JPH10309742A - 化粧シートの製造方法 - Google Patents
化粧シートの製造方法Info
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- JPH10309742A JPH10309742A JP9122124A JP12212497A JPH10309742A JP H10309742 A JPH10309742 A JP H10309742A JP 9122124 A JP9122124 A JP 9122124A JP 12212497 A JP12212497 A JP 12212497A JP H10309742 A JPH10309742 A JP H10309742A
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Abstract
面、物性面、加工適性面、価格面等で従来のポリ塩化ビ
ニル樹脂製化粧シートと同等の性能を有する化粧シート
を、安定的、効率的且つ経済的に製造するための方法を
提供する。 【解決手段】凹凸模様賦型ロール(又は凹凸模様賦型シ
ートを捲回した冷却ロール)と、転写シートを捲回した
対向ロールとの間に、溶融熱可塑性樹脂をシート状に押
出し、転写シート上に積層すると同時に凹凸模様を賦型
し、冷却固化後に、転写シートの基体シート(及び凹凸
模様賦型シート)を剥離除去する。
Description
材、天井材、扉材等の住宅内装材や、家具、住設機器等
の表面装飾材として使用する為の化粧シートの製造方法
に関する。
飾材としては、紙又は合成樹脂フィルム等の基材シート
に、印刷法等により所望の絵柄を付与したり、エンボス
法等により所望の凹凸模様を付与したりしてなる化粧シ
ートが、広く用いられている。
求物性等に応じて各種の態様があるが、中でも特に、表
面に透明又は半透明の樹脂層を具備し、しかも該樹脂層
の表面に凹凸模様を有するものは、その立体感や深み
感、塗装感等の優れた意匠感と、耐薬品性や耐磨耗性等
の表面物性とに優れており、近年の高級志向の流れを受
けて、需要が益々増加しつつある。
ては、例えば以下に列記する如き種々の方法が用いられ
ている。
ア印刷法等により所望の絵柄を印刷した後、凹部を形成
すべき部分に撥液性樹脂層を設け、その上に全面に透明
又は半透明の樹脂を塗工して、前記撥液性樹脂層上で弾
かせて凹部を形成する方法。
柄を印刷し、凹部を形成すべき部分に発泡性樹脂を印刷
し、全面に透明又は半透明の樹脂を塗工した後、前記発
泡性樹脂を発泡させ、しかる後に、発泡した樹脂層を研
磨又は溶剤処理等の手段により除去して凹部を形成する
方法。
柄を印刷後、該印刷面上に透明又は半透明の硬化性液状
樹脂を塗工し、該塗工面に、目的の化粧シートの表面に
賦型すべき凹凸模様を反転した凹凸模様を表面に有する
凹凸模様賦型シートを圧着させた状態で、前記硬化性液
状樹脂を硬化させ、しかる後に、前記凹凸模様賦型シー
トを剥離除去する方法。
材シートの表面に、グラビア印刷法等により所望の絵柄
を印刷後、該印刷面上に透明又は半透明の熱可塑性樹脂
フィルムを、接着剤を介して又は熱圧着法等により直接
積層し、その表面に機械エンボス等の手段により凹凸模
様を賦型する方法。
程的には比較的単純であるが、後から塗工する樹脂層を
弾き残りなく綺麗に弾かせる為の材料設計や工程管理が
難しく、また塗工可能な樹脂層の厚さや得られる凹部の
深さも高々数μm乃至十数μm程度に過ぎず、塗装感や
凹凸感、立体感に乏しいという欠点がある。
の深さに限界がある点は(1)の方法と同様である他、
工程が煩雑で品質の安定化が困難である。(3)の方法
は、表面の樹脂層の厚みや凹部の深さを例えば数十μm
〜数百μmとすることも可能であり、塗装感や凹凸感、
立体感に優れる反面、工程が煩雑で生産性が低く、また
硬化性樹脂の厚膜が形成されることから、折り曲げや衝
撃に弱く、一般に巻取での生産が困難であるという問題
点がある。
に、樹脂フィルム等の吸収性の乏しい基材への適用が困
難であるので、基材シートとしては薄葉紙等の紙類が使
用されるのが通例であるが、係る化粧シートは強度に劣
るので、特にVカット加工やラッピング加工等の折り曲
げ加工を行う場合には、折り曲げ部の破断が発生しやす
いという問題点もあった。
樹脂層が熱可塑性樹脂であるので、化粧シートの柔軟性
