JPH10308384A - プラズマ処理方法 - Google Patents

プラズマ処理方法

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JPH10308384A
JPH10308384A JP11675697A JP11675697A JPH10308384A JP H10308384 A JPH10308384 A JP H10308384A JP 11675697 A JP11675697 A JP 11675697A JP 11675697 A JP11675697 A JP 11675697A JP H10308384 A JPH10308384 A JP H10308384A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラズマ・チャンバ内にある程度の堆積物が
存在する状態でも、安定したプラズマ放電を開始・継続
させ、ウェハ上に残存するポリイミド膜の残渣を再現性
良く除去する。 【解決手段】 ウェハの全面を覆う感光性の2層目ポリ
イミド膜7をパターニングすると、ハンダ・ボールの下
地膜となるBLM膜6a,6bを露出させるべき開口7
a,7bの内部にポリイミド膜の残渣7sがしばしば残
る。この残渣7sをスパッタ・エッチングで除去するた
めに枚葉式プラズマ装置を用いると、プラズマ・チャン
バ内には残渣の再付着物が蓄積し、プラズマ放電状態が
1回の処理ごとに変動する。そこで、放電初期にプラズ
マ励起用電源の出力を段階的に高めてプラズマ放電状態
を安定化させた後、基板バイアス印加用電源の出力を段
階的に高めて実質的なスパッタ・エッチングを行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
〔発明の詳細な説明〕
【0002】
【従来の技術】電子機器の小型化をより一層進展させる
ためには、部品実装密度をいかに向上させるかが重要な
ポイントとなる。半導体ICに関しても、ボンディング
・ワイヤとリード・フレームとを用いた従来のパッケー
ジ実装に代わり、LSIのベア・チップを直接に実装基
板上の導体パターンに接続するワイヤレス・ボンディン
グが提案されている。中でも、デバイス・チップの素子
形成面側にすべての電極部とこれに接続するバンプやビ
ーム・リードを形成しておき、この素子形成面を下向き
にして実装基板上の導体パターンに直接的に接続する方
法はフリップ・チップ・ボンディング法と呼ばれてお
り、アセンブリ工程が合理化できることからハイブリッ
ドICの実装や大型コンピュータ用途に広く利用されて
いる。
【0003】フリップ・チップ・ボンディング法には、
Auビーム・リード法や、ハンダ・ボール(バンプ)法
等いくつかの手法があるが、いずれの場合もICのAl
電極パッドとバンプ材料との間には、密着性向上や相互
拡散防止等を目的に下地金属膜が形成される。特にハン
ダ・ボール法では、この下地金属膜はハンダ・ボールの
仕上り形状を左右することから、BLM(Ball Limiting
Metal) 膜と呼ばれている。BLM膜の構成としては、
Cr膜, Cu膜,Au膜をこの順に積層した3層構成が
最も一般的である。
【0004】ここで、Al電極パッドにBLM膜を介し
てハンダ・ボールを被着させる従来の一般的なプロセス
を、図12ないし図15を参照しながら説明する。図1
2は、基板11のパッシベーションを行い、さらにBL
M膜の被着範囲を規定するための1層目ポリイミド膜1
4のパターニングを行った状態を示している。ここまで
の工程を簡単に述べると、まず、すべての素子形成が終
了した基板11上でAl電極パッド12aを所定の形状
にパターニングする。次に、基体(ウェハ)の全面をS
iNパッシベーション膜13で被覆し、この膜をパター
ニングしてAl電極パッド12aに臨む開口13aを形
成する。続いて、ウェハの全面を1層目ポリイミド膜1
4で被覆し、Al電極パッド12aに臨む開口14aを
上記開口13aのさらに内側に形成する。
【0005】次に、図13に示されるように、上記開口
14aを覆うごとくBLM膜16aを形成する。このB
LM膜16aは、下層側から順にCr膜,Cu膜,Au
膜がスパッタリングにより積層された多層膜であり、通
常はリフトオフ法により形成される。すなわち、まず前
掲の図13に示した1層目ポリイミド膜14の上に、十
分な厚さを有するレジスト・パターン(図示せず。)を
上記開口14aを露出させるごとく形成する。次に、A
l電極パッド12aの表面に成長している自然酸化膜を
除去するための前処理を行う。この前処理とは、典型的
にはAr+ イオンを用いたスパッタ・エッチングであ
る。次に、ウェハの全面にBLM膜を被着させると、B
LM膜はレジスト・パターン上に被着される部分とAl
電極パッド12上に被着される部分とに分断される。こ
の後、ウェハをレジスト剥離液に浸して加熱揺動処理を
行うと、レジスト・パターン上のBLM膜は除去され、
Al電極パッド12aに接続するBLM膜16aのみを
残すことができる。
