JP3829947B2 - 金属表面処理用組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、金属、例えば冷延鋼板、Znめっき鋼板、Z n 系合金めっき鋼板、Ni、Cu、Pb、Sn、Cd、Al、Ti等の金属めっき鋼板あるいはこれら金属の合金めっき鋼板等の表面に塗布、乾燥して防錆皮膜を形成する防錆被覆処理浴に好適な金属表面処理用組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
冷延鋼板、Znめっき鋼板、Zn-Ni 系、Zn-Ni-Co系、Zn-Ni-Cr系、Zn- Fe系、Zn-Co 系、Zn-Cr 系、Zn-Mn 系等のZn系合金めっき鋼板あるいはNi、Cu、Pb、Sn、Cd、Al、Ti等の金属めっき鋼板あるいはこれら金属の合金めっき鋼板等の耐蝕性を改善するために、クロメ- ト処理してクロメート皮膜を形成することが一般的に行われている。
このクロメート処理は大別すると電解型クロメート、塗布型クロメートに分けることができる。
電解型クロメートとしては例えばクロム酸を主成分とし、他に硫酸を添加したもの(特公昭39-7461 号公報) 、リン酸を添加したもの(特公昭30-3514 号公報、特公昭35-8917 号公報、特公昭36-9559 号公報、特公昭36-9560 号公報) 、ホウ酸を添加したもの(米国特許第2733199 号、同2780592 号) 、ハロゲン(Cl- 、F - ) を添加したもの(特公昭39-14363号公報) 等、各種陰イオンを添加した浴を用いて鋼板を陰極電解処理することが行われてきた。
【0003】
塗布型クロメートとしては3価クロムを主成分とする水溶性クロム化合物、無機コロイド化合物及び無機アニオンを含有する酸性水溶液を塗布するもの(特開昭63-218279 号公報) 、Cr6+の一部を3価に還元したクロム酸にコロイド状シリカを混合して処理するもの(特開昭63-243279 号公報) 、3価クロムを主成分とする水溶性クロム化合物、無機コロイド化合物及び無機アニオンを含有する液を処理するもの(特開昭63-218279 号公報) 、特定元素のクロム酸と特定割合のコロイド化合物及び無機アニオンを混合した液を処理するもの(特開昭63-178873 号公報) 、Cr6+/(Cr6++Cr3+) 比を特定化したクロム酸及び無機コロイド及び無機アニオンを含む液で処理するもの、SiO2及びPO4 3- を含み3価/全Crのモル比を規定したクロム酸水溶液を処理するもの(特開昭1-65272 号公報) 、特定量の3価クロムイオンを含有する6価と3価のクロムイオンに対し特定量のケイフッ化物とフッ化物の各ナトリウム塩を含有する液を処理するもの(特開平1-56879 号公報) 、特定量の3価クロムイオンを含有する6価と3価のクロムイオンに対して特定量のSiO2を含有させた水溶液を処理するもの(特開平1-56877 号公報) 、特定量の3価クロムイオンを含有する6価と3価のクロムイオンに対して特定量のケイフッ化アンモニウムとシランカップリング剤を含有した液を処理したもの(特開平1-56878 号公報) 、クロムとシリカゾルを特定割合含有し、Cr6+量とシリカゾル粒径を特定した液を処理するもの(特開平2-104672号公報) 、特定割合のクロムイオン、リン酸、珪酸ゾルを含有し、かつ、全クロムイオイン中の6価クロムイオンを特定した液を処理するもの(特開平2-85372 号公報) 、クロム酸、無水コロイド化合物、シランカップリング剤を特定比で配合した液を処理するもの(特開平3-146676号公報) 、3価/6価Crを特定し、シリカゲル、リン酸、Znを含有させた液を処理する(特開平3-68783 号公報) などを挙げることができる。
【0004】
クロメート皮膜のうち電解によって形成されたクロメート皮膜はCrの溶出は少ないものの耐食性は充分とは言えず、また、加工時の皮膜の耐疵付性は悪く、従って加工後の耐食性は極端に低下する。また、塗布型によって形成されたクロメート皮膜は処理後そのままの状態で使用することはクロメート皮膜は溶出し易く、公害上支障をきたすため、好ましくない。また、耐食性及び塗料密着性も必ずしも充分では無く、加工時においても皮膜に疵が付きやすく加工後の耐食性もかなり低下する。
【0005】
一方、最近の傾向として、より高耐食性に優れたクロメートの開発が行われているが、中でもクロム酸浴に有機樹脂を共存させた、所謂樹脂型クロメートが鋭意検討されている。
脂肪型クロメートはクロム酸浴に各種樹脂が添加されるが、その際、クロム酸の有する強力な酸化作用(Cr6+→Cr3+) によって樹脂は次第に反応し、浴は安定して維持することは困難であった。多くの樹脂はクロム酸浴に添加すると短いものは数秒で、長いものは高々数時間のうちに酸化され、粗大化して沈降するかあるいはゲル化する。そのため、浴は使用不能となり、また、形成された樹脂クロメート皮膜も一定の成分の皮膜が形成されにくい。
このように、クロム酸浴で安定な樹脂がこれまで存在しなかったことから、工業的に使用可能な樹脂クロメートは不可能とまで言われてきた。
また、公知の樹脂クロメートは建浴後、短時間のうちに鋼板に処理しても、形成されたクロメート皮膜は脱脂浴や化成浴で一部溶出し易く、公害上支障をきたすため、好ましくない。また、耐食性及び塗料密着性も必ずしも充分ではない。
樹脂クロメートを成功させる場合、先ず第一にクロム酸浴の中で極めて安定で、しかも、鋼板に塗布した場合、耐Cr溶出性に優れ、しかも耐食性や塗料密着性等に優れた性能を付与した樹脂クロメート皮膜を開発しなければならない。
【0006】
最近の傾向としてこの分野に一部前進が見られる。
