JPH10305492A - 積層管の製造方法 - Google Patents

積層管の製造方法

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JPH10305492A
JPH10305492A JP9119909A JP11990997A JPH10305492A JP H10305492 A JPH10305492 A JP H10305492A JP 9119909 A JP9119909 A JP 9119909A JP 11990997 A JP11990997 A JP 11990997A JP H10305492 A JPH10305492 A JP H10305492A
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JP
Japan
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prepreg
laminated
laminated tube
tightening
fine particles
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JP9119909A
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Akira Yasui
晃 安井
Yukihisa Sato
幸久 佐藤
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Ryobi Ltd
Original Assignee
Ryobi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 積層管表面にシルク印刷等による華飾を施す
場合に、インキの滲み及び文字やデザインの曲がりを防
止し、美麗な華飾を施すことを可能にする。 【解決手段】 離型剤を塗布した芯金2に捲回された、
補強繊維に合成樹脂を含浸させてなるプリプレグ1の外
周に高硬度微粒子3を付着させる。次いで、成形される
積層管の表面のシルク印刷等の華飾を施す部分に内面が
平滑なシート4を装着する。次いで、この外周を緊締テ
ープ5で緊締し、これを定法によって加熱処理して、プ
リプレグ1を硬化させ、次いで、芯金2を引き抜くと共
に緊締テープ5を除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層管、特に、釣
り竿等の表面への華飾処理による美麗化及びその作業の
簡易化を図ることが可能な繊維補強合成樹脂積層管の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】繊維補強合成樹脂積層管は、釣り竿、ゴ
ルフクラブのシャフト、テニスやバドミントンのラケッ
ト等の高弾性・軽量が求められる素材として多用されて
いる。
【0003】これらの積層管は、求められる弾性強力に
応じて一方向引き揃えシートプリプレグを軸方向に捲回
すると共に、該一方向引き揃えシートプリプレグの補強
繊維間の結束力を高めるために、ヤーンプリプレグ、テ
ーププリプレグ、クロスプリプレグ等を周方向に捲回
し、更に、これ等の外周に緊締テープを捲回して、これ
を加圧・焼成することによって、前記プリプレグを硬化
させて、素管を形成し、次いで、芯金の脱芯、緊締テー
プの除去、表面研磨、水洗、乾燥、下地処理、再乾燥、
塗料の塗布による塗膜の形成、塗膜乾燥という複雑な仕
上げ工程を経て形成されていた。
【0004】しかし、従来の積層管の仕上げは、素管の
表面を研磨した後に素管表面に塗料を塗布乾燥させて塗
膜を形成することによって行われるために、表面研磨時
に補強繊維を損傷して積層管の機械的物性を損なう傾向
にあった。また、素管の研磨面における塗膜の形成状態
は、塗膜形成用塗料の接着力のみによって保持されてい
るために、積層管の表面から塗膜が剥離し易く、更に
は、塗膜についた傷や素管内周面から浸透した水等によ
って、素管と塗膜との間にブリスターが発生するという
問題があった。
【0005】上述した問題を解決する手段として、特開
平7−171921号公報(以下、「先行技術A」とい
う)には、芯金に捲回されたプリプレグの外周面に高硬
度微粒子を付着させ、これを定法によって加圧焼成する
ことからなる積層管の製造方法が開示されている。
【0006】即ち、先行技術Aには、積層管の外周面に
高硬度微粒子を含有露出させることによって、積層管の
外周面の硬度の向上を図り、積層管の外周面への塗装を
不要として、塗装に起因するトラブルの回避を図ると共
に、積層管自体の軽量化を図り、又、塗装のための研磨
等の前処理による積層管自体の物性低下の防止を図るこ
とが提案されている。
【0007】先行技術Aによれば、上述した効果がもた
らされるのみならず、加圧手段として緊締テープを使用
した場合には、プリプレグの加熱硬化後に緊締テープを
除去することによって、緊締テープの捲回跡に起因する
螺旋状の凹凸が積層管表面に形成され、これによって積
層管表面への釣り糸の付着をも防止することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、先行技
