JP2004036575A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Kazuya Hasegawa
長谷川 和也
Koji Hiratani
平谷 康治
Toru Noda
野田 徹
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Abstract

【課題】圧縮自己着火燃焼から火花点火燃焼への切り換え時のノッキングを防止しつつ運転の安定度を確保する。
【解決手段】圧縮自己着火燃焼から火花点火燃焼への切り換え時に、各種の値を算出後(S21)、目標コレクタ内圧力に基づいてスロットル開度により吸入空気量を減少制御し(S22)、目標コレクタ内圧力と実コレクタ内圧力との差圧及び該差圧に基づいて各気筒の実空気流量を算出し(S23,S24)、該実空気流量と燃料噴射量で定まる気筒毎の実空燃比が火花点火燃焼が可能となった気筒から火花点火燃焼へ切り換えると共に、切り換えられ気筒に対し前記差圧(で定まる実空気流量)に応じて切り換え後の目標空燃比に対してリーン度合いが大きい気筒ほど点火時期を大きく進角補正する(S25,S26)。
【選択図】 図9

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧縮自己着火燃焼と火花点火燃焼とを切り換える内燃機関の制御に関する。
【0002】
【従来の技術】
運転状態に応じて圧縮自己着火燃焼と火花点火燃焼とを選択的に切り換え可能な内燃機関の制御装置として、特開2000−220458号に開示された技術が知られている。
この従来技術では、圧縮自己着火燃焼から火花点火燃焼への切り換え時、吸入空気量を減少して空燃比を減少させるとともに圧縮自己着火の着火時期より遅い時期で火花点火を開始し、その後、点火時期を徐々に進角することで圧縮自己着火する前で火花点火燃焼するようになって火花点火燃焼へと移行させている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、圧縮自己着火燃焼と火花点火燃焼とでは燃焼が安定する空燃比領域が異なっており、圧縮自己着火燃焼を実現する際、空燃比が第1所定空燃比(例えば30)よりリーンでなければノッキングが発生してしまい、火花点火燃焼を実現する際、空燃比が第1所定空燃比よりリッチな第2所定空燃比(例えば20)よりリッチ側でなければ失火してしまう。
【0004】
また、圧縮自己着火燃焼を実現する際、圧縮自己着火の着火時期が早すぎると燃焼速度が早くなってノッキングが発生する一方、遅すぎると燃焼期間中後期に失火してしまうことから、圧縮自己着火の着火時期を所定の範囲内に制御する必要がある。
しかしながら、上記従来技術の方法では、圧縮自己着火燃焼から火花点火燃焼への切り換え時、空燃比が第1所定空燃比よりリーンな領域で点火時期が圧縮自己着火の着火時期より前になる可能性があり以下のような問題が発生する恐れがある。すなわち、点火時期が圧縮自己着火の着火時期より前になったとしても、空燃比が第1所定空燃比よりリーンな領域では火花点火燃焼は実現しないため、圧縮自己着火燃焼が実現されることになる。ところが、圧縮自己着火が開始する前に火花点火すると、火花点火によって燃焼促進成分である中間生成物が増加して着火時期が進角するため、場合によっては圧縮自己着火の着火時期が早すぎてノッキングが発生するといった問題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
このため本発明は、運転状態に応じて圧縮自己着火燃焼と火花点火燃焼との2つの燃焼状態を選択的に切り換え可能な内燃機関の制御装置において、圧縮自己着火燃焼から火花点火燃焼への切り換え時、機関への吸入空気量を減少させて空燃比を切り換え後の目標空燃比に切り換えると共に、実空燃比が前記目標空燃比に至る前に所定値より小さくなった気筒から火花点火燃焼への切り換えを開始することを特徴とする。
