JPH10310602A - N−アセチルノイラミン酸ホモポリマーの硫酸エステルを用いた線維芽細胞増殖因子(fgf)活性化組成物、n−アセチルノイラミン酸ホモポリマーの硫酸エステルの合成方法、該合成方法で合成したn−アセチルノイラミン酸ホモポリマーの硫酸エステル - Google Patents

N−アセチルノイラミン酸ホモポリマーの硫酸エステルを用いた線維芽細胞増殖因子(fgf)活性化組成物、n−アセチルノイラミン酸ホモポリマーの硫酸エステルの合成方法、該合成方法で合成したn−アセチルノイラミン酸ホモポリマーの硫酸エステル

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JPH10310602A
JPH10310602A JP11964197A JP11964197A JPH10310602A JP H10310602 A JPH10310602 A JP H10310602A JP 11964197 A JP11964197 A JP 11964197A JP 11964197 A JP11964197 A JP 11964197A JP H10310602 A JPH10310602 A JP H10310602A
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acid homopolymer
salt
sulfate
sulfuric ester
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JP11964197A
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English (en)
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Mitsuo Kawase
三雄 川瀬
Kenichi Hatanaka
研一 畑中
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NGK Insulators Ltd
Original Assignee
NGK Insulators Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】線維芽細胞増殖因子を活性化する毒性の少ない
医薬組成物を提供する。 【解決手段】下記式(1)のN−アセチルノイラミン酸
ホモポリマーの硫酸エステル又はその薬学的に許容され
る塩を有効成分とする線維芽細胞増殖因子(FGF)活
性化組成物。 【化1】 (式中、Rは同一又は異なって水素原子又はSO3 Hを
示し、nは10―1000の整数を示す。) 下記式(1)のN−アセチルノイラミン酸ホモポリマー
の硫酸エステル又はその薬学的に許容される塩を有効成
分とする線維芽細胞増殖因子(FGF)活性化組成物。 【化2】 (式中、Rは同一又は異なって水素原子又はSO3 Hを
示し、nは5―1000の整数を示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、N−アセチルノイ
ラミン酸ホモポリマーの硫酸エステルを用いた線維芽細
胞増殖因子(FGF)活性化組成物、N−アセチルノイ
ラミン酸ホモポリマーの硫酸エステルの合成方法、該合
成方法で合成したN−アセチルノイラミン酸ホモポリマ
ーの硫酸エステルに関する。
【0002】
【従来の技術】線維芽細胞増殖因子(FGF:Fibr
oblast Growth Factor)は、細胞
表面のFGFレセプターに結合して、細胞増殖を誘導す
るが、FGFの細胞増殖活性の増強には,硫酸基が必要
不可欠であると言われている(Ruoslahti,
E.,& Yamauchi、Y.,Cell,64,
pp867−869(1991))。一方、カルボキシ
ル基だけを持った酸性ポリマーであるポリアクリル酸を
用いた場合にも線維芽細胞増殖因子の細胞増殖活性が増
強されることが確認された。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、かかる
知見を念頭に置きつつ、N−アセチルノイラミン酸ホモ