術Aの製造方法に従って、緊締テープの捲回跡に起因す
る螺旋状の凹凸を積層管表面に形成すると、積層管表面
にシルク印刷等による華飾を施す場合に、この凹凸によ
ってインキが滲んだり文字やデザインが曲がったりし
て、美麗な華飾を施すことができないばかりか、その調
整に多大な心労を要する問題が生じていた。
【0009】本発明は、上述した先行技術Aによっても
たらされる効果を維持すると共に、積層管表面にシルク
印刷等による華飾を施す場合に、インキの滲み及び文字
やデザインの曲がりを防止し、美麗な華飾を施すことが
可能な積層管の製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1の本発明の積層
管の製造方法は、離型剤を塗布した芯金(2)に捲回さ
れた、補強繊維に合成樹脂を含浸させてなるプリプレグ
(1)の外周に高硬度微粒子(3)を付着させた後に、
この外周を緊締テープ(5)で緊締し、これを定法によ
って加熱処理して、前記プリプレグ(1)を硬化させ、
次いで、前記芯金(2)を引き抜くと共に前記緊締テー
プ(5)を除去することからなる積層管の製造方法にお
いて、捲回されたプリプレグ(1)の外周に高硬度微粒
子(3)を付着させる工程と、この外周を緊締テープ
(5)で緊締する工程との間に、成形される積層管の表
面のシルク印刷等の華飾を施す部分に内面が平滑なシー
ト(4)を装着する工程を付加したことを特徴としてい
る。
【0011】この製造方法によれば、以下の効果がもた
らされる。
【0012】 プリプレグの外周に高硬度微粒子を付
着させた後に、成形される積層管の表面のシルク印刷等
の華飾を施す部分に内面が平滑なシートを装着したため
に、積層管の表面におけるシルク印刷等の華飾を施す部
分には、緊締テープによる凹凸が形成されないため、積
層管の外面への華飾を容易且つ美麗に施すことができ
る。
【0013】 積層管の表面のシルク印刷等の華飾を
施す部分以外には、緊締テープによる凹凸が形成される
ため、この凹凸によってもたらされる先行技術Aの効果
をそのまま維持することができる。
【0014】請求項2の本発明の積層管の製造方法は、
離型剤を塗布した芯金(2)に捲回された、補強繊維に
合成樹脂を含浸させてなるプリプレグ(1)の外周を緊
締テープ(5)で緊締し、これを定法によって加熱処理
して、前記プリプレグ(1)を硬化させ、次いで、前記
緊締テープ(5)を除去して、積層素管(1a)を形成
し、該積層素管(1a)の外周面に、前記プリプレグ
(1)に含浸された合成樹脂と同一系の合成樹脂に高硬
度微粒子(3)を混入した塗料(6)を塗布し、このよ
うに塗布された塗料(6)の外周を緊締テープ(5)で
緊締し、これを定法によって再度加熱処理して、前記塗
料(6)を硬化させ、次いで、前記芯金(2)を引き抜
くと共に前記緊締テープ(5)を除去することからなる
積層管の製造方法において、高硬度微粒子(3)を混入
した前記塗料(6)を前記積層素管(1a)の外周面に
塗布する工程と、このように塗布された前記塗料(6)
の外周を前記緊締テープ(5)で緊締する工程との間
に、成形される積層管の表面のシルク印刷等の華飾を施
す部分に内面が平滑なシート(4)を装着する工程を付
加したことを特徴としている。
【0015】請求項2に記載したこれ等の製造方法によ
れば、定法によって加熱処理した積層素管の外周面に、
この積層素管を形成したプリプレグに含浸された合成樹
脂と同一系の樹脂に高硬度微粒子を混入した塗料を塗布
し、次いで、再度定法によって加熱処理を行うために、
以下の効果がもたらされる。
【0016】 塗料表面への高硬度微粒子の分散を均
一にすることができる。
【0017】 積層素管と塗料塗布層とが溶融密着し
て層間剥離等が生じない。
【0018】 加熱処理時に軟化した合成樹脂と共に
高硬度微粒子が緊締テープ間より噴出することがなく、
表面に高硬度微粒子が均一に分布・露出した均質な表面
硬度が得られ、積層管の外周面の損傷を防止することが
できる。
【0019】 塗料塗布層を可及的に薄く形成したと
しても、所望の表面硬度が得られ、重量の増大を防止し
て、軽量な積層管を提供することができる。
【0020】請求項3の本発明の積層管の製造方法は、
離型剤を塗布した芯金(2)に捲回された、補強繊維に
合成樹脂を含浸させてなるプリプレグ(1)の外周を緊
締テープ(5)で緊締し、これを定法によって加熱処理
して、前記プリプレグ(1)を硬化させ、次いで、前記
緊締テープ(5)を除去して、積層素管(1a)を形成
し、該積層素管(1a)の外周面に、前記プリプレグ
(1)に含浸された合成樹脂と同一系の合成樹脂からな
る塗料(6)を塗布し、これを半乾燥させ、このように
半乾燥された塗料(6)の外周に高硬度微粒子(3)を
付着させ、この外周を緊締テープ(5)で緊締し、これ
を定法によって再度加熱処理して、前記塗料(6)を硬
化させ、次いで、前記芯金(2)を引き抜くと共に前記
緊締テープ(5)を除去することからなる積層管の製造
方法において、前記半乾燥された塗料(6)の外周に高
硬度微粒子(3)を付着させる工程と、この外周を前記
緊締テープ(5)で緊締する工程との間に、成形される
積層管の表面のシルク印刷等の華飾を施す部分に内面が
平滑なシート(4)を装着する工程を付加したことを特
徴としている。