【0006】
これにより、圧縮自己着火燃焼から火花点火燃焼への燃焼切り換え時に失火およびノッキングを防止して滑らかな運転が可能になる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態について説明する。
図1は本発明に係る4気筒圧縮自己着火式ガソリン機関の第1の実施形態の構成を示すシステム構成図である。
本実施形態においては、運転条件に応じて圧縮自己着火燃焼と火花点火燃焼とを切換可能となっている。
【0008】
図中のエンジン本体10は、吸気ポート11、排気ポート12、ピストン13、吸気バルブ14、排気バルブ15、クランク角センサ16、燃料噴射弁17、点火プラグ18、スロットルバルブ19、コレクタ20、および圧力センサ21を備えている。
このエンジン本体10を制御する電子制御装置(以下、ECUと略す)1は、運転条件に応じて圧縮自己着火燃焼と火花点火燃焼のいずれかの燃焼方式で運転を行うかを判定する燃焼パターン判定部2と、火花点火燃焼運転時の燃焼パラメータを制御する火花点火燃焼制御部3と、圧縮自己着火燃焼運転時の燃焼制御パラメータを制御する自己着火燃焼制御部4とともに、燃焼方式切り換え判定部5と、燃焼切り換え制御部6を備えている。
【0009】
なお、ECU1の構成要素は、燃焼パターン判定部2、火花点火燃焼制御部3、自己着火燃焼制御部4、燃焼切り換え判定部5、燃焼切り換え制御部6はマイクロコンピュータのプログラムとして実現されている。
またECU1は、クランク角センサ16が検出したエンジン回転信号、及びアクセル開度センサ(図示せず)が検出したアクセル開度信号(負荷)に基づいて、運転条件を判定し、燃焼パターンを判断する。また運転条件に応じて燃料噴射量、燃料噴射時期、点火時期を算出する。そして、この算出結果に基づき、燃料噴射弁17、点火プラグ18に信号を送る。
【0010】
また吸気ポート11の上流には、コレクタ20の入口に位置する空気量調整用のスロットルバルブ19と、図示しない空気量測定用のエアフローメータと、エアクリーナと、配管とからなる吸気系が設けられている。
なお、図中には代表気筒として1番気筒のみを図示しているが、2〜4番気筒についてもコレクタ20より下流の構成は同様であり、各気筒毎に制御が可能な構成としている。
【0011】
このような構成のもと、本実施形態では図2に示すような、低回転、低中負荷の特定の運転条件において圧縮自己着火燃焼を行い、高負荷または高回転域においては火花点火燃焼を行う。
次に、本実施形態の形態の動作について説明する。
図3は、空燃比に対する圧縮自己着火燃焼が成立する範囲を示すものである。
空燃比をリーンにしていくと燃焼安定度が悪化し、機関のトルク変動が大きくなる。このため、内燃機関として設計値、またはこの内燃機関を搭載した車両の性格等として許容できる安定度限界が安定度限界値Sthとなる空燃比AFLが、リーン限界となる。
【0012】
一方、空燃比をリッチにしていくと、ノッキング強度が増大する。これによりノッキング限界Nthにおける空燃比AFRがリッチ限界となる。従って、安定度限界AFLとノッキング限界空燃比AFRで囲まれる空燃比領域が自己着火燃焼成立範囲となる。このように、自己着火は限られた空燃比範囲でしか成立しない。なお、ここではガスと燃料の割合を表す指標として空燃比A/Fを例に説明した。残留ガスあるいはEGRガスが含まれる場合についても同様の傾向を示し、この際には横軸は新気と既燃ガスを合わせたトータルのガス量と燃料量割合G/Fとなる。
【0013】
図3では燃焼パラメータとして空燃比に対する自己着火燃焼成立範囲を示したが、空燃比以外にも温度、吸気圧あるいは過給圧に対しても同様な傾向を示す。
