JPH04279527A - リジン又はアルギニン誘導体 - Google Patents

リジン又はアルギニン誘導体

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JPH04279527A
JPH04279527A JP3262791A JP3262791A JPH04279527A JP H04279527 A JPH04279527 A JP H04279527A JP 3262791 A JP3262791 A JP 3262791A JP 3262791 A JP3262791 A JP 3262791A JP H04279527 A JPH04279527 A JP H04279527A
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JP
Japan
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derivative
present
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sma
nmr
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Application number
JP3262791A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Kiyokawa
清川 博
Takashi Miyauchi
宮内 俊
Yasuo Yanagihara
康夫 柳原
Makoto Komatsu
真 小松
Shinichi Taira
伸一 平良
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Otsuka Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Otsuka Pharmaceutical Co Ltd
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Publication date
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  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規なリジン又はアルギ
ニン誘導体に関する。
【0002】
【従来技術とその課題】本発明誘導体は文献未載の新規
化合物であり、血管新生抑制作用を有している。
【0003】しかして、血管新生は、胚の成長、炎症性
の反応、糖尿病性網膜症、創傷治癒過程、癌や腫瘍の増
殖等に重要な役割を果たしていることが広く知られてい
る。例えば癌や腫瘍の増殖過程においては、その組織に
血管新生を伴う癌や腫瘍の増殖は、新生された血管によ
り栄養、酸素の供給、老廃物の排泄を必要とし、血管新
生に依存しているといえる。従って、血管新生を抑制す
ることにより、癌や腫瘍の増殖を抑制あるいは退縮させ
ることができるものと期待されている(Denekam
p J., 1984, Acta Radiolog
ica Oncology, 23, 217−225
, : Folkman J., 1976,Sci.
 Am., 234, 58− 78)。また、癌や腫
瘍以外においても、血管の異常増殖によって発症したり
、血管新生を伴う疾患である例えばリウマチ性関節炎、
糖尿病性網膜症、未熟児網膜症、老人性黄斑部変性、創
傷時の過剰瘢痕形成等に対しても血管新生の抑制により
治療が期待される。
【0004】本発明はかかる血管新生抑制作用を有する
新規なリジン又はアルギニン誘導体を提供することをそ
の目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、下記一
般式(1)
【0006】
【化8】 で表わされる構造単位と一般式(2)
【0007】
【化9】 〔各式中、l及びmはそれぞれ1〜5の整数を示し、p
は3又は4を示す。R1 はアミノ基、基
【0008】
【化10】 又は基
【0009】
【化11】 を示す。〕 で表わされる構造単位とを含有し、分子量が2000〜
20000の範囲にある共重合体であることを特徴とす
るリジン又はアルギニン誘導体並びに上記一般式(1)
で表わされる構造単位、一般式(3)
【0010】
【化12】 で表わされる構造単位及び一般式(2a)
【0011】
【化13】 〔各式中、l及びmはそれぞれ1〜5の整数を示す。〕
で表わされる構造単位を有し、分子量が2000〜20
000の範囲にある共重合体であることを特徴とするリ
ジン又はアルギニン誘導体が提供される。
【0012】本発明の上記リジン又はアルギニン誘導体
は、血管新生抑制作用を有しており、上記のように、血
管の異常増殖により発症したり、血管新生を伴う疾患で
ある、例えばリウマチ性関節炎、糖尿病性網膜症、未熟
児網膜症、老人性黄斑部変性、創傷時の過剰瘢痕形成等
の予防及び治療剤として、また癌や腫瘍の治療剤として
有用である。
【0013】以下、本発明誘導体の製造法につき詳述す
れば、該誘導体は例えば一般式(4)
【0014】
【化14】 〔式中qは1〜5の整数を示し、nは5〜50の整数を
示す。〕で表わされるスチレン−無水マレイン酸共重合
体に、L−(−)−α−アミノ−ε−カプロラクタムを
反応させて得られる共重合体を加水分解し、しかる後に
反応生成物をゲル濾過することにより製造される。上記
一般式(4)で表わされるスチレン−無水マレイン酸共
重合体としては、分子量が約1000〜20000(n
が約5〜50)のものがよく、特に分子量が約1600
〜10000のもの(nが約7〜20で且つqが1〜3
の整数)が好ましい。
【0015】上記スチレン−無水マレイン酸共重合体と
L−(−)−α−アミノ−ε−カプロラクタムとの反応
は、適当な溶媒中で実施される。ここで使用される溶媒
としては、例えばジオキサン、テトラヒドロフラン、ジ
エチルエーテル等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、
キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロホルム、ジクロ
