JPH10309446A - 浄化装置 - Google Patents

浄化装置

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JPH10309446A
JPH10309446A JP9121508A JP12150897A JPH10309446A JP H10309446 A JPH10309446 A JP H10309446A JP 9121508 A JP9121508 A JP 9121508A JP 12150897 A JP12150897 A JP 12150897A JP H10309446 A JPH10309446 A JP H10309446A
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JP
Japan
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separation membrane
water
membrane module
chemical
cleaning
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JP9121508A
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English (en)
Inventor
Yoshihisa Fujii
義久 藤井
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Nok Corp
Original Assignee
Nok Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構成で菌類の繁殖を防止する信頼性に
優れた浄化装置を提供する。 【解決手段】 分離膜モジュール5によって濾過された
水等を、一旦貯留するトラップ6と、逆洗時には、トラ
ップ6へ浴槽20内の汚れた水等が侵入するのを防ぐ遮
断手段(濾過水バルブ12等)とを設け、また、分離膜
に備えられる連通孔の断面形状を上流側から下流側に向
かって拡がるように傾斜する構造とし、さらに、薬品洗
浄の際には、まず、濾過水バルブ12を閉じて、三方バ
ルブ9を排水側に切り替え、薬剤供給バルブ8を開い
て、薬剤タンク7中の薬品を分離膜モジュール5内へ注
入後、薬品が分離膜モジュール5内の全ての分離膜に十
分浸透し、所定時間放置後、逆洗を行い、次に、三方バ
ルブ9を排水側に切り替えながら、順方向に水等を循環
させて、これらの逆洗による排水と、順濾過による排水
とを交互に繰り返し行って、分離膜中の薬品を十分に濯
ぐ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、循環式温
浴器などの浴槽中、あるいは、プール槽中などのの汚れ
や細菌等を浄化する浄化装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種の浄化装置としては、
たとえば、循環式温浴器(24時間風呂)などに用いら
れ、浴槽中の汚れや細菌等を浄化する装置である。
【0003】以下、図9、図10および図11を参照し
て、従来技術に係る浄化装置について簡単に説明する。
図9は従来技術に係る浄化装置を説明する概略図であ
り、図10は従来技術に係る浄化装置に備えられる分離
膜の使用状態を示す概略断面図であり、図11は従来技
術に係る浄化装置に備えられる分離膜モジュール(中空
糸膜モジュール)の概略構成図である。
【0004】図9に示したように、浴槽200内の水ま
たは温水201を浄化(濾過)する際には、浄化装置1
00に備えられたポンプ103で水または温水201を
図中実線矢印方向(順方向)に強制的に循環させる。
【0005】水または温水201は、まず、メインフィ
ルタ101で大きなゴミ等が除去され、次に、分離膜モ
ジュール104によって微細なゴミ、あるいは、菌が除
去され浄化(濾過)されて再び浴槽200内に戻され
る。
【0006】このように、所定時間循環させることによ
って、浴槽200内の水または温水201をきれいに保
たせることができる。
【0007】なお、メインフィルタ101には浴槽20
0中に存在する溶在有機性分を分解し得るバクテリアが
一般的には生成する。
【0008】また、所定期間使用すると、分離膜モジュ
ール104にゴミや菌などが溜って、目詰まりなどを起
こして、分離膜モジュール104の性能が低下していく
ため、この性能を再び向上させるため逆洗することがで
きる構成となっている。
【0009】すなわち、バルブ102を排出側に切り換
え、ポンプ103で水または温水201を図中点線矢印
方向(逆方向)に強制的に循環させる。
【0010】すると、浴槽200内の水または温水20
1は、分離膜モジュール104を濾過とは逆方向に流れ
て、分離膜モジュール104内に溜ったゴミや菌を洗い
流しながら装置外部に排出される。
【0011】このように、分離膜モジュール104の性
能が維持される。
【0012】なお、分離膜モジュール104の性能を維
持する方法として、他に、膜面に比較的、勢い良く水流
を与えて膜表面の汚れを除去する、いわゆるフラッシン
グによる方法もあるが、この方法も、浴槽やプール槽の
洗浄では、あまり効果的に洗浄することはできず、一般
的には用いられていなかった。
【0013】次に、分離膜モジュール104内に備えら
れる分離膜105について図10を参照して説明する。
【0014】なお、分離膜105としては平膜や中空糸
膜が用いられる。
【0015】分離膜105に備えられる連通孔106
は、図10に示したように断面形状は上流側(原水側)
