JP3845866B2 - 筒内噴射式内燃機関の燃料噴射制御装置 - Google Patents

筒内噴射式内燃機関の燃料噴射制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、筒内に燃料を直接噴射する筒内噴射式内燃機関の燃料噴射制御方法を改善した筒内噴射式内燃機関の燃料噴射制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、内燃機関の燃料噴射条件(例えば燃料噴射時期)の適合は、標準的な燃料性状を有する燃料(標準燃料)を使用して行うことが多い。しかし、市場で実際に使用される燃料の燃料性状は様々であり、燃料性状によって燃料噴射弁から噴射される燃料の蒸発特性ひいては霧化特性が変化する。このため、霧化特性の悪い重質の燃料が使用されると、標準燃料で適合した燃料噴射条件では、噴射燃料を十分に霧化させることができず、燃焼状態が悪化して、ドライバビリティや排気エミッションが悪化する可能性がある。
【0003】
この対策として、燃料を吸気管の吸気ポートに噴射する吸気ポート噴射式エンジンにおいては、特許文献1(特許第2596433号公報)に示すように、燃料性状が重質と判定された場合に、燃料噴射時期を吸気行程からそれよりも進角側の圧縮行程に変更して、燃料が吸気ポート内に噴射されてから筒内に吸入されるまでの時間(吸気ポートで燃料を霧化させる時間)を長くすることで、重質燃料に対応した霧化時間を確保できるようにしたものがある。
【0004】
また、特許文献2(特許第2799021号公報)に示すように、燃料性状が重質と判定された場合に、燃料噴射時期を排気行程からそれよりも遅角側の吸気行程に変更して、吸気ポートに噴射された燃料を吸入空気流に乗せて速やかに筒内に吸入させることで、吸気ポートの内壁面等に付着する燃料(ウェット)を減少させて、重質燃料の場合でも筒内に吸入される燃料量を確保できるようにしたものもある。
【0005】
一方、近年、低燃費、低排気エミッション、高出力の特長を兼ね備えた筒内噴射式エンジンの需要が急増している。この筒内噴射式エンジンは、エンジン運転状態に応じて成層燃焼モードと均質燃焼モードとを切り換え、成層燃焼モードでは、少量の燃料を圧縮行程で筒内に直接噴射して点火プラグの近傍に成層混合気を形成して成層燃焼させ、均質燃焼モードでは、燃料噴射量を増量して吸気行程で筒内に燃料を直接噴射して均質混合気を形成して均質燃焼させるようにしている。
【0006】
【特許文献1】
特許第2596433号公報(第2頁、第2図等)
【特許文献2】
特許第2799021号公報(第2頁、第5図等)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述した特許文献1、2に示す燃料噴射制御では、燃料性状が重質と判定された場合に、燃料を噴射する行程をそれよりも進角側の行程や遅角側の行程に変更するようにしている。これらの方法は、上述したように吸気ポート噴射式エンジンに対しては有効的であるが、筒内噴射式エンジンに対しては問題がある。
【0008】
つまり、筒内噴射式エンジンでは、筒内に燃料を直接噴射するため、各燃焼モードに対応した所定の行程(均質燃焼モードでは吸気行程、成層燃焼モードでは圧縮行程)で筒内に燃料を噴射することで、燃焼モードに対応した適正なタイミングで筒内に混合気を形成するようにしている。従って、特許文献1、2に示す吸気ポート噴射式エンジンの燃料噴射制御の技術を筒内噴射式エンジンに適用して、燃料性状が重質と判定された場合に、燃料を噴射する行程をそれよりも進角側の行程や遅角側の行程に変更すると、燃料性状の違いによる燃焼悪化を防止するどころか、燃焼モードに対応した混合気(成層混合気、均質混合気)を正常に形成できなくなって、正常に燃焼させることができなくなってしまう。
【0009】
本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、従ってその目的は、燃料性状に左右されない安定した燃焼性能を確保することができ、ドライバビリティや排気エミッションを向上させることができる筒内噴射式内燃機関の燃料噴射制御装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1の筒内噴射式内燃機関の燃料噴射制御装置は、圧縮行程で筒内に燃料を噴射して成層燃焼させる成層燃焼モードと、吸気行程で筒内に燃料を噴射して均質燃焼させる均質燃焼モードとを切り換える燃焼モード切換制御手段を備えたシステムにおいて、使用燃料の燃料性状を燃料性状判定手段により判定し、均質燃焼モードで運転するときに燃料性状が重質と判定された場合に、燃料噴射補正手段により燃料噴射時期を吸気行程内で進角補正する