ロメタン、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、
ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メ
チルピロリドン等の非プロトン性極性溶媒等を例示でき
る。
【0016】上記反応は、通常0〜150℃程度、好ま
しくは室温〜120℃付近の温度条件下に、1〜10時
間程度を要して行なわれる。該反応におけるスチレン−
無水マレイン酸共重合体の使用量は、L−(−)−α−
アミノ−ε−カプロラクタムに対して、通常0.5〜1
0倍重量程度、好ましくは0.5〜2倍重量程度とする
のがよい。かくして、所望の共重合体を収得できる。
【0017】上記に引き続く共重合体の加水分解反応は
、適当な溶媒中、塩基性化合物の存在下に実施できる。 用いられる溶媒としては、例えば水、メタノール、エタ
ノール、イソプロパノール等の低級アルコール類、アセ
トン、メチルエチルケトン等のケトン類、ジオキサン、
テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエー
テル等のエーテル類、之等の混合溶媒等を例示できる。 また塩基性化合物としては、例えば炭酸ナトリウム、炭
酸カリウム等の金属炭酸塩や水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム、水酸化カルシウム等の金属水酸化物等を例示
できる。
【0018】上記加水分解反応は、通常室温〜200℃
程度、好ましくは室温〜150℃付近の温度条件下に好
適に進行し、一般に0.5〜10時間程度で終了する。 該反応条件では、反応時間によっては前記構造単位(1
)と(2a)と(3)とからなる共重合体が主に生成す
る。
【0019】また上記に引き続く加水分解反応生成物の
ゲル濾過は、適当な担体を用いて通常の方法に従い実施
できる。ここでゲル濾過担体としては排除限界分子量が
球状蛋白で約50000〜150000、好ましくは約
60000〜100000であるものの中から選ばれる
のがよく、特に本発明のリジン又はアルギニン誘導体の
分離に適した上記担体の市販品としては、セファデック
スG−75及び同G−100(いずれもファルマシア社
製)を例示できる。上記ゲル濾過は基本的には常法に従
うことができ、その条件は溶出液のクロマトグラムによ
って分離状態を判断して、好ましいものを任意に選定す
ればよい。
【0020】かくして本発明誘導体を収得できる。
【0021】また本発明誘導体は、以下の方法によって
も製造できる。即ち、上記方法で用いられると同様のス
チレン−無水マレイン酸共重合体に、一般式(5)
【0
022】
【化15】 又は一般式(6)
【0023】
【化16】 〔各式中、R2 はフェニル低級アルコキシカルボニル
基を、R3 はフェニル低級アルキル基を、またR4 
はニトロ基、フェニル低級アルコキシカルボニル基、フ
ェニル環上に低級アルキル基及び低級アルコキシ基なる
群より選ばれる基を有することのあるフェニルスルホニ
ル基をそれぞれ示す。〕 で表わされる化合物を反応させ、得られる共重合体を脱
保護基反応させ、しかる後に反応生成物をゲル濾過する
ことによっても本発明誘導体を収得できる。
【0024】上記一般式(5)及び(6)において、R
2 、R3 及びR4 で示される各基としては、より
具体的にはそれぞれ次の通りである。
【0025】即ち、フェニル低級アルキコキシカルボニ
ル基としては、例えばフェニルメトキシカルボニル、2
−フェニルエトキシカルボニル、1−フェニルエトキシ
カルボニル、3−フェニルプロポキシカルボニル、4−
フェニルブトキシカルボニル、5−フェニルペンチルオ
キシカルボニル、6−フェニルヘキシルオキシカルボニ
ル、1,1−ジメチル−2−フェニルエトキシカルボニ
ル、2−メチル−3−フェニルプロポキシカルボニル基
等のアルコキシカルボニル部分が炭素数1〜6の直鎖も
しくは分岐鎖状アルコキシ基を有するものであるフェニ
ルアルコキシカルボニル基を例示できる。
【0026】またフェニル低級アルキル基としては、例
えばベンジル、2−フェニルエチル、1−フェニルエチ
ル、3−フェニルプロピル、4−フェニルブチル、5−
フェニルペンチル、6−フェニルヘキシル、1,1−ジ
メチル−2−フェニルエチル、2−メチル−3−フェニ
ルプロピル基等のアルキル部分が炭素数1〜6の直鎖も
しくは分岐鎖状アルキル基であるフェニルアルキル基を
例示できる。
【0027】フェニル環上に低級アルキル基及び低級ア
ルコキシ基なる群より選ばれる基を有することのあるフ
ェニルスルホニル基としては、例えばフェニルスルホニ
ル、p−トルエンスルホニル、p−メトキシベンゼンス
ルホニル、メシチレン−2−スルホニル、4−メトキシ
−2,6−ジメチルベンゼンスルホニル基等のフェニル
環上に炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐鎖状アルキル基
及び炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐鎖状アルコキシ基
なる群より選ばれる基を1〜3個有することのあるフェ
ニルスルホニル基を例示できる。
【0028】上記方法におけるスチレン−無水マレイン
酸共重合体と化合物(5)又は化合物(6)との反応は
、前記スチレン−無水マレイン酸共重合体とL−(−)
−α−アミノ−ε−カプロラクタムとの反応と同様の条
件下に実施できる。
【0029】上記で得られる共重合体の脱保護基反応は
、一般的な加水分解反応又は還元反応により実施できる
。該加水分解反応はより詳しくは、例えば適当な溶媒中
で又は無溶媒で、酸の存在下に実施される。ここで用い
られる溶媒としては例えば水、メタノール、エタノール
、イソプロパノール等の低級アルコール類、アセトン、
メチルエチルケトン等のケトン類、ジオキサン、テトラ
ヒドロフラン、ジエチレングリコールジメチルエーテル
等のエーテル類、酢酸、蟻酸、トリフルオロ酢酸等の脂
肪酸類、之等の混合溶媒等を例示できる。酸としては例
えば塩酸、硫酸、臭化水素酸等の鉱酸や蟻酸、酢酸、ト
リフルオロメタンスルホン酸、芳香族スルホン酸等の有
機酸を例示できる。反応は、通常0〜100℃程度、好
ましくは0〜70℃程度にて好適に進行し、一般に0.