から下流側(濾過側)に向かって狭くなるように傾斜す
る構造となっていた。
【0016】このように構成することで、ゴミや菌Dを
傾斜面に堆積させて分離膜モジュール104の寿命の長
期化を図っていた。
【0017】また、分離膜モジュール104が中空糸膜
の場合について図11を参照して説明する。
【0018】分離膜モジュール104が、いわゆるデッ
ドエンド型の中空糸膜モジュールの場合には、分離膜を
中空状に形成した中空糸膜104aをU字形状に折り曲
げたものを、分離膜モジュールケース104b内に多数
配置して、分離膜モジュールケース104bの下流側
(濾過側)で、中空糸膜104aが開口するように接着
(ポッティング部104c)されている。
【0019】したがって、入水口から入水した原水は中
空糸膜104aの外表面によって濾過されて、中空糸膜
104aの中空部へ浸透して、濾過された水はポッティ
ング部104cを介して、出水口から出水する。
【0020】このように、原水は濾過される。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来技術の場合には、下記のような問題が生じて
いた。
【0022】上述のように従来技術の構成では分離膜に
ゴミや菌等が溜りやすく、逆洗(図10中矢印と逆方
向)を行った場合にでも、連通孔の構造から傾斜面に堆
積したゴミや菌等は剥がれにくく、堆積する一方であっ
た。
【0023】また、洗浄の際に使用する水や温水は浴槽
から直接吸い上げて使用していたため、浴槽内の水また
は温水中に含まれるゴミや菌類が膜の逆側面に付着し、
逆汚染も生じていた。
【0024】このように、分離膜には長期間ゴミや菌等
が堆積された状態であるため、レジオネラ菌などの細菌
が繁殖してしまうことが問題となっている。
【0025】この対策として、殺菌剤の投与、抗菌処理
した部材の使用、紫外線殺菌、オゾン殺菌、加熱処理、
分離膜による除菌などが検討されている。
【0026】まず、殺菌剤の投与については、塩素系の
薬剤を用いれば殺菌効果があることが確認されている
が、臭気や毒性等を有しているだけでなく、メインフィ
ルタに用いられるバクテリアの活性が低下する問題が生
じる。
【0027】抗菌処理した部材の使用については、構造
物や配管等にこのような部材を使用した場合、その壁面
への菌の繁殖を防止することができるが、大量の浴槽水
中に浮遊する菌を完全に殺菌することは困難である。
【0028】紫外線殺菌については、紫外線が届く範囲
では効率良く殺菌効果があるが、紫外線自体が人体に悪
影響を及ぼすため、閉鎖系で循環させながら殺菌しなけ
ればばらず、小型のランプで完全に菌を殺すには循環速
度をゆっくりにし、ランプの周囲をクリーンな状態に保
ちながら運転する必要があるが、技術的には困難であり
現実的には循環速度を遅くすると浴槽内の攪拌が悪くな
り浴槽内壁部で菌が増殖してしまう。
【0029】これを解消するために循環速度を適正にし
ようとすれば、大型のランプが必要となり装置が大きく
なりすぎてしまう。
【0030】オゾン殺菌については、全ての菌を殺菌す
るためには菌の種類によって、かなり高濃度のオゾンを
溶解させなければならず、そのような溶解は技術的に困
難な上、人体への害を及ぼす恐れがある。
【0031】加熱処理については、70℃以上に加熱す
ることで効率良く殺菌することが可能であるが、加熱処
理を施した後に、適温にして浴槽に戻すためには、加熱
装置と冷却装置が必要となり、技術的に困難であり、装
置が大型化してしまう。
【0032】また、分離膜による除菌については、菌類
を完全に除去できる程度の阻止粒子径を有した分離膜を
使用することで完全に菌類の除去が可能であるが、目詰
まりが激しく短期間で流量が低下し、分離膜の性能が低
下してしまう。
【0033】そこで、分離膜を逆洗や薬品洗浄する必要
があるが、逆洗の場合、上述のように浴槽中の水等を使
用しては、あまり効果がなく、新たに水道配管すること
も考えられるが、そのためには、水道法の基準を満足す
るたの耐圧性なども考慮しなければならず、装置が複雑
化・大型化してしまい高価な装置となってしまう。
【0034】また、薬品洗浄については、これまで知ら
れた洗浄方法では、装置から分離膜モジュールを取り出
して、薬品洗浄用の専用設備、例えば、専用洗浄槽によ
って洗浄・すすぎ等を行って、効果的に洗浄することが
できる。
【0035】これは、単に、分離膜モジュールを薬品を
溜めた容器に漬けておき、その後、取り出して濯ぐ作業
を手作業で行った場合には、作業性が悪い上、十分な洗
浄が困難だからである。
【0036】しかし、このような方法では、専用設備を
必要とするため、家庭内で使用される場合には、専用の
装置の開発を必要とするか、あるいは、専門技術を有し
た者によるメンテナンス等を必要とすることが考えら
れ、実用性に欠けてしまう。
【0037】また、限外濾過膜(コロイド粒子を分離す
る膜)や逆浸透膜(逆浸透により分離する膜)を利用し
た装置では、その構成はクロスフロー濾過となっている
ため、薬品洗浄の際には、膜表面に容易に均質に薬品を
供給することができるので、薬品洗浄を比較的効果的に
行なうことが可能であるが、デッドエンド型の中空糸膜
モジュールの場合には、膜表面に均質に薬品を供給する
ことが困難であり、適正に薬品洗浄を行なうことができ
なかった。
【0038】しかし、除菌を目的とした精密濾過タイプ
の浄化装置では、デッドエンド型の中空糸膜モジュール
を適用するのが有効であり、デッドエンド型の中空糸膜
モジュールを適正に薬品洗浄を行なうことが望まれてい
た。
【0039】本発明は上記の従来技術の課題を解決する
ためになされたもので、その目的とするところは、簡単