に優れ、折り曲げや衝撃に強く、巻取方式による安定し
た高速生産が容易であり、しかも塗装感や立体感等の意
匠性や耐磨耗性等の表面物性等の面でも優れた化粧シー
トが得られる利点がある。
塩化ビニル樹脂フィルムを使用したものは、その特有の
熱的特性故に、熱圧着法によるラミネートや熱圧エンボ
ス等の加工適性に優れ、高速大量生産が可能で、印刷適
性にも優れ美麗な意匠の絵柄の印刷が容易であり、しか
も価格的にも安価であるので、現在では塩ビダブリング
エンボスシートの通称で広く親しまれ、各種の化粧シー
ト類の中でも最も代表的な地位を占めている。
樹脂フィルムを使用した化粧シートは、燃焼時に塩化水
素ガスやダイオキシン等の有害物質を発生することが指
摘されており、火災時の煙による被害や焼却処分による
環境汚染等が、一部で問題視される様になっている。
クリル系樹脂、ポリエステル系樹脂等の、塩素を含有し
ない熱可塑性樹脂を使用して、上記塩ビダブリングエン
ボスシートと同等の化粧シートを得る試みも、既に各種
なされている。しかしながら、それら代替樹脂はいずれ
も、ポリ塩化ビニル樹脂と比較して、シートの柔軟性や
熱接着性、エンボス適性、価格面等の面で劣っており、
ポリ塩化ビニル樹脂を使用した化粧シートと全く同等の
性能のものを得るには程遠いのが実状である。
脂からなるフィルムは、同一厚みのポリ塩化ビニル樹脂
フィルムよりも柔軟性に劣りしかも高価であるから、そ
れと同等の柔軟性や価格を実現するには、まず厚みを減
じねばならない。ところが、絵柄層の表面側の樹脂層の
厚みを減じると、必然的に表面のエンボスの深度も制約
を受け、塗装感や立体感等が損なわれてしまう。
と、フィルムの腰が弱くなって印刷適性が悪化し、熱ラ
ミネート時の熱の作用を受け易くなるので変形や皺、破
断等の問題を発生し易くなる等、品質の悪化や生産性の
低下の要因となる。その他、表裏の樹脂フィルムの厚み
の差が大きくなると、熱ラミネート工程において表裏の
フィルムの応力状態を揃えるのが困難となり、残留応力
の差に起因するカールを発生し易くなる結果、後の壁面
や成形品表面等への貼付の作業に支障を来したり、剥離
の原因となったりする等の問題点もある。
面に絵柄の印刷を施し、表面にエンボスによる凹凸模様
を形成して化粧シートとする方法も考えられる。しかし
この方法では、エンボス工程においてエンボスロールと
対向する熱ロールに絵柄の印刷面が直接接触するので、
絵柄のトラレやキズ等の損傷を発生し易い。
ィルムは、エンボス適性の面でも劣る。すなわち、ポリ
塩化ビニル樹脂が比較的低温でもエンボス可能であるの
に対し、これら代替樹脂はポリ塩化ビニル樹脂の場合と
比較してエンボス戻りが発生し易いので、エンボスによ
って鮮明な凹凸模様を賦型するには、樹脂を十分に加熱
軟化させることが必要となる。ところがその結果、張力
やエンボス圧力等の為にフィルムに伸びや変形を発生し
たり、絵柄に歪みを発生したりし易い。
のない材料を使用して、従来のポリ塩化ビニル樹脂を使
用したものと同等の性能の化粧シートを製造する方法
は、見出されていないのが実状であった。
における上述の如き問題点を解決するために、環境汚染
等の問題のない材料を使用して、意匠面、物性面、加工
適性面及び価格面のいずれの面においても、従来のポリ
塩化ビニル樹脂を使用したものと同等の性能を有する化
粧シートを、安定的、効率的且つ経済的に製造するため
の化粧シートの製造方法を提供しようとするものであ
る。
は、熱可塑性樹脂からなる基材シートの一面に絵柄層
を、他面に凹凸模様を有する化粧シートの製造方法であ
って、該化粧シートの表面に賦型すべき凹凸模様が反転
された凹凸模様を表面に有する凹凸模様賦型ロールと、
基体シートの表面に剥離可能な絵柄層を有する転写シー
トを、その絵柄層面を外側に向けて捲回した対向ロール
との間に、前記化粧シートの基材シートを構成すべき熱
可塑性樹脂を溶融してシート状に押出し製膜することに
より、その一面を前記転写シートの絵柄層と接着させる
と同時に、他面に凹凸模様を賦型し、冷却固化後、前記
転写シートの基体シートを、前記熱可塑性樹脂が成形さ
れた基材シートから、前記転写シートの絵柄層を前記基
材シート上に残存させて剥離除去する化粧シートの製造
方法である。
る基材シートの一面に絵柄層を、他面に凹凸模様を有す