5〜10時間程度で終了する。尚、上記加水分解反応に
は、カチオンラジカルスカベンジャー及び切断促進剤と
してチオアニソール、アニソール、エタンジオール等や
之等の混合物を添加利用するのがよい。
【0030】また還元反応はより詳しくは、例えば適当
な溶媒中、触媒の存在下に実施される。ここで用いられ
る溶媒としては例えば水、酢酸、メタノール、エタノー
ル、イソプロパノール等のアルコール類、ヘキサン、シ
クロヘキサン等の炭化水素類、ジオキサン、テトラヒド
ロフラン、ジエチルエーテル、ジエチレングリコールジ
メチルエーテル等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸メチ
ル等のエステル類、N,N−ジメチルホルムアミド等の
非プロトン性極性溶媒、之等の混合溶媒等を例示できる
。触媒としては例えばパラジウム、パラジウム−黒、パ
ラジウム−炭素、白金、酸化白金、亜クロム酸銅、ラネ
ーニッケル等を例示できる。上記触媒は出発原料に対し
て一般に0.02〜1倍重量程度用いるのがよい。
【0031】尚、上記還元反応は、蟻酸、シクロヘキセ
ン、抱水ヒドラジン、蟻酸アンモニウム等の水素供与剤
を用いて、通常室温〜150℃程度、好ましくは室温〜
100℃程度にて、1〜6時間程度反応させることによ
っても実施できる。
【0032】上記脱保護反応に引き続くゲル濾過は、前
記したそれと同様の条件下に行ない得る。
【0033】かくして本発明の目的とするリジン又はア
ルギニン誘導体を収得できる。
【0034】本発明誘導体は血管新生阻害剤として有効
であり、該誘導体を有効成分とする血管新生阻害剤は、
通常上記有効成分化合物と共に、適当な製剤担体を用い
て、一般的な医薬製剤組成物の形態とされ実用される。
【0035】上記医薬製剤組成物は、該製剤の使用形態
に応じて、通常使用される充填剤、増量剤、結合剤、付
湿剤、崩壊剤、表面活性剤、滑沢剤等の希釈剤あるいは
賦形剤を用いて調製される。この医薬製剤としては各種
の形態が治療目的に応じて選択でき、その代表的なもの
としては例えば錠剤、丸剤、散剤、液剤、懸濁剤、乳剤
、顆粒剤、カプセル剤、坐剤、注射剤(液剤、懸濁剤等
)等を例示できる。錠剤の形態に成形するに際しては、
担体としてこの分野で従来よりよく知られている各種の
ものを広く使用できる。その例としては、例えば乳糖、
白糖、塩化ナトリウム、ブドウ糖、尿素、デンプン、炭
酸カルシウム、カオリン、結晶セルロース、ケイ酸、リ
ン酸カリウム等の賦形剤、水、エタノール、プロパノー
ル、単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン溶
液、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピル
セルロース、メチルセルロース、リン酸カリウム、ポリ
ビニルピロリドン等の結合剤、カルボキシメチルセルロ
ースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウ
ム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、乾燥デン
プン、アルギン酸ナトリウム、カンテン末、ラミナラン
末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム等の崩壊剤、
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ラウ
リル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド等の
界面活性剤、白糖、ステアリン、カカオバター、水素添
加油等の崩壊抑制剤、第4級アンモニウム塩基、ラウリ
ル硫酸ナトリウム等の吸収促進剤、グリセリン、デンプ
ン等の保湿剤、デンプン、乳糖、カオリン、ベントナイ
ト、コロイド状ケイ酸等の吸着剤、精製タルク、ステア
リン酸塩、ホウ酸末、ポリエチレングリコール等の滑沢
剤等を使用できる。更に錠剤は必要に応じ通常の剤皮を
施した錠剤、例えば糖衣錠、ゼラチン被包錠、腸溶被錠
、フイルムコーテイング錠あるいは二重錠、多層錠とす
ることもできる。丸剤の形態に成形するに際しては、担
体としてこの分野で従来公知のものを広く使用できる。 その例としては、例えばブドウ糖、乳糖、デンプン、カ
カオ脂、硬化植物油、カオリン、タルク等の賦形剤、ア
ラビアゴム末、トラガント末、ゼラチン、エタノール等
の結合剤、ラミナラン、カンテン等の崩壊剤等を例示で
きる。坐剤の形態に成形するに際しては、担体として従
来公知のものを広く使用できる。その例としては、例え
ばポリエチレングリコール、カカオ脂、高級アルコール
、高級アルコールのエステル類、ゼラチン、半合成グリ
セライド等を例示できる。カプセル剤は常法に従い、通
常本発明の有効成分化合物を、上記で例示した各種の製
剤担体と混合して、硬質ゼラチンカプセル、軟質カプセ
ル等に充填して調製される。本発明薬剤が液剤、乳剤、
懸濁剤等の注射剤として調製される場合、之等は殺菌さ
れ且つ血液と等張であるのが好ましく、之等の形態に成
形するに際しては、希釈剤としてこの分野において慣用
されているものをすべて使用できる。その例としては、
例えば水、エチルアルコール、マクロゴール、プロピレ
ングリコール、エトキシ化イソステアリルアルコール、
ポリオキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエ
チレンソルビタン脂肪酸エステル類等を例示できる。尚
、この場合等張性の溶液を調製するのに充分な量の食塩
、ブドウ糖、グリセリン等を、本発明薬剤中に含有させ
ることもでき、また通常の溶解補助剤、緩衝剤、無痛化
剤等を添加してもよい。更に、本発明薬剤中には、必要
に応じて着色剤、保存剤、香料、風味剤、甘味剤等や他
の医薬品を含有させることもできる。
【0036】本発明の血管新生阻害剤中に含有されるべ
き有効成分化合物の量は、特に限定されず広範囲から適
宜選択されるが、通常製剤組成物中に約1〜70重量%
、好ましくは約5〜50重量%含有される量とするのが
よい。
【0037】本発明血管新生阻害剤の投与方法は、特に
制限はなく、各種製剤形態、患者の年齢、性別その他の
条件、疾患の程度等により適宜選択される。例えば錠剤
、丸剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤、カプセル剤等の
場合には、経口投与される。また注射剤の場合には単独
でもしくはブドウ糖、アミノ酸等の通常の補液と混合し
て静脈内投与され、更に必要に応じて単独で筋肉内、皮
内、皮下もしくは腹腔内投与される。坐剤の場合には直
腸内投与される。
【0038】本発明血管新生阻害剤の投与量は、用法、
患者の年齢、性別その他の条件、疾患の程度等により適
宜選択されるが、通常有効成分である本発明誘導体の量
が一日当り体重1kg当り約0.6〜100mg程度と
するのがよく、また投与単位形態の製剤中には上記有効
成分化合物が約10〜1000mg程度の範囲で含有さ
れるのが望ましい。該製剤は1日に1〜4回に分けて投
与することができる。
【0039】
【実施例】以下、本発明を更に詳しく説明するため、本
発明誘導体の製造例を実施例として挙げ、次いで実施例
で得た誘導体を有効成分とした薬理試験例を挙げる。
【0040】
【実施例1】スチレン−無水マレイン酸共重合体(一般
式(4):q=1、n=平均8、商品名:SMA−10
00、ARCO Chemical 社製)2.0gを
ジオキサン50mlに溶解し、これにL−ε−ベンジル
エステルカルボニルリジンベンジルエステル(L−Ly
s(Z)−OBn)4.0gを加え、4時間還流した。 溶媒を留去し、残渣にジエチルエーテルを加えて結晶化
後、結晶を濾取し、乾燥して、白色粉末として4.6g
の付加体を得た。以下これを「SMA−1000−Ly
s(Z)−OBn 」という。融点:92〜110℃、
IRスペクトル:図1に示す。
【0041】 1H−NMRスペクトル:図2に示す。 元素分析値(%):H6.43  C68.63  N
4.35 IR(KBr)νmax (cm−1):3350(m
)、1720(s)、1670(m)、1530(s)
、1250(s)、705(s)  1H−NMR(CDCl3 )δ(ppm ):0.
