JPH1181938A - 機関弁用電磁駆動装置 - Google Patents
機関弁用電磁駆動装置Info
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- JPH1181938A JPH1181938A JP9249265A JP24926597A JPH1181938A JP H1181938 A JPH1181938 A JP H1181938A JP 9249265 A JP9249265 A JP 9249265A JP 24926597 A JP24926597 A JP 24926597A JP H1181938 A JPH1181938 A JP H1181938A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 機関弁の開閉終端時における十分な制動力を
得ると共に、装置の構造の簡素化を図り、製造作業能率
の向上とコストの低廉化を図る。 【解決手段】 シリンダヘッド1に摺動自在に設けられ
た吸気弁3の上方位置に、電磁駆動機構4が設けられて
いる。この電磁駆動機構は、ケーシング7と該ケーシン
グの内部上下位置に固定された一対の開閉弁用電磁石
8,9と、両電磁石の間に上下動自在に吸引される円板
状のアーマチュア10とを備えている。また、前記アー
マチュア10の上面10a外周側には電磁石8の固定コ
ア14の内外周壁14a,14b間の環状隙間18に微
小クリアランス巾dを介して嵌入(オーバラップ)可能
な円環状の突起部22が設けられている。
得ると共に、装置の構造の簡素化を図り、製造作業能率
の向上とコストの低廉化を図る。 【解決手段】 シリンダヘッド1に摺動自在に設けられ
た吸気弁3の上方位置に、電磁駆動機構4が設けられて
いる。この電磁駆動機構は、ケーシング7と該ケーシン
グの内部上下位置に固定された一対の開閉弁用電磁石
8,9と、両電磁石の間に上下動自在に吸引される円板
状のアーマチュア10とを備えている。また、前記アー
マチュア10の上面10a外周側には電磁石8の固定コ
ア14の内外周壁14a,14b間の環状隙間18に微
小クリアランス巾dを介して嵌入(オーバラップ)可能
な円環状の突起部22が設けられている。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の吸気,
排気弁を電磁力によって開閉作動させる電磁駆動装置の
改良技術に関する。
排気弁を電磁力によって開閉作動させる電磁駆動装置の
改良技術に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の従来の機関弁用電磁駆動装置と
しては、例えば特開昭63−277810号公報等に記
載されているものが知られている。
しては、例えば特開昭63−277810号公報等に記
載されているものが知られている。
【0003】概略を説明すれば、機関のシリンダヘッド
に摺動自在に支持されたバルブステムを有する吸気弁
と、開弁位置と閉弁位置との間で該吸気弁をバルブステ
ム長手方向に摺動させる電磁駆動手段と、開弁位置と閉
弁位置のうち一方の位置に吸気弁が接近するにつれて、
弁の摺動運動を共同して遅くさせる2つの制動装置とを
備えている。
に摺動自在に支持されたバルブステムを有する吸気弁
と、開弁位置と閉弁位置との間で該吸気弁をバルブステ
ム長手方向に摺動させる電磁駆動手段と、開弁位置と閉
弁位置のうち一方の位置に吸気弁が接近するにつれて、
弁の摺動運動を共同して遅くさせる2つの制動装置とを
備えている。
【0004】前記制動装置の一つは空気圧式制動機構か
らなり、これは縮小した寸法のハウジングやバルブステ
ムに固定したピストンを有し、このピストンは、吸気弁
が開弁位置と閉弁位置のうち一方の位置に接近するにつ
れて前記縮小寸法の領域に入るように設定されている。
らなり、これは縮小した寸法のハウジングやバルブステ
ムに固定したピストンを有し、このピストンは、吸気弁
が開弁位置と閉弁位置のうち一方の位置に接近するにつ
れて前記縮小寸法の領域に入るように設定されている。
【0005】また、他の制動装置は、液圧制動機構から
なり、この機構は固定した流体充填空洞と、バルブステ
ムとは無関係の可動ピストンとを有し、この可動ピスト