【0011】
燃料性状が重質の場合に、燃料噴射時期を進角補正すれば、筒内に燃料が噴射されてから点火されるまでの時間(燃料を霧化させる時間)を長くして、重質燃料でも適度に霧化させることができる。しかも、均質燃焼モードで運転するときに燃料噴射時期を均質燃焼モードに対応した吸気行程内で進角補正するので、他の行程の影響を受けずに均質燃焼モードに対応した適正なタイミングで均質混合気を形成することができる。これにより、燃料性状に左右されない安定した均質燃焼を実現することができ、ドライバビリティや排気エミッションを向上させることができる。
【0014】
一般に、成層燃焼モードでは、圧縮行程でピストンが上昇してくるときに所定のタイミングで筒内に燃料を噴射することで、ピストンの上面を利用して噴射燃料を点火プラグの近傍に導いて成層混合気を形成して成層燃焼を実現するようにしているため、圧縮行程噴射時期の補正可能範囲が狭く、圧縮行程噴射時期を進角し過ぎると、成層混合気を正常に形成できなくなって、燃焼悪化や失火を招いてしまう。
【0015】
そこで、請求項のように、成層燃焼モードで運転するときに燃料性状の重質判定に伴って進角補正された圧縮行程噴射時期が進角側の所定値を越えた場合には、成層燃焼モードから均質燃焼モードに切り換えるようにすると良い。つまり、進角補正された圧縮行程噴射時期が進角側の所定値を越えた場合には、このままの圧縮行程噴射時期では成層混合気を正常に形成できないと判断して、均質燃焼モードに切り換える。これにより、圧縮行程噴射時期の進角補正で対応できない重質燃料が使用されている場合は、そのような重質燃料でも十分に霧化時間を確保できる均質燃焼モード(吸気行程噴射)に切り換えて、重質燃料を適度に霧化させて安定燃焼させることができる。
【0016】
或は、請求項のように、成層燃焼モードで運転するときに燃料性状が重質と判定された場合に、常に、成層燃焼モードから均質燃焼モードに切り換えるようにしても良い。
【0023】
【発明の実施の形態】
《実施形態(1)》
以下、本発明の実施形態(1)を図1乃至図7に基づいて説明する。まず、図1に基づいてエンジン制御システム全体の概略構成を説明する。筒内噴射式の内燃機関である筒内噴射式エンジン11の吸気管12の最上流部には、エアクリーナ13が設けられ、このエアクリーナ13の下流側に、吸入空気量を検出するエアフローメータ14が設けられている。このエアフローメータ14の下流側には、DCモータ等のモータ15によって駆動されるスロットルバルブ16が設けられ、このスロットルバルブ16の開度(スロットル開度)がスロットル開度センサ17によって検出される。
【0024】
また、スロットルバルブ16の下流側には、サージタンク18が設けられ、このサージタンク18に、吸気管圧力を検出する吸気管圧力センサ19が設けられている。また、サージタンク18には、エンジン11の各気筒に空気を導入する吸気マニホールド20が設けられ、各気筒の吸気マニホールド20に、筒内の気流強度(スワール流強度やタンブル流強度)を制御する気流制御弁31が設けられている。
【0025】
エンジン11の各気筒の上部には、それぞれ燃料を筒内に直接噴射する燃料噴射弁21が取り付けられている。エンジン11のシリンダヘッドには、各気筒毎に点火プラグ22が取り付けられ、各点火プラグ22の火花放電によって筒内の混合気に着火される。また、エンジン11の吸気バルブ37と排気バルブ38には、それぞれバルブタイミングを可変する可変バルブタイミング機構39,40が設けられている。
【0026】
エンジン11のシリンダブロックには、ノッキングを検出するノックセンサ32と、冷却水温を検出する冷却水温センサ23とが取り付けられている。また、クランク軸(図示せず)の外周側には、所定のクランク角毎にクランク角信号を出力するクランク角センサ24が取り付けられている。このクランク角センサ24の出力信号に基づいてクランク角やエンジン回転速度が検出される。
【0027】
