JP2004346905A - エンジンのノック制御装置 - Google Patents

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Kunihiko Hikiri
邦彦 肥喜里
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UD Trucks Corp
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

【課題】点火時期の遅角による排気温度の上昇を的確に抑える。
【解決手段】エンジンの運転状態に基づいて目標空燃比を設定する目標空燃比設定手段15と、エンジンに供給される混合気の空燃比を目標空燃比に制御する空燃比制御手段15と、ノッキングを検出するノッキングセンサ11と、ノッキング発生時に点火時期を遅角する点火時期補正制御手段15と、点火時期の遅角量が設定値を越え、その状態が所定時間継続された場合、目標空燃比をリーン補正する目標空燃比補正手段15とを備える。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、エンジンのノック制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
圧縮天然ガス(CNG)を燃料に用いるトラック車両等のエンジンがある。
【0003】
このようなエンジンおいては、燃費等を改善するため、運転状態に基づき理論空燃比よりもリーン空燃比の希薄燃焼運転を行う。また、CNGはオクタン価が高く、ノッキングに有利であるが、ディーゼルエンジンと同等の出力、トルクを確保するよう、点火タイミングをMBT(トルク最大の最適進角時期)点まで進角するようになっている。したがって、ノッキングに対する制御を必要としている。
【0004】
一方、ノッキング制御として、従来、ノッキング発生時に点火時期を遅角すると共に、点火時期の遅角量が設定値に達した場合、あるいは設定値以上の状態を所定時間続けた場合、エンジンの圧縮比を減少させて、最大燃焼圧力、温度を抑えるものや、過給機付きエンジンおいて、過給圧を低下させるものがある(特許文献1、特許文献2)。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−271664
【特許文献2】
特開2002−303167
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これらのノッキング制御は、エンジンの圧縮比を減少させる等のための機械的な装置を必要として、コスト増を招いていた。
【0007】
一方、圧縮比を減少させる等のものは、滑らかに出力をダウンしにくい。また、
希薄燃焼運転時には、出力が大きくダウンしかねないのである。
【0008】
この発明は、このような問題点を解決できるノック制御装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、エンジンの運転状態に基づいて目標空燃比を設定する目標空燃比設定手段と、エンジンに供給される混合気の空燃比を目標空燃比に制御する空燃比制御手段と、ノッキングを検出するノッキングセンサと、ノッキング発生時に点火時期を遅角する点火時期補正制御手段と、点火時期の遅角量が設定値を越え、その状態が所定時間継続された場合、目標空燃比をリーン補正する目標空燃比補正手段とを備える。
【0010】
第2の発明は、第1の発明において、前記点火時期補正制御手段は、ノッキングがなくなると、点火時期を復帰するように制御する一方、前記目標空燃比補正手段は、点火時期の遅角量が設定値を越え、その状態が所定時間継続された場合、ノッキング状態に関わらず、目標空燃比をリーン補正する。
【0011】
第3の発明は、第1、第2の発明において、エンジンの運転状態に基づき理論空燃比よりもリーン空燃比の希薄燃焼運転を行うエンジンのノック制御装置であって、前記目標空燃比補正手段は、希薄燃焼運転時に前記制御を実行する。
【0012】
【発明の効果】
第1〜第3の発明においては、ノッキングを回避でき、目標空燃比の補正によって排気温度の上昇を的確に抑制できる。したがって、排気温度の上昇による排気系への悪影響を防止でき、コスト増を招くことはない。また、希薄燃焼運転を行うエンジンに好適である。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の形態のシステム構成図を示す。
【0014】
図1において、1は圧縮天然ガス(CNG)を燃料とするエンジンであり、エンジン1の吸気通路2には、図示しないアクセルペダルに連動して、吸気(混合気)量を制御するスロットル弁3が設けられる。
【0015】
スロットル弁3の上流には、CNGの噴射装置4の噴射ノズル5が配設される。噴射装置4には、図示しないガスボンベから所定圧のCNGが導かれ、噴射装置4の開弁制御に対応した量のCNGが噴射ノズル5から噴射される。
【0016】
スロットル弁3をバイパスするバイパス通路6には、アイドル制御弁7が配置される。
【0017】
エンジン1の燃焼室8には、混合気に点火する点火栓10が設けられる。
【0018】
エンジン1のシリンダブロック等には、エンジン1のノッキングを検出するノッキングセンサ11が取り付けられる。
【0019】
噴射装置4の噴射ノズル5からのCNG噴射量、点火栓10の点火時期等を制御するエンジンコントロールユニット15が備えられ、エンジンコントロールユニット15には、エンジン1の運転状態を検出する手段として、エンジン回転速度、クランク角度を検出するクランク角センサ16、スロットル弁3下流の吸気管圧力(エンジン負荷)を検出する吸気管圧力センサ17等からの信号、およびノッキングセンサ11からの信号が入力される。
【0020】
エンジンコントロールユニット15は、クランク角センサ16からのエンジン回転速度信号と吸気管圧力センサ17からの吸気管圧力信号等に基づいて、所定のマップを基に目標空燃比(目標λ)および点火時期(MBT:トルク最大の最適進角時期)を設定し、エンジン1に供給する混合気の空燃比が目標λになるように、噴射装置4の噴射ノズル5からのCNGの噴射量を制御すると共に、点火時期がMBT点火時期になるように、図示しない点火回路を介して点火栓10の点火時期を制御する。
【0021】
この場合、エンジン1は、目標λを理論空燃比よりも希薄なリーン空燃比に設定している。
【0022】
一方、エンジンコントロールユニット15は、ノッキングセンサ11の信号より、ノッキング強度が所定以上のとき、ノッキング有り(ノッキング発生)と判定して、ノック制御を行う。
【0023】
次に、エンジンコントロールユニット15によるノック制御を説明する。
【0024】
図2はノック制御のフローチャートを表しており、S1においては、ノッキングセンサ11の信号より、ノッキングの有無を判定する。
【0025】
ノッキングが無いときは、S8において点火時期をMBT点火時期まで進角する。
【0026】
ノッキングが有るときは、S2において点火時期を遅角していく。この場合、実行周期毎に所定量ずつ遅角していく。
【0027】
S3においては、その点火時期の遅角量が設定値NKRTRMDを越え、その状態を所定時間TNKRTRMD継続したかどうかを見る。Yesの場合、S4以降に進む。
【0028】
S4においては、目標λのリーン補正制御を実施する。
【0029】
このリーン補正制御は、図3(左部分)のように、目標λを実行周期毎に所定値ずつ増加(リーン)補正して、所定のリーン空燃比にシフトする。これは、ノッキングが無くなっても、行う。
【0030】
S5においては、ノッキングが無くなった場合、遅角した点火時期を進角していく。この場合、実行周期毎に所定量ずつ進角していく。
【0031】
S6においては、点火時期の遅角量が設定値(遅角時のNKRTRMDよりヒステリヒスを考慮した分、小さくした値)以下になったかを判定して、設定値以下になったときに、S7に進む。
【0032】
S7においては、目標λのリーン補正制御を解除する。これは、図3(右部分)のように、シフトした目標λを実行周期毎に所定値ずつ減少(リッチ)補正して、行う。
【0033】
このような構成により、図4のように、何らかの要因によりエンジンの燃焼状態がノック限界線を越え、ノッキングが発生すると、点火時期が遅角されていき、ノッキングが抑制されていくが、点火時期の遅角量が設定値NKRTRMDを越え、その状態が所定時間TNKRTRMD継続された場合、目標λが所定のリーン空燃比にシフトされる。
【0034】
このため、ノッキングが回避されると共に、点火時期の遅角による排気温度の上昇が抑えられる。この場合、ノッキングが無くなっても、目標λがリーン空燃比にシフトされることによって、排気温度の上昇が的確に抑えられる。
【0035】
そして、この後、遅角した点火時期が進角されていく。この場合、点火時期が遅角時のNKRTRMDよりヒステリヒスを考慮した分、小さくした設定値に達すると、目標λが元に戻されていく。このため、出力が速やかに復帰される。
【0036】
一方、点火時期の遅角量が設定値NKRTRMDを越え、その状態が所定時間TNKRTRMD継続された場合、目標λが徐々に増加(リーン)補正されるため、トルク変動が抑えられる。
【0037】
このように、ノッキングを回避でき、目標λの補正によって排気温度の上昇を抑制できる。したがって、排気温度の上昇による排気系への悪影響を防止でき、コスト増を招くことはなく、また、CNGを燃料として、ノック限界付近で運転するトラック車両等のエンジンに好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態を表すシステム構成図である。
【図2】ノック制御のフローチャートである。
【図3】目標空燃比の補正特性図である。
【図4】出力特性および制御状態を示す図である。
【符号の説明】
1 エンジン
3 スロットル弁
4 噴射装置
8 燃焼室
10 点火栓
11 ノッキングセンサ
15 エンジンコントロールユニット
16 クランク角センサ
17 吸気管圧力センサ

