JPH10310584A - 抗真菌化合物 - Google Patents

抗真菌化合物

Info

Publication number
JPH10310584A
JPH10310584A JP9119074A JP11907497A JPH10310584A JP H10310584 A JPH10310584 A JP H10310584A JP 9119074 A JP9119074 A JP 9119074A JP 11907497 A JP11907497 A JP 11907497A JP H10310584 A JPH10310584 A JP H10310584A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
methanol
antifungal
afa0520
formula
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9119074A
Other languages
English (en)
Inventor
Takako Sugawara
孝子 菅原
Ahou Kiyou
亜芳 喬
Yoshie Kaneda
佳枝 金田
Tsutomu Ando
勉 安藤
Takashi Adachi
孝 安達
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taisho Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Taisho Pharmaceutical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Taisho Pharmaceutical Co Ltd filed Critical Taisho Pharmaceutical Co Ltd
Priority to JP9119074A priority Critical patent/JPH10310584A/ja
Publication of JPH10310584A publication Critical patent/JPH10310584A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Nitrogen Condensed Heterocyclic Rings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】抗真菌作用を有する新規な生理活性物質を提供
すること。 【解決手段】式 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、抗真菌作用を有す
る新規化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】1950年以降の抗生物質に関する研究
開発の進歩により、細菌性の感染症はそのほとんどが駆
逐されるに至っている。その一方、平素は無害な弱病原
性微生物による日和見感染症が大きな問題となってお
り、真菌症がその多くを占めている。現在、抗真菌性化
合物として、アムホテリシンB、ナイスタチンなどのポ
リエン系抗生物質、またはフルコナゾール、ケトコナゾ
ールなどのアゾール系抗生物質などの化合物が開発され
ており、真菌症における臨床治療の中心となっている。
しかし、ポリエン系抗生物質は広い抗菌スペクトルを有
するが毒性が強く、アゾール系抗生物質は毒性は弱いも
のの、糸状菌に対する作用が十分ではなく、耐性菌の出
現も問題となっている。このため、抗真菌作用を有する
より有用な化合物の開発が望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、抗真
菌作用を有する新規な生理活性物質を提供することにあ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、抗真菌作
用を有する新規物質を土壌や植物由来の分離菌から得る
べく探索研究を重ねた結果、ある種の微生物がカンジダ
に対して抗真菌作用を有する新規な生理活性物質を生産
することを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち、本発明は、式
【0006】
【化2】
【0007】で表される化合物(以下、これをAFA0
520と略称する)である。
【0008】また、本発明はAFA0520をからなる
医薬、及びAFA0520からなる抗真菌剤である。
【0009】本発明の新規生理活性物質AFA0520
を生産する菌株は、本発明者らが自然界から新たに分離
した菌株であり、微生物の名称Streptomyces sp. TA-03
64」及び微生物寄託番号「FERM P−16190」として工業
技術院生命工学工業技術研究所に寄託されている。
【0010】
【発明の実施の形態】この菌株の菌学的性状を以下に示
す。
【0011】A.形態的性質 基生菌糸はよく生育し分岐しているが、分断は見られな
い。気菌糸の形成及び胞子の形成は、イースト・麦芽寒
天培地及びオートミール寒天培地で良好である。寒天培
地中の胞子形成は認められない。気菌糸より単純分岐し
た波状または3〜5巻きの緩い螺旋状の分節胞子の連鎖
(20〜40胞子)を形成する。胞子の形はほぼ球形で
直径が0.9〜1.3μm、表面はややしわ状である。
また、胞子嚢や菌核の形成及び鞭毛胞子は観察されな
い。 B.培養的性質 各種培地上で、28℃、14日間培養した場合の肉眼的
観察結果を次の表1に示した。なお色の表示は日本規格
協会、JIS色名帳(1985年)の系統色名を引用し
た。
【0012】
【表1】
【0013】C.生理学的性質 生育温度試験は1週間、炭素源の資化性試験は2週間、
その他は3週間培養後に観察した。
【0014】 生育温度範囲:16〜38℃、最適生育温度:30〜
36℃ ゼラチンの液化:陰性 脱脂乳の凝固:陰性 脱脂乳のペプトン化:陽性 メラニン様色素の生産:陰性 でんぷんの加水分解 :陽性 炭素源の利用性(プリドハム・ゴトリーブ寒天培地上) L−アラビノース : − L−ラムロース : − D−キシロース : ± ラフィノース : − D−グルコース : + イノシトール : − D−フラクトース : − D−マンニトール : − シュクロース : − D.化学分類学的性質 ジアミノピメリン酸の有無と光学異性型:LL型のジ
アミノピメリン酸が検出された。 メナキノン: MK−9(H8) が主成分として検出さ
れた。またMK−9(H6)もわずかに検出された。
【0015】以上の性状から、TA−0364株は Str
eptomyces 属の放線菌に分類することができるので、本
菌株を Streptomyces sp. TA-0364と命名した。AFA
0520の生産は大略一般の発酵生産物を生産する場合
に準じ、各種の栄養物を含む培地で Streptomyces sp.