る化粧シートの製造方法であって、該化粧シートの表面
に賦型すべき凹凸模様が反転された凹凸模様を表面に有
する凹凸模様賦型シートを、その凹凸模様面を外側に向
けて捲回した冷却ロールと、基体シートの表面に剥離可
能な絵柄層を有する転写シートを、その絵柄層面を外側
に向けて捲回した対向ロールとの間に、前記化粧シート
の基材シートを構成すべき熱可塑性樹脂を溶融してシー
ト状に押出し製膜することにより、その各面を前記転写
シートの絵柄層及び前記凹凸模様賦型シートの凹凸模様
面とにそれぞれ接着させ、冷却固化後、前記転写シート
の基体シート及び前記凹凸模様賦型シートを、前記熱可
塑性樹脂が成形された基材シートから、前記転写シート
の絵柄層を前記基材シート上に残存させて剥離除去する
化粧シートの製造方法である。
様賦型シートとして、凹凸模様面の凸部に着色層を剥離
可能に具備したものを使用し、該凹凸模様賦型シートを
前記熱可塑性樹脂が成形された基材シートから剥離除去
する際に、前記着色層を、前記基材シートの凹凸模様の
凹部に残存させる化粧シートの製造方法である。
態を、図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は、本発
明の化粧シートの製造方法によって製造される化粧シー
トの実施の形態を示す側断面図であり、図2乃至図4
は、それぞれ本発明の化粧シートの製造方法の実施の形
態を示す概略工程図である。
る化粧シート1は、例えば図1に示す構成のものであ
る。すなわち、透明又は半透明の熱可塑性樹脂からなる
基材シート11の裏面に所望の模様の絵柄層12を有
し、一方表面には所望の柄の凹凸模様13を有する。ま
た必要に応じて、凹凸模様13の凹部には着色層14が
設けられる。
た構成の化粧シートを製造するために、図2に例示する
様な工程を採用したものである。すなわち、凹凸模様賦
型ロール31は、目的の化粧シート1の表面に形成すべ
き凹凸模様13が反転された凹凸模様が表面上に設けら
れてなる、回転可能な円筒状のロールであって、好まし
くは少なくともその表面は、熱伝導性が良く耐磨耗性に
も優れた金属等の材質で構成され、通例冷却水の循環等
の手段により、後述する溶融熱可塑性樹脂20を冷却固
化可能な温度に冷却されている。
置された対向ロール32の対向面には、基体シート22
の表面に絵柄層12(図示せず)が剥離可能に積層され
た転写シート21が、その絵柄層12面を外側に向けて
捲回されている。そして、目的の化粧シート1の基材シ
ート11を構成すべき熱可塑性樹脂20が、加熱溶融さ
れた状態で押出機30からシート状に押出し製膜され、
前記対向ロール32に捲回された転写シート21の絵柄
層12面と、それに対向する凹凸模様賦型ロール31と
の間隙に導入される。
熱可塑性樹脂20の一面は、転写シート21の表面の絵
柄層12と接着され、一方他面は、凹凸模様賦型ロール
31の表面形状に沿って成形され、凹凸模様13が賦型
される。同時に、溶融熱可塑性樹脂20は凹凸模様賦型
ロール31や転写シート21によって熱を奪われて急速
に冷却固化し、固体シート状の基材シート11となる。
れた転写シート21と共に、凹凸模様賦型ロール31の
周面上でその回転に連れて移動する間に、更に十分に冷
却固化された後、凹凸模様賦型ロール31の表面から剥
離され、更に転写シート21の絵柄層12を基材シート
11上に残存させたまま基体シート22のみが剥離除去
されて、目的の化粧シート1が得られ、巻取ロール33
に巻き取られる。なお、凹凸模様賦型ロール31からの
剥離と、転写シート21の基体シート22の剥離との順
序は、逆であっても良い。
目的の化粧シート1の基材シート11を構成すべき溶融
熱可塑性樹脂20の表面に凹凸模様を賦型すると同時
に、その熱を奪って冷却固化させる機能を果たすもので
ある。勿論、前記冷却機能の一部は転写シート21や対
向ロール32も担う訳であるが、溶融熱可塑性樹脂20
の冷却機能の大部分は、事実上凹凸模様賦型ロール31
が担うことになる。従って、凹凸模様賦型ロール31の
直径が大きい程、熱伝導度が高い程、また冷却水等の冷
却容量が高い程、生産速度を上げて能率良く製造するこ
とができる。但し、凹凸模様賦型ロール31の直径を大
きくすると、必然的にその製作費用も増加し、また重量
が嵩むことから運転費用も増加するので、製造原価を最
