JPH10306049A - エーテルアルコール系溶剤 - Google Patents
エーテルアルコール系溶剤Info
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- JPH10306049A JPH10306049A JP11713097A JP11713097A JPH10306049A JP H10306049 A JPH10306049 A JP H10306049A JP 11713097 A JP11713097 A JP 11713097A JP 11713097 A JP11713097 A JP 11713097A JP H10306049 A JPH10306049 A JP H10306049A
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- propoxy
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Abstract
(57)【要約】
【課題】各種の溶質に対する溶解特性に優れるととも
に、生体に対する毒性の低い溶剤を提供すること。 【解決手段】3−n−プロポキシ−1−プロパノールお
よび/または3−n−ブトキシ−1−プロパノールを含
有してなるエーテルアルコール系溶剤。
に、生体に対する毒性の低い溶剤を提供すること。 【解決手段】3−n−プロポキシ−1−プロパノールお
よび/または3−n−ブトキシ−1−プロパノールを含
有してなるエーテルアルコール系溶剤。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な溶剤に関
し、さらに詳しくは、3−n−プロポキシ−1−プロパ
ノールおよび/または3−n−ブトキシ−1−プロパノ
ールを含有してなり、各種溶質の溶解性に優れるととも
に生体に対する毒性の低いエーテルアルコール系溶剤に
関する。
し、さらに詳しくは、3−n−プロポキシ−1−プロパ
ノールおよび/または3−n−ブトキシ−1−プロパノ
ールを含有してなり、各種溶質の溶解性に優れるととも
に生体に対する毒性の低いエーテルアルコール系溶剤に
関する。
【0002】
【従来の技術】塗料やインキをはじめ、金属洗浄、クリ
ーニング、接着剤などの産業分野においては、多種多様
な溶剤が使用されている。これら溶剤としては、アルコ
ール類やケトン類、エーテル類、エステル類、炭化水素
類などを単独で、あるいは種々組合せた混合溶剤として
用いられている。
ーニング、接着剤などの産業分野においては、多種多様
な溶剤が使用されている。これら溶剤としては、アルコ
ール類やケトン類、エーテル類、エステル類、炭化水素
類などを単独で、あるいは種々組合せた混合溶剤として
用いられている。
【0003】これら溶剤のなかでも、2−エトキシエタ
ノールや2−ブトキシエタノールなどのエチレングリコ
ール系溶剤が溶解性に優れていることから、塗料や印刷
インキなどの分野において多用されてきた。ところが、
このエチレングリコール系溶剤には、睾丸の萎縮や不
全、催奇性、血管障害、母性の毒性に代表される生殖毒
性のあることが判明し、労働安全衛生法による管理濃度
が、2−エトキシエタノールについては5ppm、2−
ブトキシエタノールについては25ppmと設定され、
その使用が制限されている。
ノールや2−ブトキシエタノールなどのエチレングリコ
ール系溶剤が溶解性に優れていることから、塗料や印刷
インキなどの分野において多用されてきた。ところが、
このエチレングリコール系溶剤には、睾丸の萎縮や不
全、催奇性、血管障害、母性の毒性に代表される生殖毒
性のあることが判明し、労働安全衛生法による管理濃度
が、2−エトキシエタノールについては5ppm、2−
ブトキシエタノールについては25ppmと設定され、
その使用が制限されている。
【0004】そこで、これらエチレングリコール系溶剤
に代わるものとして、プロピレングリコールモノメチル
エーテルなどのプロピレングリコール系溶剤、3−メチ
ル−3−メトキシブタノール、3−メトキシブタノール
などを用いる試みがなされているが、これらは溶解性が
充分でなく、また製造コストが高くつくという難点があ
る。
に代わるものとして、プロピレングリコールモノメチル
エーテルなどのプロピレングリコール系溶剤、3−メチ
ル−3−メトキシブタノール、3−メトキシブタノール
