JPH10306050A - エーテルアルコール系溶剤 - Google Patents

エーテルアルコール系溶剤

Info

Publication number
JPH10306050A
JPH10306050A JP11713197A JP11713197A JPH10306050A JP H10306050 A JPH10306050 A JP H10306050A JP 11713197 A JP11713197 A JP 11713197A JP 11713197 A JP11713197 A JP 11713197A JP H10306050 A JPH10306050 A JP H10306050A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
methoxy
solvent
propanol
solvents
catalyst
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11713197A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Kawasaki
宏 川崎
Tetsuo Kamitoku
哲郎 神徳
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Idemitsu Petrochemical Co Ltd filed Critical Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Priority to JP11713197A priority Critical patent/JPH10306050A/ja
Priority to PCT/JP1998/001952 priority patent/WO1998050339A1/ja
Publication of JPH10306050A publication Critical patent/JPH10306050A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】各種の溶質に対する溶解特性に優れるととも
に、生体に対する毒性の低い溶剤を提供すること。 【解決手段】3−メチル−1−プロパノールを含有して
なるエーテルアルコール系溶剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な溶剤に関す
る。さらに詳しくは、3−メトキシ−1−プロパノール
を含有してなり、各種溶質の溶解性に優れかつ生体に対
する毒性の低いエーテルアルコール系の溶剤に関する。
【0002】
【従来の技術】塗料やインキをはじめ、金属洗浄、クリ
ーニング、接着剤などの産業分野において、多種多様な
溶剤が使用されている。これら溶剤としては、アルコー
ル類やケトン類、エーテル類、エステル類、炭化水素類
などを単独であるいは種々組合せた混合溶剤として用い
られている。
【0003】これら溶剤のなかでも、2−メトキシエタ
ノールや2−エトキシエタノールなどのエチレングリコ
ール系溶剤が溶解性に優れていることから、塗料や印刷
インキなどの分野において多用されてきた。ところが、
このエチレングリコール系溶剤には、睾丸の萎縮や不
全、催奇性、血管障害、母性の毒性に代表される生殖毒
性のあることが判明し、労働安全衛生法による管理濃度
が、2−エトキシエタノールについては5ppmと低く
設定され、その使用が制限されている。
【0004】そこで、これらエチレングリコール系溶剤
に代わるものとして、管理濃度のより高い2−ブトキシ
エタノールやプロピレングリコールモノメチルエーテル
などのプロピレングリコール系溶剤、3−メチル−3−
メトキシブタノール、3−メトキシブタノールなどを用
いる試みがなされているが、これらは溶解性が充分でな
く、また製造コストが高くつくという難点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
状況から、各種溶質の溶解性に優れかつ生体への毒性の
低い新規な溶剤を提供することを目的とするものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するため、種々検討を重ねた結果、3−メトキシ
−1−プロパノールが、各種溶質の溶解性に優れ、かつ
生体への毒性の低いものであることを見出し、かかる知
見に基づいて本発明を完成するに至った。すなわち、本
発明は、3−メトキシ−1−プロパノールを含有してな
ることを特徴とするエーテルアルコール系溶剤である。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の溶剤に用いる3−メトキ
シ−1−プロパノールは、甘い匂いのある無色の液体で