小にするためには、それら各条件を総合的に検討し、最
適な直径を選択する必要がある。
ないが、少なくとも溶融熱可塑性樹脂20の温度に十分
耐えるだけの耐熱性を備えることが必要であり、また上
記した事情により熱伝導度の高い材質を選択することが
好ましい。勿論、連続的な使用によって表面に傷が付い
たり凹凸模様が変形したりしない様に耐磨耗性も要求さ
れるし、表面に凹凸模様を容易に形成可能な加工適性を
備えることも当然必要である。係る要請により、凹凸模
様賦型ロール31としては銅又はニッケル等の金属が使
用されるのが通例であり、またその表面には耐磨耗性の
向上及び防錆の目的で、硬質クロムメッキが施される場
合が多い。
る凹凸模様の種類や形状には特に制限はなく、例えば木
目導管状、ヘアライン状、石目状、砂目状、ドット状、
万線状、抽象柄状、幾何学的紋様状等、所望の意匠に応
じて任意の模様を採用することができる。また、絵柄層
12の絵柄と同調させた模様とすると、特に意匠性に優
れた化粧シート1を得ることができるが、これは必ずし
も必須ではない。またその深さにも特に制限はないが、
少なくとも化粧シート1の基材シート11の厚みよりは
浅いことが必要であり、通常は数μm〜200μm程度
の範囲に適宜設定される。
を形成する加工方法としては、従来公知の様に、例えば
銅等の金属基材の表面に写真製版法等によりレジストパ
ターンを形成し、酸化鉄液等の腐蝕液に浸漬して基材表
面を部分的に腐蝕除去する化学腐蝕法、天然木等の凹凸
原稿の表面から常温硬化型シリコーン樹脂等を使用して
型取りした母型の表面に、銀鏡法等の手段により導電性
薄膜を形成し、これを硫酸銅水溶液等のメッキ浴中に浸
漬して通電し、堆積した金属層を母型から剥離する電鋳
法、金属基材の表面の一部を、バイト又は彫刻刀等の工
具を使用して機械的に切削除去することにより所望の形
状に加工する機械彫刻法等を適用することができる。
置される対向ロール32に関しては、その直径や材質等
は特に問わないが、一般的には凹凸模様賦型ロール31
との接触による損傷や破損等の事故の防止の目的でゴム
ロールが採用される。この対向ロール32も凹凸模様賦
型ロール31と同様に、冷却水の循環等の手段により冷
却することが好ましい。溶融熱可塑性樹脂20の冷却に
寄与して製造速度の向上に貢献すると共に、溶融熱可塑
性樹脂20の熱による転写シート21の変形を防止し、
以て絵柄の伸びや歪み等の発生を防止することができる
からである。
11に使用する熱可塑性樹脂の種類は特に限定されず、
従来より化粧シート類の基材用材料として使用されて来
た任意の溶融押出し成形可能な熱可塑性樹脂を使用する
ことができる。但し、従来の技術の項でも触れた様に、
環境問題等の観点からポリ塩化ビニル樹脂以外の樹脂を
使用することが今や社会的要請となりつつあるし、また
その方が本発明の目的にも適っていると言うこともでき
よう。
ロピレン、ポリ−4−メチルペンテン−1等のポリオレ
フィン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレ
ン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−アクリル酸
メチル共重合体等のオレフィン系共重合体樹脂、ポリメ
チルメタクリレート等のアクリル系樹脂、ポリエチレン
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエ
チレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリカー
ボネート樹脂、スチレン系樹脂、AS樹脂、ABS樹
脂、オレフィン系エラストマー樹脂、ウレタン系エラス
トマー樹脂、アイオノマー樹脂等が適宜使用可能であ
る。また、共押出し法により同一又は異なる樹脂からな
る2層以上の積層体とすることも可能である。基材シー
ト1の厚みには特に制限はなく、使用目的に応じて所望
の厚みとすることができるが、一般的には概ね20〜3
00μm程度であり、特に50〜200μm程度の範囲
から選択される例が多い。
に絵柄層12を形成する目的で使用されるものであっ
て、少なくとも基体シート22の表面に絵柄層12が剥
離可能に形成されてなるものである。基体シート22と
しては、従来公知の転写シートに使用されている任意の