などを用いる試みがなされているが、これらは溶解性が
充分でなく、また製造コストが高くつくという難点があ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
状況から、各種溶質の溶解性に優れかつ生体への毒性の
低い新規な溶剤を提供することを目的とするものであ
る。
状況から、各種溶質の溶解性に優れかつ生体への毒性の
低い新規な溶剤を提供することを目的とするものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するため、種々検討を重ねた結果、3−n−プロ
ポキシ−1−プロパノールおよび3−n−ブトキシ−1
−プロパノールが、いずれも各種溶質の溶解性に優れ、
かつ生体への毒性の低いものであることを見出し、かか
る知見に基づいて本発明を完成するに至った。
を達成するため、種々検討を重ねた結果、3−n−プロ
ポキシ−1−プロパノールおよび3−n−ブトキシ−1
−プロパノールが、いずれも各種溶質の溶解性に優れ、
かつ生体への毒性の低いものであることを見出し、かか
る知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、3−n−プロポキシ
−1−プロパノールおよび/または3−n−ブトキシ−
1−プロパノールを含有することを特徴とするエーテル
アルコール系溶剤である。
−1−プロパノールおよび/または3−n−ブトキシ−
1−プロパノールを含有することを特徴とするエーテル
アルコール系溶剤である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の溶剤は、3−n−プロポ
キシ−1−プロパノールまたは3−n−ブトキシ−1−
プロパノールをそれぞれ単独で溶剤として使用してもよ
いし、これら2種の化合物を混合してなる混合溶剤、あ
るいはこれらに他の溶剤を加えてなる混合溶剤の形態で
使用することができる。
キシ−1−プロパノールまたは3−n−ブトキシ−1−
プロパノールをそれぞれ単独で溶剤として使用してもよ
いし、これら2種の化合物を混合してなる混合溶剤、あ
るいはこれらに他の溶剤を加えてなる混合溶剤の形態で
使用することができる。
【0009】3−n−プロポキシ−1−プロパノール
は、甘い匂いのある無色の液体であり、揮発性は低い。
そして、分子内にエーテル結合とアルコール性水酸基を
有するエーテルアルコールであり、エーテルとアルコー
ルの性質を併せ持ち、その沸点までの温度範囲では水と
いかなる混合割合でも完全に混合することができるとと
もに、各種の有機溶剤、たとえばアルコール類、エーテ
ル類、ケトン類、エステル類などとの相溶性も良好であ
る。
は、甘い匂いのある無色の液体であり、揮発性は低い。
そして、分子内にエーテル結合とアルコール性水酸基を
有するエーテルアルコールであり、エーテルとアルコー
ルの性質を併せ持ち、その沸点までの温度範囲では水と
いかなる混合割合でも完全に混合することができるとと
もに、各種の有機溶剤、たとえばアルコール類、エーテ
ル類、ケトン類、エステル類などとの相溶性も良好であ
る。
【0010】また3−n−ブトキシ−1−プロパノール
も、甘い匂いのある無色の液体であり、揮発性は低い。
そして、3−n−プロポキシ−1−プロパノールと同様
にエーテルとアルコールの性質を併せ持ち、水との相溶
性については3−n−プロポキシ−1−プロパノールよ
りも幾分劣るが、アルコール類やエーテル類、ケトン
類、エステル類との相溶性は良好である。
も、甘い匂いのある無色の液体であり、揮発性は低い。
そして、3−n−プロポキシ−1−プロパノールと同様
にエーテルとアルコールの性質を併せ持ち、水との相溶
性については3−n−プロポキシ−1−プロパノールよ
りも幾分劣るが、アルコール類やエーテル類、ケトン
類、エステル類との相溶性は良好である。
【0011】これら有機溶剤の具体例としては、メチル
アルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコー
ル、n−ブチルアルコール等のアルコール類、ジメチル
エーテル、ジエチルエーテル等のエーテル類、アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の
ケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸
アミル等のエステル類、n−ヘキサン、n−ヘプタン等
の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン等
の芳香族炭化水素類などがある。
アルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコー
ル、n−ブチルアルコール等のアルコール類、ジメチル
エーテル、ジエチルエーテル等のエーテル類、アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の
ケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸
アミル等のエステル類、n−ヘキサン、n−ヘプタン等
の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン等
の芳香族炭化水素類などがある。
【0012】3−n−プロポキシ−1−プロパノールお
よび3−n−ブトキシ−1−プロパノールは、前記のよ
うな性質を有することから、塗料、ラッカー、インキ、
接着剤等に配合する溶剤成分や、クリーニング溶剤、フ
ォトレジスト溶剤、金属洗浄剤等の洗浄剤などの用途に
好適に使用できる。
よび3−n−ブトキシ−1−プロパノールは、前記のよ
うな性質を有することから、塗料、ラッカー、インキ、
接着剤等に配合する溶剤成分や、クリーニング溶剤、フ
ォトレジスト溶剤、金属洗浄剤等の洗浄剤などの用途に
好適に使用できる。
【0013】たとえば、塗料用の溶剤として用いる場合
には、これら化合物が水との相溶性が良好であることか
ら、水溶性塗料用の溶剤に用いるのに適している。この
場合、3−n−プロポキシ−1−プロパノールまたは3
−n−ブトキシ−1−プロパノールに、水と、使用目的
に応じて適量の低沸点の水溶性有機溶剤を加えた混合溶
剤に、塗料用樹脂成分や顔料等を加えて溶解、分散させ
ることにより、水溶性塗料を得ることができる。ここ
で、得られる水溶性塗料中の3−n−プロポキシ−1−
プロパノールや3−n−ブトキシ−1−プロパノール
は、塗布された塗膜からの溶剤成分の蒸発速度を抑制し
て、滑らかな塗膜面を形成させるリターダーとしての作
用を有している。
には、これら化合物が水との相溶性が良好であることか
ら、水溶性塗料用の溶剤に用いるのに適している。この
場合、3−n−プロポキシ−1−プロパノールまたは3
−n−ブトキシ−1−プロパノールに、水と、使用目的
に応じて適量の低沸点の水溶性有機溶剤を加えた混合溶
剤に、塗料用樹脂成分や顔料等を加えて溶解、分散させ
ることにより、水溶性塗料を得ることができる。ここ
で、得られる水溶性塗料中の3−n−プロポキシ−1−
プロパノールや3−n−ブトキシ−1−プロパノール
は、塗布された塗膜からの溶剤成分の蒸発速度を抑制し
て、滑らかな塗膜面を形成させるリターダーとしての作
用を有している。
【0014】また3−n−プロポキシ−1−プロパノー
ルおよび3−n−ブトキシ−1−プロパノールは、いず
れもニトロセルロースの溶解性にも優れているので、ラ
ッカーの溶剤成分として使用することもできる。さら
に、クリーニング溶剤や金属洗浄剤、フォトレジス溶剤
などの洗浄剤として使用する場合には、3−n−プロポ
キシ−1−プロパノールまたは3−n−ブトキシ−1−
プロパノールと水との混合剤の形態で使用するとよい。
このような混合剤では、火気に対する危険性が低く、被
洗物に損傷を与えることがなく、溶剤の回収も容易であ
るからである。そして、これら混合剤は、被洗物に付着
している汚れ成分が油溶性のものであっても水溶性のも
のであっても、ともに溶解して被洗物から除去すること
ができる。
ルおよび3−n−ブトキシ−1−プロパノールは、いず
れもニトロセルロースの溶解性にも優れているので、ラ
ッカーの溶剤成分として使用することもできる。さら
に、クリーニング溶剤や金属洗浄剤、フォトレジス溶剤
などの洗浄剤として使用する場合には、3−n−プロポ
キシ−1−プロパノールまたは3−n−ブトキシ−1−
プロパノールと水との混合剤の形態で使用するとよい。
このような混合剤では、火気に対する危険性が低く、被
洗物に損傷を与えることがなく、溶剤の回収も容易であ
るからである。そして、これら混合剤は、被洗物に付着
している汚れ成分が油溶性のものであっても水溶性のも