Claims (3)

  1. エンジンの運転状態に基づいて目標空燃比を設定する目標空燃比設定手段と、
    エンジンに供給される混合気の空燃比を目標空燃比に制御する空燃比制御手段と、
    ノッキングを検出するノッキングセンサと、
    ノッキング発生時に点火時期を遅角する点火時期補正制御手段と、
    点火時期の遅角量が設定値を越え、その状態が所定時間継続された場合、目標空燃比をリーン補正する目標空燃比補正手段とを備えることを特徴とするエンジンのノック制御装置。
  2. 前記点火時期補正制御手段は、ノッキングがなくなると、点火時期を復帰するように制御する一方、
    前記目標空燃比補正手段は、点火時期の遅角量が設定値を越え、その状態が所定時間継続された場合、ノッキング状態に関わらず、目標空燃比をリーン補正することを特徴とする請求項1に記載のエンジンのノック制御装置。
  3. エンジンの運転状態に基づき理論空燃比よりもリーン空燃比の希薄燃焼運転を行うエンジンのノック制御装置であって、
    前記目標空燃比補正手段は、希薄燃焼運転時に前記制御を実行することを特徴とする請求項1または2に記載のエンジンのノック制御装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009191652A (ja) * 2008-02-12 2009-08-27 Honda Motor Co Ltd 排気浄化装置及び排気浄化方法
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CN114483342A (zh) * 2021-12-30 2022-05-13 潍柴动力股份有限公司 一种燃气发动机的保护方法及燃气发动机

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