な構成で菌類の繁殖を防止する信頼性に優れた浄化装置
を提供することにある。
【0040】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明にあっては、槽内の水を循環させる循環経路内
に介在し、順方向に循環させた場合に水を濾過する分離
膜を有した分離膜モジュールと、該分離膜モジュールを
逆洗する逆洗手段と、を備えた浄化装置において、前記
分離膜は、順方向上流側膜表面から下流側に向けて拡が
るように傾斜しながら膜壁を連通する連通孔を備えたこ
とを特徴とする。
【0041】したがって、分離膜の上流側でゴミや菌な
どが排除されると共に、連通孔の壁面へのゴミや菌など
の付着が防止される。
【0042】前記分離膜モジュールの順方向下流側に位
置し、かつ、分離膜モジュールと槽との間に介在し、分
離膜モジュールで濾過された水を貯留する貯留部と、該
貯留部の水を用いた前記逆洗手段による逆洗時に、該貯
留部への槽側の水の侵入を遮断する遮断手段と、を設け
るとよい。
【0043】したがって、逆洗の場合には、濾過された
水で洗浄され、その際には、遮断手段によって槽内の水
等が使用されてしまうことが防止される。
【0044】前記分離膜モジュール内に薬品を注入する
薬品注入手段と、順方向に循環させて薬品洗浄に使用さ
れた前記分離膜モジュール内の流体を排出する排出手段
と、を有し、該薬品注入手段により薬品を注入し、所定
時間経過した後に、前記逆洗手段による逆洗と前記排出
手段による排出を繰り返し行うとよい。
【0045】したがって、逆洗では洗浄しきれない程度
の汚れが薬品洗浄によって適正に洗浄されると共に、薬
品洗浄に使用された流体は十分に濯がれて排出される。
【0046】また、分離膜により形成される中空糸膜を
有した分離膜モジュールを備えた浄化装置において、前
記分離膜モジュールは、筒状のケースと、該ケースの中
に束状に収容されると共にケースの外部に向けて開口す
るように封止固定された中空糸膜と、前記束状に収容さ
れた中空糸膜の束の中に洗浄用の液体を供給可能に配置
されたノズルと、を有したことを特徴とする。
【0047】したがって、ノズルによって、束状に収容
された中空糸膜の内部にまで洗浄用の液体が供給され
る。
【0048】前記ノズルは、円筒形状のケースの軸方向
の略全領域に洗浄用の液体を均一に供給可能に配置され
るとよい。
【0049】したがって、ケース内に収容された中空糸
膜の全体に洗浄用の液体が付与される。
【0050】前記ノズルへは、膜洗浄用の薬品と、該薬
品を濯ぐ濯ぎ水とを注入可能であるとよい。
【0051】したがって、膜洗浄用の薬品、および、濯
ぎ水が全体に付与される。
【0052】前記中空糸膜の膜壁の内部から外部へ、お
よび、外部から内部へ、液体を循環可能な循環手段を備
えるとよい。
【0053】したがって、膜壁の内外の両方向から洗浄
可能である。
【0054】前記ケース内に均一に薬品を付与した後
に、前記循環手段により両方向に交互に循環させて、そ
の後、ケース内に均一に濯ぎ水を付与した後に、前記循
環手段により両方向に交互に循環させるとよい。
【0055】したがって、膜壁の内外の両方向から薬品
洗浄され、かつ、膜壁の内外の両方向から濯がれる。
【0056】前記分離膜の連通孔は、阻止粒子径を0.
01μmから0.4μmの範囲に設定されるとよい。
【0057】したがって、適正に菌類等が排除されると
共に、適正な流速が保たれる。
【0058】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して、この発明
の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただ
し、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、
材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載が
ないかぎりは、この発明の範囲をそれらのみに限定する
趣旨のものではない。
【0059】(第1の実施の形態)図1,図2,図3お
よび図4には本発明の第1の実施の形態に係る浄化装置
について示されている。図1は本発明の第1の実施の形
態に係る浄化装置を説明する概略図であり、図2は本発
明の第1の実施の形態に係る浄化装置に備えられる分離
膜の使用状態を示す概略断面図である。図3および図4
は本発明の第1の実施の形態に係る浄化装置の効果を示
す測定結果の表図である。
【0060】図1に示したように、浴槽20内の水また
は温水21を浄化(濾過)する際には、浄化装置1に備
えられたポンプ4で水または温水21を図中実線矢印方
向(順方向)に強制的に循環させる。
【0061】水または温水21は、まず、メインフィル
タ2で大方のゴミや溶存有機性分が除去され、次に、分
離膜モジュール5によってメインフィルタ2を通過した
ゴミや漏洩してきた菌が除去され浄化(濾過)され、一
旦、貯留部であるトラップ6を通って、再び浴槽20内
に戻される。
【0062】このように、所定時間循環させることによ
って、浴槽20内の水または温水21をきれいに保たせ
ることができる。
【0063】また、所定期間使用すると、分離膜モジュ
ール5にゴミや菌などが膜表面に堆積あるいは孔内に目
詰まりして、分離膜モジュール5の性能が低下していく
ため、この性能を再び向上させるため逆洗することがで
きる構成となっている。
【0064】すなわち、バルブ3を排出側に切り換え、
ポンプ4等によってトラップ6中の水または温水を図中
点線矢印方向(逆方向)に強制的に循環させる。
【0065】この時、トラップ6へ浴槽20内の汚れた