例えば、クロム酸の中にアモルファスシリカ、リン酸化合物、ポリアクリル酸で構成し、かつ、皮膜最表層のC/Si比を特定する処理法(特開平2-163385号公報) 、クロメート液中にメチルメタクリレート等の共重合体のアクリル系エマルジョンを特定条件で添加して処理する方法(特開平2-179883号公報) 、クロム酸、クロム酸還元生成物、アクリルエマルジョン、シリカゾルを特定条件で含有する液を塗布する方法(特開平3-215683号公報) 、クロム酸、クロム酸還元生成物、アクリルエマルジョン、湿式タイプシリカゾルを特定条件で含有する液を処理する方法(特開平3-215681号公報) 、エチレン系不飽和カルボン酸成分、水酸基含有モノマー成分、その他のエチレン系不飽和化合物からなる水性エマルジョンと水溶性クロム化合物と無機化合物の水系コロイド及び両性金属と反応して難水溶性塩を形成する無機物とを混合してなる金属表面処理用組成物(特開平5-230666号公報) 等を挙げることができる。
しかし、これら公知文献においても特に樹脂クロメート浴における浴寿命及び形成された皮膜の耐クロム溶出性の点で不充分である。
【0007】
一方、最近の傾向として環境及び公害問題から、クロムに関する規制が大幅に強化されようとしている。
それに応じてクロムを用いない耐食性被覆組成物の開発が行われている。
例えば不飽和カルボン酸を特定量含有する重合性不飽和単量体を重合して得られる乳化重合体を被覆するもの(特開平5-222324号公報) 、垂下アセトアセチル基含有合成樹脂水性分散液を主剤として被覆するもの(特開平5-148432号公報) 、特殊ケト酸と陽イオン、アミン、グアニジン、アミジンから選択される塩基との実質的に非水溶性のモノ−又はポリ−塩基性塩の混合物を被覆するもの(特開平5- 70715号公報) 、不飽和カルボン酸−グリシジル基含有不飽和単量体−アクリル酸アルキルエステルと共重合したモノマー−アクリル酸アルキルエステルの共重合体樹脂を被覆するもの(特開平3-192166号公報) 等をあげることができる。
いずれも特殊樹脂を被覆するものであるが、耐食性を確保するのにかなり厚く皮膜を形成する必要があり、また、鉄や各種めっき鋼板など各種金属との密着性も必ずしも良くない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
これに対し、本発明は上記従来の技術の欠点を解決し、冷延鋼板あるいはZn又はZn系合金めっき鋼板、Ni、Cu、Pb、Sn、Cd、Al、Ti又はこれら金属の合金めっき鋼板の上に極薄い皮膜を形成しても、素材と優れた密着性を示し、かつ、極めて優れた耐食性及び塗料密着性を確保できる表面処理剤を提供することを第一の目的とするものである。
第2の目的は冷延鋼板あるいはZn又はZn系合金めっき鋼板、Ni、Cu、Pb、Sn、Cd、Al、Ti又はこれら金属の合金めっき鋼板の上に上記処理剤によって、加工後の裸耐蝕性、塗料密着性に優れた皮膜を特定量形成せしめた加工後の裸耐蝕性、塗料密着性に優れた表面処理鋼板を提供するものである。
【0009】
また、第3の目的は冷延鋼板あるいはZn又はZn系合金めっき鋼板、Ni、Cu、Pb、Sn、Cd、Al、Ti又はこれら金属の合金めっき鋼板の上に上記処理剤によって塗料密着性に優れた皮膜を特定量形成せしめ、その上に特定の有機樹脂を特定量塗布して加工後の耐蝕性及び塗料密着性に優れた表面処理鋼板を提供するものである。
また、第4の目的は冷延鋼板あるいはZn又はZn系合金めっき鋼板、Ni、Cu、Pb、Sn、Cd、Al、Ti又はこれら金属の合金めっき鋼板の上に上記処理浴によって耐疵付性、塗料密着性に優れた皮膜を特定量形成せしめ、その上にSiO2、SnO2、Cr2O3 、 Fe2O3、Fe3O4 、MgO 、Al2O3 、のコロイド(ゾル)あるいは粉末を混合した有機樹脂を特定量塗布して、加工後の耐蝕性に極めて優れ、塗料密着性に優れた表面処理鋼板を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は特殊有機樹脂、リン酸、特殊重金属を成分とした表面処理皮膜を、あるいはさらに特殊無機物質を成分とした特殊な表面処理皮膜を冷延鋼板あるいはZn又はZn系合金めっき鋼板の各種金属上に形成し、加工後の裸耐蝕性及び塗料密着性に優れているとともに各種有機樹脂との密着性にも優れた表面処理皮膜を形成させる極めて安定な表面処理浴である。
この極めて優れた裸耐食性は特殊有機樹脂と特殊重金属との組合せによって始めて実現できる。
また、優れた塗料密着性は特殊有機樹脂とリン酸及び特殊重金属との組合せに寄って確保される。
以下、本発明に使用する特殊有機樹脂及び特殊重金属の内容と特殊有機樹脂、リン酸、特殊重金属化合物との組合せによって形成された皮膜の特性がどのように変化するかを示す。
【0011】
特殊有機樹脂とは水酸基含有モノマ−を成分として5%以上含有する有機樹脂( 以後本有機樹脂と言う) を言う。
水酸基含有モノマー成分としては(メタ)アクリル酸−ヒドロキシルエチル、(メタ) アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−3−ヒドロキシブチル、アクリル酸−2 ,2-ビス(ヒドロキシメチル)エチル、(メタ)アクリル酸−2,3−ジヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−3−クロル−2−ヒドロキシプロピル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシエステル類、アリルアルコール類及びN-メチロールアクリルアミド、N-ブトキシメチロール(メタ)アクリルアミド等のアルコールアミド類の還元性水酸基を含有するモノマー及び酸性液中で水酸基と同様な反応性を期待できるグリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、β−メチルグリシギル(メタ)アクリレート、3 ,4-エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート等のグリシギル基を有するモノマー、アクロレインアドのアルデヒド基を有するモノマーが使用できるが、特に好ましくはアクリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタアクリル酸−2−ヒドロキシエチルである。なお、(メタ)アクリル酸〜は、メタアクリル酸〜及び/又はアクリル酸〜を表している。