すなわち温度が低下すると燃焼安定度が悪化し、温度が上昇するとノッキング強度が増大する、また吸気圧、過給圧についても圧力が低下すると燃焼安定度が悪化し、圧力が増加するとノッキング強度が増大する。従って、安定した自己着火燃焼を維持するためには、要求される温度、圧力を制御する必要がある。
【0014】
図4に、本実施形態における負荷に対する燃料噴射量、スロットル開度、吸気流量、空燃比を示す。燃焼方式を切り換える際に、圧縮自己着火燃焼時、火花点火燃焼時の両者間の運転可能な空燃比には段差が存在する。圧縮自己着火燃焼から火花点火燃焼に切り換える時、すなわち圧縮自己着火燃焼のリッチ限界時の空燃比は、実験的にNOx生成量の増大が懸念されるため、およそ30付近である。一方、火花点火燃焼が可能なリーン限界空燃比はおよそ20付近であり、筒内ガス流動の強化によるリーン限界の拡張を行っても24程度が限界である。そのため圧縮自己着火燃焼から火花点火燃焼に切り換える際には、瞬時に空燃比を小さくする、すなわち瞬時に吸気流量を絞ることが必要である。したがって、切り換え時に瞬時にスロットル19の開度を絞り吸気流量を急減させることにより、火花点火燃焼が可能な空燃比にすることが可能である。しかしながら、本実施形態で採用する4気筒機関のような多気筒機関にこのスロットル急閉による流入空気量制御を行った場合、スロットル19の下流部に存在するコレクタ20内には切り換え直前までに流入している空気が残留しており、スロットル19の急閉直後に吸気を開始する気筒から最後に吸気を行う気筒までの実空気流量には差が存在する。
【0015】
図5に、本実施形態における圧縮自己着火燃焼から火花点火燃焼に切り換えを行った前後におけるコレクタ20内の圧力の変化を示す。スロットル19の急閉により、火花点火燃焼を行う際の目標空気流量に達するまでには、前述したようにコレクタ20内に残る空気により、少なくとも1サイクル程度の時間遅れが存在する。つまり、スロットル19の急閉直後に吸気を開始する気筒では、コレクタ20に残る空気をそのまま吸気してしまうため、急閉前に吸気を行った空気量とほぼ同量の空気が流入し、その次に吸気を行う気筒から順に流入空気量が減少していくことになる。各気筒に流入する空気流量はコレクタ20の圧力と各気筒における圧力との差圧により決定するため、コレクタ20内の圧力は時間遅れを伴って低下していくことになる。コレクタ内圧力と気筒に流入する空気流量との関係を図6に示す。
【0016】
図7に、燃焼切り換え前後における各気筒に流入する実流入空気量の変化を示す。図中では切り換え後最初に吸気を行う気筒を1番気筒(以下#1気筒と略す)とし、その後に吸気を行う気筒を通常の4気筒内燃機関の点火順序に従って#3、#4、#2の順に吸気を行うものとしている。最初に吸気を行う#1気筒では、切り換え前までのコレクタ20内の残圧(残留空気)のため、切り換え直前までとほぼ同量の空気が実空気流量として流入する。このため、#1気筒ではすぐに火花点火燃焼に切り換えず、圧縮自己着火燃焼を継続して行う。続いて吸気を行う#3気筒では空気流量の減少が始まるが、本来の目標空気流量までは低下しない。すなわち、混合気がリーンな状態になっているため、通常の火花点火燃焼を行ったとしても安定的な燃焼が行われず、失火を招いてしまう。リーン燃焼時は燃焼速度が低下するため、熱発生期間が増大し、最適点火時期は進角側にシフトする。よって点火時期を通常の時期よりも進角させることにより、燃焼安定性を確保する。続く#4気筒、#2気筒では切り換え目標流量に達しているため、通常の点火時期での火花点火燃焼に切り換える。さらに次サイクル以降にて、すべての気筒が目標空気流量に達した場合には、気筒別の燃焼判定制御を停止し、全気筒でストイキ混合気の火花点火燃焼運転を行う。
