JPH1030536A - エンジンの点火時期制御装置 - Google Patents

エンジンの点火時期制御装置

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JPH1030536A
JPH1030536A JP8182385A JP18238596A JPH1030536A JP H1030536 A JPH1030536 A JP H1030536A JP 8182385 A JP8182385 A JP 8182385A JP 18238596 A JP18238596 A JP 18238596A JP H1030536 A JPH1030536 A JP H1030536A
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Japan
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ignition timing
engine
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ignition
limit value
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Masahiko Hashimoto
雅彦 橋本
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 同時点火式点火装置を備えるエンジンの点火
時期制御装置において、バックファイア現象を防止しな
がら、点火時期の制御範囲を拡大する。 【解決手段】 運転状態に応じて要求点火時期ADVb
を遅角側に補正する点火時期補正量ADVdltを計算
する点火時期補正量計算手段103と、エンジン回転数
とエンジン負荷に応じて遅角下限値ADVlimを計算
する遅角下限値計算手段104と、要求点火時期ADV
bと遅角下限値ADVlimを比較して進角側にある値
を最終点火時期ADVとして決定する最終点火時期決定
手段105とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンの点火時
期制御装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のエンジンの点火時期制御装置とし
て、圧縮行程から膨張行程を迎える気筒の点火プラグと
排気行程から吸気行程を迎える気筒の点火プラグに同時
に点火電流を供給する同時点火式点火装置がある(特開
平1−92582号公報、参照)。
【0003】この同時点火式点火装置は、ある気筒の圧
縮行程で混合気に火花を飛ばす主点火が行われるとき、
別の気筒の排気行程で既燃焼ガスに火花を飛ばす空打ち
点火が行われる。
【0004】ところで、ノッキングの発生時に点火時期
を遅角側に移行してノッキングを抑制するものがある。
また、車両に搭載されるオートマチックトランスミッシ
ョンの変速時等に点火時期を遅角側に移行して変速ショ
ックをやわらげるものがある。
【0005】しかし、こうして点火時期を遅角側に移行
する運転状態において、排気行程の次に迎える吸気行程
で空打ち点火が行われる場合、吸気通路から気筒に流入
した混合気に着火して、火炎が吸気通路にひろがるバッ
クファイア現象を引き起こす可能性がある。
【0006】これに対処して従来装置では、点火時期が
遅角側に移行することを制限する遅角下限値を、吸気弁
が開かれるタイミングより進角側に設定して、吸気弁が
開弁した後に空打ち点火が行われることを回避するよう
になっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】吸気弁が開弁した後で
も、吸気通路から混合気が気筒に流入するまでの間は、
空打ち点火を行ってもバックファイア現象が起こらない
運転状態がある。すなわち、バックファイア現象が起こ
る点火時期は、エンジン回転数、エンジン負荷、混合
比、スロットルバルブの開閉作動速度等の運転条件に応
じて異なる。
【0008】例えば、点火プラグに放電する時間が一定
として制御されると、点火プラグに放電するクランク角
はエンジン回転数が上昇するのにしたがって大きくなる
ため、バックファイア現象が起こる点火時期は、エンジ
ン回転数が上昇するのにしたがって進角側に移行する。
【0009】また、エンジン負荷が高まるのにしたがっ
てスロットルバルブより下流側に生じる吸入負圧Boo
stが低くなり、吸気弁が開弁した直後に気筒から吸気
