JPH10295226A - 釣り竿等の積層管の製造方法 - Google Patents

釣り竿等の積層管の製造方法

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JPH10295226A
JPH10295226A JP10690197A JP10690197A JPH10295226A JP H10295226 A JPH10295226 A JP H10295226A JP 10690197 A JP10690197 A JP 10690197A JP 10690197 A JP10690197 A JP 10690197A JP H10295226 A JPH10295226 A JP H10295226A
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JP
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prepreg
wound
woven fabric
outer periphery
laminated pipe
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JP10690197A
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Akira Yasui
晃 安井
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Ryobi Ltd
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Ryobi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 積層管の表面に微細な凹凸部を容易に形成し
て、その表面に対する塗料密着性を改善する。 【解決手段】 離型剤を塗布した芯金2に、補強繊維に
合成樹脂を含浸させたプリプレグ1を捲回し、このよう
に捲回されたプリプレグ1の外周に、プリプレグ1に含
浸させた合成樹脂との密着性に劣る合成繊維からなる織
物3aを捲回する。次いで、このように捲回された織物
3aの外周を緊締テープ4で緊締し、これを定法によっ
て加熱処理して、プリプレグ1を硬化させ、次いで、芯
金2を引き抜くと共に緊締テープ4及び織物3aを除去
し、かくして、表面に凹凸部を有する積層管Aを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層管、特に、釣
り竿等の表面への華飾が容易な繊維補強合成樹脂積層管
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】繊維補強合成樹脂積層管は、釣り竿、ゴ
ルフクラブのシャフト、テニスやバドミントンのラケッ
ト等の高弾性・軽量が求められる素材として多様されて
いる。
【0003】これらの積層管は、求められる弾性強力に
応じて一方向引き揃えシートプリプレグを軸方向に捲回
すると共に、該一方向引き揃えシートプリプレグの補強
繊維間の結束力を高めるために、ヤーンプリプレグ、テ
ーププリプレグ、クロスプリプレグ等を周方向に捲回
し、更に、これ等の外周に緊締テープを捲回して、これ
を加圧・焼成することによって、前記プリプレグを硬化
させて、素管を形成し、次いで、芯金の脱芯、緊締テー
プの除去、表面研磨、水洗、乾燥、下地処理、再乾燥、
塗料の塗布による塗膜の形成、塗膜乾燥という複雑な仕
上げ工程を経て形成されていた。
【0004】しかし、従来の積層管の仕上げは、素管の
表面を研磨した後に素管表面に塗料を塗布乾燥させて塗
膜を形成することによって行われるために、表面研磨時
に補強繊維を損傷して積層管の機械的物性を損なう傾向
にあった。また、素管の研磨面における塗膜の形成状態
は、塗膜形成用塗料の接着力のみによって保持されてい
るために、積層管の表面から塗膜が剥離し易く、更に
は、塗膜についた傷や素管内周面から浸透した水等によ
って、素管と塗膜との間にブリスターが発生するという
問題があった。
【0005】上述した問題は、素管の表面に凹凸部を形
成し、もって、素管の表面に対する塗料の密着性を改善
することによって解決することができる。このような凹
凸部の形成に関して、特開平2−303816号公報
(以下、「先行技術A」という)には、芯金に捲回され
たプリプレグの外周面に離型層を設け、該離型層の外周
面を凹凸形成部材で覆い、該凹凸形成部材の外周面を緊