【0017】
これまで説明してきた切り換え制御の流れを、フローチャートを使って説明する。
図8に燃焼パターンを制御するメインフローを示す。
ステップ11(以下S11)でエンジン回転速度N、負荷Tを検出する。
S12では、前記エンジン回転速度N、負荷Tで定まる運転領域に応じた燃焼パターンを図2のマップから判断する。
【0018】
火花点火燃焼と判断された場合にはS13へ進んで、前回の判断が圧縮自己着火燃焼であったかを判定し、前回圧縮自己着火燃焼であった場合は、火花点火燃焼制御への切り換え制御を開始させるため、フラグFを1にセットした後、S14へ進んで上記切り換え制御を開始し、該火花点火燃焼への切り換え制御が完了すると、フラグFは0にリセットされる。
【0019】
S13で火花点火燃焼との判断が2回以上継続していると判断されたときは、S15へ進んで前記フラグの値を判別し、1と判定されたときは、S14へ進んで前記火花点火燃焼への切り換え制御を継続する。
また、S15でフラグの値が0にリセットされていると判定されたときは、火花点火燃焼への切り換え制御が完了したので、S16へ進んで定常的な火花点火燃焼時の制御を行う。
【0020】
また、前記S11で燃焼パターンが圧縮自己着火燃焼と判断されたときは、火花点火燃焼からの切り換え時と、切り換え完了後とを判別してそれぞれに応じた制御を行うが、本発明に関わる制御でないので説明を省略する。
図9は、前記圧縮自己着火燃焼から火花点火燃焼への切り換え時の制御フローを示す。
【0021】
S21では、クランク角センサ16により、切り換え直後に吸気を行う気筒を検出する。併せてエンジン回転速度Nを検出し、図10に示すマップより目標コレクタ内圧力(目標空気流量になる圧力)を算出するとともに、負荷に応じた燃料噴射量及び火花点火燃焼への移行終了後の点火時期を算出する。なお、本実施形態における目標コレクタ内圧力、および移行終了後の点火時期は、火花点火燃焼への移行終了後に、混合気がストイキ運転になるように設定される。つまり、前記目標コレクタ内圧力で定まる目標空気流量と燃料噴射量とで、火花点火燃焼へ切り換え完了後の目標空燃比がストイキに設定されることになる。
【0022】
S22では、切り換え時の目標コレクタ内圧力に応じたスロットル開度を、図11に示すマップから読みとり、スロットル開度を制御する。
S23では、実コレクタ内圧力を検出し、前記目標コレクタ内圧力との差圧を算出する。
S24では、S23で算出した実コレクタ内圧力と目標コレクタ内圧力との差圧から切り換え順に各気筒に流入する実空気流量を図12に示すマップより検索する。
【0023】
S25では、各気筒における実空気流量の値に応じて圧縮自己着火燃焼を継続するか、火花点火燃焼に切り換えるかを決定する。なお、本実施形態では、燃焼切り換え開始後、最初に吸気を行う気筒における実空燃比が、圧縮自己着火燃焼が可能な空燃比(例えば30付近)となるように設定され、2番目以降に吸気を行う気筒における実空燃比は火花点火燃焼による運転が可能な空燃比(例えばストイキより大きく23位まで)となるように設定されている。すなわち、切り換え完了後の火花点火燃焼における目標空燃比(ストイキ)より大きい第1所定空燃比になった気筒から火花点火に切り換えられるが、その判断は、予め設定された燃料噴射量に対し、前記燃焼切り換えを行う実空燃比に対応する実空気流量となったかで判断するだけですむ。なお、前記S24で算出される実コレクタ内圧力と目標コレクタ内圧力との差圧は、実空気流量に対応するから、前記燃焼切り換えを行う実空燃比に対応する実空気流量相当の差圧を求めておき、該差圧となったとき(例えば、目標コレクタ内圧力から該差圧を差し引いた実コレクタ内圧力を検出したとき)に燃焼を切り換えるようにしてもよい。
【0024】