ポリマーが多数のカルボキシル基を有することに着目
し、かかるN−アセチルノイラミン酸ホモポリマーのの
有効利用開発を検討した。その結果、従来は検討された
ことがなかったが、上記N−アセチルノイラミン酸ホモ
ポリマーを硫酸化し、得られたN−アセチルノイラミン
酸の硫酸エステルを用いて線維芽細胞増殖因子を活性化
できることが判明した。即ち本発明の第1の視点は、優
れた線維芽細胞増殖因子(FGF)活性化作用を有しか
つ副作用の少ない組成物を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】即ち、 本発明は、下記式
(1)のN−アセチルノイラミン酸ホモポリマーの硫酸
エステル又はその薬学的に許容される塩を有効成分とす
る線維芽細胞増殖因子(FGF)活性化組成物に関す
る。
【化3】 (式中、Rは同一又は異なって水素原子又はSO3 Hを
示し、nは10―1000の整数を示す。)
【0005】また、発明者等は、N−アセチルノイラミ
ン酸ホモポリマーの硫酸エステルの製造方法について
は、例えば、特開平6−279503に記載された方法
があるが、この方法では、 N−アセチルノイラミン酸ホ
モポリマーは十分に硫酸化がなされていないことを発見
した。即ち、特開平6−279503には、N−アセチ
ルノイラミン酸ホモポリマーを硫酸化する方法としてN
−アセチルノイラミン酸ホモポリマーを有機溶剤存在下
又は不存在化において触媒中で硫酸化剤によって硫酸化
することが教示されている。
【0006】しかしながら、N−アセチルノイラミン酸
ホモポリマーはカルボキシル基を有し親水性であるの
で、特開平6−279503に記載された方法では有機
溶媒及び/または有機触媒中に均一に溶解せず、従っ
て、硫酸化が均一に起こらず均一な反応成生物得られな
いことが分かった。即ち、上記硫酸化方法では、有機溶
媒中でN−アセチルノイラミン酸ホモポリマーがミセル
状態となって反応が進行するので、反応はミセル粒子の
表面のみで進み、界面近くのN−アセチルノイラミン酸
ホモポリマーのみが硫酸化され、合成された硫酸化N−
アセチルノイラミン酸ホモポリマーの硫酸化部位が均一
でないことが予想された。
【0007】本発明は、より均一かつ高密度にN−アセ
チルノイラミン酸ホモポリマーを硫酸化すべく研究を進
め、本発明に到達した。即ち、本発明の第2の目的は、
より均一かつ高密度にN−アセチルノイラミン酸ホモポ
リマーを硫酸化する方法を提供するものである。
【0008】即ち、 本発明の第2の視点は、N−アセチ
ルノイラミン酸ホモポリマーをトリブチルアミン塩と
し、N−アセチルノイラミン酸ホモポリマーのトリブチ
ルアミン塩を有機溶媒に均一に溶解し、その後N−アセ
チルノイラミン酸ホモポリマーのトリブチルアミン塩を
硫酸化することを特徴とする下記一般式(1)のN−ア
セチルノイラミン酸ホモポリマー硫酸エステルの合成方
法に関する。
【化4】 (式中、Rは同一又は異なって水素原子又はSO3 Hを
示し、nは5−1000の整数を示す。但し,硫酸化度
は0.5−3である。)
【0009】本発明の合成方法によれば、N−アセチル
ノイラミン酸ホモポリマーをトリブチルアミン塩に変え
ることによって、N−アセチルノイラミン酸ホモポリマ
ーのトリブチルアミン塩を有機溶媒に均一に溶解するこ
とを可能とし、均一に溶解したN−アセチルノイラミン
酸ホモポリマーのトリブチルアミン塩を硫酸化するので
その硫酸化部位を均一なものとでき、また後述するよう
に立体構造等の理由で確率的にN−アセチルノイラミン
酸の9位に対して優先的に硫酸化を行うことができる。
本発明の合成方法で得られたN−アセチルノイラミン酸
ホモポリマー硫酸エステル又はその薬学的に許容される
塩を線維芽細胞増殖因子(FGF)活性化組成物の有効
成分として用いることによってより優れた活性化効果が
得られる。
【0010】本発明のN−アセチルノイラミン酸ホモポ
リマーの硫酸エステルを有効成分とする線維芽細胞増殖
因子(FGF)活性化組成物によれば、有効成分として
のN−アセチルノイラミン酸ホモポリマーの硫酸エステ
ルの硫酸化度が高いので線維芽細胞増殖因子をより大き
く活性化できる。
【0011】
【実施の態様】本発明のN−アセチルノイラミン酸ホモ