のであっても、ともに溶解して被洗物から除去すること
ができる。
【0015】つぎに、この3−n−プロポキシ−1−プ
ロパノールを製造する方法については様々な合成方法に
よって製造することができる。例えば、プロピレンの部
分酸化により得られるアクロレインにn−プロパノール
を付加して、3−n−プロポキシ−1−プロパナールと
したのち、触媒の存在下、水素添加することにより目的
物を得ることができる。この場合、アクロレインへのn
−プロパノールの付加反応に際しては、触媒として、酢
酸カリウムや水酸化ナトリウム等を使用すればよい。ま
た、水素添加反応用の触媒としては、ルテニウム/カー
ボン(Ru/C)やラネ−ニッケルなどを使用すればよ
い。
ロパノールを製造する方法については様々な合成方法に
よって製造することができる。例えば、プロピレンの部
分酸化により得られるアクロレインにn−プロパノール
を付加して、3−n−プロポキシ−1−プロパナールと
したのち、触媒の存在下、水素添加することにより目的
物を得ることができる。この場合、アクロレインへのn
−プロパノールの付加反応に際しては、触媒として、酢
酸カリウムや水酸化ナトリウム等を使用すればよい。ま
た、水素添加反応用の触媒としては、ルテニウム/カー
ボン(Ru/C)やラネ−ニッケルなどを使用すればよ
い。
【0016】また別法として、プロピレンを酸化して得
られるアクリル酸にn−プロパノールを反応させてエス
テル化し、アクリル酸n−プロピルとした後、これにn
−プロパノールを付加して3−n−プロポキシプロピオ
ン酸n−プロピルとし、さらにこれを水素化することに
よって、目的物を得ることもできる。
られるアクリル酸にn−プロパノールを反応させてエス
テル化し、アクリル酸n−プロピルとした後、これにn
−プロパノールを付加して3−n−プロポキシプロピオ
ン酸n−プロピルとし、さらにこれを水素化することに
よって、目的物を得ることもできる。
【0017】3−n−ブトキシ−1−プロパノールを製
造する方法についても、様々な合成方法によって製造す
ることができる。例えば、プロピレンの部分酸化により
得られるアクロレインにn−ブタノールを付加して、3
−n−ブトキシ−1−プロパナールを得たのち、触媒の
存在下に水素添加することにより、目的物を得ることが
できる。この場合、アクロレインへのn−ブタノールの
付加反応に際しては、触媒として、酢酸カリウムや水酸
化ナトリウム等を使用すればよい。また、水素添加反応
用の触媒は、ルテニウム/カーボンやラネーニッケルな
どを使用すればよい。
造する方法についても、様々な合成方法によって製造す
ることができる。例えば、プロピレンの部分酸化により
得られるアクロレインにn−ブタノールを付加して、3
−n−ブトキシ−1−プロパナールを得たのち、触媒の
存在下に水素添加することにより、目的物を得ることが
できる。この場合、アクロレインへのn−ブタノールの
付加反応に際しては、触媒として、酢酸カリウムや水酸
化ナトリウム等を使用すればよい。また、水素添加反応
用の触媒は、ルテニウム/カーボンやラネーニッケルな
どを使用すればよい。
【0018】別法として、プロピレンを酸化して得られ
るアクリル酸にn−ブタノールを反応させてエステル化
し、アクリル酸n−ブチルとした後、これにn−ブタノ
ールを付加して3−n−ブトキシプロピオン酸nブチル
とし、さらにこれを水素化するこよって、目的物を得る
こともできる。
るアクリル酸にn−ブタノールを反応させてエステル化
し、アクリル酸n−ブチルとした後、これにn−ブタノ
ールを付加して3−n−ブトキシプロピオン酸nブチル
とし、さらにこれを水素化するこよって、目的物を得る
こともできる。
【0019】このようにして得られる3−n−プロポキ
シ−1−プロパノールおよび3−n−ブトキシ−1−プ
ロパノールは、いずれもその化学構造が直鎖構造である
ことから、分岐構造を有する3−メチル−3−メトキシ
ブタノールや3−メトキシ−1−ブタノールなどに比
し、溶質の溶解力に優れるほか、化学的な安定性にも優
れている。
シ−1−プロパノールおよび3−n−ブトキシ−1−プ
ロパノールは、いずれもその化学構造が直鎖構造である
ことから、分岐構造を有する3−メチル−3−メトキシ
ブタノールや3−メトキシ−1−ブタノールなどに比
し、溶質の溶解力に優れるほか、化学的な安定性にも優
れている。
