JPH10306378A - 無電解ニッケルめっき液及び無電解ニッケルめっき方法 - Google Patents
無電解ニッケルめっき液及び無電解ニッケルめっき方法Info
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- JPH10306378A JPH10306378A JP13047297A JP13047297A JPH10306378A JP H10306378 A JPH10306378 A JP H10306378A JP 13047297 A JP13047297 A JP 13047297A JP 13047297 A JP13047297 A JP 13047297A JP H10306378 A JPH10306378 A JP H10306378A
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Abstract
リン酸イオンとを含有する無電解ニッケルめっき液にお
いて、水溶性の硫黄系添加剤と水溶性のモリブデン酸塩
及び/又はタングステン酸塩とを併用して添加したこと
を特徴とする無電解ニッケルめっき液。 【効果】 本発明によれば、表面が平滑で、ノジュール
の少ない無電解ニッケルめっき皮膜を得ることができ
る。
Description
クの製造で好適とされる無電解ニッケルめっき液及びこ
れを用いた無電解ニッケルめっき方法に関する。
ハードディスクの製造において、アルミニウム又はアル
ミニウム合金基板(Al又はAl合金基板)に下地めっ
きとして次亜リン酸又はその塩を還元剤とする無電解ニ
ッケルめっき皮膜(以下、無電解Ni−P皮膜又は単に
Ni−P皮膜という)を形成することが行われており、
かかるNi−P皮膜の形成工程としては、Al又はAl
合金基板を機械加工した後、亜鉛置換処理を行い、次い
で無電解ニッケルめっきを行うものである。
は、その表面を鏡面研磨し、磁性皮膜を形成し、次いで
適宜な保護膜を形成し、更に必要によっては潤滑層を形
成して、ハードディスク(磁気ディスク)を得るもので
ある。
はかるためには、記録/再生ヘッドの浮上高さを減少さ
せることが有効であり、現在浮上高さ0.03μmが実
用化されているが、ヘッド浮上高さの低減を実現するた
めに、下地めっき皮膜、即ち上記Ni−P皮膜の表面を
平滑化する研磨(最大粗さRmax100〜200Å,
中心線平均粗さRa10〜20Å)が必要である。ただ
この場合、研磨面がこのようにあまり平滑であると、ハ
ードディスク装置の停止時にヘッドが基板に吸着し、再
浮上し難くなり、それに伴って記憶の一部が消失すると
いう問題が生じるため、その対策として、上記の平滑研
磨を行った後、研磨面の一定方向に制御された微細な粗
さ(Ra50〜100Å)をもたせるテクスチャー処理
と呼ばれる加工が行われている。
程の中で、従来は主としてNi−P皮膜の平滑研磨に多
大の労力を要していた。
(以下、Al系基板という)上に無電解Ni−P皮膜を
10〜20μm厚さで形成した場合、コブ状乃至半球凸
状の高さ0.1〜0.7μm,直径5〜40μmのノジ
ュールが多数発生するためである。
作において、当然次工程の磁性皮膜の形成に際して好ま
しいものではなく、このためNi−P皮膜形成後、表面
平滑研磨を行う際、同時にノジュールを除去する必要が
あるので、ノジュールの除去,研磨作業にかなりの長時
間を要する。
ルの発生を可及的に少なくすることができる無電解ニッ
ケルめっき方法、特に無電解ニッケルめっきの前処理法
を提案した(特開平5−230664号公報)。
て平滑で、ノジュールの少ない無電解ニッケルめっき皮
膜を形成し得るものが望まれる。特に、従来の無電解ニ
ッケルめっき液を用いたNi−P/Al系基板のめっき
後の表面粗さはRa100Å以上であり、ノジュールも
なお多数あり、MRヘッド対応としてRa10Å以下に
するためには、2段もしくは3段研磨しなければなら
ず、このため歩留まりも悪く、コストも高くなってい
る。従って、このような点から平滑なめっき皮膜を与え
る無電解ニッケルめっき液が要望されている。
もので、平滑なNi−P皮膜を与える無電解ニッケルめ
っき液及びこれを用いた無電解ニッケルめっき方法を提
供することを目的とする。
発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結
果、ニッケルイオンと、その錯化剤と、次亜リン酸イオ
ンとを主成分とする無電解ニッケルめっき液に対し、チ
オ硫酸ナトリウム、チオシアン酸ナトリウム、チオ尿
素、チオ酢酸塩等の水溶性硫黄系添加剤と、水溶性のモ
リブデン酸塩、タングステン酸塩の1種又は2種以上と