【0012】
本有機樹脂とは上記水酸基含有モノマーに他のモノマーを水酸基含有モノマーが5%以上となるように共重合した樹脂を言う。他の有機樹脂としてはエチレン系不飽和カルボン酸やその他のエチレン系不飽和化合物のいずれか1者或いは2者を同時に使用することが望ましい。エチレン系不飽和カルボン酸成分としては、例えばアクリル酸、メタアクリル酸、クロトン酸等のエチレン系不飽和モノカルボン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸等のエチレン系不飽和ジカルボン酸と、それらのカルボン酸アルカリ金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩が使用できる。また、エチレン系不飽和化合物としてはエチレン系不飽和カルボン酸成分と水酸基含有モノマー成分の例示以外のエチレン系不飽和化合物であって、(メタ)アクリル酸アルキルエステル及びその共重合体樹脂、およびその他のビニル化合物であり、芳香族ビニル化合物などである。上記以外にポリアクリル酸エステル及びその共重合体樹脂、ポリメタクリル酸エステル及びその共重合体樹脂、エポキシ及びその共重合体樹脂、アクリル変成エポキシ及びその共重合体樹脂、エステル変成エポキシ及びその共重合体樹脂、ウレタン変成エポキシ及びその共重合体樹脂等も使用することができる。これらから選ばれた1種又は2種以上を併用することができる。また、本発明の目的を損なわない範囲で上述した化合物以外の化合物等を含有させておくことも差し支えない。
【0013】
特殊重金属としてはCu、Co、Fe、Mn、Sn、V であり、これら重金属を各重金属の最多価イオンの状態で浴中に存在せしめなければならない。実際の水溶液中ではこれらイオンにH2O 、OH- 、 O--などが複雑に結合したり、配位したり、吸着したりしているがそれは一向に差し支えない。上記水酸基含有モノマ−を主成分とした本有機樹脂100 重量部に対し、上記重金属イオンの1種あるいは2種以上を0.025 〜1.0 重量部配合する必要がある。さらに上記水酸基含有モノマーを主成分とした本有機樹脂100 重量部に対し、リン酸を5〜80重量部配合する必要がある。
【0014】
以下、本有機樹脂、重金属イオン、リン酸の共存する浴を作成し、めっき鋼板に皮膜を形成し特性がどの様に変化するかを示す。
本有機樹脂としてはヒドロキシエチルアクリレート(水酸基含有モノマー)30部−メタアクリル酸メチル20部−アクリル酸40部(水酸基含有モノマー:33%)を共重合した樹脂を100 g/l(固形分)(100 重量部) 添加した。また、リン酸を60g/l(60重量部) 添加し、さらにMn++を種々の割合で添加した。
これら水性液よりなる表面処理浴を作成し、電気Znめっき鋼板(Zn 付着量:30g/m2)に全固形分が0.25 g/m2 となるように塗布し、乾燥して形成した場合の皮膜について素材(電気Znめっき鋼板)との密着性、塗料密着性および加工後裸耐食性がどのように変化するかを調べた。
【0015】
ここで、素材と本発明による表面処理皮膜との密着性は皮膜を乾燥後沸騰水に30分浸漬し、その後2mmゴバン目に皮膜をカットしテープ剥離して、塗膜の剥離面積を評価した。
◎: 皮膜剥離面積 0 %
○: 〃 0 %超〜 1 %
△: 〃 1 %超〜10 %
×: 〃 10 %超〜50 %
××: 〃 50 %超
【0016】
塗料との密着性は得られた表面処理皮膜上にメラミン系低温焼付け塗料(焼付け温度:110℃)を焼付け後30μとなるようにスプレー塗装し、その後沸騰水に30分間浸漬し、その後2mmゴバン目に塗膜をカットしテープ剥離して、塗膜の剥離面積を評価した。
◎: 塗膜剥離面積 0 %
○: 〃 0 %超〜 1 %
△: 〃 1 %超〜10 %
×: 〃 10 %超〜50 %
××: 〃 50 %超
【0017】
加工後の裸耐蝕性は絞り深さ50mmの円筒絞り加工を行い、その後腐食試験を行い、しごき加工を受けた側面部の赤錆の発生状況で評価した。
腐食試験はJIS-Z-2371規格に準拠した塩水噴霧試験により(塩水濃度5% 、槽内温度35℃、噴霧圧力20PSI)1000時間後の発錆状況を示し、◎、○、△、×、××の5段階で評価し、◎が最良である。
◎: 赤錆発生率 0 %
○: 〃 0 % 超〜 1 %
△: 〃 1 % 超〜10 %
×: 〃 10 % 超〜50 %
××: 〃 50 % 超
【0018】
形成した皮膜のZnめっき鋼板との密着性は共存するMn++の濃度によって左右され、Mn++が0.025 g/l以上、1.0 g/l以下で皮膜のZnめっき鋼板との密着性は向上し、上記試験において皮膜の剥離面積は皆無(◎)である。Mn++0.025 g/l未満及び1.0 g/l超になると密着性は低下する。また、形成した皮膜の塗料との密着性はMn++の濃度によって左右され、Mn++が0.025 g/l以上、 1.0 g/l以下で優れた塗料密着性を示し、上記試験において塗膜の剥離面積は皆無(◎)である. 0.025g/l未満及び1.0 g/l超で塗料密着性は低下する。形成した皮膜の加工後の裸耐食性はMn++の濃度によって左右され、Mn++が0.025 g/l以上、1.0 g/l以下で加工後の裸耐食性は著しく向上し、上記試験において赤錆発生は皆無(◎)である. 0.025 g/l未満及び1.0 g/l超で加工後の裸耐食性は低下する。
【0019】