水等が侵入するのを防ぐ遮断手段としては、濾過水バル
ブ12で循環経路を遮断するか、あるいは、トラップ6
と大気とをエアベント11で流通させて浴槽20内の汚
れた水等の侵入を防止することができる。
【0066】このように、トラップ6内の濾過水は分離
膜モジュール5を濾過とは逆方向に流れて、分離膜モジ
ュール5内に溜ったゴミや菌を洗い流しながら装置外部
に排出される。
【0067】なお、逆洗は、タイマーによって所定時間
行うか、あるいは、水位計10を設置することによって
トラップ6内のほぼ全ての濾過水を使用して洗浄するよ
うに構成することが望ましい。
【0068】このように、分離膜モジュール5は濾過水
によって洗浄されるので高い洗浄効果が得られ、分離膜
モジュール5の性能を維持できる。
【0069】次に、分離膜モジュール5について、特に
図2を参照して、より詳しく説明する。
【0070】分離膜モジュール5は分離膜モジュールケ
ース51内に分離膜53を有した膜モジュール52が備
えられており、分離膜53は平膜でも良いが、小型化に
適するという点から中空糸膜を用いるのが望ましい。
【0071】そして、図2に示したように、分離膜53
に備えられる連通孔54の断面形状は上流側(原水側)
の膜表面から下流側(濾過側)に向かって拡がるように
傾斜する構造となっている。
【0072】また、分離膜53の連通孔54は、阻止粒
子径を0.01μmから0.4μmの範囲に設定するこ
とで、適正に菌を排除し、かつ適正な流量を確保するこ
とができる。なお、レジオネラ菌を阻止するには0.4
μm以下とし、大腸菌を阻止するには0.2μm以下に
設定する必要がある。
【0073】このように構成することで、連通孔54の
上流側でゴミや菌Dを除去することができ、さらに、こ
れらのゴミや菌Dは連通孔54の壁面に積載するような
ことはなく、従来技術のように分離膜によってゴミや菌
Dを溜めておく構成とは異なり、本実施の形態では、分
離膜53にはゴミや菌Dが溜ってしまうことはない。
【0074】なお、本実施の形態の構成では、従来技術
に比べてケーク層が形成されやすく流量低下が早いため
逆洗を高い頻度で行う必要があるが、連通孔54の上流
側にのみ堆積したゴミや菌Dは、逆洗によって容易に剥
がれ、洗浄されるので著しい洗浄効果が得られ、逆洗の
みでも、従来技術に比べて十分に洗浄できる。
【0075】また、逆洗を行う頻度の設定については、
所定の期間毎に定期的に行うか、あるいは、分離膜モジ
ュール5に濾過される水等の流量を不図示の測定手段に
よって測定し、この流量が所定量よりも少なくなったこ
とが測定された場合に、目詰まりが増えたものと予測し
て逆洗を行うように設定することが望ましい。
【0076】このような逆洗によって、十分な洗浄効果
が得られるが、長期間使用すると、逆洗のみでは限界が
あるため、本実施の形態では、さらに、薬品洗浄を行う
ことのできる構成となっている。
【0077】以下、薬品洗浄について、図1を参照して
説明する。
【0078】薬品洗浄を行う頻度の設定については、所
定の期間(逆洗の場合よりも長期間)毎に定期的に行う
か、あるいは、上記の流量を測定する測定手段を備える
場合には、上記の場合よりもさらに少ない流量に設定し
てこれ以下になった場合や、逆洗を行った後の流量が所
定量まで回復されないことが検出されたり、逆洗を行う
頻度が高くなった場合などを検出して、薬品洗浄を行う
ように設定することが望ましい。
【0079】図に示したように薬剤タンク7中に、薬品
(洗浄剤)として、市販の塩素系の漂白剤、あるいは風
呂釜洗浄剤などの、人体より発生する脂質や蛋白質等の
よごれ、および水道水中の鉄分、シリカ分、カルシウム
分、有機性分などを分解可能な薬品(洗浄剤)が収容さ
れている。
【0080】そして、洗浄の際には、まず、濾過水バル
ブ12を閉じて排出手段を構成する三方バルブ9を排水
側に切り替えて、薬剤供給バルブ8を開いて、薬剤タン
ク7中の薬品(洗浄剤)を、分離膜モジュール5内へ上
流側から注入する。
【0081】次に、薬品(洗浄剤)が分離膜モジュール
5内の全ての分離膜53に十分浸透し、所定時間放置し
てから逆洗を行う。
【0082】さらに、三方バルブ9を排水側に切り替え
ながら、順方向に水等を循環(すなわち、濾過を行う)
させる。
【0083】このように、逆洗による排水と、順濾過に
よる排水とを交互に繰り返し行って、分離膜53中の薬
品(洗浄剤)を十分に濯ぐ。
【0084】以上によって薬品洗浄が行われ、分離膜モ
ジュール5が十分に洗浄されると共に、薬品(洗浄剤)
が分離膜モジュール5内に残ってしまうことはない。
【0085】なお、上述の構成では、薬品(洗浄剤)
を、分離膜モジュール5の上流側から注入しているが、
図中点線で示した経路として、分離膜モジュール5の下
流側から注入させても良く、このように構成した場合に
は、所定時間放置後の最初の逆洗で、膜表面に浮き上が
った汚れを、より除去しやすいという点で優れている。
【0086】以上のような構成とした浄化装置1につい
て、従来技術等の構成の場合と比較した測定結果を基
に、その効果について説明する。
【0087】測定は、以下に示す条件(試験)により、
それぞれ、分離膜モジュールによって濾過される流量
(ml/min)の変化を測定した。なお、測定時の環
境温度は40℃で、圧力は0.5kg/cm2 である。
【0088】(X)入浴後の浴槽水200リットルを準
備し、本発明の実施の形態に基づく構成により、分離膜
の阻止粒子径が0.1μm以上の分離膜モジュール
(0.04m2 )に対し、初期と、浴槽水2リットルを
透過させた(40℃,0.2kg/cm2 )場合の透過
後、および、この透過後に濾過水0.2リットルで逆洗
