JPH09300496A - 積層管、この製造方法及びこれに使用されるプリプレグ - Google Patents

積層管、この製造方法及びこれに使用されるプリプレグ

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JPH09300496A
JPH09300496A JP8114867A JP11486796A JPH09300496A JP H09300496 A JPH09300496 A JP H09300496A JP 8114867 A JP8114867 A JP 8114867A JP 11486796 A JP11486796 A JP 11486796A JP H09300496 A JPH09300496 A JP H09300496A
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prepreg
fine particles
wound
synthetic resin
layer
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JP8114867A
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Hidetoshi Shigefuji
秀俊 重藤
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Ryobi Ltd
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Ryobi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ブリスターが生じず、仕上げ工程が簡略で、
表面研磨等による補強繊維の損傷を招かず、軽量な無塗
装の繊維補強合成樹脂積層管、その製造方法、及びその
製造に利用できるプリプレグを提供する 【解決手段】 本発明の積層管は、少なくとも、軸方向
に配向する補強繊維に合成樹脂を含浸させたシートプリ
プレグを捲回した層と、補強繊維又はそのヤーンに合成
樹脂を含浸し表面に高硬度微粒子又は高硬度微粒子と固
体潤滑粉とを付着させたプリプレグを周方向に捲回又は
織成した最外層とを有している。最外層の表面には、高
硬度微粒子又は高硬度微粒子と固体潤滑粉とが露出して
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無塗装・軽量積層
管に係わり、特に釣り竿に最適な繊維補強合成樹脂積層
管に係わるものである。
【0002】
【従来の技術】繊維補強合成樹脂積層管は、釣り竿やゴ
ルフクラブのシャフト、テニスやバドミントンのラケッ
ト等のような高弾性・軽量が求められる素材として多用
されている。
【0003】そしてこれらの積層管は、芯金上に、軸方
向に引き揃えたシートプリプレグを求められる弾性強力
に応じて捲回すると共に、この一方向引き揃えシートプ
リプレグ層を構成する各補強繊維間の結束力を高めるた
めにヤーンプリプレグ、テーププリプレグ、クロスプリ
プレグ等を周方向に捲回し、更にこれらの外周に巻き締
めテープを捲回し、加圧・焼成して各プリプレグ層を硬
化させることによって素管を形成した後に、芯金の脱
芯、巻き締めテープの除去、表面研磨、水洗、乾燥、下
地処理、再乾燥、塗料の塗布による塗膜の形成、塗膜乾
燥と言う一連の作業を含む複雑な仕上げ工程を経て形成
されていた。
【0004】しかし、従来の積層管の仕上げ工程におい
ては、素管の表面を研磨した後に、その素管表面に塗料
を塗布・乾燥させて塗膜を形成していたため、表面研磨
時に補強繊維を損傷して積層管の機械的物性を損なうば
かりか、塗膜によって重量が増大して軽量性を損なった
り、或いは、塗膜についた傷や素管内周面から浸透した
水等によって素管と塗膜との間にブリスターが発生する
と言う問題があった。
【0005】この問題を解決する手段として、表面研磨
と下地処理を施した素管の表面に三弗化塩化エチレン樹
脂からなる主剤に硬化剤を混入した塗料を塗布し、三弗
化塩化エチレンの撥水作用によって積層管表面への水の
付着や浸透を防止してブリスターの発生を抑える技術が
提案されている(特開平3−10631号公報)。
【0006】しかし、この技術では、従来の塗料に代え
て三弗化塩化エチレン樹脂からなる主剤に硬化剤を混入
した塗料を使用するにすぎないので、塗料を使用するこ
とには代わりない。このため、ブリスターの発生を皆無
にできないのみならず、複雑な仕上げ工程や表面研磨時
における補強繊維の損傷、塗膜形成による重量の増大等
の問題を何等解決するものではなかった。
【0007】また、特開平7−171921号公報に
は、芯金に対してシートプリプレグ等を捲回し、得られ
た捲回層の外周面を加熱してプリプレグ内の合成樹脂を
軟化させ、その軟化した表面に球状のアルミナ、Si
C、SiN、或いはジルコニア等のセラミック微粒子か