【0020】さらに、生体に対する毒性に関しては、こ
れまで用いられてきたエチレングリコール系溶剤やプロ
ピレングリコール系溶剤のβ異性体は生体内に摂取され
た際の代謝生成物がアルコキシ酢酸であることから、こ
れが生殖毒性を発現するのであるが、本発明で用いる3
−n−プロポキシ−1−プロパノールと3−n−ブトキ
シ−1−プロパノールとは、ともに生体内に摂取された
場合、最終的な代謝生成物はマロン酸となるので、生殖
毒性が発現するようなことはなく、安全性の高い化合物
である。
れまで用いられてきたエチレングリコール系溶剤やプロ
ピレングリコール系溶剤のβ異性体は生体内に摂取され
た際の代謝生成物がアルコキシ酢酸であることから、こ
れが生殖毒性を発現するのであるが、本発明で用いる3
−n−プロポキシ−1−プロパノールと3−n−ブトキ
シ−1−プロパノールとは、ともに生体内に摂取された
場合、最終的な代謝生成物はマロン酸となるので、生殖
毒性が発現するようなことはなく、安全性の高い化合物
である。
【0021】
(1)3−n−プロポキシ−1−プロパノールの合成 2リットルの3つ口フラスコに、n−プロパノール86
7g(14.4モル)、酢酸9.6g(0.16モ
ル)、酢酸カリウム17.3g(0.176モル)およ
びアクロレイン278g(4.8モル)を仕込み、回転
数450rpmにて攪拌しながら、75℃(還流温度)
において、8時間にわたり、アクロレインとn−プロパ
ノールの付加反応を行った。
7g(14.4モル)、酢酸9.6g(0.16モ
ル)、酢酸カリウム17.3g(0.176モル)およ
びアクロレイン278g(4.8モル)を仕込み、回転
数450rpmにて攪拌しながら、75℃(還流温度)
において、8時間にわたり、アクロレインとn−プロパ
ノールの付加反応を行った。
【0022】反応終了後、反応生成物を20Torrで
減圧蒸留し、塔頂ガスをドライアイス/イソプロピルア
ルコールで冷却されたトラップにより捕集し、未反応の
アクロレインとn−プロパノールを主成分とする留分7
5gを分離回収した。ついで、塔底から3−n−プロポ
キシ−1−プロパナールを主成分とする留分939g
(純度25%)を得た。
減圧蒸留し、塔頂ガスをドライアイス/イソプロピルア
ルコールで冷却されたトラップにより捕集し、未反応の
アクロレインとn−プロパノールを主成分とする留分7
5gを分離回収した。ついで、塔底から3−n−プロポ
キシ−1−プロパナールを主成分とする留分939g
(純度25%)を得た。
【0023】ついで、内容積10リットルのオートクレ
ーブに、前記で得た3−n−プロポキシ−1−プロパナ
ールを主成分とする留分1841gとメタノール134
5g、および水素化触媒として5%Ru/C(50%含
水品)24gを仕込み、オートクレーブ内の気体を水素
ガスで置換した後、さらに水素ガスを圧入して70Kg
/cm2 Gに昇圧し、100℃において7時間にわた
り、3−n−プロポキシ−1−プロパナールの水素化反
応を行った。
ーブに、前記で得た3−n−プロポキシ−1−プロパナ
ールを主成分とする留分1841gとメタノール134
5g、および水素化触媒として5%Ru/C(50%含
水品)24gを仕込み、オートクレーブ内の気体を水素
ガスで置換した後、さらに水素ガスを圧入して70Kg
/cm2 Gに昇圧し、100℃において7時間にわた
り、3−n−プロポキシ−1−プロパナールの水素化反
応を行った。
【0024】反応終了後、オートクレーブを冷却脱圧し
て内容物を抜き出し、触媒を濾別して、生成液3063
gを得た。この生成液より、100Torrの減圧下、
45℃において、溶媒2614gを分離回収した。得ら
れた粗3−n−プロポキシ−1−プロパノール998g
をウイットマーカラムに導入し、40Torr、100
℃の条件下に精密蒸留して、純度83.8%の3−n−
プロポキシ−1−プロパノール549gを得た。
て内容物を抜き出し、触媒を濾別して、生成液3063
gを得た。この生成液より、100Torrの減圧下、
45℃において、溶媒2614gを分離回収した。得ら
れた粗3−n−プロポキシ−1−プロパノール998g
をウイットマーカラムに導入し、40Torr、100
℃の条件下に精密蒸留して、純度83.8%の3−n−
プロポキシ−1−プロパノール549gを得た。
【0025】つぎに、ここで得られた3−n−プロポキ
