JPH10306712A - 内燃機関のバルブ駆動装置 - Google Patents

内燃機関のバルブ駆動装置

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JPH10306712A
JPH10306712A JP9116690A JP11669097A JPH10306712A JP H10306712 A JPH10306712 A JP H10306712A JP 9116690 A JP9116690 A JP 9116690A JP 11669097 A JP11669097 A JP 11669097A JP H10306712 A JPH10306712 A JP H10306712A
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JP
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valve
movable
mover
spring
internal combustion
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Withdrawn
Application number
JP9116690A
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English (en)
Inventor
Noriyuki Maekawa
典幸 前川
Yuuzou Kadomukai
裕三 門向
Kenji Heiko
賢二 平工
Toshiyuki Innami
敏之 印南
Tadao Osawa
忠雄 大澤
Masayoshi Momono
正吉 桃野
Junichi Yamaguchi
純一 山口
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】構成要素の配置及び形状を最適化することによ
り、電磁式バルブ駆動装置の小型化を図る。 【解決手段】可動子4と、可動子に固着される可動軸1
と、開電磁石10と、閉電磁石7と、可動子と可動軸と
を含む可動部を支持する第一のバネ13と、可動部を支
持し、第一のバネの位置に対して、可動軸の軸方向につ
いて、バルブ2側に配置される第二のバネ18とを備
え、第一のバネの下端面は、閉電磁石の位置に対して、
可動軸の軸方向について、バルブとは反対側に、第二の
バネの上端面は、開電磁石の位置に対して、可動軸の軸
方向について、バルブ側に配置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関のバルブ
駆動装置に係わり、特に電磁力を用いてバルブの開閉を
行う、電磁式バルブ駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の内燃機関は、吸気バルブ、排気
バルブ、バルブ駆動装置、ピストン、シリンダ、点火プ
ラグ、スロットルバルブ等から構成され、吸入、圧縮、
燃焼、排気の各行程を繰り返すことにより回転力を発生
する。
【0003】吸入行程では、バルブ駆動装置の働きによ
り、排気バルブが閉じ、吸気バルブが開いている状態
で、ピストンが上死点から下死点まで運動する。これに
よりシリンダ内の圧力が低くなり、ガソリンと空気の混
合気がシリンダ内に充たされる。
【0004】圧縮行程では、バルブ駆動装置の働きによ
り、排気バルブと吸気バルブとが閉じた状態で、ピスト
ンが下死点付近から上死点に向かって運動し、混合気を
圧縮する。
【0005】燃焼行程では、バルブ駆動装置の働きによ
り、排気バルブと吸気バルブとが閉じた状態で、点火プ
ラグにより圧縮された混合気が点火される。混合気が燃
焼して高圧となったガスの圧力によってピストンが上死
点付近から下死点に向かって運動し、回転力が発生す
る。
【0006】排気行程では、バルブ駆動装置の働きによ
り、吸気バルブは閉じ、排気バルブが開いた状態で、ピ
ストンが下死点付近から上死点に向かって運動すること
により、シリンダ内の燃焼膨張したガスを排出する。
【0007】以上で述べた各行程において、吸気バルブ
及び排気バルブ(以下ではバルブと記す)の開閉を行う
ことを目的として、現在主流のカム駆動に代えて、電磁
力を用いて駆動する電磁式バルブ駆動装置が提案されて
きている。これらの機構は、バルブと一体となって運動
する可動子と、可動子を吸引するための電磁石と、可動
子を支持するバネとを構成要素としている。このような
電磁式バルブ駆動装置を用いると、カム機構をはじめと
する機械的構成が簡素化されるとともに、カム機構での
エネルギ消費がなくなるため、低コスト化、小型化、燃
費特性向上に有利である。また、吸気バルブ及び排気バ
ルブの開閉タイミングの変更が容易であるので、内燃機
関の運転状態に応じた理想的なタイミングを設定可能と
なり、出力特性や燃費特性の改善に寄与することができ
る。
【0008】さらに、実際の内燃機関に適用するため
に、以下のような従来技術が提案されている。
【0009】(1)電磁式バルブ駆動装置を小型・高応
答化するため、特開平7−324609号公報では、板
厚が均一な円板状の部材である可動子と、可動子の両面
に対向して配置される電磁石のコアとに同一方向の傾斜
を設け、所望の電磁吸引力を確保し得る磁気回路を実現
しつつ、可動子に作用する応力の分散化を図ることによ
り、可動子を軽量化してバルブ駆動装置の小型軽量化と
応答性向上を実現するとしている。
【0010】(2)電磁式バルブ駆動装置を低消費電力
化または低騒音化するため、特開平7−83012号公
報では、可動子の上下に、中央部を小径としたバネを配
設している。このようなバネのバネ定数は、変位長が小
さい領域で小さく、また変位長が大きい領域で大きいた
め、可動子に作用する電磁吸引力とバネのバネ力とが常
に整合し、過剰な電磁吸引力の発生が排除されるとして
いる。
【0011】(3)電磁式バルブ駆動装置では、駆動初
期時に可動子を一方の電磁石に吸引する。このとき、電
磁石はバネ力に抗する大きな電磁吸引力を発生する必要
があり、電磁石の大型化を招いていた。これに対して、
電磁式バルブ駆動装置の電磁石を小型化するため、米国
特許4,614,170号公報では、バネと可動子の共
振周波数で電磁吸引力をオン・オフすることにより小さ
な電磁吸引力で可動子の変位を次第に大きくしていき、
一方の電磁石に吸引している。
【0012】(4)電磁式バルブ駆動装置では、電磁石
の温度が上昇すると巻線の抵抗が大きくなり、バルブの
駆動に必要な電磁吸引力を発生できなくなる。電磁式バ
ルブ駆動装置の冷却のため、特開平7−305612号
公報では、可動子と電磁石の対向面にオイルを導くこと
を可能とするオイル供給手段と供給されたオイルを排出
する排出路とを備えた冷却手段が設けられている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、実際
の内燃機関に適用するために実用性の高い電磁式バルブ
駆動装置を提供することであり、そのために、小型・高
応答化、低消費電力化、低騒音化、電磁石の小型化、冷
却などの各課題を満足することが必要である。
【0014】しかしながら、上記従来技術に示されたバ
ルブ駆動装置では、以下に述べるように解決すべき課題
を有している。
【0015】(1)特開平7−324609号公報に記
載の従来技術では、プランジャと称する可動子をバネで
直接支持している。このため、コアと称する鉄心の内径
は、バネの外径より必ず大きくなる。さらに、必要な電
磁力から決まる磁路断面積を確保するためには、鉄心の
外径がかなり大きくなる。一気筒当たりに、吸気バルブ
と排気バルブとをそれぞれ2本ずつもつ内燃機関では、
バルブの軸間距離が短い。このような内燃機関には、特
開平7−324609号公報に記載のバルブ駆動装置は
外径が大きするため装着が困難となる。
【0016】また、特開平7−324609号公報に記
載の従来技術では、円板状の部材である可動子の板厚が
内周から外周にわたって均一なため、可動子の内周部と
外周部とでは磁気回路の磁路断面積が異なり、内周部の
方が外周部より磁路断面積が小さくなる。すなわち、従
来技術は、可動子の内周部において磁束が飽和しやすい
構成となっている。磁束の飽和を招かないように可動子
の板厚を大きくすると、外周部において磁路断面積が必
要以上に大きくなり、可動子の軽量化が十分できなくな
る。その結果、バネ力及び電磁石の電磁吸引力に対する
可動部分の応答性も十分ではなくなってしまう。
【0017】本発明の第一の目的は、バネ・鉄心・可動
子などの構成要素の配置や形状を最適化することによ
り、バルブ駆動装置の外形を小さくし、さらに、適正な
磁路断面積を確保した上で可動子及び可動軸を軽量化
し、小型軽量で高応答な電磁式バルブ駆動装置を提供す
ることにある。
【0018】(2)電磁式バルブ駆動装置の低消費電力
化、低騒音化の課題に対して、特開平7−83012号
公報に記載の従来技術では、可動子に作用する電磁吸引
力とバネ力とが常に整合するように、バネの中央部を小
径として、バネのバネ定数が可動子の変位長に応じて変
化する構造としている。電磁吸引力は電磁石と可動子と
のギャップの2乗に反比例するので、大きな電磁吸引力
を利用するためには、できるだけギャップの小さな領域
で使用するのが望ましいが、その場合には、可動子の変
位に従って電磁吸引力が急激に変化することになる。
【0019】現実的には、バネの中央部を小径とするこ
とによって変化させ得るバネ定数の範囲には限界がある
ため、電磁吸引力とバネ力とを常に整合させることは困
難である。したがって、バルブの着座時に過剰な電磁吸
引力が作用し、着座の衝撃による騒音を十分に低くする
ことは難しい。また、可動子の変位に伴う電磁吸引力の
変化がバネ定数の変化範囲に合うようにすると、可動子
と電磁石とのギャップが大きな領域で使用することにな
り、そこで必要な電磁吸引力を発生させるためには大き
な消費電力を要することになる。
【0020】本発明の第二の目的は、電磁石へ供給する
電流を制御すること、あるいは、バルブの着座速度を抑
制する機構を備えることにより、低消費電力化と低騒音
化が可能な電磁式バルブ駆動装置を提供することにあ
る。
【0021】(3)電磁式バルブ駆動装置の電磁石の小