ンは吸気弁が開弁あるいは閉弁方向のうち一方向の位置
に接近するにつれて衝突して空洞の一方の端から他方の
端へ駆動されるようになっている。
なり、この機構は固定した流体充填空洞と、バルブステ
ムとは無関係の可動ピストンとを有し、この可動ピスト
ンは吸気弁が開弁あるいは閉弁方向のうち一方向の位置
に接近するにつれて衝突して空洞の一方の端から他方の
端へ駆動されるようになっている。
【0006】そして、前記制動装置により、吸気弁の閉
弁および開弁の終端時における弁開閉速度が制動される
ため、吸気弁とバルブシートとの激しい衝突を防止でき
ると共に、アーマチュアと電磁石との衝突も防止できる
ようになっている。
弁および開弁の終端時における弁開閉速度が制動される
ため、吸気弁とバルブシートとの激しい衝突を防止でき
ると共に、アーマチュアと電磁石との衝突も防止できる
ようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の電磁駆動装置にあっては、吸気弁の制動装置を空気
圧式制動機構や液圧制動機構を用いており、この各機構
の構造がきわめて複雑である。このため、吸気弁に対す
る制動制御の信頼性が低下すると共に、部品点数の増加
による装置の製造作業性の悪化とコストの高騰が余儀な
くされている。
来の電磁駆動装置にあっては、吸気弁の制動装置を空気
圧式制動機構や液圧制動機構を用いており、この各機構
の構造がきわめて複雑である。このため、吸気弁に対す
る制動制御の信頼性が低下すると共に、部品点数の増加
による装置の製造作業性の悪化とコストの高騰が余儀な
くされている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記従来の電
磁駆動装置の実情に鑑みて案出されたもので、請求項1
記載の発明は、内燃機関の吸排気ポートを開閉する機関
弁と、該機関弁のバルブステムを包囲するケーシングの
内部上下位置に配置された電磁石と、該上下電磁石間の
前記バルブステム端部に固定されて、各電磁石の電磁吸
引力によって機関弁を開閉作動させるアーマチュアとを
備えた機関弁用電磁駆動装置であって、前記各電磁石の
固定コアに巻装された電磁コイルと対向する前記アーマ
チュアの上下面の少なくとも一方の面に、磁力線誘導用
の突起部を設けたことを特徴としている。
磁駆動装置の実情に鑑みて案出されたもので、請求項1
記載の発明は、内燃機関の吸排気ポートを開閉する機関
弁と、該機関弁のバルブステムを包囲するケーシングの
内部上下位置に配置された電磁石と、該上下電磁石間の
前記バルブステム端部に固定されて、各電磁石の電磁吸
引力によって機関弁を開閉作動させるアーマチュアとを
備えた機関弁用電磁駆動装置であって、前記各電磁石の
固定コアに巻装された電磁コイルと対向する前記アーマ
チュアの上下面の少なくとも一方の面に、磁力線誘導用
の突起部を設けたことを特徴としている。
【0009】請求項2記載の発明は、前記突起部を、前
記アーマチュアが電磁石に対して接近した際に、前記固
定コアの端部と微小隙間を介してオーバラップするよう
に配置形成したことを特徴としている。
記アーマチュアが電磁石に対して接近した際に、前記固
定コアの端部と微小隙間を介してオーバラップするよう
に配置形成したことを特徴としている。
【0010】請求項3記載の発明は、前記突起部を、環
状の前記固定コアに沿って円環状に形成したことを特徴
としている。
状の前記固定コアに沿って円環状に形成したことを特徴
としている。
【0011】請求項4記載の発明は、前記突起部の内外
側面を台形テーパ状に形成したことを特徴としている。
側面を台形テーパ状に形成したことを特徴としている。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る機関弁の電磁
駆動装置の実施形態を図面に基づいて詳述する。
駆動装置の実施形態を図面に基づいて詳述する。
【0013】図1は機関弁として吸気弁に適用した第1
の実施形態を示し、内燃機関のシリンダヘッド1内に形
成された吸気ポート2を開閉する吸気弁3と、該吸気弁
3を開閉作動させる電磁駆動機構4とから主として構成
されている。
の実施形態を示し、内燃機関のシリンダヘッド1内に形
成された吸気ポート2を開閉する吸気弁3と、該吸気弁