TA-0364 株を好気的条件下で培養することにより行う。
【0016】培地は主として液体培地を用い、炭素源、
窒素源、無機塩よりなり、必要に応じてビタミン類、先
駆物質及び消泡剤を加えることができ、pHは7前後に
調整する。炭素源としては、例えばグルコース、シュク
ロース、デキストリン、グリセリン、澱粉などを単独か
または混合して用いる。窒素源としては、例えば肉エキ
ス、オートミール、酵母エキス、大豆粉、ポリペプト
ン、コーン・スティープ・リカー、尿素、アンモニウム
塩などを単独または混合して用いる。無機塩としては、
例えばリン酸一カリウム、硫酸マグネシウム、塩化ナト
リウム、炭酸カルシウムなどを単独かまたは混合して用
いる。消泡剤としてはアデカノール、シリコン化合物な
どを用いることができる。
【0017】培養方法は振盪培養、通気撹拌培養などの
好気的培養が適しており、pH4〜10、25〜35℃
で2〜5日間、望ましくはpH6〜7、25〜28℃で
4日間培養する。
【0018】この培養により生産されたAFA0520
を単離するには、発酵生産物を採取する一般的な方法に
準じて行えばよい。例えば次の方法が効果的である。す
なわち、培養終了後、遠心分離または濾過により培養濾
液を得、ダイヤイオンHPー20(商品名、三菱化成社
製)などのポリスチレン樹脂に吸着させた後、低級アル
コール、アセトンなどの有機溶媒で溶出させる。菌体は
低級アルコール、アセトンなどの有機溶媒で抽出する。
この菌体抽出液及び吸着樹脂からの溶出液を併せて減圧
濃縮し有機溶媒を除去した後、酢酸エチル、クロロホル
ム、nーブタノールなどの非水溶性有機溶媒に転溶し、
これを濃縮してシロップ状とする。このシロップを再度
ベンゼン、酢酸エチル、アセトン、メタノール、クロロ
ホルムなどの有機溶媒に溶解し、シリカゲルカラムクロ
マトグラフィー、ゲル濾過カラムクロマトグラフィー及
び逆相分配用ODSを充填したカラムクロマトグラフィ
ー及び高速液体クロマトグラフィーに付すことにより本
発明化合物を精製単離することができる。
【0019】以上の精製法によって得られたAFA05
20はその分子量、紫外線吸収スペクトル、1H−NM
Rスペクトル、13C−NMRスペクトル等の解析によ
り、化2のようにその構造が決定された。
【0020】AFA0520の理化学的性質を以下に示
す。
【0021】 (1)外観:白色粉末 (2)融点:172〜182 ℃(分解) (3)分子量:512 (4)分子式:C29402 (5)比旋光度:[α] 22 +44.9 (c.