ポリマーの硫酸エステルの硫酸化度(N−アセチルノイ
ラミン酸残基1モルに対するSO3 H残基の数)は、
0.5−3.0で、好ましくは1.0−3.0、最も好
ましくは1.5−3.0である。一般式(I)のN−ア
セチルノイラミン酸ホモポリマーの硫酸エステルにおい
て重合度nは5から1000の整数であり、好ましくは
10−500、最も好ましくは10−100である。本
発明のN−アセチルノイラミン酸ホモポリマーの硫酸エ
ステルは、nが1種類のみである単一化合物であっても
よく、また重合度nが5−1000の範囲のn値が異な
る複数のN−アセチルノイラミン酸ホモポリマーの硫酸
エステルの混合物でもよい。
【0012】本発明の上記一般式(1)のN−アセチル
ノイラミン酸ホモポリマー硫酸エステルは、以下の方法
によって合成することができる。即ち、原料であるN−
アセチルノイラミン酸ナトリウムをカチオン交換樹脂に
てフリー体にした後、トリブチルアミンでN−アセチル
ノイラミン酸トリブチルアミン塩を形成後,硫酸化剤と
してS03 −ピリジンコンプレックス、S03 −ジメチ
ルホルムアミドコンプレックス、ピペリジン硫酸、クロ
ロスルホン酸等を用い、また溶媒としてジメチルホルム
アミド(DMF)、ジメチルスルホキシド、ピリジン、
トルエン等を用いて0°C−100°Cで0.5−5時
間程度反応させることによってN−アセチルノイラミン
酸ホモポリマー硫酸エステルを得る。なお、N−アセチ
ルノイラミン酸−トリブチルアミン塩を得る際に、反応
酸性溶液のpHをすばやく中性に戻すこと、また、その
溶液を洗浄する際にはジエチルエーテル等の溶媒を予め
十分に冷やして用いることによってN−アセチルノイラ
ミン酸−トリブチルアミン塩の酸及び温度による分解を
最小限にとどめることができる。また、N−アセチルノ
イラミン酸−トリブチルアミン塩をDMF中でSO3
ピリジンコンプレックスと反応させる場合には、窒素気
流中で行い、無水DMFを使用するなど水分の混入につ
いて注意を払うことが好ましい。原料のN−アセチルノ
イラミン酸ホモポリマーは、特に限定されるものではな
いが、重合度nが一定であるホモポリマーを用いてもよ
く、例えばコロミン酸のような天然のアセチルノイラミ
ン酸ホモポリマーの混合物を用いても良い。
【0013】硫酸化反応が終了後は、公知の方法、例え
ば遠心分離法、濃縮ゲルろ過、濃縮ゲル、イオン交換等
の各種のクロマトグラフィー、再沈殿法、透析法等の方
法によって単離する。本発明において薬学的に許容され
る塩とは、ナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカ
リ金属塩、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類
金属塩等が挙げられる。これらの塩は、硫酸化反応液を
水酸化ナトリウム、炭酸カリウム等の塩で中和すること
によって製造でき、また、一旦硫酸化糖の遊離の酸とし
て得た後、それを用いて塩の形態としても良い。
【0014】本発明の一般式(1)のN−アセチルノイ
ラミン酸ホモポリマーの硫酸エステルは、薬学的に許容
される種々の添化剤とともに線維芽細胞増殖因子活性化
組成物として用いることができる。該医薬組成物は、そ
の適用形態は特に限定されないが、例えば、 注射剤、 錠
剤、 カプセル剤、 顆粒剤、 細粒剤、 乳剤等の経口剤、 注
射剤、 座薬などの種々の形態で用いることができる。
【0015】本発明のN−アセチルノイラミン酸ホモポ
リマーの硫酸エステルを有効成分とする線維芽細胞増殖
因子活性化組成物を注射剤として調整する場合,添加剤
としてはpH調整剤、 緩衝剤、 安定化剤、 等張化剤、 局
所麻酔剤等が挙げられ、 これらを適量配合することによ
って注射剤用製剤とすることができる。該製剤は、 静脈
内、 筋肉内、 皮下又は腹腔内に投与される。
【0016】本発明の線維芽細胞増殖因子活性化組成物
を経口剤として調整する場合には,賦形剤、 崩壊剤、 滑
沢剤、 結合剤,矯臭剤、 矯味剤等が挙げられる。
【0017】本発明の線維芽細胞増殖因子活性化組成物
を座薬として用いる場合には、基剤、界面活性剤等の添
加剤が用いられる。