型化の課題に対して、米国特許4,614,170号公
報に記載の従来技術では、バネと可動子の共振周波数に
合わせて電磁吸引力をオン・オフしている。しかし、バ
ネと可動子の共振周波数は、内燃機関の最高回転数にお
いてバルブが開閉する周波数以上に設定しておく必要が
あるため、高い周波数になる。高い周波数で電磁石に通
電する電流をオン・オフすると、電流が十分な大きさま
で立ち上がることができず、共振を起こすための加振力
が小さくなってしまう。結局、高い周波数で可動子を一
方の電磁石まで吸引するのに十分な加振力を得ようとす
ると、大きな電磁吸引力が発生可能な大きな電磁石が必
要となり、電磁石を小型化することは困難になる。
【0022】本発明の第三の目的は、初期駆動時に可動
子を一方の電磁石まで変位させる機構を備えることによ
り、電磁石の小型化が可能な電磁式バルブ駆動装置を提
供することにある。
【0023】(4)電磁式バルブ駆動装置の冷却の課題
に対して、特開平7−305612号公報に記載の従来
技術では、ハウジングと称するケーシング内にオイルを
導くため、コイルの被覆やコイルを固定するための樹脂
が、オイルによって劣化してしまう。また、可動子と電
磁石との対向面にできる油膜の減衰効果は、油膜の厚さ
や油温によって変化するため、可動子の運動が不安定と
なる。
【0024】本発明の第四の目的は、コイルの被覆やコ
イルを固定するための樹脂の劣化がなく、安定した可動
子の運動が可能な、電磁式バルブ駆動装置の冷却構造を
提供することにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】本発明では、以下の各態
様により、実用性の高い電磁式バルブ駆動装置を提供す
るものである。
【0026】まず、本発明では、第一の目的を達成する
バルブ駆動装置として、レイアウト改善や磁気回路部形
状の改善による小型・高応答化を図ったバルブ駆動装置
を提供する。このための好ましい態様を以下(1)〜
(13)に列挙する。
【0027】(1)内燃機関の吸気用または排気用のバ
ルブとともに運動する可動子と、前記可動子に固着され
る可動軸と、前記バルブを開く際に、前記可動子を吸引
するための開電磁石と、前記バルブを閉じる際に、前記
可動子を吸引するための閉電磁石と、前記可動子と前記
可動軸とを含む可動部を支持する第一のバネと、前記可
動部を支持し、前記第一のバネの位置に対して、前記可
動軸の軸方向について、前記バルブ側に配置される第二
のバネとを備えた内燃機関のバルブ駆動装置において、
前記第一のバネの下端面を、閉電磁石の位置に対して、
前記可動軸の軸方向について、前記バルブとは反対側に
配置し、前記第二のバネの上端面を、開電磁石の位置に
対して、前記可動軸の軸方向について、前記バルブ側に
配置する。
【0028】(2)内燃機関の吸気用または排気用のバ
ルブとともに運動する可動子と、前記可動子に固着され
る可動軸と、前記バルブを開く際に前記可動子を吸引す
るための開電磁石と、前記バルブを閉じる際に前記可動
子を吸引するための閉電磁石と、前記可動子と前記可動
軸とを含む可動部を支持する第一のバネと、前記可動部
を支持し、前記第一のバネの位置に対して、前記可動軸
の軸方向について、前記バルブ側に配置される第二のバ
ネとを備えた内燃機関のバルブ駆動装置において、前記
第一のバネの下端面を、閉電磁石の位置に対して、前記
可動軸の軸方向について、前記バルブとは反対側に配置
し、前記第二のバネの下端面を、閉電磁石の位置に対し
て、前記可動軸の軸方向について、前記バルブとは反対
側に配置する。
【0029】(3)内燃機関の吸気用または排気用のバ
ルブとともに運動する可動子と、前記可動子に固着され
る可動軸と、前記バルブを開く際に前記可動子を吸引す
るための開電磁石と、前記バルブを閉じる際に前記可動
子を吸引するための閉電磁石と、前記可動子と前記可動
軸とを含む可動部を支持する第一のバネと、前記可動部
を支持し、前記第一のバネの位置に対して、前記可動軸
の軸方向について、前記バルブ側に配置される第二のバ
ネとを備えた内燃機関のバルブ駆動装置において、前記
第一のバネの上端面を、開電磁石の位置に対して、前記
可動軸の軸方向について、前記バルブ側に配置し、前記
第二のバネの上端面を、開電磁石の位置に対して、前記
可動軸の軸方向について、前記バルブ側に配置する。
【0030】(4)内燃機関の吸気用または排気用のバ
ルブとともに運動する可動子と、前記可動子に固着され
る可動軸と、前記バルブを開く際に前記可動子を吸引す
るための、開鉄心と開コイルとを有する開電磁石と、前
記バルブを閉じる際に前記可動子を吸引するための、閉
鉄心と閉コイルとを有する閉電磁石と、前記可動子と前
記可動軸とを含む可動部を支持する第一のバネ及び第二
のバネとを備えた内燃機関のバルブ駆動装置において、
前記開鉄心及び閉鉄心が、前記可動軸の軸中心付近に形
成される内側突起部と、前記内側突起部に対し、前記可
動軸の軸径方向外側に形成される外側突起部とを備え、
前記内側突起部の、前記可動軸の軸に対して垂直な方向
の断面形状を略長方形とし、前記外側突起部の、前記可
動軸の軸に対して垂直な方向の断面形状を略長方形とす
る。
【0031】(5)内燃機関の吸気用または排気用のバ
ルブとともに運動する可動子と、前記可動子に固着され
る可動軸と、前記バルブを開く際に前記可動子を吸引す
るための、開鉄心と開コイルとを有する開電磁石と、前
記バルブを閉じる際に前記可動子を吸引するための、閉
鉄心と閉コイルとを有する閉電磁石と、前記可動子と前
記可動軸とを含む可動部を支持する第一のバネ及び第二
のバネとを備えた内燃機関のバルブ駆動装置において、
前記開コイル及び閉コイルの、前記可動軸の軸に対して
垂直な方向の断面形状を略長方形にする。
【0032】(6)内燃機関の吸気用または排気用のバ
ルブとともに運動する可動子と、前記可動子に固着され
る可動軸と、前記バルブを開く際に前記可動子を吸引す
るための開電磁石と、前記バルブを閉じる際に前記可動
子を吸引するための閉電磁石と、前記可動子と前記可動
軸とを含む可動部を支持する第一のバネ及び第二のバネ
とを備えた内燃機関のバルブ駆動装置において、前記可
動子の中心付近に設ける可動子穴に、前記可動軸を圧入
することにより、前記可動子と前記可動軸とを固着させ
る。
【0033】(7)内燃機関の吸気用または排気用のバ
ルブとともに運動する可動子と、前記可動子に固着され
る可動軸と、前記バルブを開く際に前記可動子を吸引す
るための開電磁石と、前記バルブを閉じる際に前記可動
子を吸引するための閉電磁石と、前記可動子と前記可動
軸とを含む可動部を支持する第一のバネ及び第二のバネ
とを備えた内燃機関のバルブ駆動装置において、前記可
動軸は、軸径の大きい大径部と、軸径の細い小径部とを
有し、前記可動子の中心付近に設ける可動子穴を、前記
小径部に挿入した後、略円筒形状の固定筒を前記小径部
に挿入することにより、前記可動軸と前記可動子とを固
着させる。
【0034】(8)内燃機関の吸気用または排気用のバ
ルブとともに運動する可動子と、前記可動子に固着され
る可動軸と、前記バルブを開く際に前記可動子を吸引す
るための開電磁石と、前記バルブを閉じる際に前記可動
子を吸引するための閉電磁石と、前記可動子と前記可動
軸とを含む可動部を支持する第一のバネ及び第二のバネ
とを備えた内燃機関のバルブ駆動装置において、前記可
動子の、前記可動軸の軸に対して垂直な面についての断
面形状を略長方形とし、前記可動子の、前記可動軸の軸
中心からの距離が同一である部分の、前記可動軸方向の
厚さが同一となるように、前記可動子の、前記可動軸の
軸方向の厚さを不均一ならしめる。
【0035】(9)内燃機関の吸気用または排気用のバ
ルブとともに運動する可動子と、前記可動子に固着され
る可動軸と、前記バルブを開く際に前記可動子を吸引す
るための開電磁石と、前記バルブを閉じる際に前記可動
子を吸引するための閉電磁石と、前記可動子と前記可動
軸とを含む可動部を支持する第一のバネ及び第二のバネ
とを有するバルブ駆動部と、前記バルブ駆動部を内包す
るケーシングとを備えた内燃機関のバルブ駆動装置にお
いて、前記ケーシングを、複数本の前記バルブを駆動す
るためのバルブ駆動部について共通とする。
【0036】また、本発明では、第二の目的を達成する
内燃機関のバルブ駆動装置として、低騒音化または低消
費電力化を図った内燃機関のバルブ駆動装置を提供す
る。このための好ましい態様を以下(10)〜(13)
に列挙する。
【0037】(10)内燃機関の吸気用または排気用の
バルブとともに運動する可動子と、前記可動子に固着さ
れる可動軸と、前記バルブを開く際に前記可動子を吸引
するための開電磁石と、前記バルブを閉じる際に前記可
動子を吸引するための閉電磁石と、前記可動子と前記可
動軸とを含む可動部を支持する第一のバネ及び第二のバ
ネとを有するバルブ駆動機構と、前記バルブ駆動機構の
駆動指令信号を出力するバルブ制御手段と、前記駆動指
令信号に基づき、前記開電磁石及び閉電磁石に駆動電流
を供給する駆動電流回路とを備えた内燃機関のバルブ駆
動装置において、前記駆動電流回路に、前記駆動指令信
号波形を基準とし、時間に対して、駆動電流を変化させ
る、電流制御手段を備える。
【0038】(11)内燃機関の吸気用または排気用の
バルブとともに運動する可動子と、前記可動子に固着さ
れる可動軸と、前記バルブを開く際に前記可動子を吸引
するための開電磁石と、前記バルブを閉じる際に前記可
動子を吸引するための閉電磁石と、前記可動子と前記可
動軸とを含む可動部を支持する第一のバネ及び第二のバ
ネとを有するバルブ駆動機構と、前記バルブ駆動機構の
駆動指令信号を出力するバルブ制御手段と、前記駆動指
令信号に基づき、前記開電磁石及び閉電磁石に駆動電流
を供給する駆動電流回路とを備えた内燃機関のバルブ駆
動装置において、前記バルブと、前記可動子と、前記可
動軸とのうちいずれか一つ以上の変位を検出する変位検
出手段とを備え、前記バルブ制御手段は、検出される変
位に基づき、前記駆動指令信号を変化させる。
【0039】(12)前記変位検出手段は、前記バルブ
と、前記可動子と、前記可動軸とのうちいずれか一つ以
上の変位が、特定の値以上か否かを検出する。
【0040】(13)内燃機関の吸気用または排気用の
バルブとともに運動する可動子と、前記可動子に固着さ