シート状の材料が使用可能であり、特に制限はないが、
絵柄の歪み等の変形を防止する為には、溶融熱可塑性樹
脂20の溶融温度において容易には変形しないだけの耐
熱性を有する材質であることが好ましい。
等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレー
トやポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹
脂、ポリフッ化ビニリデンやエチレン−テトラフロロエ
チレン共重合体等のフッ素系樹脂等からなる合成樹脂フ
ィルム、又はそれらの積層体等が使用され、またその絵
柄層12形成面には、必要に応じてポリオレフィン系樹
脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂等の離型性物質に
よる離型層が形成されていてもよい。また、基体シート
22の絵柄層12形成面に、例えばマット状やヘアライ
ン状等の凹凸形状を形成しておくことにより、製造され
る化粧シート1の絵柄層12面に、前記凹凸形状を賦型
し、表面の凹凸模様13と相俟って優れた立体感を呈す
る意匠表現を得ることも可能である。
が、少なくとも対向ロール32への捲回や、成形された
化粧シート1からの剥離、ロールへの巻き取り等に支障
を来さないだけの可撓性は必要であり、一方工程上の張
力に耐えるだけの強度も要求されるので、使用可能な厚
みの範囲は材質により自ずと決定され、その範囲から製
造原価や耐久性等を総合的に考慮して決定すればよい。
通常は、材質等にもよるが20〜300μm程度の範囲
の厚みのものが使用される場合が多い。
けると同様に、樹脂等からなるビヒクル中に染料又は顔
料等の着色剤を、その他の適当な添加剤と共に分散して
なるものであり、通例は例えばグラビア印刷法、オフセ
ット印刷法、凸版印刷法、スクリーン印刷法、静電印刷
法、インクジェット印刷法等の適宜の印刷技法によって
形成される印刷インキからなる層である。その絵柄の内
容は、使用目的に応じて所望により任意であり、例えば
木目柄や石目柄、抽象柄、幾何学的紋様等、従来より化
粧シート類に使用されているあらゆる種類の絵柄を使用
することができる。なお、図1に示した例では絵柄層1
2は全面に形成されているが、例えばパターン状や網点
状等に部分的に形成されていてもよい。
には上記した絵柄層12の他、例えば絵柄層12を安定
的に基体シート22から剥離させる為の剥離層や、絵柄
層12と基材シート11との密着性を向上する為の接着
層等が、必要に応じて設けられていてもよく、これらは
基体シート22の剥離の際に、絵柄層12と共に基材シ
ート11の表面に残存して、それぞれ化粧シート1の一
部となる。
して、溶融熱可塑性樹脂20の熱や工程上の圧力・張力
等によっても伸びや変形を発生しないだけの十分な耐熱
性や強度を有する材質を採用すれば、化粧シート1から
剥離除去後の基体シート22に再度絵柄層12等の印刷
を施して、新たな転写シート21として再利用すること
も可能である。この方法を採用すれば、製造原価の低減
や環境保護、資源保護等を目的とする本発明の趣旨に最
も適ったものとなる。
として、図3に示す様に、上記した凹凸模様賦型ロール
31に替えて、目的の化粧シート1の表面に形成すべき
凹凸模様13が反転された凹凸模様を、シート状の材料
の表面に形成してなる、凹凸模様賦型シート23を使用
することもできる。この方法によれば、前記方法の場合
における凹凸模様賦型ロール31の位置に、形状は通常
の円筒状のロールであって、凹凸模様賦型ロール31と
同様に冷却水の循環等の手段により冷却された冷却ロー
ル34が配置され、該冷却ロール34の表面に、前記し
た凹凸模様賦型シート23が、その凹凸模様面を外側に
向けて捲回される。
り、凹凸模様賦型シート23の凹凸模様面と、転写シー
ト21の絵柄層12面との間隙に、目的の化粧シート1
の基材シート11を構成すべき熱可塑性樹脂20が、加
熱溶融された状態で押出機30からシート状に押出し製
膜されて導入され、その一面は、転写シート21の表面
の絵柄層12と接着され、一方他面は、凹凸模様賦型シ
ート23の表面形状に沿って成形され、凹凸模様13が
賦型される。同時に、溶融熱可塑性樹脂20は、冷却ロ
ール34によって冷却された凹凸模様賦型シート23や