一方、エンジン11の排気管25には、排出ガスを浄化する上流側触媒26と下流側触媒27が設けられ、上流側触媒26の上流側に、排出ガスの空燃比又はリッチ/リーン等を検出する排出ガスセンサ28(空燃比センサ、酸素センサ等)が設けられている。本実施形態では、上流側触媒26として理論空燃比付近で排出ガス中のCO,HC,NOx等を浄化する三元触媒が設けられ、下流側触媒27としてNOx吸蔵還元型触媒が設けられている。このNOx吸蔵還元型触媒27は、排出ガスの空燃比がリーンのときに排出ガス中のNOxを吸蔵し、空燃比が理論空燃比付近又はリッチになったときに吸蔵NOxを還元浄化して放出する特性を持っている。
【0028】
また、排気管25のうちの上流側触媒26の下流側と吸気管12のうちのスロットルバルブ16の下流側のサージタンク18との間に、排出ガスの一部を吸気側に還流させるためのEGR配管33が接続され、このEGR配管33の途中に排出ガス還流量(EGR量)を制御するEGR弁34が設けられている。また、アクセルペダル35の踏込量(アクセル開度)がアクセルセンサ36によって検出される。
【0029】
前述した各種センサの出力は、エンジン制御回路(以下「ECU」と表記する)30に入力される。このECU30は、マイクロコンピュータを主体として構成され、内蔵されたROM(記憶媒体)に記憶された各種の制御ルーチンを実行することで、エンジン運転状態に応じて燃料噴射弁21の燃料噴射量や燃料噴射時期、点火プラグ22の点火時期等を制御する。
【0030】
このECU30は、後述する図2乃至図6に示す各ルーチンを実行することで、燃焼モード切換制御手段として機能し、エンジン運転状態(要求トルクやエンジン回転速度等)に応じて成層燃焼モードと均質燃焼モードとを切り換える。成層燃焼モードでは、少量の燃料を圧縮行程で筒内に直接噴射して点火プラグ22の近傍に成層混合気を形成して成層燃焼させることで、燃費を向上させる。一方、均質燃焼モードでは、燃料噴射量を増量して吸気行程で筒内に燃料を直接噴射して均質混合気を形成して均質燃焼させることで、エンジン出力を高める。
【0031】
その際、ECU30は、図5及び図6に示す燃料系制御ルーチンを実行することで、燃料噴射補正手段として機能し、燃料性状が重質と判定された場合に、成層燃焼モードで運転するときには圧縮行程噴射時期を圧縮行程内で進角補正し、均質燃焼モードで運転するときには吸気行程噴射時期を吸気行程内で進角補正する。これにより、燃料性状が重質の場合には、筒内に燃料が噴射されてから点火されるまでの時間(燃料を霧化させる時間)を長くして、重質燃料でも適度に霧化できるようにする。
【0032】
尚、ECU30は、図示しない燃料性状判定ルーチンを実行することで、燃料性状判定手段として機能し、エンジン始動後の燃焼安定性(回転変動)、過渡運転時の空燃比のずれ等に基づいて使用燃料の燃料性状を判定する。或は、燃料タンク内に設けた燃料性状センサ等のセンサ出力(燃料の蒸発性)に基づいて使用燃料の燃料性状を判定するようにしても良い。
【0033】
以下、ECU30が実行する図2乃至図6に示す各ルーチンの処理内容を説明する。
【0034】
[エンジン制御メインルーチン]
図2のエンジン制御メインルーチンは、イグニッションスイッチ(図示せず)のオン後に所定周期で実行される。本メインルーチンが起動されると、まずステップ100で、アクセル開度とエンジン回転速度等に基づいて要求トルクを算出する。この後、ステップ200に進み、図3の燃焼モード決定ルーチンを実行して燃焼モードを決定した後、ステップ300に進み、図4の燃焼モード切換制御ルーチンを実行して、燃焼モード切換要求があれば、燃焼モード切換制御を実行し、次のステップ400〜600で、空気系制御ルーチン(図示せず)、図5及び図6の燃料系制御ルーチン、点火系制御ルーチン(図示せず)を実行して、空気系、燃料系、点火系の各制御パラメータをそれぞれ所定のタイミングで切り換え先の燃焼モードの目標値に切り換えて燃焼モードを切り換える。
【0035】
[燃焼モード決定ルーチン]
図2のエンジン制御メインルーチンのステップ200で、図3の燃焼モード決定ルーチンが起動されると、まずステップ201で、要求燃焼モード判定マップを検索して現在のエンジン運転状態(例えばエンジン回転速度と要求トルク)に応じて成層燃焼モードと均質燃焼モードのいずれか一方を要求燃焼モードとして選択する。この要求燃焼モード判定マップは、低回転、低トルク領域では、燃費節減を優先して成層燃焼モードが選択され、一方、高回転、高トルク領域では、エンジン出力を優先して均質燃焼モードが選択されるように設定されている。