3を開閉作動させる電磁駆動機構4とから主として構成
されている。
【0014】前記吸気弁3は、燃焼室に臨む吸気ポート
2開口端の環状バルブシート5に離着座して該開口端を
開閉する傘部3aと、該傘部3aの上面中央に一体に設
けられてバルブガイド6を介してシリンダヘッド1内を
摺動する弁軸であるバルブステム3bとを備えている。
また、この吸気弁3のバルブステム3bは、上端部がシ
リンダヘッド1のアッパデッキ上面1aから上方へ突出
している。
2開口端の環状バルブシート5に離着座して該開口端を
開閉する傘部3aと、該傘部3aの上面中央に一体に設
けられてバルブガイド6を介してシリンダヘッド1内を
摺動する弁軸であるバルブステム3bとを備えている。
また、この吸気弁3のバルブステム3bは、上端部がシ
リンダヘッド1のアッパデッキ上面1aから上方へ突出
している。
【0015】前記電磁駆動機構4は、シリンダヘッド1
のアッパデッキ上面1aに設けられたケーシング7と、
該ケーシング7内の上下位置に一定の隙間を介して対向
配置された上側の閉弁用電磁石8及び下側の開弁用電磁
石9と、該両電磁石8,9間の隙間内に配置された円板
状のアーマチュア10と、該アーマチュア10の中央部
上下面とケーシング7との間に弾装されて、アーマチュ
ア10を介して吸気弁3を開方向に付勢する開弁側スプ
リング11及び閉方向へ付勢する閉弁側スプリング12
とを備えている。
のアッパデッキ上面1aに設けられたケーシング7と、
該ケーシング7内の上下位置に一定の隙間を介して対向
配置された上側の閉弁用電磁石8及び下側の開弁用電磁
石9と、該両電磁石8,9間の隙間内に配置された円板
状のアーマチュア10と、該アーマチュア10の中央部
上下面とケーシング7との間に弾装されて、アーマチュ
ア10を介して吸気弁3を開方向に付勢する開弁側スプ
リング11及び閉方向へ付勢する閉弁側スプリング12
とを備えている。
【0016】前記ケーシング7は、非磁性材でカップ状
に形成され、上壁7aの下面中央位置に開弁側スプリン
グ11の上端部を保持するスプリングシート13が設け
られていると共に、底壁7bの中央に前記バルブガイド
6を挿通保持する保持孔7cが貫通形成されている。
に形成され、上壁7aの下面中央位置に開弁側スプリン
グ11の上端部を保持するスプリングシート13が設け
られていると共に、底壁7bの中央に前記バルブガイド
6を挿通保持する保持孔7cが貫通形成されている。
【0017】前記各電磁石8,9は、夫々横断面コ字形
の環状固定コア14,15と、該各固定コア14,15
の内外周壁部14a,14b、15a,15b間に巻装
された電磁コイル16,17とから構成されている。前
記コア14,15は、上壁部と下壁部がケーシング7の
上壁7a下面と底壁7b上面に固定されていると共に、
各内外周壁部14a,14b、15a,15bと各電磁
コイル16,17の上下端との間には、約4mm程度の環
状隙間18,19が夫々形成されている。さらに、前記
電磁コイル16,17には、後述する電子制御ユニット
20からの通電−非通電信号が出力されて励磁−消磁さ
れるようになっている。
の環状固定コア14,15と、該各固定コア14,15
の内外周壁部14a,14b、15a,15b間に巻装
された電磁コイル16,17とから構成されている。前
記コア14,15は、上壁部と下壁部がケーシング7の
上壁7a下面と底壁7b上面に固定されていると共に、
各内外周壁部14a,14b、15a,15bと各電磁
コイル16,17の上下端との間には、約4mm程度の環
状隙間18,19が夫々形成されている。さらに、前記
電磁コイル16,17には、後述する電子制御ユニット
20からの通電−非通電信号が出力されて励磁−消磁さ
れるようになっている。
【0018】前記アーマチュア10は、その外径が両電
磁石8,9の外径よりも若干大きく設定されていると共
に、中央に貫通形成された固定用孔に前記バルブステム
3bの上端部がナット21によって固定されている。こ
のアーマチュア10は、両電磁石8,9の相対的な励
磁,消磁によって上方向あるいは下方向へ吸引されて、
吸気弁3を開閉作動させるにようになっていると共に、
両電磁石8,9への非通電時には両開閉弁側スプリング
11,12のばね力によって上下の中立位置に保持され
ている。