反対面の転写シート21によって、熱を奪われて急速に
冷却固化し、固体シート状の基材シート11となる。
れ接着された凹凸模様賦型シート23及び転写シート2
1と共に、冷却ロール34の周面上でその回転に連れて
移動する間に、更に十分に冷却固化された後、冷却ロー
ル34の表面から剥離され、次いで転写シート21の絵
柄層12を基材シート11上に残存させたまま基体シー
ト22のみが剥離除去され、最後に凹凸模様賦型シート
23が剥離除去されて、目的の化粧シート1が得られ、
巻取ロール33に巻き取られる。なお、冷却ロール34
からの剥離と、転写シート21の基体シート22の剥
離、及び凹凸模様賦型シート23の剥離の順序は特に限
定されず、上記と異なっていても良い。
法における凹凸模様賦型ロール34と同様に、目的の化
粧シート1の基材シート11を構成すべき溶融熱可塑性
樹脂20の熱を奪って冷却固化させる機能の大部分を担
う訳であるから、その材質や寸法等の設計にあたって
は、前記した凹凸模様賦型ロール34の場合と同様の注
意が必要である。
融熱可塑性樹脂20の熱によって表面の凹凸模様が失わ
れることなく、該溶融熱可塑性樹脂20に賦型すること
が可能であって、しかもその冷却固化後にその表面から
剥離除去可能な材質であればよく、特に制限はない。具
体的には例えば、前記した転写シート21の基材シート
22の材質として列記した材質等が使用可能である。そ
して、凹凸模様賦型シート23は繰り返し使用可能であ
ることは言うまでもない。
ら構成することも勿論可能であるが、目的の化粧シート
1の基材シート11を構成する樹脂の選択によっては、
必要な耐熱性や剥離性、可撓性、耐磨耗性、凹凸模様を
形成する為の加工性等の特性を全て満足するシート状の
材料の入手が困難な場合もある。この様な場合には、凹
凸模様賦型シート23を複数の材質からなる積層体とす
ることもできる。具体的には、例えばポリエステルフィ
ルム等の耐熱性可撓性シートの表面に、熱硬化性樹脂又
は電離放射線硬化性樹脂等からなる耐熱性や剥離性、耐
磨耗性等に更に優れた材質からなる層を、凹凸模様状に
設けることにより構成した凹凸模様賦型シート等を挙げ
ることができる。
限はないが、少なくとも冷却ロール34への捲回や、成
形された化粧シート1からの剥離、ロールへの巻き取り
等に支障を来さないだけの可撓性は必要であり、一方工
程上の張力に耐えるだけの強度も要求されるので、使用
可能な厚みの範囲は材質により自ずと決定され、その範
囲から製造原価や耐久性等を総合的に考慮して決定すれ
ばよい。具体的には、材質や凹凸模様の深さ等にもよる
が、20〜300μm程度の範囲から選択されるのが通
例である。また、その表面の凹凸模様の種類や深さに関
しては、前述した凹凸模様賦型ロール31の場合と同様
であり、特に制限はない。
を形成する方法は任意であり、例えばシート状の材料に
金属製のエンボスロール等を使用して機械的に凹凸模様
を形成する機械エンボス法や、シート状の材料の表面に
スクリーン印刷法等の厚盛り可能な印刷技法によって固
形分の多いインキによる厚膜の模様を形成する厚盛り印
刷法、天然木等の凹凸原稿の表面から常温硬化型シリコ
ーン樹脂等によって型取りする型取り法、シート状の材
料の表面に電離放射線硬化性樹脂を塗工し、所望の模様
状の電離放射線遮蔽材層が形成されたマスクを介して露
光、現像する感光性樹脂法、溶融熱可塑性樹脂をシート
状に押出し成形すると同時にエンボスロール等を使用し
て凹凸模様を賦型する方法、熱硬化性又は電離放射線硬
化性の液状樹脂をロール凹版の表面に供給し、これにシ
ート状の材料を当接した状態で硬化させた後、ロール凹
版の表面から剥離する方法等を、適宜選択して適用する
ことができる。
凸模様賦型シート23の表面の凹凸模様面の凸部に、予
め着色層14を剥離可能に形成しておくと、成形された
基材シート11の表面から凹凸模様賦型シート23を剥
離除去する際に、この着色層が基材シート11の凹凸模
様13の凹部に残存することによって、図1に示した様
に、凹凸模様13の凹部が着色された化粧シート1を得
ることができる。この方法は特に、絵柄層12として木
目の絵柄を使用する場合に、表面に設けた導管溝状の凹
凸模様13の凹部を着色することによって、天然木に極
めて近似した意匠感を得る場合等に有効である。