(0.3kg/cm2 )を行った後に、上記の測定を行
った。
【0089】(Y)上記(X)の濾過と逆洗を4回繰り
返した後と、さらに、2リットルを透過させた後と、上
記逆洗を行った後に、上記の測定を行った。
【0090】(A)分離膜モジュールの構成を本実施の
形態と同じ((X)と同じ)構成とし、逆洗に使用する
水等を濾過水を用いずに、従来技術のように浴槽中の水
等を使用して上記(X)と同じ試験を行った。
【0091】(B)上記(A)の濾過と逆洗を4回繰り
返した後と、さらに、2リットルを透過させた後と、上
記逆洗を行った後に上記の測定を行った。
【0092】(C)分離膜モジュールの構成を従来技術
の構成、すなわち、図6に示したように濾過時の下流側
に向けて狭くなる連通孔を備えた一般的なミクロフルタ
の構造を持った分離膜(阻止粒子径が0.1μm)を用
いて、上記(X)と同じ試験を行った。
【0093】(D)上記(C)の濾過と逆洗を4回繰り
返した後と、さらに、5リットルを透過させた後と、上
記逆洗を行った後に上記の測定を行った。
【0094】以上の測定結果を図3に示す。
【0095】図から明らかなように、複数の濾過と逆洗
を行った場合、すなわち、(Y),(B)および(D)
を比較すると、本実施の形態である(Y)が最も優れて
いることが分かる。
【0096】次に、薬品洗浄を行った場合についての測
定結果について説明する。
【0097】(Z)上記(Y)の試験後の分離膜モジュ
ール(モジュール内容積約20ml)に対し、0.2%
次亜塩素酸ナトリウム溶液を濾過方向に50mlだけ強
制注入し、40℃にて3時間放置した後に濾過水(0.
2l)で逆洗を行い、薬品洗浄前と洗浄後で上記の測定
を行った。
【0098】(E)上記(Y)の試験後の分離膜モジュ
ールを装置から取り出して、0.2%次亜塩素酸ナトリ
ウム溶液中に浸漬させて、40℃にて3時間放置した後
に、分離膜モジュールを濾過水中に10分間浸漬して、
濾過水の交換し、これを3回繰り返し、薬品洗浄前と洗
浄後で上記の測定を行った。
【0099】以上の測定結果を図4に示す。
【0100】図から明らかなように、薬品洗浄と逆洗と
を組み合わせることによって、分離膜モジュールの性能
が著しく回復することが確認された。
【0101】(第2の実施の形態)図5乃至図8には、
本発明の第2の実施の形態が示されている。本実施の形
態の形態では分離膜モジュールの構成に特徴を有してい
る。その他の構成および作用については第1の実施の形
態と同一なので、同一の構成部分については同一の符号
を付して、その説明は省略する。
【0102】図5および図6は本発明の第2の実施の形
態に係る分離膜モジュールの概略構成図であり、図7は
図5に示した分離膜モジュールを適用した浄化装置を説
明する概略図であり、図8は本発明の第2の実施の形態
に係る浄化装置の効果を示す測定結果の表図である。
【0103】分離膜の洗浄に使用される薬品としては、
一般的に、次亜塩素酸ナトリウム、水酸化カリウム、水
酸化ナトリウム、過炭酸ナトリウム、界面活性剤、酵素
などが用いられる。
【0104】工業的に洗浄する場合には、各薬品を汚染
物質に合わせて使用することが可能であるが、浴槽やプ
ールなど多種多様な汚染物質が混在する場合には、複数
種類の薬品を混合したものを使用するのが有効である。
【0105】例えば、家庭用漂白剤として、次亜塩素酸
ナトリウムと水酸化ナトリウムと界面活性剤とを混合し
たものや、風呂釜洗浄剤のように過炭酸ナトリウムと炭
酸水素ナトリウムと界面活性剤とを混合したもの、さら
にこれらに酵素を混入したものなどが市販されている。
【0106】しかし、上述の第11図で示した構成のデ
ッドエンド型の中空糸膜モジュールを、これらの薬品に
よる洗浄(浸漬洗浄など)をしても効果は少ない。
【0107】浸漬洗浄の場合には、膜の内部や中空糸膜
の中空部まで十分に薬品が浸透しにくいことが原因であ
る。
【0108】また、例えば、上述の第1の実施の形態で
示した第1図の構成のように薬品を注入後、逆洗のみで
洗浄した場合には活性酸素等の発生により、中空糸膜の
中空内に気体が溜ってしまい洗浄液などが流れなくなっ
て、膜を破損してしまうことなどがある。
【0109】そこで、上述の第1の実施の形態で示した
ように、順方向の濾過と、逆洗とを交互に行なう薬品洗
浄を行なうことは有効であるが、第11図で示した構成
のデッドエンド型の中空糸膜モジュールでは、なお、不
十分である。
【0110】これは、ケース等の構造からケース内での
流体の流れが一定となっているために所定の箇所のみ流
量が激しく、流体の流れがほとんどない箇所があり、ま
た、中空糸膜が束状に収容されているために、薬品が行
き渡りにくい箇所があり、十分に薬品洗浄を行なうのが
困難なためであり、ケース内の中空糸膜全体に薬品を十
分浸透させようとすると、かなり長時間の洗浄時間を必
要する。
【0111】そこで、本実施の形態では、図5あるいは
図6に示した分離膜モジュール(デッドエンド型の中空
糸膜モジュール)を適用した。
【0112】まず、分離膜モジュール5の構成につい
て、図5を参照して説明する。
【0113】分離膜モジュール5は、いわゆるデッドエ
ンド型の中空糸膜モジュールであり、一端側に入水口5
1aを備えると共に他端側に出水口51bを備えた円筒
形状のモジュールケース51内に、膜モジュール52と
してU字状の中空糸膜が束状に多数収容されている。
【0114】この中空糸膜は出水口51b側で外部に向
けて開口するように封止固定(ポッティング)されてい
る(ポッティング部55)。
【0115】したがって、入水口51aから入水した水
や温水は、中空糸膜の膜壁外部から中空内部に浸透し
て、水や温水は浄化され、ポッティング部55を介して