らなる高硬度微粒子を付着させ、この外周に巻き締めテ
ープを捲回して加圧・焼成して前記プリプレグを硬化さ
せて素管を形成した後に、芯金の脱芯と巻き締めテープ
の除去を行うことによって、素管表面の研磨や塗膜の形
成を施す必要のない積層管が提案されている。
【0008】しかし、特開平7−171921号公報で
提案された仕上げ方法は、芯金に捲回されたプリプレグ
の外周面を加熱してその表面の合成樹脂を軟化させた後
に高硬度微粒子を付着させると言う手順をとるため、軸
方向等に配向するプリプレグ捲回層の最外周面に補強繊
維或いはそのヤーン等を周方向に捲回或いは織成したい
場合には、表面に合成樹脂が無いために高硬度微粒子を
付着させることができないと言う問題が生じた。
【0009】この問題の解決策としては、芯金の軸方向
に引き揃えたプリプレグ等を捲回して形成したプリプレ
グ捲回層の最外周面に、補強繊維又はそのヤーンに合成
樹脂を含浸させたプリプレグを周方向に捲回又は織成す
ると言う方法が考えられる。そこで、本発明者らは、こ
の方法を実行してみた。しかし、この方法では、補強繊
維又はそのヤーンに合成樹脂を含浸させたプリプレグを
ブレーディングマシーンやフィラメントワインディング
マシーンのボビンに巻き取った時に、含浸されている合
成樹脂によって隣接するプリプレグが相互に付着し合
い、ボビンからプリプレグを送り出すことができなくな
るので、プリプレグ捲着層の外周面に補強繊維又はその
ヤーンのプリプレグを周方向に捲着又は織成できなくな
ることが新たに判明した。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前述の問題
点に鑑みて成し遂げられたものであり、その第1の目的
は、プリプレグ捲回層の最外層として補強繊維又はその
ヤーンからなるプリプレグが周方向に捲回又は織成され
た層があるにもかかわらず、表面に高硬度微粒子が付着
されている積層管を提供すると共に、その製造方法及び
その製造に利用できるプリプレグをも提供することにあ
る。
【0011】また、第2の目的は、ブリスターが生じ
ず、仕上げ工程が簡略で、表面研磨等による補強繊維の
損傷を招かず、且つ軽量な積層管を提供すると共に、そ
の製造方法、及びその製造に利用できるプリプレグをも
提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明においては、上記
目的を達成するために、無塗装の繊維補強合成樹脂積層
管を次のように構成した。
【0013】すなわち、本発明で提供される第1の積層
管は、軸方向に配向する補強繊維に合成樹脂を含浸させ
たシートプリプレグの層を少なくとも含んでいる捲回層
の外周面に、補強繊維又はそのヤーンに合成樹脂を含浸
して表面に高硬度微粒子を付着させたプリプレグを周方
向に捲回又は織成した層を形成したことを特徴とする積
層管である。
【0014】本発明で提供される第2の積層管は、第1
の積層管の好適な態様の1つであり、第1の積層管で使
用される補強繊維又はそのヤーンからなるプリプレグの
表面に、高硬度微粒子と共に固体潤滑粉が付着されてい
ることを特徴とする積層管である。
【0015】上記第1及び第2の積層管を製造するため
に本発明で提供される方法は、(1)離型剤を塗布した
芯金に、軸方向に配向する補強繊維に合成樹脂を含浸さ
せたシートプリプレグを少なくとも捲回して、プリプレ
グ捲回層を形成し、(2)該プリプレグ捲回層の外周
に、補強繊維又はそのヤーンに合成樹脂を含浸して表面
に高硬度微粒子又は高硬度微粒子と固体潤滑粉とを付着
させたプリプレグを周方向に捲回又は織成し、(3)そ
の後、定法にて加圧・焼成することを特徴としている。
【0016】本発明においては第3の積層管も提供され
る。第3の積層管も第1の積層管の好適な態様の1つで
あり、基本的に第1の積層管と同じ構造を有するが、補
強繊維又はそのヤーンからなるプリプレグを周方向に捲
回又は織成して形成した層の外周面に、固体潤滑粉を含
む不活性液体乾燥被膜が含有されていることを特徴とす
る。
【0017】上記第3の積層管を製造するために本発明
で提供される方法は、(1)離型剤を塗布した芯金に、
軸方向に配向する補強繊維に合成樹脂を含浸させたシー
トプリプレグを少なくとも捲回して、プリプレグ捲回層
を形成し、(2)該プリプレグ捲回層の外周に、補強繊
維又はそのヤーンに合成樹脂を含浸して表面に高硬度微
粒子を付着させたプリプレグを周方向に捲回又は織成
し、(3)プリプレグを周方向に捲回又は織成した層の
外周面に固体潤滑粉を含む不活性液体を塗布し乾燥さ
せ、(4)その後、定法にて加圧・焼成することを特徴
としている。
【0018】さらに、上記各積層管を製造する際に好適
に利用されるプリプレグは、補強繊維又はそのヤーンに
合成樹脂を含浸して表面に少なくとも高硬度微粒子を付
着させてなることを特徴としている。
【0019】上記第1の積層管は、その最外周面が、補