9−2.1(m)、2.7−3.2(m)、4.1−4
.7(m)、4.7−5.4(m)、6.5−7.5(
m)上記付加体 [SMA−1000−Lys(Z)−
OBn ] の4.0gをトリフルオロ酢酸50mlに
溶解し、氷冷下、チオアニソール6.2g及びトリフル
オロメタンスルホン酸7.5gを加え、同温度にて2時
間攪拌した。反応液にジエチルエーテルを加え、析出晶
を濾取した。得られた粗結晶を水に溶解し、水酸化ナト
リウムでアルカリ性として濾過後、濾液を1N  HC
lでpH=4.0とし、析出晶を濾取し、水洗、乾燥し
て、白色粉末として1.6gのSMA−1000のリジ
ン付加体を得た。以下これを「SMA−1000−Ly
s−1」という。融点:300℃以上、IRスペクトル
:図3に示す。
【0042】 1H−NMRスペクトル:図4に示す。 13C−NMRスペクトル:図5に示す。 UVスペクトル:図6に示す。 元素分析値(%):H6.56  C57.10  N
5.80 IR(KBr)νmax (cm−1):3400(s
)、1720(s)、1640(s)、1580(s)
、710(m)  1H−NMR(D槇O+NaOD)δ(ppm ):
0.5−1.7(m)、1.7−2.7(m)、3.2
−4.1(m)、6.3−7.7(m) 13C−NMR(DMSO−d6 ):δ(ppm )
:22.2、26.2、31.4、39.1、44.9
、54.5、128.4、140.5、174.3、1
77.9UV(1N  NaOH)λmax (nm)
:250、220
【0043】
【実施例2】SMA−1000の14.3gをジオキサ
ン286mlに溶解し、100℃にて攪拌下、これにL
−(−)−α−アミノカプロラクタム9.0gのジオキ
サン428ml懸濁液を加えた。同温度にて3時間攪拌
後、冷却し、ジエチルエーテル1500mlを加え、結
晶を濾取し、乾燥して、白色粉末として23.5gの付
加体を得た。以下これを「SMA−1000−lact
am 」という。融点:300℃以上、IRスペクトル
:図7に示す。
【0044】 1H−NMRスペクトル:図8に示す。 元素分析値(%):H6.79  C60.55  N
7.45 IR(KBr)νmax (cm−1):3375(m
)、1720(m)、1650(s)、700(m) 
1H−NMR(D2 O+NaOD)δ(ppm ):
0.8−2.6(m)、2.7−3.2(m)、4.0
−4.3(m)、6.2−7.4(m) 上記付加体 [SMA−1000−lactam]の3
4.0gを0.5MK2 CO3 450mlに加え、
1時間還流した。冷却後、4N  HClで酸性とし、
析出晶を濾取し、水洗、乾燥して、白色粉末として19
.0gのSMA−1000のリジン付加体を得た。以下
これを「SMA−1000−Lys−2」という。
【0045】このSMA−1000−Lys−2は、前
記式(3)の部分構造を有することがIRスペクトルよ
り推定できる。 融点:300℃以上、IRスペクトル:図9に示す。
【0046】 1H−NMRスペクトル:図10に示す
。 UVスペクトル:図11に示す。 元素分析値(%):H6.66  C61.46  N
6.82 IR(KBr)νmax (cm−1):3375(s
)、1720(s)、1650(s)、710(m) 
1H−NMR(D2 O+NaOD)δ(ppm ):
0.8−2.8(m)、2.8−3.3(m)、4.0
−4.3(m)、6.1−7.3(m) UV(1N  NaOH)λmax (nm):258
、225
【0047】
【実施例3】SMA−1000の2.0gをジオキサン
50mlに溶解し、これにL−ω−ニトロアルギニンベ
ンジルエステル(Arg(NO2 )−OBn )3.
0gを加え、5時間還流した。溶媒を留去し、残渣にジ
エチルエーテルを加えて結晶化後、結晶を濾取し、乾燥
して、白色粉末として3.4gの付加体を得た。以下こ
れを「 SMA−1000−Arg(NO2 )−OB
n 」という。融点:185〜200℃、IRスペクト
ル:図12に示す。
【0048】 1H−NMRスペクトル:図13に示す
。 元素分析値(%):H5.82  C61.20  N
9.62 IR(KBr)νmax (cm−1):3400(m
)、3300(m)、1740(s)、1630(s)
、1600(s)、1270(s)、705(m) 1
H−NMR(DMSO−d6 )δ(ppm ):0.