出水口54より出水する。
【0116】そして、分離膜モジュール5には本実施の
形態の特徴であるノズル56が、中空糸膜が束の中に配
置されており、図に示したように、円筒の軸方向に対し
て、入水口51a側から洗浄用の液体を注入できるよう
に開口(洗浄用の液体の供給口57)し、かつ、出水口
51b側付近に至る領域にまで配置されるように備えら
れている。
【0117】このように、ノズル56は、モジュールケ
ース51の軸方向のほぼ全領域を占めるように配置され
ている。
【0118】また、このノズル56は洗浄用の液体をモ
ジュールケース51内に供給させるためのものであり、
ノズル56には径方向および周方向に満遍なく液体噴射
部59が設けられており、上述のように配置されている
ことから、ノズル56内に注入された洗浄用の液体はモ
ジュールケース51内全体に均一に供給できる。
【0119】なお、ノズル56には薬品およびこの薬品
を濯ぐための濯ぎ水を注入することができる。
【0120】以上のような構成により、薬品洗浄の際に
は、まず、薬品をノズル56により供給(噴射)すれ
ば、モジュールケース51内全体の中空糸膜(膜モジュ
ール52)に行き渡り、その後、ノズル56により濯ぎ
水を供給(噴射)して、入水口51aや出水口51bか
ら排出させれば全体を濯ぐことができる。
【0121】なお、濯ぎ水は出水口51bから供給する
こともできる。
【0122】また、図6に示した構成では、ノズル56
が、円筒の軸方向に対して、出水口51b側から洗浄用
の液体を注入できるように開口(洗浄用の液体の供給口
58)し、かつ、入水口51a側に至る領域にまで配置
されるように備えられており、その他の構成は図5に示
す構成と同じであるのでその説明は省略する。
【0123】なお、これらの構成における入水口51a
により、ノズル56とは別に、さらに薬品や濯ぎ水を供
給するようにしてもよい。
【0124】以上のように、図5や図6に示した構成の
分離膜モジュール5を、例えば、上述の第1の実施の形
態で示した浄化装置に適用すれば、薬品洗浄の洗浄効果
をより一層高めることができる。
【0125】次に、図5に示した分離膜モジュール5を
上述の図1とは異なるシステムに適用した浄化装置につ
いて図7を参照して説明する。
【0126】以下に、浄化システムについて説明する
と、図7に示したように、まず、通常の濾過の場合に
は、槽30内の原水が給水口30aから吸い上げられ
て、循環ポンプ31を通り、3方バルブ32および33
を通って入水口51a、および、3方バルブ34を通り
ノズル56から分離膜モジュール5内に入る。
【0127】そして、中空糸膜(膜モジュール52)に
よって原水は濾過されて、ポッティング部55を介して
出水口51bより出水し、3方バルブ35と4方バルブ
36を経て槽30に戻る。
【0128】この循環を繰り返すことによって槽30内
の水を浄化できる。
【0129】次に、薬品洗浄の場合には、循環ポンプ3
1を停止して、3方バルブ34を洗浄側に切り替えると
共に、3方バルブ33を排水部37側に切り替える。
【0130】そして、タンク40から洗浄剤溶液(薬
品)を、3方バルブ45の切り替えによって、循環手段
を構成する薬剤循環ポンプ39の作用によって3方バル
ブ34を介してノズル56よりモジュールケース51内
全体に均一に供給する。
【0131】なお、この際に入水口51aからも同時に
洗浄剤溶液(薬品)を注入してもよい。
【0132】その後、3方バルブ35を洗浄循環側に切
り替えて、薬剤循環ポンプ39によって所定時間循環さ
せる(図中点線矢印)。
【0133】所定時間循環させた後に逆洗側に循環方向
を切り替えて、再び所定時間循環させる。
【0134】このように、交互に循環方向を切り替えな
がら薬品洗浄を行なう。
【0135】なお、循環方向の切り替えは、例えば、方
向を逆転可能なポンプを用いたり、4方向弁(不図示)
を介在させることによって行なうことができる。
【0136】以上のように薬品洗浄すれば、モジュール
ケース51内全体の隅々まで十分に洗浄できる。
【0137】この洗浄によって発生した気体(活性酸
素)は、疎水性多孔質膜による空気抜き、あるいは、機
械式空気抜き40によって排出される。
【0138】そして、所定時間薬品洗浄した後に、薬品
洗浄に使用した液体を濯ぐ場合には、循環を停止した後
に、逆洗方向により出水口51bから濯ぎ水を供給する
か、あるいは、ノズル56から濯ぎ水を供給して、入水
口51aから排出させる。
【0139】ここで、槽30内の水にを濯ぎ水として利
用する場合には、3方バルブ32を逆洗側に切り替え
て、4方バルブ36および3方バルブ35を通って、出
水口51bから分離膜モジュール5内に濯ぎ水を供給さ
せて、中空糸膜を濯いだ水は、入水口51aから排出さ
れて、3方バルブ34および3方バルブ33を通って、
排水部37から排水させる。
【0140】この逆洗による濯ぎを所定時間行なった後
に、3方バルブ32および33を順濾過方向に切り替え
て、分離膜モジュール5に対して通常の濾過方向に循環
させると共に、出水口51bから排出させた濯ぎ水を4
方バルブ36から排水部38に排水させる。
【0141】このように、順方向の循環と逆洗方向の循
環を交互に行ないながら濯げば効果的に濯ぐことができ
る。
【0142】以上のように、薬品洗浄の場合には逆洗方
向にのみ薬品洗浄および濯ぎを行なうと、中空糸膜内部
に気泡が溜ってしまい、適正に洗浄を行なうことが難し
いため循環方向を切り替えながら洗浄するのが望まし
い。
【0143】以下に、このシステムを適用した場合につ
いての効果を、具体例に基づいた比較試験によって説明
する。
【0144】分離膜モジュール5には、有効膜面積0.