次に本有機樹脂としてヒドロキシエチルアクリレート(水酸基含有モノマー)を種々変えた樹脂を作成し(ヒドロキシエチルアクリレート(水酸基含有モノマー)α部−メタアクリル酸メチル20部−アクリル酸40部を共重合した樹脂)を100 g/l(固形分)(100 重量部) 添加した。また、リン酸を60g/l(60重量部) 添加し、さらにMn++を0.3 g/l添加した水性液を作成した。これら水性液よりなる表面処理浴を、電気Znめっき鋼板(Zn 付着量:30g/m2)に全固形分が0.25 g/m2 となるように塗布し、乾燥して形成した場合の皮膜について素材(電気Znめっき鋼板)との密着性、塗料密着性および加工後裸耐食性がどのように変化するかを調べた。
【0020】
本有機樹脂における水酸基モノマーの割合は形成された皮膜と電気Znめっき鋼板との密着性に大きな影響を及ぼさない(水酸基モノマーの割合の如何に係わらず◎)。本有機樹脂における水酸基モノマーの割合は塗料密着性に影響を及ぼし、5%以上になると塗料密着性は著しく向上し、上記試験で塗膜剥離は皆無である(◎)。5%未満では塗料密着性は低下する。
また、本有機樹脂における水酸基モノマーの割合は加工部裸耐食性に大きな影響を及ぼし、5%以上で加工部裸耐食性は著しく向上する(◎)。5%未満では加工部裸耐食性は低下する。
【0021】
次に本有機樹脂としてはヒドロキシエチルアクリレート(水酸基含有モノマー)30部−メタアクリル酸メチル20部−アクリル酸40部(水酸基含有モノマー:33%)を共重合した樹脂を100 g/l (固形分)(100 重量部)添加し、Mn++を0.3 g/l添加し、さらにリン酸を種々の割合で添加した。これら水性液よりなる表面処理浴を作成し、電気Znめっき鋼板(Zn 付着量:30g/m2)に全固形分が0.25 g/m2 となるように塗布し、乾燥して形成した場合の皮膜について素材(電気Znめっき鋼板)との密着性、塗料密着性および加工後裸耐食性がどのように変化するかを調べた。リン酸の濃度は形成された皮膜と電気Znめっき鋼板との密着性に大きな影響を及ぼし本有機樹脂100 重量部に対し5〜80重量部で優れた密着性を示し、上記試験で皮膜の剥離は皆無である(◎)。5重量部未満あるいは80重量部超で皮膜の密着性は低下する。リン酸の濃度は塗料密着性に影響を及ぼし、80重量部以下で優れた密着性を示し、上記試験で塗膜剥離は皆無である(◎)。80重量部超で塗料密着性は低下する。また、リン酸の濃度は加工部耐食性に影響を及ぼし、5〜60重量部で優れた加工部耐食性を示し、上記試験で赤錆発生は皆無である(◎)。5部未満或いは80部超で加工部裸耐食性は低下する。
【0022】
以上の結果から、水酸基含有モノマーを5%以上含有する有機樹脂100 重量部に対し、Mn++を0.25〜1.0 重量部及びリン酸を5〜80重量部添加した水性液をめっき鋼板に塗布する事により、めっき鋼板との密着性に優れ、しかも塗料密着性及び加工部裸耐食性に極めて優れた皮膜を形成する事ができる。ここで、上記水性液を塗布することによってめっき鋼板との密着性に優れ、しかも塗料密着性及び加工部裸耐食性に極めて優れた皮膜を形成する事ができる理由ついて充分明確ではないが、次のように考えられる。すなわち、上記水性液を塗布し、乾燥して造膜する際に、有機樹脂中に含まれる水酸基含有モノマーのOH基をMn++が酸化し、自身はMn+ となって樹脂分子間の架橋の役割をはたし、造膜後極めて緻密な皮膜を形成しているものと思われる。この緻密な皮膜によって極めて優れた耐食性が確保できるものと思われる。また、Mn++によって酸化されずに残存したOH基とリン酸との相乗効果によって優れた塗料密着性が確保されるものと思われる。また、Mn++とリン酸との共存によってMn3(PO4)2nH2O が形成されるが、Mnの一部がZnと置換され、Mn Zn ( PO4)2nH2O となり、素材と皮膜との強固な密着力が確保されるものと思われる。
【0023】
本発明者等はさらに検討を重ねた結果、 Cu ++、Co++、Fe+++ 、Sn++++、V +++ も水酸基有ポリマーを含有する樹脂と共存するとMn++と同様な機能を有することが判った。すなわち、これらイオンがMn++→ Mn + 、C u ++→ Cu + 、Co++→Co+ 、Fe+++ →Fe++、Sn++++→Sn++、 V+++ → V++に変化する場合に水酸基モノマーのOH基を酸化し、かつ、Mn+ 、Cu+ 、Co+ 、Fe++、Sn++及び V++の状態で樹脂間の架橋の役割を果たし、緻密な皮膜を形成出来ることが判った。これに対し、M ++→M0、M +++ →M0、M ++++→M0のように一気にゼロ価になる金属イオンには一部酸化作用があっても架橋材としての機能はもたないことが判った。従って緻密な皮膜を形成出来ないことが判った。以上の結果から、本発明では水酸基含有モノマーを5%以上含有する有機樹脂100 重量部に対し、リン酸を5〜60重量部配合し、かつ、 Cu ++、Co++、Fe+++ 、Mn++、Sn++++および V+++ の1種或いは2種以上を0.025 〜1.0 重量部配合する事を特徴とする表面処理組成液とする。
【0024】
次にヒドロキシエチルアクリレート40部−メタアクリル酸メチル20部−アクリル酸ブチル20部−メタアクリル酸20部(水酸基含有モノマー:40% )の共重合体樹脂100 重量部 (67 g/l) 、リン酸45重量部(30 g/l) 、Mn++0.3 重量部(0.2 g/l) 配合した水性液にコロイダルシリカを種々の割合で配合した場合浴を目付が30g/m2の電気Znめっき鋼板に乾燥後の皮膜が0.3 g/m2となるように形成し、めっき層と皮膜の密着性、塗料密着性および加工後裸耐食性について調査した。ここで、めっき層と皮膜との密着性及び塗料密着性の評価方法は前掲と同じであるが、加工後の裸耐食性はJIS-Z-2371における塩水噴霧試験において2000時間後の発錆状況で評価した。評価基準は前掲と同じである。コロイダルシリカを30部超添加するとめっき層と皮膜との密着性は低下する。コロイダルシリカが3〜30部で加工後裸耐食性はさらに向上する。また、コロイダルシリカが30部超になると塗料密着性が低下する傾向にある。この傾向はコロイダルシリカの代わりに、SiO2粉末またはSnO2、Cr2O3 、 Fe2O3、Fe3O4 、MgO 、Al2O3 、ZrO2のコロイド(ゾル)或いは粉末を配合してもほぼ同様の結果が得られた。また、これらのうち2種以上を配合してもほぼ同様な結果が得られた。従って本発明では水酸基含有モノマーを5%以上含有する有機樹脂100 重量部に対し、リン酸を5〜60重量部配合し、かつ、 Cu ++、Co++、Fe+++ 、Mn++、Sn++++および V+++ の1種或いは2種以上を0.025 〜1.0 重量部配合した浴で、有機樹脂100 部に対しSiO2、SnO2、Cr2O3 、 Fe2O3、Fe3O4 、MgO 、Al2O3、ZrO2のコロイド(ゾル)或いは粉末の1種或いは2種以上を3〜30部配合することを特徴とする表面処理組成液とする。
