ル、
1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペン
タンジオ一ル、1,6−ヘキサンジオ一ル、ネオペンチ
ルグリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレン
グリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタ
ンジオール、ポリテトラメチレングリコール、シクロヘ
キサンジメタノール、ジメチロールトリシクロデカン、
ビスフェノールA又はビスフェノールFのエチレンオキ
サイド付加物又はプロピレンオキサイド付加物、水素化
ビスフェノールA又はFのエチレンオキサイド付加物及
びプロピレンオキサイド付加物などが挙げられる。
【0024】このうち、エチレングリコール、ネオペン
チルグリコール、1,3−プロパンジオール、2−メチ
ル−1,3−プロパンジオール、ジエチレングリコー
ル、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−
ペンタンジオール、1,6−へキサンジオール、シクロ
ヘキサンジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオ
キサイド又はプロピレンオキサイド付加物が加工部耐食
性の面から特に好ましい。
チルグリコール、1,3−プロパンジオール、2−メチ
ル−1,3−プロパンジオール、ジエチレングリコー
ル、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−
ペンタンジオール、1,6−へキサンジオール、シクロ
ヘキサンジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオ
キサイド又はプロピレンオキサイド付加物が加工部耐食
性の面から特に好ましい。
【0025】また、本発明の目的を損なわない範囲で、
無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸などの多価カ
ルボン酸、トリメチロールエタン、トリメチロールプロ
パン、グリセリン、ペンタエリスリトールなどの多価ポ
リオールを併用することができる。
無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸などの多価カ
ルボン酸、トリメチロールエタン、トリメチロールプロ
パン、グリセリン、ペンタエリスリトールなどの多価ポ
リオールを併用することができる。
【0026】また、本発明で用いる(a)ポリエステル
樹脂において、ポリエステル樹脂を重合した後に無水ト
リメリット酸、無水フタル酸、無水ピロメリット酸、無
水コハク酸、無水1,8−ナフタル酸、無水1,2−シ
クロヘキサンジカルボン酸などを後付加して酸価を付与
する事もできる。
樹脂において、ポリエステル樹脂を重合した後に無水ト
リメリット酸、無水フタル酸、無水ピロメリット酸、無
水コハク酸、無水1,8−ナフタル酸、無水1,2−シ
クロヘキサンジカルボン酸などを後付加して酸価を付与
する事もできる。
【0027】本発明で用いる(a)ポリエステル樹脂の
数平均分子量は通常500〜50,000の範囲が好ま
しく、さらに好ましくは1,000〜20,000の範
囲である。数平均分子量が500未満では樹脂の凝集力
が弱くなり、樹脂の物性、耐クロム溶出性が低くなる傾
向がある。また、数平均分子量が50,000を超える
と親水性の付与が困難となり水溶解性又は水分散性が低
くなる傾向がある。
数平均分子量は通常500〜50,000の範囲が好ま
しく、さらに好ましくは1,000〜20,000の範
囲である。数平均分子量が500未満では樹脂の凝集力
が弱くなり、樹脂の物性、耐クロム溶出性が低くなる傾
向がある。また、数平均分子量が50,000を超える
と親水性の付与が困難となり水溶解性又は水分散性が低
くなる傾向がある。
【0028】本発明で用いる(a)ポリエステル樹脂は
スルホン酸塩基、硫酸エステル塩、カルボン酸塩等のア
ニオン性親水基、4級窒素、4級リン等のカチオン性親
水基、スルホベタイン等の両性イオン性親水基、ポリア
ルキレングリコール等のノニオン系親水基等の親水基を
分子中に含有すること、また、各種界面活性剤をポリエ
ステル樹脂に対し0.01〜30重量%併用することに
よって水溶化、水分散化することができる。具体的には
特開昭56−88454号公報、特開昭57−4052
5号公報、特開昭57−70177号公報、特開昭57
−212250号公報等に記載された方法が適用でき
る。
スルホン酸塩基、硫酸エステル塩、カルボン酸塩等のア
ニオン性親水基、4級窒素、4級リン等のカチオン性親
水基、スルホベタイン等の両性イオン性親水基、ポリア
ルキレングリコール等のノニオン系親水基等の親水基を
分子中に含有すること、また、各種界面活性剤をポリエ
ステル樹脂に対し0.01〜30重量%併用することに
よって水溶化、水分散化することができる。具体的には
特開昭56−88454号公報、特開昭57−4052
5号公報、特開昭57−70177号公報、特開昭57
−212250号公報等に記載された方法が適用でき
る。
【0029】本発明で用いる(b)エチレン系不飽和化
合物からなる水性樹脂としては、好ましくは(メタ)ア
クリル酸アルキルエステルを主体とする重合体であり、
後述する、その他のエチレン系不飽和化合物が60〜9
8.9重量%共重合したものが好ましい。また、そのガ
ラス転移点が−15〜30℃であることが好ましく、さ
らに好ましくは−10〜15℃である。ガラス転移点が
−15℃以下では耐指紋性、耐磨耗性が低下し、30℃
以上では皮膜形成性が不充分になることから耐指紋性や
金属表面との密着性が低下する傾向にある。
合物からなる水性樹脂としては、好ましくは(メタ)ア
クリル酸アルキルエステルを主体とする重合体であり、
後述する、その他のエチレン系不飽和化合物が60〜9