ト23の表面の凹凸模様の凸部に再度着色層14を形成
することによって、凹凸模様賦型シート23を繰り返し
再利用することができる。
の凸部に着色層14を形成する方法としては、例えばグ
ラビア塗工法やロール塗工法等の様に、凹凸の凸部に選
択的に着色剤を塗工するに適した塗工方法を採用するこ
とが適当である。
の凹部の着色には、上記した方法の他、例えば本法で製
造された化粧シート1の表面に改めてワイピング処理等
を施す方法や、凹凸模様賦型ロール31の凸部に着色剤
を塗布する機構を設ける方法等も考えられる。しかしな
がら、前者の方法は工程が煩雑となる他、着色層14の
基材シート11に対する密着性の点でも劣る。
色剤の塗布を行うので工程管理が面倒である他、着色剤
の塗布状態に欠陥が発生すると、その間に製造される化
粧シート1は不良品となり、樹脂等の材料が無駄になっ
てしまう。これに対し、凹凸模様賦型シート23の凸部
を別工程で予め着色しておく方法によれば、着色剤の塗
布時に欠陥が発生しても、欠陥部分を取り除くか、塗布
した着色層14を一旦剥離除去して再度塗工し直す等の
手段により、溶融熱可塑性樹脂20や転写シート21の
無駄の発生を防止することができる点で有利である。
を別工程で予め用意しておくことが暗黙のうちに前提と
なっていたが、凹凸模様賦型シート23の製造工程と化
粧シート1の製造工程とを、インラインで同時に行うこ
とも、勿論可能である。
ポリエステル系樹脂又はフッ素系樹脂等の耐熱性熱可塑
性樹脂を押出機によりシート状に押出すと同時に、凹凸
模様賦型ロール41によって表面に凹凸模様を賦型して
作製した凹凸模様賦型シート24を、インラインで冷却
ロール34に導き、以下図3に示した本発明の第2の実
施の形態と全く同様の要領により化粧シート1を製造す
ることができる。
ロール41を使用する方法以外にも、例えば機械エンボ
ス法やロール凹版法等、凹凸模様賦型シート23の製造
方法として前に列記した如き、任意の他の方法を組み合
わせて実施することも、少なくとも原理的には可能であ
る。但し、化粧シート1の基材シート11用の樹脂の押
出し成形の速度との整合が最も容易である点で、上記し
た押出し同時賦型法が最も適当であると言うことができ
よう。
と、化粧シート1の基材シート11用の樹脂の成形工程
との間に、凹凸模様賦型シート23の表面の凹凸模様の
凸部に着色層14を形成する工程を導入すれば、表面の
凹凸模様13の凹部が着色されたワイピングタイプの化
粧シート1を、インラインで一貫生産することも可能で
ある。
法に限定されるものではなく、基体シート21の成形工
程や、基体シート21の表面への絵柄層12等の形成工
程等も、インラインで同時に進行させることも、少なく
とも原理的には可能である。
賦型ロールと、ポリエチレンテレフタレートフィルム製
基体シートの表面に剥離層を介して柄印刷を施して予め
用意した転写シートを捲回させたゴム製の対向ロールと
の間隙に、溶融したポリプロピレン樹脂を押出機により
シート状に押出し、樹脂が冷却固化してフィルム状にな
った後、凹凸模様賦型ロールから脱型すると共に、転写
シートの基体シートを剥離除去して巻取り、表面に凹凸
模様を、裏面に絵柄層をそれぞれ有する化粧シートを得
た。
溶融したエチレン−テトラフロロエチレン共重合体樹脂
を押出機によりシート状に押出し成形すると同時に、金
属製の凹凸模様賦型ロールによって凹凸模様を賦型しつ
つ冷却固化して凹凸模様賦型シートを作製し、その凸部
にロールコート法によって着色剤を付着させ乾燥させた
後、インラインにて金属製の冷却ロールに導き捲回さ
せ、一方ポリエチレンテレフタレートフィルム製基体シ
ートの表面に剥離層を介して柄印刷を施して予め用意し
た転写シートをゴム製の対向ロールに捲回させ、その両
者の間隙に溶融したポリプロピレン樹脂を押出機により
シート状に押出し、樹脂が冷却固化してフィルム状にな
った後、凹凸模様賦型シート及び転写シートの基体シー
トを剥離除去して巻取り、表面に凹部が着色された凹凸
模様を、裏面に絵柄層をそれぞれ有する化粧シートを得
た。
シートの製造方法は、凹凸模様賦型ロール又は凹凸模様
賦型シートと転写シートとの間に溶融樹脂を押出して、
転写シートに接着させると同時に凹凸模様を賦型し、冷
却固化後に、転写シートの基体シートや凹凸模様賦型シ
ートを剥離除去する様に構成したので、得られる化粧シ
