JP2010073705A - プランジャ位置検出装置及び電磁弁 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ソレノイドコイル30及びプランジャ20を含むソレノイドにおいて、プランジャの位置を検出するプランジャ位置検出装置として、ソレノイドコイルへの通電をオフにした際に生じる逆起電圧が所定の閾値に収束するまでの収束時間を検出する収束時間検出手段と、収束時間検出手段により検出された収束時間に基づいてソレノイドコイルの自己インダクタンスを演算する自己インダクタンス演算手段と、自己インダクタンス演算手段により得られた自己インダクタンスの値に基づいてプランジャの位置を演算する位置演算手段を採用する。これによれば、単なる検出処理及び演算処理を行うだけで、構造の簡素化、小型化、低コスト化等を達成しつつ、プランジャの位置を高精度に検出できる。
【選択図】図1
Description
しかしながら、この検出手法においては、励磁されるソレノイドコイルの他に、別のソレノイドコイルが必要であり、その分、構造の複雑化、装置の大型化、高コスト化等を招くことになる。
この構成によれば、収束時間検出手段により、ソレノイドコイルの通電を断った際に生じる逆起電圧の収束時間が検出されると、自己インダクタンス演算手段により、検出された収束時間に基づいて自己インダクタンスの値が演算処理により求められ、位置検出手段により、この求められた自己インダクタンスの値に基づいてプランジャの位置が演算処理により求められる。
このように、プランジャの位置とソレノイドコイルの自己インダクタンスの間に一定の相関関係があり、又、逆起電圧の収束時間と自己インダクタンスの間に一定の相関関係が存在することを利用して、収束時間→自己インダクタンスの値→プランジャの位置という順序で、単なる検出処理及び演算処理を行うだけで、構造の簡素化、小型化、低コスト化等を達成しつつ、プランジャの位置を高精度に検出することができる。
この構成によれば、例えば、逆起電圧のアナログ信号をマイクロコンピュータのAD変換器を用いてサンプリングする場合、特に電池系で動作する低電圧駆動システムでは動作速度に限界があるため、サンプリング速度にも限界がある。そこで、遅延サンプリング回路によりサンプリングの開始時間を順次遅延させて複数回サンプリングを行うことで、処理速度の遅いマイクロコンピュータでも、高速度サンプリングと同等に分解能を高めて高精度に収束時間を検出することができる。
この構成によれば、遅延サンプリング回路において、サンプリングのレートを可変にすることにより、サンプリングデータの個数を減らすことができ、メモリを節約することができる。
この構成によれば、プランジャの位置とソレノイドコイルの自己インダクタンスの間に一定の相関関係及び逆起電圧の収束時間と自己インダクタンスの間に一定の相関関係を利用して、収束時間→自己インダクタンスの値→プランジャの位置という順序で、単なる検出処理及び演算処理を行うだけで、構造の簡素化、小型化、低コスト化等を達成しつつ、プランジャすなわち弁体の位置を高精度に検出することができる。
したがって、流体の開閉を行う弁体が開弁位置又は閉弁位置あるいは中間位置等のどの位置にあるのか弁体の作動状態を高精に検出することができ、電磁弁の状態を自動的に診断する自己診断システムを提供することができる。また、この電磁弁がガス機器(ガスコンロ、ガス給湯器等)に使用された場合、閉弁不良等を高精度に検出することができ、それに基づいて警告信号等を発するようにすることができる。
図1ないし図7は、本発明に係るプランジャ位置検出装置(検出手段)を備えた電磁弁の一実施形態を示すものであり、図1は、オン/オフ駆動されるソレノイドを含む電磁弁のシステム図、図2は電磁弁のソレノイド(ソレノイドコイル及びプランジャ)を空隙付きトロイダルコアでモデル化した図、図3はソレノイドにおけるプランジャの位置とソレノイドコイルの自己インダクタンスとの関係を示す図、図4はソレノイドコイルの自己インダクタンスを求めるための基本回路図、図5はソレノイドコイルにおける逆起電圧と収束時間との関係を示す図、図6及び図7は逆起電圧の収束時間を検出する際のサンプリング手法を説明するための図である。
また、この電磁弁を駆動するシステムとしては、図1に示すように、乾電池等の電源E、ソレノイドコイル30への通電をオン/オフ制御するマイクロコンピュータM、トランジスタTr等を備えている。
ここでは、収束時間検出手段、自己インダクタンス演算手段、位置演算手段等により、ソレノイドにおけるプランジャ20の位置を検出するプランジャ位置検出装置が構成されている。
そして、この通電停止(オフ)により、ソレノイドコイル30には逆起電圧が生じる。この逆起電圧は、マイクロコンピュータMのA/D変換器にて監視(逆起電圧のアナログ信号がデジタル信号に変換されて出力)され、マイクロコンピュータMに含まれる収束時間検出手段としての遅延サンプリング回路(不図示)により、逆起電圧が所定の閾値に収束するまでの収束時間が検出される。
続いて、マイクロコンピュータMに含まれる位置演算手段としての演算回路(不図示)により、求められた自己インダクタンスの値に基づいて演算処理が施され、その自己インダクタンスの値に対応するプランジャ20の位置が求められる。