強繊維又はそのヤーンの表面に高硬度微粒子を付着して
なるプリプレグを周方向に捲回又は織成した層により形
成されているため、数々の利点を有している。
【0020】すなわち、 (1) 積層管の表面に高硬度微粒子が露出しており、
これによって所定の表面硬度が確保されているので、塗
膜層が形成されていなくても積層管外周面の損傷を防止
できる。 (2) 塗膜層を形成しなくてすむので、これに起因す
るブリスターの発生が全くないと共に、重量の増大を防
止して軽量化を図ることもできる。 (3) 積層管の最外周面を研磨したり塗膜層を形成し
たりしないので、巻き締めテープで加圧した場合はこの
テープのあとが管の表面に残り、その結果、管表面への
釣糸等の付着を防止できるのみならず、その摺動抵抗の
低減が図れる。 (4) 第1の積層管を製造する際には、塗膜層を形成
するための表面研磨、水洗、乾燥、下地処理、再乾燥、
塗料の塗布による塗膜の形成、塗膜乾燥という複雑な仕
上げ工程を省略できるので、従来に比べて格段に生産効
率が優れている。 (5) また、仕上げ工程の省略によって、洗浄・下地
処理等で使用された洗浄水等の後処理が不要になると共
に、乾燥のためのエネルギー資源も節約できる。 (6) 第1の積層管は、高硬度微粒子によって表面強
化されているので上記のような数々の利点を有している
が、その上さらに、シートプリプレグの層を含む捲回層
の外周面に補強繊維又はそのヤーンからなるプリプレグ
を周方向に捲回又は織成しているので、軸方向に引き揃
えられたシートプリプレグの捲回層が補強されている。
このため第1の積層管は、撓み等に対して機械的に優れ
た物性を確保できる。本発明の第1の積層管は、高硬度
微粒子によって表面強化し、なお且つ、補強繊維又はそ
のヤーンからなるプリプレグを周方向に配向した最外層
で補強したものであるが、このような積層管は従来なか
ったものである。
【0021】上記第2の積層管は、その外周面を構成し
ている補強繊維又はそのヤーンからなるプリプレグの表
面に固体潤滑粉が付着されているため、次のような数々
の利点を有している。
【0022】すなわち、 (1) 積層管の表面に高硬度微粒子と共に固体潤滑粉
が露出しており、これによって所定の表面硬度並びに潤
滑性が確保されているので、塗膜層が形成されていなく
ても積層管外周面の損傷を防止できると共に積層管相互
の流動性を向上させることもできる。 (2) 積層管の表面には撥水性を有する固体潤滑粉が
露出しており、これによって水、塵、或いは釣り糸等の
付着を防止できるので、これに起因しての釣り糸への摺
動抵抗を防止することができる。 (3) また、積層管の表面に露出した固体潤滑粉の撥
水性により、積層管への水等の浸透が防止できるので、
これに起因しての積層管の損傷も防止できる。 (4) 更にまた、積層管の表面に露出した固体潤滑粉
は離型性にも優れているため、巻き締めテープへのシラ
ンコートが不要であり、加圧・焼成時には外周に捲着し
た巻き締めテープ等を剥離する作業の簡易化を図ること
ができる。
【0023】上記第1及び第2の積層管の製造方法は、
芯金にシートプリプレグ等を捲回して形成したプリプレ
グ捲回層の外周に、補強繊維又はそのヤーンの表面に高
硬度微粒子又は高硬度微粒子と固体潤滑粉とを付着させ
たプリプレグを周方向に捲回又は織成するようにしたた
め、次のような利点を有している。
【0024】すなわち、 (1) 従来は、表面処理と乾燥を重ねて塗膜を形成し
たり、表面を加熱軟化させて高硬度微粒子や固体潤滑粉
を付着させたりして積層管の表面を形成していたが、こ
の製造方法によれば、従来のような複雑な工程を経るこ
となく、極めて容易に積層管の表面を形成することがで
きる。 (2) シートプリプレグの層を含む捲回層の外周面に
補強繊維又はそのヤーンからなるプリプレグを周方向に
捲回又は織成するので、軸方向に引き揃えられたシート
プリプレグの捲回層が補強される。このため、撓み等に
対して機械的に優れた物性を有する積層管を得ることが
できる。
【0025】上記第3の積層管においては、最外層を構
成している補強繊維又はそのヤーンからなるプリプレグ
の表面に高硬度微粒子が付着していると共に、積層管の
外周面に固体潤滑粉を含む不活性液体乾燥被膜が含浸・
形成されている。このため、第3の積層管の表面には、
高硬度微粒子と固体潤滑粉が露出している。従って、第
3の積層管は次のような利点を有している。
【0026】すなわち、 (1) 積層管の表面に高硬度微粒子と共に固体潤滑粉
が露出しており、これによって所定の表面硬度並びに潤
滑性が確保されているので、塗膜層が形成されていなく
ても積層管外周面の損傷を防止できると共に積層管相互
の流動性を向上させることもできる。 (2) 積層管の表面には撥水性を有する固体潤滑粉が
露出しており、これによって水、塵、或いは釣り糸等の
付着を防止できるので、これに起因しての釣り糸への摺
動抵抗を防止することができる。 (3) また、積層管の表面に露出した固体潤滑粉の撥