【0025】
ヒドロキシエチルアクリレート40部−メタアクリル酸メチル20部−アクリル酸ブチル20部−メタアクリル酸20部(水酸基含有モノマー: 40%) の共重合体樹脂100 重量部 (60 g/l) 、リン酸50部(30 g/l) 、Mn++0.4 重量部(0.24g/l) 配合した水性液を目付が30g/m2の電気Znめっき鋼板に付着量を種々変えた皮膜を形成し、素材と皮膜の密着性、塗料密着性及び加工後裸耐食性について調査した。素材と皮膜の密着性及び塗料密着性の評価方法は前掲と同じである。また、加工後裸耐食性は塩水噴霧試験で1500時間後の発錆状態で評価した。評価基準は前掲と同じである。その結果、0.1 g/m2以上で優れた素材との皮膜の密着性、塗料密着性及び加工後裸耐食性を示した。また、上記浴にコロイダルシリカを配合した場合においても0.1 g/m2以上で優れた素材との皮膜の密着性、塗料密着性及び加工後裸耐食性を示した。以上の結果、本発明における表面処理組成物の皮膜の付着量は0.1 g/m2以上とし、上限は経済的な観点から3.0g/m2 とする。
【0026】
次に、本発明による表面処理浴は冷延鋼板あるいはZnまたはZn系合金めっき鋼板の上に処理することにより極めて優れた素材との密着性、塗料密着性及び加工後裸耐食性を示す表面処理皮膜を形成するが、この表面処理皮膜は他の有機樹脂との密着性が極めて優れていることから、その上に更に、各種有機樹脂を塗布し、有機複合鋼板を製造することができる。
上層に塗布する有機樹脂はメタアクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、メタアクリル酸及びヒドロキシエチルアクリレートを共重合して得られる本有機樹脂、オレフィン/アクリル酸共重合体樹脂、ポリアクリル酸及びその共重合体樹脂、ポリアクリル酸エステル及びその共重合体樹脂、ポリメタクリル酸エステル及びその共重合体樹脂、エポキシ樹脂、アクリル変成エポキシ樹脂、ビニル変成エポキシ樹脂、ビニル変成エポキシエステル樹脂などを用いることができる。
【0027】
また、これら樹脂にSiO2、SnO2、Cr2O3 、 Fe2O3、Fe3O4 、MgO 、Al2O3 、ZrO2のコロイド(ゾル)或いは粉末の1種あるいは2種以上を添加して塗布することもできる。その際、これらゾルあるいは粉末を有機樹脂100 部に対し、1 0 〜60部添加するのが望ましい。
その理由は10部未満あるいは60部超で耐食性がやや低下するからである。
また、上記ゾル、あるいは粉末の粒径は2〜15nm前後の微粒のものを使用した方がより効果が強く得られることが判った、したがって、本発明ではゾルあるいは粉末の粒径は2〜15nmとすることが望ましい。
【0028】
また、上層に塗布する有機樹脂あるいは有機樹脂と上記無機物質の混合物を塗布する際、塗布量は乾燥後0.2 〜3.0 g/m2となるように塗布することが望ましい。
その理由は0.2 g/m2未満では上層に形成する皮膜の効果が充分得られず、3 .0g/m2超では溶接性の点で弊害が現れるためである。したがって、本発明では上層に形成する皮膜は0.2 〜3.0 g/m2とする。
【0029】
本発明はこれまで、電気Znめっき鋼板に処理した場合を主に述べてきた。しかし、本発明は電気Znめっき鋼板以外に、冷延鋼板、溶融Znめっき鋼板及びZn-Ni 系、Zn-Ni-Co系、Zn-Ni-Cr系、Z n-Fe系、Zn-Co 系、Zn-Cr 系、Zn-Mn 系、Zn-Al 系、Zn-Mg 系等の電気あるいは溶融Zn系合金めっき鋼板に使用することができる。また、Ni、Cu、Pb、Cd、Sn、Al、Tiなどの金属あるいはこれら金属の合金によるめっき鋼板等にも使用することができる。
また、本発明による表面処理剤を各種めっき鋼板に塗布するには、ロールコート、スプレー塗装、刷毛塗り、浸漬塗装、カーテンフロー等いずれの塗装方法を用いても良い。
【0030】
以上示すように本発明による表面処理剤はクロムを使用しなくとも、塗布クロメート、電解クロメート、樹脂クロメート及び反応クロメートなどいわゆるクロメート剤の代替として使用することができるとともに、クロムを使用しなくとも、高い防錆効果を発揮する表面処理剤であることから、用途は容器関連や玩具類など大きく広がるものと思われる。
【0031】
以下、実施例について詳しく述べる。
実施例1Znめっき鋼板(目付量:20 g/m2)にアクリル酸−3−ヒドロキシブチル50部−メタアクリル酸メチル5部−アクリル酸ブチル35部−スチレン20部−メタアクリル酸40部−アクリル酸3部−有機リンモノマ−1部の共重合体樹脂(水酸基含有モノマ−:32%)60 g/l、リン酸30 g/l、Mn++0.3 g/lを配合した水性液をロールで塗布し、1 20℃で乾燥し、全付着量が0.3 g/m2となるように皮膜を形成した。
【0032】