【0006】次に、図14に示されるように、上記BL
M膜16aを完全に被覆するハンダ膜19aをたとえば
リフトオフ法により形成する。続いて加熱リフローを行
うと、ハンダ膜19aは表面張力により上記BLM膜1
6a上で自己整合的に収縮し、図15に示されるような
ハンダ・ボール19arとなる。この後、ウェハをダイ
シングしてデバイス・チップを分割し、個々のデバイス
・チップのハンダ・ボール形成面を下向きにして実装基
板と対向させ、該実装基板上の予備ハンダ付けされた導
体パターンと上記ハンダ・ボールとを位置合わせした上
で加熱溶着させると、チップの実装が完了する。
【0007】ところで、上記Al電極パッドは通常、デ
バイス・チップの周辺部に配置される。しかし、チップ
に作り込まれる素子が微細化され、Al電極パッドの配
置間隔が縮小されてくると、従来どおりにハンダ・ボー
ルを形成することが困難となってくる。これは、隣接す
るハンダ・ボール同士の接触により短絡の虞れが生ずる
からである。
【0008】ただし、ハンダ・ボール同士の接触を避け
ようとして該ハンダ・ボールの直径を小さくすると、実
装基板とデバイス・チップとの間の接合強度が低下し、
信頼性を損なう原因となる。このため、ハンダ・ボール
径は従来どおりとしながらそのレイアウトを変更し、A
l電極パッドの直上領域(以下、定位置と称する。)に
位置するハンダ・ボールと直上領域外(以下、再配置と
称する。)に位置するハンダ・ボールとを交互に配置す
る技術が提案されている。この技術では、該Al電極パ
ッドと再配置の場所までの配線パターンが新たに必要と
なるが、本願出願人はこの配線パターンをBLM膜を用
いて形成する技術を提案している。再配置をBLM膜を
用いて行えば、従来のフォトマスク・パターンの変更の
みで対応できるので工程数が増加せず、コストや製造効
率の面で非常に都合が良い。
【0009】図16に、ハンダ・ボールが再配置された
LSIチップの一部を示す。なお、この図に示すLSI
チップを構成する各材料膜の積層関係は、前掲の図15
における積層関係とほぼ同じである。ただし、図中の符
号には必要に応じ、定位置に関連する構造には添字a、
再配置に関連する構造には添字bを付す。このデバイス
・チップ上では、ある1辺に沿ってAl電極パッド12
a,12bが配列されている。これらAl電極パッド1
2a,12bは、この上に開口13aを有するSiNパ
ッシベーション膜13、および上記開口13aのさらに
内部に開口14aを有する1層目ポリイミド膜14に順
次被覆され、該開口14aの内部でBLM膜16に接続
されている。ただし、このBLM膜には2種類ある。す
なわち、Al電極パッド12aの直上領域のみにパター
ニングされている定位置用のBLM膜16aと、Al電
極パッド12bの直上領域外にまで延在されている再配
置用のBLM膜16bである。
【0010】かかるウェハの全面はさらに、図中破線で
示す2層目ポリイミド膜17で被覆され、この2層目ポ
リイミド膜17には定位置用の開口17aと再配置用の
開口17bとが形成される。これら開口17a,17b
の内部で定位置用のハンダ・ボール19arと再配置用
のハンダ・ボール19brとがそれぞれBLM膜16
a,16bを介してAl電極パッド12a,12bに接
続される。このようなレイアウトによれば、加熱溶着を
行った際にもハンダ・ボール同士が接触することがな
い。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
再配置を実際に行うプロセスでは、BLM膜16a,1
6bとハンダ・ボール19a,19bとの間のコンタク
ト不良および接着不良が、新たな問題として浮上してき
た。この問題は、2層目ポリイミド膜17の開口不良に
起因するものである。上記2層目ポリイミド膜17の構
成材料としては、一般に感光性ポリイミド樹脂が用いら
れており、そのパターニングは通常のレジスト・プロセ
スと同様、フォトリソグラフィと現像処理を経て行われ
ている。しかし、2層目ポリイミド膜17はLSIの内
部に形成される絶縁膜とは異なり数μmオーダーの厚み
を有しているため、作業環境や処理条件のわずかな変動
でも解像不良や現像不良を生ずることがある。
【0012】図17に、かかる解像不良や現像不良に起
因して開口17a,17bの内部に残渣17sが発生し
た状態を示す。この図は、図16のA−A線断面図であ
る。このような残渣17sを残した状態では、開口17
a,17bの内部でBLM膜16a,16bとハンダ・
ボール19ar,19brとが全面的に接触することが
できず、電気的コンタクトが劣化する。また、BLM膜
16a,16bとハンダ・ボール19ar,19brと
の間の接着強度も低下するため、フリップ・チップ・ボ
ンディング法による組立製品のハンダ接合部の強度が確
保できず、製品の信頼性や耐久性に悪影響が及ぼされ
る。
【0013】そこで、この残渣17sを除去することが
必要となる。この除去は、前述のAl電極パッド12の
露出面に対する前処理と同様、Ar+ イオンを用いたス