8.9重量%共重合したものが好ましい。また、そのガ
ラス転移点が−15〜30℃であることが好ましく、さ
らに好ましくは−10〜15℃である。ガラス転移点が
−15℃以下では耐指紋性、耐磨耗性が低下し、30℃
以上では皮膜形成性が不充分になることから耐指紋性や
金属表面との密着性が低下する傾向にある。
【0030】本発明で用いる(b)エチレン系不飽和化
合物からなる水性樹脂の典型的なものは(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステルを主体とする重合体であるが、カ
ルボキシル基含有エチレン系不飽和化合物がエチレン系
不飽和化合物の総重量を基準とした共重合割合として
0.1〜10重量%の範囲内であることが好ましく、2
〜7重量%共重合することがさらに好ましい。0.1重
量%未満の場合には上塗り塗料との密着性が必ずしも十
分ではなく、また、10重量%を超えると樹脂クロメー
ト皮膜にする際の成膜性が低下する。上記カルボキシル
基含有エチレン系不飽和化合物としては、例えばアクリ
ル酸、メタアクリル酸、クロトン酸等のエチレン系不飽
和モノカルボン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール
酸等のエチレン系不飽和ジカルボン酸と、それらのカル
ボン酸アルカリ金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩
等が使用できるが、好ましくはアクリル酸、メタアクリ
ル酸である。
合物からなる水性樹脂の典型的なものは(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステルを主体とする重合体であるが、カ
ルボキシル基含有エチレン系不飽和化合物がエチレン系
不飽和化合物の総重量を基準とした共重合割合として
0.1〜10重量%の範囲内であることが好ましく、2
〜7重量%共重合することがさらに好ましい。0.1重
量%未満の場合には上塗り塗料との密着性が必ずしも十
分ではなく、また、10重量%を超えると樹脂クロメー
ト皮膜にする際の成膜性が低下する。上記カルボキシル
基含有エチレン系不飽和化合物としては、例えばアクリ
ル酸、メタアクリル酸、クロトン酸等のエチレン系不飽
和モノカルボン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール
酸等のエチレン系不飽和ジカルボン酸と、それらのカル
ボン酸アルカリ金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩
等が使用できるが、好ましくはアクリル酸、メタアクリ
ル酸である。
【0031】また、エチレン系不飽和化合物のうち、水
酸基含有エチレン系不飽和化合物は1〜30重量%の範
囲内であることが好ましく、3〜20重量%を共重合す
ることがさらに好ましい。1重量%未満の場合には水溶
性クロム化合物、カルボン酸基、水酸基との反応性が必
ずしも十分ではなく、クロム溶出性が低下する傾向にあ
る。また、30重量%を超えると建浴直後にゲル化が生
じ、安定性に問題が生じる。上記水酸基含有エチレン系
不飽和化合物としては(メタ)アクリル酸−2−ヒドロ
キシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、
(メタ)アクリル酸−3−ヒドロキシブチル、アクリル
酸−2,2−ビス(ヒドロキシメチル)エチル、(メ
タ)アクリル酸−2,3−ジヒドロキシプロピル、(メ
タ)アクリル酸−3−クロル−2−ヒドロキシプロピル
等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシエステル類、アリル
アルコール類、及びN−メチロールアクリルアミド、N
−ブトキシメチロール(メタ)アクリルアミド等のアル
コールアミド類の還元性水酸基を含有するモノマー、及
び酸性液中で水酸基と同様な反応性を期待できるグリシ
ジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテ
ル、β−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,
4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレー
ト等のグリシジル基を有するモノマー、アクロレイン等
のアルデヒド基を有するモノマー等が使用できるが、特
に好ましくはアクリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタ
アクリル酸−2−ヒドロキシエチルである。
酸基含有エチレン系不飽和化合物は1〜30重量%の範
囲内であることが好ましく、3〜20重量%を共重合す
ることがさらに好ましい。1重量%未満の場合には水溶
性クロム化合物、カルボン酸基、水酸基との反応性が必
ずしも十分ではなく、クロム溶出性が低下する傾向にあ
る。また、30重量%を超えると建浴直後にゲル化が生
じ、安定性に問題が生じる。上記水酸基含有エチレン系
不飽和化合物としては(メタ)アクリル酸−2−ヒドロ
キシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、
(メタ)アクリル酸−3−ヒドロキシブチル、アクリル
酸−2,2−ビス(ヒドロキシメチル)エチル、(メ
タ)アクリル酸−2,3−ジヒドロキシプロピル、(メ
タ)アクリル酸−3−クロル−2−ヒドロキシプロピル
等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシエステル類、アリル
アルコール類、及びN−メチロールアクリルアミド、N
−ブトキシメチロール(メタ)アクリルアミド等のアル
コールアミド類の還元性水酸基を含有するモノマー、及
び酸性液中で水酸基と同様な反応性を期待できるグリシ
ジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテ
ル、β−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,
4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレー
ト等のグリシジル基を有するモノマー、アクロレイン等
のアルデヒド基を有するモノマー等が使用できるが、特
に好ましくはアクリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタ
アクリル酸−2−ヒドロキシエチルである。
【0032】なお、本明細書において、「(メタ)アク
リル酸〜」との記載は、「メタアクリル酸〜又はアクリ
ル酸〜」であることをを表している。
リル酸〜」との記載は、「メタアクリル酸〜又はアクリ
ル酸〜」であることをを表している。
【0033】さらに、エチレン系不飽和化合物のうち、
その他のエチレン系不飽和化合物は60〜98.9重量
%であるのが好ましい。具体的な化合物としては、(メ
タ)アクリル酸アルキルエステル及びその他のビニル化
合物等が挙けられる。(メタ)アクリル酸アルキルエス
テルとしては、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メ
タ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、
(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−
エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メ
タ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリ
ル、(メタ)アクリル酸セチル、(メ夕)アクリル酸ド
デシル、(メタ)アクリル酸フェニル等が挙げられる。
またその他のビニル化合物としては、スチレン、α−メ
チルスチレン、ジメチルアミノスチレン、(メタ)アク
リルアミド、ビニルトルエン、クロロスチレン、あるい
はメタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム
クロライド、2−ヒドロキシ−3−メタクリルオキシプ
ロピルトリメチルアンモニウムクロライドのような(メ
タ)アクリル酸から誘導されるような第四級アンモニウ
ム塩、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエステルのよ
うな第三級アミノ基を有するアクリル酸エステル、及び
それらの第四級アンモニウム塩、(メタ)アクリルアミ
ド、ジメチルアクリルアミド、アクリロイルモルフォリ
ン等のアミノ基を有するモノマー、(メタ)アクリル酸
とジアミンから得られるアミドアミンから誘導される第
四級アンモニウム塩、(メタ)アクリル酸トリエチレン
グリコールエステル、(メタ)アクリル酸ジプロピレン
グリコールエステルのような(メタ)アクリル酸のポリ
エチレングリコールやポリプロピレングリコールのエス
テル、スチレンスルホン酸やスルホプロピル(メタ)ア
クリル酸エステル、スルホプロピル(メタ)イタコン酸
エステルのようなスルホン酸基を有するモノマー、(メ
タ)アクリル酸モノグリセライドのような(メタ)アク
リル酸の多価アルコールエステル、モノ(2−ヒドロキ
シエチルアクリレート)アシッドフォスフェートのよう
な(メタ)アクリル酸のリン酸塩、N−(3−スルホプ
ロピル)−N−メタクロイルアミドプロピル−N,N−
ジメチルアンモニウムベタイン、1−(3−スルホプロ
ピル)−2−ビニルピリジニウムベタインのようなベタ
イン型の不飽和化合物、ビニルピリジン、及びその他の
塩、ビニルピロリドン、ブタジエン、ペンタジエンなど
の共役ジエンモノマー、塩化ビニル等のハロゲン化ビニ
ル、塩化ビニリデンなどのハロゲン化ビニリデン、酢酸
ビニル等のビニルエステル、アクニロニトリルなどが挙
げられる。
その他のエチレン系不飽和化合物は60〜98.9重量
%であるのが好ましい。具体的な化合物としては、(メ
タ)アクリル酸アルキルエステル及びその他のビニル化
合物等が挙けられる。(メタ)アクリル酸アルキルエス
テルとしては、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メ
タ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、
(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−
エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メ
タ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリ
ル、(メタ)アクリル酸セチル、(メ夕)アクリル酸ド
デシル、(メタ)アクリル酸フェニル等が挙げられる。
またその他のビニル化合物としては、スチレン、α−メ
チルスチレン、ジメチルアミノスチレン、(メタ)アク
リルアミド、ビニルトルエン、クロロスチレン、あるい
はメタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム
クロライド、2−ヒドロキシ−3−メタクリルオキシプ
ロピルトリメチルアンモニウムクロライドのような(メ
タ)アクリル酸から誘導されるような第四級アンモニウ
ム塩、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエステルのよ
うな第三級アミノ基を有するアクリル酸エステル、及び
それらの第四級アンモニウム塩、(メタ)アクリルアミ
ド、ジメチルアクリルアミド、アクリロイルモルフォリ
ン等のアミノ基を有するモノマー、(メタ)アクリル酸
とジアミンから得られるアミドアミンから誘導される第
四級アンモニウム塩、(メタ)アクリル酸トリエチレン