【0021】請求項3に記載したこれ等の製造方法によ
れば、定法によって加熱処理した積層素管の外周面に、
プリプレグに含浸された合成樹脂と同一系の合成樹脂か
らなる塗料を塗布し、これを半乾燥させ、このように半
乾燥された塗料の外周に高硬度微粒子を付着させ、この
ような塗料を再加熱することによって、これを硬化さ
せ、この塗料の表面に高硬度微粒子を露出させるように
したため、以下の効果がもたらされる。
【0022】 予め形成された塗料表面への高硬度微
粒子の分散を均一にすることができる。
【0023】 素管と塗布層とが溶融密着して層間剥
離等が生じない。
【0024】 高硬度微粒子の樹脂中における比重差
等による混入斑等の防止が図れ、樹脂の表面に高硬度微
粒子を均一に露出させることができる。
【0025】 加熱処理時に軟化した合成樹脂と共
に、高硬度微粒子が巻き締めテープ間から噴出すること
がなく、表面に高硬度微粒子が均一に露出した均質な表
面硬度が得られ、積層管外周面の損傷を防止することが
できる。
【0026】 塗料塗布層を可及的に薄く形成したと
しても、所望の表面硬度が得られ、重量の増大を防止し
て、軽量な積層管を提供することができる。
【0027】請求項4の本発明の積層管の製造方法は、
請求項1乃至請求項3の何れか1つの方法において、前
記シートが離型シートからなることを特徴としている。
【0028】この製造方法によれば、積層管の表面のシ
ルク印刷等の華飾を施す部分に離型シートを装着するた
め、熱処理後の離型シートの除去を緊締テープと共に容
易に行なうことができる。
【0029】請求項5の本発明の積層管の製造方法は、
請求項1乃至請求項3の何れか1つの方法において、前
記高硬度微粒子に固体潤滑粉を混入することを特徴とし
ている。
【0030】この製造方法によれば、以下の効果がもた
らされる。
【0031】 高硬度微粒子に固体潤滑粉が混入され
ているので、装着するシートの素材の限定を受けず、そ
の維持・管理の容易化が図れる。
【0032】 積層管の表面に高硬度微粒子と共に固
体潤滑粉が露出して、積層管表面への水及び濡れた釣り
糸等の付着を防止できるため、釣り糸の巻取り及び繰出
しを円滑に行なうことができる。又、積層管表面への塵
等の付着も防止できるので、美麗な表面を長期間に亘っ
て維持できる。
【0033】 予め形成した積層素管に塗料を塗布し
て、再加熱処理するものにおいては、積層管表面への固
体潤滑粉の分散を均一にできるので、機能が安定し、品
質が均一な商品を製造できる。
【0034】請求項6の本発明の積層管の製造方法は、
請求項1乃至請求項5の何れか1つの方法において、前
記高硬度微粒子に着色剤を混入することを特徴としてい
る。
【0035】この製造方法によれば、以下の効果がもた
らされる。
【0036】 積層管の表面に高硬度微粒子と共に着
色剤が露出して、積層管表面に所望の着色を施すことが
できるので、積層管の装飾性の向上が図れる。
【0037】 予め形成した積層素管に塗料を塗布し
て再加熱処理するものにおいては、積層管表面への着色
剤の分散を均一にできるので、色彩が安定し、色斑の無
い、美麗な商品を製造できる。
【0038】請求項7の本発明の積層管の製造方法は、
請求項4の方法において、成形される積層管の表面のシ
ルク印刷等の華飾を施す部分に内面が平滑な離型シート
を装着する工程の後に、前記離型シート装着面以外の部
分に、着色剤及び/又は固体潤滑粉を付着する工程を付
加したことを特徴としている。
【0039】この製造方法によれば、成形される積層管
の表面のシルク印刷等の華飾を施す部分には、固体潤滑
粉や着色剤が付着することがないので、この部分に施さ
れるインキ等の装飾部材の密着性を損なわずに色合成も
生じず、美麗且つ強固な装飾を施すことができる。
【0040】以下、本発明の実施形態を示す図面に対応
付けて本発明を説明する。但し、本発明は図示の形態に
限定されない。
【0041】
【発明の実施の形態】以下、図1を参照して本発明の第
1の実施形態にかかる積層管の製造方法を説明する。図
1は、本発明の第1の実施形態にかかる積層管の製造方
法の各工程を示す概略断面図である。
【0042】本発明の第1の実施形態の製造方法は、プ
リプレグ捲回工程と、高硬度微粒子付着工程と、平滑シ
ート装着工程と、緊締工程と、加熱処理工程と、芯金等
除去工程とからなっている。
【0043】プリプレグ捲回工程は、図1(a)に示す
ように、離型剤を塗布した芯金2に、所定の形状に裁断
した補強繊維に合成樹脂を含浸させたシート状のプリプ
レグを捲回することによって行われ、これによって、芯
金2の周囲にプリプレグの捲回層1が形成される。
【0044】ここで、プリプレグは、例えば、溶融状態
にした樹脂原料を高強度高弾性繊維強化材に含浸させる
ことにより、定法によって容易に得ることができる。例
えば、エポキシ樹脂を離型紙上にコーティングしてフィ
ルム化し、次いで、このフィルムを高強度高弾性繊維強
化材にラミネートすることによりプリプレグを得ること
ができる。
【0045】高強度高弾性繊維強化材としては、例え
ば、炭素繊維、ガラス繊維、セラミック繊維、ジルコニ
ア繊維、ボロン繊維、チタン繊維、チタン箔テープ、ス
テンレス繊維、ベリリウム繊維等の無機繊維;綿、亜
麻、大麻、ジュート、サイザル麻等の天然繊維;芳香族
