JPH10305428A - 廃棄プラスチック減容装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 処理容器内で廃プラスチック材を軟化加圧し
て減容する廃棄プラスチック減容装置では、高温ガスで
前記廃プラスチック材を軟化処理するが、廃プラスチッ
ク材の減容後は機器内部の空気循環のみの自然冷却であ
り、処理容器内を安全な温度まで冷却するのに時間がか
かり、電気機構部品の寿命が短くなり、電気代もかかる
という課題があつた。 【解決手段】 送風機７および加熱部８を設けた熱風循
環路１１より高温のガスの一部を排出する排出路１２を
設け、この排出路１２に流量を可変できる可変式流量弁
２６を設けた廃棄プラスチック減容装置の構成とし、外
部空気を導入し内部循環量を増やして外部空気と処理容
器内の高温空気との熱交換を促進し、短時間で減容装置
内部を安全な温度まで冷却する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、家庭、事業所、店
舗等で発生する発泡スチロール等の廃プラスチック材を
加熱軟化、圧縮して減容処理する廃棄プラスチック減容
装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来から、家庭、事業所、店舗等から大
量の廃棄物が排出され、焼却、埋め立て等の処理施設容
量の不足や、回収、運搬等を含めた処理コストの増大等
から、その対策が急がれている。

【０００３】その対策としては、廃棄物の排出量を減ら
すことが根本的解決になるが、リサイクルによる資源と
しての活用も、一方で極めて有効である。なかでも、廃
プラスチック材は、原料が貴重なエネルギー資源の石油
であることや、埋め立てても腐敗せず、さらに嵩が大き
い等の理由で、リサイクルの対象として注目されてい
る。特に発泡スチロールは、その軽量性、緩衝性、低コ
スト等の理由から、流通容器として頻繁に使用され、そ
の代替材料も今のところ見当たらないことから、リサイ
クルして再利用することが強く望まれている。

【０００４】しかし、この発泡スチロール等を回収して
一ヵ所に集めてリサイクルする場合には、嵩が大きいた
めに運搬費用が高くなり、これがリサイクルコスト全体
を押し上げるという問題がある。このため、家庭、事業
所、店舗等の廃プラスチック材の発生する場所に設置し
て、その容積を減らす減容処理方法や減容処理装置が提
案されている。

【０００５】この減容装置は、加熱によって発泡スチロ
ール等を軟化し、加圧して減容固形物を形成するもので
ある。こうして減容して得られた減容固形物は業者によ
って回収され、リサイクル工場でリサイクル加工され
る。

【０００６】しかしながら、加熱・加圧によって発泡ス
チロール等を減容処理する方法は、発泡スチロール等が
軟化するまで加熱しなければならず、１６０℃位に加熱
するため、発泡スチロール等が気化したスチレンガス
や、発泡スチロール等に含まれているブタンガス等の可
燃性ガスを主成分とする排ガスが臭気をともなって発生
することから、減容処理中は不快であるばかりでなく、
安全対策への配慮が必要であった。

【０００７】そこでこの減容処理方法を改善したものと
して、従来、次のような技術（特開平５−２７４１１４
号公報）が提案されている。この技術は、廃プラスチッ
ク材の加熱時に発生する排ガスを触媒で燃焼させて排出
口から排気するようにしている。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
開平５−２７４１１４号公報に記載された廃プラスチッ
ク材の減容方法は、処理中に発生したガスを触媒で燃焼
させて酸化処理し、廃ガスを排出路を通して機器装置の
外部へ排気するもであり、廃プラスチック材減容後は、
機器内部の空気循環のみの自然冷却であり、加熱され高
温となった処理容器内を安全な温度まで冷却するための
冷却時間が長くなり、電気機構部品の寿命および電気代
がかかるという問題があった。

【０００９】そこで、本発明は前記従来の問題を解決す
るもので、減容装置内部を安全な温度まで短時間で冷却
することができ、安全な小型軽量の廃棄プラスチック減
容装置を提供することを目的とするものである。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の廃棄プラスチック減容装置は、処理容器内で
廃プラスチック材を軟化・加圧して減容する廃棄プラス
チック減容装置であって、送風機および加熱部を設けた
熱風循環路より高温ガスの一部を排出する排出路を設
け、この排出路に流量を可変できる可変式流量弁を設け
た構成とする。