0.2, メタノール) (6)質量分析値: FABMS(Pos.) m/z 535(M+Na)+ FABMS(Neg.) m/z 511(M-H)- (7)高分解能FABマススペクトル: 実測値:589.2138 理論値:589.2081(C2939262として計算) (8)紫外線吸収スペクトル: λmax MeOHnm(ε):204(13700), 230(sh)(10800), 3
16(4800) λmax MeOH-HClnm(ε):219(13800), 322(6900)
λmax MeOH-NaOHnm(ε):203(29300), 230(sh)(1180
0), 215(5400) (9)赤外線吸収スペクトル:KBr錠中で測定したス
ペクトルを図1に示す。
【0022】(10)1H−NMRスペクトル:重メタ
ノール中、500MHzで測定したスペクトルを図2に
示す。
【0023】(11)13C−NMRスペクトル:重メタ
ノール中、125MHzで測定したスペクトルを図3に
示す。
【0024】(12)溶剤に対する溶解性: ジメチルスルホキシド、ピリジン、メタノールに可溶 クロロホルム、アセトンに難溶 水、ヘキサンに不溶 (13)呈色反応: 陽性:ヨード、硫酸 陰性:ニンヒドリン、アンスロン硫酸 (14)塩基性、酸性、中性の区別:弱酸性
【0025】
【発明の効果】本発明の化合物は表2に示すように強い
抗真菌作用を示し、抗真菌剤として有用である。
【0026】
【実施例】以下、実施例および試験例を挙げて本発明を
具体的に説明する。
【0027】実施例 100ml当りオートミール 2g、グルコース 2g、
肉エキス 0.3g、塩化ナトリウム 0.3g、塩化マ
ンガン(4水和物)0.04g、硫酸第二鉄(水和物)
0.04g 及び 炭酸カルシウム0.3gを含む無菌
液体培地にStreptomyces sp. TA-0364 株を接種し,2
8℃,96時間振盪培養した。次に種培地と同じ組成の
無菌培地を内容量5Lの培養槽4基に3Lずつを入れ、
それぞれ50mlの前記種培養液を接種し、28℃、1
20時間通気撹拌培養した。
【0028】培養終了後、上記培養液12Lを遠心分離
し、得られた菌体をアセトン1Lで2回抽出した。アセ
トンを留去後残査に適量の水を加え、500mlの酢酸
エチルで2回分配し、酢酸エチル画分を無水硫酸ナトリ
ウムで脱水後濃縮して濃縮物32gを得た。
【0029】前項の濃縮物28gをヘキサンで抽出して
オイル成分を除いた後、残査25.7gをメタノール3
0mlに溶解し、メタノール/水(1:1)で調製した
ODS(商品名、和光純薬)を充填した1Lのカラムに
付し、50%、60%と80%メタノール(pH7.0
リン酸バッファー)溶液で溶出した。活性物質を含む6
0%と80%メタノール溶出画分をあわせ、溶媒を留去
した後、水層をn−ブタノール150mlで抽出し、茶
色粉末状物質1.59gを得た。
【0030】前項の物質160mgをメタノール1.6
mlに溶解し、以下の条件で行った高速液体カラムクロ
マトグラフィーにより分取を行った。
【0031】 カラムサイズ:10¢×150mm 担体:YMCーODS、AM−322−3(YMC社
製) 溶媒組成:35%アセトニトリル(pH7.0リン酸バ
ッファー) 流速:2.3ml/min 温度:50℃ 検出波長:220nm 装置:ウオーターズ社製600E 保持時間11.4分の画分を集め、アセトニトリルを留
去してn−ブタノールで抽出し、メタノールで調製した
セファデックスLH−20カラム(商品名、ファルマシ
ア社製)で脱塩し、メタノールを留去して10.2mg
のAFA0520を得た。
【0032】試験例 抗真菌作用 (試験方法)AFA0520の各種酵母、糸状菌に対す
る最小発育阻止濃度(MIC,単位μg/ml)を微量
液体希釈法により測定した。酵母類に対してはイースト
ナイトロジェンベース(YNB,ディフコ 社製)+1
% グルコース培地を用い、2x104分生子/mlとな
るように菌を接種した。37℃、18時間培養を行い、
菌の発育が肉眼的に認められない最小濃度をMICとし
た。糸状菌に対してはサブローデキストロースブロス培
地(ディフコ社製)を用い、接種菌量2x103分生子
/mlに調製した。アスペルギルスは28℃、72時間
培養、トリコフィトンは120時間培養し、最小発育阻
止濃度(MIC)を求めた。
【0033】(結果)結果を表2に示す。
【0034】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】KBr法にて測定したAFA0520の赤外線
吸収スペクトルを示す。
【図2】重メタノール中、500MHzで測定したAF
A0520の1H−NMRスペクトルを示す。
【図3】重メタノール中、125MHzで測定したAF