実施例2Zn-Ni 系合金めっき鋼板(目付量:20 g/m2、Ni=11.5%)に2- ビス(ヒドロキシメチル)エチル20部−メタアクリル酸メチル30部−アクリル酸ブチル37部−グリシジルメタアクリレート10部−メタアクリル酸40部−アクリル酸3部−有機リンモノマー1部の共重合体樹脂(水酸基含有モノマ−:14%) 80g/l、リン酸 45g/l 、Fe+++ 0.5 g/l、コロイダルシリカ20部を配合した水性液をロールで塗布し、110 ℃で乾燥し、全付着量が0.25g/m2となるように皮膜を形成した。
【0033】
実施例3Zn-Ni 系合金めっき鋼板(目付量:20 g/m2、N i=12.3%)にメタアクリル酸−2,3−ジヒドロキシプロピル70部−メタアクリル酸メチル30部−アクリル酸ブチル37部−グリシジルメタアクリレート10部−メタアクリル酸40部−アクリル酸3部−有機リンモノマー1部の共重合体樹脂(水酸基含有モノマー:37%) 80g/l、リン酸 45g/l、Cu++0.8 g/l、コロイダルシリカ15部を配合した水性液を塗布し、80℃で乾燥して全付着量が0.50g/m2となるように皮膜を形成した。さらにその上に、メタアクリル酸メチル30部−アクリル酸ブチル37部−グリシジルメタアクリレート10部−メタアクリル酸40部−アクリル酸3部−有機リンモノマー1部を共重合して得られる有機樹脂の水性液をロールで塗布し、150 ℃で乾燥して皮膜を1.3g/m2 有する有機複合めっき鋼板を製造した。
【0034】
実施例4Zn-Fe 系合金めっき鋼板( 目付量:20g/m2 、Fe=12.8%) にアクリル酸ヒドロキシエステル100 部- メタアクリル酸メチル20部- アクリル酸ブチル37部- スチレン5部- グリシジルメタアクリレート15部- メタアクリル酸20部- アクリル酸5部- 有機リンモノマー1部の共重合体樹脂(水酸基含有モノマー:49%) 70 g/l、リン酸35g/l 、Co++0.8 g/l、コロイダルシリカ15 g/lを配合した水性液をロールで塗布し、100 ℃で乾燥して全付着量が0.15 g/m2 となるように皮膜を形成した。さらにその上に、メタアクリル酸メチル5部- アクリル酸ブチル33部- スチレン20部- グリシジルメタアクリレート3部- メタアクリル酸38部- 有機リンモノマー1部の共重合体樹脂100 部に対し、コロイダルシリカ15部を配合した水性液をロールで塗布し、150 ℃で乾燥して有機樹脂100 部とコロイダルシリカ25部とよりなる皮膜を1.1g/m2 有する有機複合めっき鋼板を製造した。
【0035】
実施例5Zn-Mg 系合金めっき鋼板(目付量:30g/m2 、Mg= 1.2%) にN-メチロールアクリルアミド20部- メタアクリル酸メチル15部- アクリル酸ブチル33部- スチレン5部- グリシジルメタアクリレート10部- メタアクリル酸39部- アクリル酸3部の共重合体樹脂(水酸基含有モノマー:16%)60g/l 、リン酸20g/l 、Sn++++ 0.1g/lを配合した水性液をロールで塗布し、110 ℃で乾燥して全付着量が0.35 g/m2 となるように皮膜を形成した。さらにその上に、オレフィン/アクリル酸共重合体樹脂100 部に対し、コロイダルシリカ30部配合した水性液をロールで塗布し、145 ℃で乾燥して、オレフィン/アクリル酸共重合体樹脂100 部とコロイダルシリカ30部とよりなる皮膜を1.5 g/m2有する有機複合めっき鋼板を製造した。
【0036】
実施例6Zn-Ni 系合金めっき鋼板(目付量:20g/m2 、Ni=12.4%)にアリルグリシジルエーテル80部- メタアクリル酸メチル5部- アクリル酸ブチル33部- グリシジルメタアクリレート15部- メタアクリル酸30部- アクリル酸3部- ヒドロキシエチルアクリレート14部の共重合体樹脂(水酸基含有モノマー:61%) 80 g/l 、リン酸42g/l 、 V+++ 0.9 g/lを配合した水性液をロールで塗布し、80℃で乾燥して全付着量が0.50 g/m2 となるように皮膜を形成した。さらにその上に、オレフィン/アクリル酸共重合体樹脂100 部に対し、コロイダルシリカ20部配合した水性液をロールで塗布し、145 ℃で乾燥して、オレフィン/アクリル酸共重合体樹脂100 部とコロイダルシリカ20部とよりなる皮膜を1.5 g/m2有する有機複合めっき鋼板を製造した。
【0037】
実施例7Zn-Mg 系合金めっき鋼板(目付量:30g/m2 、Mg= 1.2%)にグリシジルメタアクリレート45部- メタアアクリル酸エチル15部- アクリル酸ブチル20部- メタアクリル酸30部- ヒドロキシエチルアクリレート20部の共重合体樹脂(水酸基含有モノマ−:50%) 150 g/l 、リン酸50g/l 、Mn++0.25g/l、コロイダルシリカ 15 g/l 、 MgO 3 g/lを配合した水性液をロールで塗布し、120 ℃で乾燥して全付着量が0.62 g/m2 となるように皮膜を形成した。さらにその上に、メタアクリル酸メチル5部- アクリル酸ブチル33部- グリシジルメタアクリレート15部- メタアクリル酸30部- アクリル酸5部- ヒドロキシエチルアクリレート14部を共重合して得られた有機樹脂よりなる水性液をロールで塗布し、160 ℃で乾燥して上記有機樹脂よりなる皮膜を1.4 g/m2有する有機複合めっき鋼板を製造した。
【0038】
実施例8Zn-Ni 系合金めっき鋼板(目付量:30g/m2 、Ni=13.9%)にグリシジルメタアクリレート90部- メタアクリル酸エチル30部- アクリル酸ブチル23部- メタアクリル酸20部- アクリル酸10部を共重合して得られた有機樹脂(水酸基含有モノマー:52%) 60 g/l 、リン酸25g/l 、Cu++0.2 g/l、コロイダルシリカ10g/l 、MgO 3g/lを配合した水性液をロールで塗布し、110 ℃で乾燥して全付着量が0.62 g/m2 となるように皮膜を形成した。さらにその上に、メタアクリル酸メチル15部- アクリル酸ブチル33部- グリシジルメタアクリレート10部- メタアクリル酸38部- アクリル酸3部を共重合して得られた有機樹脂100 部に対し、アエロジル28部配合した水性液をロールで塗布し、155 ℃で乾燥して上記有機樹脂アエロジル28部とよりなる皮膜を1.0 g/m2有する有機複合めっき鋼板を製造した。