ートは、単一層の熱可塑性樹脂からなる基材シートの一
面に絵柄層を、他面に凹凸模様を有しており、塗装感や
凹凸感、立体感等の意匠感は勿論、耐磨耗性や耐溶剤性
等の表面物性の面でも、従来のダブリングエンボスシー
トと同等の性能を有し、しかも樹脂層が一層のみである
から、従来のポリ塩化ビニル樹脂と比較して柔軟性や加
工適性、価格面等で劣る樹脂を使用した場合であって
も、化粧シート全体としては、従来の塩ビダブリングエ
ンボスシートと同等の性能を有する化粧シートを、容易
に得ることができる。
べき熱可塑性樹脂は、溶融状態で押出し供給されて凹凸
模様を賦型されるので、十分に鮮鋭で忠実な凹凸模様の
賦型が可能であり、しかもそれと同時に接着される転写
シート側からも凹凸模様賦型ロール又は凹凸模様賦型シ
ート側からも冷却されて速やかに固化するのであり、そ
の間に転写シートに過大な熱や張力、圧力等が賦課され
ることがないから、転写シートから転写される絵柄に伸
びや歪み等を発生することがない。従って、環境汚染等
の問題がないもののポリ塩化ビニル樹脂よりも柔軟性や
価格等の面で劣る各種樹脂を使用した場合であっても、
意匠面や価格面は勿論のこと、物性面、加工適性面等の
いずれの面においても、従来のポリ塩化ビニル樹脂製の
化粧シートに退けを取らない高性能の化粧シートを、安
定的、効率的且つ経済的に製造することができるという
優れた利点を有するものである。
れる化粧シートの実施の形態を示す側断面図である。
示す概略工程図である。
示す概略工程図である。
示す概略工程図である。
Claims (3)
- 【請求項1】熱可塑性樹脂からなる基材シートの一面に
絵柄層を、他面に凹凸模様を有する化粧シートの製造方
法であって、該化粧シートの表面に賦型すべき凹凸模様
が反転された凹凸模様を表面に有する凹凸模様賦型ロー
ルと、基体シートの表面に剥離可能な絵柄層を有する転
写シートを、その絵柄層面を外側に向けて捲回した対向
ロールとの間に、前記化粧シートの基材シートを構成す
べき熱可塑性樹脂を溶融してシート状に押出し製膜する
ことにより、その一面を前記転写シートの絵柄層と接着
させると同時に、他面に凹凸模様を賦型し、冷却固化
後、前記転写シートの基体シートを、前記熱可塑性樹脂
が成形された基材シートから、前記転写シートの絵柄層
を前記基材シート上に残存させて剥離除去する化粧シー
トの製造方法。 - 【請求項2】熱可塑性樹脂からなる基材シートの一面に
絵柄層を、他面に凹凸模様を有する化粧シートの製造方
法であって、該化粧シートの表面に賦型すべき凹凸模様
が反転された凹凸模様を表面に有する凹凸模様賦型シー
トを、その凹凸模様面を外側に向けて捲回した冷却ロー
ルと、基体シートの表面に剥離可能な絵柄層を有する転
写シートを、その絵柄層面を外側に向けて捲回した対向
ロールとの間に、前記化粧シートの基材シートを構成す
べき熱可塑性樹脂を溶融してシート状に押出し製膜する
ことにより、その各面を前記転写シートの絵柄層及び前
記凹凸模様賦型シートの凹凸模様面とにそれぞれ接着さ
せ、冷却固化後、前記転写シートの基体シート及び前記
凹凸模様賦型シートを、前記熱可塑性樹脂が成形された
基材シートから、前記転写シートの絵柄層を前記基材シ
ート上に残存させて剥離除去する化粧シートの製造方
法。 - 【請求項3】前記凹凸模様賦型シートとして、凹凸模様
面の凸部に着色層を剥離可能に具備したものを使用し、
該凹凸模様賦型シートを前記熱可塑性樹脂が成形された
基材シートから剥離除去する際に、前記着色層を、前記
基材シートの凹凸模様の凹部に残存させる請求項2に記
載の化粧シートの製造方法。
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JP12212497A JP4138044B2 (ja) | 1997-05-13 | 1997-05-13 | 化粧シートの製造方法 |
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- 1997-05-13 JP JP12212497A patent/JP4138044B2/ja not_active Expired - Fee Related
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