ポリアミド系繊維、ポリエステル系繊維等の耐熱性有機
合成繊維等が挙げられる。これらの繊維強化材は、樹脂
との接着性を高めることを目的として、例えば、ボラ
ン、シラン、アミノシラン等により予め表面処理されて
いてもよい。これらの繊維強化時は単独で又は2種以上
組み合わせて用いることができる。
【0046】高強度高弾性繊維強化材は、例えば、一方
向の連続繊維、クロス、ロービング、ロービングクロ
ス、チョップドストランドマット等の形状で用いられ
る。
【0047】このような高強度高弾性繊維強化材に含浸
される樹脂原料としては、通常の繊維強化樹脂に用いら
れるものが好適に使用される。具体的には、エポキシ樹
脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ポ
リイミド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド初期縮合
物、ポリウレタン樹脂組成物等の熱硬化性樹脂を使用す
ることが望ましい。
【0048】複合材における高強度高弾性繊維強化材の
含有割合は、例えば、樹脂原料の溶融粘度、強化材の種
類又は形態等に応じて適宜決定し得るが、通常は、複合
材全体の容積に対して50〜70容積%程度、好ましく
は、55〜65容積%程度である。
【0049】以上のようにして得られるプリプレグは、
通常、120〜180°Cの温度で120〜140分間
程度加熱することにより硬化して、高強度高弾性繊維強
化樹脂からなる複合材料を提供するものである。
【0050】尚、シート状のプリプレグは、積層管の軸
方向に一方向に補強繊維を引き揃えたものを複数プライ
捲着する他、本発明においては、積層管に対して補強繊
維が軸方向になるように配向された一方向引き揃えシー
トプリプレグと、積層管に対して補強繊維が周方向にな
るように配向した一方向引き揃えシートプリプレグと
を、それぞれ任意の数だけ形成するように捲回してもよ
い。また、クロスプリプレグやスクリムシート等を介在
させたものを捲回してもよい。捲回構造やプリプレグの
種類等は、任意に選択して使用される。
【0051】高硬度微粒子付着工程は、図1(b)に示
すように、捲回されたプリプレグ、即ち、捲回層1の外
周に高硬度微粒子3を付着させることからなっている。
高硬度微粒子3としては、アルミナ、SiC、SiN、
ジルコニア等の球状セラミック微粒子を使用することが
望ましい。このような高硬度微粒子3は、550以上、
好ましくは1200以上のビッカース硬度を有してお
り、1〜60μm、好ましくは16〜40μmの平均粒
径を有していることが望ましい。
【0052】上述した高硬度微粒子付着工程は、高硬度
微粒子3を、捲回されたプリプレグ、即ち、捲回層1の
外周に機械的な手段を用いて付着させればよいが、補強
繊維又はヤーンに合成樹脂を含浸させると共にその表面
に高硬度微粒子を付着させたプリプレグを、上述した捲
回層1の外周に周方向に捲回又は織成してもよい。
【0053】後述する平滑シート装着工程において、シ
ート4として、(1)内面が平滑であればよく、使用材
料として特別な制約を受けないもの、及び、(2)内面
が平滑であり、且つ、使用材料として特別な制約を受
け、離型性を有するものの何れかが使用されるが、前者
のタイプのシート4を使用する場合には、加熱処理工程
後における、シート4の積層管の表面からの除去の容易
化に鑑みて、高硬度微粒子付着工程において使用される
高硬度微粒子3に固体潤滑粉が混入される。
【0054】固体潤滑粉としては、シリコン樹脂粉、三
弗化または四弗化エチレン樹脂粉等を単独または2種以
上組み合わせて使用される。0.3乃至125μm、好
ましくは、10乃至40μmの平均粒径を有する固体潤
滑粉を使用することが望ましい。
【0055】又、高硬度微粒子付着工程において使用さ
れる高硬度微粒子3に着色剤を混入することも可能であ
る。着色剤としては、有機顔料、無機顔料、染料、金属
粉、乱反射材等が使用される。
【0056】有機顔料としては、非水溶性の金属化合物
化された染料が使用され、具体的には、ハンザイエロ
ー、イルガジンイエロー、ノババームオレンジ、ウォッ
チングレッド、レーキレッド4R、シンカシャレッド
B、ジオキサジンバイオレット、銅フタロシアニンブル
ー、銅フタロシアニングリーン等が使用される。
【0057】無機顔料としては、亜鉛、チタン、鉄、
鉛、クロム等の化合物が用いられ、具体的には、黄鉛、
黄鉛酸化鉄、チタンイエロー、カドミウムイエロー、モ
リブデートオレンジ、べんがら、カドミウムレッド、群
青、紺青、コバルトブルー、酸化クロム、コバルトグリ
ーン、コバルト紫等を用いる。
【0058】金属粉としては、例えば、純金粉、本銀
粉、錫粉、錫ナシジ、洋金粉、洋ナシジ、アルミニウム
粉、アルミニウムナシジ、各種金蒔絵用粉、アストロフ
レーク、エルジー、グリッター、青貝粉、鍍金硝子粉等
を用いる。
【0059】乱反射材としては、例えば、天然雲母に二
酸化チタンや酸化鉄を被覆したマイカパール箔等を用い
る。
【0060】平滑シート装着工程は、外周に高硬度微粒
子3が付着したプリプレグの捲回層1において、図1
(c)に示すように、成形される積層管の表面のシルク
印刷等の華飾を施す部分に内面が平滑なシート4を装着
することからなっている。このシート4を装着する目的