通路に逆流する既燃焼ガス量が減少し、吸入行程の初期
で吸気通路から気筒に流入する不活性ガス量が減少する
ため、バックファイア現象を起こす点火時期が進角側に
移行する。
【0010】しかしながら、このような従来のエンジン
の点火時期制御装置にあっては、点火時期の遅角下限値
が吸気弁の開かれるタイミングで一義的に決められるた
め、点火時期の制御範囲が必要以上に縮小されるという
問題点が考えられる。
【0011】本発明は上記の問題点を鑑みてなされたも
のであり、同時点火式点火装置を備えるエンジンの点火
時期制御装置において、バックファイア現象を防止しな
がら、点火時期の制御範囲を拡大することを目的とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載のエンジ
ンの点火時期制御装置は、図10に示すように、圧縮行
程から膨張行程を迎える気筒の点火プラグと排気行程か
ら吸気行程を迎える気筒の点火プラグに同時に点火電流
を供給する同時点火式点火装置101と、エンジン運転
状態に応じて要求点火時期ADVbを計算する要求点火
時期計算手段102と、運転状態に応じて要求点火時期
ADVbを遅角側に補正する点火時期補正量ADVdl
tを計算する点火時期補正量計算手段103と、を備え
るエンジンにおいて、エンジン回転数とエンジン負荷に
応じて遅角下限値ADVlimを計算する遅角下限値計
算手段104と、要求点火時期ADVbと遅角下限値A
DVlimを比較して進角側にある値を最終点火時期A
DVとして決定する最終点火時期決定手段105と、を
備える。
【0013】請求項2に記載のエンジンの点火時期制御
装置は、請求項1に記載の発明において、エンジン回転
数が上昇するのにしたがって前記遅角下限値ADVli
mが進角側に移行するように設定する。
【0014】請求項3に記載のエンジンの点火時期制御
装置は、請求項1または2に記載の発明において、エン
ジン負荷が上昇するのにしたがって前記遅角下限値AD
Vlimが進角側に移行するように設定する。
【0015】請求項4に記載のエンジンの点火時期制御
装置は、請求項1から3のいずれか一つに記載の発明に
おいて、エンジンに吸入される空気量に対する燃料量の
混合比を検出する混合比検出手段と、混合比がリーン側
に移行するのにしたがって前記遅角下限値ADVlim
が進角側に移行するように補正する遅角下限値補正手段
とを備える。
【0016】請求項5に記載のエンジンの点火時期制御
装置は、請求項1から4のいずれか一つに記載の発明に
おいて、エンジンに吸入される空気を絞るスロットルバ
ルブと、スロットルバルブの作動速度ΔTVOを検出す
るスロットルバルブ作動速度検出手段と、スロットルバ
ルブ作動速度ΔTVOが上昇するのにしたがって前記遅
角下限値ADVlimが進角側に移行するように補正す
る遅角下限値補正手段とを備える。
【0017】
【作用】請求項1に記載のエンジンの点火時期制御装置
において、例えばノッキングの発生時、またはオートマ
チックトランスミッションの変速時に、点火時期補正量
ADVdltを介して要求点火時期ADVbを遅角側に
補正する。
【0018】エンジン回転数とエンジン負荷に応じて遅
角下限値ADVlimを設定し、要求点火時期ADVb
と遅角下限値ADVlimを比較して進角側にある値を
最終点火時期ADVとして決定することにより、バック
ファイア現象を防止しながら、最終点火時期ADVの制
御範囲を拡大できる。
【0019】請求項2に記載のエンジンの点火時期制御
装置において、点火プラグに放電する時間が一定に制御
されると、点火プラグに放電するクランク角はエンジン
回転数が上昇するのにしたがって大きくなるため、バッ
クファイア現象を起こす点火時期が進角側に移行する。
【0020】この特性に対応して、エンジン回転数が上
昇するのにしたがって点火開始時点の遅角下限値ADV
limが進角側に移行することにより、バックファイア
現象を防止しながら、最終点火時期ADVの制御範囲を
拡大できる。
【0021】請求項3に記載のエンジンの点火時期制御
装置において、エンジン負荷が高まるのにしたがってス
ロットルバルブより下流側に生じる吸入負圧が低くな
り、吸気弁が開弁した直後に気筒から吸気通路に逆流す
る既燃焼ガス量が減少し、吸入行程の初期で吸気通路か
ら気筒に流入する不活性ガス量が減少するため、バック
ファイア現象を起こす点火時期が進角側に移行する。
【0022】この特性に対応して、エンジン負荷が上昇