【００１１】本発明の廃棄プラスチック減容装置は、可
変式流量弁を可変して外部空気を導入し、内部循環量を
増やして外部空気と処理容器内の高温空気との間で熱交
換させ、短時間で減容装置内部を安全な温度まで冷却で
き、安全な小型軽量の廃棄プラスチック減容装置とする
ことができる。

【００１２】

【発明の実施の形態】本発明の請求項１に記載の発明
は、開閉蓋を備えるとともに内部で廃プラスチック材を
軟化・減容処理するための処理容器と、前記処理容器に
廃プラスチック材を軟化させるための高温ガスを循環さ
せる熱風循環路と、前記処理容器内の軟化された廃プラ
スチック材を加圧減容する加圧部と、前記熱風循環路に
設けた送風機および加熱部と、前記熱風循環路に外気を
導入する外気導入孔と、前記熱風循環路より高温ガスの
一部を排出する排出路と、前記排出路に設けられ排ガス
を酸化処理する酸化部を備え、前記排出路に、排出する
排ガス量を可変できる可変式流量弁を設けた廃棄プラス
チック減容装置であり、可変式流量弁を可変して外部空
気を導入し、内部循環量を増やし、外部空気と処理容器
内の高温空気との間で熱交換させ、短時間で減容装置内
部を安全な温度まで冷却できるという作用を有する。

【００１３】本発明の請求項２に記載の発明は、請求項
１記載の廃棄プラスチック減容装置において、可変式流
量弁を可変し、処理容器内の空気循環量を速くなるよう
に制御するようにしたものであり、処理容器の内部循環
量を増やし、短時間で減容装置内部を安全な温度まで冷
却できるという作用を有する。

【００１４】本発明の請求項３に記載の発明は、請求項
１記載の廃棄プラスチック減容装置において、可変式流
量弁を可変し、外部空気の導入量を増加するように制御
するようにしたものであり、外部空気と処理容器内の高
温空気との間で熱交換させ、短時間で減容装置内部を安
全な温度まで冷却できるという作用を有する。

【００１５】本発明の請求項４に記載の発明は、請求項
１記載の廃棄プラスチック減容装置において、可変式流
量弁を可変し、処理容器内のガス成分と外部空気との間
でガス濃度の稀釈を行うように制御するようにしたもの
であり、処理容器内のガス成分と外部空気との間でガス
濃度の稀釈を行わせ、処理容器内のガス濃度の低減化が
できるという作用を有する。

【００１６】本発明の請求項５に記載の発明は、請求項
１記載の廃棄プラスチック減容装置において、処理容器
は底部に外気導入孔を有する構成としたものであり、処
理容器に効果的に外部空気を導入し、短時間で減容装置
内部を安全な温度まで冷却できるという作用を有する。

【００１７】以下、本発明の実施の形態を図面を参照し
て説明する。 （実施の形態１）図１は、本発明の実施の形態１の廃棄
プラスチック減容装置の側断面図である。

【００１８】図１において、１は廃棄プラスチック減容
装置であり、内部に断熱容器２１が設けられ、この断熱
容器２１内に廃プラスチック材２２を収容して軟化・加
圧する処理容器２が設けられている。そして前記断熱容
器２１の内面側と処理容器２の外面側間にはガス流路１
９が形成されている。また、前記処理容器２の底部に
は、外気導入孔２３が設けられている。

【００１９】前記断熱容器２１は１６０℃程度の熱風が
廃棄プラスチック減容装置１の外に漏出しない構造にな
っている。また、処理容器２の側面には、内部の熱風を
吐き出す側面吐出口１８が適当数設けられ、処理容器２
の上面側には、Ｏリング状弾性体５を備えた開閉蓋６が
設けられている。この開閉蓋６は、廃プラスチック材２
２を処理容器２に投入するときに開け、処理容器２内で
軟化して減容処理するときに密閉するようになってい
る。