水性により、積層管への水等の浸透が防止できるので、
これに起因しての積層管の損傷も防止できる。 (4) 更にまた、積層管の表面に露出した固体潤滑粉
は離型性にも優れているため、巻き締めテープへのシラ
ンコートが不要であり、加圧・焼成時には外周に捲着し
た巻き締めテープ等を剥離する作業の簡易化を図ること
ができる。
【0027】上記第3の積層管の製造方法は、芯金にシ
ートプリプレグ等を捲回して形成したプリプレグ捲回層
の外周に、補強繊維又はそのヤーンの表面に高硬度微粒
子を付着させたプリプレグを周方向に捲回又は織成した
後、最外周面に固体潤滑粉を含む不活性液体を塗布・乾
燥するようにしたため、次のような利点を有している。
【0028】すなわち、 (1) 従来は、表面処理と乾燥を重ねて塗膜を形成し
たり、表面を加熱軟化させて高硬度微粒子や固体潤滑粉
を付着させたりして積層管の表面を形成していたが、こ
の製造方法によれば、従来のような複雑な工程を経るこ
となく、極めて容易に積層管の表面を形成することがで
きる。 (2) しかも、補強繊維又はそのヤーンからなるプリ
プレグの表面には高硬度粒子だけ付着すれば充分であ
り、固体潤滑粉を付着する必要がないので、第2の積層
管の製造方法と比べた場合にも、積層管の表面をより容
易に形成することができる。 (3) 第2の積層管の製造方法とは異なり、補強繊維
又はそのヤーンからなるプリプレグの表面に固体潤滑粉
を付着する必要がないので、該プリプレグの表面への高
硬度微粒子の付着量を増大でき、表面の硬化処理調整が
より容易に行える。 (4) シートプリプレグの層を含む捲回層の外周面
に、補強繊維又はそのヤーンからなるプリプレグを周方
向に捲回又は織成するので、軸方向に引き揃えられたシ
ートプリプレグの捲回層が補強される。このため、撓み
等に対して機械的に優れた物性を有する積層管を得るこ
とができる。
【0029】本発明で提供される積層管形成用プリプレ
グは、上記各積層管を製造するのに好適に利用される
が、その表面には高硬度微粒子が付着されているので、
さらに次のような利点も有している。
【0030】すなわち、 (1) このプリプレグは合成樹脂を含浸しているにも
かかわらず、ボビン等に巻き取られた時でもプリプレグ
同士が付着しないので、ボビンから円滑に繰り出すこと
ができる。 (2) 従って、このプリプレグを巻き取ったボビンを
ブレーディングマシーンやフィラメントワインディング
マシーンにセットして、効率的に捲回・織成作業を行う
ことができる。
【0031】
【発明の実施の形態】次に、図面を参照しながら本発明
をさらに具体的に説明する。 (1)積層管の構造 図1は、第1の積層管の一例(101)を模式的に示し
た部分拡大図である。この積層管101は、積層管の軸
方向に配向する補強繊維に合成樹脂を含浸させたシート
プリプレグ1を3プライ捲回して形成したプリプレグ捲
回層3を有している。また、このプリプレグ捲回層3の
外周面には、補強繊維又はそのヤーン4に合成樹脂を含
浸すると共にその表面に高硬度微粒子5を付着させたプ
リプレグ8を、積層管の周方向に捲回又は織成した層が
形成されている。そして、積層管の表面には、高硬度微
粒子の一部が露出している(5a)。
【0032】図2は、第2の積層管の一例(102)を
模式的に示した部分拡大図である。この積層管102
は、積層管の軸方向に配向する補強繊維に合成樹脂を含
浸させたシートプリプレグ1を2プライ捲回した上に、
周方向に配向するプリプレグ2を1プライ捲回し、その
上から再び軸方向に配向する補強繊維に合成樹脂を含浸
させたシートプリプレグ1を2プライ捲回して形成した
プリプレグ捲回層3を有している。また、この捲回層3
の外周面には、補強繊維又はそのヤーン4に合成樹脂を
含浸すると共にその表面に高硬度微粒子5と固体潤滑粉
6とを付着させたプリプレグ8を、積層管の周方向に捲
回又は織成した層が形成されている。そして、積層管の
表面には、高硬度微粒子と固体潤滑粉の一部が露出して
いる(5a、6a)。
【0033】図3は、第3の積層管の一例(103)を
模式的に示した部分拡大図である。この積層管103
は、基本的には上記積層管101と同じ構造を有してい
るが、その上さらに、積層管の周方向に配向する補強繊
維又はヤーンのプリプレグ8からなり高硬度微粒子5を
有する最外層の表面に、固体潤滑粉6を含む不活性液体
乾燥被膜9が含浸・形成されている。そして、積層管の
表面には、積層管102と同様に高硬度微粒子と固体潤
滑粉の一部が露出している(5a、6a)。
【0034】上記の各積層管において内側のプリプレグ
捲回層3は、軸方向に配向するシートプリプレグ1の層
を含んでいる限り、他の方向に配向するプリプレグから
なる層やシートプリプレグ以外のプリプレグからなる層
(例えば、図2の符号2)を含んでいても差し支えな
い。また、内側のプリプレグ捲回層3及び補強繊維又は
ヤーン4のプリプレグ8からなる最外層は、1プライだ
