JP2010073705A - プランジャ位置検出装置及び電磁弁 - Google Patents

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Abstract

【課題】ソレノイドにおけるプランジャの位置を簡単な手法で検出する。
【解決手段】ソレノイドコイル30及びプランジャ20を含むソレノイドにおいて、プランジャの位置を検出するプランジャ位置検出装置として、ソレノイドコイルへの通電をオフにした際に生じる逆起電圧が所定の閾値に収束するまでの収束時間を検出する収束時間検出手段と、収束時間検出手段により検出された収束時間に基づいてソレノイドコイルの自己インダクタンスを演算する自己インダクタンス演算手段と、自己インダクタンス演算手段により得られた自己インダクタンスの値に基づいてプランジャの位置を演算する位置演算手段を採用する。これによれば、単なる検出処理及び演算処理を行うだけで、構造の簡素化、小型化、低コスト化等を達成しつつ、プランジャの位置を高精度に検出できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ソレノイドの電磁力により往復駆動されるプランジャの位置を検出するプランジャ位置検出装置及びこのプランジャ位置検出装置を備えた電磁弁に関し、特に、流体ポンプ、ガス機器等の流体(水、ガス等)の通路を開閉するために使用されるプランジャ位置検出装置及び電磁弁に関する。
従来のガス燃焼器、ガス給湯器等には、ガス通路を開閉するためにソレノイドのプランジャにより開閉駆動される弁体を備えた電磁弁が使用されており、特にガス漏れを防止するためにも、電磁弁の弁体が完全に通路を閉鎖した状態にあるか否かを検出する必要がある。この検出手法として、電磁弁の弁体の位置を自動的に検出して弁体の状態を診断する自己診断システムの開発が望まれている。
一方、従来のプランジャ位置検出装置としては、直列に配列される一対のソレノイドコイル、一対のソレノイドコイル内に配置されて往復動されるプランジャを備えたソレノイドにおいて、励磁される一方のソレノイドコイルにより誘起される非励磁側のソレノイドコイルの誘導起電力又は誘導起電力により生じる電流に基づいて、プランジャの位置を検出するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、この検出手法においては、励磁されるソレノイドコイルの他に、別のソレノイドコイルが必要であり、その分、構造の複雑化、装置の大型化、高コスト化等を招くことになる。
特開2005−286163号公報
本発明は、上記従来の装置の事情に鑑みて成されたものであり、その目的とするところは、構造の簡素化、小型化、低コスト化等を図りつつ、プランジャの位置とソレノイドの自己インダクタンスとの間及び逆起電圧の収束時間と自己インダクタンスの間にそれぞれ一定の相関関係が存在することを利用して、プランジャの位置を高精度に検出することのできるプランジャ位置検出装置及びこのプランジャ位置検出装置を備えた電磁弁を提供することにある。
本発明のプランジャ位置検出装置は、励磁用のソレノイドコイル、ソレノイドコイルの励磁により生じる電磁力により駆動されるプランジャを含むソレノイドにおいて、プランジャの位置を検出するプランジャ位置検出装置であって、上記ソレノイドコイルへの通電をオフにした際に生じる逆起電圧が所定の閾値に収束するまでの収束時間を検出する収束時間検出手段と、収束時間検出手段により検出された収束時間に基づいて、ソレノイドコイルの自己インダクタンスを演算する自己インダクタンス演算手段と、自己インダクタンス演算手段により得られた自己インダクタンスの値に基づいて、プランジャの位置を演算する位置演算手段と、を含む。
この構成によれば、収束時間検出手段により、ソレノイドコイルの通電を断った際に生じる逆起電圧の収束時間が検出されると、自己インダクタンス演算手段により、検出された収束時間に基づいて自己インダクタンスの値が演算処理により求められ、位置検出手段により、この求められた自己インダクタンスの値に基づいてプランジャの位置が演算処理により求められる。
このように、プランジャの位置とソレノイドコイルの自己インダクタンスの間に一定の相関関係があり、又、逆起電圧の収束時間と自己インダクタンスの間に一定の相関関係が存在することを利用して、収束時間→自己インダクタンスの値→プランジャの位置という順序で、単なる検出処理及び演算処理を行うだけで、構造の簡素化、小型化、低コスト化等を達成しつつ、プランジャの位置を高精度に検出することができる。