れる可動軸と、前記バルブを開く際に前記可動子を吸引
するための開電磁石と、前記バルブを閉じる際に前記可
動子を吸引するための閉電磁石と、前記可動子と前記可
動軸とを含む可動部を支持する第一のバネ及び第二のバ
ネとを備えた内燃機関のバルブ駆動装置において、前記
可動子と前記可動軸とを含む可動部の、前記可動軸方向
の運動エネルギの一部を、前記可動軸周りの回転運動エ
ネルギに変換する機構を備える。
【0041】また、本発明では、第三の目的を達成する
内燃機関のバルブ駆動装置として、エンジンを始動する
際に可動子を一方の電磁石の方に寄せる初期化方法の改
善によって、電磁石の小型化を図った内燃機関のバルブ
駆動装置を提供する。このための好ましい態様を以下
(14)〜(17)に列挙する。
【0042】(14)内燃機関の吸気用または排気用の
バルブとともに運動する可動子と、前記可動子に固着さ
れる可動軸と、前記バルブを開く際に前記可動子を吸引
するための開電磁石と、前記バルブを閉じる際に前記可
動子を吸引するための閉電磁石と、前記可動子と前記可
動軸とを含む可動部を支持する第一のバネ及び第二のバ
ネとを備えた内燃機関のバルブ駆動装置において、内燃
機関の始動前に、前記可動子と前記可動軸からなる可動
部を、前記可動軸の軸方向に移動させる初期駆動機構を
備える。
【0043】(15)内燃機関の吸気用または排気用の
バルブとともに運動する可動子と、前記可動子に固着さ
れる可動軸と、前記バルブを開く際に前記可動子を吸引
するための開電磁石と、前記バルブを閉じる際に前記可
動子を吸引するための閉電磁石と、前記可動子と前記可
動軸とを含む可動部を支持する第一のバネ及び第二のバ
ネとを備えた内燃機関のバルブ駆動装置において、内燃
機関の始動前に、前記開電磁石と前記閉電磁石とのうち
の少なくともいずれか一方を、前記可動軸の軸方向に移
動させる初期駆動機構を備える。
【0044】(16)(14)または(15)におい
て、前記初期駆動機構は、電動モータによって駆動され
る流体圧ポンプと、流体圧シリンダと、流体圧ピストン
とによって構成される。
【0045】(17)内燃機関の吸気用または排気用の
バルブとともに運動する可動子と、前記可動子に固着さ
れる可動軸と、前記バルブを開く際に前記可動子を吸引
するための開電磁石と、前記バルブを閉じる際に前記可
動子を吸引するための閉電磁石と、前記可動子と前記可
動軸とを含む可動部を支持する第一のバネ及び第二のバ
ネとを備えた内燃機関のバルブ駆動装置において、前記
閉電磁石と前記開電磁石とのうちいずれか一方を、他方
に比較して大型とし、内燃機関始動前の初期駆動時に
は、前記で大型とした一方の電磁石により前記可動子を
吸引することによって初期駆動を行う。
【0046】また、本発明では、第四の目的を達成する
内燃機関のバルブ駆動装置として、冷却手段を備えた内
燃機関のバルブ駆動装置を提供する。このための好まし
い態様を以下(18)〜(22)に列挙する。
【0047】(18)内燃機関の吸気用または排気用の
バルブとともに運動する可動子と、前記可動子に固着さ
れる可動軸と、前記バルブを開く際に前記可動子を吸引
するための開電磁石と、前記バルブを閉じる際に前記可
動子を吸引するための閉電磁石と、前記可動子と前記可
動軸とを含む可動部を支持する第一のバネ及び第二のバ
ネとを有するバルブ駆動部と、前記バルブ駆動部を内包
するケーシングとを備えた内燃機関のバルブ駆動装置に
おいて、前記ケーシング外周部に放熱フィンを設ける。
【0048】(19)内燃機関の吸気用または排気用の
バルブとともに運動する可動子と、前記可動子に固着さ
れる可動軸と、前記バルブを開く際に前記可動子を吸引
するための開電磁石と、前記バルブを閉じる際に前記可
動子を吸引するための閉電磁石と、前記可動子と前記可
動軸とを含む可動部を支持する第一のバネ及び第二のバ
ネとを有するバルブ駆動部と、前記バルブ駆動部を内包
するケーシングとを備えた内燃機関のバルブ駆動装置に
おいて、前記ケーシングの内部に流路を設け、前記流路
内に冷却用の流体を循環させる。
【0049】(20)内燃機関の吸気用または排気用の
バルブとともに運動する可動子と、前記可動子に固着さ
れる可動軸と、前記バルブを開く際に前記可動子を吸引
するための開電磁石と、前記バルブを閉じる際に前記可
動子を吸引するための閉電磁石と、前記可動子と前記可
動軸とを含む可動部を支持する第一のバネ及び第二のバ
ネとを有するバルブ駆動部と、前記バルブ駆動部を内包
するケーシングとを備えた内燃機関のバルブ駆動装置に
おいて、前記ケーシングの外周部に、冷却管を設け、前
記冷却管内に冷却用の流体を循環させる。
【0050】(21)内燃機関の吸気用または排気用の
バルブとともに運動する可動子と、前記可動子に固着さ
れる可動軸と、前記バルブを開く際に前記可動子を吸引
するための開電磁石と、前記バルブを閉じる際に前記可
動子を吸引するための閉電磁石と、前記可動子と前記可
動軸とを含む可動部を支持する第一のバネ及び第二のバ
ネとを備えた内燃機関のバルブ駆動装置において、前記
開電磁石と前記閉電磁石とのうち、少なくともいずれか
一方の外周部に、冷却管を設け、前記冷却管内に冷却用
の流体を循環させる。
【0051】(22)内燃機関の吸気用または排気用の
バルブとともに運動する可動子と、前記可動子に固着さ
れる可動軸と、前記バルブを開く際に前記可動子を吸引
するための開電磁石と、前記バルブを閉じる際に前記可
動子を吸引するための閉電磁石と、前記可動子と前記可
動軸とを含む可動部を支持する第一のバネ及び第二のバ
ネとを有するバルブ駆動部と、前記バルブ駆動部を内包
し、前記バルブ駆動部を内燃機関に固定するためのケー
シングとを備えた内燃機関のバルブ駆動装置において、
前記ケーシングと内燃機関との接触部に断熱材を設け
る。
【0052】
【発明の実施の形態】
(基本構成−図1−)図1を用いて、バルブ駆動装置の
基本構成及び基本動作について説明する。なお、バルブ
2が吸気バルブである場合と、排気バルブである場合と
で、発明の実施の形態に違いはないため、両者を区別す
ることなく記述する。また、シリンダヘッド27に設け
られたポ−ト28も吸気ポ−トと排気ポ−トで同様に構
成されるため、両者を区別することなく記述する。
【0053】可動軸1はバルブ2の軸上に設けられ、可
動軸ガイド3a〜3cにより、バルブ2の軸方向に摺動
可能となるように支持される。可動子4は、鉄などの磁
性材料からなり、可動軸1に固定される。バネ受け11
は可動軸1の上端部付近に固定される。これにより、可
動軸1と、可動子4、バネ受け11は一体となって運動
する。
【0054】可動子4の上方には、閉鉄心5と閉コイル
6とからなる閉電磁石7が設けられる。また、可動子の
下方には、開鉄心8と開コイル9とからなる開電磁石1
0が設けられる。閉鉄心5及び開鉄心8はそれぞれ鉄な
どの磁性材料とする。バネ受け11と固定バネ受け12
との間には、第一バネ13が、常に圧縮状態で保持され
る。
【0055】ケーシング14の内部には、上ストッパ1
5が固定され、上鉄心5の上端面には、下ストッパ16
が固定される。ケーシング14は、閉電磁石7や開電磁
石10などを保持し、これらを内燃機関19に固定す
る。
【0056】バルブ2は、バルブガイド23により、バ
ルブ2の軸方向に摺動可能となるように支持される。バ
ルブ2には、リテーナ17が固定され、第二バネ18が
常に圧縮状態で保持される。バルブ2の上端部には、キ
ャップ21を嵌め込み、バルブ2とキャップ21とは一
体となる。可動軸1の下端部には、チップ22を嵌め込
み、可動軸1とチップ22とは一体となる。キャップ2
1とチップ22とは、締結せず、分離させておく。
【0057】(基本動作−図1−)閉コイル及び開コイ
ルに電流を供給しない状態においては、第一バネ13と
第二バネ18のバネ力のつりあいにより、可動子4は、
閉電磁石7と開電磁石10との間の空間の中央部付近に
位置する。なお、以下では、閉電磁石7と開電磁石10
との間の空間の中央部付近を中立位置と呼ぶことにす
る。
【0058】内燃機関の始動時においては、可動子4
を、閉電磁石7または開電磁石10によって吸引する必
要がある。以下では、この動作を初期駆動と呼ぶことに
する。
【0059】閉電磁石7によって初期駆動を行う場合に
は、閉コイル6に電流を供給し、閉鉄心5と可動子4と
が磁気回路を構成するようにする。これにより、可動子
4が閉鉄心5に吸引され、可動軸1が上方に移動する。
同時に、バルブ2がバルブシート20に着座し、バルブ
2は閉じた状態となり、初期駆動が完了する。なお、バ
ルブ2が閉じた状態においては、バネ受け11の上端面
は上ストッパ15の下端面に接触している状態とする。
このとき、可動子4と閉鉄心5とは接触させず、両者の
間には隙間を設ける。
【0060】開電磁石10によって初期駆動を行う場合
には、開コイル9に電流を供給し、開鉄心8と可動子4
とが磁気回路を構成するようにする。これにより、可動
子4は開鉄心8に吸引され、可動軸1が下方に移動す
る。同時に、可動軸1の下端部に設けられるチップ22
が、キャップ21を押し下げるため、バルブ2が開いた
状態となり、初期駆動が完了する。なお、バルブ2が開
いた状態においては、バネ受け11の下端面は、下スト
ッパ16の上端面に接触している状態とする。このと
き、可動子4と開鉄心8とは接触させず、両者の間には
隙間を設ける。
【0061】以下では、内燃機関運転中における動作を
説明する。まず第一に、バルブ2が閉じた状態から開い
た状態にするための動作を説明する。バルブ2が閉じて
いる状態で、閉コイル6に供給していた電流を切る。こ
れにより可動子4と閉鉄心5との吸引力がなくなり、第
一バネ13と第二バネ18とのバネ力により、可動子4
は、開鉄心8に向かって運動しはじめる。このとき、開
コイル9に電流を供給し、開鉄心8と可動子4とが磁気
回路を構成するようにする。これにより、開鉄心8に近
づいてくる可動子4は、開鉄心8に吸引され、バルブ2
は開いた状態となる。
【0062】次に、バルブ2が開いた状態から閉じた状
態にするための動作を説明する。バルブ2が開いている
状態で、開コイル8に供給していた電流を切る。これに
より可動子4と開鉄心8との吸引力がなくなり、第一バ
ネ13と第二バネ18とのバネ力により、可動子4は、