締テープで緊締し、これを定法によって加熱処理して、
前記プリプレグを硬化させ、次いで、前記芯金を引き抜
くと共に前記緊締テープ、凹凸形成部材及び離型層を除
去し、かくして、表面に凹凸部を有する積層管を製造す
るための方法が開示されている。先行技術Aによれば、
積層管の表面に形成された凹凸部によって、握り易い握
り部や固着し難い継ぎ部を提供することが可能である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、先行技
術Aにおいて、積層管表面の凹凸部は、プリプレグの捲
回層の外周面を、セロファン等のテープやシートからな
る離型層を介して、凹凸形成部材によって押圧すること
によって形成されるため、積層管の表面に微細な凹凸部
を形成することができず、その結果、積層管の表面に対
する塗料密着性を向上することはできなかった。
【0007】本発明は、上述した先行技術Aの問題点に
鑑みて、積層管の表面に微細な凹凸部を容易に形成し
て、その表面に対する塗料密着性を改善することが可能
な、釣り竿等の積層管の製造方法を提供することを目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の本発明の釣り
竿等の積層管の製造方法は、離型剤を塗布した芯金
(2)に、補強繊維に合成樹脂を含浸させたプリプレグ
(1)を捲回し、このように捲回されたプリプレグ
(1)の外周に、前記プリプレグ(1)に含浸させた前
記合成樹脂との密着性に劣る合成繊維からなる織物(3
a)を捲回し、このように捲回された織物(3a)の外
周を緊締テープ(4)で緊締し、これを定法によって加
熱処理して、前記プリプレグ(1)を硬化させ、次い
で、前記芯金(2)を引き抜くと共に前記緊締テープ
(4)及び前記織物(3a)を除去し、かくして、表面
に凹凸部を有する積層管(A)を得ることを特徴として
いる。
【0009】この製造方法によれば、以下の効果がもた
らされる。
【0010】 芯金に捲回されたプリプレグの外周
に、このプリプレグに含浸させた合成樹脂との密着性に
劣る合成繊維からなる織物を捲回し、これを加圧・焼成
してプリプレグを硬化させた後に、織物を除去すること
によって、積層管の表面に微細な凹凸部が形成されるた
め、捲回されたプリプレグの外周面が織物によって直接
的に押圧され、その結果、織物のメッシュに応じた微細
な凹凸部が積層管の表面に一体に形成される。
【0011】 積層管の表面に微細な凹凸部が一体に
形成されるため、この凹凸部を釣り竿等の把持部に形成
した場合は、同把持部が細かな梨地模様となって滑り難
く、快い把持心地を使用者に与えることができる。
【0012】 積層管の表面に微細な凹凸部が一体に
形成されるため、これに塗料を塗布した場合は、積層管
表面への塗料密着性が向上し、塗膜の剥離や、積層管表
面と塗膜との間にブリスターの発生を防止することがで
きる。
【0013】請求項2の本発明の釣り竿等の積層管の製
造方法は、離型剤を塗布した芯金(2)に、補強繊維に
合成樹脂を含浸させたプリプレグ(1)を捲回し、この
ように捲回されたプリプレグ(1)の外周に接触する面
に撥水性及び離型性を有する固体潤滑粉を付着させた織
物(3b)を捲回し、このように捲回された織物3bの
外周を緊締テープ(4)で緊締し、これを定法によって
加熱処理して、前記プリプレグ(1)を硬化させ、次い
で、前記芯金(2)を引き抜くと共に前記緊締テープ
(4)及び前記織物(3b)を除去し、かくして、表面
に凹凸部を有する積層管(A)を得ることを特徴として
いる。
【0014】請求項3の本発明の釣り竿等の積層管の製
造方法は、離型剤を塗布した芯金(2)に、補強繊維に
合成樹脂を含浸させたプリプレグ(1)を捲回し、この
ように捲回されたプリプレグ(1)の外周に撥水性及び
離型性を有する固体潤滑粉(5)を付着させ、その外周
に織物(3c)を捲回し、このように捲回された織物
(3c)の外周を緊締テープ(4)で緊締し、これを定
法によって加熱処理して、前記プリプレグ(1)を硬化
させ、次いで、前記芯金(2)を引き抜くと共に前記緊
締テープ(4)及び前記織物(3c)を除去し、かくし
て、表面に凹凸部を有する積層管(A)を得ることを特
徴としている。
【0015】請求項2及び請求項3に記載したこれ等の
製造方法によれば、以下の効果がもたらされる。
【0016】 捲回されたプリプレグの外周面又はこ
れと接触する織物の面に撥水性及び離型性を有する固体
潤滑粉を付着させているために、捲回されたプリプレグ