上記構成をなすプランジャ位置検出装置において、収束時間検出手段は、逆起電圧の波形に対して、サンプリングの開始時期を順次遅延させて複数回サンプリングを行う遅延サンプリング回路を含む、構成を採用することができる。
この構成によれば、例えば、逆起電圧のアナログ信号をマイクロコンピュータのAD変換器を用いてサンプリングする場合、特に電池系で動作する低電圧駆動システムでは動作速度に限界があるため、サンプリング速度にも限界がある。そこで、遅延サンプリング回路によりサンプリングの開始時間を順次遅延させて複数回サンプリングを行うことで、処理速度の遅いマイクロコンピュータでも、高速度サンプリングと同等に分解能を高めて高精度に収束時間を検出することができる。
上記構成をなすプランジャ位置検出装置において、遅延サンプリング回路は、サンプリングのレートを可変にする、構成を採用することができる。
この構成によれば、遅延サンプリング回路において、サンプリングのレートを可変にすることにより、サンプリングデータの個数を減らすことができ、メモリを節約することができる。
本発明の電磁弁は、励磁用のソレノイドコイルと、ソレノイドコイルの励磁により生じる電磁力により駆動されるプランジャと、プランジャに連結されて流体の通路を開閉する弁体と、弁体の位置を検出するべくプランジャの位置を検出する検出手段とを備えた電磁弁であって、検出手段は、上記構成をなすプランジャ位置検出装置のいずれか一つである、構成となっている。
この構成によれば、プランジャの位置とソレノイドコイルの自己インダクタンスの間に一定の相関関係及び逆起電圧の収束時間と自己インダクタンスの間に一定の相関関係を利用して、収束時間→自己インダクタンスの値→プランジャの位置という順序で、単なる検出処理及び演算処理を行うだけで、構造の簡素化、小型化、低コスト化等を達成しつつ、プランジャすなわち弁体の位置を高精度に検出することができる。
したがって、流体の開閉を行う弁体が開弁位置又は閉弁位置あるいは中間位置等のどの位置にあるのか弁体の作動状態を高精に検出することができ、電磁弁の状態を自動的に診断する自己診断システムを提供することができる。また、この電磁弁がガス機器(ガスコンロ、ガス給湯器等)に使用された場合、閉弁不良等を高精度に検出することができ、それに基づいて警告信号等を発するようにすることができる。
上記構成をなすプランジャ位置検出装置によれば、構造の簡素化、小型化、低コスト化等を達成しつつ、プランジャの位置とソレノイドの自己インダクタンスとの間に相関関係があることを利用して、プランジャの位置を高精度に検出することのできるプランジャ位置検出装置及びこのプランジャ位置検出装置を備えた電磁弁を得ることができる。
以下、本発明の最良の実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図1ないし図7は、本発明に係るプランジャ位置検出装置(検出手段)を備えた電磁弁の一実施形態を示すものであり、図1は、オン/オフ駆動されるソレノイドを含む電磁弁のシステム図、図2は電磁弁のソレノイド(ソレノイドコイル及びプランジャ)を空隙付きトロイダルコアでモデル化した図、図3はソレノイドにおけるプランジャの位置とソレノイドコイルの自己インダクタンスとの関係を示す図、図4はソレノイドコイルの自己インダクタンスを求めるための基本回路図、図5はソレノイドコイルにおける逆起電圧と収束時間との関係を示す図、図6及び図7は逆起電圧の収束時間を検出する際のサンプリング手法を説明するための図である。
この電磁弁は、ガス機器のガス通路を開閉するガス電磁弁として使用されるものであり、図1に示すように、ガスの通路1を開閉する弁体10、弁体10に結合されて弁体10を開閉駆動するソレノイドの一部をなす鉄心としてのプランジャ20、プランジャ20に対して駆動力としての電磁力を及ぼすソレノイドの一部をなす励磁用のソレノイドコイル30等を備えている。
また、この電磁弁を駆動するシステムとしては、図1に示すように、乾電池等の電源E、ソレノイドコイル30への通電をオン/オフ制御するマイクロコンピュータM、トランジスタTr等を備えている。
さらに、マイクロコンピュータMは、ソレノイドコイル30への通電をオフにした際に生じる逆起電圧が所定の閾値に収束するまでの収束時間を検出する収束時間検出手段(A/D変換器、遅延サンプリング回路等)、収束時間検出手段により検出された収束時間に基づいてソレノイドコイル30の自己インダクタンスを演算する自己インダクタンス演算手段(演算回路)、自己インダクタンス演算手段により得られた自己インダクタンスの値に基づいてプランジャ20の位置を演算する位置演算手段(演算回路)、種々のデータ等を記憶するメモリ等を備えている。