パッタ・エッチングにより行われる。ここで、通常の有
機材料膜の代表的な除去方法であるO2 プラズマ・アッ
シングを行わないのは、BLM膜16a,16b表面酸
化を避けるためである。しかしながら、上記2層目ポリ
イミド膜17の残渣17sは発生量そのものが比較的多
く、このように大量の残渣17sを伴ったウェハに対す
るスパッタ・エッチングを同一のプラズマ装置内で繰り
返してゆくと、スパッタされたポリイミド膜がプラズマ
・チャンバの内壁面やウェハ・ステージの周辺に再付着
し、ウェハ処理枚数を重ねるにしたがって蓄積されてし
まう。これらのチャンバ内再付着物は、イン・プロセス
で除去することは極めて困難である。
【0014】このようなプラズマ・チャンバの汚染は、
プラズマの安定放電を妨げる原因となることが知られて
いる。実際、上述のように大量の再付着物が発生したプ
ラズマ・チャンバ内では、スパッタ・エッチングのため
のプラズマ放電を1回行うごとに、プラズマの状態はす
べて微妙に異なることになる。プラズマ状態の変化は、
インピーダンス変化となって観測される。一般にプラズ
マ装置では、電源からチャンバへ向かって印加された進
行波の出力に対して、プラズマ・チャンバから電源へ戻
る反射波の電力を最小限に調整することが望ましく、こ
のように調整された状態をインピーダンスが整合(マッ
チング)された状態と称している。近年のプラズマ装置
には、RF電源あるいはマイクロ波電源と負荷(すなわ
ちプラズマ・チャンバ)との間にインピーダンス整合器
(マッチング回路)が接続されており、上述のような整
合を自動的に行う(オートチューニング)ようになされ
ているのが普通である。
【0015】しかしながら、上述のように絶縁性の再付
着物が大量にプラズマ・チャンバ内に堆積していると、
特にプラズマ放電開始時においてインピーダンスの変動
が大きくなり易く、装置のオートチューニング機能によ
る可調整範囲を超えてしまうことが少なくない。このよ
うな場合には、プラズマ放電のスムースな立ち上がりが
著しく阻害される。また、仮にプラズマ放電が開始され
たとしても初期の放電状態が不安定なために、残渣17
sのスパッタ除去速度にウェハ間あるいはウェハ内での
ばらつきが生じてしまう。この結果、仕上がりのハンダ
・ボール19ar,19brとBLM膜16a,16b
との電気的コンタクトや接着強度の再現性が損なわれる
ことになる。
【0016】頻繁にプラズマ・チャンバを大気開放して
手作業による清掃を行えば上述のような不都合が避けら
れるとも言えるが、メンテナンス所要時間が著しく増大
して半導体装置のスループットの大幅な低下につながる
ため、現実的な手法ではない。したがって、相当量のポ
リイミド膜がプラズマ・チャンバ内に蓄積されても、実
用上許容されるスループットと製造歩留りを維持できる
範囲でプラズマ放電を繰り返さざるを得ないのが現状で
ある。そこで本発明は、プラズマ・チャンバ内にある程
度の堆積物が存在する状態でも安定したプラズマ放電を
開始・継続させることにより、残渣を再現性良く除去
し、最終的にはハンダ・ボールとBLM膜とのコンタク
トや接着性を改善して信頼性と歩留りに優れるLSI実
装製品を提供することが可能なプラズマ処理方法を提供
することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明のプラズマ処理方
法は、プラズマ励起用電源と基板バイアス印加用電源と
を独立に備えるプラズマ装置のプラズマ・チャンバ内に
被処理体を保持し、該被処理体上の残渣をスパッタ・エ
ッチングにより除去する際に、第1工程でプラズマ励起
用電源の出力を段階的に増加させてプラズマ放電状態を
安定化させた後、第2工程でプラズマ励起用電源の出力
を第1工程における到達出力以上の値に維持しながら実
質的なスパッタ・エッチングを行うことで、上述の目的
を達成しようとするものである。
【0018】このときの基板バイアス印加用電源の出力
は、(a)第1工程ではゼロ、第2工程ではゼロより高
い所定値に維持するか、あるいは(b)第1工程ではゼ
ロから段階的に増加させ、第2工程では該第1工程にお
ける到達出力以上の値に維持するか、のいずれかの設定
とすることができる。すなわち、上記バイアス印加用電
源の出力をゼロから段階的に増大させ始めるタイミング
が、上記(a)の方法ではプラズマ励起用電源の出力を
増大させ終わった後となり、上記(b)の方法ではプラ
ズマ励起用電源の出力の増大とある程度連動することと
なる。
【0019】
【発明の実施の形態】プラズマ励起用電源とバイアス印
加用電源を独立に備えるプラズマ装置では、バイアス印
加用電源の出力を一定としてプラズマ励起用電源の出力
を段階的に増大させると、プラズマ密度が段階的に増大
する。一方、プラズマ励起用電源の出力を一定としてバ
イアス印加用電源の出力を段階的に増大させると、プラ
ズマ密度はあまり変化しないものの、被処理体に対する
イオンの入射エネルギーが増大する。本発明のプラズマ
処理方法は、プラズマ装置の上述のような特性を利用す
る。すなわち、第1工程ではプラズマ励起用電源の出力