け捲回されたものでも、2プライ以上捲回されたもので
もよい。さらに、必要に応じて積層管の表面を着色して
もよい。
【0035】(2)積層管形成用プリプレグの製造方法 本発明においては、軸方向に配向するシートプリプレグ
1を主体とするプリプレグ捲回層3の外周面に、補強繊
維又はそのヤーン4に合成樹脂を含浸すると共にその表
面に高硬度微粒子5又は高硬度微粒子5と固体潤滑粉6
とを付着してなるプリプレグ8を、周方向に捲着又は織
成する必要がある。
【0036】補強繊維又はそのヤーン4からなる積層管
形成用プリプレグ8を製造する方法の1例を図4に示
す。図4の方法の場合、繰り出し用ボビンAから巻き取
り用ボビンBに至るまでの経路に合成樹脂含浸手段11
と粉粒体付着手段12が配置されている。ボビンAから
繰り出された補強繊維又はそのヤーン4は、先ず合成樹
脂含浸手段11を通過する際に合成樹脂を含浸し、次
に、粉粒体付着手段12を通過する際に高硬度微粒子5
のみ又は高硬度微粒子5と固体潤滑粉6の両方が付着さ
れて積層管形成用プリプレグ8となった後に、ボビンB
に巻き取られる。
【0037】ここで、補強繊維又はそのヤーン4として
は、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、セラミック繊維、
ジルコニア繊維、ボロン繊維、チタン繊維、ステンレス
繊維、ベリリウム繊維等の無機繊維;芳香族ポリアミド
系繊維、ポリエステル系繊維等の有機繊維;綿、大麻、
ジュート、サイザル麻等の天然繊維等を使用できる。補
強繊維又はそのヤーン4の表面には、合成樹脂との接着
性を高めることを目的として予めボラン、シラン、アミ
ノシラン等による表面処理を施してもよい。また、補強
繊維又はそのヤーン4は、ただ1種の繊維からなるもの
でもよいし、2種以上の繊維を組み合わせたものでもよ
い。
【0038】補強繊維又はそのヤーン4に含浸する合成
樹脂としては様々な樹脂を使用できるが、好適なものと
しては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニ
ルエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、
フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂を例示することができ
る。
【0039】合成樹脂含浸手段11としては、例えば合
成樹脂溶液槽を使用することができる。その場合、補強
繊維又はそのヤーン4への合成樹脂の含浸は、ボビンA
から繰り出した補強繊維又はそのヤーン4を、合成樹脂
溶液槽内の合成樹脂に浸漬することにより行う。
【0040】補強繊維又はそのヤーン4の表面に付着さ
せる高硬度微粒子5としては各種のものを使用できる
が、アルミナ、SiC、SiN、ジルコニア等のセラミ
ック微粒子を使用するのが好ましい。高硬度微粒子の硬
さは、ビッカース硬度で、通常550以上、好ましくは
1200以上であり、また、平均粒径は、通常1〜60
μm程度、好ましくは16〜40μm程度である。
【0041】一方、高硬度微粒子と共に用いられること
がある固体潤滑粉6としては各種のものを使用できる
が、例えば、シリコン樹脂粉、3弗化又は4弗化エチレ
ン樹脂粉等を単独又は2種以上組み合わせて使用する。
固体潤滑粉の平均粒径は、通常0.3〜125μm程
度、好ましくは10〜40μm程度である。
【0042】粉粒体付着手段12としては公知の手段を
利用できるが、例えば、噴霧室や貯留槽を使用すること
ができる。噴霧室を使用する場合には、前工程で含浸し
た合成樹脂が未乾燥状態の補強繊維又はそのヤーン4
を、噴霧室内に挿通すればよい。また、貯留槽を使用す
る場合には、合成樹脂が未乾燥状態の補強繊維又はその
ヤーン4を、槽内に貯留されている高硬度微粒子5や固
体潤滑粉6の中に挿通すればよい。
【0043】このようにして製造された積層管形成用プ
リプレグ8は、表面に高硬度微粒子5又は高硬度微粒子
5と固体潤滑粉6が付着しているので、ボビンBに巻き
取られてもプリプレグ同士が付着せず、容易に再び繰り
出すことができる。
【0044】(3)第1及び第2の積層管の製造方法 図5A〜Cは、第1及び第2の積層管の製造方法の一例
を示したものである。第1及び第2の積層管を製造する
には、先ず図5Aに示すように、離型剤を塗布した芯金
13に対して、積層管の軸方向に配向する一方向引き揃
えの補強繊維1aを所定の形状に裁断し、合成樹脂を含
浸させたシートプリプレグ1を捲回する。軸方向に配向
するこのシートプリプレグ1は、通常、複数プライ捲回
する。この作業によって積層管の内側のプリプレグ捲回
層3が形成される。
【0045】なお、図示されていないが、軸方向に配向
するシートプリプレグ1を捲回するのに加えて、図2の
実施例と同様に積層管の周方向に配向する一方向引き揃
えの補強繊維からなるシートプリプレグを任意のプライ
数だけ捲回してもよいし、クロスプリプレグやスクリム