あり、中程度の揮発性を有している。そして、分子内に
エーテル結合とアルコール性水酸基を有するエーテルア
ルコールであり、エーテルとアルコールの性質を併せ持
ち、その沸点(150℃)未満の温度範囲では水といか
なる混合割合でも完全に混合することができるととも
に、各種の有機溶剤たとえばアルコール類、エーテル
類、ケトン類、エステル類などとの相溶性も良好であ
る。
【0008】これら有機溶剤としては、たとえばメチル
アルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコー
ル、n−プチルアルコール等のアルコール類、アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の
ケトン類、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル等のエ
ーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル等のエ
ステル類、n−ヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化
水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水
素などが挙げられる。
【0009】この3−メトキシ−1−プロパノールは、
上記のような性質を有することから、塗料、ラッカー、
インキ、接着剤などに配合する溶剤成分、フォトレジス
ト溶剤、クリーニング溶剤、金属洗浄剤等の用途に好適
に使用できる。本発明の溶剤をこれら用途に用いるに際
しては、3−メトキシ−1−プロパノールを単独で用い
てもよいし、これに他の有機溶剤や水をそれぞれの用途
に応じた割合で混合した混合溶剤として使用してもよ
い。
【0010】たとえば、塗料用の溶剤として用いる場合
には、水との相溶性が良好であることから水溶性塗料用
の溶剤に用いるのが適しており、この場合、3−メトキ
シ−1−プロパノールに水と使用目的に応じて適量の低
沸点の水溶性有機溶剤を混合した混合溶剤に、塗料用樹
脂成分や顔料等を溶解させることにより、水溶性塗料を
得ることができる。この混合溶剤の配合割合は、塗装す
る際の作業性の良好な溶液粘度が得られるように、適宜
増減すればよい。また、3−メトキシ−1−プロパノー
ルへの低沸点の水溶性有機溶剤の配合割合は、塗膜から
の混合溶剤の揮発性が適切な速さとなるように選定し、
蒸発速度を抑制する必要のある場合には3−メトキシ−
1−プロパノールの配合割合を増大して調整することに
より、滑らかな塗膜面を形成することができる。
【0011】また、この3−メトキシ−1−プロパノー
ルは、ニトロセルロースの溶解性にも優れているので、
ラッカーの溶剤成分としても好適なものである。さら
に、クリーニング溶剤、金属洗浄剤、フォトレジスト溶
剤などの洗浄剤として使用する場合には、3−メトキシ
−1−プロパノールと水との混合剤の形態で用いると、
火気に対する危険性が低く、被洗物への損傷が少ないう
え、溶剤の回収が容易であるという利点がある。そし
て、この3−メトキシ−1−プロパノールは、被洗物に
付着している汚れ成分が油溶性のものであっても、水溶
性のものであっても、ともに溶解して被洗物から除去で
きるという特性を有しているので、様々な被洗物に適用
することができる。
【0012】つぎに、この3−メトキシ−1−プロパノ
ールを製造する方法については、種々の合成方法によっ
て製造することができる。例えば、プロピレンの部分酸
化により得られるアクロレインに、メタノールを付加し
て3−メトキシ−1−プロパナールを得たのち、触媒の
存在下これに水素添加することにより、目的物を得るこ
とができる。この場合、アクロレインへのメタノールの
付加反応に際しては、触媒として、酢酸カリウムや水酸
化ナトリウム等を使用すればよい。また、水素添加反応
の触媒としては、ルテニウム/カーボン(Ru/C)や
ラネーニッケルなどの水素添加触媒を使用すればよい。
【0013】また、別法として、プロピレンを酸化して
得られるアクリル酸をエステル化してアクリル酸メチル
としたのち、これにメタノールを付加して3−メトキシ
プロピオン酸メチルとし、さらにこれを水素化すること
によって、目的物を得ることもできる。このようにして
得られる3−メトキシ−1−プロパノールは、その化学
構造が直鎖構造であることから、分岐構造を有する3−
メチル−3−メトキシブタノールや3−メトキシ−1−
ブタノールなどに比し、溶質の溶解力に優れるほか、化
学的な安定性にも優れている。
【0014】さらに、生体に対する毒性に関しては、こ
れまで用いられてきたエチレングリコール系溶剤やプロ
ピレングリコール系溶剤のβ異性体は生体内に摂取され
た際の代謝生成物がアルコキシ酢酸であることから、こ