を段階的に増大させることによりプラズマ密度の急激な
上昇を防いで初期のプラズマ放電状態を安定化させ、続
く第2工程ではバイアス印加用電源の出力を段階的に増
大させることでイオン入射エネルギーを高め、安定なプ
ラズマ状態の下で実質的なスパッタ・エッチングを進行
させる。これにより、残渣のスパッタ・エッチングに伴
ってプラズマ・チャンバ内にある程度の堆積物が蓄積さ
れた状態であっても、再現性の高い残渣の除去を行うこ
とが可能となる。
【0020】したがって本発明では、バイアス印加用電
源の出力をゼロから段階的に増大させ始めるタイミング
により、プラズマ処理の機構は若干異なったものとな
る。すなわち、前述(a)の方法では、プラズマが十分
に高密度化された時点でイオンが被処理体に向けて引き
出されるので、高密度の高エネルギー・イオンを利用し
ながらスパッタ・エッチングが行われる。一方、前述
(b)の方法では、プラズマを高密度化する過程でもイ
オンが少しずつ引き出されるので、イオンのエネルギー
と密度の双方を段階的に高めながらスパッタ・エッチン
グが行われる。なお、上述のような制御は、たとえば従
来の平行平板型プラズマ装置やマグネトロン型プラズマ
装置のようにバイアス印加用電源を独立に持たず、プラ
ズマ励起用電源の出力の変化に応じてプラズマ密度と被
処理体へのイオン入射エネルギーが連動して変化してし
まうような装置では行うことができない。
【0021】ところで、プラズマ励起と基板バイアスと
を独立に制御可能なプラズマ装置は、一般に高密度プラ
ズマ装置でもあり、たとえば有磁場マイクロ波プラズマ
装置、誘導結合プラズマ(ICP)装置、ヘリコン波プ
ラズマ装置がこれに該当する。有磁場マイクロ波プラズ
マ装置では1011/cm3 、誘導結合プラズマ装置では
1012/cm3 、ヘリコン波プラズマ装置では1013
cm3 の各オーダーのプラズマ密度をそれぞれ励起可能
である。これらのプラズマ装置は、電場と磁場との相互
作用により電子とガス分子の衝突確率を高める機構を備
えているので、低ガス圧下でも大量の活性種を生成で
き、しかもこの活性種の平均自由行程が長いのでウェハ
に入射するイオンの散乱が少ないというメリットを有す
る。なお、励起されるプラズマの種類は、有機保護膜の
残渣を除去するに十分なイオン入射エネルギーを得るこ
とができ、かつイオン入射面の形状や性質に悪影響を与
えないものとする。典型的にはArプラズマが好適であ
る。
【0022】本発明で除去すべき残渣は、あらゆる種類
の残渣であって良いが、特にプラズマ・チャンバ内に再
付着物として蓄積されるとイン・プロセスではなかなか
除去されにくい有機保護膜由来の残渣を対象とした場合
に、本発明が極めて有効となる。この有機保護膜とは、
たとえば被処理体上に形成されるデバイス・チップのハ
ンダ・ボール配列面を被覆し、該デバイス・チップの電
極パッドに接続される下地金属膜パターンのハンダ・ボ
ール被着部位を露出させる開口を有する膜である。
【0023】また、上記下地金属膜パターンの典型例は
BLM膜である。このBLM膜をハンダ・ボールの再配
置にも用いる場合には、該BLM膜がデバイス・チップ
の電極パッドの直上領域外へも延在されているので、ハ
ンダ・ボール被着部位を露出させる開口は電極パッドの
直上領域のみならず、BLM膜の延在部にも形成される
ことになる。
【0024】特に、上記有機保護膜として感光性の膜を
使用した場合には、開口の形成はフォトリソグラフィお
よび現像処理により行うことになるが、再配置用の開口
を延在部に形成する場合には、特に有機保護膜の残渣が
発生しやすい。これは、再配置用の開口がデバイス・チ
ップ周辺部の電極パッド上の開口と異なり素子形成領域
上に形成されるために、下地の凹凸の影響を受けやすい
こと、また特に有機保護膜としてポリイミド膜を使用し
た場合には、この膜がBLM膜を構成するCu膜と反応
して不溶化する傾向があるからである。したがって、本
発明はデバイス・チップ上の定位置にのみハンダ・ボー
ルを配置する場合の残渣の除去にももちろん有効である
が、ハンダ・ボールを再配置する場合に大量に発生する
残渣の除去に極めて好適である。
【0025】なお、上記有機保護膜としては、たとえば
ポリイミド系樹脂,ポリテトラフルオロエチレン誘導
体、フッ化ポリアリルエーテル誘導体、ポリ−p−フッ
化キシレン等、層間絶縁膜材料として近年提案されてい
る低誘電率の材料膜を用いることができる。中でもポリ
イミド系樹脂膜は、耐熱性が400℃以上と高いことか
ら目下のところ最も広く用いられている材料であるが、
耐熱性、耐湿性、耐クラック性、平坦化性に優れ、熱膨
張係数が小さく、さらに好ましくは不純物ゲッタリング
特性も備えた有機材料を適宜選択して用いることができ
る。
【0026】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例について説明
する。
【0027】実施例1 ここでは、ハンダ・ボール再配置用のBLM膜を被覆す
る2層目ポリイミド膜に開口を形成し、この開口内に発