は、当該シート4の内面と接触する積層管の外周面を平
滑にすることにある。従って、このシート4は平滑な内
面を有している必要がある。
【0061】上述したシート4は、後に詳述する加熱処
理工程後に、積層管の表面から除去されるが、積層管の
表面からの除去を容易にするために、このシート4とし
て離型シートを使用することが望ましい。このような離
型シートとしては、プリプレグに含浸された合成樹脂と
の密着性に劣る素材、即ち、離型性に優れた素材、例え
ば、セロファン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ
アミド(ナイロン)等が使用される。具体的には、プリ
プレグに含浸される合成樹脂としてエポキシ樹脂を使用
した場合には、エポキシ樹脂との密着性に劣る素材、例
えば、ポリアミドの1つであるナイロン66が使用され
る。
【0062】成形される積層管の表面全体にシルク印刷
等の華飾を施す場合には、上述した離型シートをチュー
ブ状に成形し、このようにチューブ状に形成された離型
シートで、外周に高硬度微粒子3が付着したプリプレグ
の捲回層1の周りを被覆してもよい。
【0063】緊締工程は、外周に高硬度微粒子3が付着
し、且つ、成形される積層管の表面のシルク印刷等の華
飾を施す部分に内面が平滑なシート4が装着されたプリ
プレグの捲回層1の外周に、図1(d)に示すように、
ナイロン等のテープからなる緊締テープ5を所定のピッ
チで捲回することによって行われる。必要に応じて、緊
締テープ5の表面にシリコンコート等の離型処理が施さ
れる。
【0064】加熱処理工程は、芯金2に捲回されたプリ
プレグ1を、上述したシート4及び緊締テープ5と共
に、加熱炉中で加熱焼成することによって行われる。焼
成温度は、通常、120°C〜130°C程度であり、
処理時間は、通常、2〜3時間程度である。焼成ステッ
プの初期においては、プリプレグ中に含浸されている合
成樹脂が軟化し、捲回時に巻き込んだエアや、加熱によ
って生ずるガス等が緊締テープ5の隙間から外側に放出
されると共に、軟化した合成樹脂が緊締テープ5の捲回
状態に対応した形状に変形する。加熱処理工程における
加熱を更に継続すると、プリプレグ中に含浸されている
合成樹脂が硬化して、素管が形成される。
【0065】芯金等除去工程は、このようにして形成さ
れた素管の内側における芯金2を引き抜くと共に、同素
管の外側における緊締テープ5及びシート4を除去する
ことからなっている。シート4として、離型シートを使
用した場合には、その自らの特性によって、又、離型シ
ート以外の任意の素材からなるシートを使用した場合に
は、高硬度微粒子に混入された固体潤滑粉の作用によっ
て、シート4は、焼成後の素管の外周面に接着されるこ
とはない。その結果、緊締テープ5を素管から除去する
ことによって、シート4も同時に除去される。
【0066】芯金等除去工程終了後に、図1(e)に示
すように、外周面に高硬度微粒子が均一に分散した積層
管Aが得られるが、このようにして得られた積層管Aの
外周面において、シート4が装着されていた部分は平滑
な表面に仕上げられ、そこにおいて、シルク印刷等の華
飾を施すことが容易になる。一方、積層管Aの外周面に
おいて、シート4が装着されていた部分以外の部分は、
緊締テープ5の捲回状態に対応した形状に仕上げられ
る。
【0067】次に、図2及び図3を参照して本発明の第
2の実施形態にかかる積層管の製造方法を説明する。図
2及び図3は、本発明の第2の実施形態にかかる積層管
の製造方法の各工程を示す概略断面図である。
【0068】本発明の第2の実施形態の製造方法は、プ
リプレグ捲回工程と、第1緊締工程と、第1加熱処理工
程と、緊締テープ除去工程と、塗料塗布工程と、平滑シ
ート装着工程と、第2緊締工程と、第2加熱処理工程
と、芯金等除去工程とからなっている。
【0069】プリプレグ捲回工程は、図2(a)に示す
ように、離型剤を塗布した芯金2に、所定の形状に裁断
した補強繊維に合成樹脂を含浸させたシート状のプリプ
レグを捲回することによって行われ、これによって、芯
金2の周囲にプリプレグの捲回層1が形成される。
【0070】ここにおいて使用されるプリプレグの構成
材料、その製造方法及びその捲回方法は、本発明の上述
した第1の実施形態にかかる製造方法におけるプリプレ
グ捲回工程において使用されるプリプレグのそれ等と同
一である。従って、それ等の説明を省略する。
【0071】第1緊締工程は、上述したプリプレグの捲
回層1の外周に、図2(b)に示すように、ナイロン等
のテープの表面にシリコンコート等の離型処理を施した
緊締テープ5を所定のピッチで捲回することによって行
われ、これによって、捲回層1が所定の外形形状を有す
るようにその形状制御が行われる。
【0072】第1加熱処理工程は、芯金2に捲回され、
且つ、上述したように、緊締テープ5によって覆われた
プリプレグの捲回層1を、加熱炉中で加熱焼成すること
によって行われる。
【0073】第1加熱処理工程の初期においては、プリ
プレグ中に含浸されている合成樹脂が軟化し、捲回時に
巻き込んだエアや、加熱によって生ずるガス等と共に、
捲回層1の外側に向かって流動する。
【0074】第1加熱処理工程における加熱を更に継続
すると、余分な合成樹脂や外周面に流動したエアやガス