9−3.6(m)、3.7−4.5(m)、4.7−5
.3(m)、6.3−7.6(m)、7.6−8.7(
m)上記付加体[SMA−1000−Arg(NO2 
)−OBn]3.0gをジメチルホルムアミド50ml
に溶解し、これに10%パラジウム−炭素1.0gを加
えて攪拌下、蟻酸アンモニウム8.0gを一度に加えた
後、室温にて4時間攪拌した。 触媒を濾去し、濾液を濃縮後、水を加え、塩酸酸性(p
H=1)とし、析出晶を濾取し、乾燥して、白色粉末と
して1.7gのSMA−1000のニトロアルギニン付
加体を得た。以下これを「 SMA−1000−Arg
(NO2 ) 」という。 融点:300℃以上、IRスペクトル:図14に示す。
【0049】 1H−NMRスペクトル:図15に示す
。 13C−NMRスペクトル:図16に示す。 UVスペクトル:図17に示す。 セファデックスG−75(ファルマシア社製)ゲル濾過
溶出パターン:図18に示す。尚、上記ゲル濾過条件は
次の通りである。 カラムサイズ:1.5径×97cm 溶出溶媒:PBS−(Phosphate Buffe
r Saline 、pH7.4、Ca++及びMg+
+なし) SMA−1000−Arg(NO2 ) :PBS−に
懸濁し、1N−NaOHにて溶解し、50mg/mlに
調製した。その1mlをカラムにアプライし、カラム壁
を溶媒で洗浄後、溶出した。 マーカー:SODIUM POLY(STYRENE 
SULFONATE),MW=4000, 16000
, 88000 マーカーはそのままPBS− に溶解
して溶出した。 流速:10分/フラクション(2.6ml)方法: S
MA−1000−Arg(NO槇) はフラクション当
り2.6ml、10分にて分取し、日立200型分光光
度計(OD220 nm)にて測定した。マーカーは3
つ混合し、SMA−1000−Arg(NO2 ) と
は別に溶出した。 元素分析値(%):H5.91  C57.75  N
10.87 IR(KBr)νmax (cm−1):3400(m
)、3300(m)、1720(s)、1640(s)
、1600(s)、1270(s)、705(m) 1
H−NMR(D2 O+NaOD)δ(ppm ):0
.8−2.7(m)、2.7−3.2(m)、3.3−
4.2(m)、6.0−7.5(m) 13C−NMR(DMSO−d6 ):δ(ppm )
:24.8、28.4、35.0、42.8、52.0
、126.0、127.9、140.5、160.3、
172.9 UV(1N  NaOH)λmax (nm):252
、224
【0050】
【実施例4】スチレン−無水マレイン酸共重合体[一般
式(4):q=2、n=平均8、商品名:SMA−20
00、ARCO Chemical 社製]の4.0g
をジオキサン100mlに溶解し、これにL−ω−ニト
ロアルギニンベンジルエステル(Arg(NO2 )−
OBn )4.1gを加え、5時間還流した。その後、
実施例3と同様に処理して、白色粉末として7.0gの
付加体を得た。以下これを「 SMA−2000−Ar
g(NO2 )−OBn」という。 融点:175〜190℃、IRスペクトル:図19に示
す。
【0051】 1H−NMRスペクトル:図20に示す
。 元素分析値(%):H6.14  C62.95  N
10.79 IR(KBr)νmax (cm−1):3400(m
)、3320(m)、1740(s)、1630(s)
、1600(s)、1265(s)、705(s) 1
H−NMR(DMSO−d6 )δ(ppm ):0.
7−2.7(m)、2.8−3.7(m)、3.7−4
.4(m)、4.8−5.3(m)、6.2−8.8(
m)上記付加体[SMA−2000−Arg(NO2 
)−OBn]6.0gをジメチルホルムアミド120m
lに溶解し、これに10%パラジウム−炭素2.8gを
加えて攪拌下、蟻酸アンモニウム15gを一度に加えた
後、室温にて3時間攪拌した。その後、実施例3と同様
に処理して、白色粉末として3.8gのSMA−200
0のニトロアルギニン付加体(以下これを「 SMA−
2000−Arg(NO2 ) 」という)を得た。 融点:200〜220℃、IRスペクトル:図21に示
す。
【0052】 1H−NMRスペクトル:図22に示す
。 13C−NMRスペクトル:図23に示す。 元素分析値(%):H6.14  C59.02  N
12.16 IR(KBr)νmax (cm−1):3400(s
)、3320(s)、1720(s)、1640(s)
、1605(s)、1270(s)、705(s) 1
H−NMR(DMSO−d6 )δ(ppm ):0.
7−2.6(m)、2.6−3.3(m)、3.3−4
.6(m)、6.0−8.8(m) 13C−NMR(DMSO−d6 ):δ(ppm )
:24.8、28.6、34.4、42.8、51.9
、125.8、127.8、140.8、144.0、
159.3、172.8
【0053】
【実施例5】スチレン−無水マレイン酸共重合体[一般
式(4):q=3、n=平均7、商品名:SMA−30
00、ARCO Chemical 社製]の5.4g
をジオキサン100mlに溶解し、これにL−ω−ニト
ロアルギニンベンジルエステル(Arg(NO2 )−
OBn )4.1gを加え、5時間還流した。その後、
実施例3と同様に処理して、白色粉末として7.8gの
付加体を得た。以下これを「 SMA−3000−Ar
g(NO2 )−OBn」という。 融点:180〜190℃、IRスペクトル:図24に示
す。
【0054】 1H−NMRスペクトル:図25に示す
。 元素分析値(%):H6.40  C66.63  N
9.11 IR(KBr)νmax (cm−1):3400(m
)、3330(m)、1740(s)、1630(s)
、1600(s)、1450(s)、1265(s)、
705(s)  1H−NMR(DMSO−d6 )δ(ppm ):
0.9−2.6(m)、2.8−3.3(m)、3.7
−4.4(m)、4.8−5.3(m)、6.3−7.
5(m)、7.6−8.7(m) 上記付加体[SMA−3000−Arg(NO2 )−
OBn]6.5gをジメチルホルムアミド120mlに
溶解し、これに10%パラジウム−炭素3.0gを加え
て攪拌下、蟻酸アンモニウム15gを一度に加えた後、
室温にて3時間攪拌した。その後、実施例3と同様に処
理して、白色粉末として3.9gのSMA−3000の
ニトロアルギニン付加体(以下これを「 SMA−30
00−Arg(NO2 ) 」という)を得た。 融点:200〜220℃、IRスペクトル:図26に示
す。
【0055】 1H−NMRスペクトル:図27に示す
。 13C−NMRスペクトル:図28に示す。 元素分析値(%):H6.42  C64.10  N
10.42 IR(KBr)νmax (cm−1):3400(m
)、3320(m)、1720(s)、1635(s)
、1605(s)、1270(s)、705(s) 1
H−NMR(DMSO−d6 )δ(ppm ):0.