ここでは、電磁弁のプランジャ20(及びヨーク20´)とソレノイドコイル30を、図2に示すように、空隙付きトロイダルコアでモデル化すると、空隙長(空隙磁路長)がプランジャ20の位置と等価になる。したがって、空隙長を変化させた時の全体の自己インダクタンスを評価すればよい。
F=ΦR ・・・(1)
また、磁束Φ、電流I、及び自己インダクタンスLの間には、次式(2)の関係が成立する。
Φ=LI Nターンでは、NΦ=LI ・・・(2)
式(1)、(2)により、次式(3)が得られる。
L=N2/R ・・・(3)
R=Ri+Ra → R=(2Di/μS)+(2Da/μ0S) となり、
上記式を式(3)に代入して整理すると、
L=SN2μμ0/(2Diμ0+2Daμ)
ここで、変数は、Daだけであるため、定数C1,C2,C3を用いてまとめると、
L=C1/(C2Da+C3)となり、
定性評価のためにDa=0のときの値L=C1/C3で正規化しかつC3で割ると、
L=1/(C4Da+1) 但し、C4=C2/C3(定数)
Da=(1/C4)(1/L)−(1/C4)
Da=α/L−β 但し、α=1/C4(定数)、β=1/C4(定数) ・・・(4)
の関係が成立する。
すなわち、空隙長(プランジャ20の位置)の変化により自己インダクタンスLが図3のように変化する一定の相関関係が存在するため、演算回路により自己インダクタンスの値Lを検出し、この検出された自己インダクタンスの値Lを式(4)に代入して演算処理を行うことで、容易にプランジャの位置Daを求め得ることが理解される。
図4は、電源E、抵抗R、ソレノイドコイル30の自己インダクタンスL、通電をオン/オフするスイッチSWを備えた基本回路を示すものである。
ここで、自己インダクタンスLとソレノイドコイル30の両端電圧V(t)との間には、次式(5)の関係が成立する。
V(t)=L・dI/dt ・・・(5)
V(t)=−V0e(−Rt/L)・・・(6)
式(6)を、自己インダクタンスLを求める式に変換すると、次式(7)で表される。
L=−Rt/ln(V(t)/V0) ・・・(7)
L(t=T)=−RT/ln(V(T)/V0) ・・・(8)
ここで、収束時間Tとしては、例えば、逆起電圧V0が98%減衰する(すなわち、閾値Vth=0.02×V0に収束する)のに要する時間が適用される。
すなわち、逆起電圧の収束時間と自己インダクタンスの間には、図5に示すような一定の相関関係が存在するため、収束時間検出手段により検出された収束時間Tの値を上記式(8)に入力して演算処理を行うことにより、容易に自己インダクタンスLの値を求めることができる。
一般に、電磁弁を使用するガス機器等では、電源Eとして乾電池が使用されるため、低電圧においても性能を満足させることは必要である。一方、マイクロコンピュータMの一般的な特性として、低電圧駆動させた場合動作周波数が低くなるため、サンプリング周期が長くなり分解能が低下する。
そこで、低レートのサンプリングで分解能を高めるべく、収束時間検出手段として、逆起電圧の波形に対してサンプリングの開始時期を順次遅延させて複数回サンプリングを行う遅延サンプリング回路を採用する。
そこで、図7に示すように、1回目は、サンプリングレート200μsec、2回目は20μsec、3回目は2μsecというように、サンプリングのレートを可変にする。
これによれば、サンプリングデータの個数を減らすことができ、メモリを節約することができる。
10 弁体
20 プランジャ(ソレノイド)
20´ ヨーク
30 ソレノイドコイル(ソレノイド)
M マイクロコンピュータ
Tr トランジスタ
E 電源
Claims (4)
- 励磁用のソレノイドコイルと、前記ソレノイドコイルの励磁により生じる電磁力により駆動されるプランジャとを含むソレノイドにおいて、前記プランジャの位置を検出するプランジャ位置検出装置であって、
前記ソレノイドコイルへの通電をオフにした際に生じる逆起電圧が所定の閾値に収束するまでの収束時間を検出する収束時間検出手段と、
前記収束時間検出手段により検出された収束時間に基づいて、前記ソレノイドコイルの自己インダクタンスを演算する自己インダクタンス演算手段と、
前記自己インダクタンス演算手段により得られた自己インダクタンスの値に基づいて、前記プランジャの位置を演算する位置演算手段と、
を含む、ことを特徴とするプランジャ位置検出装置。 - 前記収束時間検出手段は、前記逆起電圧の波形に対して、サンプリングの開始時期を順次遅延させて複数回サンプリングを行う遅延サンプリング回路を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のプランッジャ位置検出装置。 - 前記遅延サンプリング回路は、サンプリングのレートを可変にする、
ことを特徴とする請求項2に記載のプランジャ位置検出装置。 - 励磁用のソレノイドコイルと、前記ソレノイドコイルの励磁により生じる電磁力により駆動されるプランジャと、前記プランジャに連結されて流体の通路を開閉する弁体と、前前記弁体の位置を検出するべく前記プランジャの位置を検出する検出手段と、を備えた電磁弁であって、
前記検出手段は、請求項1ないし5いずれか一つに記載のプランジャ位置検出装置である、
ことを特徴とする電磁弁。
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