の外周に更に捲回される織物の素材の限定を受けず、し
かも、積層管の加圧焼成後の織物の除去作業を容易に行
なうことができる。
【0017】 加圧焼成時に、捲回されたプリプレグ
の外周面に撥水性及び離型性を有する固体潤滑粉が埋設
した状態で残存し、加圧焼成によって得られた積層管の
外周面から固体潤滑粉が露出するために、この積層管を
釣り竿に使用した場合には、釣り竿表面に付着した水滴
又は釣り糸に付着した水滴に起因する積層管表面への釣
り糸の付着が効果的に防止され、もって、釣り糸の繰り
出し・巻き取り操作の円滑化を図ることが可能である。
【0018】請求項4の本発明の釣り竿等の積層管の製
造方法は、請求項1乃至請求項3の何れか1つの方法に
おいて、捲回された前記プリプレグ(1)の外周面又は
これと接触する前記織物(3a、3b、3c)の面に高
硬度微粒子を付着させることを特徴としている。
【0019】この製造方法によれば、以下の効果がもた
らされる。
【0020】 捲回されたプリプレグの外周面又はこ
れと接触する織物の面に高硬度微粒子を付着させている
ため、積層管の外周面に塗装を施すことなく、最外層に
おいて十分な表面硬度が得られ、十分な表面硬度を有す
る最外層を形成するために従来施されていた塗装工程を
省略することができ、これによって、製造工程の簡易化
が図れ、更に、積層管の軽量化を図ることができる。
【0021】 積層管表面に一体に形成された微細な
凹凸部において、十分な表面硬度が得られるため、この
凹凸部の摩滅・損傷の防止が図れ、滑り難い快い把持心
地を長期間に亘って使用者に与えることができる。
【0022】 十分な表面硬度を有する最外層を形成
するために従来施されていた塗装工程を省略することが
できるため、最外層としての塗膜の剥離や素管と塗膜と
の間にブリスターの発生等の従来のトラブルを皆無にす
ることができる。
【0023】請求項5の本発明の釣り竿等の積層管の製
造方法は、請求項1乃至請求項4の何れか1つの方法に
おいて、捲回された前記プリプレグ(1)の外周面又は
これと接触する前記織物(3a、3b、3c)の面に着
色剤を付着させることを特徴としている。
【0024】この製造方法によれば、捲回されたプリプ
レグの外周面又はこれと接触する織物の面に着色剤を付
着させているため、付着させるべき着色剤の種類を適宜
選択して使用することによって、積層管の表面を任意の
色に着色することができるという効果がもたらされる。
【0025】以下、本発明の実施形態を示す図面に対応
付けて本発明を説明する。但し、本発明は図示の形態に
限定されない。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、図1を参照して本発明の第
1の実施形態にかかる釣り竿等の積層管の製造方法を説
明する。図1は、本発明の第1の実施形態にかかる釣り
竿等の積層管の製造方法の各工程を示す概略断面図であ
る。
【0027】本発明の第1の実施形態の製造方法は、プ
リプレグ捲回工程と、織物捲回工程と、緊締工程と、加
熱処理工程と、芯金等除去工程とからなっている。
【0028】プリプレグ捲回工程は、図1(a)に示す
ように、離型剤を塗布した芯金2に、所定の形状に裁断
した補強繊維に合成樹脂を含浸させたシート状のプリプ
レグを捲回することによって行われ、これによって、芯
金2の周囲にプリプレグの捲回層1が形成される。
【0029】ここで、プリプレグは、例えば、溶融状態
にした樹脂原料を高強度高弾性繊維強化材に含浸させる
ことにより、定法によって容易に得ることができる。例
えば、エポキシ樹脂を離型紙上にコーティングしてフィ
ルム化し、次いで、このフィルムを高強度高弾性繊維強
化材にラミネートすることによりプリプレグを得ること
ができる。
【0030】高強度高弾性繊維強化材としては、例え
ば、炭素繊維、ガラス繊維、セラミック繊維、ジルコニ
ア繊維、ボロン繊維、チタン繊維、チタン箔テープ、ス
テンレス繊維、ベリリウム繊維等の無機繊維;綿、亜
麻、大麻、ジュート、サイザル麻等の天然繊維;芳香族
ポリアミド系繊維、ポリエステル系繊維等の耐熱性有機
合成繊維等が挙げられる。これらの繊維強化材は、樹脂
との接着性を高めることを目的として、例えば、ボラ
ン、シラン、アミノシラン等により予め表面処理されて
いてもよい。これらの繊維強化時は単独で又は2種以上
組み合わせて用いることができる。
【0031】高強度高弾性繊維強化材は、例えば、一方
向の連続繊維、クロス、ロービング、ロービングクロ
ス、チョップドストランドマット等の形状で用いられ