グリコールエステル、(メタ)アクリル酸ジプロピレン
グリコールエステルのような(メタ)アクリル酸のポリ
エチレングリコールやポリプロピレングリコールのエス
テル、スチレンスルホン酸やスルホプロピル(メタ)ア
クリル酸エステル、スルホプロピル(メタ)イタコン酸
エステルのようなスルホン酸基を有するモノマー、(メ
タ)アクリル酸モノグリセライドのような(メタ)アク
リル酸の多価アルコールエステル、モノ(2−ヒドロキ
シエチルアクリレート)アシッドフォスフェートのよう
な(メタ)アクリル酸のリン酸塩、N−(3−スルホプ
ロピル)−N−メタクロイルアミドプロピル−N,N−
ジメチルアンモニウムベタイン、1−(3−スルホプロ
ピル)−2−ビニルピリジニウムベタインのようなベタ
イン型の不飽和化合物、ビニルピリジン、及びその他の
塩、ビニルピロリドン、ブタジエン、ペンタジエンなど
の共役ジエンモノマー、塩化ビニル等のハロゲン化ビニ
ル、塩化ビニリデンなどのハロゲン化ビニリデン、酢酸
ビニル等のビニルエステル、アクニロニトリルなどが挙
げられる。
【0034】エチレン系不飽和化合物からなる水性樹脂
の製造方法としては、特に限定しないが、水性媒体中で
の乳化重合による合成が望ましい。但し、通常の乳化重
合においては使用する低分子量界面活性剤や水溶性保護
コロイド等の存在下で合成するのが一般的であるが、低
分子量界面活性剤を使用した場合、本発明において必須
の構成条件である水溶性クロム化合物との混和安定性が
悪く、安定な樹脂クロメート組成物が得られない等の問
題が生じる。また、水溶性保護コロイドを用いた場合、
前述したカルボン酸、水酸基含有エマルジョンと水溶性
クロム化合物との反応性が得られず、クロムの保持能力
に問題が生じる。
の製造方法としては、特に限定しないが、水性媒体中で
の乳化重合による合成が望ましい。但し、通常の乳化重
合においては使用する低分子量界面活性剤や水溶性保護
コロイド等の存在下で合成するのが一般的であるが、低
分子量界面活性剤を使用した場合、本発明において必須
の構成条件である水溶性クロム化合物との混和安定性が
悪く、安定な樹脂クロメート組成物が得られない等の問
題が生じる。また、水溶性保護コロイドを用いた場合、
前述したカルボン酸、水酸基含有エマルジョンと水溶性
クロム化合物との反応性が得られず、クロムの保持能力
に問題が生じる。
【0035】そこで、本発明で用いるエチレン系不飽和
化合物からなる水性樹脂の合成においては重合開始剤と
して、通常の水溶性フリーラジカル触媒(例えば過硫酸
アンモニウム、過硫酸カリウム等の酸化剤やアゾビス系
触媒)が使用できるが、上記酸化剤に還元剤(例えば酸
性亜硫酸ソーダ、亜硫酸ソーダ)をそれぞれ用いたレド
ックス系触媒が望ましい。この触媒の使用量はモノマー
総重量に対して0.2〜3.0重量%であり、好ましく
は0.3〜1.5重量%である。合成方法としては各種
モノマーを組み合わせ、攪拌条件下で上記開始剤をと同
時に水中に滴下する。この時、各種モノマー予め全部を
混和しておくことが望ましいが、必要に応じて、滴下す
るモノマー組成を時間的に変化させる連続多段重合や断
続多段重合の方法を用いたり、性質の異なるモノマーを
別々に滴下する重合方法を用いても差し支えない。
化合物からなる水性樹脂の合成においては重合開始剤と
して、通常の水溶性フリーラジカル触媒(例えば過硫酸
アンモニウム、過硫酸カリウム等の酸化剤やアゾビス系
触媒)が使用できるが、上記酸化剤に還元剤(例えば酸
性亜硫酸ソーダ、亜硫酸ソーダ)をそれぞれ用いたレド
ックス系触媒が望ましい。この触媒の使用量はモノマー
総重量に対して0.2〜3.0重量%であり、好ましく
は0.3〜1.5重量%である。合成方法としては各種
モノマーを組み合わせ、攪拌条件下で上記開始剤をと同
時に水中に滴下する。この時、各種モノマー予め全部を
混和しておくことが望ましいが、必要に応じて、滴下す
るモノマー組成を時間的に変化させる連続多段重合や断
続多段重合の方法を用いたり、性質の異なるモノマーを
別々に滴下する重合方法を用いても差し支えない。
【0036】前述した(a)ポリエステル樹脂水溶液又
は水分散体と(b)エチレン系不飽和化合物からなる水
性樹脂との配合比率は固形分重量比で75:25〜2
5:75の範囲が好ましく、さらに好ましくは65:3
5〜40:60である。ポリエステル樹脂の配合比率が
全体の75%を超えると長期の保存安定性あるいは2次
密着性に問題が生じる。また、ポリエステルが全体の2
5%を下回ると、表面処理金属板の加工部耐食性が得ら
れない。
は水分散体と(b)エチレン系不飽和化合物からなる水
性樹脂との配合比率は固形分重量比で75:25〜2
5:75の範囲が好ましく、さらに好ましくは65:3
5〜40:60である。ポリエステル樹脂の配合比率が
全体の75%を超えると長期の保存安定性あるいは2次
密着性に問題が生じる。また、ポリエステルが全体の2
5%を下回ると、表面処理金属板の加工部耐食性が得ら
れない。
【0037】本発明で使用する(c)水溶性クロム化合
物としては、無水クロム酸及びこれを部分還元した還元
クロム酸、(重)クロム酸カリウム、(重)クロム酸ナ
トリウム、(重)クロム酸アンモニウム等の重クロム酸
塩やクロム酸塩が挙げられ、これらのうちでも、無水ク
ロム酸又は部分還元クロム酸が好ましい。
物としては、無水クロム酸及びこれを部分還元した還元
クロム酸、(重)クロム酸カリウム、(重)クロム酸ナ
トリウム、(重)クロム酸アンモニウム等の重クロム酸
塩やクロム酸塩が挙げられ、これらのうちでも、無水ク
ロム酸又は部分還元クロム酸が好ましい。
【0038】樹脂クロメート組成物中の(c)水溶性ク
ロム化合物と(a)ポリエステル樹脂の水溶液又は水分
散体との量比は適宜選択できるが、通常は水溶性クロム
化合物のCrO3換算での重量とポリエステル樹脂の固
形分との重量比で1:1〜1:10が好ましい。
ロム化合物と(a)ポリエステル樹脂の水溶液又は水分
散体との量比は適宜選択できるが、通常は水溶性クロム