が緊締テープ5の間から流出し、その後、合成樹脂が硬
化して、積層素管1aが形成される。上述した第1加熱
処理工程は、通常は、120〜160°Cで、2〜3時
間の間行われる。
【0075】緊締テープ除去工程は、第1加熱処理工程
によって合成樹脂が硬化することによって得られた積層
素管1aから緊締テープ5を取り除くことからなってい
る(図2(c)参照)。
【0076】この緊締テープ除去工程の後、必要に応じ
て、脱脂処理が施される。脱脂処理は、例えば、積層素
管2を水洗いした後に、60〜100°Cで20〜60
分間乾燥し、シンナー等を用いて積層素管2の表面に付
着した離型剤等を除去し、次いで、これを20°Cで1
0分間乾燥することによって行われる。
【0077】また、必要に応じて、脱脂処理を行う前
に、スコッチ、サンダー等を用いて、積層素管2の表面
上の余分な合成樹脂を研磨して除去する。
【0078】塗料塗布工程は、上述したプリプレグ1に
含浸された合成樹脂と同一系の樹脂に高硬度微粒子3を
混入した塗料6を、上述した積層素管1aの表面に塗布
することからなっている(図3(a)参照)。
【0079】高硬度微粒子3は、本発明の第1の実施形
態にかかる製造方法において使用された高硬度微粒子と
同一である。従って、その説明を省略する。
【0080】上述した樹脂には、必要に応じて、本発明
の第1の実施形態にかかる製造方法において使用された
固体潤滑粉と同一の固体潤滑粉が混入される。更に、上
述した樹脂には、必要に応じて、本発明の第1の実施形
態にかかる製造方法において使用された着色剤と同一の
着色剤が混入される。
【0081】積層素管1aの表面への上述した樹脂の塗
布には、噴霧、刷毛、シゴキ等の公知の手段が適宜選択
して適用される。
【0082】平滑シート装着工程は、プリプレグ1に含
浸された合成樹脂と同一系の樹脂に高硬度微粒子3を混
入した塗料6が外周面に塗布された上述した積層素管1
aにおいて、図3(b)に示すように、成形される積層
管の表面のシルク印刷等の華飾を施す部分に内面が平滑
なシート4を装着することからなっている。このシート
4を装着する目的は、本発明の上述した第1の実施形態
にかかる製造方法におけると同様に、当該シート4の内
面と接触する積層管の外周面を平滑にすることにある。
従って、このシート4は平滑な内面を有している必要が
ある。
【0083】本発明の上述した第1の実施形態にかかる
製造方法におけると同様に、このシート4として離型シ
ートを使用することが望ましい。この離型シートは、同
第1の実施形態にかかる製造方法における離型シートと
同一である。従って、その素材の説明を省略する。
【0084】成形される積層管の表面全体にシルク印刷
等の華飾を施す場合には、上述した離型シートをチュー
ブ状に成形し、このようにチューブ状に形成された離型
シートで、外周に高硬度微粒子3を混入した塗料6が塗
布された積層素管1aの周りを被覆してもよい。
【0085】第2緊締工程は、外周に高硬度微粒子3を
混入した塗料6が塗布され、且つ、成形される積層管の
表面のシルク印刷等の華飾を施す部分に内面が平滑なシ
ート4が装着され積層素管1a外周に、図3(c)に示
すように、ナイロン等のテープからなる緊締テープ5を
所定のピッチで捲回することによって行われる。必要に
応じて、緊締テープ5の表面にシリコンコート等の離型
処理が施される。
【0086】第2加熱処理工程は、内部に芯金2が挿入
された積層素管1aを、上述したシート4及び緊締テー
プ5と共に、加熱炉中で加熱焼成することによって行わ
れる。焼成温度は、通常、120°C〜130°C程度
であり、処理時間は、通常、2〜3時間程度である。
【0087】第2加熱処理工程の初期においては、塗布
された樹脂が軟化すると共に、積層素管2を形成したプ
リプレグ中に含浸されている合成樹脂も若干軟化して、
これ等両者の樹脂組成が緊密に結合する。
【0088】第2加熱処理工程における加熱を更に継続
すると、塗布された樹脂と共に、積層素管2を形成した
プリプレグ中に含浸されている合成樹脂も硬化して、こ
れ等両者の樹脂が一体に密着成形される。
【0089】芯金等除去工程は、このようにして形成さ
れた積層素管の内側における芯金2を引き抜くと共に、
同積層素管の外側における緊締テープ5及びシート4を
除去することからなっている。シート4として、離型シ
ートを使用した場合には、その自らの特性によって、
又、離型シート以外の任意の素材からなるシートを使用
した場合には、高硬度微粒子に混入された固体潤滑粉の
作用によって、シート4は、焼成後の積層素管の外周面
に接着されることはない。その結果、緊締テープ5を素
管から除去することによって、シート4も同時に除去さ
れる。
【0090】芯金等除去工程終了後に、図3(d)に示
すように、外周面に高硬度微粒子が均一に分散した積層
管Aが得られるが、このようにして得られた積層管Aの
外周面において、シート4が装着されていた部分は平滑
な表面に仕上げられ、そこにおいて、シルク印刷等の華
飾を施すことが容易になる。一方、積層管Aの外周面に
おいて、シート4が装着されていた部分以外の部分は、
緊締テープ5の捲回状態に対応した形状に仕上げられ
る。
【0091】次に、図4を参照して本発明の第3の実施
形態にかかる積層管の製造方法を説明する。図4は、本