するのにしたがって遅角下限値ADVlimが進角側に
移行することにより、バックファイア現象を防止しなが
ら、最終点火時期ADVの制御範囲を拡大できる。
【0023】請求項4に記載のエンジンの点火時期制御
装置において、混合比がリーン側に移行するのにしたが
って吸入行程の初期で吸気通路から気筒に流入する混合
気の可燃混合比範囲への到達が早期化するため、バック
ファイア現象を起こす点火時期が進角側に移行する。
【0024】この特性に対応して、混合比がリーン側に
移行するのにしたがって遅角下限値ADVlimが進角
側に移行することにより、バックファイア現象を防止し
ながら、最終点火時期ADVの制御範囲を拡大できる。
【0025】請求項5に記載のエンジンの点火時期制御
装置において、アクセルペダルが踏み込まれる速さが増
して、スロットルバルブ作動速度ΔTVOが上昇するの
にしたがって吸入行程の初期で吸気通路から気筒に流入
する混合気の混合比がリーン側へ移行して、混合気の可
燃混合比範囲への到達が早期化するため、バックファイ
ア現象を起こす点火時期が進角側に移行する。
【0026】この特性に対応して、スロットルバルブ作
動速度ΔTVOが上昇するのにしたがって遅角下限値A
DVlimが進角側に移行することにより、バックファ
イア現象を防止しながら、最終点火時期ADVの制御範
囲を拡大できる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を添付図
面に基づいて説明する。
【0028】図1に示すように、4気筒エンジン1は、
各吸気弁2が開かれるのに伴って吸気通路3から各気筒
に吸気(混合気)を吸入し、この吸気をピストン5で圧
縮して、点火プラグ6で着火燃焼させ、排気弁7が開か
れるのに伴って排気が排気通路8に排出され、これらの
各行程が連続して繰り返される。
【0029】吸気通路3の途中に燃料を噴射するインジ
ェクタ4と、アクセルペダルに連動して吸気を絞るスロ
ットルバルブ9がそれぞれ設けられ、その上流側には吸
気量を検出するホットワイヤ式エアフロメータ10が設
けられる。インジェクタ4はコントロールユニット13
からの信号に基づき、燃料を噴射する。
【0030】点火プラグ6は各気筒に臨んで設けられ
る。点火プラグ6はコントロールユニット13からの信
号に基づきパワートランジスタ14を介してイグニッシ
ョンコイル15から送られる電流により点火する。
【0031】図2に示すように、コントロールユニット
13には、エアフロメータ10で検出される吸気量Qa
と、スロットルセンサ17で検出されるスロットル開度
TVOと、クランク角センサ11で検出されるエンジン
回転数Neと、冷却水温センサ18で検出される冷却水
温度Tw等を入力する。
【0032】コントロールユニット13には、基本燃料
噴射量Tpを Tp=K・Qa/Ne ‥‥(1) ただし、K;定数 なる式から演算した後、最終的な燃料噴射量Tiを次式
で算出して燃料噴射量を制御する。
【0033】 Ti=Tp×α×COEF+Ts …(2) ただし、αは空燃比フィードバック補正係数、COEF
は冷却水温度Tw等をパラメータとした各種補正係数の
和、Tsは無効噴射パルス幅である。
【0034】したがって、エンジン1に供給される空気
量に対する燃料量の混合比はTi/Tpで表される。
【0035】こうして演算された燃料噴射量Tiに対応
するパルス信号を各インジェクタ4に出力し、燃料噴射
制御を行う。
【0036】同時点火式点火装置として設けられるイグ
ニッションコイル15は、ピストン5が上昇する圧縮行
程から膨張行程を迎える気筒の点火プラグ6と、ピスト
ン5が下降する排気行程から吸気行程を迎える気筒の点
火プラグ6に同時に点火電流を供給するようになってい
る。同時点火式のイグニッションコイル15を設けるこ
とにより、点火系の簡素化がはかれる。
【0037】図3は4気筒エンジン1における点火順序
を示すタイミングチャートである。この場合、点火順序
は気筒毎に#1気筒→#3気筒→#4気筒→#2気筒と
なり、同時点火式のイグニッションコイル15を用いた
点火は、#1気筒と#4気筒で同時に行われるととも
に、#2気筒と#3気筒で同時に行われる。例えば#1
気筒の圧縮行程で混合気に火花を飛ばす主点火が行われ
るとき、#4気筒の排気行程では既燃焼ガスに火花を飛
ばす空打ち点火が行われる。
【0038】しかし、例えばノッキングの発生時、また
は車両に搭載されるオートマチックトランスミッション
の変速時等に、コントロールユニット13により制御さ