閉鉄心5に向かって運動しはじめる。このとき、閉コイ
ル6に電流を供給し、閉鉄心5と可動子4とが磁気回路
を構成するようにする。これにより、閉鉄心5に近づい
てくる可動子4は、閉鉄心5に吸引され、バルブ2は開
いた状態となる。このような動作を繰り返すことによ
り、バルブ2の開閉が繰り返され、内燃機関の運転が行
われる。
【0063】<レイアウト改善や磁気回路部形状の改善
による小型・高応答化>図1を用いて、本発明のバルブ
駆動装置の一実施例を説明する。特開平7−32460
9号公報に記載の従来技術では、プランジャと称する可
動子を上下のバネで直接支持している。このため、コア
と称する鉄心の内径は、バネの外径より必ず大きくな
る。さらに、必要な電磁力から決まる磁路断面積を確保
するためには、鉄心の外径がかなり大きくなる。一気筒
当たりに、吸気バルブと排気バルブとをそれぞれ2本ず
つもつ内燃機関では、隣り合うバルブの軸間距離が短
い。特開平7−324609号公報に記載のバルブ駆動
装置は外径が大きするため、バルブの軸間距離が短い内
燃機関への装着が困難となる。
【0064】そこで本実施例では、可動軸1の上端部付
近にバネ受け11を固定する。バネ受け11と固定バネ
受け12との間に第一バネ13を設ける。バルブ2には
リテーナ17を固定し、第二バネ18を設ける。これに
より、閉鉄心5及び開鉄心8の内径は、第一バネ13及
び第二バネ18の外径寸法に左右されることなく、小さ
くすることができる。よって、閉鉄心5及び開鉄心8の
外径も小さくすることができるため、本実施例のバルブ
駆動装置は、バルブの軸間距離が短い内燃機関への装着
が可能となる。
【0065】なお、第一バネ13及び第二バネ18の配
置は、図1に示すものに限定するものではない。例え
ば、第一バネ13と第二バネ18とを共に、閉鉄心5の
上部に配置してもよい。また、第一バネ13と第二バネ
18とを共に、開鉄心8の下部に配置してもよい。これ
らの場合でも、閉鉄心5及び開鉄心8の内径を小さくで
きる効果に変わりはない。
【0066】(鉄心形状−図2−)次に、図2を用い
て、本発明のバルブ駆動装置に用いられる閉鉄心5及び
開鉄心8の一実施例について説明する。なお、閉鉄心5
及び開鉄心8の形状は同様であるから、両者を代表させ
て、開鉄心8について説明する。
【0067】図2(a)は開鉄心8を、可動軸1の軸方向
の、可動子4側より見た平面図である。図2(b)は、開
鉄心8の、図2(a)におけるI−I断面である。開鉄心
8には内側突起部801と、外側突起部802a、80
2bと、コイル挿入空間803とが設けられる。本実施
例では、内側突起部801の、可動軸1の軸方向より見
た外形を略長方形とする。このとき、内側突起部801
の、図2(a)における縦方向の寸法を、横方向の寸法よ
りも小さく設定する。同時に、外側突起部802a、8
02bの、可動軸1の軸方向より見た外形についても略
長方形とする。
【0068】これにより、内燃機関のバルブ間距離など
の制約条件により、寸法を小さくしたい方向、すなわち
図2(a)における縦方向については、開鉄心8の外形を
小さくすることができる。このとき、内側突起部801
の、図2(a)における横方向の寸法は大きいため、磁路
断面積は十分な大きさとすることができる。さらに、外
側突起部802a、802bの、可動軸1の軸方向より
見た外形についても略長方形とすることにより、開鉄心
8の、図2(a)における横方向寸法を必要以上に大きく
することがない。
【0069】このような形状の開鉄心8を用いたバルブ
駆動装置は、図2(a)における縦方向寸法を小さくするこ
とが可能なため、バルブ間距離が小さい内燃機関への装
着が可能となる。
【0070】(コイル形状−図3)次に、図3を用いて
本発明のバルブ駆動装置に用いられる閉コイル6及び開
コイル9の一実施例について説明する。なお、閉コイル
6及び開コイル9の形状は同様であるから、両者を代表
させて、開コイル9について説明する。
【0071】図3(a)は、開コイル9の、可動軸1の軸
方向より見た平面図である。図3(b)は開コイル9の可
動軸1の軸に対して垂直な方向より見た正面図である。
本実施例では、開コイル9の、可動軸1の軸方向より見
た外形を略長方形とする。このとき、開コイル9の、図
3(a)における縦方向寸法を、開鉄心8の、図2(a)にお
ける縦方向の外形寸法よりも小さく設定しておく。
【0072】これにより、図2で示した形状の開鉄心8
の外形寸法を大きくすることなく、開鉄心8に、開コイ
ル9が装着可能となる。このような形状の開コイル9を
用いたバルブ駆動装置は、バルブ間距離が小さい内燃機
関への装着が可能となる。
【0073】(可動子を軸に圧入、可動子をカラーで固
定、軸先端にチップ、軸を中空化−図4−)次に、図4
を用いて本発明のバルブ駆動装置に用いられる可動部2
4の一実施例について説明する。可動部24は、可動軸
1と、可動子4と、ばね受け11と、チップ22と、ば
ね受けナット26とより構成される。
【0074】本実施例では、可動子4の中央部付近に
は、可動軸1の軸径よりも若干小さい可動子穴402を
設け、可動軸1を圧入することにより、可動子4を可動
軸1に固定する。このような固定方法をとることによ
り、固定のための別部材を設ける必要がなくなり、可動
子4の中央部付近401を磁気吸引面として有効に利用
することができる。
【0075】よって可動子4の外形寸法を小さくでき、
バルブ駆動装置の外形寸法も小さくできる。したがっ
て、本実施例の可動部24を用いたバルブ駆動装置は、
バルブ間距離が小さい内燃機関にも装着が可能となる。
【0076】また、本実施例では、カラー25を設ける
ことにより、ばね受け11の、可動子4に対する位置決
めを行う。ばね受け11の上部に設けられるばね受けナ
ット26により、ばね受け11をカラー25に押し付
け、固定する。このようなばね受け11の固定方法をと
ることにより、ばね受け11を、可動子4に対して正確
に位置決めすることができる。
【0077】また、本実施例では、可動軸1の先端部
に、硬質材料のチップ22を圧入する。チップ22の材
料としては、クロムモリブデン鋼に、焼き入れ処理、浸
炭処理、窒化処理などの処理を行ったものが好適である
が、これに限定するものではない。このように、可動軸
1の先端部に、硬質材料のチップ22を設けることによ
り、可動軸1の先端部と図1におけるキャップ21との
接触応力に起因して起こる可動軸1の先端部の摩耗を防
止することができる。同時に、可動軸1の材料には、硬
さが要求されなくなる。このため、可動軸1の材料とし
て軽量材料を選択することができるようになる。
【0078】可動軸1の材料としては、アルミニウム合
金、カーボングラファイトを含有するアルミニウム合
金、チタンなどが好適であるがこれに限定するものでは
ない。
【0079】また、可動軸1を中空構造として、軽量化
を図ってもよい。このように、本実施例では、可動部2
4が軽量化されるので、閉電磁石7、開電磁石10、可
動子4などの小型化を図ることができるようになる。し
たがって、本実施例の可動部24を用いたバルブ駆動装
置は、バルブ間距離が小さい内燃機関への装着が可能と
なる。
【0080】なお、可動子4の中央部付近に設ける可動
子穴402は、可動軸1の軸径よりも若干大きくしても
よい。この場合は、ばね受けナット26により、ばね受
け11及びカラー25を介して、可動子4を可動軸1の
大径部26に押し付ける。このようにしても、可動子4
と可動軸1とを固定することができる。このような固定
方法をとった場合にも、可動子4の中央部付近401を
磁気吸引面として有効に利用することができる。よって
可動子4の外形寸法を小さくでき、バルブ駆動装置の外
形寸法も小さくできる。したがって、バルブ間距離が小
さい内燃機関にも装着が可能な、バルブ駆動装置とする
ことができる。
【0081】(可動子形状−図5−)次に、図5を用い
て本発明のバルブ駆動装置に用いられる可動子4の実施
例について説明する。
【0082】図5(a)は、本実施例の可動子4の、可動
軸1の軸方向より見た平面図である。図5(b)は、本実
施例の可動子4の、図5(a)におけるII−II断面につい
ての断面図である。なお、図5(b)においては、開鉄心
8から可動子4への磁束の流れを示すため、開鉄心8の
部分断面図を合せて示している。
【0083】特開平7−324609号公報に記載の従
来技術では、円板状の部材である可動子の板厚が内周か
ら外周にわたって均一なため、可動子の内周部と外周部
とでは磁気回路の磁路断面積が異なり、内周部の方が外
周部より磁路断面積が小さくなる。すなわち、従来技術
は、可動子の内周部において磁束が飽和しやすい構成と
なっている。磁束の飽和を招かないように可動子の板厚
を大きくすると、外周部において磁路断面積が必要以上
に大きくなり、可動子の軽量化が十分できなくなる。そ
の結果、バネ力及び電磁石の電磁吸引力に対する可動部
分の応答性も十分ではなくなってしまう。
【0084】そこで、本実施例の可動子4は、図5(b)
に示すように、段付きの断面とする。さらに、図5(a)
に示すように、可動子4の段部403a〜403fの形
状は、可動子穴402を中心とする同心の円弧状とす
る。なお、このとき、図2における開鉄心8(閉鉄心5
についても同様の形状であるため、開鉄心8を代表させ
て、形状を説明する。)の段部804a〜804fにつ
いても、可動子穴402を中心とする同心の円弧状とし
ておく。このとき、可動子4と開鉄心8とを通る磁束は
404a、404bのようになる。
【0085】このような、可動子4及び開鉄心8の形状
とすることにより、磁束404a、404bの通る磁路
断面積を確保した上で、可動子4の軽量化を図ることが
できる。よって閉電磁石7及び開電磁石10を小型化す
ることができるため、バルブ駆動装置を小型化すること
ができる。したがって、本実施例の可動子4及び開鉄心
8を用いたバルブ駆動装置は、バルブ間距離が小さい内
燃機関への装着が可能となる。
【0086】また、本実施例では、可動子4が、可動子
穴402を中心としてわずかに回転した場合でも、可動
子4の段部403a〜403fと開鉄心8の段部804
a〜804fとが接触することがない。したがって、可
動子4の回転をある程度許容することができるようにな
る。可動子4の回転を非常に小さい回転角の範囲に抑え