化合物のCrO3換算での重量とポリエステル樹脂の固
形分との重量比で1:1〜1:10が好ましい。
【0039】また、本発明の樹脂クロメート組成物で用
いる(d)鉱酸としては、燐酸、硫酸、塩酸、硝酸、ほ
う酸等が挙げられるが、浴安定性や表面処理金属板の耐
食性の観点からは燐酸が好ましく、用いる燐酸としては
燐酸、ポリ燐酸、次亜燐酸、亜燐酸などのいずれを用い
てもよい。添加量は適宜選択できるが、浴安定性や塗布
性等からH3PO4換算で浴中クロム酸濃度(CrO3換
算)の1.0倍以上添加することが望ましい。
いる(d)鉱酸としては、燐酸、硫酸、塩酸、硝酸、ほ
う酸等が挙げられるが、浴安定性や表面処理金属板の耐
食性の観点からは燐酸が好ましく、用いる燐酸としては
燐酸、ポリ燐酸、次亜燐酸、亜燐酸などのいずれを用い
てもよい。添加量は適宜選択できるが、浴安定性や塗布
性等からH3PO4換算で浴中クロム酸濃度(CrO3換
算)の1.0倍以上添加することが望ましい。
【0040】また、本発明の樹脂クロメート組成物中
に、必要により(e)コロイダルシリカを配合すること
が表面処理金属板の耐食性の面から好ましい。コロイダ
ルシリカとしては粒子状あるいは鎖状の水分散体が好ま
しい。
に、必要により(e)コロイダルシリカを配合すること
が表面処理金属板の耐食性の面から好ましい。コロイダ
ルシリカとしては粒子状あるいは鎖状の水分散体が好ま
しい。
【0041】さらに、本発明においては、上記以外の添
加物としてSiO2、Cr2O3、Fe2O3、Fe3O4、
MgO、ZrO2、SnO2、Al2O3、Sb2O5等のゾ
ル、フッ化物等を必要に応じて存在させることができ
る。
加物としてSiO2、Cr2O3、Fe2O3、Fe3O4、
MgO、ZrO2、SnO2、Al2O3、Sb2O5等のゾ
ル、フッ化物等を必要に応じて存在させることができ
る。
【0042】樹脂クロメート皮膜の金属板上への付着量
は金属クロム換算で5〜300mg/m2の範囲が好ま
しい。5mg/m2未満では表面処理金属板の耐食性が
不十分であり、300mg/m2を超えると溶接性が低
下する傾向がある。
は金属クロム換算で5〜300mg/m2の範囲が好ま
しい。5mg/m2未満では表面処理金属板の耐食性が
不十分であり、300mg/m2を超えると溶接性が低
下する傾向がある。
【0043】金属板への処理方法としてはロールコータ
ーによる塗布、リンガーロールによる塗布、浸漬及びエ
アーナイフ絞りによる塗布、バーコーターによる塗布、
スプレーによる塗布あるいはカーテンフローによる塗布
等が挙げられる。
ーによる塗布、リンガーロールによる塗布、浸漬及びエ
アーナイフ絞りによる塗布、バーコーターによる塗布、
スプレーによる塗布あるいはカーテンフローによる塗布
等が挙げられる。
【0044】次に本発明が適用可能な金属板は冷延鋼
板、Zn、Zn−Ni系、Zn−Ni−Co系、Zn−
Ni−Cr系、Zn−Fe系、Zn−Co系、Zn−C
r系、Zn−Mn系、Zn−Al系、Zn−Mg系等の
亜鉛系の電気めっき、溶融めっき、蒸着めっき鋼板、ア
ルミニウム又はアルミニウム合金めっき鋼板、鉛又は鉛
合金めっき鋼板、錫又は錫合金めっき鋼板、さらにはこ
れらのめっき槽に少量の異種金属元素あるいは不純物と
してコバルト、タングステン、ニッケル、チタン、クロ
ム、カドミウム、マンガン、鉄、マグネシウム、鉛、ア
ンチモン、錫、銅、ヒ素等の金属やシリカ、アルミナ、
チタニア等の無機物を分散させて得ためっき鋼板等が含
まれる。さらには、以上のめっきを2種類以上順次施し
た多層めっき鋼板あるいは以上のめっきと他の種類のめ
っき等を組み合わせた複合めっき鋼板にも適用可能であ
る。また、Al、Pb、Sn、Ni、Cu、Cd、Ti
等の金属あるいはこれらの金属の合金によるめっき鋼板
などにも使用することができる。本発明の樹脂クロメー
ト組成物は特に溶融亜鉛めっき鋼板など加工時にめっき
に亀裂が発生するようなめっき金属板に対する加工部耐
食性が特に優れている。
板、Zn、Zn−Ni系、Zn−Ni−Co系、Zn−
Ni−Cr系、Zn−Fe系、Zn−Co系、Zn−C
r系、Zn−Mn系、Zn−Al系、Zn−Mg系等の
亜鉛系の電気めっき、溶融めっき、蒸着めっき鋼板、ア
ルミニウム又はアルミニウム合金めっき鋼板、鉛又は鉛
合金めっき鋼板、錫又は錫合金めっき鋼板、さらにはこ
れらのめっき槽に少量の異種金属元素あるいは不純物と
してコバルト、タングステン、ニッケル、チタン、クロ
ム、カドミウム、マンガン、鉄、マグネシウム、鉛、ア
ンチモン、錫、銅、ヒ素等の金属やシリカ、アルミナ、
チタニア等の無機物を分散させて得ためっき鋼板等が含
まれる。さらには、以上のめっきを2種類以上順次施し
た多層めっき鋼板あるいは以上のめっきと他の種類のめ
っき等を組み合わせた複合めっき鋼板にも適用可能であ
る。また、Al、Pb、Sn、Ni、Cu、Cd、Ti
等の金属あるいはこれらの金属の合金によるめっき鋼板
などにも使用することができる。本発明の樹脂クロメー
ト組成物は特に溶融亜鉛めっき鋼板など加工時にめっき
に亀裂が発生するようなめっき金属板に対する加工部耐
食性が特に優れている。
【0045】
【実施例】以下実施例により本発明を具体的に例示す
る。実施例中に単に部とあるのは重量部を示す。なお、
本明細書において、評価は次の方法により行った。
る。実施例中に単に部とあるのは重量部を示す。なお、
本明細書において、評価は次の方法により行った。
【0046】1.数平均分子量 ゲルろ過クロマトグラフィー(GPC)を用いてポリス
チレン換算の数平均分子量を測定した。
チレン換算の数平均分子量を測定した。
【0047】2.ガラス転移点 示差走査熱量計(DSC)を用いて、20℃/分の昇温
速度で測定した。サンプルは試料5mgをアルミニウム
押え蓋型容器に入れ、クリンプして用いた。
速度で測定した。サンプルは試料5mgをアルミニウム
押え蓋型容器に入れ、クリンプして用いた。
【0048】3.テストピースの作成 あらかじめアルカリ脱脂した所定の金属めっき金属板上