れが生殖毒性を発現するのであるが、本発明で用いる3
−メトキシ−1−プロパノールは、生体内に摂取された
場合、代謝生成物は最終的にマロン酸となるので、生殖
毒性を発現するようなことはないのである。
【0015】
〔実施例1〕
(1)3−メトキシ−1−プロパノールの合成 2リットルの3つ口フラスコに、メタノール732g
(22.5モル)と、酢酸15g(0.25モル)、酢
酸カリウム27g(0.275モル)、およびアクロレ
イン434g(7.5モル)を仕込み、回転数450r
pmで攪拌しながら、57℃(還流温度)において、8
時間にわたり、アクロレインとメタノールの付加反応を
行った。
【0016】反応終了後、反応生成物を100Torr
において減圧蒸留し、塔頂ガスをドライアイス/イソプ
ロピルアルコールで冷却されたトラップで捕集すること
により、未反応のアクロレインとメタノールを主成分と
する留分281gを分離回収した。ついで、減圧度を4
5Torrに上げ、かつ温度を52℃まで徐々に上昇さ
せて減圧蒸留を続け、中間体である3−メトキシ−1−
プロパナールを主成分とする留分783gを得た。この
3−メトキシ−1−プロパナールの収率は66%であっ
た。
【0017】ついで、内容積10リットルのオートクレ
ーブに、前記で得た3−メトキシ−1−プロパナールを
主成分とする留分1536gとメタノール1632g、
および水素化触媒として5%Ru/C(50%含水品)
42gを仕込み、オートクレーブ内の気体を水素ガスで
置換した後、さらに水素ガスを圧入して70Kg/cm
2 Gに昇圧し、100℃において11時間にわたり3−
メトキシ−1−プロパナールの水素化反応を行った。
【0018】反応終了後、オートクレーブを冷却脱圧し
て内容物を抜き出し、触媒を濾別して、生成液2963
gを得た。この生成液より、100Torrの減圧下、
40℃において、メタノール1522gを回収した。メ
タノールを分離除去して得られた粗3−メトキシ−1−
プロパノール1361gにつき、これをウイットマーカ
ラムに導入し、100Torr、99℃の条件下に精密
蒸留して、目的とする3−メトキシ−1−プロパノール
を得た。この結果、純度98.4%のもの416gおよ
び純度95.9%のもの420gを得た。
【0019】(2)3−メトキシ−1−プロパノールの
溶剤性能の測定 上記(1)で得られた純度98.4%の3−メトキシ−
1−プロパノールについて、下記項目につき性能評価を
した。 1)水との相溶性 20℃における溶解度 : 無限大 2)溶解度パラメーター 11.2 3)プラスチック混和性 溶剤4.5ミリリットルに対し、樹脂0.5gを加えて
混和した。評価結果は、下記のとおりであった。
【0020】 ポリ酢酸ビニル 可溶 ポリビニルブチラール 可溶 ポリメチルメタクリレート 一部可溶 ポリスチレン 不溶 ポリ塩化ビニル 不溶 ニトロセルロース 可溶 アセチルセルロース 膨潤 4)急性毒性 LD50(ラット、経口):5710mg/Kg
【0021】〔比較例1〕比較のため、2−エトキシエ
タノールにつき、実施例と同じ評価項目について溶剤性
能の測定をした。結果は下記のとおりであった。 1)水との相溶性 20℃における溶解度 : 無限大 2)溶解度パラメーター 9.9 3)プラスチック混和性 溶剤4.5ミリリットルに対し、樹脂0.5gを加えて
混和した。評価結果は、下記のとおりであった。
【0022】 ポリ酢酸ビニル 可溶 ポリビニルブチラール 可溶 ポリメチルメタクリレート 一部可溶 ポリスチレン 不溶 ポリ塩化ビニル 不溶 ニトロセルロース 可溶 アセチルセルロース 膨潤 4)急性毒性 LD50(ラット、経口):3000mg/Kg
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、各種溶質の溶解特性に
優れたかつ生体への毒性の低い溶剤を提供することがで
きる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】3−メトキシ−1−プロパノールを含有し
    てなることを特徴とするエーテルアルコール系溶剤。
JP11713197A 1997-05-07 1997-05-07 エーテルアルコール系溶剤 Pending JPH10306050A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11713197A JPH10306050A (ja) 1997-05-07 1997-05-07 エーテルアルコール系溶剤
PCT/JP1998/001952 WO1998050339A1 (fr) 1997-05-07 1998-04-28 1-ACETOXY-3-n-PROPOXYPROPANE ET SOLVANTS D'ETHER ALCOOL