S26では、火花点火燃焼に切り換える気筒に対して、実空燃比が目標空燃比(ストイキ)よりリーンな気筒に対して、点火時期を図13に示すようにリーンであるほど(コレクタ差圧が大きいほど)進角量を大きく補正制御する。
さらに次サイクル以降、全気筒において目標空燃比に達したと判断したとき、すなわち圧力センサ21で検出されるコレクタ内圧力が目標圧力に達したと判断した際に、前記フラグを0にリセットする。これにより、以後は、図8のS16へ進み、気筒別制御を停止し、全気筒においてストイキ混合気にて運転を行う。
【0025】
次に、第2の実施形態について説明する。
第2の実施形態は第1の実施形態における火花点火燃焼へ切り換えを行う気筒に対する制御のみ異なる。第1の実施形態においては切り換え制御開始後、リーンな混合気となる2番目に吸気を行う気筒に対して、点火時期の進角制御を行ったが、本実施形態においては、点火時期の進角制御に代えて、この気筒に対して燃料を増量補正し、確実な着火かつ燃焼が行えるように制御を行う。これは、リーンな混合気となる2番目に吸気を行う気筒における空燃比が、圧縮自己着火燃焼継続可能な空燃比よりも小さな値で、かつ火花点火燃焼による運転が可能なリーン限界空燃比よりも大きい場合、すなわち火花点火燃焼による運転ができない空燃比領域を通過してしまう場合であっても、燃料噴射量を増量補正することで火花点火燃焼による運転が可能な空燃比であるリーン限界以下の空燃比に制御して失火のない滑らかな切り換えを可能としたものである。さらに、この燃料増量補正により、機関として発生するトルクが過剰になってしまうため、燃料増量補正を行わない火花点火燃焼を行う気筒における点火時期を遅角化させ、この遅角化した気筒で増量補正を行った気筒で発生した余剰トルク分を吸収させることで、機関トータルで発生するトルクの段差を防ぎ、なめらかな燃焼切り換えが実現可能である。
【0026】
これまで説明してきた第2の実施形態における切り換え制御の流れを、フローチャートを使って説明する。
図14に燃焼を切り換える場合の制御フローを示す。
S31〜S35は、第1の実施形態における図8のS1〜S5と同一であり、燃焼切り換え制御開始後、最初に吸気を行う気筒における実空気流量が、圧縮自己着火燃焼継続が可能な空燃比(たとえば30付近)となるように設定されていることは、第1の実施形態と同様である。
【0027】
しかし、第2の実施形態では、2番目に吸気を行う気筒について、S31で設定された燃料噴射量に対する当初の空燃比が、圧縮自己着火燃焼継続が可能な空燃比よりも小さく、火花点火燃焼による運転が可能な空燃比(火花点火燃焼のリーン限界となる第2所定値)よりも大きくなるように実空気流量が設定される場合に対応したものであり、該気筒に対し、後述するように燃料噴射量を増量補正して火花点火燃焼を可能な空燃比とした上で火花点火燃焼へ切り換える。3番目以降に吸気を行う気筒における実空気流量は、火花点火燃焼による運転が可能な空燃比(たとえばストイキ〜23付近)となるように設定されている。
【0028】
S36では、火花点火燃焼に切り換える気筒のうち、上記のように、当初の空燃比が火花点火燃焼が可能な空燃比(前記第2所定値)よりも大きな空燃比となる気筒(本実施形態前記2番目に吸気を行う気筒)に対して、燃料増量補正を図15に示すマップからの検索によって行う。燃料噴射量の増量分は、空燃比が火花点火燃焼可能な空燃比より大きくなるほど大きく設定してあり、これにより、増量補正後の空燃比が火花点火燃焼可能な空燃比となる。
【0029】
一方、S37で、空燃比が前記第2所定値以下となって火花点火燃焼が可能となる気筒(本実施形態においては前記3番目および4番目に吸気を行う気筒)に対しては、図16に示すように、該第2気筒の燃料増量分に応じた点火時期の遅角補正を行う。以後、全気筒において気筒内の空気量が目標空気量に達したと判断した際、すなわち圧力センサ21によりコレクタ内圧力が目標圧力に達したと判断した際に、フラグを1にセットして気筒別制御を停止し、全気筒においてストイキ混合気にて運転を行うことは第1の実施形態と同様である。