シ−1−プロパノール中に混入しているアセタールを除
去するため、これに2規定濃度の塩酸500ミリリット
ルを加え、攪拌下に加熱し70℃で3時間保持した。つ
いで、室温まで冷却した後、水酸化ナトリウムを加えて
中和した。中和により相分離した有機相を取り出し、水
相にはn−ヘキサンを加えて2回抽出し、抽出液を有機
相に加えた。この有機相は、無水硫酸ナトリウムで乾燥
した後、100Torr、40℃でn−ヘキサンを留去
し、ウイットマーカラムに導入して、20Torr、8
6℃において精密蒸留した。この結果、目的とする3−
n−プロポキシ−1−プロパノールの純度92.1%の
もの226gと純度97.9%のもの186gを得た。
シ−1−プロパノール中に混入しているアセタールを除
去するため、これに2規定濃度の塩酸500ミリリット
ルを加え、攪拌下に加熱し70℃で3時間保持した。つ
いで、室温まで冷却した後、水酸化ナトリウムを加えて
中和した。中和により相分離した有機相を取り出し、水
相にはn−ヘキサンを加えて2回抽出し、抽出液を有機
相に加えた。この有機相は、無水硫酸ナトリウムで乾燥
した後、100Torr、40℃でn−ヘキサンを留去
し、ウイットマーカラムに導入して、20Torr、8
6℃において精密蒸留した。この結果、目的とする3−
n−プロポキシ−1−プロパノールの純度92.1%の
もの226gと純度97.9%のもの186gを得た。
【0026】(2)3−n−プロポキシ−1−プロパノ
ールの溶剤性能の測定 上記(1)で得られた純度97.9%の3−n−プロポ
キシ−1−プロパノールについて、下記項目につき性能
評価をした。 1)水との相溶性(20℃) 水に対する3−n−プロポキシ−1−プロパノールの溶
解度:無限大 3−n−プロポキシ−1−プロパノールに対する水の溶
解度:無限大 2)溶解度パラメーター 10.3 3)プラスチック混和性 溶剤4.5ミリリットルに対し、樹脂0.5gを加えて
混和した。結果は、下記のとおりであった。
ールの溶剤性能の測定 上記(1)で得られた純度97.9%の3−n−プロポ
キシ−1−プロパノールについて、下記項目につき性能
評価をした。 1)水との相溶性(20℃) 水に対する3−n−プロポキシ−1−プロパノールの溶
解度:無限大 3−n−プロポキシ−1−プロパノールに対する水の溶
解度:無限大 2)溶解度パラメーター 10.3 3)プラスチック混和性 溶剤4.5ミリリットルに対し、樹脂0.5gを加えて
混和した。結果は、下記のとおりであった。
【0027】 ポリ酢酸ビニル 不溶 ポリビニルブチラール 可溶 ポリメチルメタクリレート 不溶 ポリスチレン 不溶 ポリ塩化ビニル 不溶 ニトロセルロース 可溶 アセチルセルロース 不溶 4)急性毒性 LD50(ラット、経口):6010mg/Kg
【0028】〔実施例2〕 (1)3−n−ブトキシ−1−プロパノールの合成 2リットルの3つ口フラスコに、n−ブタノール977
g(13.1モル)、酢酸8.7g(0.15モル)、
酢酸カリウム15.7g(0.16モル)およびアクロ
レイン251g(4.4モル)を仕込み、回転数450
rpmにて攪拌しながら、80℃(還流温度)におい
て、8時間にわたりアクロレインとn−ブタノールの付
加反応を行った。
g(13.1モル)、酢酸8.7g(0.15モル)、
酢酸カリウム15.7g(0.16モル)およびアクロ
レイン251g(4.4モル)を仕込み、回転数450
rpmにて攪拌しながら、80℃(還流温度)におい
て、8時間にわたりアクロレインとn−ブタノールの付
加反応を行った。
【0029】反応終了後、反応生成物を10Torrで
減圧蒸留し、塔頂ガスをドライアイス/イソプロピルア
ルコールで冷却されたトラップにより捕集し、未反応の
アクロレインとn−ブタノールを主成分とする留分52
gを分離回収した。ついで、塔底から3−n−ブトキシ
−1−プロパナールを主成分とする留分1053g(純
度18%)を得た。
減圧蒸留し、塔頂ガスをドライアイス/イソプロピルア
ルコールで冷却されたトラップにより捕集し、未反応の
アクロレインとn−ブタノールを主成分とする留分52
gを分離回収した。ついで、塔底から3−n−ブトキシ
−1−プロパナールを主成分とする留分1053g(純
度18%)を得た。
【0030】ついで、内容積10リットルのオートクレ
ーブに、前記で得た3−n−ブトキシ−1−プロパナー