磁石8,9の外径よりも若干大きく設定されていると共
に、中央に貫通形成された固定用孔に前記バルブステム
3bの上端部がナット21によって固定されている。こ
のアーマチュア10は、両電磁石8,9の相対的な励
磁,消磁によって上方向あるいは下方向へ吸引されて、
吸気弁3を開閉作動させるにようになっていると共に、
両電磁石8,9への非通電時には両開閉弁側スプリング
11,12のばね力によって上下の中立位置に保持され
ている。
【0019】そして、前記アーマチュア10の上面10
a外周側には、突起部22が一体に設けられている。こ
の突起部22は、図2に示すように電磁石8の前記環状
隙間18に対向配置されかつ円環状に形成されていると
共に、横断面ほぼ矩形状を呈し、内外側面22a,22
bがほぼ垂直に形成されている。さらに、この突起部2
2は、アーマチュア10の上面10aからの高さhが約
1.8〜2.0mm程度に設定されていると共に、その巾W
は環状隙間18の巾よりも若干小さく設定されている。
そして、該突起部22は、図に示すようにアーマチュア
10が閉弁側電磁石8に吸引されて最大に接近した際に
環状隙間18内に嵌入するが、この嵌入時における内外
側面22a,22bと固定コア14の内外周壁14a,
14bの内外面との間のクリアランス巾dは固定コア1
4の内外周壁14a,14bの各下面14c,14dと
アーマチュア10の上面10aとの間のエアギャップE
よりも小さくなるように設定されている。
a外周側には、突起部22が一体に設けられている。こ
の突起部22は、図2に示すように電磁石8の前記環状
隙間18に対向配置されかつ円環状に形成されていると
共に、横断面ほぼ矩形状を呈し、内外側面22a,22
bがほぼ垂直に形成されている。さらに、この突起部2
2は、アーマチュア10の上面10aからの高さhが約
1.8〜2.0mm程度に設定されていると共に、その巾W
は環状隙間18の巾よりも若干小さく設定されている。
そして、該突起部22は、図に示すようにアーマチュア
10が閉弁側電磁石8に吸引されて最大に接近した際に
環状隙間18内に嵌入するが、この嵌入時における内外
側面22a,22bと固定コア14の内外周壁14a,
14bの内外面との間のクリアランス巾dは固定コア1
4の内外周壁14a,14bの各下面14c,14dと
アーマチュア10の上面10aとの間のエアギャップE
よりも小さくなるように設定されている。
【0020】前記電子制御ユニット20は、機関のクラ
ンク角センサ,機関回転数センサ,閉弁用電磁石8の温
度を検出する温度検出センサ及び機関負荷を検出するエ
アフローメータから夫々の検出値に基づいて、閉弁用,
開弁用電磁石8,9に通電−非通電を相対的に繰り返し
出力している。ここで、前記クランク角センサからの回
転角検出値は、吸気弁3の開閉タイミングをクランクシ
ャフトの回転と同期制御するためのものであり、機関回
転数検出センサからの検出値つまりクランクシャフトの
回転数の検出値は、該回転数によって変化する各電磁石
8,9の吸引許容時間に対処するために利用され、さら
に、温度センサの検出値は、温度上昇による閉弁用電磁
石8の電磁コイル16の通電抵抗増大に対処するための
ものである。また、エアフローメータによる機関負荷検
出値は、機関回転数検出値とともに吸気弁3の開閉タイ
ミングを最適に制御するために利用するものである。
ンク角センサ,機関回転数センサ,閉弁用電磁石8の温
度を検出する温度検出センサ及び機関負荷を検出するエ
アフローメータから夫々の検出値に基づいて、閉弁用,
開弁用電磁石8,9に通電−非通電を相対的に繰り返し
出力している。ここで、前記クランク角センサからの回
転角検出値は、吸気弁3の開閉タイミングをクランクシ
ャフトの回転と同期制御するためのものであり、機関回
転数検出センサからの検出値つまりクランクシャフトの
回転数の検出値は、該回転数によって変化する各電磁石
8,9の吸引許容時間に対処するために利用され、さら
に、温度センサの検出値は、温度上昇による閉弁用電磁
石8の電磁コイル16の通電抵抗増大に対処するための
ものである。また、エアフローメータによる機関負荷検
出値は、機関回転数検出値とともに吸気弁3の開閉タイ
ミングを最適に制御するために利用するものである。
【0021】以下、本実施形態の作用について説明すれ