を併用して添加することにより、平滑で、ノジュールも
少なく、この無電解ニッケルめっき液を用いてハードデ
ィスク用Ni−P/Al系基板を作製した場合、290
℃,2時間の熱処理後における飽和磁束密度4ガウス以
下等、現状のNi−P/Al系基板に要求される特性を
すべて満足し、かつ表面粗さRaが、従来のものでは通
常150〜250Åであるのに対し100Å以下、好ま
しい条件下では60Å以下の平滑性をもった表面が得ら
れ、ノジュール数も1/10程度になることを知見し、
本発明をなすに至った。
の錯化剤と、次亜リン酸イオンとを含有する無電解ニッ
ケルめっき液において、水溶性の硫黄系添加剤と水溶性
のモリブデン酸塩及び/又はタングステン酸塩とを併用
して添加したことを特徴とする無電解ニッケルめっき
液、及び、このめっき液に被めっき物を浸漬し、被めっ
き物表面に無電解ニッケルめっき皮膜を形成することを
特徴とする無電解ニッケルめっき方法を提供する。
本発明に係る無電解ニッケルめっき液は、ニッケルイオ
ンと、その錯化剤と、次亜リン酸イオンとを主成分とす
る。
は、硫酸ニッケル等の水溶性ニッケル塩が挙げられ、め
っき液中におけるニッケルイオン濃度は2〜10g/
l、特に4〜8g/lであることが好ましい。
知のものを使用することができ、例えば、グリコール
酸、乳酸、グルコン酸、プロピオン酸等のモノカルボン
酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸等のジカルボン酸、ク
エン酸等のトリカルボン酸やそれらのナトリウム塩、カ
リウム塩、アンモニウム塩などのカルボン酸類の1種を
単独で又は2種以上を組み合わせて使用する。その濃度
は水溶性ニッケル塩1モルに対し1〜7モル、特に2〜
6モルとすることが好ましい。
ム等によって供給され、その濃度は10〜50g/l、
特に20〜40g/lとすることが好ましい。
に水溶性の硫黄系添加剤と、水溶性のモリブデン酸塩及
び/又はタングステン酸塩とを併用、添加する。
ナトリウム、チオ硫酸カリウム、チオ硫酸アンモニウム
等のチオ硫酸塩、チオシアン酸ナトリウム、チオシアン
酸カリウム、チオシアン酸アンモニウム等のチオシアン
酸塩、チオ尿素、チオ酢酸塩などを用いることができ、
これらは1種を単独で又は2種以上を併用して使用する
ことができる。
1〜1mg/l、特に0.005〜0.5mg/lであ
ることが好ましく、少なすぎるとめっき皮膜の平滑化効
果がなく、多すぎると耐熱非磁性特性に悪影響を及ぼす
おそれがある。
ン酸ナトリウム、モリブデン酸カリウム、モリブデン酸
アンモニウム等が挙げられ、タングステン酸塩として
は、タングステン酸ナトリウム、タングステン酸カリウ
ム、タングステン酸アンモニウム等が挙げられ、これら
は1種を単独で又は2種以上を使用することができる。
その添加量は0.01〜5g/l、特に0.05〜1g
/lとすることが好ましく、少なすぎるとめっき皮膜の
平滑化及び耐熱非磁性特性に効果がなく、多すぎると析
出速度の低下が大きくなる。
安定剤やpH調整剤等を添加することができる。
し得、従って本発明のめっき液は、酸性浴、中性浴、ア
ルカリ性浴のいずれにも調製し得るが、ハードディスク
の製造においてはpH3〜7、特に4〜6の酸性無電解
ニッケルめっき液として調製し、リン含量9〜13%
(重量%、以下同様)のNi−P皮膜を形成することが
好ましい。
無電解ニッケルめっきを行う場合は、このめっき液に被
めっき物を浸漬するという常法を採用すればよい。
ッケルめっき可能なものであればいずれのものでもよい
が、特に本発明はハードディスク用Al系基板に対して
好適に用いられる。このハードディスク用Al系基板
は、常法に従って亜鉛置換処理した後、本発明のめっき
液に浸漬することができるが、特に特開平5−2306
64号公報記載の方法で亜鉛置換処理した後、無電解ニ
ッケルめっきを行うことができる。
ッケルめっきを行う場合、めっき温度は75〜95℃、
特に80〜90℃とすることが好ましい。
Al系基板を本発明のめっき液を用いて得る場合、その
めっき皮膜の厚さは1〜30μm、特に5〜15μmと
することが好ましい。この場合、得られためっき皮膜
は、その表面粗さは通常100Å以下、特に60Å以下
となり、ノジュール数も非常に少なくなるので、その後
の研磨工程を現行の2段もしくは3段から1段にするこ
とが可能となる。
的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるも
のではない。
(A5086)に対し、下記工程で下記組成の無電解ニ