2m2 の中空糸膜を用いて、風呂の浴槽内の水を洗浄す
る試験によって比較を行なった。
【0145】<実施例1> まず、初期状態で分離膜モ
ジュール5に通水した場合の濾過水の透過速度を測定
(初期測定)し、入浴後の水(約20リットル)を分離
膜モジュール5に通水した後に、濾過水の透過速度を測
定(風呂水濾過後測定)した。
【0146】その後、市販の漂白剤(次亜塩素酸ナトリ
ウムと水酸化ナトリウムと界面活性剤を混合したもの)
を50倍に希釈した溶液を100ml/minの循環速
度で、環境温度25℃にて5時間循環させて薬品洗浄を
行なった。
【0147】そして、逆洗方向に0.2kg/cm2
圧力で浄水(同じ孔径の分離膜で濾過した水)を30秒
間程流した後、さらに、順方向に同じ圧力で30秒間流
し、この逆洗と順濾過による濯ぎを3回繰り返した後
に、濾過水の透過速度を測定(洗浄後測定)した。
【0148】なお、測定時の流体の圧力は0.3kg/
cm2 で、環境温度は20℃である。
【0149】<実施例2>実施例1では、漂白剤を付与
後、順方向に5時間循環させたが、本実施例では、漂白
剤を付与後、まず、順方向に30分間循環させて、その
後逆洗方向に30分間循環させて、これを交互に5時間
循環洗浄させた。
【0150】その他は実施例1と同じである。
【0151】<比較例1>薬品洗浄を行なわず、実施例
1の濯ぎ操作のみを行なった。
【0152】その他は実施例1と同じである。
【0153】<比較例2>薬品洗浄は、実施例1に使用
した洗浄用溶液と同じ溶液で、環境温度25℃にて5時
間浸漬洗浄させた後に、実施例1の濯ぎ操作を行なっ
た。
【0154】その他は実施例1と同じである。
【0155】<比較例3>分離膜モジュールを図11に
示した構成によるもので、試験を行なった。
【0156】その他は実施例1と同じである。
【0157】以上の結果を図8に示す。
【0158】図の実施例1や実施例2の結果から明らか
なように、著しい洗浄効果が得られたことが分かる。
【0159】
【発明の効果】本発明は、分離膜に、順方向上流側膜表
面から下流側に向けて拡がるように傾斜しながら膜壁を
連通する連通孔を備えたことによって、簡単な構成で、
分離膜の上流側でゴミや菌などを排除して、分離膜への
侵入を防止できると共に、連通孔の壁面へのゴミや菌な
どの付着を防止できるので、逆洗の際には効率よく洗浄
でき、菌類の繁殖を防止でき、信頼性に優れている。
【0160】分離膜モジュールに濾過された水を貯留す
る貯留部と、逆洗時に、貯留部への浴槽側の水の侵入を
遮断する遮断手段を設ければ、分離膜モジュールを濾過
された水のみで洗浄できるので、一層洗浄性が向上す
る。
【0161】薬品注入手段と、順方向に循環させて薬品
洗浄に使用された分離膜モジュール内の流体を排出する
排出手段と、を有することによって、逆洗では洗浄しき
れない場合には、分離膜モジュール内に薬品を注入し、
所定時間経過した後に、逆洗と排出手段による排出を繰
り返し行うことで、十分な洗浄を行うことができると共
に、薬品洗浄に使用された流体を十分に濯いで排出させ
ることができる。
【0162】また、束状に収容された中空糸膜の束の中
に洗浄用の液体を供給可能に配置されたノズルを有する
ことによって、束状に収容された中空糸膜の内部にまで
洗浄用の液体が供給され、洗浄効果が向上する。
【0163】ノズルは、円筒形状のケースの軸方向の略
全領域に洗浄用の液体を均一に供給可能に配置すれば、
分離膜モジュールのケース内に収容された中空糸膜の全
体に洗浄用の液体を付与することができるので、洗浄効
果がより一層向上する。
【0164】ノズルへは、膜洗浄用の薬品と、該薬品を
濯ぐ濯ぎ水とを注入可能とすれば、膜洗浄用の薬品、お
よび、濯ぎ水を全体に付与することができ、効果的に薬
品洗浄と、その濯ぎができる。
【0165】循環手段を備えれば、膜壁の内外の両方向
から洗浄可能であるので、薬品によって気体が発生して
も、中空糸膜内に気体が溜ってしまうことによる、流体
の流れを妨げることを防止できる。
【0166】ケース内に均一に薬品を付与した後に、循
環手段により両方向に交互に循環させて、その後、ケー
ス内に均一に濯ぎ水を付与した後に、循環手段により両
方向に交互に循環させれば、十分に薬品洗浄され、か
つ、十分の濯がれて、洗浄効果が一層向上する。
【0167】分離膜の連通孔を、阻止粒子径を0.01
μmから0.4μmの範囲に設定すれば、適正に菌類等