ば、まず機関停止時には、両電磁石8,9の各電磁コイ
ル16,17に電子制御ユニット20から通電されず、
消磁状態となっている。このため、アーマチュア10
は、図1に示すように、両スプリング11,12の相対
的なばね力によって両電磁石8,9間のほぼ平衡中立位
置に保持され、したがって、吸気弁3もバルブシート5
から若干離れた中立位置になっている。
ば、まず機関停止時には、両電磁石8,9の各電磁コイ
ル16,17に電子制御ユニット20から通電されず、
消磁状態となっている。このため、アーマチュア10
は、図1に示すように、両スプリング11,12の相対
的なばね力によって両電磁石8,9間のほぼ平衡中立位
置に保持され、したがって、吸気弁3もバルブシート5
から若干離れた中立位置になっている。
【0022】機関が始動されて、電子制御ユニット20
から開弁用電磁石9に通電信号が出力されると、アーマ
チュア10が該固定コア15に吸引されて、閉弁側スプ
リング12のばね力に抗して下降する。したがって、吸
気弁3もバルブステム3bを介して下降し、つまり開弁
する。このとき、閉弁用電磁石8は非通電状態が維持さ
れていることは勿論である。
から開弁用電磁石9に通電信号が出力されると、アーマ
チュア10が該固定コア15に吸引されて、閉弁側スプ
リング12のばね力に抗して下降する。したがって、吸
気弁3もバルブステム3bを介して下降し、つまり開弁
する。このとき、閉弁用電磁石8は非通電状態が維持さ
れていることは勿論である。
【0023】次に、電子制御ユニット20から開弁用電
磁石9に非通電信号が出力され、閉弁用電磁石8に通電
信号が出力されて励磁されると、アーマチュア10が今
度は該閉弁用電磁石8の吸引力によって開弁側スプリン
グ11のばね力に抗して上昇し、吸気弁3が閉弁作動す
る。即ち、電子制御ユニット20から、開弁用電磁弁9
に非通電信号が出力されると、閉弁用スプリング12に
蓄積されたばねエネルギーによりアーマチュア10は開
弁用スプリング11のばね力に抗して上昇する。次に、
閉弁用電磁石8に通電信号が出力されて励磁されると、
アーマチュア10は閉弁用電磁石9の吸引力によって所
定位置まで上昇する。このとき、アーマチュア10上の
突起部22によって、固定コア14の内外周壁14a,
14bと突起部22との接近速度が速くなる。つまり、
突起部22の高さh分だけ内外周壁14a,14bとの
間に形成される磁路(図2矢印)の形成速度が速くなる
ため、アーマチュア10の上昇速度が速くなり、吸気弁
3の閉弁応答性が向上する。
磁石9に非通電信号が出力され、閉弁用電磁石8に通電
信号が出力されて励磁されると、アーマチュア10が今
度は該閉弁用電磁石8の吸引力によって開弁側スプリン
グ11のばね力に抗して上昇し、吸気弁3が閉弁作動す
る。即ち、電子制御ユニット20から、開弁用電磁弁9
に非通電信号が出力されると、閉弁用スプリング12に
蓄積されたばねエネルギーによりアーマチュア10は開
弁用スプリング11のばね力に抗して上昇する。次に、
閉弁用電磁石8に通電信号が出力されて励磁されると、
アーマチュア10は閉弁用電磁石9の吸引力によって所
定位置まで上昇する。このとき、アーマチュア10上の
突起部22によって、固定コア14の内外周壁14a,
14bと突起部22との接近速度が速くなる。つまり、
突起部22の高さh分だけ内外周壁14a,14bとの
間に形成される磁路(図2矢印)の形成速度が速くなる
ため、アーマチュア10の上昇速度が速くなり、吸気弁
3の閉弁応答性が向上する。
【0024】そして、突起部22が内外周壁14a,1
4bに接近して環状隙間18内に嵌入してオーバラップ
しようとすると、図3に示すように内周壁14aを通っ
てアーマチュア10へ流動しようとする磁束(磁力線)
の一部Qが、アーマチュア10ではなく内周壁14aか
ら突起部22方向へ分散した形でダイレクトに流れる。
このため、各内周壁14aの下面14cからアーマチュ
ア10の上面10aへ流れる磁束量が少なくなり、アー
マチュア10に対する吸引力が減少する。すなわち、内
外周壁14a,14bを流れる絶対的な磁力線(磁束)
の総数は一定であるため、その一部が突起部22側へ分
散されると、アーマチュア10への磁束量(吸引力)が
減少するのである。したがって、閉弁側電磁石8は、図