【0030】
続いて、第3の実施形態について説明する。
第3の実施形態は第2の実施形態に代えて、火花点火燃焼へ切り換え制御を行う気筒のうちで、燃料増量補正をする気筒以外の気筒に対する制御のみ異なる。
すなわち、第2の実施形態では、燃料増量補正を行う気筒以外の火花点火燃焼を行う気筒において、点火時期を遅角させることにより、燃料増量補正を行う気筒で発生する余剰なトルクを吸収したが、本第3の実施形態においては、点火時期の遅角制御に代えて、燃料噴射量を減量し、リーン燃焼させることにより余剰トルクの吸収を行う。これにより、燃料消費量を抑制することが可能になる。
【0031】
上記本第3の実施形態における切り換え制御の流れを、図17のフローチャートに示す。
S41〜S46までの、火花点火燃焼へのり換え制御開始後、1番目の吸気気筒では圧縮自己着火燃焼を行い、2番目の吸気気筒で燃料噴射量の増量補正を行って火花点火燃焼を開始することは、第2の実施形態と同様である。
【0032】
S47では、燃料増量補正を行わない火花点火燃焼を行う気筒に対して、図15に示すマップに基づいて燃料噴射量を減量し、機関トータルでストイキ運転になるように制御を行う。以後、全気筒において目標空気量に達した時、すなわち圧力センサ21によりコレクタ内圧力が目標圧力に達したと判断した際に、フラグを1にセットして気筒別制御を停止し、全気筒においてストイキ混合気にて運転を行うことは第1、第2の実施形態と同様である。
【0033】
以上のように、本発明の実施形態を4気筒圧縮自己着火式ガソリン機関において説明してきたが、6気筒や8気筒といった他の多気筒機関の場合であっても同様の制御を行うことで適用可能である。
上記各実施形態によれば、運転状態に応じて圧縮自己着火燃焼と火花点火燃焼との2つの燃焼状態を選択的に切り換え可能なエンジン本体10のECU1等で構成される制御装置において、圧縮自己着火燃焼から火花点火燃焼への切り換え時、エンジン本体10への吸入空気量を減少させて空燃比を切り換え後のストイキ等の目標空燃比に切り換えると共に、実空燃比が前記目標空燃比に至る前に所定値より小さくなった気筒から火花点火燃焼への切り換えを開始する構成としたため、圧縮自己着火燃焼から火花点火燃焼への燃焼切り換え時に失火およびノッキングを防止して滑らかな運転が可能になる。
【0034】
また、上記第1の実施形態では、燃焼切換制御を開始してから火花点火燃焼を開始後、前記気筒毎の実空燃比が目標空燃比に至るまでの間、目標空燃比と実空燃比との差に応じて点火時期を進角補正する構成とし、例えば、エンジン本体10が4つの気筒を有し、前記吸入空気量の減少を開始してから1番目に燃焼する気筒は圧縮自己着火燃焼を行ない、2番目から4番目に燃焼する気筒は火花点火燃焼を行なうとともに前記点火時期を進角補正する度合いを、2番目から4番目の順で小さくする構成とした。
【0035】
これにより、各気筒別に失火およびノッキングを抑制しつつ、切り換え時に発生するトルク段差を解消することができ、さらに、点火時期の進角制御によりリーンな混合気でも確実な火花点火を行うことができ、失火を防止しつつ安定的な運転が可能になる。
また、上記第2及び第3の実施形態によれば、前記火花点火燃焼を開始後、前記気筒毎の実空燃比が目標空燃比に至るまでの間、目標空燃比と実空燃比との差に応じて燃料噴射量を増量補正する構成とし、例えば、エンジン本体10が4つの気筒を有し、前記吸入空気量の減少を開始してから1番目に燃焼する気筒は圧縮自己着火燃焼を行ない、2番目から4番目に燃焼する気筒は火花点火燃焼を行なうとともに2番目に燃焼する気筒の燃料噴射量を増量補正する構成とした。