A0520の13C−NMRスペクトルを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安藤 勉 東京都豊島区高田3丁目24番1号 大正製 薬株式会社内 (72)発明者 安達 孝 東京都豊島区高田3丁目24番1号 大正製 薬株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式 【化1】 で表される化合物。
  2. 【請求項2】請求項1記載の化合物からなる医薬。
  3. 【請求項3】請求項1記載の化合物からなる抗真菌剤。
JP9119074A 1997-05-09 1997-05-09 抗真菌化合物 Pending JPH10310584A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9119074A JPH10310584A (ja) 1997-05-09 1997-05-09 抗真菌化合物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9119074A JPH10310584A (ja) 1997-05-09 1997-05-09 抗真菌化合物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10310584A true JPH10310584A (ja) 1998-11-24

Family

ID=14752244

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9119074A Pending JPH10310584A (ja) 1997-05-09 1997-05-09 抗真菌化合物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10310584A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104592239A (zh) * 2014-12-25 2015-05-06 南京农业大学 产酶溶杆菌oh11中一种抗真菌和卵菌活性的代谢产物及其分离方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104592239A (zh) * 2014-12-25 2015-05-06 南京农业大学 产酶溶杆菌oh11中一种抗真菌和卵菌活性的代谢产物及其分离方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPS6254433B2 (ja)
JP5144167B2 (ja) 新規kb−3346−5物質およびその製造方法
JPH10310584A (ja) 抗真菌化合物
JP3026864B2 (ja) 新規セスキテルペン誘導体
JPH0578322A (ja) 新規抗生物質sf2738物質及びその製造法並びに制癌剤
US4902781A (en) Novel tripetide derivatives
JPH06234784A (ja) 新規抗生物質sf2768物質及びその製造法
JPH0374677B2 (ja)
JP3145200B2 (ja) 新規イソクロマンカルボン酸誘導体
JPH0912550A (ja) 2, 2’ −ビピリジン誘導体、その製造方法及び該誘導体を含有する抗腫瘍剤
DK167006B1 (da) 5-hydroxy-1,4-naftoquinoner, fremgangsmaade til fremstilling deraf samt antifibrotisk praeparat indeholdende en saadan forbindelse
WO2005111055A1 (ja) 新規抗生物質キガマイシン類とその用途
JPH11302292A (ja) トリエン系化合物
JP3148331B2 (ja) 抗生物質レスピノマイシン、その製造法並びに抗腫瘍剤及び抗ウイルス剤
JP2594085B2 (ja) 新規抗腫瘍抗生物質sf2575物質ならびにその製造法
JPH06199882A (ja) 新規抗真菌性抗生物質w7176bおよびw7176c並びにそれらの製造方法
WO1998043955A1 (fr) Compose d'acide tetramique
JPH09157266A (ja) 新規抗生物質エポキシキノマイシンaおよびbとその製造法
JPH1160572A (ja) チアゾリルピリジン系化合物
JP3380595B2 (ja) 新規抗生物質sf2741a物質及びsf2741b物質並びにそれらの製造法
JP2000239292A (ja) 抗mrsa抗生物質
JP2001055386A (ja) 抗生物質ツベラクトマイシンb、dおよびeとその製造法
JPH07291955A (ja) 新規抗生物質n1999a2
JPH06166684A (ja) S−632−c物質
JPH10330360A (ja) テトラミン酸系化合物