生した残渣を有磁場マイクロ波プラズマ装置とArガス
を用いたスパッタ・エッチングにより除去するプロセス
について、図1ないし図11を参照しながら説明する。
なお、これらの図面はいずれも、前掲の図16のA−A
線断面に相当する部分を表している。また、符号の添字
aは定位置に関連する部分、添字bは再配置に関連する
部分にそれぞれ付した。
【0028】まず、図1に示されるように、すべての素
子形成が終了した基板1上でAl電極パッド2a,2b
のパターニングを行い、続いて基体の全面をたとえばプ
ラズマCVD法により成膜されるSiNパッシベーショ
ン膜3で被覆し、さらにこの膜をパターニングして上記
Al電極パッド2a,2bを露出させるように開口3
a,3bをそれぞれ形成した。この状態が、通常のデバ
イス・チップの完成状態である。なお、上記Al電極パ
ッド2aは前掲の図1にも示したごとく、後工程におい
てその直上領域(定位置)にハンダ・ボールが形成され
るパッドであるが、Al電極パッド2bは直上領域外に
ハンダ・ボールが形成されるパッドである。
【0029】次に、図2に示されるように、基体(ウェ
ハ)の全面に感光性のポリイミド膜(東レ社製:商品名
UR−3100,比誘電率ε≒3.2)を約5μmの厚
さに塗布し、1層目ポリイミド膜4を形成した。次に、
g線によるフォトリソグラフィと現像処理とを経て該1
層目ポリイミド膜4をパターニングし、上記Al電極パ
ッド2a,2bを露出させるための開口4a,4bをそ
れぞれ形成した。これら開口4a,4bは、先に形成さ
れたSiNパッシベーション膜3の開口3a,3bの内
部に開口されており、Al電極パッド2a,2bと後工
程において形成されるBLM膜とのコンタクト面積を規
定するものである。なおこのとき、上記開口4a,4b
の内部には、ポリイミド膜の残渣が4sが残存した。こ
の残渣4sは実際には数10から数100nm程度の厚
さに残存するものであり、露光・現像後のキュアにより
最終的に約2μmの厚さとなった1層目ポリイミド膜4
と比較すると、図2では誇張して図示されている。
【0030】次に、図3に示されるように、通常のレジ
スト塗布、フォトリソグラフィおよび現像を行い、レジ
スト・パターン5を形成した。このレジスト・パターン
5には、定位置用のBLM膜(図5の符号6a)の被着
部位を規定するためにAl電極パッド2aに臨んで形成
される開口5aと、再配置用のBLM膜(図5の符号6
b)の被着部位を規定するためにAl電極パッド2bに
臨んで形成される開口5bとを有している。
【0031】次に、上記のウェハを平行平板型プラズマ
RIE装置に搬入し、Arスパッタ・エッチングによる
前処理を行った。この前処理は本来、Al電極パッド2
a,2bの表面の自然酸化膜を除去する目的で行われる
ものであるが、図4に示されるように、上記残渣4sの
除去も兼ねている。前処理条件は、たとえば下記のとお
りとした。 装置 平行平板型RFプラズマ装置 Ar流量 25 SCCM 圧力 1.0 Pa RFパワー 300 W(13.56MHz) ウェハ温度 室温 処理時間 180 秒
【0032】次に、上記Al電極パッド2a,2bの表
面に自然酸化膜を再成長させないようにウェハを真空下
でDCスパッタリング装置に搬送し、ここで直ちにCr
膜(厚さ約0.1μm),Cu膜(厚さ約1.0μ
m),Au膜(厚さ約0.1μm)を順次スパッタリン
グ成膜した。このときの成膜条件は、たとえば以下のと
おりとした。
【0033】このスパッタリングにより、図5に示され
るように、BLM膜が形成された。ただし、スパッタリ
ングではスパッタ粒子の入射方向が基板面に対して狭い
範囲に規定されているために、レジスト・パターン5の
側壁面にはBLM膜が付着しない。したがって、Al電
極パッド2aには定位置用のBLM膜6a、Al電極パ
ッド2bには再配置用のBLM膜6bがそれぞれ被着さ
れるが、これらはいずれもレジスト・パターン5上のB
LM膜6cとは自己整合的に分断された。なお、BLM
膜6cは不要部である。
【0034】次に、このウェハをレジスト剥離液に浸し
て加熱揺動処理を行った。このレジスト剥離液は、たと
えばジメチルスルフォキシド(DMSO)とN−メチル
−2−2−ピロリドン(CH3 NC4 6 O)とを混合
したものである。この結果、図6に示されるように、レ
ジスト・パターン5の剥離に伴ってその上に堆積した不
要なBLM膜6cが一緒に除去され、Al電極パッド2
a,2bに接続するBLM膜6a,6bのみが残った。
【0035】この後は、ハンダ・ボールの形成工程に入
る。すなわち、まず図7に示されるように、ウェハの全
面に厚さ約5μmの2層目ポリイミド膜7を成膜した。
この2層目ポリイミド膜7を前述の1層目ポリイミド膜
4の場合と同様にフォトリソグラフィと現像処理を経て
パターニングし、ハンダ・ボールの形成部位を規定する
ための開口7a,7bを形成した。ここで、上記開口7
aは定位置用に形成されるものであり、Al電極パッド
2aの直上領域でBLM膜6aを露出させるごとく形成