ルを主成分とする留分1935gとメタノール1276
g、および水素化触媒として5%Ru/C(50%含水
品)17.5gを仕込み、オートクレーブ内の気体を水
素ガスで置換した後、さらに水素ガスを圧入して70K
g/cm2 Gに昇圧し、100℃において7時間にわた
り、3−n−ブトキシ−1−プロパナールの水素化反応
を行った。
ーブに、前記で得た3−n−ブトキシ−1−プロパナー
ルを主成分とする留分1935gとメタノール1276
g、および水素化触媒として5%Ru/C(50%含水
品)17.5gを仕込み、オートクレーブ内の気体を水
素ガスで置換した後、さらに水素ガスを圧入して70K
g/cm2 Gに昇圧し、100℃において7時間にわた
り、3−n−ブトキシ−1−プロパナールの水素化反応
を行った。
【0031】反応終了後、オートクレーブを冷却脱圧し
て内容物を抜き出し、触媒を濾別して、生成液2972
gを得た。この生成液より、100Torrの減圧下、
60℃においてメタノールを分離回収し、20Tor
r、60℃においてn−ブタノールを分離回収した。得
られた粗3−n−ブトキシ−1−プロパノール570g
をウイットマーカラムに導入し、20Torr、100
℃の条件下に精密蒸留して、純度87.6%の3−n−
ブトキシ−1−プロパノール420gを得た。
て内容物を抜き出し、触媒を濾別して、生成液2972
gを得た。この生成液より、100Torrの減圧下、
60℃においてメタノールを分離回収し、20Tor
r、60℃においてn−ブタノールを分離回収した。得
られた粗3−n−ブトキシ−1−プロパノール570g
をウイットマーカラムに導入し、20Torr、100
℃の条件下に精密蒸留して、純度87.6%の3−n−
ブトキシ−1−プロパノール420gを得た。
【0032】つぎに、ここで得られた3−n−ブトキシ
−1−プロパノール中に混入しているアセタールを除去
するため、これに2規定濃度の塩酸500ミリリットル
を加え、攪拌下に加熱し70℃で3時間保持した。つい
で、室温まで冷却した後、水酸化ナトリウムを加えて中
和した。中和により相分離した有機相を取り出し、水相
にはn−ヘキサンを加えて2回抽出し、抽出液を有機相
に加えた。この有機相は、無水硫酸ナトリウムで乾燥し
た後、100Torr、45℃でn−ヘキサンを留去
し、ウイットマーカラムに導入して、10Torr、8
8℃において精密蒸留した。この結果、目的とする3−
n−ブトキシ−1−プロパノールの純度97.9%のも
の267gを得た。
−1−プロパノール中に混入しているアセタールを除去
するため、これに2規定濃度の塩酸500ミリリットル
を加え、攪拌下に加熱し70℃で3時間保持した。つい
で、室温まで冷却した後、水酸化ナトリウムを加えて中
和した。中和により相分離した有機相を取り出し、水相
にはn−ヘキサンを加えて2回抽出し、抽出液を有機相
に加えた。この有機相は、無水硫酸ナトリウムで乾燥し
た後、100Torr、45℃でn−ヘキサンを留去
し、ウイットマーカラムに導入して、10Torr、8
8℃において精密蒸留した。この結果、目的とする3−
n−ブトキシ−1−プロパノールの純度97.9%のも
の267gを得た。
【0033】(2)3−n−ブトキシ−1−プロパノー
ルの溶剤性能の測定 上記(1)で得られた純度97.9%の3−n−ブトキ
シ−1−プロパノールについて、下記項目につき性能評
価をした。 1)水との相溶性(20℃) 水に対する3−n−ブトキシ−1−プロパノールの溶解
度: 6.3wt% 3−n−ブトキシ−1−プロパノールに対する水の溶解
度:22.3wt% 2)溶解度パラメーター 10.3 3)プラスチック混和性 溶剤4.5ミリリットルに対し、樹脂0.5gを加えて
混和した。結果は、下記のとおりであった。
ルの溶剤性能の測定 上記(1)で得られた純度97.9%の3−n−ブトキ
シ−1−プロパノールについて、下記項目につき性能評
価をした。 1)水との相溶性(20℃) 水に対する3−n−ブトキシ−1−プロパノールの溶解
度: 6.3wt% 3−n−ブトキシ−1−プロパノールに対する水の溶解
度:22.3wt% 2)溶解度パラメーター 10.3 3)プラスチック混和性 溶剤4.5ミリリットルに対し、樹脂0.5gを加えて
混和した。結果は、下記のとおりであった。
