JPH10308322A - 積層型電子部品の製造方法 - Google Patents

積層型電子部品の製造方法

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JPH10308322A
JPH10308322A JP9116961A JP11696197A JPH10308322A JP H10308322 A JPH10308322 A JP H10308322A JP 9116961 A JP9116961 A JP 9116961A JP 11696197 A JP11696197 A JP 11696197A JP H10308322 A JPH10308322 A JP H10308322A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 積層型電子部品の製造方法において、積層体
の側面に露出した内部電極の一部を簡単な工程で絶縁被
覆すること。 【解決手段】 積層体11の端面12a,12bには内
部電極の引出し部15a,15bがそれぞれ露出し、側
面12cには内部電極の一部15cが露出している。こ
の積層体11の端面12aを含む下半分を絶縁ペースト
に浸漬した後、端面12aに付着した絶縁ペーストを除
去して外部電極17を塗布する。さらに、積層体11を
上下反転させていまひとつの端面12bを含む残りの半
分を絶縁ペーストに浸漬した後、端面12bに付着した
絶縁ペーストを除去して外部電極17を塗布する。これ
にて、積層体11の外部電極17以外の表面が絶縁皮膜
18で被覆される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、チップコンデン
サ、チップインダクタ等の積層型電子部品の製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】図7に従来の積層型電子部品の一例を示
す。この図7は積層体1に外部電極を設ける直前を図示
したもので、積層体1の両端面には内部電極の引出し部
5a,5aが露出し、両側面には内部電極の一部5b,
5bが露出している。内部電極の一部5bは積層体1を
マザーブロックから切り出すとき、連続体としてマザー
シート上に形成されている内部電極のカット面として露
出した部分である。完成品とするには、この露出部5b
を絶縁材によって被覆する必要がある。
【0003】絶縁被覆の一例として考えられるのは、図
8に示すように、マザーブロック3を幅Wで切断し、切
断部分にセラミックスラリ4を流し込み、乾燥後に再度
切断して絶縁層4aとする方法である。いまひとつの例
は、図9に示すように、内部電極5の露出部5bをエッ
チング液で溶かして除去し、積層体1の側面にギャップ
Gを設けて絶縁性を確保する方法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図8に
示した方法では、ダイサーによる切断工程を1ユニット
に対して2回行う必要がある。ダイシングは位置合わせ
等が手間であり、余分なダイシングは避けることが好ま
しい。また、図9に示した方法では、エッチング液によ
って積層体1や内部電極5にダメージを与え、製品の信
頼性に問題が残る。
【0005】そこで、本発明の目的は、積層体の側面に
露出した内部電極の一部を簡単な工程で絶縁被覆するこ
とのできる積層電子部品の製造方法を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段と作用】以上の目的を達成
するため、本発明は、積層体の両端面に内部電極の引出
し部が露出し、少なくとも一側面に内部電極の一部が露
出している積層型電子部品の製造方法において、前記積
層体の第1の端面を含む約半分を絶縁ペーストに浸漬
し、第1の端面に付着した絶縁ペーストを除去し、か
つ、該第1の端面に外部電極を設け、さらに、積層体の
第2の端面を含む残りの約半分を絶縁ペーストに浸漬
し、第2の端面に付着した絶縁ペーストを除去し、か
つ、該第2の端面に外部電極を設けることを特徴とす
る。
【0007】本発明に係る製造方法においては、内部電
極を内蔵した積層体をマザーブロックから1ユニットご
とに切り出した状態で、約半分ずつ絶縁ペーストに浸漬
し、各端面に付着した絶縁ペーストを除去して外部電極