を排除すると共に、適正な流速を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の第1の実施の形態に係る浄化装
置を説明する概略図である。
【図2】図2は本発明の第1の実施の形態に係る浄化装
置に備えられる分離膜の使用状態を示す概略断面図であ
る。
【図3】図3は本発明の第1の実施の形態に係る浄化装
置の効果を示す測定結果の表図である。
【図4】図4は本発明の第1の実施の形態に係る浄化装
置の効果を示す測定結果の表図である。
【図5】図5は本発明の第2の実施の形態に係る分離膜
モジュールの概略構成図である。
【図6】図6は本発明の第2の実施の形態に係る分離膜
モジュールの概略構成図である。
【図7】図7は図5に示した分離膜モジュールを適用し
た浄化装置を説明する概略図である。
【図8】図8は本発明の第2の実施の形態に係る浄化装
置の効果を示す測定結果の表図である。
【図9】図9は従来技術に係る浄化装置を説明する概略
図である。
【図10】図10は従来技術に係る浄化装置に備えられ
る分離膜の使用状態を示す概略断面図である。
【図11】図11は従来技術に係る分離膜モジュールの
概略構成図である。
【符号の説明】
1 浄化装置 4 ポンプ 5 分離膜モジュール 51 モジュールケース 51a 入水口 51b 出水口54 52 膜モジュール 53 分離膜 54 連通孔 55 ポッティング部 56 ノズル 6 トラップ 7 薬剤タンク 9 三方バルブ

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】槽内の水を循環させる循環経路内に介在
    し、順方向に循環させた場合に水を濾過する分離膜を有
    した分離膜モジュールと、 該分離膜モジュールを逆洗する逆洗手段と、を備えた浄
    化装置において、 前記分離膜は、順方向上流側膜表面から下流側に向けて
    拡がるように傾斜しながら膜壁を連通する連通孔を備え
    たことを特徴とする浄化装置。
  2. 【請求項2】前記分離膜モジュールの順方向下流側に位
    置し、かつ、分離膜モジュールと槽との間に介在し、分
    離膜モジュールで濾過された水を貯留する貯留部と、 該貯留部の水を用いた前記逆洗手段による逆洗時に、該
    貯留部への槽側の水の侵入を遮断する遮断手段と、を設
    けたことを特徴とする請求項1に記載の浄化装置。
  3. 【請求項3】前記分離膜モジュール内に薬品を注入する
    薬品注入手段と、順方向に循環させて薬品洗浄に使用さ
    れた前記分離膜モジュール内の流体を排出する排出手段
    と、を有し、 該薬品注入手段により薬品を注入し、所定時間経過した
    後に、前記逆洗手段による逆洗と前記排出手段による排
    出を繰り返し行うことを特徴とする請求項2に記載の浄
    化装置。
  4. 【請求項4】分離膜により形成される中空糸膜を有した
    分離膜モジュールを備えた浄化装置において、 前記分離膜モジュールは、 筒状のケースと、 該ケースの中に束状に収容されると共にケースの外部に
    向けて開口するように封止固定された中空糸膜と、 前記束状に収容された中空糸膜の束の中に洗浄用の液体
    を供給可能に配置されたノズルと、を有したことを特徴
    とする浄化装置。
  5. 【請求項5】前記ノズルは、円筒形状のケースの軸方向
    の略全領域に洗浄用の液体を均一に供給可能に配置され
    ることを特徴とする請求項4に記載の浄化装置。
  6. 【請求項6】前記ノズルへは、膜洗浄用の薬品と、該薬
    品を濯ぐ濯ぎ水とを注入可能であることを特徴とする請
    求項4または5に記載の浄化装置。
  7. 【請求項7】前記中空糸膜の膜壁の内部から外部へ、お
    よび、外部から内部へ、液体を循環可能な循環手段を備
    えたことを特徴とする請求項4,5または6に記載の浄
    化装置。
  8. 【請求項8】前記ケース内に均一に薬品を付与した後
    に、前記循環手段により両方向に交互に循環させて、そ
    の後、ケース内に均一に濯ぎ水を付与した後に、前記循
    環手段により両方向に交互に循環させることを特徴とす
    る請求項7に記載の浄化装置。
  9. 【請求項9】前記分離膜の連通孔は、阻止粒子径を0.
    01μmから0.4μmの範囲に設定されることを特徴
    とする請求項1,2,3,4,5,6,7または8に記
    載の浄化装置。
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