ようとすると、可動子4と回転防止のための機構との接
触により、可動子4に大きな摩擦力が働いてしまう。
【0087】本実施例では、可動子4の回転をある程度
許容できるため、可動子4に上記の大きな摩擦力が働く
ことがない。したがって、可動子4を吸引するための電
磁力を小さく設定することができ、閉電磁石7及び開電
磁石10を小型化できる。このため、本実施例の可動子
4及び開鉄心8を用いたバルブ駆動装置は、バルブ間距
離が小さい内燃機関への装着が可能となる。
【0088】(ケーシング共通−図6−)次に、図6を
用いて、本発明のバルブ駆動装置の一実施例について説
明する。図6は、図1で示したバルブ駆動装置の、図1
の紙面に対して垂直方向の断面を示したものである。
【0089】本実施例では、ケーシング14を、二本の
バルブ2a、2bを駆動するための二組のバルブ駆動装
置について共用化している。これにより、ケーシング1
4の肉圧によって占有されるスペースを小さくすること
ができるため、バルブ駆動装置の小型化が図れる。よっ
て本実施例のバルブ駆動装置は、バルブ間距離が小さい
内燃機関への装着が可能となる。
【0090】<低消費電力、低騒音化>以下の実施例で
は、発明の特徴を明確に示すため、バルブ駆動装置の詳
細は簡略化した図面を用いる。図7は、電磁石へ供給す
る電流を制御することによりバルブの着座衝撃を緩和
し、低騒音化することを目的とした電磁式バルブ駆動装
置の実施例である。図7に示す電磁式バルブ駆動装置
は、バルブ駆動機構100と、バルブの駆動指令信号を
出すバルブ制御装置101と、バルブ制御装置101か
らの駆動指令信号に応じてバルブ駆動機構100の閉電
磁石7と開電磁石10に通電する電流をそれぞれ制御す
る、駆動電流回路104及び105から構成される。
【0091】駆動電流回路104及び105の電流制御
の一例を、図8を用いて説明する。可動子4は、バルブ
全開の時刻T1から変位し始め、時刻T2でバルブ全閉
となる。時刻T2からT3までの間、可動子4はバルブ
全閉を保つように保持される。時刻T3から再び変位し
始め、時刻T4で再び全開となる。このとき、駆動電流
回路104は、時刻T1からT2の途中で閉電磁石7へ
の通電電流を最大とし、その後、バルブが全閉となる時
刻T2には、バネ力に釣り合ってバルブを全閉位置に保
持するのに必要な電磁吸引力を発生させる通電電流にま
で低減させる。このように、電磁石への通電電流を制御
すると、バルブが着座する際に過剰な電磁吸引力が発生
せず、バルブ着座時の衝撃が低減して低騒音化が実現さ
れる。同時に、電磁石へ必要以上の電流を供給すること
がなくなるため、低消費電力化が図れる。
【0092】また、時刻T3からT4にかけて、バルブ
を全閉から全開にする場合には、駆動電流回路104は
時刻T3に上電流回路104への通電電流を0にして、
可動子4を閉電磁石7から開放する。駆動電流回路10
5は時刻T3からT4の途中で開電磁石10への通電電
流を最大とし、その後、バルブが全開となる時刻T4に
は、バネ力に釣り合ってバルブを全開位置に保持するの
に必要な電磁吸引力を発生させる通電電流にまで低減さ
せる。この間の駆動電流回路105の動作は、時刻T1
からT2にかけての駆動電流回路104の動作と同じで
あり、可動子4と開電磁石10あるいはストッパ(図7
には図示ぜず)との衝突音の低減に有効である。同時
に、電磁石へ必要以上の電流を供給することがなくなる
ため、低消費電力化が図れる。
【0093】図7に示した電磁式バルブ駆動装置では、
可動子4の変位を検出する手段を有していないので、駆
動電流回路104あるいは105が通電電流を変化させ
るパターンは予め設定されている。
【0094】なお、駆動電流回路104及び105が制
御する、通電電流の最大値、通電電流が最大となる時
刻、バルブを全開あるいは全閉位置に保持する時の電流
値は、バルブ駆動機構のバネ力、バルブ及び可動子など
の可動部分の重量、バルブ駆動装置が使用されるエンジ
ンの特性や運転状態に合わせて、最適となるように設定
可能である。
【0095】図9及び図10は、可動子の変位を検出す
るセンサを有し、センサによって検出された可動子変位
に基づいて電磁石に通電する電流を制御する電磁式バル
ブ駆動装置の実施例である。図9に示す電磁式バルブ駆
動装置は、可動子4の変位を計測する変位センサ106
を備えている。図9では、変位センサ106は、可動子
4と一体となって動く可動軸1の変位を計測している。
もちろん、可動子4の変位を直接計測することも可能で
あるが、可動子4が大きくなると可動子の剛性が低下
し、振動による変位を誤って計測してしまう恐れがあ
る。図9では、可動子4の変位方向に対して剛性の高い
可動軸1の変位を計測している。
【0096】バルブ制御装置101は、変位センサ10
6からの信号をフィードバックすることで、変位センサ
がない場合に比較して、駆動電流回路104および10
5による電磁石への通電電流の制御をより細かく行うこ
とが可能となる。ここで、変位センサ106は、レーザ
ーなどの光計測センサや、渦電流式のギャップセンサ、
あるいは可動子の変位によって生じる逆起電圧やインダ
クタンスの変化を検出するものなど、可動子の変位を計
測できるものであれば利用可能である。
【0097】図10に示す電磁式バルブ駆動装置は、可
動子4の変位を2個所の点で検出するセンサ109及び
110を有している。図8において可動子変位がD1及
びD2となる点をセンサ109及び110がそれぞれ検
出すると仮定すると、例えば、図8の閉電磁石電流及び
開電磁石電流のグラフに示したように、通電電流を減少
させ始めるタイミングをセンサ109及び110から得
ることができる。
【0098】図10の実施例に用いるセンサ109及び
110は、可動子4がセンサが設置された点を通過する
のを検出するのみで良く、図9の実施例の変位センサよ
りも安価なセンサを使用することができる。例えば、フ
ォトインタラプタや電磁ピックアップなどの利用が可能
である。
【0099】また、図9や図10に示したような、可動
子の変位を検出するセンサを備えた電磁式バルブ駆動装
置では、電流制御を細かく行うことによる騒音の低減の
みならず、駆動装置の故障をセンサを用いて検出できる
利点も有する。同時に、電磁石へ必要以上の電流を供給
することがなくなるため、低消費電力化が図れる。
【0100】次に、騒音低減するための機構を備えた電
磁式バルブ駆動装置について説明する。
【0101】図11は、バルブ着座速度抑制機構の一実
施例を示す図である。バルブ2は、螺旋ガイド112に
沿って上下運動が可能であり、螺旋ガイド112にはカ
ム溝113が設けてある。カム溝113には、バルブ2
と一体のピン114が摺動自在に挿入されている。すな
わち、バルブ2が上下に駆動されるとき、ピン114は
カムフォロワーとして、カム溝113に沿って動く。こ
こで、カム溝113には、直線部分115と、螺旋状部
分116及び117が設けられている。螺旋状部分11
6及び117は、それぞれバルブが全閉及び全開に近づ
くとピン114がそれらの部分に差し掛かるように設定
されている。
【0102】ピン114が直線部分115から螺旋状部
分116あるいは117に差し掛かると、ピン114の
上下方向速度の一部が円周方向の速度に変換され、上下
方向速度が抑制される。つまり、バルブ2が全閉方向に
駆動されているときには着座速度が抑制され、着座衝撃
が緩和されて騒音が低減される。また、バルブ2が全開
方向に駆動されているときにも、可動子の電磁石あるい
はストッパへの衝突速度が抑制されて騒音低減が可能と
なる。
【0103】なお、図11では、カム溝113をバルブ
ガイド112に螺旋状に設けたが、バルブガイド以外の
平面に設けてもよい。要は、バルブ、可動子などの可動
部の運動方向に対して傾斜部分のある軌道を有するカム
部分がバルブの全閉及び全開付近に存在すれば良い。
【0104】また、材料の面から騒音を低減するために
は、バルブの着座面や可動子のストッパなどの衝突部位
に内部減衰の大きな材料を用いると良い。例えば、焼結
材などの多孔質材料は内部減衰が大きい。衝突面の耐摩
耗性が必要な場合には、焼き入れや表面処理を施すこと
により、表面は硬度が高く、かつ内部減衰の大きいもの
とすることができる。
【0105】図12は、バルブ2と可動軸1とを球面対
偶108で締結した実施例を表している。電磁式バルブ
駆動装置のエンジンへの搭載性を考慮すると、図1に示
したように、バルブ2と可動子軸1が別体構造になって
いるのが望ましい。別体構造とすることで、バルブ2と
可動軸1の間の芯の角度誤差をある程度許容できる、な
どのメリットが生じる。その反面、別体構造であると、
バルブ2の動きが可動軸1の動きに追従できない場合が
生じる恐れがあり、その場合には、バルブの高応答化が
阻害されることになる。
【0106】バルブ2と可動軸1とを球面対偶108で
締結すると、両者の芯角度のずれを許容できるととも
に、可動子の動きを確実にバルブに伝達することができ
る。
【0107】<初期化方法の改善による電磁石の小型化
>本発明の電磁式バルブ駆動装置では、エンジンを始動
する際に可動子4を2つの電磁石のうちのいずれか一方
に吸引する(以下、この吸引動作を初期駆動動作と称す
る)。初期駆動時には、可動子4をバネ力の中立位置か
ら電磁吸引力のみで駆動するため、大きな電磁吸引力を
発生できる大きな電磁石が必要となる。このことが、バ
ルブ駆動装置の大型化を招いている。
【0108】しかし、逆に考えると、初期駆動動作を行
う手段を別途設ければ、初期駆動動作の後の可動子の駆
動には大きな電磁吸引力を必要としないので、電磁石を
小さくすることができてバルブ駆動装置を小型化するこ
とができる。
【0109】以下に説明する本発明の実施例は上記の考
えに基づいて発明されたものであり、電磁石以外の別の
アクチュエータで初期駆動動作を行うもの、別のアクチ
ュエータを用いて電磁石を可動子に近づけることにより
電磁石と可動子の間のギャップを縮小して小さな電磁石
で初期駆動動作を行うもの、および、2つの電磁石のう
ちの一方のみで初期駆動動作を行うようにして、初期駆
動動作を行わない電磁石を小型化するものである。
【0110】図13は、電磁石以外の別のアクチュエー
タで初期駆動動作を行う電磁式バルブ駆動装置の実施例