ッケルめっきを施した。めっき工程 脱脂→エッチング→第1酸洗→第1亜鉛置換→第2酸洗→第2亜鉛置換 →無電解ニッケルめっき (各工程内に水洗が入る。)無電解ニッケルめっき液組成及びめっき条件 硫酸ニッケル 6g/l(Ni2+として) リンゴ酸 18g/l コハク酸 16g/l 次亜リン酸ナトリウム 30g/l チオ硫酸ナトリウム 表1に示す量 チオシアン酸ナトリウム 〃 モリブデン酸ナトリウム 〃 タングステン酸ナトリウム 〃 安定剤 微量 pH 4.4 めっき温度 88℃ めっき時間 120分 めっき膜厚 14μm めっき皮膜中のリン含量 11.5%
a,ノジュール数,290℃で2時間熱処理した後の飽
和磁束密度Bsを測定した。結果を表1に示す。
ールの少ない無電解ニッケルめっき皮膜を得ることがで
きる。
Claims (5)
- 【請求項1】 ニッケルイオンと、その錯化剤と、次亜
リン酸イオンとを含有する無電解ニッケルめっき液にお
いて、水溶性の硫黄系添加剤と水溶性のモリブデン酸塩
及び/又はタングステン酸塩とを併用して添加したこと
を特徴とする無電解ニッケルめっき液。 - 【請求項2】 硫黄系添加剤が、チオ硫酸塩、チオシア
ン酸塩、チオ尿素及びチオ酢酸塩から選ばれる1種又は
2種以上である請求項1記載のめっき液。 - 【請求項3】 ハードディスクのアルミニウム合金系基
板へのめっき用である請求項1又は2記載のめっき液。 - 【請求項4】 請求項1又は2記載の無電解ニッケルめ
っき液中に被めっき物を浸漬し、被めっき物表面に無電
解ニッケルめっき皮膜を形成することを特徴とする無電
解ニッケルめっき方法。 - 【請求項5】 被めっき物が、ハードディスク用アルミ
ニウム基板に亜鉛置換を施したものである請求項4記載
のめっき方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13047297A JP3533880B2 (ja) | 1997-05-02 | 1997-05-02 | 無電解ニッケルめっき液及び無電解ニッケルめっき方法 |
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH10306378A true JPH10306378A (ja) | 1998-11-17 |
JP3533880B2 JP3533880B2 (ja) | 2004-05-31 |
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JP13047297A Expired - Fee Related JP3533880B2 (ja) | 1997-05-02 | 1997-05-02 | 無電解ニッケルめっき液及び無電解ニッケルめっき方法 |
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006257460A (ja) * | 2005-03-15 | 2006-09-28 | Ebara Udylite Kk | 無電解ニッケル複合めっき浴および無電解ニッケル合金複合めっき浴 |
JP2009102750A (ja) * | 2002-09-11 | 2009-05-14 | Espec Corp | チオ尿素を使用した無電解メッキ液、及びこれを用いた無電解メッキ方法及び無電解メッキ被処理物 |
KR101297774B1 (ko) * | 2012-03-12 | 2013-08-20 | 포항공과대학교 산학협력단 | 선도장 강판 절단면 부식방지를 위한 비전해질 니켈-인 코팅 |
JP2015030884A (ja) * | 2013-08-02 | 2015-02-16 | 日本カニゼン株式会社 | 無電解ニッケルめっき液及びそれを用いた無電解ニッケルめっき方法 |
EP3679167B1 (en) | 2018-11-06 | 2021-06-16 | ATOTECH Deutschland GmbH | Electroless nickel plating solution |
-
1997
- 1997-05-02 JP JP13047297A patent/JP3533880B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2022506393A (ja) * | 2018-11-06 | 2022-01-17 | アトテツク・ドイチユラント・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング | 無電解ニッケルめっき溶液 |
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