に、所定の樹脂クロメート水溶液又は塗布型クロメート
処理水溶液を付着量が乾燥後のクロム換算で40〜60
mg/m2になるようにロールで塗布し、所定条件で乾
燥したものをテストピースとした。
に、所定の樹脂クロメート水溶液又は塗布型クロメート
処理水溶液を付着量が乾燥後のクロム換算で40〜60
mg/m2になるようにロールで塗布し、所定条件で乾
燥したものをテストピースとした。
【0049】4.保存安定性 配合した所定の樹脂クロメート水溶液を常温雰囲気下中
でガラス瓶に保存し、沈殿が生じるまでの時間を計測し
た。 ◎:沈殿発生時期 1ケ月以上 ○:沈殿発生時期 3週間〜1ヶ月 △:沈殿発生時期 2週間〜3週間 ×:沈殿発生時期 1週間〜2週間 ××:沈殿発生時期 1週間未満
でガラス瓶に保存し、沈殿が生じるまでの時間を計測し
た。 ◎:沈殿発生時期 1ケ月以上 ○:沈殿発生時期 3週間〜1ヶ月 △:沈殿発生時期 2週間〜3週間 ×:沈殿発生時期 1週間〜2週間 ××:沈殿発生時期 1週間未満
【0050】5.加工部耐食性 3.で作成したテストピースを裏面より7mmエリクセ
ン押し出し加工を行い、その後耐食試験を実施した。エ
リクセン押し出し部の白錆の発生状況で評価した。腐食
試験はJIS−Z−2371規格に準拠した塩水噴霧試
験(塩水濃度5%、槽内温度35℃、噴霧圧力20PS
I)に依った。120時間、240時間及び360時間
後の発錆状況を評価した。 ◎:白錆発生率 1%以下 ○:白錆発生率 1%〜10% △:白錆発生率 10%〜30% ×:自錆発生率 30%〜50% ××:白錆発生率 50%を越える
ン押し出し加工を行い、その後耐食試験を実施した。エ
リクセン押し出し部の白錆の発生状況で評価した。腐食
試験はJIS−Z−2371規格に準拠した塩水噴霧試
験(塩水濃度5%、槽内温度35℃、噴霧圧力20PS
I)に依った。120時間、240時間及び360時間
後の発錆状況を評価した。 ◎:白錆発生率 1%以下 ○:白錆発生率 1%〜10% △:白錆発生率 10%〜30% ×:自錆発生率 30%〜50% ××:白錆発生率 50%を越える
【0051】6.耐クロム溶出性 3.で作成したテストピースを沸騰水に60分浸漬し、
その前後でのクロム付着量の変化率を測定した。なお、
クロムの付着量は液中に溶出した金属クロムを原子吸光
分析し、浸漬前の表面処理皮膜中の金属クロムに対する
重量%により評価した。 ◎:クロム減少率 2.0%以下 ○:クロム減少率 2.0%〜 5.0% △:クロム減少率 5.0%〜10.0% ×:クロム減少率 10.0%〜20.0% ××:クロム減少率 20.0%を越える
その前後でのクロム付着量の変化率を測定した。なお、
クロムの付着量は液中に溶出した金属クロムを原子吸光
分析し、浸漬前の表面処理皮膜中の金属クロムに対する
重量%により評価した。 ◎:クロム減少率 2.0%以下 ○:クロム減少率 2.0%〜 5.0% △:クロム減少率 5.0%〜10.0% ×:クロム減少率 10.0%〜20.0% ××:クロム減少率 20.0%を越える
【0052】7.耐指紋性 3.で作成したテストピースのクロメート層にワセリン
を塗布し、塗布前後での色差(ΔE)で評価した。色差
が小さいほど耐指紋性に優れる。 ◎:色差(ΔE)0.5以下 ○:色差(ΔE)0.5〜1.0 △:色差(ΔE)1.0〜2.0 ×:色差(ΔE)2.0〜3.0 ××:色差(ΔE)3.0を越える
を塗布し、塗布前後での色差(ΔE)で評価した。色差
が小さいほど耐指紋性に優れる。 ◎:色差(ΔE)0.5以下 ○:色差(ΔE)0.5〜1.0 △:色差(ΔE)1.0〜2.0 ×:色差(ΔE)2.0〜3.0 ××:色差(ΔE)3.0を越える
【0053】8.塗料密着性 3.で作成したテストピースにメラミンアルキッド塗料
(関西ペイント(株)製アミラック)を塗布し、所定条
件で焼き付け、密着性評価用テストピースを作成した。
そして碁盤目剥離試験を行い、一次密着性を評価した。
さらに別の密着性評価用テストピースを用意し、1時間
沸水中に浸漬したものを碁盤目剥離試験を行い、二次密
着性を評価した。 ◎:塗膜の保持率 剥離無し ○:塗膜の保持率 90%〜 △:塗膜の保持率 60〜90% ×:塗膜の保持率 60%未満
(関西ペイント(株)製アミラック)を塗布し、所定条
件で焼き付け、密着性評価用テストピースを作成した。
そして碁盤目剥離試験を行い、一次密着性を評価した。
さらに別の密着性評価用テストピースを用意し、1時間
沸水中に浸漬したものを碁盤目剥離試験を行い、二次密
着性を評価した。 ◎:塗膜の保持率 剥離無し ○:塗膜の保持率 90%〜 △:塗膜の保持率 60〜90% ×:塗膜の保持率 60%未満
【0054】(1) ポリエステル樹脂・水分散体の合
成例(A) 攪拌機、コンデンサー、温度計を具備した反応容器にテ
レフタル酸99.6部、5−ナトリウムスルホイソフタ
ル酸101部、エチレングリコール111部、テトラブ
チルチタネート0.102部、酢酸ナトリウム1.4部
を仕込み、160℃〜240℃まで4時間かけてエステ
ル化反応を行った。そしてポリエチレングリコール(分
子量1000)42.8部を仕込み、210℃にて15
分攪拌を行なった。ついで、系内を50分かけて5mm
Hgまで減圧し、さらに、0.3mmHg以下まで減圧
し真空下、260℃で15分重縮合反応を行った。得ら
れたポリエステル樹脂はNMR等の組成分析の結果、酸
成分がモル比でテレフタル酸/5−ナトリウムスルホイ
ソフタル酸=60/40、グリコール成分がエチレング
リコール/ポリエチレングリコール=95/5であっ
た。また、ポリエステル樹脂中の5−ナトリウムスルホ
イソフタル酸のイオウ含有量は4.6重量%で、ポリエ
チレングリコールの含有量は18重量%であった。この
ポリエステル樹脂の還元粘度は0.13デシリットル/
g、数平均分子量2,200、ガラス転移点は約9℃で
あった。
成例(A) 攪拌機、コンデンサー、温度計を具備した反応容器にテ