4のaに示すように突起部22が隙間18内に嵌入しよ
うとした時点から突起部22が存在しない場合(図4の
b,X2,Y2)に比較してアーマチュア10の吸引開
始点X1から吸引端Y1までの吸引力の増加が緩和され
る。これにより、アーマチュア10による吸気弁3の閉
弁速度が抑制されて十分に制動される。この結果、吸気
弁3の傘部3aとバルブシート5との激しい衝突が防止
されて、衝突打音の発生や傘部3aの破損等の発生を防
止できる。
4bに接近して環状隙間18内に嵌入してオーバラップ
しようとすると、図3に示すように内周壁14aを通っ
てアーマチュア10へ流動しようとする磁束(磁力線)
の一部Qが、アーマチュア10ではなく内周壁14aか
ら突起部22方向へ分散した形でダイレクトに流れる。
このため、各内周壁14aの下面14cからアーマチュ
ア10の上面10aへ流れる磁束量が少なくなり、アー
マチュア10に対する吸引力が減少する。すなわち、内
外周壁14a,14bを流れる絶対的な磁力線(磁束)
の総数は一定であるため、その一部が突起部22側へ分
散されると、アーマチュア10への磁束量(吸引力)が
減少するのである。したがって、閉弁側電磁石8は、図
4のaに示すように突起部22が隙間18内に嵌入しよ
うとした時点から突起部22が存在しない場合(図4の
b,X2,Y2)に比較してアーマチュア10の吸引開
始点X1から吸引端Y1までの吸引力の増加が緩和され
る。これにより、アーマチュア10による吸気弁3の閉
弁速度が抑制されて十分に制動される。この結果、吸気
弁3の傘部3aとバルブシート5との激しい衝突が防止
されて、衝突打音の発生や傘部3aの破損等の発生を防
止できる。
【0025】しかも、かかる制動作用を単に突起部22
を設けただけで行うことができるので、従来例に比較し
て構造がきわめて簡素化され、部品点数も大巾に減少で
きる。したがって、製造作業能率の向上とコストの低廉
化が図れると共に、制動制御の信頼性も向上する。
を設けただけで行うことができるので、従来例に比較し
て構造がきわめて簡素化され、部品点数も大巾に減少で
きる。したがって、製造作業能率の向上とコストの低廉
化が図れると共に、制動制御の信頼性も向上する。
【0026】また、突起部22の第2の実施態様として
は、図5に示すように、突起部22の内部を切欠して空
洞22aに形成することも可能であり、このようにすれ
ば、突起部22によるアーマチュア10全体の質量が低
下して上下動時の慣性力が減少して、制動作用が一層効
果的となる。
は、図5に示すように、突起部22の内部を切欠して空
洞22aに形成することも可能であり、このようにすれ
ば、突起部22によるアーマチュア10全体の質量が低
下して上下動時の慣性力が減少して、制動作用が一層効
果的となる。
【0027】さらに、突起部22の別の実施態様とし
て、図6に示すように、内外側面22a,22b台形テ
ーパ状に形成することも可能であり、このようにすれ
ば、電磁石8の内外周壁14a,14bから突起部22
へ流れる磁束量が多くなり、アーマチュア10に対する
吸引力(磁束量)がさらに減少するため、制動力が一層
高くなる。
て、図6に示すように、内外側面22a,22b台形テ
ーパ状に形成することも可能であり、このようにすれ
ば、電磁石8の内外周壁14a,14bから突起部22
へ流れる磁束量が多くなり、アーマチュア10に対する
吸引力(磁束量)がさらに減少するため、制動力が一層
高くなる。
【0028】また、他の実施形態として、図7に示すよ
うに突起部22の内外側、つまり内外周壁14a,14
bの内側と外側にさらに別異の環状突起部23,24を
設けて三重環状に形成した。これによって、内外周壁1
4a,14bを流れた磁束は3つの突起部22〜24に
分散されるため、アーマチュア10へ直接(垂直)に流
れる磁束量がさらに減少する。したがって、制動力をさ
らに大きくすることができる。
うに突起部22の内外側、つまり内外周壁14a,14
bの内側と外側にさらに別異の環状突起部23,24を
設けて三重環状に形成した。これによって、内外周壁1
4a,14bを流れた磁束は3つの突起部22〜24に
分散されるため、アーマチュア10へ直接(垂直)に流
れる磁束量がさらに減少する。したがって、制動力をさ
らに大きくすることができる。