8−2.7(m)、2.7−3.4(m)、3.4−4
.5(m)、4.6−5.2(m)、6.0−7.6(
m)、7.6−8.8(m) 13C−NMR(DMSO−d6 ):δ(ppm )
:24.8、28.3、34.3、42.8、51.6
、125.5、127.8、142.0、144.0、
159.3、172.6
【0056】
【実施例6】SMA−1000の1.8gとL−ω−p
−トルエンスルホニルアルギニンベンジルエステル(A
rg(p−Ts)−OBn )5.2gとをジオキサン
100mlに溶解し、4時間還流した。溶媒を留去し、
残渣にジエチルエーテルを加えて結晶化後、結晶を濾取
し、乾燥して、白色粉末として6.3gの付加体を得た
。以下これを「SMA−1000−Arg(p−Ts)
−OBn」という。 融点:140〜155℃、IRスペクトル:図29に示
す。
【0057】 1H−NMRスペクトル:図30に示す
。 元素分析値(%):H5.92  C61.70  N
8.26 IR(KBr)νmax (cm−1):3400(m
)、3330(m)、1750(s)、1640(s)
、1565(s)、1280(m)、1190(m)、
1150(s)、710(m)  1H−NMR(DMSO−d6 )δ(ppm ):
0.9−2.2(m)、2.3(s)、2.4−3.3
(m)、3.6−4.5(m)、4.8−5.3(m)
、6.2−7.5(m)、7.5−7.8(m)上記付
加体[SMA−1000−Arg(p−Ts)−OBn
]の5.0gをトリフルオロ酢酸50mlに溶解し、氷
冷下にこれにチオアニソール7.0g及びトリフルオロ
メタンスルホン酸8.5gを加え、同温度にて1時間、
次いで室温にて2時間攪拌した。反応液にジエチルエー
テルを加えて析出晶を濾取した。得られた粗結晶を水酸
化ナトリウム水溶液に懸濁させ、1N−HClでpH=
5とし、攪拌後、結晶を濾取し、水洗し、乾燥して、白
色粉末として2.9gのアルギニン付加体を得た。以下
これを「SMA−1000−Arg」という。 融点:300℃以上、IRスペクトル:図31に示す。
【0058】 1H−NMRスペクトル:図32に示す
。 元素分析値(%):H5.50  C52.72  N
9.42 IR(KBr)νmax (cm−1):3400(s
)、1660(s)  1H−NMR(DMSO−d6 )δ(ppm ):
0.8−2.4(m)、2.4−4.5(m)、6.2
−8.0(m)
【0059】
【実施例7】SMA−2000の2.8gとArg(p
−Ts)−OBn 5.2gとを用いて、実施例6と同
様にして、白色粉末として6.8gの付加体を得た。以
下これを「SMA−2000−Arg(p−Ts)−O
Bn」という。 融点:140〜155℃、IRスペクトル:図33に示
す。
【0060】 1H−NMRスペクトル:図34に示す
。 元素分析値(%):H6.07  C65.14  N
7.14 IR(KBr)νmax (cm−1):3400(m
)、3300(m)、1760(s)、1640(s)
、1570(s)、1280(m)、1190(m)、
1155(s)、710(s)  1H−NMR(DMSO−d6 )δ(ppm ):
0.9−2.2(m)、2.3(s)、2.4−3.2
(m)、3.8−4.4(m)、4.8−5.3(m)
、6.2−7.4(m)、7.5−7.8(m)上記付
加体[SMA−2000−Arg(p−Ts)−OBn
]5.5gをトリフルオロ酢酸55mlに溶解し、これ
にチオアニソール6.6g及びトリフルオロメタンスル
ホン酸8.0gを加え、以下、実施例6と同様に処理す
ることにより、白色粉末として3.4gの付加体を得た
。以下これを「SMA−2000−Arg」という。 融点:300℃以上、IRスペクトル:図35に示す。
【0061】 1H−NMRスペクトル:図36に示す
。 元素分析値(%):H6.15  C61.04  N
8.37 IR(KBr)νmax (cm−1):3370(s
)、1665(s)、705(s)  1H−NMR(DMSO−d6 )δ(ppm ):
0.7−2.4(m)、2.4−4.5(m)、6.0
−8.2(m)
【0062】
【実施例8】SMA−3000の3.8gとArg(p
−Ts)−OBn 5.2gとを用いて、実施例6と同
様にして、白色粉末として7.5gの付加体を得た。以
下これを「SMA−3000−Arg(p−Ts)−O
Bn」という。融点:140〜155℃、IRスペクト
ル:図37に示す。
【0063】 1H−NMRスペクトル:図38に示す
。 元素分析値(%):H6.28  C67.89  N
6.38 IR(KBr)νmax (cm−1):3380(m
)、3300(m)、1760(s)、1645(s)
、1575(s)、1280(s)、1190(s)、
715(s)  1H−NMR(DMSO−d6 )δ(ppm ):
0.9−2.2(m)、2.3(s)、2.4−3.5
(m)、3.7−4.6(m)、4.8−5.3(m)
、6.1−7.4(m)、7.5−7.8(m)上記付
加体[SMA−3000−Arg(p−Ts)−OBn
]6.3gをトリフルオロ酢酸60mlに溶解し、これ
とチオアニソール6.3g及びトリフルオロメタンスル
ホン酸7.6gとを用いて、実施例6と同様に処理する
ことにより、白色粉末として4.3gの付加体を得た。 以下これを「SMA−3000−Arg」という。 融点:300℃以上、IRスペクトル:図39に示す。
【0064】 1H−NMRスペクトル:図40に示す
。 元素分析値(%):H6.15  C62.51  N
7.22IR(KBr)νmax (cm−1):33
50(s)、1670(s)、705(s)  1H−NMR(DMSO−d6 )δ(ppm ):
0.7−2.7(m)、2.7−4.4(m)、6.0
−8.2(m)
【0065】
【実施例9】実施例3と同様にして得られた SMA−
1000−Arg(NO2 ) の5gを50mlのP
BS−に懸濁させ、これに1N  NaOHを15.5
ml加えて溶解させ、PBS−で100mlにメスアッ
プした(pH7.2)。これをセファデックスG−75
(ファルマシア社製)を詰めたカラムサイズ13径×9
5cmのカラムにアプライし、PBS−にて溶出した。 流速は10分/フラクション(225ml)とし、各フ
ラクションは、日立200型分光光度計(OD220 
nm)にて測定した。之等のフラクションの内、活性フ
ラクションNo.43〜52(液量2340ml)を集
めた。図41にこの時のゲル濾過溶出パターンと分取し
たフラクションの範囲を示す。集めたフラクションは1
NHClを滴下してpHを3.5とし、沈殿物を100
00rpm で10分間遠心して集め、水:エタノール
=1:1で洗浄後、乾燥することにより、白色粉末1.