れる主点火の時期ADVが遅角側に移行するのに伴っ
て、排気行程の次に迎える吸気行程で空打ち点火が行わ
れた場合、吸気通路3から気筒に流入した混合気に着火
して、火炎が吸気通路3にひろがるバックファイア現象
を引き起こす可能性がある。
【0039】これに対処して従来装置では、点火時期A
DVが遅角側に移行することを制限する遅角下限値AD
Vlimを、吸気弁2が開かれるタイミングより進角側
に設定して、吸気弁2が開弁した後に空打ち点火が行わ
れることを回避するようになっている。
【0040】ところで、吸気弁2が開弁した後でも、吸
気通路3から混合気が気筒に流入するまでの間は、空打
ち点火を行ってもバックファイア現象が起こらない運転
状態がある。すなわち、バックファイア現象が起こる点
火時期ADVは、後述するように、エンジン回転数、エ
ンジン負荷、燃料の混合比、スロットルバルブ9の開閉
作動速度等の運転条件に応じて異なる。
【0041】しかしながら、こうした従来装置にあって
は、点火時期ADVの遅角下限値ADVlimを吸気弁
2が開かれるタイミングで一義的に決めているため、点
火時期ADVの制御範囲が必要以上に縮小されるという
問題点が考えられる。
【0042】本発明はこれに対処して、バックファイア
現象が起こらないように点火時期ADVが遅角側に移行
することを制限する遅角下限値ADVlimをエンジン
回転数とエンジン負荷に応じて設定し、点火時期がこの
遅角下限値ADVlimを越えて遅角側に移行すること
を制限する制御を行い、点火時期ADVの制御範囲を拡
大する。
【0043】さらに、遅角下限値ADVlimをエンジ
ン1に供給される空気量に対する燃料量の混合比に応じ
て補正するとともに、スロットルバルブ9の開閉作動速
度に応じて補正し、点火時期の制御範囲を拡大する。
【0044】図8のフローチャートは点火時期ADVを
決定するルーチンを示しており、コントロールユニット
13において一定周期毎に実行される。
【0045】これについて説明すると、まず、ステップ
1にて、クランク角センサ11から信号を基にエンジン
回転数Neを計算する。
【0046】続いて、ステップ2にて、エアフロメータ
10で検出される吸気量Qaとエンジン回転数Neを基
に、基本燃料噴射量Tpを前記(1)式により計算す
る。
【0047】続いて、ステップ3にて、エンジン回転数
Neと基本燃料噴射量Tpに応じて、予め設定された点
火時期のマップ値ADVmapを計算する。
【0048】ステップ4にて、例えばノッキングの発生
時、またはオートマチックトランスミッションの変速時
に、点火時期を遅角側に補正する点火時期補正量ADV
dltを計算する。
【0049】続いて、ステップ5にて、マップ値ADV
mapと点火時期補正量ADVdltを基に要求点火時
期ADVbを計算する。
【0050】続いて、ステップ6にて、図4のマップを
基に、エンジン回転数とエンジン負荷に応じて基本遅角
下限値ADVlmbを計算する。
【0051】ステップ7にて、図5のマップを基に、混
合比(Ti/Tp)とスロットルバルブ作動速度ΔTV
Oに応じて遅角下限値補正量ADVlmdを計算する。
【0052】続いて、ステップ8にて、基本遅角下限値
ADVlmbと遅角下限値補正量ADVlmdを基に遅
角下限値ADVlimを、次式により計算する。
【0053】 ADVlim=ADVlmb+C・ADVlmd …(3) ただし、C;定数 続いて、ステップ9にて、要求点火時期ADVbと遅角
下限値ADVlimを比較する。
【0054】要求点火時期ADVbが遅角下限値ADV
limより進角側にあると判定された場合、ステップ1
0に進んで、最終点火時期ADVを要求点火時期ADV
bとする。
【0055】一方、要求点火時期ADVbが遅角下限値
ADVlimより遅角側にあると判定された場合、ステ
ップ11に進んで、最終点火時期ADVを遅角下限値A
DVlimとする。
【0056】続いて、ステップ12にて、決定された最
終点火時期ADVを所定のアドレスに格納して、本ルー
チンを終了する。
【0057】図9は、最終点火時期ADVの制御例を示
している。これから、車両の加速時とオートマチックト
ランスミッションの変速時に要求点火時期ADVbが遅
角側に大幅に移行するが、最終点火時期ADVが遅角下
限値ADVlimによって制限されることにより、バッ
クファイア現象を未然に防止できる。
【0058】最終点火時期ADVが遅角下限値ADVl
imによって制限されることにより、点火プラグ6の放
電が開始されるクランク角がバックファイア現象を起こ