を設けるという一連の工程で積層体の周囲に絶縁皮膜が
形成され、内部電極の側面露出部分が絶縁処理される。
絶縁ペーストとしては、例えば、積層体と同じセラミッ
ク材料、ガラス系セラミック材料、樹脂材料もしくはガ
ラス単体を主成分とし、樹脂成分を混入してペースト状
にしたものが使用できる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る積層型電子部
品の製造方法の実施形態について添付図面を参照して説
明する。
【0009】(第1実施形態、図1〜図4参照)図1は
本発明方法に係るチップコイル10を示し、(A)は内
部電極を内蔵した積層体11をマザーブロックから切り
出した状態を示し、(B)は積層体11の両端部に外部
電極17を設けると共に、側面及び表裏面に絶縁皮膜1
8を設けた状態(完成品)を示す。図1(A)におい
て、積層体11の両端面12a,12bには内部電極の
引出し部15a,15bが露出し、両側面12c,12
cには内部電極の一部15c,15cが露出している。
【0010】図2、図3は内部電極15のパターンを示
す。内部電極15は螺旋状のコイルを形成するためのも
ので、セラミックグリーンシート上に形成された図2
(A),(B)に示す2種類の半円弧状パターンからな
り、1枚ずつ交互に積層されて、一点鎖線X,Yによっ
て1ユニットに切り出される。符号16はビアホールで
あり、電極材料によって充填され、積層されたときに上
下のパターンを螺旋状に連続させる。このビアホール1
6が一点鎖線Yでカットされると積層体11の側面12
cに一部15cとして露出することになる。
【0011】図3(A)は引出し部15aを有するコイ
ルの一端を形成する電極パターンを示し、図3(B)は
引出し部15bを有するコイルの他端を形成する電極パ
ターンを示す。即ち、積層体11は、無地の保護シート
上に図3(A)に示す電極パターンを有するシートを積
層し、その上に図2(A),(B)に示す電極パターン
を有するシートを複数枚積層し、さらに図3(B)に示
す電極パターンを有するシートを積層し、かつ、無地の
保護シートを積層し、一点鎖線X,Yにてダイシングで
カットしたものである。シートの積層体をカットする場
合、その積層体は焼結されていてもよいが、未焼結のも
のでもよい。
【0012】次に、前記積層体11に対して外部電極1
7と絶縁皮膜18を塗布する工程について図4を参照し
て説明する。まず、保持体21に積層体11の第2の端
面12b側を保持させ(図4(A)参照)、絶縁ペース
ト18’上に搬送し、絶縁ペースト18’に約半分を浸
漬し(図4(B)参照)、引き上げる(図4(C)参
照)。このとき、絶縁ペースト18’は積層体11の第
1の端面12aを含む約下半分に付着する。絶縁ペース
ト18’としては、例えば、積層体11と同じセラミッ
ク材料、ガラス系セラミック材料、樹脂材料もしくはガ
ラス単体を主成分とし、樹脂成分を混入してペースト状
にしたものが使用される。
【0013】次に、前記積層体11の第1の端面12a
を例えば濾紙のような台盤22上に押し当てて上方に引
き離し乾燥させる(図4(D),(E)参照)。これに
て、第1の端面12aから絶縁ペースト18’が転写あ
るいは吸い取られることになる。なお、台盤22の材質
はいかなるものでもよく、絶縁ペースト18’が、これ
も前記の転写や吸い取りに限らず、除去できるものなら
何でもよい。次に、第1の端面12aを電極ペースト1
7’に浸漬する(図4(F)参照)。電極ペースト1
7’は所定の厚みにスキージされており、積層体11を
引き上げることで第1の端面12a及びその周囲に電極
ペースト17’が付着する(図4(G)参照)。
【0014】次に、電極ペースト17’を乾燥させ、積
層体11を上下反転させて再度前記(A)〜(G)の工
程を繰り返す。電極ペースト17’は内部電極の引出し
部15a,15bと電気的に接続した外部電極17とな
り、絶縁ペースト18’は内部電極の側面露出部15c
を被覆する絶縁皮膜18となる。
【0015】以上の製造方法によれば、ダイシング工程
を増加する必要なく、積層体11に簡単に絶縁皮膜を形
成することができる。しかも、エッチング液を使用する
ことはないので、積層体や内部電極が劣化することもな
い。
【0016】(第2実施形態、図5、図6参照)図5は
本発明方法に係るチップコンデンサ30を示し,(A)