される。これに対し、開口7bは、Al電極パッド2b
の直上領域外においてBLM膜6bを露出させるごとく
形成される。ただし、2層目ポリイミド膜7のフォトリ
ソグラフィは前述の1層目ポリイミド膜4の場合よりも
ウェハの表面段差が大きい条件で行われるため、その解
像特性の局所変動も大きく、残渣7sが発生しやすくな
る。
【0036】そこで、発散磁界型の有磁場マイクロ波プ
ラズマ装置を用いたスパッタ・エッチングによる上記残
渣7sの除去を試みた。この除去は、マイクロ波出力の
異なる2段階の下位工程からなる第1工程と、この第1
工程に比べてRFバイアス・パワーを増加させた第2工
程とからなる。各工程におけるプラズマ処理条件は、一
例として下記のように設定した。
【0037】 〔第1工程の第1段階〕 Ar流量 40 SCCM 圧力 0.27 Pa(=2 mTorr) マイクロ波出力 650 W(2.45GHz) RFバイアス出力 0 V(13.56MHz) ウェハ温度 90 ℃ 処理時間 5 秒 〔第1工程の第2段階〕 Ar流量 40 SCCM 圧力 0.27 Pa マイクロ波出力 900 W(2.45GHz) RFバイアス出力 0 V(13.56MHz) ウェハ温度 90 ℃ 処理時間 5 秒 〔第2工程〕 Ar流量 40 SCCM 圧力 0.27 Pa マイクロ波出力 900 W(2.45GHz) RFバイアス出力 100 V(13.56MHz) ウェハ温度 90 ℃ 処理時間 40 秒
【0038】上記第1工程の第1段階から第2段階にか
けては、マイクロ波出力を増加させている。このとき、
ラングミュア・プローブやインピーダンス整合器(この
場合はマイクロ波自動整合器)を用いて負荷の状態を測
定すると、電子温度はあまり変化しないがプラズマ密度
は増加し、またリアクタンス(すなわちインピーダンス
の虚数部)が増大していた。つまり、プラズマ密度の増
加によってウェハW表面のイオン・シースが薄くなった
のである。ここまでの段階では、ウェハW表面の残渣7
sはほとんど除去されないが、プラズマ密度を段階的に
上昇させることで安定な放電の開始および継続が実現さ
れた。続く第2工程では、マイクロ波出力はそのままに
RFバイアス出力を増大させている。この工程では、プ
ラズマ密度や電子温度はほとんど変化しないが、リアク
タンスが減少していた。つまり、ウェハ・ステージとプ
ラズマとのポテンシャル差が大きくなり、イオン・シー
スが厚くなったのである。これにより、イオン・シース
の直流電界により加速されるイオンの入射エネルギーが
増大し、実質的なスパッタ・エッチングが進行した。
【0039】この結果、図8に示されるように残渣7s
が除去され、BLM膜6a,6bの清浄な表面が露出し
た。なお、上記有磁場マイクロ波プラズマ装置では上述
のようなスパッタ・エッチングを多数枚のウェハWにつ
いて繰り返すことになるが、残渣7sに由来するプラズ
マ・チャンバ内の堆積物の多少の蓄積で従来のように直
ちにプラズマ放電状態が不安定化することはなくなる。
したがって、従来に比べてメンテナンス・サイクルを大
幅に引き延ばしても、残渣除去量のウェハ内ばらつき、
ウェハ間ばらつきを共に抑えることができた。
【0040】次に、上記ウェハの全面にレジスト膜を形
成し、ハンダ膜の被着部位を規定するためのレジスト・
パターニングを行った。このパターニングにより、図9
に示されるように、上記開口7a,7bを含み、これら
より十分に大きい開口8a,8bを有するレジスト・パ
ターン8を形成した。なお、このレジスト・パターン8
の膜厚は、次工程においてハンダ膜を分断させるに十分
な厚さとした。続いて、ウェハの全面にハンダ膜(97
%Pb−3%Sn)を蒸着させた。これにより、開口8
aの内部にてBLM膜6aに接続するハンダ膜9a、開
口8bの内部にてBLM膜6bに接続するハンダ膜9b
が形成されたが、この両者はレジスト・パターン8上に
被着された不要なハンダ膜9cとは自己整合的に分断さ
れていた。なお、ハンダ膜の成膜は上述のような蒸着に
限られず、電界メッキにより行っても良い。
【0041】このウェハを再びレジスト剥離液に浸して
加熱揺動処理を行い、レジスト・パターン8と不要なハ
ンダ膜9cを除去すると、図10に示されるように、定
位置用のハンダ膜9aと再配置用のハンダ膜9bのみが
残された状態となった。この後、いわゆるウェットバッ
ク工程を経てハンダ・ボールを形成した。すなわち、ま
ずパターニングされたハンダ膜9a,9bにフラックス
を塗布した。このフラックスは、アミン系活性剤,アル
コール系溶媒,ロジン,およびポリグリコール等の樹脂
を主成分とし、ハンダ膜9a,9bの還元および表面活
性化作用を有するものである。この状態のウェハをN2
雰囲気下で段階的に昇温すると、ハンダ膜9a,9bは
溶融しながら自身の表面張力で球状に収縮した。この結
果、図11に示されるように、BLM膜6a上には定位
置のハンダ・ボール9ar、BLM膜6b上には再配置
されたハンダ・ボール9brとが形成された。
【0042】この後、上記ウェハをダイシングして個々