【0029】本発明は、前記各実施形態に限定されるも
のではなく、突起部22をアーマチュア10の上面10
aと下面の両方に設けて、閉弁時ばかりか開弁時も制動
力を発揮させることが可能である。したがって、開弁時
の制動力が大きくなることにより、アーマチュア10と
開弁側電磁石9との衝突のおそれも回避できる。また、
吸気弁3ばかりではなく、排気弁にも適用できることは
勿論である。
のではなく、突起部22をアーマチュア10の上面10
aと下面の両方に設けて、閉弁時ばかりか開弁時も制動
力を発揮させることが可能である。したがって、開弁時
の制動力が大きくなることにより、アーマチュア10と
開弁側電磁石9との衝突のおそれも回避できる。また、
吸気弁3ばかりではなく、排気弁にも適用できることは
勿論である。
【0030】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、単にアーマチュアに突起部を設けることによっ
て、機関弁の開閉終端時におけるバルブシートや電磁石
への衝突等が防止できることは勿論のこと、装置全体の
構造がきわめて簡素化されると共に、部品点数を大巾に
減少できるので、小型化と製造作業能率の向上及びコス
トの低廉化が図れると共に、制動制御の信頼性が向上す
る。
よれば、単にアーマチュアに突起部を設けることによっ
て、機関弁の開閉終端時におけるバルブシートや電磁石
への衝突等が防止できることは勿論のこと、装置全体の
構造がきわめて簡素化されると共に、部品点数を大巾に
減少できるので、小型化と製造作業能率の向上及びコス
トの低廉化が図れると共に、制動制御の信頼性が向上す
る。
【0031】請求項3記載の発明によれば、突起部を円
環状に形成したことにより、磁束を効果的に突起部方向
へ分散させることができ、制動力をより大きなものとす
ることが可能になる。
環状に形成したことにより、磁束を効果的に突起部方向
へ分散させることができ、制動力をより大きなものとす
ることが可能になる。
【0032】請求項4記載の発明によれば、突起部が電
磁石に接近した際における電磁石から突起部への磁束流
量が多くなり、この点でも制動力をさらに大きくするこ
とができる。
磁石に接近した際における電磁石から突起部への磁束流
量が多くなり、この点でも制動力をさらに大きくするこ
とができる。
【図1】本発明の第1の実施形態を示す縦断面図。
【図2】図1のA部拡大断面図。
【図3】図2のB部拡大断面図。
【図4】本実施形態と従来例との吸引力を比較して示す
特性図。
特性図。
【図5】第2の実施形態を示す要部拡大断面図。
【図6】第3の実施形態を示す要部拡大断面図。
【図7】第4の実施形態を示す要部拡大断面図。
1…シリンダヘッド 2…吸気ポート 3…吸気弁 3b…バルブステム 4…電磁駆動機構 8…閉弁用電磁石 9…開弁用電磁石 10…アーマチュア 10a……上面 14,15…固定コア 16,17…電磁コイル 18…隙間 22…突起部 d…微小クリアラン巾(微小隙間)
Claims (4)
- 【請求項1】 内燃機関の吸排気ポートを開閉する機関
弁と、該機関弁のバルブステムを包囲するケーシングの
内部上下位置に配置された電磁石と、該上下電磁石間の
前記バルブステム端部に固定されて、各電磁石の電磁吸
引力によって機関弁を開閉作動させるアーマチュアとを
備えた機関弁用電磁駆動装置であって、 前記各電磁石の固定コアに巻装された電磁コイルと対向
する前記アーマチュアの上下面の少なくとも一方の面
に、磁力線誘導用の突起部を設けたことを特徴とする機
関弁用電磁駆動装置。 - 【請求項2】 前記突起部を、前記アーマチュアが電磁
石に対して接近した際に、前記固定コアの端部と微小隙
間を介してオーバラップするように配置形成したことを
特徴とする請求項1記載の機関弁用電磁駆動装置。 - 【請求項3】 前記突起部を、環状の前記固定コアに沿
って円環状に形成したことを特徴とする請求項2記載の
機関弁用電磁駆動装置。 - 【請求項4】 前記突起部の内外側面を台形テーパ状に
形成したことを特徴とする請求項2または3記載の機関