【0018】上記添加剤としては、個々の製剤を調整す
る際に通常用いられる添化剤を適宜選択して適当な量で
用いる。また、上記の各種製剤中に配合される有効成分
である本発明のN−アセチルノイラミン酸ホモポリマー
の硫酸エステルの量は、投与すべき患者の年齢、性別、
体重、症状等により適宜変更して用いるが、一般には、
ヒト成人に対する1投与単位当たり、経口剤では1−8
0mg程度、注射剤では0.05−10mg程度、座剤
では1−50mg程度であるのが好ましく、ヒト成人1
日当たりの投与量は剤の形態により異なるが、1−20
0mg程度が好ましい。
【0019】
【実施例】以下に、製造実施例及び薬理試験例に基づき
本発明をより詳細に説明する。但し、本発明は、下記の
ものに限定されるものではない。
【0020】(製造実施例1)約20mg/mlのコロ
ミン酸ナトリウム(分子量(Mn)=14、000、M
w/Mn=1.2)を含む水溶液50mlを1N−HC
lでH+ 型にしたカチオン交換樹脂(コロミン酸1gに
対し約20g)に4°Cにて通し、使用したコロミン酸
のカルボキシル基の当量分に当る量の10%トリブチル
アミンーエタノール溶液中に滴下した。滴下した溶液に
対し上記と同じ10%トリブチルアミンーエタノール溶
液を用いてpHを5.0に調整した。得られた溶液をジ
エチルエーテルで3回洗浄した後、凍結乾燥することに
よってコロミン酸―トリブチルアミン塩を得た。合成し
たトリブチルアミン塩1gを窒素気流下で、無水DMF
100ml中に溶解し、SO3 −ピリジン・コンプレッ
クス/無水DMFの混合溶液100mlを徐々に滴下
し、滴下終了後に60分間攪拌し反応を行った。その
後、20mlの冷水を加えて反応を停止し、1N−Na
OHで反応液をpH9.0に調整した。得られた反応溶
液をアセトン中に注入したところ白色の沈殿物が析出し
た。反応溶液を1500rpmで15分間遠心分離にか
け、析出した沈殿物を回収した。得られた白色の沈殿物
を少量の水で溶かし、その溶液を蒸留水で2−3日透析
したのち、凍結乾燥してN−アセチルノイラミン酸硫酸
エステル(S−col1. 88)を得た。
【0021】(製造実施例2)下記表1に示す反応条件
(SO3 −ピリジン・コンプレックスの添加量、反応時
間)としたことを除き、製造実施例1と同一の条件で硫
酸化度の異なるアセチルノイラミン酸硫酸エステル(S
−col 0. 89)を得た。
【0022】製造実施例1と2とのコロミン酸の硫酸化
の結果を表1に示す。
【表1】
【0023】測定は以下の方法によった。 (1)分子量(Mn),(Mw/Mn) 光散乱光度計によって測定した。 (2)糖残基当たりの硫酸基の数 元素分析の測定結果によって算出した。
【0024】(3)IRスペクトル(KBr錠剤法)、
NMRスペクトル アセチルノイラミン酸硫酸エステル(S−col 1.
88とS−col 0.9)のおのおののIRスペクト
ル及びNMRスペクトルをN−アセチルノイラミン酸
(Mn,Mw/Mnの値はそれぞれ37、500と1.
26)とともにそれぞれ図1と図2に示す。図1と図2
とから、KrB錠剤法のIRスペクトルから、N−アセ
チルノイラミン酸を硫酸化することによって、1230
cm-1、1100cm-1付近にピークが現れることこと
から、硫酸基が存在していることが確認できた。また、
ラクトンに特有なピーク(1170cm−1、1190
nm-1)が観察されなかったので、ラクトン化が起こら
なかったことが確認できた。また、NMRスペクトルか
らは、N−アセチルノイラミン酸を硫酸化することによ
って、9位のピークが消失していることから、9位の水
酸基が優先的に硫酸化されていることが分かった。
【0025】(薬理実施例)N−アセチルノイラミン酸
ナトリウム(分子量(Mn)=14、000、Mw/M
n=1.2)及び製造実施例1と2とで得たN−アセチ
ルノイラミン酸硫酸エステルS−col 1.88及び
S−col 0. 89を種々の濃度で溶解し,滅菌して
使用した。線維芽細胞としては、マウス胎児由来の3T
3(Swiss albino)線維芽細胞から亜種と
して1974年に樹立された3T3−L1線維芽細胞
(ATCC CCL92.1)を用いた。また、線維芽