のチップに分割し、上記のハンダ・ボール9ar,9b
rと、予め予備ハンダ付けされた実装基板上の導体パタ
ーンとを位置合わせしながら加熱溶着させることによ
り、LSIチップの実装を完了した。このようにして完
成された組立製品は、ハンダ接合部に十分な強度が確保
されているため、信頼性、耐久性、歩留りに優れてい
た。
【0043】実施例2 本実施例では、2層目ポリイミド膜7に開口7a,7b
を形成した後の残渣7sの除去を、誘導結合プラズマ
(ICP)装置を用いたスパッタ・エッチングにより行
った。ここでICP装置とは、プラズマ・チャンバ内の
上蓋を兼ねる上部電極(アノード)とウェハ・ステージ
を兼ねた下部電極(カソード)とが対向配置され、プラ
ズマ・チャンバの側壁面の一部を構成する絶縁壁の外周
をマルチターン・アンテナで周回したものである。上記
マルチターン・アンテナにプラズマ励起用のRF電源、
下部電極に基板バイアス印加用のRF電源がそれぞれ接
続され、プラズマ密度と基板バイアスとが独立に制御可
能となされている。
【0044】本実施例において、開口7a,7bを形成
するまでの工程は、実施例1で述べたとおりである。次
に、発生した残渣7sを除去するため、ICP装置を用
いたスパッタ・エッチングによる上記残渣7sの除去を
試みた。この除去は、ソース出力とRFバイアス出力の
異なる2段階の下位工程からなる第1工程と、この第1
工程に比べてソース出力とRFバイアス出力をさらに増
加させた第2工程とからなる。各工程におけるプラズマ
処理条件は、一例として下記のように設定した。
【0045】 〔第1工程の第1段階〕 Ar流量 30 SCCM 圧力 0.13 Pa ソース出力 500 W(450 kHz) RFバイアス出力 0 V(13.56 MHz) ヒータ設定温度 90 ℃ 処理時間 5 秒 〔第1工程の第2段階〕 Ar流量 30 SCCM 圧力 0.13 Pa ソース出力 750 W(450 kHz) RFバイアス出力 50 V(13.56MHz) ウェハ温度 90 ℃ 処理時間 5 秒 〔第2工程〕 Ar流量 30 SCCM 圧力 0.13 Pa ソース出力 1000 W(450 kHz) RFバイアス出力 100 V(13.56MHz) ウェハ温度 90 ℃ 処理時間 40 秒
【0046】本実施例におけるソース出力とRFバイア
ス出力の段階的増加による効果はほぼ実施例1で述べた
とおりであるが、上記の条件設定では基板バイアス印加
を第1工程の第2段階から開始している。つまり、プラ
ズマ密度が最高値に達する以前で既にプラズマ中のイオ
ンをウェハWへ向けて加速しているが、ICP装置は本
来的に高いプラズマ密度を達成可能な装置なので、この
段階からスパッタ・エッチングが可能となる。比較のた
めに、同じICP装置を用いてRFバイアス出力を上記
第1工程の第2段階では0V、第2工程で初めて100
Vとする条件で同様の残渣7sの除去を行ったが、上述
の本実施例の方がトータルのプラズマ処理時間を短縮す
ることができ、スループットの観点から有利であった。
本実施例でも、図8に示されるように、残渣7sが除去
され、BLM膜6a,6bの清浄な表面を露出させるこ
とができた。以降の工程は実施例1と同様に行い、最終
的には再現性および信頼性の高いLSIチップの実装を
完了し、組立製品を歩留り良く得ることができた。
【0047】以上、本発明を2例の実施例にもとづいて
説明したが、本発明はこれらの実施例に何ら限定される
ものではない。たとえば、使用するサンプル・ウェハの
構成、成膜条件、各材料膜の種類や膜厚、使用するプラ
ズマ装置、スパッタ・エッチング条件等の細部は適宜変
更、選択、組合せが可能である。
【0048】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明によればプラズマ・チャンバ内で被処理体上の残渣を
スパッタ・エッチングにより除去する際の、プラズマ放
電の開始および継続が安定化される。特に、上記残渣が
デバイス・チップのハンダ・ボール配列面を被覆するポ
リイミド膜に由来する場合、その中でも特にハンダ・ボ
ールの再配置をBLM膜を用いて行うためにポリイミド
膜が2層用いられている場合に、本発明はポリイミド膜
の残渣を高い再現性と均一性をもって除去することがで
きる。したがって、本発明によりハンダ・ボールとBL
M膜との密着性が向上し、最終的にはこのハンダ・ボー
ルが配列されたデバイス・チップを実装基板上に実装し
て得られる組み立て品の信頼性、耐久性、歩留りを大幅
に改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したプロセス例において、基板上
でAl電極パッドとSiNパッシベーション膜とをパタ
ーニングした状態を示す模式的断面図である。
【図2】図1の基体上で1層目ポリイミド膜をパターニ
ングし、Al電極パッドに臨む開口を形成した状態を示
す模式的断面図である。
【図3】スパッタ・エッチングにより図2の残渣を除去
した状態を示す模式的断面図である。
【図4】図3の基体上でBLM膜の被着部位を規定する