は内部電極を内蔵した積層体31をマザーブロックから
切り出した状態を示し、(B)は積層体31の両端部に
外部電極37を設けると共に、側面及び表裏面に絶縁皮
膜38を設けた状態(完成品)を示す。図5(A)にお
いて、積層体31の両端面32a,32bには内部電極
の引出し部35a,35bが露出し、両側面32c,3
2cには内部電極の一部35c,35cが露出してい
る。
【0017】図6は積層体31を分解したものであり、
上下の保護シート31a,31dの間に、引出し部35
bを有する内部(容量)電極35を形成したシート31
b及び引出し部35aを有する内部(容量)電極35を
形成したシート31cが積層される。図6は1ユニット
の積層体を示しているが、実際上は幅広いマザーシート
上に内部電極35を連続的に印刷し、積層して焼結する
前あるいは後に切り出す。内部電極35の一部35cは
カット面として積層体31の側面32cに露出した状態
となる。
【0018】この積層体31に対して絶縁皮膜38及び
外部電極37を設ける工程は前記図4(A)〜(G)に
示したとおりであり、外部電極37は引出し部35a,
35bと電気的に接続し、絶縁皮膜38は側面露出部3
5cを被覆する。
【0019】(他の実施形態)なお、本発明に係る積層
型電子部品の製造方法は前記実施形態に限定するもので
はなく、その要旨の範囲内で種々に変更することができ
る。
【0020】例えば、本願発明方法は、チップコイルや
チップコンデンサ以外に、インダクタやLC複合チップ
部品等種々の積層型電子部品に幅広く適用可能である。
【0021】あるいは、本発明を積層体の外装材として
ペーストを塗布するために用いることもできる。
【0022】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、まず、積層体の第1の端面を含む約半分を絶縁
ペーストに浸漬した後、第1の端面に付着した絶縁ペー
ストを除去して外部電極を設け、さらに、第2の端面を
含む残りの約半分を絶縁ペーストに浸漬した後、第2の
端面に付着した絶縁ペーストを除去して外部電極を設け
るようにしたため、積層体の表面に外部電極の形成工程
と併行しつつ絶縁皮膜を形成することができ、積層体の
側面に露出した内部電極の一部の絶縁性を確保すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法の対象となるチップコイルを
示し、(A)はマザーブロックから切り出された状態の
積層体の斜視図、(B)は完成品の斜視図。
【図2】前記積層体を構成するシート上に形成された電
極パターンを示す平面図。
【図3】前記積層体を構成するシート上に形成された他
の電極パターンを示す平面図。
【図4】本発明の製造方法の一例である工程説明図。
【図5】本発明の製造方法の対象となるチップコンデン
サを示し、(A)はマザーブロックから切り出された状
態の積層体の斜視図、(B)は完成品の斜視図。
【図6】図5に示した積層体の分解斜視図。
【図7】従来の積層型電子部品を示す斜視図。
【図8】本発明の先行技術として検討された絶縁層形成
方法を説明する斜視図。
【図9】本発明の先行技術として検討されたエッチング
法の説明用断面図。
【符号の説明】
11,31…積層体 12a,32a…第1の端面 12b,32b…第2の端面 12c,32c…側面 15,35…内部電極 15a,15b,35a,35b…引出し部 15c,35c…露出部 17,37…外部電極 18,38…絶縁皮膜

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 積層体の両端面に内部電極の引出し部が
    露出し、少なくとも一側面に内部電極の一部が露出して
    いる積層型電子部品の製造方法において、 前記積層体の第1の端面を含む約半分を絶縁ペーストに
    浸漬し、 前記第1の端面に付着した絶縁ペーストを除去し、 前記第1の端面に外部電極を設け、 前記積層体の第2の端面を含む残りの約半分を絶縁ペー
    ストに浸漬し、 前記第2の端面に付着した絶縁ペーストを除去し、 前記第2の端面に外部電極を設けること、 を特徴とする積層型電子部品の製造方法。
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