細胞増殖因子としては、等電点が酸性の酸性FGF(a
FGF)と塩基性FGF(bFGS)とを用いた。
【0026】1)細胞の培養 a : 血清培地 イーグルMEM培地(日水製薬株式会社製)475ml
(9. 4g/475ml)を高圧蒸気で滅菌後、7.5
w/v%の炭酸水素ナトリウム水溶液12−15mlを
加えてpHを7.2−7. 4に調整後、0.238g/
mlのHEPES水溶液(5ml(最終濃度0.01
M),グルタミン0.15g、ウシ胎児血清(GIBC
O)50mlを添加したものを用いた。
【0027】b:細胞の継代 継代は培養フラスコ上で3T3−L1細胞が常にCon
fluent( 合流)になる前に行った。継代方法は、
培養フラスコ内の培地を全て取り除いた後、 ダルベッコ
PBS(−)(Ca2+,Mg2+フリー:日水製薬株式会
社製)で細胞表面を洗浄した。次に、 細胞表面全体に行
き渡るように、 トリプシンEDTA溶液(SIGMA)
を加えた。数分後、 培養フラスコの底面から細胞が剥が
れているのを確認後、 血清培地を約12ml加えてピペ
ットで計量し、1200rpmで3分間遠心分離した。
遠心分離操作後、 細胞が沈降しているのを確認し、 培地
を除去した。その後、 得られた沈殿物に血清培地を約2
ml加えた後ピペットで計量し、 細胞懸濁液を作り、 そ
の一部を取り血球計算板を用いて細胞数を数えた。新し
い培養フラスコに培地を25ml加え、 約80万個の」
細胞を含む細胞懸濁液をそのフラスコに移した。培養フ
ラスコを軽く攪拌後、37°C,5%C02下のインキ
ュベータ中で48時間培養した。
【0028】2. 実験方法 a :試料の調整 ウシ血清アルブミン(BSA)を1wt%濃度(w/
v)で含むように加えたPBS(−)溶液(1%BSA
−PBS)を用意した。N−アセチルノイラミン酸およ
びN−アセチルノイラミン酸硫酸エステルは、1%BS
A−PSBに種々の濃度で溶解させ,不溶分をろ過した
後滅菌して使用した。
【0029】b :無血清培地 イーグルMEM培地475ml(9.4g/ 475m
l)を高圧蒸気で滅菌後、7.5w/v%炭酸水素ナト
リウム水溶液12−15mlを加えてpHを7.2−
7.4に調整した後、0. 238g/mlのHEPES
水溶液(最終濃度0.01M)5ml、グルタミン酸
0.15g、GMS−A(インシュリン1.00g・m
l、トランスフェリン0.55g/l、亜セレン酸ナト
リウム0.00067g/l、ピルビン酸ナトリウム1
1.00g/l)5mlを添加したものを用いた。
【0030】3)細胞増殖測定法 継代の時と同様に細胞をトリプシンEDTAで剥離し、
血清培地を加えて浮遊させ、1200rpmで3分間遠
心分離し、培地を除去した。次に無血清培地を加え、ピ
ペットで計量してから細胞を洗浄し、再び1200rp
mで3分間遠心分離し培地を除去した。そして、その沈
殿物に対し無血清培地を約2ml加え細胞懸濁液を作製
した。血球計算板を用いて細胞数を数え必要な細胞濃度
となるように細胞懸濁液を無血清培地で希釈する。希釈
した細胞懸濁液を96ウエル・マルチプレートに100
μl/ウエルづつ幡種し、実験に用いたN−アセチルノ
イラミン酸および硫酸エステルN−アセチルノイラミン
酸硫酸エステルをそれぞれ書定量添加し、37°C、5
%CO2 下で約24時間培養した。
【0031】24時間後、以下に説明するMTT法によ
って生細胞数を測定し、比較した。まず、各ウエルから
50μlずつ上澄を取り除き、MTT溶液(5mg/m
linPBS(−))を10μl/ウエルずつ添加し、
37°C、5%CO2 下で約4時間培養した。4時間
後、0.04M HCl−イソプロパノールを100μ
l/ウエルずつ加え、ピペット計量し、完全に溶解さ
せ、570nmの吸光度(対照波長630nm)を測定
した。
【0032】図3にMTT法による検量線を示す。同図
から、 細胞懸濁液の濃度が70、000セル/ml迄で
あれば、 測定して得られた吸光度をそのまま生存細胞数
に置き換えることができる。
【0033】4. 実験結果及びその考察 図4乃至図6に示す実験結果から、N−アセチルノイラ
ミン酸はFGFに対し細胞増殖増強効果は示さなかった
が、N−アセチルノイラミン酸を硫酸化したもの用いる