1gを得た。以下これを「 SMA−1000−Arg
(NO2 )−Fr.A」という。 融点:230〜300℃(発泡)、IRスペクトル:図
42に示す。
【0066】 1H−NMRスペクトル:図43に示す
。 13C−NMRスペクトル:図44に示す。 UVスペクトル:図45に示す。 セファデックスG−75(ファルマシア社製)ゲル濾過
溶出パターン:図46に示す。
【0067】尚、上記のゲル濾過条件は実施例3に記し
た方法に準じて、カラムサイズ2.5径×46cm、流
速10分/フラクション(3.2ml)とした。また、
「 SMA−1000−Arg(NO2 )−Fr.A
」は、50mg/mlを1mlアプライし、溶出した。 別に対照として「 SMA−1000−Arg(NO2
 ) 」を同様にして50mg/mlを1.1mlアプ
ライし溶出した。 元素分析値(%):H5.67  C51.78  N
13.60 IR(KBr)νmax (cm−1):3400(m
)、3300(m)、1720(s)、1630(s)
、1600(s)、1270(s)、700(m) 1
H−NMR(D2 O+NaOD)δ(ppm ):0
.8−2.7(m)、2.7−3.2(m)、3.3−
4.2(m)、6.0−7.5(m) 13C−NMR(DMSO−d6 )δ(ppm ):
24.6、27.3、28.5、35.0、43.0、
52.0、126.0、127.8、128.3、14
0.5、159.2、173.0 UV(1N  NaOH)λmax (nm):246
、221
【0068】薬理試験例I 〈血管新生阻害作用試験〉 (1)培養内皮細胞(Fetal bovine he
art derived endothelial c
ell, FBHE )の調製FBHEは、ATCCか
ら購入したものを、10%ウシ胎児血清(FBS, F
atal bovine serum )を添加したダ
ルベッコ改良イーグル培地(DME、 Dulbecc
o’s Modified Eagle Medium
,日水製薬社製)に、線維芽細胞成長因子(FGF、F
ibroblast Growth Factor, 
R&D社製)4ng/mlを加えた培養液で継代培養維
持して利用した。
【0069】実験開始2日前に培養液からFGFを抜き
、上記10%FBS加DMEで培養し、実験開始時に、
まず培養液を抜取り、そこにリン酸緩衝生理食塩水溶液
(PBS(−) , Posphsate  buff
er saline solution, 日水製薬社
製)を加え軽くリンスした。次にそのPBS(−) を
抜取り、続いて0.1%EDTA−0.2%トリプシン
溶液を適宜加えて軽くリンスした後、抜取り、細胞を剥
がした。剥がした細胞を10%FBS加DMEを加えて
よくピペッティングした後、遠心管に移し、遠心(12
00rpm 、5分間)洗浄した。
【0070】生細胞数は、トリパンブルーにて死細胞を
染色し差引いて、血球計算板を用いてカウントした。細
胞濃度は3×103 細胞/ウェルとなるように10%
FBS加DMEにて調製した。かくして細胞懸濁液を調
製した。 (2)供試薬物の調製 供試化合物は、ナトリウム塩として生理食塩水に溶解さ
せた後、10%FBS加DMEで希釈して用いた。
【0071】供試薬物濃度は、10μg/ml又は10
0μg/mlから段階的に倍々希釈して用いた。 (3)実験操作 次の手順で行なった。即ち、まず96穴マルチプレート
(コーニング社製)に50μlずつ10%FBS加DM
Eを入れ、次に最終最高濃度が10μg/mlになるよ
うに調製した供試薬物溶液50μlを最高濃度のウェル
に入れ、そこから段階的にプレート上で希釈を行なった
。 更に50μlのFGF(2ng/ml)を各ウェルに加
え、最後に細胞懸濁液を100μlずつ加えた(FGF
の最終濃度1.0ng/ml)。以上の操作で作成した
プレートを炭酸ガスインキュベーター内で3日間培養し
た。
【0072】培養3日目に各ウェルにニュートラルレッ
ドを加え、2時間炭酸ガスインキュベーターに入れ、細
胞に色素を取込ませた。色素を取込ませた後、ウェルに
1%グルタールアルデヒドを50μlずつ加えて室温で
15分間固定した。生理食塩水で2回洗浄し、最後にア
シッドアルコール(0.1モルリン酸1ナトリウム水溶
液とエタノールとの1:1混合液)を100μlずつウ
ェルに加え、取込ませた色素を溶出させ、その吸光度を
吸光度計(波長540nm) で測定した。 (4)効果判定とIC50値の測定 FGF添加及びFGF無添加(正常状態)のそれぞれに
ついて、各希釈倍率の供試薬物を用いて、上記(3)に
従い測定された吸光度値をグラフにプロットし、該グラ
フから培養内皮細胞(FBHE)の増殖を50%抑制す
る供試薬物濃度を求め、これをIC50値とした。
【0073】上記で求められたIC50値(μg/ml
)が0.3以下を++++、0.3〜1を+++、1〜
10を++、10〜100を+及び100以上を−とし
て効力評価し、得られた結果を下記第1表に示す。
【0074】
【表1】
【0075】第1表より、本発明のリジン及びアルギニ
ン誘導体は、いずれも高活性且つ高選択性を示すことが
判る。
【0076】以上のことから、本発明化合物は血管新生
を伴う癌や腫瘍、リウマチ性関節炎、糖尿病性網膜症、
未熟児網膜症、老人性黄斑部変性、創傷時の過剰瘢痕形
成等に対しても血管新生の抑制による治癒と副作用の少
ないことが判る。
【0077】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた本発明誘導体のIRスペク
トル図である。
【図2】実施例1で得られた本発明誘導体の 1H−N