る。
【0032】このような高強度高弾性繊維強化材に含浸
される樹脂原料としては、通常の繊維強化樹脂に用いら
れるものが好適に使用される。具体的には、エポキシ樹
脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ポ
リイミド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド初期縮合
物、ポリウレタン樹脂組成物等の熱硬化性樹脂を使用す
ることが望ましい。
【0033】複合材における高強度高弾性繊維強化材の
含有割合は、例えば、樹脂原料の溶融粘度、強化材の種
類又は形態等に応じて適宜決定し得るが、通常は、複合
材全体の容積に対して50〜70容積%程度、好ましく
は、55〜65容積%程度である。
【0034】以上のようにして得られるプリプレグは、
通常、120〜180°Cの温度で120〜140分間
程度加熱することにより硬化して、高強度高弾性繊維強
化樹脂からなる複合材料を提供するものである。
【0035】尚、シート状のプリプレグは、積層管の軸
方向に一方向に補強繊維を引き揃えたものを複数プライ
捲着する他、本発明においては、積層管に対して補強繊
維が軸方向になるように配向された一方向引き揃えシー
トプリプレグと、積層管に対して補強繊維が周方向にな
るように配向した一方向引き揃えシートプリプレグと
を、それぞれ任意の数だけ形成するように捲回してもよ
い。また、クロスプリプレグやスクリムシート等を介在
させたものを捲回してもよい。捲回構造やプリプレグの
種類等は、任意に選択して使用される。
【0036】織物捲回工程は、図1(b)に示すよう
に、捲回されたプリプレグ、即ち、捲回層1の外周に、
プリプレグに含浸させた上述した合成樹脂との密着性に
劣る合成繊維からなる織物3aを捲回することからなっ
ている。上述した合成樹脂との密着性に劣る合成繊維と
しては、例えば、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリエ
チレン等が使用される。具体的には、プリプレグにエポ
キシ樹脂を含浸させた場合には、エポキシ樹脂との密着
性に劣る合成繊維として、例えば、ポリアミドの1つで
あるナイロン66が使用される。
【0037】この場合において、ナイロン66を縦糸及
び横糸として織成したクロスシートを所定形状に裁断し
たものを織物3aとして使用する。このようなクロスシ
ートは、通常、プリプレグの捲回層1の外周に1プライ
だけ捲回される。
【0038】但し、このような織物捲回工程は、上述し
たように、クロスシートを1プライだけ捲回することに
限定されるものではなく、複数プライ捲回してもよく、
また、ブレーディングマシーン等によって合成繊維をプ
リプレグの捲回層1の外周に筒状に織成してもよく、更
に、ワインディングマシーン等によって合成繊維クロス
テープをプリプレグの捲回層1の外周に所定のピッチで
螺旋状に捲回してもよい。
【0039】上述した織物3aは、単一種類の合成繊維
に限定されるものではなく、複数種類の合成繊維を混織
してもよい。
【0040】緊締工程は、図1(c)に示すように、上
述した織物捲回工程によって捲回された織物3aの外周
に、ナイロン等のテープからなる緊締テープ4を所定の
ピッチで捲回することによって行われる。ここにおい
て、織物3aは、上述したように、プリプレグに含浸さ
せた合成樹脂との密着性に劣っているため、プリプレグ
の加熱焼成後に織物3aは積層管から極めて容易に剥離
する。従って、従来の緊締テープにおけるように、その
表面にシリコンコート等の離型処理を施す必要はない。
【0041】加熱処理工程は、芯金2に捲回されたプリ
プレグ1を、織物3a及び緊締テープ4と共に、加熱炉
中で加熱焼成することによって行われる。焼成温度は、
通常、120°C〜130°C程度であり、処理時間
は、通常、2〜3時間程度である。焼成ステップの初期
においては、プリプレグ中に含浸されている合成樹脂が
軟化し、捲回時に巻き込んだエアや、加熱によって生ず
るガス等が織物3aの外側に放出されると共に、軟化し
た合成樹脂が織物3aのメッシュに対応した形状に変形
する。加熱処理工程における加熱を更に継続すると、プ
リプレグ中に含浸されている合成樹脂が硬化して、素管
が形成される。
【0042】芯金等除去工程は、このようにして形成さ
れた素管の内側における芯金2を引き抜くと共に、同素
管の外側における緊締テープ4及び織物3cを除去する
ことからなっている。これによって、図1(d)に示す