【００２０】さらに、処理容器２の底部側には上下可動
の加圧部３が設けられ、１６０℃程度の高温ガスによっ
て軟化を開始した廃プラスチック材２２を開閉蓋６との
間で面加圧して減容するようにしている。

【００２１】この加圧部３は、加圧アクチュエータ４に
よって往復動され、廃プラスチック材２２を直接加圧す
るピストン２５から構成されている。加圧アクチュエー
タ４は、伸縮自在のゴム風船状の空気袋等よりなり、空
気ポンプ２０から圧送される空気によって膨脹させてピ
ストン２５を押し上げて廃プラスチック材２２を減容
し、その後に内部に蓄積された空気は排出部１３を通っ
て廃棄プラスチック減容装置１の外部に排出されること
により、加圧部３を元の位置に戻るようにしてある。

【００２２】７は送風機であり、送風量は約２５０リッ
トル／分程度の能力を持ち、処理容器２に連通された熱
風循環路１１に設けられて処理容器２に高温ガスを循環
させるようにしている。また、熱風循環路１１には、循
環するガスを加熱する電熱ヒーター等よりなる加熱部８
が設けられ、熱風循環路１１の熱風吐出口１０の近くに
温度センサー９が設けられている。前記温度センサー９
が検知した高温ガスの温度を制御部２４に伝達し、高温
ガスの温度を１６０℃程度の温度範囲に調整するように
している。

【００２３】１２はガス流路１９より分岐した排出路で
あり、排ガスを酸化して無炎燃焼させる酸化部１４が設
けられている。前記酸化部１４には触媒加熱部１６によ
って加熱された排ガスの酸化を促進する酸化触媒１５
と、排ガス温度を検知する処理ガス温度センサー１７が
設けられている。前記排出路１２には、前記酸化部１４
への流量を可変できる可変式流量弁２６が設けられてい
る。

【００２４】以上のように構成された廃棄プラスチック
減容装置１について、以下、その動作を図１に基づき説
明する。

【００２５】まず、開閉蓋６を開けて廃プラスチック材
２２を処理容器２に投入する。次に開閉蓋６を閉じて密
封し、制御部２４からの制御にて送風機７に通電して送
風を開始し、次に加熱部８に通電して循環するガスを加
熱して高温ガスにする。このときの加熱温度は１６０℃
程度で、温度センサー９がこれを検知し、検知信号を制
御部２４に伝達して所定の温度を保つように制御されて
いる。

【００２６】高温ガスは熱風となって熱風吐出口１０か
ら処理容器２内に吐出されて、処理容器２内に投入され
た廃プラスチック材２２を加熱し軟化させる。次に高温
ガスは側面吐出口１８から吐出され、断熱容器２１の内
面側と処理容器２の外面側との間に形成されたガス流路
１９を流れて送風機７の吸込口に達し、熱風循環路１１
を通り再度処理容器２内へと循環する。また、高温ガス
の一部は排出路１２に分岐されて酸化部１４の触媒加熱
部１６によって加熱され、酸化触媒１５により酸化して
無炎燃焼し無臭、無害化される。

【００２７】処理容器２内の廃プラスチック材２２は、
高温加熱されると軟化状態となるため、軟化状態におい
て、排出部１３を閉じて空気ポンプ２０を作動させ、空
気袋等からなる加圧アクチュエータ４に空気が圧送さ
れ、ピストン２５は開閉蓋６方向へ上昇し、処理容器２
内の廃プラスチック材２２を開閉蓋６との間で圧縮して
減容する。その後に排出部１３が開けられて、内部に蓄
積した空気は排出部１３より機器外部へ排出され、加圧
部３は元の位置まで戻される。

【００２８】ところで、加圧アクチュエータ４に空気が
圧送されて開閉蓋６との間で圧縮減容された廃プラスチ
ック材２２および処理容器２は、加熱により高温となっ
ており、安全な温度まで冷却する必要がある。