ここでは、収束時間検出手段、自己インダクタンス演算手段、位置演算手段等により、ソレノイドにおけるプランジャ20の位置を検出するプランジャ位置検出装置が構成されている。
上記システムにおいては、マイクロコンピュータMのIPOを操作して、ソレノイドコイル30への通電が停止(オフ)される。
そして、この通電停止(オフ)により、ソレノイドコイル30には逆起電圧が生じる。この逆起電圧は、マイクロコンピュータMのA/D変換器にて監視(逆起電圧のアナログ信号がデジタル信号に変換されて出力)され、マイクロコンピュータMに含まれる収束時間検出手段としての遅延サンプリング回路(不図示)により、逆起電圧が所定の閾値に収束するまでの収束時間が検出される。
続いて、マイクロコンピュータMに含まれる自己インダクタンス演算手段としての演算回路(不図示)により、検出された収束時間に基づいて演算処理が施され、その収束時間に対応するソレノイドコイル30の自己インダクタンスが求められる。
続いて、マイクロコンピュータMに含まれる位置演算手段としての演算回路(不図示)により、求められた自己インダクタンスの値に基づいて演算処理が施され、その自己インダクタンスの値に対応するプランジャ20の位置が求められる。
ここでは、プランジャ20の位置とソレノイドコイル30の自己インダクタンスとの間に一定の相関関係があり、又、ソレノイドコイル30への通電をオフにした際に生じる逆起電圧の収束時間とソレノイドコイル30の自己インダクタンスとの間に一定の相関関係があることを利用して、収束時間→自己インダクタンスの値→プランジャの位置という順序で、単なる検出処理及び演算処理を行うだけで、プランジャ20(すなわち弁体10)の位置を高精度に検出するものである。
次に、プランジャ20の位置とソレノイドコイル30の自己インダクタンスとの関係について、図2を参照しつつ説明する。
ここでは、電磁弁のプランジャ20(及びヨーク20´)とソレノイドコイル30を、図2に示すように、空隙付きトロイダルコアでモデル化すると、空隙長(空隙磁路長)がプランジャ20の位置と等価になる。したがって、空隙長を変化させた時の全体の自己インダクタンスを評価すればよい。
ここで、鉄心(プランジャ20及びヨーク20´)の透磁率をμ、空隙の透磁率をμ、磁路断面積をS、鉄心の磁路長をDi、空隙磁路長をDa、コイルの巻数をN、鉄心の磁気抵抗をRi、空隙の磁気抵抗をRa、総合磁気抵抗をR、自己インダクタンスをL、磁位差をF、電流をI、磁束をΦとするとき、磁位差F、磁束Φ、及び総合磁気抵抗Rとの間には、次式(1)の関係が成立する。
F=ΦR ・・・(1)
また、磁束Φ、電流I、及び自己インダクタンスLの間には、次式(2)の関係が成立する。
Φ=LI Nターンでは、NΦ=LI ・・・(2)
式(1)、(2)により、次式(3)が得られる。
L=N/R ・・・(3)
ここで、鉄心と空隙の領域の磁気抵抗を求めると、
R=Ri+Ra → R=(2Di/μS)+(2Da/μS) となり、
上記式を式(3)に代入して整理すると、
L=SNμμ/(2Diμ+2Daμ)
ここで、変数は、Daだけであるため、定数C,C,Cを用いてまとめると、
L=C/(CDa+C)となり、
定性評価のためにDa=0のときの値L=C/Cで正規化しかつCで割ると、
L=1/(CDa+1) 但し、C=C/C(定数)
Da=(1/C)(1/L)−(1/C
Da=α/L−β 但し、α=1/C(定数)、β=1/C(定数) ・・・(4)
の関係が成立する。
上記式(4)は、空隙長(すなわちプランジャ20の位置)と自己インダクタンスの関係を示すものであり、この関係をグラフ化すると、図3に示すようになる。尚、図3において、プランジャ位置の閉、中間、開は、それぞれ弁体10が全閉状態、中間開度状態、全開状態にある場合に対応するものである。
すなわち、空隙長(プランジャ20の位置)の変化により自己インダクタンスLが図3のように変化する一定の相関関係が存在するため、演算回路により自己インダクタンスの値Lを検出し、この検出された自己インダクタンスの値Lを式(4)に代入して演算処理を行うことで、容易にプランジャの位置Daを求め得ることが理解される。
次に、ソレノイドコイル30への通電をオフにした際に生じる逆起電圧とソレノイドコイル30の自己インダクタンスとの関係について、図4及び図5を参照しつつ説明する。
図4は、電源E、抵抗R、ソレノイドコイル30の自己インダクタンスL、通電をオン/オフするスイッチSWを備えた基本回路を示すものである。