ように、織物3aのメッシュ及び織成ピッチに応じた微
細な凹凸部が表面に一体に形成された積層管Aが得られ
る。
【0043】次に、図2を参照して本発明の第2の実施
形態にかかる釣り竿等の積層管の製造方法を説明する。
図2は、本発明の第2の実施形態にかかる釣り竿等の積
層管の製造方法の各工程を示す概略断面図である。
【0044】本発明の第2の実施形態の製造方法は、本
発明の上述した第1の実施形態の製造方法におけると同
様に、プリプレグ捲回工程と、織物捲回工程と、緊締工
程と、加熱処理工程と、芯金等除去工程とからなってい
る。
【0045】本発明の第2の実施形態の製造方法におけ
るプリプレグ捲回工程、緊締工程、加熱処理工程及び芯
金等除去工程は、本発明の上述した第1の実施形態の製
造方法におけるそれらの工程と同一である。従って、こ
れら同一の工程に関連ある構成要素に同一の符号を付
し、これらの工程の説明を省略する。
【0046】本発明の上述した第1の実施形態の製造方
法における織物捲回工程は、プリプレグの捲回層1の外
周に、プリプレグに含浸させた合成樹脂との密着性に劣
る合成繊維からなる織物3aを捲回することからなって
いるが、本発明の第2の実施形態の製造方法における織
物捲回工程は、プリプレグの捲回層1の外周に、これに
接触する面に撥水性及び離型性を有する固体潤滑粉5を
予め付着させた織物3bを捲回することからなってい
る。
【0047】固体潤滑粉5としては、例えば、シリコー
ン樹脂粉、四弗化エチレン樹脂等の弗素樹脂粉等が挙げ
られる。この種の固体潤滑粉5は、単一の種類で使用し
てもよく、また、複数種類を組み合わせて使用してもよ
い。固体潤滑粉5の平均粒径は、通常、0.3〜125
μm程度であり、好ましくは、10〜40μm程度であ
る。
【0048】このような織物捲回工程を含む本発明の第
2の実施形態の製造方法によれば、本発明の上述した第
1の実施形態の製造方法におけると同様に、図2(d)
に示すように、織物3bのメッシュ及び織成ピッチに応
じた微細な凹凸部が表面に一体に形成された積層管Aが
得られるが、プリプレグの捲回層1の外周に接触する織
物3bの面に、撥水性及び離型性を有する固体潤滑粉5
が予め付着しているために、プリプレグの捲回層1の外
周に更に捲回される織物3bの素材の限定を受けず、し
かも、積層管の加圧焼成後の織物の除去作業を容易に行
なうことができる。
【0049】また、加圧焼成時に、プリプレグの捲回層
1の外周面に撥水性及び離型性を有する固体潤滑粉5が
埋設した状態で残存し、加圧焼成によって得られた積層
管の外周面から固体潤滑粉5が露出するために、この積
層管を釣り竿に使用した場合には、釣り竿表面に付着し
た水滴又は釣り糸に付着した水滴に起因する積層管表面
への釣り糸の付着が効果的に防止され、もって、釣り糸
の繰り出し・巻き取り操作の円滑化を図ることが可能で
ある。
【0050】次に、図3を参照して本発明の第3の実施
形態にかかる釣り竿等の積層管の製造方法を説明する。
図3は、本発明の第3の実施形態にかかる釣り竿等の積
層管の製造方法の各工程を示す概略断面図である。
【0051】本発明の第3の実施形態の製造方法は、プ
リプレグ捲回工程と、固体潤滑粉付着工程と、織物捲回
工程と、緊締工程と、加熱処理工程と、芯金等除去工程
とからなっている。
【0052】本発明の第3の実施形態の製造方法におい
て、固体潤滑粉付着工程及び織物捲回工程を除く、プリ
プレグ捲回工程、緊締工程、加熱処理工程及び芯金等除
去工程は、本発明の上述した第1の実施形態の製造方法
におけるそれらの工程と同一である。従って、これら同
一の工程に関連ある構成要素に同一の符号を付し、これ
らの工程の説明を省略する。
【0053】固体潤滑粉付着工程は、図3(b)に示す
ように、プリプレグの捲回層1の外周に、撥水性及び離
型性を有する固体潤滑粉5を付着させることからなって
いる。固体潤滑粉5としては、例えば、シリコーン樹脂
粉、四弗化エチレン樹脂等の弗素樹脂粉等が挙げられ
る。この種の固体潤滑粉5は、単一の種類で使用しても
よく、また、複数種類を組み合わせて使用してもよい。
固体潤滑粉5の平均粒径は、通常、0.3〜125μm
程度であり、好ましくは、10〜40μm程度である。
【0054】上述した固体潤滑粉付着工程によって、プ
リプレグの捲回層1の外周には、固体潤滑粉5からなる
層が形成されるが、織物捲回工程は、このように形成さ
れた固体潤滑粉5からなる層の外周に織物3cを捲回す
ることからなっている(図3(c)参照)。この織物捲