である。本実施例のバルブ駆動装置301は、バルブ2
を開く方向の力を可動子4に付与することができる油圧
ピストン302を、ケーシング14に備えている。油圧
ピストン302には、モータ303によって駆動される
油圧ポンプ304から油圧が供給される。
【0111】運転者がエンジンのキースイッチ306を
ONの位置まで回すと、バッテリ307からモータ30
3に電流が流れ、モータ303が回転して油圧ポンプ3
04が駆動される。油圧ポンプ304は、リザーバタン
ク305から吸入した油を吐出する。油圧ポンプ304
の吐出圧力は、絞り308によって高圧に保たれる。油
圧ポンプ304から吐出された高圧の油は、配管309
を通って油圧ピストン302に供給され、油圧ピストン
302は可動子4を押し下げて初期駆動動作を行う。
【0112】続いて、運転者がキースイッチ412をS
TARTの位置まで回すと、今度は、バッテリ307か
らスタータ413に電流が流れ、内燃機関310がクラ
ンキングされる。この時、バッテリ307からモータ3
03への通電はカットされ、油圧ポンプ304は停止す
る。内燃機関310の回転に同期して可動子4の開閉制
御が始まると、可動子4が上方に動く際に油圧ピストン
302は押し上げられ、油圧ピストン302内部の油は
絞り308を通って、リザーバタンク305に戻され
る。以降、油圧ピストン302は可動子4と接触しない
上方位置に保たれたままになり、バルブの開閉運動には
何ら影響を与えることがない。
【0113】上記のように、本実施例では初期駆動動作
を油圧ピストンを用いて行うため、バルブ駆動装置が備
えている2つの電磁石は初期駆動動作用の大きな電磁吸
引力を発生する必要がなく、閉電磁石7及び開電磁石1
0を小型化することが可能となる。また、油圧を用いる
ことにより、油圧ポンプ304から油圧ピストン302
までは配管309でつなぐのみで良く、スペース的にも
レイアウトの自由度が高い。油圧ポンプ304は、モー
タ303で駆動することにより、内燃機関310のクラ
ンキング始まる前に初期駆動動作が可能になる。さら
に、モータ303の回転速度を上げることにより、油圧
ポンプ304を小型化することもできる。
【0114】なお、図13の実施例では、油圧ピストン
302により可動子4を押し下げる例を示したが、油圧
が供給されると上方に移動する油圧ピストンを用いて、
可動子4を油圧ピストンにつながったフックなどにより
引き上げて初期駆動動作を行うこともできる。
【0115】図14は、別のアクチュエータを用いて電
磁石を可動子に近づけることにより電磁石と可動子の間
のギャップを縮小し、小さな電磁石で初期駆動動作を行
う電磁式バルブ駆動装置の実施例である。本実施例のバ
ルブ駆動装置501は、図13に示した実施例と同様
に、油圧ピストン502をケーシング14に固定された
油圧ピストンホルダ503に備えている。しかし、図1
3の実施例では油圧ピストン302は可動子4を押し下
げたのに対して、図14の実施例では、油圧ピストン3
02に油圧が供給されると、油圧ピストン302は閉電
磁石7と一体のアーム504を介して電磁石11を下方
に押し下げる。
【0116】電磁石11が押し下げられると、電磁石1
1と可動子4との間のギャップが小さくなるため、電磁
石11は小さな電磁吸引力で可動子4を上方に吸引する
初期駆動動作をすることが可能となる。よって、電磁石
11を小型化することができる。
【0117】なお、油圧ピストン302への油圧の供給
がカットされると、ケーシング8とアーム504の間に
設けられたバネ505よってアーム504は上方に押し
戻され、アーム504と一体の閉電磁石7も上方に移動
する。
【0118】図15は、2つの電磁石のうちの一方のみ
で初期駆動動作を行うようにして、初期駆動動作を行わ
ない電磁石を小型化した電磁式バルブ駆動装置の実施例
である。本実施例のバルブ駆動装置601では、可動子
4をはさんで対向する2つの電磁石のうち、上方に位置
する閉電磁石7は初期駆動動作用のものであり、大きな
電磁吸引力を得るために、大きな磁路断面積を持つ閉鉄
心5と多量の磁束を発生させる閉コイル6を備えてい
る。可動子4の下方に位置する開電磁石10は初期駆動
動作を行わないものであり、大きな電磁吸引力を必要と
しないので、閉鉄心5に比べて小さな磁路断面積を持つ
開鉄心8と、閉コイル6より少量の磁束を発生させる開
コイル9とを有する。
【0119】初期駆動動作時には、閉コイル6に大きな
電流を流して、電磁吸引力を大きくして可動子4を上方
の閉電磁石7に吸引する。ひとたび初期駆動動作が終了
すると、その後の開閉動作には、初期駆動動作ほどの大
きな電磁吸引力を必要としないので、閉コイル6に通電
する電流量を小さくして、可動子4下方の開電磁石10
が発生する電磁吸引力と同等の力が得られるように調整
する。
【0120】なお、図15の実施例では、可動子4の上
方に初期駆動動作用の大きな閉電磁石7を配置したが、
大きな電磁石を可動子4の下方に配置することも可能で
ある。つまり、どちらの電磁石を初期駆動動作用の大き
な電磁石とするかは、エンジンレイアウトととの兼ね合
いや、初期駆動動作をバルブが閉じる方向で行うかある
いはバルブが開く方向で行うかなどによって変化する。
【0121】本実施例では、図13、14に記載の実施
例に比べて、一方の電磁石しか小型化できないことにな
るが、その代わり、可動子あるいは電磁石を動かすため
に特段別のアクチュエータが不要であるという特長を有
する。
【0122】<冷却>電磁式バルブ駆動装置の冷却の課
題に対して、特開平7−305612号公報に記載の従
来技術では、ハウジングと称するケーシング内にオイル
を導くため、コイルの被覆やコイルを固定するための樹
脂が、オイルによって劣化してしまう。また、可動子と
電磁石との対向面にできる油膜の減衰効果は、油膜の厚
さや油温によって変化するため、可動子の運動が不安定
となる。
【0123】図16は本発明のバルブ駆動装置の冷却構
造の一実施例を示す。本実施例はエンジンルーム内を強
制的に流れている空気によって本発明のバルブ駆動装置
を冷却するものである。ケーシング14の外周部に冷却
用フィン701を設けており、バルブ2を駆動する際に
発熱する閉鉄心5、閉コイル6、開鉄心8、開コイル9
を冷却している。冷却用の空気は、エンジンのクーリン
グファンによるものでもよいし、走行時に外部からエン
ジンルームに吸入するものでもよい。また冷却用フィン
701はケーシング14上部の冷却用フィン701a、
側面部の冷却フィン701b、701cをすべて備えて
もよいし、1部分でもよい。
【0124】このような構成をとることによって、閉鉄
心5、閉コイル6、開鉄心8、開コイル9から発生した
熱は、ケーシング14を通り冷却用フィン701に伝わ
り、冷却フィン701からエンジンルーム内の空気に熱
を放出する。このような冷却構造では、冷却用にオイル
を用いることがないので、コイルの被覆やコイルを固定
するための樹脂がオイルによって劣化することがない。
また、可動子4に安定した変位をさせることができる。
【0125】図17は本発明のバルブ駆動装置の冷却構
造の他の実施例を示す。図17は液体によって本発明の
バルブ駆動装置を冷却するものである。構造はケーシン
グ14の内部に液体が流れる流路702を設けており、
バルブ2を駆動する際に発熱する閉鉄心5、閉コイル
6、開鉄心8、開コイル9を冷却している。冷却用液体
は、エンジンを冷却するための冷却水でもよいし、エン
ジンとは独立に設けた冷却水循環システムの冷却水でも
よい。また、液体は水には限らず、エンジン循環オイル
でも良いし、エンジンとは独立に設けたオイル循環シス
テムのオイルでもよい。またエアコン用の冷媒でもよ
い。また流路702はケーシング14上部、下部、側面
部すべてに備えてもよいし、1部分でもよい。
【0126】また、鉄心とコイルからなる電磁石をケー
シング14に密着させるか、電磁石とケーシング14と
の隙間に、熱伝導性のよい部材(樹脂等)を充填するこ
とにより、より冷却効果を向上することができる。この
ような構成をとることによって、閉鉄心5、閉コイル
6、開鉄心8、開コイル9から発生した熱は、ケーシン
グ14を通り流路702を流れる液体に伝わり、循環シ
ステムに設けられた熱交換器によって空気中に放出され
る。
【0127】このような冷却構造を用いれば、冷却用液
体はケーシング14の内部の流路702を通るのみで、
コイルの被覆やコイルを固定するための樹脂が、冷却用
液体によって劣化することがない。また、可動子4に安
定した変位をさせることができる。
【0128】図18は本発明のバルブ駆動装置の冷却構
造の他の実施例を示す。ケーシング14外周に螺旋状に
冷却管901を設置し、該冷却管901内に冷却用液体
を流すことによっても、図17で示した実施例と同様の
効果があり、冷却用液体の漏れを確実に防止できる点
で、図17で示した実施例よりも優れている。このよう
な冷却構造においても、冷却用液体は冷却管901の内
部を通るのみであるから、コイルの被覆やコイルを固定
するための樹脂が、冷却用液体によって劣化することが
ない。また、可動子4に安定した変位をさせることがで
きる。
【0129】図19は本発明のバルブ駆動装置の冷却構
造の他の実施例を示す。閉電磁石7及び開電磁石10の
外周に螺旋状に冷却管902を設置し、該冷却管902
内に冷却用液体を流す様にすれば、閉電磁石7及び開電
磁石10を直接冷却できるため、さらに冷却効果向上が
図れる。このような冷却構造においても、冷却用液体は
冷却管902の内部を通るのみであるから、コイルの被
覆やコイルを固定するための樹脂が、冷却用液体によっ
て劣化することがない。また、可動子4に安定した変位
をさせることができる。
【0130】図20は本発明のバルブ駆動装置の冷却構
造の他の実施例を示す。内燃機関19から発生する熱が
バルブ駆動装置に伝わるのを防ぐため、ケーシング14
と内燃機関19の間に断熱材903を配置している。こ
の構造により、内燃機関19から、バルブ駆動装置への
伝熱量が小さくなり、バルブ駆動装置の温度が上昇しに
くくなる。このような冷却構造においては、オイルなど
の冷却用の液体を用いることがないため、コイルの被覆
やコイルを固定するための樹脂が、冷却用の液体によっ
て劣化することがない。また、可動子4に安定した変位
をさせることができる。