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11713197A JPH10306050A (ja) 1997-05-07 1997-05-07 エーテルアルコール系溶剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10306050A true JPH10306050A (ja) 1998-11-17

Family

ID=14704219

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11713197A Pending JPH10306050A (ja) 1997-05-07 1997-05-07 エーテルアルコール系溶剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10306050A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005075392A2 (en) 2004-02-05 2005-08-18 Showa Denko K.K. Production process of 3-alkoxy-1-propanols, and 3-alkoxy-1-propanols obtained by the production process
JP2005247816A (ja) * 2004-03-08 2005-09-15 Sanwa Yuka Kogyo Kk アルキレングリコールモノアルキルエーテルの分離回収方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005075392A2 (en) 2004-02-05 2005-08-18 Showa Denko K.K. Production process of 3-alkoxy-1-propanols, and 3-alkoxy-1-propanols obtained by the production process
JP2005247816A (ja) * 2004-03-08 2005-09-15 Sanwa Yuka Kogyo Kk アルキレングリコールモノアルキルエーテルの分離回収方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Kitazume et al. The synthesis and reaction of zinc reagents in ionic liquids
WO2022106988A1 (fr) Procede d'obtention d'un melange de derives d'au moins deux composes choisis parmi les cardols, les cardanols et les acides anacardiques
US4329487A (en) Method for the asymmetric hydrogenation of α-ketoesters
JPH10306050A (ja) エーテルアルコール系溶剤
CN108640819A (zh) 一种一锅法合成羟基苯乙烯类化合物的方法
JPH10306049A (ja) エーテルアルコール系溶剤
WO1998050339A1 (fr) 1-ACETOXY-3-n-PROPOXYPROPANE ET SOLVANTS D'ETHER ALCOOL
EP3066069A1 (fr) Procédé de synthèse d'esters et catalyseur de ladite synthèse
RU2174974C1 (ru) Смесевой растворитель на основе сивушного масла
WO1981003331A1 (en) Process for preparing a dibenzylidenesorbitol or a dibenzylidenexylitol
JPH10310554A (ja) 1−アセトキシ−3−n−プロポキシプロパン及びその製造方法並びにそれを含有する溶剤
Mosher et al. Asymmetric Reductions. III. The Action of (+)-2-Methylbutylmagnesium Chloride on Substituted Benzophenones
JPS5867702A (ja) 光不溶化性ポリビニルアルコ−ル誘導体の製造方法
US600556A (en) Pyroxylin compound
JPH11116994A (ja) アルコキシ酪酸エステルからなる溶剤
CN118146078A (zh) 一种环戊基甲醛的精制方法
JP4321687B2 (ja) シクロデキストリン含有物質
US3356700A (en) Production of compounds of the axerophthylidene series
JP2008156244A (ja) エチルセルロースを特異的に溶解する溶剤
EP0892776A1 (fr) Procede de preparation d'acide acetique et/ou d'acetate de methyle par isomerisation de formiate de methyle
US2495322A (en) Process of producing metal nitrodithioacetates
JP2641684B2 (ja) プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオナート溶剤
JP3493401B2 (ja) シクロヘキシル基を含有するグリコールエーテル
TW206212B (en) A propylene glycol monomethyl ether propionate compound and its manufacturing method
FR2510553A1 (fr) Procede de production selective d'ethanol a partir du methanol