【0034】 ポリ酢酸ビニル 不溶 ポリビニルブチラール 可溶 ポリメチルメタクリレート 不溶 ポリスチレン 不溶 ポリ塩化ビニル 不溶 ニトロセルロース 可溶 アセチルセルロース 不溶 4)急性毒性 LD50(ラット、経口):5950mg/Kg
【0035】〔比較例1〕比較のため、2−ブトキシエ
タノールにつき、実施例と同じ評価項目について溶剤性
能の測定をした。結果は下記のとおりであった。 1)水との相溶性(20℃) 水に対する2−ブトキシエタノールの溶解度:無限大
(46℃以下) 2−ブトキシエタノールに対する水の溶解度:無限大 2)溶解度パラメーター 8.9 3)プラスチック混和性 溶剤4.5ミリリットルに対し、樹脂0.5gを加えて
混和した。結果は、下記のとおりであった。
タノールにつき、実施例と同じ評価項目について溶剤性
能の測定をした。結果は下記のとおりであった。 1)水との相溶性(20℃) 水に対する2−ブトキシエタノールの溶解度:無限大
(46℃以下) 2−ブトキシエタノールに対する水の溶解度:無限大 2)溶解度パラメーター 8.9 3)プラスチック混和性 溶剤4.5ミリリットルに対し、樹脂0.5gを加えて
混和した。結果は、下記のとおりであった。
【0036】 ポリ酢酸ビニル 不溶 ポリビニルブチラール 可溶 ポリメチルメタクリレート 不溶 ポリスチレン 不溶 ポリ塩化ビニル 不溶 ニトロセルロース 可溶 アセチルセルロース 不溶 4)急性毒性 LD50(ラット、経口):1480mg/Kg
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、各種溶質の溶解特性に
優れるとともに、生体への毒性の低い溶剤を提供するこ
とができる。
優れるとともに、生体への毒性の低い溶剤を提供するこ
とができる。
Claims (1)
- 【請求項1】3−n−プロポキシ−1−プロパノールお
よび/または3−n−ブトキシ−1−プロパノールを含
有してなることを特徴とするエーテルアルコール系溶
剤。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11713097A JPH10306049A (ja) | 1997-05-07 | 1997-05-07 | エーテルアルコール系溶剤 |
PCT/JP1998/001952 WO1998050339A1 (fr) | 1997-05-07 | 1998-04-28 | 1-ACETOXY-3-n-PROPOXYPROPANE ET SOLVANTS D'ETHER ALCOOL |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11713097A JPH10306049A (ja) | 1997-05-07 | 1997-05-07 | エーテルアルコール系溶剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10306049A true JPH10306049A (ja) | 1998-11-17 |
Family
ID=14704193
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11713097A Pending JPH10306049A (ja) | 1997-05-07 | 1997-05-07 | エーテルアルコール系溶剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10306049A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005247816A (ja) * | 2004-03-08 | 2005-09-15 | Sanwa Yuka Kogyo Kk | アルキレングリコールモノアルキルエーテルの分離回収方法 |
-
1997
- 1997-05-07 JP JP11713097A patent/JPH10306049A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005247816A (ja) * | 2004-03-08 | 2005-09-15 | Sanwa Yuka Kogyo Kk | アルキレングリコールモノアルキルエーテルの分離回収方法 |
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