【0131】なお、図16から図20に示した冷却構造
を、組み合わせて使用してもよいことは言うまでもな
い。
【0132】
【発明の効果】
(1)本発明では、バネ・鉄心・可動子などの構成要素
の配置や形状を最適化してバルブ駆動装置の外形を小さ
くし、さらに、適正な磁路断面積を確保した上で可動子
及び可動軸を軽量化したことにより、小型軽量で高応答
な電磁式バルブ駆動装置を提供できる。
【0133】(2)本発明では、電磁石へ供給する電流
を制御すること、あるいは、バルブの着座速度を抑制す
る機構を備えることにより、低消費電力化と低騒音化が
可能な電磁式バルブ駆動装置を提供できる。
【0134】(3)本発明では、初期駆動時に可動子を
一方の電磁石まで変位させる機構を備えることにより、
電磁石の小型化が可能な電磁式バルブ駆動装置を提供で
きる。
【0135】(4)本発明に係る冷却手段を用いること
により、コイルの被覆やコイルを固定するための樹脂の
劣化がなく、安定した可動子の運動が可能な、電磁式バ
ルブ駆動装置の冷却構造を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のバルブ駆動装置の一実施例をあらわす
図面である。
【図2】本発明のバルブ駆動装置の鉄心をあらわす図面
である。
【図3】本発明のバルブ駆動装置のコイルをあらわす図
面である。
【図4】本発明のバルブ駆動装置の可動部をあらわす図
面である。
【図5】本発明のバルブ駆動装置の可動子をあらわす図
面である。
【図6】本発明のバルブ駆動装置の他の実施例をあらわ
す図面である。
【図7】本発明のバルブ駆動装置の他の実施例をあらわ
す図面である。
【図8】本発明のバルブ駆動装置の可動子変位、電磁石
電流との関係をあらわす図面である。
【図9】本発明のバルブ駆動装置の他の実施例をあらわ
す図面である。
【図10】本発明のバルブ駆動装置の他の実施例をあら
わす図面である。
【図11】本発明のバルブ駆動装置に用いられる螺旋バ
ルブガイドをあらわす図面である。
【図12】本発明のバルブ駆動装置に用いられる球面待
遇をあらわす図面である。
【図13】本発明のバルブ駆動装置の他の実施例をあら
わす図面である。
【図14】本発明のバルブ駆動装置の他の実施例をあら
わす図面である。
【図15】本発明のバルブ駆動装置の他の実施例をあら
わす図面である。
【図16】本発明のバルブ駆動装置の冷却構造の一実施
例をあらわす図面である。
【図17】本発明のバルブ駆動装置の冷却構造の他の実
施例をあらわす図面である。
【図18】本発明のバルブ駆動装置の冷却構造の他の実
施例をあらわす図面である。
【図19】本発明のバルブ駆動装置の冷却構造の他の実
施例をあらわす図面である。
【図20】本発明のバルブ駆動装置の冷却構造の他の実
施例をあらわす図面である。
【符号の説明】
1…可動軸、2…バルブ、3…可動軸ガイド、4…可動
子、5…閉鉄心、6…閉コイル、7…閉電磁石、8…開
鉄心、9…開コイル、10…開電磁石、11…ばね受
け、12…固定ばね受け、13…第一ばね、14…ケー
シング、15…上ストッパ、16…下ストッパ、17…
リテーナ、18…第二ばね、19…内燃機関、20…バ
ルブシート、21…キャップ、22…チップ、23…バ
ルブガイド。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 印南 敏之 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 大澤 忠雄 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 桃野 正吉 茨城県ひたちなか市大字高場2520番地 株 式会社日立製作所自動車機器事業部内 (72)発明者 山口 純一 茨城県ひたちなか市大字高場2520番地 株 式会社日立製作所自動車機器事業部内

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内燃機関の吸気用または排気用のバルブと
    ともに運動する可動子と、前記可動子に固着される可動
    軸と、前記バルブを開く際に、前記可動子を吸引するた
    めの開電磁石と、前記バルブを閉じる際に、前記可動子
    を吸引するための閉電磁石と、前記可動子と前記可動軸
    とを含む可動部を支持する第一のバネと、前記可動部を
    支持し、前記第一のバネの位置に対して、前記可動軸の
    軸方向について、前記バルブ側に配置される第二のバネ
    とを備えた内燃機関のバルブ駆動装置において、 前記第一のバネの下端面は、閉電磁石の位置に対して、
    前記可動軸の軸方向について、前記バルブとは反対側に
    配置され、 前記第二のバネの上端面は、開電磁石の位置に対して、
    前記可動軸の軸方向について、前記バルブ側に配置され
    ることを特徴とする内燃機関のバルブ駆動装置。
  2. 【請求項2】内燃機関の吸気用または排気用のバルブと
    ともに運動する可動子と、前記可動子に固着される可動
    軸と、前記バルブを開く際に前記可動子を吸引するため
    の開電磁石と、前記バルブを閉じる際に前記可動子を吸
    引するための閉電磁石と、前記可動子と前記可動軸とを
    含む可動部を支持する第一のバネと、前記可動部を支持
    し、前記第一のバネの位置に対して、前記可動軸の軸方
    向について、前記バルブ側に配置される第二のバネとを
    備えた内燃機関のバルブ駆動装置において、 前記第一のバネの下端面は、閉電磁石の位置に対して、
    前記可動軸の軸方向について、前記バルブとは反対側に
    配置され、 前記第二のバネの下端面は、閉電磁石の位置に対して、
    前記可動軸の軸方向について、前記バルブとは反対側に
    配置されることを特徴とする内燃機関のバルブ駆動装
    置。
  3. 【請求項3】内燃機関の吸気用または排気用のバルブと
    ともに運動する可動子と、前記可動子に固着される可動
    軸と、前記バルブを開く際に前記可動子を吸引するため
    の開電磁石と、前記バルブを閉じる際に前記可動子を吸
    引するための閉電磁石と、前記可動子と前記可動軸とを
    含む可動部を支持する第一のバネと、前記可動部を支持
    し、前記第一のバネの位置に対して、前記可動軸の軸方
    向について、前記バルブ側に配置される第二のバネとを
    備えた内燃機関のバルブ駆動装置において、 前記第一のバネの上端面は、開電磁石の位置に対して、
    前記可動軸の軸方向について、前記バルブ側に配置さ
    れ、 前記第二のバネの上端面は、開電磁石の位置に対して、
    前記可動軸の軸方向について、前記バルブ側に配置され
    ることを特徴とする内燃機関のバルブ駆動装置。
  4. 【請求項4】内燃機関の吸気用または排気用のバルブと
    ともに運動する可動子と、前記可動子に固着される可動
    軸と、前記バルブを開く際に前記可動子を吸引するため
    の、開鉄心と開コイルとを有する開電磁石と、前記バル
    ブを閉じる際に前記可動子を吸引するための、閉鉄心と
    閉コイルとを有する閉電磁石と、前記可動子と前記可動
    軸とを含む可動部を支持する第一のバネ及び第二のバネ
    とを備えた内燃機関のバルブ駆動装置において、 前記開鉄心及び閉鉄心は、前記可動軸の軸中心付近に形
    成される内側突起部と、前記内側突起部に対し、前記可
    動軸の軸径方向外側に形成される外側突起部とを備え、 前記内側突起部の、前記可動軸の軸に対して垂直な方向
    の断面形状は略長方形であり、 前記外側突起部の、前記可動軸の軸に対して垂直な方向
    の断面形状は略長方形であることを特徴とする内燃機関
    のバルブ駆動装置。
  5. 【請求項5】内燃機関の吸気用または排気用のバルブと
    ともに運動する可動子と、前記可動子に固着される可動
    軸と、前記バルブを開く際に前記可動子を吸引するため
    の、開鉄心と開コイルとを有する開電磁石と、前記バル
    ブを閉じる際に前記可動子を吸引するための、閉鉄心と
    閉コイルとを有する閉電磁石と、前記可動子と前記可動
    軸とを含む可動部を支持する第一のバネ及び第二のバネ
    とを備えた内燃機関のバルブ駆動装置において、 前記開コイル及び閉コイルの、前記可動軸の軸に対して
    垂直な方向の断面形状は略長方形であることを特徴とす
    る内燃機関のバルブ駆動装置。
  6. 【請求項6】内燃機関の吸気用または排気用のバルブと
    ともに運動する可動子と、前記可動子に固着される可動
    軸と、前記バルブを開く際に前記可動子を吸引するため
    の開電磁石と、前記バルブを閉じる際に前記可動子を吸
    引するための閉電磁石と、前記可動子と前記可動軸とを
    含む可動部を支持する第一のバネ及び第二のバネとを備
    えた内燃機関のバルブ駆動装置において、 前記可動子の中心付近に設ける可動子穴に、前記可動軸
    を圧入することにより、前記可動子と前記可動軸とを固
    着させることを特徴とする内燃機関のバルブ駆動装置。
  7. 【請求項7】内燃機関の吸気用または排気用のバルブと
    ともに運動する可動子と、前記可動子に固着される可動
    軸と、前記バルブを開く際に前記可動子を吸引するため
    の開電磁石と、前記バルブを閉じる際に前記可動子を吸
    引するための閉電磁石と、前記可動子と前記可動軸とを
    含む可動部を支持する第一のバネ及び第二のバネとを備
    えた内燃機関のバルブ駆動装置において、 前記可動軸は、軸径の大きい大径部と、軸径の細い小径
    部とを有し、前記可動子の中心付近に設ける可動子穴
    を、前記小径部に挿入した後、略円筒形状の固定筒を前
    記小径部に挿入することにより、前記可動軸と前記可動
    子とを固着させることを特徴とする内燃機関のバルブ駆
    動装置。
  8. 【請求項8】内燃機関の吸気用または排気用のバルブと
    ともに運動する可動子と、前記可動子に固着される可動
    軸と、前記バルブを開く際に前記可動子を吸引するため
    の開電磁石と、前記バルブを閉じる際に前記可動子を吸