ここで、自己インダクタンスLとソレノイドコイル30の両端電圧V(t)との間には、次式(5)の関係が成立する。
V(t)=L・dI/dt ・・・(5)
ここで、図4に示す回路でSWをオフにした際に(t=0において)逆起電圧Vが発生するとした場合、電圧V(t)は、次式(6)で表される。
V(t)=−V(−Rt/L)・・・(6)
式(6)を、自己インダクタンスLを求める式に変換すると、次式(7)で表される。
L=−Rt/ln(V(t)/V) ・・・(7)
すなわち、上記式(7)において、時間tを逆起電圧Vが所定の閾値Vthまで収束(減衰)するのに要する収束時間Tとすると、収束時間Tのときの自己インダクタンスL(t=T)は、次式(8)で求めることができる。
(t=T)=−RT/ln(V(T)/V) ・・・(8)
ここで、収束時間Tとしては、例えば、逆起電圧Vが98%減衰する(すなわち、閾値Vth=0.02×Vに収束する)のに要する時間が適用される。
すなわち、逆起電圧の収束時間と自己インダクタンスの間には、図5に示すような一定の相関関係が存在するため、収束時間検出手段により検出された収束時間Tの値を上記式(8)に入力して演算処理を行うことにより、容易に自己インダクタンスLの値を求めることができる。
上記のように、収束時間検出手段により、ソレノイドコイル30の通電を断った際に生じる逆起電圧Vの収束時間Tが検出されると、自己インダクタンス演算手段により、検出された収束時間Tに基づいて自己インダクタンスLの値が演算処理により求められ、位置検出手段により、この求められた自己インダクタンスの値Lに基づいてプランジャ20の位置Daが演算処理により求められる。
このように、プランジャ20の位置Daとソレノイドコイル30の自己インダクタンスLの間に一定の相関関係があり、又、逆起電圧Vの収束時間Tと自己インダクタンスLの間に一定の相関関係が存在することを利用して、収束時間T→自己インダクタンスの値L→プランジャの位置Daという順序で、単なる検出処理及び演算処理を行うだけで、構造の簡素化、小型化、低コスト化等を達成しつつ、プランジャ20の位置を高精度に検出することができる。そして、プランジャ20の位置すなわち弁体10の位置が検出されることで、電磁弁は正常に作動しているか否かを判断する自己診断システムを提供することができる。
次に、収束時間検出手段(マイクロコンピュータMに含まれるサンプリング回路)について、図6及び図7を参照しつつ説明する。
一般に、電磁弁を使用するガス機器等では、電源Eとして乾電池が使用されるため、低電圧においても性能を満足させることは必要である。一方、マイクロコンピュータMの一般的な特性として、低電圧駆動させた場合動作周波数が低くなるため、サンプリング周期が長くなり分解能が低下する。
プランジャ20の位置を高精度に検出するには、サンプリング性能として2μsec以下の時間的分解能が必要とされるが、マイクロコンピュータMがA/D変換に要する時間は200μsec程度であるため、低レートのサンプリングで分解能を高めることが必要となる。
そこで、低レートのサンプリングで分解能を高めるべく、収束時間検出手段として、逆起電圧の波形に対してサンプリングの開始時期を順次遅延させて複数回サンプリングを行う遅延サンプリング回路を採用する。
この遅延サンプリング回路によれば、図6に示すように、サンプリングのレート200μsecで、分解能2μsecを実現する。すなわち、サンプリングの開始時期を順次2μsecだけ遅延させて、1回目は、(開始ポイント+0μsec)から200μsec後にサンプリングを行い、2回目は、(開始ポイント+2μsec)から200μsec後にサンプリングを行い、3回目は、(開始ポイント+4μsec)から200μsec後にサンプリングを行い、N回目は、(開始ポイント+(N−1)×2μsec)から200μsec後にサンプリングを行うというように、順次遅延させて(順次ずらして)複数回(N回)のサンプリングを行う。例えば、サンプリングを99回(N=99)行うと、分解能が2μsecとなる。
このように、サンプリングレートが低い場合でも、時間をかければ、高分解能で逆起電圧のアナログ波形信号をサンプリングすることができ、処理速度の遅いマイクロコンピュータMでも、高速度サンプリングと同等に分解能を高めて高精度に収束時間Tを検出することができる。
一方、上記のように、サンプリングのレートを一定(200μsec)にして複数回サンプリングを行う場合、全領域をサンプリングすると、サンプリングのデータ数が多くなり過ぎて、メモリ消費が大きくなる。例えば、全領域を4msecとすると、サンプリングのデータ数は2000個となる。