回工程においては、これに先立って行なわれる固体潤滑
粉付着工程によって、プリプレグの捲回層1の外周に、
撥水性及び離型性を有する固体潤滑粉5が付着している
ため、織物3cとプリプレグの捲回層1との離型性を考
慮する必要は全くなく、換言すれば、織物3cとして使
用される素材の制約を受けることなく、所望のメッシュ
及び織成ピッチを有する織物を任意に選択して使用する
ことができる。
【0055】このような固体潤滑粉付着工程及び織物捲
回工程を含む本発明の第3の実施形態の製造方法によれ
ば、本発明の上述した第1の実施形態の製造方法におけ
ると同様に、図3(e)に示すように、織物3cのメッ
シュ及び織成ピッチに応じた微細な凹凸部が表面に一体
に形成された積層管Aが得られるが、上述したように織
物3cとして使用される素材の制約を受けることなく、
積層管の加圧焼成後の織物の除去作業を容易に行なうこ
とができる。
【0056】また、加圧焼成時に、プリプレグの捲回層
1の外周面に撥水性及び離型性を有する固体潤滑粉5が
埋設した状態で残存し、加圧焼成によって得られた積層
管の外周面から固体潤滑粉5が露出するために、この積
層管を釣り竿に使用した場合には、釣り竿表面に付着し
た水滴又は釣り糸に付着した水滴に起因する積層管表面
への釣り糸の付着が効果的に防止され、もって、釣り糸
の繰り出し・巻き取り操作の円滑化を図ることが可能で
ある。
【0057】本発明の上述した第1乃至第3の実施形態
の製造方法において、捲回されたプリプレグ1の外周面
又はこれと接触する織物3a、3b、3cの面に高硬度
微粒子を付着させてもよい。
【0058】高硬度微粒子としては、アルミナ、Si
C、SiN、ジルコニア等の球状セラミック微粒子を使
用することが望ましい。このような高硬度微粒子は、5
50以上、好ましくは1200以上のビッカース硬度を
有しており、1〜60μm、好ましくは16〜40μm
の平均粒径を有していることが望ましい。
【0059】高硬度微粒子を固体潤滑粉と共に使用する
場合には、固体潤滑粉に対する高硬度微粒子の重量比
は、通常、80:20乃至20:80程度であるが、積
層管の用途、例えば、釣り竿等の特定の用途に応じて、
この重量比を変化させてもよい。
【0060】上述した高硬度微粒子付着工程を付加すれ
ば、下記効果がもたらされる。
【0061】 積層管の外周面に塗装を施すことな
く、最外層において十分な表面硬度が得られ、十分な表
面硬度を有する最外層を形成するために従来施されてい
た塗装工程を省略することができ、これによって、製造
工程の簡易化が図れ、更に、積層管の軽量化を図ること
ができる。
【0062】 積層管表面に一体に形成された微細な
凹凸部において、十分な表面硬度が得られるため、この
凹凸部の摩滅・損傷の防止が図れ、滑り難い快い把持心
地を長期間に亘って使用者に与えることができる。
【0063】 十分な表面硬度を有する最外層を形成
するために従来施されていた塗装工程を省略することが
できるため、最外層としての塗膜の剥離や素管と塗膜と
の間にブリスターの発生等の従来のトラブルを皆無にす
ることができる。
【0064】更に、本発明の上述した第1乃至第3の実
施形態の製造方法において、捲回されたプリプレグ1の
外周面又はこれと接触する織物3a、3b、3cの面に
着色剤を付着させてもよい。着色剤としては、有機顔
料、無機顔料、染料、金属粉、乱反射材等が使用され
る。
【0065】有機顔料としては、非水溶性の金属化合物
化された染料が使用され、具体的には、ハンザイエロ
ー、イルガジンイエロー、ノババームオレンジ、ウォッ
チングレッド、レーキレッド4R、シンカシャレッド
B、ジオキサジンバイオレット、銅フタロシアニンブル
ー、銅フタロシアニングリーン等が使用される。
【0066】無機顔料としては、亜鉛(Zn)、チタン
(Ti)、鉄(Fe)、鉛(Pb)、クロム(Cr)等
の化合物が用いられ、具体的には、黄鉛、黄鉛酸化鉄、
チタンイエロー、カドミウムイエロー、モリブデートオ
レンジ、べんがら、カドミウムレッド、群青、紺青、コ
バルトブルー、酸化クロム、コバルトグリーン、コバル
ト紫等を用いる。
【0067】金属粉としては、例えば、純金箔、本銀
箔、錫粉、錫梨子地、洋金粉、洋梨子地、アルミニウム
粉、アルミニウム梨子地、各種金蒔絵用粉、アストロフ
レーク、エルジー、グリッター、青貝粉、メッキ硝子粉
等を用いる。
【0068】乱反射材としては、例えば、天然雲母(マ
イカ)に二酸化チタンや酸化鉄を被覆したマイカパール
箔等を用いる。
【0069】上述した着色剤付着工程を付加すれば、付