【0039】
実施例9Zn-Cr 系合金めっき鋼板(目付量:20g/m2 、Cr=10.8%)にメタアクリル酸-3-クロル-2- ヒドロキシプロピル50部- メタアクリル酸メチル15部- アクリル酸ブチル33部- グリシジルメタアクリレート10部- アクリル酸41部を共重合して得られた有機樹脂(水酸基含有モノマー:40%)60g/l 、リン酸20g/l 、Co++0.35g/l、コロイダルシリカ3g/l、MgO 0.5 g/l 配合した水性液をロールで塗布し、 110℃で乾燥して全付着量が0.18 g/m2 となるように皮膜を形成した。さらにその上に、ビニル変成エポキシ樹脂の水性液をロールで塗布し、145 ℃で乾燥してビニル変成エポキシ樹脂よりなる皮膜を1.3 g/m2有する有機複合めっき鋼板を製造した。
【0040】
実施例10Zn-Ni 系合金めっき鋼板(目付量:20g/m2 、Ni=12.1%)にN-ブトキシメチロールメタアクリルアミド40部- メタアクリル酸メチル5部- アクリル酸ブチル33部- メタアクリル酸38部- アクリル酸3部- ヒドロキシエチルアクリレート20部を共重合して得られた有機樹脂(水酸基含有モノマ−:43%)100 g/l 、リン酸40g/l 、Fe+++ 0.22g/l、コロイダルシリカ15 g/lを配合した水性液をロールで塗布し、90℃で乾燥して全付着量が0.32 g/m2 となるように皮膜を形成した。さらにその上に、ウレタン変成エポキシエステル樹脂100 部にアエロジル30部を配合した水性液をロールで塗布し、145 ℃で乾燥してウレタン変成エポキシエステル樹脂100 部とアエロジル30部とよりなる皮膜を1.4 g/m2有する有機複合めっき鋼板を製造した。
【0041】
実施例11Zn-Ni 系合金めっき鋼板(目付量:20g/m2 、Ni=12.1%)にアリルグリシジルエーテル65部- メタアクリル酸メチル30部- アクリル酸ブチル40部- メタアクリル酸10部- ヒドロキシエチルアクリレート15部を共重合して得られた有機樹脂(水酸基含有モノマー:50%)80g/l 、リン酸40g/l 、Mn++0.4 g/l、コロイダルとシリカ15 g/lを配合した水性をロールで塗布し、120 ℃で乾燥して全付着量が0.27 g/m2 なるように皮膜を形成した。さらにその上に、ウレタン変成エポキシエステル樹脂100 部にアエロジル25部を配合した水性液をロールで塗布し、145 ℃で乾燥してウレタン変成エポキシエステル樹脂100 部とアエロジル30部とよりなる皮膜を1.4 g/m2有する有機複合めっき鋼板を製造した。
【0042】
実施例12Zn-Ni 系合金めっき鋼板(目付量:20g/m2 、Ni=12.1%)にβ- メチルグリシジルアクリレート40部- スチレン50部- アクリル酸ブチル40部- ヒドロキシエチルアクリレート15部- メタアクリル酸10部を共重合して得られた有機樹脂(水酸基含有モノマー:35%) 90 g/l 、リン酸35g/l 、Sn++++0.34g/l、コロイダルシリカ15 g/lを配合した水性液をロールで塗布し、100 ℃で乾燥して全付着量が0.23 g/m2 となるように皮膜を形成した。さらにその上に、ビニル変成エポキシエステル樹脂100 部にコロイダルシリカ25部を配合した水性液をロールで塗布し、145 ℃で乾燥してビニル変成エポキシエステル樹脂100 部とコロイダルシリカ25部とよりなる皮膜を1.1 g/m2有する有機複合めっき鋼板を製造した。
【0043】
実施例13Zn-Ni 系合金めっき鋼板(目付量:20g/m2 、Ni=12.8%)に3 、4-エポキシシクロヘキシルメタアクリレート70部- メタアクリル酸メチル30部- アクリル酸ブチル40部- スチレン30部- メタアクリル酸10部- ヒドロキシエチルアクリレート15部を共重合して得られた有機樹脂(水酸基含有モノマー:44%)80g/l 、リン酸40g/l 、 V+++ 0.31g/l、コロイダルシリカ 6 g/lを配合した水性液をロールで塗布し、90℃で乾燥して全付着量が0.31 g/m2 となるように皮膜を形成した。さらにその上に、オレフィン/アクリル酸共重合体樹脂100 部にコロイダルシリカ25部を配合した水性液をロールで塗布し、145 ℃で乾燥してオレフィン/アクリル酸共重合体樹脂100 部とコロイダルシリカ25部とよりなる皮膜を1.1 g/m2有する有機複合めっき鋼板を製造した。
【0044】
実施例14Zn-Ni 系合金めっき鋼板(目付量:20g/m2 、Ni=13.2%)にアクリル酸2-ヒドロキシエチル80部- アクリル酸ブチル40部- メタアクリル酸30部- ヒドロキシエチルアクリレート15部を共重合して得られた有機樹脂(水酸基含有モノマー:58%)90g/l 、リン酸40g/l 、Cu++0.30g/l、コロイダルシリカ 6 g/lを配合した水性液をロールで塗布し、110 ℃で乾燥して全付着量が0.19 g/m2 となるように皮膜を形成した。さらにその上に、オレフィン/アクリル酸共重合体樹脂100 部にコロイダルシリカ20部を配合した水性液をロールで塗布し、165 ℃で乾燥してオレフィン/アクリル酸共重合体樹脂100 部とコロイダルシリカ20部とよりなる皮膜を1.6 g/m2有する有機複合めっき鋼板を製造した。
【0045】
比較例1
Znめっき鋼板にクロム酸(6価Cr100%クロム酸)15g/l 、リン酸10g/l 配合の水性液をロールで塗布し、160 ℃で乾燥して付着量がCr換算で52 mg/m2のクロメート皮膜を形成した。
【0046】
比較例2
Zn-Ni 系合金めっき鋼板(目付量:20 g/m2、Ni=12.8%)にクロム酸(6価Cr100%クロム酸)25g/l、リン酸20g/l 、コロイダルシリカ15g/l の水性液をロールで塗布し、170 ℃で乾燥して付着量がCr換算で58 mg/m2のクロメート皮膜を形成した。