    引するための閉電磁石と、前記可動子と前記可動軸とを
    含む可動部を支持する第一のバネ及び第二のバネとを備
    えた内燃機関のバルブ駆動装置において、 前記可動子の、前記可動軸の軸に対して垂直な面につい
    ての断面形状は略長方形とし、前記可動子の、前記可動
    軸の軸中心からの距離が同一である部分の、前記可動軸
    方向の厚さは同一となるように、前記可動子の、前記可
    動軸の軸方向の厚さを不均一ならしめることを特徴とす
    る内燃機関のバルブ駆動装置。
  9. 【請求項9】内燃機関の吸気用または排気用のバルブと
    ともに運動する可動子と、前記可動子に固着される可動
    軸と、前記バルブを開く際に前記可動子を吸引するため
    の開電磁石と、前記バルブを閉じる際に前記可動子を吸
    引するための閉電磁石と、前記可動子と前記可動軸とを
    含む可動部を支持する第一のバネ及び第二のバネとを有
    するバルブ駆動部と、前記バルブ駆動部を内包するケー
    シングとを備えた内燃機関のバルブ駆動装置において、 前記ケーシングは、複数本の前記バルブを駆動するため
    のバルブ駆動部について共通とすることを特徴とする内
    燃機関のバルブ駆動装置。
  10. 【請求項10】内燃機関の吸気用または排気用のバルブ
    とともに運動する可動子と、前記可動子に固着される可
    動軸と、前記バルブを開く際に前記可動子を吸引するた
    めの開電磁石と、前記バルブを閉じる際に前記可動子を
    吸引するための閉電磁石と、前記可動子と前記可動軸と
    を含む可動部を支持する第一のバネ及び第二のバネとを
    有するバルブ駆動機構と、前記バルブ駆動機構の駆動指
    令信号を出力するバルブ制御手段と、前記駆動指令信号
    に基づき、前記開電磁石及び閉電磁石に駆動電流を供給
    する駆動電流回路とを備えた内燃機関のバルブ駆動装置
    において前記駆動電流回路は、前記駆動指令信号波形を
    基準とし、時間に対して、駆動電流を変化させる、電流
    制御手段を備えることを特徴とする内燃機関のバルブ駆
    動装置。
  11. 【請求項11】内燃機関の吸気用または排気用のバルブ
    とともに運動する可動子と、前記可動子に固着される可
    動軸と、前記バルブを開く際に前記可動子を吸引するた
    めの開電磁石と、前記バルブを閉じる際に前記可動子を
    吸引するための閉電磁石と、前記可動子と前記可動軸と
    を含む可動部を支持する第一のバネ及び第二のバネとを
    有するバルブ駆動機構と、前記バルブ駆動機構の駆動指
    令信号を出力するバルブ制御手段と、前記駆動指令信号
    に基づき、前記開電磁石及び閉電磁石に駆動電流を供給
    する駆動電流回路とを備えた内燃機関のバルブ駆動装置
    において、 前記バルブと、前記可動子と、前記可動軸とのうちいず
    れか一つ以上の変位を検出する変位検出手段を備え、前
    記バルブ制御手段は、検出される変位に基づき、前記駆
    動指令信号を変化させることを特徴とする内燃機関のバ
    ルブ駆動装置。
  12. 【請求項12】請求項10に記載のバルブ駆動装置にお
    いて、前記変位検出手段は、前記バルブと、前記可動子
    と、前記可動軸とのうちいずれか一つ以上の変位が、特
    定の値以上か否かを検出することを特徴とする内燃機関
    のバルブ駆動装置。
  13. 【請求項13】内燃機関の吸気用または排気用のバルブ
    とともに運動する可動子と、前記可動子に固着される可
    動軸と、前記バルブを開く際に前記可動子を吸引するた
    めの開電磁石と、前記バルブを閉じる際に前記可動子を
    吸引するための閉電磁石と、前記可動子と前記可動軸と
    を含む可動部を支持する第一のバネ及び第二のバネとを
    備えた内燃機関のバルブ駆動装置において、 前記可動子と前記可動軸とを含む可動部の、前記可動軸
    方向の運動エネルギの一部を、前記可動軸周りの回転運
    動エネルギに変換する機構を備えることを特徴とする内
    燃機関のバルブ駆動装置。
  14. 【請求項14】内燃機関の吸気用または排気用のバルブ
    とともに運動する可動子と、前記可動子に固着される可
    動軸と、前記バルブを開く際に前記可動子を吸引するた
    めの開電磁石と、前記バルブを閉じる際に前記可動子を
    吸引するための閉電磁石と、前記可動子と前記可動軸と
    を含む可動部を支持する第一のバネ及び第二のバネとを
    備えた内燃機関のバルブ駆動装置において、 内燃機関の始動前に、前記可動子と前記可動軸からなる
    可動部を、前記可動軸の軸方向に移動させる初期駆動機
    構を備えることを特徴とする内燃機関のバルブ駆動装
    置。
  15. 【請求項15】内燃機関の吸気用または排気用のバルブ
    とともに運動する可動子と、前記可動子に固着される可
    動軸と、前記バルブを開く際に前記可動子を吸引するた
    めの開電磁石と、前記バルブを閉じる際に前記可動子を
    吸引するための閉電磁石と、前記可動子と前記可動軸と
    を含む可動部を支持する第一のバネ及び第二のバネとを
    備えた内燃機関のバルブ駆動装置において、 内燃機関の始動前に、前記開電磁石と前記閉電磁石との
    うちの少なくともいずれか一方を、前記可動軸の軸方向
    に移動させる初期駆動機構を備えることを特徴とする内
    燃機関のバルブ駆動装置。
  16. 【請求項16】請求項14又は15に記載の内燃機関の
    バルブ駆動装置において、前記初期駆動機構は、電動モ
    ータによって駆動される流体圧ポンプと、流体圧シリン
    ダと、流体圧ピストンとによって構成されることを特徴
    とする内燃機関のバルブ駆動装置。
  17. 【請求項17】内燃機関の吸気用または排気用のバルブ
    とともに運動する可動子と、前記可動子に固着される可
    動軸と、前記バルブを開く際に前記可動子を吸引するた
    めの開電磁石と、前記バルブを閉じる際に前記可動子を
    吸引するための閉電磁石と、前記可動子と前記可動軸と
    を含む可動部を支持する第一のバネ及び第二のバネとを
    備えた内燃機関のバルブ駆動装置において、 前記閉電磁石と前記開電磁石とのうちいずれか一方を、
    他方に比較して大型とし、内燃機関始動前の初期駆動時
    には、前記で大型とした一方の電磁石により前記可動子
    を吸引することによって初期駆動を行うことを特徴とす
    る内燃機関のバルブ駆動装置。
  18. 【請求項18】内燃機関の吸気用または排気用のバルブ
    とともに運動する可動子と、前記可動子に固着される可
    動軸と、前記バルブを開く際に前記可動子を吸引するた
    めの開電磁石と、前記バルブを閉じる際に前記可動子を
    吸引するための閉電磁石と、前記可動子と前記可動軸と
    を含む可動部を支持する第一のバネ及び第二のバネとを
    有するバルブ駆動部と、前記バルブ駆動部を内包するケ
    ーシングとを備えた内燃機関のバルブ駆動装置におい
    て、 前記ケーシング外周部に放熱フィンを設けたことを特徴
    とする内燃機関のバルブ駆動装置。
  19. 【請求項19】内燃機関の吸気用または排気用のバルブ
    とともに運動する可動子と、前記可動子に固着される可
    動軸と、前記バルブを開く際に前記可動子を吸引するた
    めの開電磁石と、前記バルブを閉じる際に前記可動子を
    吸引するための閉電磁石と、前記可動子と前記可動軸と
    を含む可動部を支持する第一のバネ及び第二のバネとを
    有するバルブ駆動部と、前記バルブ駆動部を内包するケ
    ーシングとを備えた内燃機関のバルブ駆動装置におい
    て、 前記ケーシングの内部に流路を設け、前記流路内に冷却
    用の流体を循環させることを特徴とする内燃機関のバル
    ブ駆動装置。
  20. 【請求項20】内燃機関の吸気用または排気用のバルブ
    とともに運動する可動子と、前記可動子に固着される可
    動軸と、前記バルブを開く際に前記可動子を吸引するた
    めの開電磁石と、前記バルブを閉じる際に前記可動子を
    吸引するための閉電磁石と、前記可動子と前記可動軸と
    を含む可動部を支持する第一のバネ及び第二のバネとを
    有するバルブ駆動部と、前記バルブ駆動部を内包するケ
    ーシングとを備えた内燃機関のバルブ駆動装置におい
    て、 前記ケーシングの外周部に、冷却管を設け、前記冷却管
    内に冷却用の流体を循環させることを特徴とする内燃機
    関のバルブ駆動装置。
  21. 【請求項21】内燃機関の吸気用または排気用のバルブ
    とともに運動する可動子と、前記可動子に固着される可
    動軸と、前記バルブを開く際に前記可動子を吸引するた
    めの開電磁石と、前記バルブを閉じる際に前記可動子を
    吸引するための閉電磁石と、前記可動子と前記可動軸と
    を含む可動部を支持する第一のバネ及び第二のバネとを
    備えた内燃機関のバルブ駆動装置において、 前記開電磁石と前記閉電磁石とのうち、少なくともいず
    れか一方の外周部に、冷却管を設け、前記冷却管内に冷
    却用の流体を循環させることを特徴とする内燃機関のバ
    ルブ駆動装置。
  22. 【請求項22】内燃機関の吸気用または排気用のバルブ
    とともに運動する可動子と、前記可動子に固着される可
    動軸と、前記バルブを開く際に前記可動子を吸引するた
    めの開電磁石と、前記バルブを閉じる際に前記可動子を
    吸引するための閉電磁石と、前記可動子と前記可動軸と
    を含む可動部を支持する第一のバネ及び第二のバネとを
    有するバルブ駆動部と、前記バルブ駆動部を内包し、前
    記バルブ駆動部を内燃機関に固定するためのケーシング
    とを備えた内燃機関のバルブ駆動装置において、 前記ケーシングと内燃機関との接触部に断熱材を設けた
    ことを特徴とする内燃機関のバルブ駆動装置。
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