す限界クランク角に近づけられ、点火時期ADVの制御
範囲を拡大できる。
【0059】図4は、エンジン回転数とエンジン負荷に
応じて基本遅角下限値ADVlmbを設定したマップで
あり、エンジン回転数の上昇に伴って点火開始時点の基
本遅角下限値ADVlmbが進角側に移行するように設
定されている。これは、点火プラグ6に放電する時間が
一定として制御されると、点火プラグ6に放電するクラ
ンク角がエンジン回転数の上昇に伴って大きくなり、バ
ックファイア現象を起こす限界クランク角が進角側に移
行することに対応している。
【0060】図4のマップにおいて、エンジン負荷が高
まるのにしたがって点火開始時点の基本遅角下限値AD
Vlmbが進角側に移行するように設定される。これ
は、エンジン負荷が高まるのにしたがってスロットルバ
ルブ9より下流側に生じる吸入負圧Boostが低くな
り、吸気弁2が開弁した直後に気筒から吸気通路3に逆
流する既燃焼ガス量が減少し、吸入行程の初期で吸気通
路3から気筒に流入する不活性ガス量が減少するため、
バックファイア現象を起こす点火時期が進角側に移行す
ることに対応している。
【0061】図5は、混合比(Ti/Tp)とスロット
ルバルブ作動速度ΔTVOに応じて遅角下限値ADVl
imの補正に用いられる遅角下限値補正量ADVlmd
を設定したマップである。遅角下限値補正量ADVlm
dは、混合比がリーン側に移行するのにしたがって点火
開始時点の遅角下限値ADVlimが進角側に移行する
ように設定される。そして遅角下限値補正量ADVlm
dは、スロットルバルブ作動速度ΔTVOが上昇するの
にしたがって点火開始時点の遅角下限値ADVlimが
進角側に移行するように設定される。
【0062】図6は、設定された燃料の混合比に応じて
実際に吸気通路3から気筒に流入する燃料の混合比が変
化する様子を示す図である。燃料の混合比がリッチにな
ると、吸気弁2が開弁した直後に気筒に流入する燃料量
が増え、吸入行程の初期で吸気通路3から気筒に流入す
る混合気の可燃混合比範囲への到達が遅れる。
【0063】図7は、設定された燃料の混合比に応じて
バックファイア現象を起こす点火時期が変化する様子を
示す特性図である。混合比がリーン側に移行するのにし
たがって吸入行程の初期で吸気通路3から気筒に流入す
る混合気の可燃混合比範囲への到達が早期化するため、
バックファイア現象を起こす点火時期が進角側に移行す
る。この特性に対応して、図5のマップにおいて、点火
開始時点の遅角下限値補正量ADVlmdは燃料の混合
比がリーン側に移行するのにしたがって進角側に移行す
るように設定されている。
【0064】アクセルペダルが踏み込まれる速さが増し
て、スロットルバルブ作動速度ΔTVOが上昇するのに
したがって吸入行程の初期で吸気通路3から気筒に流入
する混合気の混合比がリーン側へ移行して、混合気の可
燃混合比範囲への到達が早期化するため、バックファイ
ア現象を起こす点火時期が進角側に移行する。この特性
に対応して、図5のマップにおいて、点火開始時点の遅
角下限値補正量ADVlmdはスロットルバルブ作動速
度ΔTVOが上昇するのにしたがって進角側に移行する
ように設定されている。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように請求項1に記載のエ
ンジンの点火時期制御装置によれば、エンジン回転数と
エンジン負荷に応じて遅角下限値ADVlimを設定
し、要求点火時期ADVbと遅角下限値ADVlimを
比較して進角側にある値を最終点火時期ADVとして決
定する構成のため、バックファイア現象を防止しなが
ら、最終点火時期ADVの制御範囲を拡大できる。
【0066】請求項2に記載のエンジンの点火時期制御
装置によれば、エンジン回転数が上昇するのにしたがっ
て遅角下限値ADVlimが進角側に移行する構成のた
め、バックファイア現象を防止しながら、最終点火時期
ADVの制御範囲を拡大できる。
【0067】請求項3に記載のエンジンの点火時期制御
装置によれば、エンジン負荷が上昇するのにしたがって
遅角下限値ADVlimが進角側に移行する構成のた
め、バックファイア現象を防止しながら、最終点火時期
ADVの制御範囲を拡大できる。
【0068】請求項4に記載のエンジンの点火時期制御
装置によれば、混合比がリーン側に移行するのにしたが
って前記遅角下限値ADVlimが進角側に移行する構
成のため、バックファイア現象を防止しながら、最終点
火時期ADVの制御範囲を拡大できる。