シート等を介在させて捲回してもよく、捲回構造やプリ
プレグの種類等は任意に選択し得る。
【0046】積層管を着色したい場合には、芯金13の
周囲に形成した内側のプリプレグ捲回層3の外周面を加
熱してその表面の合成樹脂を軟化させた後に、着色剤を
付着する。着色剤としては、例えば、有機顔料、無機顔
料、染料、金属粉、乱反射材等を用いることができる。
なお、有機顔料は隠蔽力に優れており、染料を使用する
と半透明の着色が可能となる。
【0047】有機顔料としては、染料を水に溶けない金
属化合物にしたものが用いられ、具体的には、ハンザイ
エロー、イルガジンイエロー、ノババームオレンジ、ウ
ォッチュングレッド、レーキレッド4R、シンカシヤレ
ッドB、ジオキサジンバイオレット、銅フタロシアニン
ブルー、銅フタロシアニングリーン等を例示できる。
【0048】無機顔料としては、亜鉛、チタン、鉄、
鉛、クロム等の化合物が用いられ、具体的には、黄鉛、
黄鉛酸化鉄、チタンイエロー、カドミウムイエロー、モ
リブデートオレンジ、べんがら、カドミウムレッド、群
青、紺青、コバルトブルー、酸化クロム、コバルトグリ
ーン、コバルト紫等を例示できる。
【0049】金属粉としては、例えば、純金消、本銀
消、錫粉、錫ナシジ、洋金粉、洋ナシジ、アルミニウム
粉、アルミニウムナシジ、各種金蒔絵用粉、アストロフ
レーク、エルジー、グリッター、青貝粉、鍍金硝子粉等
を例示できる。
【0050】乱反射材としては、例えば、天然雲母に2
酸化チタンや酸化鉄を被覆したマイカパール箔等を例示
できる。次に、図5Bに示すように、内側のプリプレグ
捲回層3の外周面に、補強繊維又はそのヤーンに合成樹
脂を含浸すると共にその表面に高硬度微粒子又は高硬度
微粒子と固体潤滑粉とを付着してなる前記の積層管形成
用プリプレグ8を、周方向に捲回又は織成する。この
時、第1の積層管を製造したいなら高硬度微粒子のみ付
着している積層管形成用プリプレグ8を使用し、第2の
積層管を製造したいなら高硬度微粒子と固体潤滑粉とが
付着しているものを使用する。
【0051】積層管形成用プリプレグ8を捲回又は織成
する方法は特に限定されない。すなわち、図5Bにおい
ては、フィランメントワインディングマシーン(図示を
省略)にセットしたボビンBから積層管形成用プリプレ
グ8を繰り出して、内側のプリプレグ捲回層3の外周面
に対して螺旋状に密に捲回しているが、これ以外に、例
えば、所定の間隔を空けてラフに螺旋状に捲回してもよ
いし、或いは、螺旋状に往復捲回してクロス状に交差し
た捲回層としてもよい。
【0052】また、図5Bにおいては、プリプレグ8を
一旦ボビンBに巻き取り、このボビンBをフィランメン
トワインディングマシーンにセットするようにしたが、
プリプレグ8をボビンBに巻き取ることなく、フィラン
メントワインディングマシーンに直接供給するようにし
てもよい。
【0053】さらに、積層管形成用プリプレグ8を巻き
取ったボビンBを複数用意し、各ボビンBをブレーディ
ングマシーンにセットして、捲回層3の外周面に対して
プリプレグ8を織成してもよい。
【0054】次に、積層管形成用プリプレグ8を捲回又
は織成した後の外周面に対して、図5Bに示すように定
法にて巻き締めテープ14を所定の張力を掛けて捲回
し、加圧・封入する。なお、図5Bにおいては巻き締め
テープを捲回したが、この工程での加圧・封入手段は特
に限定されず、例えば、金型内に収納したり、熱収縮性
のチューブを被覆する等の公知の手段を採用できる。
【0055】図5Cは、巻き締めテープを捲回した状態
の縦断面を模式的に示したものである。この図において
芯金13の外周には、離型剤層15を介して積層管の軸
方向に補強繊維を配向したシートプリプレグ1が3プラ
イ分捲着され、各補強繊維の間には、これに含浸された
合成樹脂16が介在している。そして、シートプリプレ
グ1の捲回層3の外周には、補強繊維又はそのヤーンか
らなる積層管形成用プリプレグ8が捲回されており、こ
のプリプレグ8の外周には、含浸されている合成樹脂1
6を介して高硬度微粒子5又は高硬度微粒子5と固体潤
滑粉6とが付着している。さらに、積層管形成用プリプ
レグ8の捲回層の外周には、巻き締めテープ14が捲回
されている。
【0056】図5Cに示したような状態で定法にて加熱
焼成を行うと、第1及び第2の積層管が完成する。この
工程では、加熱初期においてシートプリプレグ1及び積
層管形成用プリプレグ8の中に含浸されている合成樹脂
が軟化して、捲回時に巻き込んだエアーや加熱により生
じるガス等と共に外周方向へと流動する。そして、積層
管形成用プリプレグ8の表面に付着している高硬度微粒
子5や固体潤滑粉6の一部も、前記合成樹脂の軟化・流
動に伴って巻き締めテープ14の近傍へと移動する。さ
らに加熱焼成を続けると、合成樹脂が硬化し始め、外周
方向に移動して来た高硬度微粒子5や固体潤滑粉6が巻
き締めテープ14の近傍に位置決めされる。なお、この
焼成は、通常120〜130℃で、2〜3時間かけて行