レフタル酸99.6部、5−ナトリウムスルホイソフタ
ル酸101部、エチレングリコール111部、テトラブ
チルチタネート0.102部、酢酸ナトリウム1.4部
を仕込み、160℃〜240℃まで4時間かけてエステ
ル化反応を行った。そしてポリエチレングリコール(分
子量1000)42.8部を仕込み、210℃にて15
分攪拌を行なった。ついで、系内を50分かけて5mm
Hgまで減圧し、さらに、0.3mmHg以下まで減圧
し真空下、260℃で15分重縮合反応を行った。得ら
れたポリエステル樹脂はNMR等の組成分析の結果、酸
成分がモル比でテレフタル酸/5−ナトリウムスルホイ
ソフタル酸=60/40、グリコール成分がエチレング
リコール/ポリエチレングリコール=95/5であっ
た。また、ポリエステル樹脂中の5−ナトリウムスルホ
イソフタル酸のイオウ含有量は4.6重量%で、ポリエ
チレングリコールの含有量は18重量%であった。この
ポリエステル樹脂の還元粘度は0.13デシリットル/
g、数平均分子量2,200、ガラス転移点は約9℃で
あった。
【0055】得られたポリエステル樹脂(A)50部、
イオン交換水450部を攪拌機、コンデンサー、温度計
を具備したフラスコに仕込み、80℃で3時間攪拌溶解
した。次いで室温まで冷却し、ポリエステル樹脂(A)
の水分散体を得た。この水分散体は溶液粘度が50cp
sの乳白色液体で、保存安定性が良好であった。結果を
表1に示す。
イオン交換水450部を攪拌機、コンデンサー、温度計
を具備したフラスコに仕込み、80℃で3時間攪拌溶解
した。次いで室温まで冷却し、ポリエステル樹脂(A)
の水分散体を得た。この水分散体は溶液粘度が50cp
sの乳白色液体で、保存安定性が良好であった。結果を
表1に示す。
【0056】(2) ポリエステル樹脂・分散体の合成
例(B)〜(F) 合成例(A)と同様にポリエステル樹脂・分散体(B)
〜(F)を合成した。結果を表1に示す。
例(B)〜(F) 合成例(A)と同様にポリエステル樹脂・分散体(B)
〜(F)を合成した。結果を表1に示す。
【0057】(3) アクリル樹脂・エマルジョンの合
成例(G) 脱イオン水400部を反応槽に入れて液温度を60℃に
上昇させ、メチルメタアクリレート20部、スチレン2
0部、ブチルアクリレート47部、メタアクリル酸5
部、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル8部と過硫酸ア
ンモニウム4部を脱イオン水96部に溶解した液と酸性
亜硫酸ソーダ11部を脱イオン水89部に溶解した液と
を同時並行に2時問で終了するように攪拌しながら滴下
した後、引き続き60℃にて3時間攪拌しながら重合反
応を行った。結果を表2に示す。
成例(G) 脱イオン水400部を反応槽に入れて液温度を60℃に
上昇させ、メチルメタアクリレート20部、スチレン2
0部、ブチルアクリレート47部、メタアクリル酸5
部、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル8部と過硫酸ア
ンモニウム4部を脱イオン水96部に溶解した液と酸性
亜硫酸ソーダ11部を脱イオン水89部に溶解した液と
を同時並行に2時問で終了するように攪拌しながら滴下
した後、引き続き60℃にて3時間攪拌しながら重合反
応を行った。結果を表2に示す。
【0058】(4) アクリル樹脂・エマルジョンの合
成例(H)、(I) 合成例(G)と同様にアクリル樹脂・エマルジョン
(H)、(I)を合成した。結果を表1に示す。
成例(H)、(I) 合成例(G)と同様にアクリル樹脂・エマルジョン
(H)、(I)を合成した。結果を表1に示す。
【0059】(実施例1)電気亜鉛めっき鋼板(目付
量:30mg/m2)にポリエステル樹脂(A)の水分
散体65固形部、アクリル樹脂エマルジョン(G)35
固形部、50%還元クロム酸を全クロム酸換算で15
部、リン酸60部を配合した樹脂クロメート処理液を塗
布し、150℃で乾燥した。この表面処理鋼板の加工部
耐食性は塩水噴霧試験360時間後においても非常に良
好であり、驚くべきことに、比較剤の無機系の塗布型ク
ロメート処理液より遥かに良好な耐食性を得た。また、
耐クロム溶出性、耐指紋性、塗膜の2次密着性も良好で
あり、またこの樹脂クロメート処理液は保存安定性に優
れ、室温で3週間〜1ヶ月間安定であった。結果を表3
に示す。
量:30mg/m2)にポリエステル樹脂(A)の水分
散体65固形部、アクリル樹脂エマルジョン(G)35
固形部、50%還元クロム酸を全クロム酸換算で15
部、リン酸60部を配合した樹脂クロメート処理液を塗
布し、150℃で乾燥した。この表面処理鋼板の加工部
耐食性は塩水噴霧試験360時間後においても非常に良
好であり、驚くべきことに、比較剤の無機系の塗布型ク
ロメート処理液より遥かに良好な耐食性を得た。また、
耐クロム溶出性、耐指紋性、塗膜の2次密着性も良好で
あり、またこの樹脂クロメート処理液は保存安定性に優
れ、室温で3週間〜1ヶ月間安定であった。結果を表3
に示す。
【0060】(実施例2〜9)実施例1と同様にポリエ
ステル樹脂(A)〜(F)、アクリル樹脂エマルジョン
(G)〜(I)について配合し、加工後の裸耐食性、耐
クロム溶出性、耐指紋性、塗膜の2次密着性、樹脂クロ
メート処理液の保存安定性を評価した。結果を表3に示
す。
ステル樹脂(A)〜(F)、アクリル樹脂エマルジョン
(G)〜(I)について配合し、加工後の裸耐食性、耐
クロム溶出性、耐指紋性、塗膜の2次密着性、樹脂クロ
メート処理液の保存安定性を評価した。結果を表3に示
す。
【0061】(比較例1、2)実施例1と同様にポリエ
スチル樹脂(A)〜(C)、アクリル樹脂エマルジョン
(G)、(H)について配合し、加工後の裸耐食性、耐
クロム溶出性、耐指紋性、塗膜の2次密着性、樹脂クロ
メート処理液の保存安定性を評価した。結果を表4に示
す。
スチル樹脂(A)〜(C)、アクリル樹脂エマルジョン
(G)、(H)について配合し、加工後の裸耐食性、耐