着させるべき着色剤の種類を適宜選択して使用すること
によって、積層管の表面を任意の色に着色することがで
きる。
【0070】勿論、本発明の第1乃至第3の実施形態の
製造方法において、上述した高硬度微粒子付着工程及び
着色剤付着工程の双方を付加することも可能である。
【0071】
【発明の効果】上述した本発明の方法によれば、積層管
の表面に微細な凹凸部を容易に形成して、その表面に対
する塗料密着性を改善することが可能な、釣り竿等の積
層管の製造方法を提供することができ、かくして、産業
上有用な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態にかかる釣り竿等の積
層管の製造方法の各工程を示す概略断面図。
【図2】本発明の第2の実施形態にかかる釣り竿等の積
層管の製造方法の各工程を示す概略断面図。
【図3】本発明の第3の実施形態にかかる釣り竿等の積
層管の製造方法の各工程を示す概略断面図。
【符号の説明】
1:プリプレグの捲回層 2:芯金 3a、3b、3c:織物 4:緊締テープ 5:固体潤滑粉 A:積層管

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 離型剤を塗布した芯金に、補強繊維に合
    成樹脂を含浸させたプリプレグを捲回し、このように捲
    回されたプリプレグの外周に、前記プリプレグに含浸さ
    せた前記合成樹脂との密着性に劣る合成繊維からなる織
    物を捲回し、このように捲回された織物の外周を緊締テ
    ープで緊締し、これを定法によって加熱処理して、前記
    プリプレグを硬化させ、次いで、前記芯金を引き抜くと
    共に前記緊締テープ及び前記織物を除去し、かくして、
    表面に凹凸部を有する積層管を得ることを特徴とする釣
    り竿等の積層管の製造方法。
  2. 【請求項2】 離型剤を塗布した芯金に、補強繊維に合
    成樹脂を含浸させたプリプレグを捲回し、このように捲
    回されたプリプレグの外周に接触する面に撥水性及び離
    型性を有する固体潤滑粉を付着させた織物を捲回し、こ
    のように捲回された織物の外周を緊締テープで緊締し、
    これを定法によって加熱処理して、前記プリプレグを硬
    化させ、次いで、前記芯金を引き抜くと共に前記緊締テ
    ープ及び前記織物を除去し、かくして、表面に凹凸部を
    有する積層管を得ることを特徴とする釣り竿等の積層管
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 離型剤を塗布した芯金に、補強繊維に合
    成樹脂を含浸させたプリプレグを捲回し、このように捲
    回されたプリプレグの外周に撥水性及び離型性を有する
    固体潤滑粉を付着させ、その外周に織物を捲回し、この
    ように捲回された織物の外周を緊締テープで緊締し、こ
    れを定法によって加熱処理して、前記プリプレグを硬化
    させ、次いで、前記芯金を引き抜くと共に前記緊締テー
    プ及び前記織物を除去し、かくして、表面に凹凸部を有
    する積層管を得ることを特徴とする釣り竿等の積層管の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 捲回された前記プリプレグの外周面又は
    これと接触する前記織物の面に高硬度微粒子を付着させ
    ることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1つ
    に記載した釣り竿等の積層管の製造方法。
  5. 【請求項5】 捲回された前記プリプレグの外周面又は
    これと接触する前記織物の面に着色剤を付着させること
    を特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1つに記載
    した釣り竿等の積層管の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20010047714A (ko) * 1999-11-23 2001-06-15 조민호 직물 프리프레그를 이용한 봉상 구조물의 제조방법
US6601334B1 (en) * 1996-11-30 2003-08-05 Daiwa Seiko, Inc. Fishing rod

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