う。
【0057】(4)第3の積層管の製造方法 図6A〜Cは、第3の積層管の製造方法の一例を示した
ものである。第3の積層管を製造するには、先ず図6
A、6Bに示すように、離型剤を塗布した芯金13に対
して、積層管の軸方向に配向する一方向引き揃えの補強
繊維1aに合成樹脂を含浸させたシートプリプレグ1を
捲回して内側のプリプレグ捲回層3を形成し、更にその
上に、高硬度微粒子5のみが付着した前記の積層管形成
用プリプレグ8を周方向に捲回又は織成する。ここまで
の工程は第1及び第2の積層管を製造する場合と同じで
ある。
【0058】なお、図6Bにおいては、補強繊維又はそ
のヤーンからなる積層管形成用プリプレグ8を巻き取っ
た複数のボビンB1、B2等をブレーディングマシーン
(図示を省略)にセットして、内側のプリプレグ捲回層
3の外周面に対して積層管形成用プリプレグ8を織成し
ている。
【0059】次に、積層管形成用プリプレグ8を周方向
に捲回又は織成した中間品を固体潤滑粉6を含む不活性
液体中に浸漬し、引き上げて即時乾燥して含浸被膜9を
形成する。なお、含浸被膜9を形成するには、固体潤滑
粉6を含む不活性液体を浸漬以外の方法で塗布してもよ
い。
【0060】固体潤滑粉6を含む不活性液体としては、
例えば、フロリナート等の弗素系不活性液体中にバイン
ダーとしてパーフロロアクリルを0.1〜0.5重量%
の割合で分散させると共に固体潤滑粉として平均粒径
0.3μmの4弗化エチレン樹脂(PTFE)を5重量
%の割合で分散させた分散液((株)喜多村製、商品名
KD400−ASB)や、弗素系ポリマーをパーフロロ
カーボン液で希釈した液体((株)喜多村製、商品名フ
ロラードFC−722)等を用いる。
【0061】次に、含浸被膜9を形成した後の外周面に
対して、図6Bに示すように定法にて巻き締めテープ1
4を所定の張力を掛けて捲回し、加圧・封入する。この
工程での加圧・封入手段は、第1及び第2の積層管を製
造する場合と同様に、特に限定されない。
【0062】図6Cは、巻き締めテープを捲回した状態
の縦断面を模式的に示したものである。この図において
芯金13の外周には、離型剤層15を介して積層管の軸
方向に補強繊維を配向したシートプリプレグ1が3プラ
イ分捲着され、各補強繊維の間には、これに含浸された
合成樹脂16が介在している。シートプリプレグ1の捲
回層3の外周には、補強繊維又はそのヤーンからなる積
層管形成用プリプレグ8が織成されている。そして、こ
のプリプレグ8の外周には、含浸されている合成樹脂1
6を介して高硬度微粒子5のみが付着している。さら
に、プリプレグ8の織成層の外周面には、固体潤滑粉6
を含む不活性液体乾燥被膜9が含浸・形成されていると
共に、この被膜を有する外周面に対して巻き締めテープ
14が捲回されている。
【0063】図6Cに示したような状態で定法にて加熱
焼成を行うと、第3の積層管が完成する。この工程で
は、第1及び第2の積層管を製造する場合と同様に、各
プリプレグ1、8中に含浸されている合成樹脂が軟化し
て、エアー等と共に外周方向へと流動し、高硬度微粒子
5や固体潤滑粉6の一部も巻き締めテープ14の近傍へ
と移動する。そして、外周方向に移動して来た高硬度微
粒子5や固体潤滑粉6が巻き締めテープ14の近傍に位
置決めされる。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によって提
供される積層管は、無塗装の繊維補強合成樹脂積層管な
ので、ブリスターが発生せず美麗であり、軽量で使いや
すく、塗装のための表面研磨による補強繊維の損傷がな
く丈夫である。また、その表面に高硬度微粒子を露出さ
せて表面強化しているので、塗膜層がなくても積層管の
外周面が損傷しにくい。さらに、積層管の最外層が、周
方向に配向した補強繊維またはそのヤーンからなるプリ
プレグの捲回層又は織成層なので、最外層の下にある軸
方向に配向したプリプレグ層の結束力が高められてお
り、機械的な物性に優れている。
【0065】本発明によれば、積層管の表面に高硬度微
粒子と共に固体潤滑粉を露出させることができるが、そ
の場合には、表面の潤滑性が高いので隣接し合う積層管
相互の流動性に優れ、また、撥水性が高いので積層管に
塵や釣り糸等が付着しにくく、水等の浸透による積層管
の損傷も防止できる。
【0066】このような積層管を製造する際には、塗膜
層を形成するための複雑な仕上げ工程を省略できるの
で、生産効率に優れ、洗浄水の後処理が不要になり、乾
燥のためのエネルギー資源が節約できる。また、本発明
においては、補強繊維又はそのヤーンに合成樹脂を含浸
して表面に高硬度微粒子(必要に応じて固体潤滑粉も)
付着させた積層管形成用プリプレグを使用して積層管の
最外層を形成するため、中間品の表面に複雑な工程によ
って高硬度微粒子や固体潤滑粉を付着する必要がない。
【0067】そして、積層管の表面に固体潤滑粉を露出
させる場合には、離型性にも優れているので、巻き締め