【0069】請求項5に記載のエンジンの点火時期制御
装置によれば、スロットルバルブ作動速度ΔTVOが上
昇するのにしたがって遅角下限値ADVlimが進角側
に移行する構成のため、バックファイア現象を防止しな
がら、最終点火時期ADVの制御範囲を拡大できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示すエンジンのシステム
図。
【図2】同じく制御系の構成図。
【図3】同じく点火順序を示すタイミングチャート。
【図4】同じく基本遅角下限値ADVlmbを設定した
マップ。
【図5】同じく遅角下限値補正量ADVlmdを設定し
たマップ。
【図6】同じく設定された燃料の混合比に応じて実際に
吸気通路3から気筒に流入する燃料の混合比が変化する
様子を示す図。
【図7】同じく設定された燃料の混合比に応じてバック
ファイア現象を起こす点火時期が変化する様子を示す特
性図。
【図8】同じく点火時期ADVを決定する図のフローチ
ャート。
【図9】同じく最終点火時期ADVの制御例を示す説明
図。
【図10】請求項1に記載の発明を示すクレーム対応
図。
【符号の説明】
1 エンジン 2 吸気弁 3 吸気通路 6 点火プラグ 7 排気弁 9 スロットルバルブ 10 エアフロメータ 11 クランク角センサ 13 コントロールユニット 14 パワートランジスタ 15 イグニッションコイル 101 同時点火式点火装置 102 要求点火時期計算手段 103 点火時期補正量計算手段 104 遅角下限値計算手段 105 最終点火時期決定手段

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧縮行程から膨張行程を迎える気筒の点火
    プラグと排気行程から吸気行程を迎える気筒の点火プラ
    グに同時に点火電流を供給する同時点火式点火装置と、 エンジン運転状態に応じて要求点火時期ADVbを計算
    する要求点火時期計算手段と、 運転状態に応じて要求点火時期ADVbを遅角側に補正
    する点火時期補正量ADVdltを計算する点火時期補
    正量計算手段と、 を備えるエンジンにおいて、 エンジン回転数とエンジン負荷に応じて遅角下限値AD
    Vlimを計算する遅角下限値計算手段と、 要求点火時期ADVbと遅角下限値ADVlimを比較
    して進角側にある値を最終点火時期ADVとして決定す
    る最終点火時期決定手段と、 を備えたことを特徴とするエンジンの点火時期制御装
    置。
  2. 【請求項2】エンジン回転数が上昇するのにしたがって
    前記遅角下限値ADVlimが進角側に移行するように
    設定したことを特徴とする請求項1に記載のエンジンの
    点火時期制御装置。
  3. 【請求項3】エンジン負荷が上昇するのにしたがって前
    記遅角下限値ADVlimが進角側に移行するように設
    定したことを特徴とする請求項1または2に記載のエン
    ジンの点火時期制御装置。
  4. 【請求項4】エンジンに吸入される空気量に対する燃料
    量の混合比を検出する混合比検出手段と、 混合比がリーン側に移行するのにしたがって前記遅角下
    限値ADVlimが進角側に移行するように補正する遅
    角下限値補正手段とを備えたことを特徴とする請求項1
    から3のいずれか一つに記載のエンジンの点火時期制御
    装置。
  5. 【請求項5】エンジンに吸入される空気を絞るスロット
    ルバルブと、 スロットルバルブの作動速度ΔTVOを検出するスロッ
    トルバルブ作動速度検出手段と、 スロットルバルブ作動速度ΔTVOが上昇するのにした
    がって前記遅角下限値ADVlimが進角側に移行する
    ように補正する遅角下限値補正手段とを備えたことを特
    徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載のエンジ
    ンの点火時期制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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JP2005083377A (ja) * 2003-09-04 2005-03-31 Robert Bosch Gmbh 燃焼機関の運転のための方法及び装置

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