ことによって線維芽細胞増殖因子aFGFとbFGFと
がともに活性化されることが分かる。また、S−col
0. 89に比べて硫酸化度の高いS−col 1. 8
8の方がより低濃度でaFGF及びbFGFを活性化し
ていることが分かる。
【0034】毒性については、N−アセチルノイラミン
酸硫酸エステルは、単独では添加量を増やしていっても
細胞増強活性が殆ど変化していない。即ち、添加量増加
に伴って毒性が強まり増強活性が減少するということが
ないことから、毒性は殆どないと考えれれる。また、 N
−アセチルノイラミン酸硫酸エステルは、37°C、 4
°Cにおける無血清培地中でのN−アセチルノイラミン
酸硫酸エステルの分解をしらべたところ、 分解は殆ど生
じてないことが分かった(図7参照)。このことから、
細胞培養条件下でのN−アセチルノイラミン酸硫酸エス
テルの分解は殆どなく, 低分子化による細胞増殖への影
響の違いは生じないと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】N−アセチルノイラミン酸及びN−アセチルノ
イラミン酸硫酸エステルのIRスペクトルを示す。
【図2】N−アセチルノイラミン酸及びN−アセチルノ
イラミン酸硫酸エステルのNMRスペクトルを示す。
【図3】MTT法による吸光度と細胞数の相関図を示
す。
【図4】FGFの細胞増殖におけるN−アセチルノイラ
ミン酸の影響を示す。
【図5】FGFの細胞増殖におけるN−アセチルノイラ
ミン酸硫酸エステル(S−col 1. 88)の影響を
示す。
【図6】FGFの細胞増殖におけるN−アセチルノイラ
ミン酸硫酸エステル(S−col 0. 89)の影響を
示す。
【図7】N−アセチルノイラミン酸硫酸エステルが、3
7°C、 4°Cにおける無血清培地中では殆ど分解をし
ていないことを示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (54)【発明の名称】 N−アセチルノイラミン酸ホモポリマーの硫酸エステルを用いた線維芽細胞増殖因子(FGF) 活性化組成物、N−アセチルノイラミン酸ホモポリマーの硫酸エステルの合成方法、該合成方法 で合成したN−アセチルノイラミン酸ホモポリマーの硫酸エステル

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式(1)のN−アセチルノイラミン酸
    ホモポリマーの硫酸エステル又はその薬学的に許容され
    る塩を有効成分とする線維芽細胞増殖因子(FGF)活
    性化組成物。 【化1】 (式中、Rは同一又は異なって水素原子又はSO3 Hを
    示し、nは5−1000の整数を示す。)
  2. 【請求項2】前記式1において硫酸化度が1以上である
    ことを特徴とする請求項1に記載した線維芽細胞増殖因
    子(FGF)活性化組成物。
  3. 【請求項3】N−アセチルノイラミン酸ホモポリマーを
    トリブチルアミン塩化し、N−アセチルノイラミン酸ホ
    モポリマーのトリブチルアミン塩を有機溶媒に均一に溶
    解し、その後N−アセチルノイラミン酸ホモポリマーの
    トリブチルアミン塩を硫酸化することを特徴とする下記
    一般式(1)のN−アセチルノイラミン酸ホモポリマー
    硫酸エステルの合成方法。 【化2】 (式中、Rは同一又は異なって水素原子又はSO3 Hを
    示し、nは5―1000の整数を示す。但し,硫酸化度
    は0.5―3.0である。)
  4. 【請求項4】請求項3に記載の合成方法で合成したN−
    アセチルノイラミン酸ホモポリマーの硫酸エステル。
JP11964197A 1997-05-09 1997-05-09 N−アセチルノイラミン酸ホモポリマーの硫酸エステルを用いた線維芽細胞増殖因子(fgf)活性化組成物、n−アセチルノイラミン酸ホモポリマーの硫酸エステルの合成方法、該合成方法で合成したn−アセチルノイラミン酸ホモポリマーの硫酸エステル Withdrawn JPH10310602A (ja)

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