【0036】
これにより、過度なリーン状態での燃焼安定性悪化を抑制し、確実な着火性を確保することで、安定的な運転を可能にする。
また、上記第2の実施形態によれば、前記火花点火燃焼を開始後、前記気筒毎の実空燃比が前記所定値より小さい火花点火燃焼のリーン限界である第2所定値を下回った後、前記燃料噴射量の増量補正に応じて点火時期を遅角補正する構成とし、例えば、エンジン本体10が4つの気筒を有し、前記吸入空気量の減少を開始してから1番目に燃焼する気筒は圧縮自己着火燃焼を行ない、2番目に燃焼する気筒の燃料噴射量を増量補正し、3番目と4番目に燃焼する気筒のうち少なくとも一方の点火時期を遅角補正する構成とした。
【0037】
これにより、前記燃料噴射量を増量する気筒で発生する過剰なトルクを、増量しない気筒の点火時期遅角化によるトルクの減少で吸収し、トルク段差のない滑らかな運転性の確保が可能になる。
また、上記第3の実施形態によれば、前記火花点火燃焼を開始後、前記気筒毎の実空燃比が前記所定値より小さい第2所定値以下となった後、燃料噴射量を減量補正する構成とし、例えば、エンジン本体10が4つの気筒を有し、前記吸入空気量の減少を開始してから1番目に燃焼する気筒は圧縮自己着火燃焼を行ない、2番目から4番目に燃焼する気筒は火花点火燃焼を行なうとともに、2番目に燃焼する気筒の燃料噴射量を増量補正し、3番目と4番目に燃焼する気筒のうち少なくとも一方の燃料噴射量を減量補正する構成とした。
【0038】
これにより、前記燃料噴射量を増量する気筒で発生する過剰なトルクを、増量しない気筒の燃料噴射量を減少させて吸収することでトルク段差のない滑らかな運転性が確保できるとともに、全気筒トータルでストイキ燃焼させることができるため、一般に排気系に介装される排気浄化触媒を最も活性化させた状態で運転でき、排気浄化性能に優れたエンジンを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態におけるシステム構成図。
【図2】第1の実施形態で燃焼パターンを判別するためのマップ。
【図3】圧縮自己着火燃焼時の空燃比に対するノッキング強度、安定度、燃焼時期を説明するための図。
【図4】第1の実施形態における燃料噴射量、スロットル開度、吸気流量を説明するための図。
【図5】燃焼切り換え時のコレクタ内圧力の変化の様子を示す図。
【図6】空気流量とコレクタ内圧力の関係を示す図。
【図7】燃焼切り換え時の各気筒への実空気流量を説明するための図。
【図8】第1の実施形態における燃焼パターン判断の制御を示すフローチャート。
【図9】第1の実施形態における圧縮自己着火燃焼から火花点火燃焼への切り換え制御を示すフローチャート。
【図10】圧縮自己着火燃焼から火花点火燃焼への切り換え直後におけるエンジン回転速度に対する目標コレクタ内圧力と実コレクタ内圧力との関係を示す図。
【図11】目標コレクタ内圧力に制御するためのエンジン回転速度に対するスロットル開度を示すマップ。
【図12】圧縮自己着火燃焼から火花点火燃焼への切り換え直後に流入する実空気流量を、最初に吸気を行う気筒から最後に吸気を行う気筒までの順に示した図。
【図13】第1の実施形態における点火時期進角補正量を示すマップ。
【図14】第2の実施形態における圧縮自己着火燃焼から火花点火燃焼への切り換え制御を示すフローチャート。
【図15】第2の実施形態と第3の実施形態における燃料噴射量の増減補正量を示すマップ。
【図16】第2の実施形態における燃料増量に対する点火時期補正量を示すマップ。
【図17】第3の実施形態における圧縮自己着火燃焼から火花点火燃焼への切り換え制御を示すフローチャート。
【符号の説明】