MRスペクトル図である。
【図3】実施例1で得られた本発明誘導体のIRスペク
トル図である。
【図4】実施例1で得られた本発明誘導体の 1H−N
MRスペクトル図である。
【図5】実施例1で得られた本発明誘導体の13C−N
MRスペクトル図である。
【図6】実施例1で得られた本発明誘導体のUVスペク
トル図である。
【図7】実施例2で得られた本発明誘導体のIRスペク
トル図である。
【図8】実施例2で得られた本発明誘導体の 1H−N
MRスペクトル図である。
【図9】実施例2で得られた本発明誘導体のIRスペク
トル図である。
【図10】実施例2で得られた本発明誘導体の 1H−
NMRスペクトル図である。
【図11】実施例2で得られた本発明誘導体のUVスペ
クトル図である。
【図12】実施例3で得られた本発明誘導体のIRスペ
クトル図である。
【図13】実施例3で得られた本発明誘導体の 1H−
NMRスペクトル図である。
【図14】実施例3で得られた本発明誘導体のIRスペ
クトル図である。
【図15】実施例3で得られた本発明誘導体の 1H−
NMRスペクトル図である。
【図16】実施例3で得られた本発明誘導体の13C−
NMRスペクトル図である。
【図17】実施例3で得られた本発明誘導体のUVスペ
クトル図である。
【図18】実施例3に従うゲル濾過溶出パターンを示す
図である。
【図19】実施例4で得られた本発明誘導体のIRスペ
クトル図である。
【図20】実施例4で得られた本発明誘導体の 1H−
NMRスペクトル図である。
【図21】実施例4で得られた本発明誘導体のIRスペ
クトル図である。
【図22】実施例4で得られた本発明誘導体の 1H−
NMRスペクトル図である。
【図23】実施例4で得られた本発明誘導体の13C−
NMRスペクトル図である。
【図24】実施例5で得られた本発明誘導体のIRスペ
クトル図である。
【図25】実施例5で得られた本発明誘導体の 1H−
NMRスペクトル図である。
【図26】実施例5で得られた本発明誘導体のIRスペ
クトル図である。
【図27】実施例5で得られた本発明誘導体の 1H−
NMRスペクトル図である。
【図28】実施例5で得られた本発明誘導体の13C−
NMRスペクトル図である。
【図29】実施例6で得られた本発明誘導体のIRスペ
クトル図である。
【図30】実施例6で得られた本発明誘導体の 1H−
NMRスペクトル図である。
【図31】実施例6で得られた本発明誘導体のIRスペ
クトル図である。
【図32】実施例6で得られた本発明誘導体の 1H−
NMRスペクトル図である。
【図33】実施例7で得られた本発明誘導体のIRスペ
クトル図である。
【図34】実施例7で得られた本発明誘導体の 1H−
NMRスペクトル図である。
【図35】実施例7で得られた本発明誘導体のIRスペ
クトル図である。
【図36】実施例7で得られた本発明誘導体の 1H−
NMRスペクトル図である。
【図37】実施例8で得られた本発明誘導体のIRスペ
クトル図である。
【図38】実施例8で得られた本発明誘導体の 1H−
NMRスペクトル図である。
【図39】実施例8で得られた本発明誘導体のIRスペ
クトル図である。
【図40】実施例8で得られた本発明誘導体の 1H−
NMRスペクトル図である。
【図41】実施例9に従う本発明誘導体分取のためのゲ
ル濾過溶出パターンと分取範囲を示す図である。
【図42】実施例9で得られた本発明誘導体のIRスペ
クトル図である。
【図43】実施例9で得られた本発明誘導体の 1H−
NMRスペクトル図である。
【図44】実施例9で得られた本発明誘導体の13C−
NMRスペクトル図である。
【図45】実施例9で得られた本発明誘導体のUVスペ
クトル図である。
【図46】実施例9に従う本発明誘導体分取のためのゲ
ル濾過溶出パターンを示す図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  一般式 【化1】 で表わされる構造単位と一般式 【化2】 〔各式中、l及びmはそれぞれ1〜5の整数を示し、p
    は3又は4を示し、R1 はアミノ基、基【化3】 又は基 【化4】 を示す。〕 で表わされる構造単位とを含有し、分子量が2000〜
    20000の範囲にある共重合体であることを特徴とす
    るリジン又はアルギニン誘導体。
  2. 【請求項2】  一般式 【化5】 で表わされる構造単位、一般式 【化6】 で表わされる構造単位及び一般式 【化7】 〔各式中、l及びmはそれぞれ1〜5の整数を示す。〕
    で表わされる構造単位を有し、分子量が2000〜20
    000の範囲にある共重合体であることを特徴とするリ
    ジン又はアルギニン誘導体。
JP3262791A 1991-01-18 1991-02-27 リジン又はアルギニン誘導体 Pending JPH04279527A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1997037650A1 (fr) * 1996-04-05 1997-10-16 Santen Pharmaceutical Co., Ltd. Medicaments contre les maladies retiniennes
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WO2015076312A1 (ja) * 2013-11-19 2015-05-28 前田 浩 スチレン-マレイン酸共重合体の誘導体

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