【００２９】しかしながら、処理容器２内の高温空気は
送風機７にて熱風吐出口１０から処理容器２内に吐出
し、次に側面吐出口１８から吐出され、断熱容器２１の
内面側と処理容器２の外面側との間に形成されたガス流
路１９を流れて送風機７の吸入口に達し、熱風循環路１
１を通り再度処理容器２内へと循環され、一部は排出路
１２に分岐され、酸化部１４を通り機器外へ排出される
が、高温空気が装置内部を循環するだけでは冷却効率が
悪く、自然冷却となり、安全な取り出し温度になるまで
の冷却時間が長くなり、すなわち、処理時間の短縮がで
きなく、電気機構部品の寿命および経済性の面で問題が
ある。

【００３０】そこで本実施の形態１においては、前記排
出路１２に可変式流量弁２６を設けたものであり、前記
排出路１２への流量を調整して機器外部への排気流量を
増加させ、外気導入孔２３からの外気と処理容器２内の
高温空気間での熱交換により装置内部の冷却効率が向上
し、冷却時間の短縮ができる。

【００３１】さらに、前記排出路１２への流量を調整
し、機器外部への排気流量を増加させることにより、外
気導入孔２３からの外気と処理容器２内のガス成分間で
の稀釈により装置内部のガス濃度の低減が可能となり、
安全で経済性の高い廃棄プラスチック減容装置とするこ
とができる。

【００３２】

【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
の廃棄プラスチック減容装置は、排出路に可変式流量弁
を設けているので、前記排出路への流量を調整し機器外
部への排気流量を増加でき、外気導入孔からの外気と処
理容器内の高温空気間での熱交換により装置内部の冷却
効率が向上し、冷却時間の短縮ができる。

【００３３】さらに、前記排出路への流量を調整し機器
外部への排気流量を増加させることにより、外気導入孔
からの空気と処理容器内のガス成分間での稀釈によって
装置内部のガス濃度の低減化が可能となり、安全で経済
性の高い廃棄プラスチック減容装置とすることができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態１の廃棄プラスチック減容
装置の側断面図

【符号の説明】

１ 廃棄プラスチック減容装置 ２ 処理容器 ３ 加圧部 ４ 加圧アクチュエータ ５ Ｏリング状弾性体 ６ 開閉蓋 ７ 送風機 ８ 加熱部 ９ 温度センサー １０ 熱風吐出口 １１ 熱風循環路 １２ 排出路 １３ 排出部 １４ 酸化部 １５ 酸化触媒 １６ 触媒加熱部 １７ 処理ガス温度センサー １８ 側面吐出口 １９ ガス流路 ２０ 空気ポンプ ２１ 断熱容器 ２２ 廃プラスチック材 ２３ 外気導入孔 ２４ 制御部 ２５ ピストン ２６ 可変式流量弁

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】開閉蓋を備えるとともに内部で廃プラスチ
   ック材を軟化・減容処理するための処理容器と、前記処
   理容器に廃プラスチック材を軟化させるための高温ガス
   を循環させる熱風循環路と、前記処理容器内の軟化され
   た廃プラスチック材を加圧減容する加圧部と、前記熱風
   循環路に設けた送風機および加熱部と、前記熱風循環路
   に外気を導入する外気導入孔と、前記熱風循環路より高
   温ガスの一部を排出する排出路と、前記排出路に設けら
   れ排ガスを酸化処理する酸化部を備え、前記排出路に、
   排出する排ガス量を可変できる可変式流量弁を設けたこ
   とを特徴とする廃棄プラスチック減容装置。
2. 【請求項２】可変式流量弁を可変し、処理容器内の空気
   循環量を速くなるように制御することを特徴とする請求
   項１記載の廃棄プラスチック減容装置。
3. 【請求項３】可変式流量弁を可変し、外部空気の導入量
   を増加するように制御することを特徴とする請求項１記
   載の廃棄プラスチック減容装置。
4. 【請求項４】可変式流量弁を可変し、処理容器内のガス
   成分と外部空気との間でガス濃度の稀釈を行うように制
   御することを特徴とする請求項１記載の廃棄プラスチッ
   ク減容装置。
5. 【請求項５】処理容器は底部に外気導入孔を有すること
   を特徴とする請求項１記載の廃棄プラスチック減容装
   置。