弁用電磁駆動装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9249265A JPH1181938A (ja) | 1997-09-16 | 1997-09-16 | 機関弁用電磁駆動装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9249265A JPH1181938A (ja) | 1997-09-16 | 1997-09-16 | 機関弁用電磁駆動装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1181938A true JPH1181938A (ja) | 1999-03-26 |
Family
ID=17190400
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9249265A Pending JPH1181938A (ja) | 1997-09-16 | 1997-09-16 | 機関弁用電磁駆動装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1181938A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003056319A (ja) * | 2001-08-15 | 2003-02-26 | Hitachi Unisia Automotive Ltd | 内燃機関のバルブタイミング制御装置 |
FR2840016A1 (fr) * | 2002-05-22 | 2003-11-28 | Toyota Motor Co Ltd | Procede et dispositif de commande de demarrage pour des soupapes electromagnetiques de moteur a combustion interne |
JP2004293326A (ja) * | 2003-03-25 | 2004-10-21 | Toyota Motor Corp | 内燃機関用電磁駆動弁 |
WO2006090916A1 (ja) * | 2005-02-28 | 2006-08-31 | Kabushikikaisya Advance | 電磁駆動弁 |
JP2018080783A (ja) * | 2016-11-17 | 2018-05-24 | アイシン精機株式会社 | 流体制御弁 |
-
1997
- 1997-09-16 JP JP9249265A patent/JPH1181938A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003056319A (ja) * | 2001-08-15 | 2003-02-26 | Hitachi Unisia Automotive Ltd | 内燃機関のバルブタイミング制御装置 |
FR2840016A1 (fr) * | 2002-05-22 | 2003-11-28 | Toyota Motor Co Ltd | Procede et dispositif de commande de demarrage pour des soupapes electromagnetiques de moteur a combustion interne |
JP2004293326A (ja) * | 2003-03-25 | 2004-10-21 | Toyota Motor Corp | 内燃機関用電磁駆動弁 |
WO2006090916A1 (ja) * | 2005-02-28 | 2006-08-31 | Kabushikikaisya Advance | 電磁駆動弁 |
JP2018080783A (ja) * | 2016-11-17 | 2018-05-24 | アイシン精機株式会社 | 流体制御弁 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20041126 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20041207 |
|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20041216 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20050405 |