発明の第3の実施形態にかかる積層管の製造方法の、積
層素管形成後における各工程を示す概略断面図である。
【0092】本発明の第3の実施形態の製造方法は、プ
リプレグ捲回工程と、第1緊締工程と、第1加熱処理工
程と、緊締テープ除去工程と、塗料塗布工程と、高硬度
微粒子付着工程と、平滑シート装着工程と、第2緊締工
程と、第2加熱処理工程と、芯金等除去工程とからなっ
ている。
【0093】本発明の第3の実施形態の製造方法におけ
る、積層素管を形成するまでの工程、即ち、プリプレグ
捲回工程、第1緊締工程、第1加熱処理工程及び緊締テ
ープ除去工程は、図2を参照して上述した本発明の第2
の実施形態の製造方法におけるそれ等の工程と同一であ
る。
【0094】更に、本発明の第3の実施形態の製造方法
における平滑シート装着工程、第2緊締工程、第2加熱
処理工程及び芯金等除去工程も、本発明の上述した第2
の実施形態の製造方法におけるそれらの工程と同一であ
る。従って、これら同一の工程に関連ある構成要素に同
一の符号を付し、これらの工程の説明を省略する。
【0095】本発明の上述した第2の実施形態の製造方
法の塗料塗布工程においては、積層素管1aの表面に塗
布される樹脂には高硬度微粒子3が混入されているが、
本発明の第3の実施形態の製造方法の塗料塗布工程にお
いては、樹脂に高硬度微粒子3を混入することなく、こ
の樹脂のみを予め積層素管1aの外周面に塗布し、これ
を半乾燥させ、このように半乾燥された塗料の外周に高
硬度微粒子を付着させている。
【0096】即ち、本発明の第3の実施形態の製造方法
の塗料塗布工程は、積層素管1aの外周面に、プリプレ
グに含浸された合成樹脂と同一系の合成樹脂からなる塗
料を塗布し、これを半乾燥させることからなっており
(図4(a)参照)、同製造方法における高硬度微粒子
付着工程は、このように半乾燥された塗料の外周に高硬
度微粒子3を付着させることからなっている(図4
(b)参照)。
【0097】このように積層素管1aの外周面に塗布さ
れる塗料、及び、半乾燥した塗料の外周に付着される高
硬度微粒子は、本発明の上述した第2の実施形態の製造
方法の塗料塗布工程におけるそれ等と同一である。従っ
て、それ等の説明を省略する。
【0098】又、半乾燥した塗料の外周に付着される高
硬度微粒子に、本発明の上述した第2の実施形態の製造
方法の塗料塗布工程において使用した固体潤滑粉及び/
又は着色剤を混入することも可能である。
【0099】上述した高硬度微粒子付着工程を行なった
後、本発明の上述した第2の実施形態の製造方法におけ
る平滑シート装着工程、第2緊締工程、第2加熱処理工
程及び芯金等除去工程と同一の工程がこの順序で行なわ
れる。
【0100】芯金等除去工程終了後に、図4(e)に示
すように、外周面に高硬度微粒子が均一に分散した積層
管Aが得られるが、このようにして得られた積層管Aの
外周面において、シート4が装着されていた部分は平滑
な表面に仕上げられ、そこにおいて、シルク印刷等の華
飾を施すことが容易になる。一方、積層管Aの外周面に
おいて、シート4が装着されていた部分以外の部分は、
緊締テープ5の捲回状態に対応した形状に仕上げられ
る。
【0101】上述した本発明の第1乃至第3の実施形態
にかかる製造方法において、高硬度微粒子3に固体潤滑
粉を混入させた場合には、積層管Aの外周面から固体潤
滑粉が露出するために、この積層管を釣り竿に使用した
場合には、釣り竿表面に付着した水滴又は釣り糸に付着
した水滴に起因する積層管表面への釣り糸の付着が効果
的に防止され、もって、釣り糸の繰り出し・巻き取り操
作の円滑化を図ることが可能である。
【0102】高硬度微粒子を固体潤滑粉と共に使用する
場合には、固体潤滑粉に対する高硬度微粒子の重量比
は、通常、80:20乃至20:80程度であるが、積
層管の用途、例えば、釣り竿等の特定の用途に応じて、
この重量比を変化させてもよい。
【0103】上述した本発明の第1乃至第3の実施形態
にかかる製造方法において、平滑なシート4として離型
シートを使用した場合には、平滑シート装着工程の後
に、離型シート装着面以外の部分に、着色剤及び/又は
固体潤滑粉を付着する工程を付加することも可能であ
る。
【0104】又、上述した本発明の第1乃至第3の実施
形態にかかる製造方法において、着色剤として銀粉等の
抗菌性素材を使用すれば、積層管の表面に付着した餌等
に起因する菌の繁殖を抑制する効果が得られる。
【0105】尚、上述した本発明の第2及び第3の実施
形態にかかる製造方法において、芯金2の除去は、最後
に行なわれる芯金等除去工程において1回のみ行なわれ
るものとして説明したが、第1加熱処理工程の終了後
に、芯金2を積層素管1aから除去し、第2加熱処理工
程前に、積層素管1aに芯金2を再び挿入してもよい。
【0106】
【発明の効果】上述した本発明の方法によれば、先行技
術Aによってもたらされる効果を維持すると共に、積層
管表面にシルク印刷等による華飾を施す場合に、インキ
の滲み及び文字やデザインの曲がりを防止し、美麗な華
飾を施すことが可能な積層管の製造方法を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態にかかる積層管の製造
方法の各工程を示す概略断面図。
【図2】本発明の第2の実施形態にかかる積層管の製造