1…電子制御装置(ECU)  2…燃焼パターン判定部  4…自己着火燃焼制御部  5…切り換え制御判定部  6…燃焼切り換え制御部  10…エンジン本体  16…クランク角センサ  17…燃料噴射弁  18…点火プラグ  21…圧力センサ

Claims (9)

  1. 運転状態に応じて圧縮自己着火燃焼と火花点火燃焼との2つの燃焼状態を選択的に切り換え可能な内燃機関の制御装置において、圧縮自己着火燃焼から火花点火燃焼への切り換え時、機関への吸入空気量を減少させて空燃比を切り換え後の目標空燃比に切り換えると共に、実空燃比が前記目標空燃比に至る前に所定値より小さくなった気筒から火花点火燃焼への切り換えを開始することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記火花点火燃焼を開始後、前記気筒毎の実空燃比が目標空燃比に至るまでの間、目標空燃比と実空燃比との差に応じて点火時期を進角補正することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 機関が4つの気筒を有し、前記圧縮自己着火燃焼から火花点火燃焼への切り換え時に、前記吸入空気量の減少を開始してから1番目に燃焼する気筒は圧縮自己着火燃焼を行ない、2番目から4番目に燃焼する気筒は火花点火燃焼を行なうとともに前記点火時期を進角補正する度合いを、2番目から4番目の順で小さくすることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記火花点火燃焼を開始後、前記気筒毎の実空燃比が目標空燃比に至るまでの間、目標空燃比と実空燃比との差に応じて燃料噴射量を増量補正することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  5. 機関が4つの気筒を有し、前記圧縮自己着火燃焼から火花点火燃焼への切り換え時に、前記吸入空気量の減少を開始してから1番目に燃焼する気筒は圧縮自己着火燃焼を行ない、2番目から4番目に燃焼する気筒は火花点火燃焼を行なうとともに、2番目に燃焼する気筒の燃料噴射量を増量補正することを特徴とする請求項4に記載の内燃機関の制御装置。
  6. 前記火花点火燃焼を開始後、前記気筒毎の実空燃比が前記所定値より小さい火花点火燃焼のリーン限界である第2所定値を下回った後、前記燃料噴射量の増量補正に応じて点火時期を遅角補正することを特徴とする請求項4に記載の内燃機関の制御装置。
  7. 機関が4つの気筒を有し、前記圧縮自己着火燃焼から火花点火燃焼への切り換え時に、前記吸入空気量の減少を開始してから1番目に燃焼する気筒は圧縮自己着火燃焼を行ない、2番目から4番目に燃焼する気筒は火花点火燃焼を行なうとともに、2番目に燃焼する気筒の燃料噴射量を増量補正し、3番目と4番目に燃焼する気筒のうち少なくとも一方の点火時期を遅角補正することを特徴とする請求項6に記載の内燃機関の制御装置。
  8. 前記火花点火燃焼を開始後、前記気筒毎の実空燃比が前記所定値より小さい第2所定値以下となった後、燃料噴射量を減量補正することを特徴とする請求項4に記載の内燃機関の制御装置。
  9. 機関が4つの気筒を有し、前記圧縮自己着火燃焼から火花点火燃焼への切り換え時に、前記燃焼切替制御手段は、圧縮自己着火燃焼から火花点火燃焼に切替えるとき、前記吸入空気量の減少を開始してから1番目に燃焼する気筒は圧縮自己着火燃焼を行ない、2番目から4番目に燃焼する気筒は火花点火燃焼を行なうとともに、2番目に燃焼する気筒の燃料噴射量を増量補正し、3番目と4番目に燃焼する気筒のうち少なくとも一方の燃料噴射量を減量補正することを特徴とする請求項8に記載の内燃機関の制御装置。
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