そこで、図7に示すように、1回目は、サンプリングレート200μsec、2回目は20μsec、3回目は2μsecというように、サンプリングのレートを可変にする。
これによれば、サンプリングデータの個数を減らすことができ、メモリを節約することができる。
以上述べたように、ソレノイドコイル30、ソレノイドコイル30の励磁により生じる電磁力により駆動されるプランジャ20、プランジャ20に連結されてガス(流体)の通路1を開閉する弁体10を含む電磁弁において、弁体10の位置を検出するべくプランジャ20の位置を検出するプランジャ位置検出装置を備えたことにより、収束時間T→自己インダクタンスの値L→プランジャ20の位置Daという順序で、単なる検出処理及び演算処理を行うだけで、構造の簡素化、小型化、低コスト化等を達成しつつ、プランジャ20すなわち弁体10の位置を高精度に検出することができる。
したがって、流体の開閉を行う弁体10が開弁位置又は閉弁位置あるいは中間位置等のどの位置にあるのか弁体10の作動状態を高精に検出することができ、電磁弁の状態を自動的に診断する自己診断システムを提供することができる。また、この電磁弁がガス機器(ガスコンロ、ガス給湯器等)に使用された場合、閉弁不良等を高精度に検出することができ、それに基づいて警告信号等を発するようにすることができる。
上記実施形態においては、収束時間検出手段として、遅延サンプリング回路を含むものを示したが、これに限定されるものではなく、マイクロコンピュータの性能が許す限り、高分解能のサンプリングを行う通常のサンプリング回路を採用してもよい。
以上述べたように、本発明のプランジャ位置検出装置は、構造の簡素化、小型化、低コスト化等を達成しつつ、プランジャの位置とソレノイドの自己インダクタンスとの間に相関関係があることを利用して、プランジャの位置を高精度に検出することのできるため、ガス機器等の電磁弁に適用できるのは勿論のこと、その他の流体ポンプ、流体機器等の電磁弁においても有用である。
本発明に係るプランジャ位置検出装置を備えた電磁弁の一実施形態を示すシステム図である。 電磁弁のソレノイド(ソレノイドコイル及びプランジャ)を、空隙付きトロイダルコアでモデル化した模式図である。 ソレノイドにおけるプランジャの位置とソレノイドコイルの自己インダクタンスとの関係を示す図である。 ソレノイドコイルの自己インダクタンスを求めるための基本回路図である。 ソレノイドコイルにおける逆起電圧と収束時間との関係を示す図である。 逆起電圧の収束時間を検出する際のサンプリング手法を説明するための図である。 逆起電圧の収束時間を検出する際のサンプリング手法を説明するための図である。
符号の説明
1 通路
10 弁体
20 プランジャ(ソレノイド)
20´ ヨーク
30 ソレノイドコイル(ソレノイド)
M マイクロコンピュータ
Tr トランジスタ
E 電源

Claims (4)

  1. 励磁用のソレノイドコイルと、前記ソレノイドコイルの励磁により生じる電磁力により駆動されるプランジャとを含むソレノイドにおいて、前記プランジャの位置を検出するプランジャ位置検出装置であって、
    前記ソレノイドコイルへの通電をオフにした際に生じる逆起電圧が所定の閾値に収束するまでの収束時間を検出する収束時間検出手段と、
    前記収束時間検出手段により検出された収束時間に基づいて、前記ソレノイドコイルの自己インダクタンスを演算する自己インダクタンス演算手段と、
    前記自己インダクタンス演算手段により得られた自己インダクタンスの値に基づいて、前記プランジャの位置を演算する位置演算手段と、
    を含む、ことを特徴とするプランジャ位置検出装置。
  2. 前記収束時間検出手段は、前記逆起電圧の波形に対して、サンプリングの開始時期を順次遅延させて複数回サンプリングを行う遅延サンプリング回路を含む、
    ことを特徴とする請求項1に記載のプランッジャ位置検出装置。
  3. 前記遅延サンプリング回路は、サンプリングのレートを可変にする、
    ことを特徴とする請求項2に記載のプランジャ位置検出装置。
  4. 励磁用のソレノイドコイルと、前記ソレノイドコイルの励磁により生じる電磁力により駆動されるプランジャと、前記プランジャに連結されて流体の通路を開閉する弁体と、前前記弁体の位置を検出するべく前記プランジャの位置を検出する検出手段と、を備えた電磁弁であって、
    前記検出手段は、請求項1ないし5いずれか一つに記載のプランジャ位置検出装置である、
    ことを特徴とする電磁弁。
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