方法における積層素管の形成までの各工程を示す概略断
面図。
【図3】本発明の第2の実施形態にかかる積層管の製造
方法における積層素管の形成以後の各工程を示す概略断
面図。
【図4】本発明の第3の実施形態にかかる積層管の製造
方法における積層管の形成以後の各工程を示す概略断面
図。
【符号の説明】
1:プリプレグの捲回層 1a:積層素管 2:芯金 3:高硬度微粒子 4:シート 5:緊締テープ 6:塗料 A:積層管

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 離型剤を塗布した芯金に捲回された、補
    強繊維に合成樹脂を含浸させてなるプリプレグの外周に
    高硬度微粒子を付着させた後に、この外周を緊締テープ
    で緊締し、これを定法によって加熱処理して、前記プリ
    プレグを硬化させ、次いで、前記芯金を引き抜くと共に
    前記緊締テープを除去することからなる積層管の製造方
    法において、 捲回されたプリプレグの外周に高硬度微粒子を付着させ
    る工程と、この外周を緊締テープで緊締する工程との間
    に、成形される積層管の表面のシルク印刷等の華飾を施
    す部分に内面が平滑なシートを装着する工程を付加した
    ことを特徴とする積層管の製造方法。
  2. 【請求項2】 離型剤を塗布した芯金に捲回された、補
    強繊維に合成樹脂を含浸させてなるプリプレグの外周を
    緊締テープで緊締し、これを定法によって加熱処理し
    て、前記プリプレグを硬化させ、次いで、前記緊締テー
    プを除去して、積層素管を形成し、該積層素管の外周面
    に、前記プリプレグに含浸された合成樹脂と同一系の合
    成樹脂に高硬度微粒子を混入した塗料を塗布し、このよ
    うに塗布された塗料の外周を緊締テープで緊締し、これ
    を定法によって再度加熱処理して、前記塗料を硬化さ
    せ、次いで、前記芯金を引き抜くと共に前記緊締テープ
    を除去することからなる積層管の製造方法において、 高硬度微粒子を混入した前記塗料を前記積層素管の外周
    面に塗布する工程と、このように塗布された前記塗料の
    外周を前記緊締テープで緊締する工程との間に、成形さ
    れる積層管の表面のシルク印刷等の華飾を施す部分に内
    面が平滑なシートを装着する工程を付加したことを特徴
    とする積層管の製造方法。
  3. 【請求項3】 離型剤を塗布した芯金に捲回された、補
    強繊維に合成樹脂を含浸させてなるプリプレグの外周を
    緊締テープで緊締し、これを定法によって加熱処理し
    て、前記プリプレグを硬化させ、次いで、前記緊締テー
    プを除去して、積層素管を形成し、該積層素管の外周面
    に、前記プリプレグに含浸された合成樹脂と同一系の合
    成樹脂からなる塗料を塗布し、これを半乾燥させ、この
    ように半乾燥された塗料の外周に高硬度微粒子を付着さ
    せ、この外周を緊締テープで緊締し、これを定法によっ
    て再度加熱処理して、前記塗料を硬化させ、次いで、前
    記芯金を引き抜くと共に前記緊締テープを除去すること
    からなる積層管の製造方法において、 前記半乾燥された塗料の外周に高硬度微粒子を付着させ
    る工程と、この外周を前記緊締テープで緊締する工程と
    の間に、成形される積層管の表面のシルク印刷等の華飾
    を施す部分に内面が平滑なシートを装着する工程を付加
    したことを特徴とする積層管の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記シートが離型シートからなることを
    特徴とする請求項1乃至請求項3に記載した積層管の製
    造方法。
  5. 【請求項5】 前記高硬度微粒子に固体潤滑粉を混入す
    ることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1つ
    に記載した積層管の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記高硬度微粒子に着色剤を混入するこ
    とを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1つに記
    載した積層管の製造方法。
  7. 【請求項7】 成形される積層管の表面のシルク印刷等
    の華飾を施す部分に内面が平滑な離型シートを装着する
    工程の後に、前記離型シート装着面以外の部分に、着色
    剤及び/又は固体潤滑粉を付着する工程を付加したこと
    を特徴とする請求項4に記載した積層管の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007300887A (ja) * 2006-05-15 2007-11-22 Shimano Inc 釣り竿用の竿体及びその製造方法
JP2009255407A (ja) * 2008-04-17 2009-11-05 Fuji Heavy Ind Ltd 樹脂管の製造方法

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