【0047】
比較例3
Zn-Ni 系合金めっき鋼板(付着量:20 g/m2、Ni=12.9%)にクロム酸(6価Cr100%クロム酸)20g/l、リン酸25g/l 、アクリルエマルジョン100 g/l 配合した水性液をロールで塗布し、150 ℃で乾燥して付着量がCr換算で48 mg/m2のクロメート皮膜を形成した。
【0048】
比較例4Zn-Ni 系合金めっき鋼板(付着量: 20 g/m2 、 Ni=12.5%)にアクリルアミド樹脂 70 g/l 、リン酸60g/l 、Zn++0.3 g/l、アエロジル10g/l 配合した水性液をロールで塗布し、165 ℃で乾燥して全付着量が0.50g/m2となるように皮膜を形成した。
【0049】
比較例5
Zn-Ni 系合金めっき鋼板(付着量:20 g/m2、Ni=12.3%)にクロム酸(6価Cr100%クロム酸)15g/l、リン酸10g/l 、アクリルアマイド樹脂100 g/l 配合した水性液をロールで塗布し、120 ℃で乾燥して全付着量が0.55g/m2となるように皮膜を形成した。
さらにその上に、エポキシ樹脂の水性液をロールで塗布し、155 ℃で乾燥してエポキシ樹脂よりなる皮膜を1.2 g/m2有する、有機複合めっき鋼板を製造した。
【0050】
比較例6
Zn-Ni 系合金めっき鋼板(付着量:20 g/m2、Ni=12.9%)にクロム酸(3価Cr/(3価Cr+6価Cr)×100=10(%))30 g/l、リン酸20g/l 、アクリルエマルジョン 80 g/l 、コロイダルシリカ10 g/l配合した水性液をロールで塗布し、160 ℃で乾燥して全付着量が0.42g/m2となるように皮膜を形成した。
さらにその上に、エポキシ樹脂100 部に対し、アエロジル20部を配合した水性液をロールで塗布し、170 ℃で乾燥してエポキシ樹脂100 部とアエロジル20部からなる皮膜を1.3 g/m2有する、有機複合めっき鋼板を製造した。
【0051】
表1はZnあるいはZn系合金めっき鋼板に処理した場合の実施例1〜14及び比較例1〜6の沸水30分浸漬後の皮膜の密着性、塩水噴霧試験による加工後の裸耐蝕性、メラミン系低温焼付型(焼付温度: 10℃)を30μ塗布した場合の塗料密着性を示したものである。
表1から明らかなように、Znめっき鋼板あるいはZn系合金めっき鋼板に本発明による表面処理を実施した場合、形成された皮膜の密着性は良好で剥離は皆無である. Znめっき鋼板に本発明による表面処理を実施した場合の加工後の裸耐蝕性は1000時間で殆ど変化無く、1500時間で僅かに赤錆が発生する。Zn系合金めっき鋼板に本発明による表面処理を実施した場合、加工後の裸耐蝕性は2000時間で殆ど変化無く、3000時間で僅かに赤錆が発生するに過ぎない。
また、本発明による表面処理を実施し、その上にさらに本発明による有機樹脂を実施した有機複合めっき鋼板の場合の加工後の裸耐蝕性は4000時間で僅かに赤錆が認められるものがあるに過ぎない。
【0052】
これに対し、公知のクロメート皮膜組成の場合(比較例1 、2 、3 、4 、5 、6)形成された皮膜の密着性は悪く、沸水中でかなりクロムが溶出したり、あるいはいずれの処理剤も皮膜はかなり剥離する。
また、公知のクロメート皮膜組成のうち無機系クロメートの場合(比較例1 、2)、加工後の裸耐食性はSST100時間で赤錆がかなり発生している。樹脂クロメートの場合(比較例3 、4)、加工後の裸耐食性はSST400時間で赤錆がかなり発生している。
また、塗膜の密着性も同様で、本発明による表面処理剤を実施した場合あるいはさらにその上に各種有機皮膜を形成した場合、塗料密着性の得にくい低温焼付型(110 ℃焼付)でも極めて優れた密着性を示す。
これに対し、公知のクロメート皮膜の場合(比較例1 、2 、3 、4)の場合は塗料密着性は極めて悪い。また、さらにその上に有機樹脂を被覆した場合でも(比較例5 、6)かならずしも充分ではなく、塗膜の剥離が認められる。
【0053】
【発明の効果】
以上示したように本発明による表面処理剤は有害クロムの使用を必要としない、いわゆる無公害のノンクロメート剤として従来自動車、家電、建材分野で使用されている塗布クロメート、電解クロメート、樹脂クロメート及び反応クロメートなど全てのクロメート剤の代替として使用することができる。また、クロムを使用を必要としない表面処理剤であることから、用途は容器関連、食器関連、玩具類、屋内用建材に至まで大幅に広がるものと思われる。

Claims (2)

  1. 水酸基含有モノマーを5%以上含有する有機樹脂100重量部に対し、リン酸を5〜80重量部配合し、かつ、Cu++、Co++、Fe+++ 、Mn++、Sn++++及び V+++の1種或いは2種以上を0.025 〜1.0 重量部配合することを特徴とする金属表面処理用組成物(Cr 3+ /全Cr比が0.1〜0.8である還元クロム酸を含有する金属表面処理用組成物、タングステン酸イオンおよびモリブデン酸イオンを0.1g/l以上含有する金属表面処理用組成物を除く)
  2. 水酸基含有モノマーを5%以上含有する有機樹脂100 重量部に対し、リン酸を5〜80重量部配合し、かつ、Cu++、Co++、Fe+++ 、Mn++、Sn++++及び V+++の1種或いは2種以上を0.025 〜1.0重量部配合し、さらに、SiO2、Cr2O3 、Fe2O3 、Fe3O4 、 MgO、ZrO2、SnO2、Al2O3 、Sb25のコロイド(ゾル) 或いは粉末の1種或いは2種以上を3〜30部配合する事を特徴とする金属表面処理用組成物(Cr 3+ /全Cr比が0.1〜0.8である還元クロム酸を含有する金属表面処理用組成物、タングステン酸イオンおよびモリブデン酸イオンを0.1g/l以上含有する金属表面処理用組成物を除く)
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