テープへのシランコートを省略できる。また、中間品の
表面に固体潤滑粉を含む不活性液体を塗布・乾燥して固
体潤滑粉を露出させる場合には、積層管の最外層を形成
するためのプリプレグに高硬度微粒子だけ付着しておけ
ばよいので、プリプレグの準備が容易であり、また、高
硬度微粒子の付着量を増大できる。
【0068】さらに、本発明で特に提供される上記の積
層管形成用プリプレグは、その表面に高硬度微粒子や固
体潤滑粉が付着しているので、合成樹脂を含浸している
にもかかわらず隣接し合うプリプレグ相互が付着しな
い。したがって、これをボビンに巻き取った後、円滑に
繰り出すことができ、効率よく捲回や織成を行うことが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の積層管の構造を模式的に示した
図である。
【図2】本発明の第2の積層管の構造を模式的に示した
図である。
【図3】本発明の第3の積層管の構造を模式的に示した
図である。
【図4】本発明の積層管形成用プリプレグの製造方法を
説明した図である。
【図5】本発明の第1及び第2の積層管の製造方法を説
明した図である。
【図6】本発明の第3の積層管の製造方法を説明した図
である。
【符号の説明】
1…軸方向に配向するシートプリプレグ 2…任意の層 3…軸方向に配向するシートプリプレグを含む捲回層 4…補強繊維又はそのヤーン 5…高硬度微粒子 6…固体潤滑粉 8…積層管形成用プリプレグ 9…不活性液体乾燥被膜 11…合成樹脂含浸手段 12…粉粒体付着手段 13…芯金 14…巻き締めテープ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸方向に配向する補強繊維に合成樹脂を
    含浸させたシートプリプレグの層を少なくとも含んでい
    る捲回層の外周面に、補強繊維又はそのヤーンに合成樹
    脂を含浸して表面に高硬度微粒子を付着させたプリプレ
    グを周方向に捲回又は織成した層を形成したことを特徴
    とする積層管。
  2. 【請求項2】 補強繊維又はそのヤーンに合成樹脂を含
    浸して周方向に捲回又は織成する前記プリプレグの表面
    には、高硬度微粒子と共に固体潤滑粉が付着されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の積層管。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載された積層管の製
    造方法であって、(1)離型剤を塗布した芯金に、軸方
    向に配向する補強繊維に合成樹脂を含浸させたシートプ
    リプレグを少なくとも捲回して、プリプレグ捲回層を形
    成し、(2)該プリプレグ捲回層の外周に、補強繊維又
    はそのヤーンに合成樹脂を含浸して表面に高硬度微粒子
    又は高硬度微粒子と固体潤滑粉とを付着させたプリプレ
    グを周方向に捲回又は織成し、(3)その後、定法にて
    加圧・焼成することを特徴とする積層管の製造方法。
  4. 【請求項4】 プリプレグを周方向に捲回又は織成して
    形成した層の外周面に、固体潤滑粉を含む不活性液体乾
    燥被膜が含有されていることを特徴とする請求項1に記
    載の積層管。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載された積層管の製造方法
    であって、(1)離型剤を塗布した芯金に、軸方向に配
    向する補強繊維に合成樹脂を含浸させたシートプリプレ
    グを少なくとも捲回して、プリプレグ捲回層を形成し、
    (2)該プリプレグ捲回層の外周に、補強繊維又はその
    ヤーンに合成樹脂を含浸して表面に高硬度微粒子を付着
    させたプリプレグを周方向に捲回又は織成し、(3)プ
    リプレグを周方向に捲回又は織成した層の外周面に固体
    潤滑粉を含む不活性液体を塗布し乾燥させ、(4)その
    後、定法にて加圧・焼成することを特徴とする積層管の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 補強繊維又はそのヤーンに合成樹脂を含
    浸して表面に少なくとも高硬度微粒子を付着させてなる
    ことを特徴とする積層管形成用のプリプレグ。
JP8114867A 1996-05-09 1996-05-09 積層管、この製造方法及びこれに使用されるプリプレグ Pending JPH09300496A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005305692A (ja) * 2004-04-19 2005-11-04 Tama Tlo Kk 繊維強化プラスチック予備成形品、繊維強化プラスチック材料、ロール
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