クロム溶出性、耐指紋性、塗膜の2次密着性、樹脂クロ
メート処理液の保存安定性を評価した。結果を表4に示
す。
【0062】(比較例3、4)比較例として塗布型クロ
メート処理液を準備し、加工後の裸耐食性、耐クロム溶
出性、耐指紋性、塗膜の2次密着性、樹脂クロメート処
理液の保存安定性を評価した。結果を表4に示す。
メート処理液を準備し、加工後の裸耐食性、耐クロム溶
出性、耐指紋性、塗膜の2次密着性、樹脂クロメート処
理液の保存安定性を評価した。結果を表4に示す。
【0063】
【表1】
【0064】
【表2】
【0065】
【表3】
【0066】
【表4】
【0067】
【発明の効果】本発明の樹脂クロメート組成物によれ
ば、液を長期間安定して保存することができるばかりで
なく、各種金属めっき鋼板又は鋼板に塗布することによ
り、従来、技術的に両立が困難であるとされてきた加工
部の裸耐食性と耐クロム溶出性がともに極めて優れるば
かりでなく、耐指紋性、外観品位、上塗り塗料との2次
密着性にも優れた樹脂クロメート表面処理金属板を得る
ことができる。
ば、液を長期間安定して保存することができるばかりで
なく、各種金属めっき鋼板又は鋼板に塗布することによ
り、従来、技術的に両立が困難であるとされてきた加工
部の裸耐食性と耐クロム溶出性がともに極めて優れるば
かりでなく、耐指紋性、外観品位、上塗り塗料との2次
密着性にも優れた樹脂クロメート表面処理金属板を得る
ことができる。
【0068】また、本発明の樹脂クロメート表面処理金
属板によれば、従来、技術的に両立が困難であるとされ
てきた加工部の裸耐食性と耐クロム溶出性がともに極め
て優れるばかりでなく、耐指紋性、外観品位、上塗り塗
料との2次密着性にも優れた特性を示すことができる。
属板によれば、従来、技術的に両立が困難であるとされ
てきた加工部の裸耐食性と耐クロム溶出性がともに極め
て優れるばかりでなく、耐指紋性、外観品位、上塗り塗
料との2次密着性にも優れた特性を示すことができる。
Claims (6)
- 【請求項1】 (a)全酸成分中の芳香族ジカルボン酸
成分を30モル%以上、かつ、ポリエステル樹脂中のス
ルホン酸金属塩成分をイオウ量として0.1〜8重量%
含有するポリエステル樹脂の水溶液又は水分散体、
(b)エチレン系不飽和化合物からなる水性樹脂、
(c)水溶性クロム化合物及び(d)鉱酸を主成分とす
ることを特徴とする樹脂クロメート組成物。 - 【請求項2】 (e)コロイダルシリカを含有すること
を特徴とする請求項1記載の樹脂クロメート組成物。 - 【請求項3】 (a)全酸成分中の芳香族ジカルボン酸
成分を30モル%以上、かつ、ポリエステル樹脂中のス
ルホン酸金属塩成分をイオウ量として0.1〜8重量%
含有するポリエステル樹脂の水溶液又は水分散体と
(b)エチレン系不飽和化合物からなる水性樹脂との配
合比率が、固形分重量比で(a):(b)=3:1〜
1:3であることを特徴とする請求項1又は2記載の樹
脂クロメート組成物。 - 【請求項4】 (b)エチレン系不飽和化合物からなる
水性樹脂のエチレン系不飽和化合物が、カルボキシル基
含有エチレン系不飽和化合物0.1〜10重量%、水酸
基含有エチレン系不飽和化合物1〜30重量%、その他
のエチレン系不飽和化合物60〜98.9重量%からな
ることを特徴とする請求項1、2又は3記載の樹脂クロ
メート組成物。 - 【請求項5】 鋼板又はめっき鋼板の表面に、請求項
1、2、3又は4記載の樹脂クロメート組成物から形成さ
れた、金属クロム換算で5〜300mg/m2のクロム
を含有する皮膜を有することを特徴とする表面処理金属
板。 - 【請求項6】 めっき鋼板が亜鉛若しくは亜鉛合金めっ
き鋼板、アルミニウム若しくはアルミニウム合金めっき
鋼板、鉛若しくは鉛合金めっき鋼板又は錫若しくは錫合
金めっき鋼板であることを特徴とする請求項5記載の表
面処理金属板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13617997A JPH10310876A (ja) | 1997-05-08 | 1997-05-08 | 樹脂クロメート組成物及び表面処理金属板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13617997A JPH10310876A (ja) | 1997-05-08 | 1997-05-08 | 樹脂クロメート組成物及び表面処理金属板 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10310876A true JPH10310876A (ja) | 1998-11-24 |
Family
ID=15169190
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13617997A Pending JPH10310876A (ja) | 1997-05-08 | 1997-05-08 | 樹脂クロメート組成物及び表面処理金属板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10310876A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010132910A (ja) * | 2010-01-04 | 2010-06-17 | Toyobo Co Ltd | 塗料用樹脂組成物および塗装金属板 |
-
1997
- 1997-05-08 JP JP13617997A patent/JPH10310876A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010132910A (ja) * | 2010-01-04 | 2010-06-17 | Toyobo Co Ltd | 塗料用樹脂組成物および塗装金属板 |
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