ためのレジスト・パターニングを行った状態を示す模式
的断面図である。
【図5】図4の基体上にBLM膜を被着させた状態を示
す模式的断面図である。
【図6】図5のレジスト・パターンをリフトオフし、B
LM膜の不要部を除去した状態を示す模式的断面図であ
る。
【図7】図6の基体上でハンダ・ボールの形成部位を規
定するための2層目ポリイミド膜のパターニングを行
い、残渣が生じた状態を示す模式的断面図である。
【図8】スパッタ・エッチングにより図7の残渣を除去
した状態を示す模式的断面図である。
【図9】図8の基体上でハンダ膜の被着部位を規定する
ためのレジスト・パターニングを行い、さらにハンダ膜
を蒸着した状態を示す模式的断面図である。
【図10】図9のレジスト・パターンをリフトオフし、
ハンダ膜の不要部を除去した状態を示す模式的断面図で
ある。
【図11】基板加熱によりハンダ・ボールを形成した状
態を示す模式的断面図である。
【図12】ハンダ・ボールの再配置を行わない従来プロ
セスにおいて、Al電極パッド、SiNパッシベーショ
ン膜および1層目ポリイミド膜をパターニングした状態
を示す模式的断面図である。
【図13】図12の基体上にBLM膜を被着させた状態
を示す模式的断面図である。
【図14】図13のBLM膜上でハンダ膜をパターニン
グした状態を示す模式的断面図である。
【図15】基板加熱によりハンダ・ボールを形成した状
態を示す模式的断面図である。
【図16】LSIチップ上でハンダ・ボールを再配置し
た状態を示す斜視図である。
【図17】ハンダ・ボールの再配置を行う従来プロセス
において、2層目ポリイミド膜のパターニング後に残渣
が発生した状態を示す模式的断面図である。
【符号の説明】
1…基板 2a,2b…Al電極パッド 3…SiNパ
ッシベーション膜 4…1層目ポリイミド膜 4s…残
渣 6a…BLM膜(定位置用) 6b…BLM膜(再
配置用) 7…2層目ポリイミド膜 7a,7b…開口
7s…残渣9a,9b…ハンダ膜(ハンダ・ボール形
成用) 9ar…ハンダ・ボール(定位置) 9br…
ハンダ・ボール(再配置)

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラズマ励起用電源と基板バイアス印加
    用電源とを独立に備えるプラズマ装置のプラズマ・チャ
    ンバ内に被処理体を保持し、該被処理体上の残渣をスパ
    ッタ・エッチングにより除去するプラズマ処理方法であ
    って、 前記プラズマ励起用電源の出力を段階的に増加させなが
    らプラズマ放電状態を安定化させる第1工程と、 前記プラズマ励起用電源の出力を前記第1工程における
    到達出力以上の値に維持しながら実質的なスパッタ・エ
    ッチングを行う第2工程とを有することを特徴とするプ
    ラズマ処理方法。
  2. 【請求項2】 前記基板バイアス印加用電源の出力を、
    前記第1工程ではゼロ、前記第2工程ではゼロより高い
    所定値に維持することを特徴とする請求項1記載のプラ
    ズマ処理方法。
  3. 【請求項3】 前記基板バイアス印加用電源の出力を、
    前記第1工程ではゼロから段階的に増加させ、前記第2
    工程では該第1工程における到達出力以上の値に維持す
    ることを特徴とする請求項1記載のプラズマ処理方法。
  4. 【請求項4】 前記スパッタ・エッチングは、1×10
    10/cm3 以上、1×1014/cm3 以下のプラズマ密
    度を達成可能なプラズマ装置を用いて行うことを特徴と
    する請求項1記載の半導体装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記残渣が有機保護膜に由来することを
    特徴とする請求項1記載のプラズマ処理方法。
  6. 【請求項6】 前記有機保護膜が、前記被処理体上に形
    成されるデバイス・チップのハンダ・ボール配列面を被
    覆し、該デバイス・チップの電極パッドに接続される下
    地金属膜パターンのハンダ・ボール被着部位を露出させ
    る開口を有する膜であることを特徴とする請求項5記載
    のプラズマ処理方法。
  7. 【請求項7】 前記下地金属膜パターンの一部は前記電
    極パッドの直上領域外への延在部を有し、前記ハンダ・
    ボール被着部位を露出させる開口が該延在部にも設けら
    れていることを特徴とする請求項6記載のプラズマ処理
    方法。
  8. 【請求項8】 前記有機保護膜が感光性を有し、前記残
    渣はフォトリソグラフィおよび現像処理を経て該有機保
    護膜をパターニングした際に前記開口内に発生すること
    を特徴とする請求項6記載のプラズマ処理方法。
  9. 【請求項9】 前記有機保護膜がポリイミド系樹脂膜か
    らなることを特徴とする請求項8記載のプラズマ処理方
    法。
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