【0036】
この後、ステップ202に進み、現在のエンジン運転状態に応じて選択した要求燃焼モードが均質燃焼モードであるか否かを判定し、要求燃焼モードが均質燃焼モードであれば、ステップ203に進み、現在の実燃焼モードが均質燃焼モードであるか否かを判定する。もし、現在の実燃焼モードが均質燃焼モードでなければ、燃焼モードを切り換える必要があるため、ステップ204に進み、燃焼モード切換中フラグをONして、ステップ205に進み、空気系制御モードを均質燃焼モードに設定する。一方、現在の実燃焼モードが均質燃焼モードであれば、燃焼モードを切り換える必要がないため、ステップ204を飛び越して、ステップ205に進み、空気系制御モードを均質燃焼モードに維持する。
【0037】
前記ステップ202で、要求燃焼モードが均質燃焼モードでない(成層燃焼モードである)と判定された場合には、ステップ207に進み、現在の実燃焼モードが成層燃焼モードであるか否かを判定する。もし、現在の実燃焼モードが成層燃焼モードでなければ、燃焼モードを切り換える必要があるため、ステップ208に進み、燃焼モード切換中フラグをONして、ステップ209に進み、空気系制御モードを均質燃焼モードに設定する。一方、現在の実燃焼モードが成層燃焼モードであれば、燃焼モードを切り換える必要がないため、ステップ208を飛び越して、ステップ205に進み、空気系制御モードを成層燃焼モードに維持する。
【0038】
[燃焼モード切換制御ルーチン]
図2のエンジン制御メインルーチンのステップ300で、図4の燃焼モード切換制御ルーチンが起動されると、まずステップ301で、燃焼モード切換中フラグがONであるか否かによって燃焼モード切換中であるか否かを判定し、燃焼モード切換中でなければ、以降の処理を行うことなく、本ルーチンを終了する。
【0039】
一方、燃焼モード切換中であれば、ステップ302に進み、要求燃焼モードが成層燃焼モードであるか否かを判定し、要求燃焼モードが成層燃焼モードでなければ(つまり要求燃焼モードが均質燃焼モードであれば)、ステップ303に進み、実空燃比A/Fが均質燃焼領域判定値CAF2よりリッチであるか否かで、実空燃比A/Fが均質燃焼領域であるか否かを判定する。その結果、実空燃比A/Fが均質燃焼領域判定値CAF2よりリーンである(実空燃比A/Fが均質燃焼領域に入っていない)と判定された場合は、以降の処理を行うことなく、本ルーチンを終了する。
【0040】
その後、実空燃比A/Fが均質燃焼領域判定値CAF2よりもリッチになって実空燃比A/Fが均質燃焼可能な領域に入ったと判定された時点で、ステップ304に進み、燃料系制御モードを均質燃焼モードに設定して、燃料噴射モードを吸気行程噴射に切り換えた後、燃焼モード切換中フラグをOFFして本ルーチンを終了する。これにより、実燃焼モードが均質燃焼モードに切り換わる。
【0041】
また、燃焼モード切換中で、且つ要求燃焼モードが成層燃焼モードであると判定された場合(ステップ301、302で共に「Yes」と判定された場合)は、ステップ306に進み、実空燃比A/Fが成層燃焼領域判定値CAF1よりもリーンであるか否かで、実空燃比A/Fが成層燃焼領域であるか否かを判定する。その結果、実空燃比A/Fが成層燃焼領域判定値CAF1よりもリッチである(実空燃比A/Fが成層燃焼領域に入っていない)と判定された場合は、以降の処理を行うことなく、本ルーチンを終了する。
【0042】
その後、実空燃比A/Fが成層燃焼領域判定値CAF1よりもリーンになって実空燃比A/Fが成層燃焼可能な領域に入ったと判定された時点で、ステップ308に進み、燃料系制御モードを成層燃焼モードに設定して、燃料噴射モードを圧縮行程噴射に切り換えた後、燃焼モード切換中フラグをOFFして本ルーチンを終了する。これにより、実燃焼モードが成層燃焼モードに切り換わる。
【0043】
[噴射時期補正量算出ルーチン]
図2のエンジン制御メインルーチンのステップ500で、図5の噴射時期補正量算出ルーチンが起動されると、まずステップ401で、使用燃料が重質燃料であるか否か(燃料性状が重質であるか否か)を判定し、重質燃料であると判定された場合には、ステップ402に進み、燃料系制御モードが成層燃焼モードであるか否かを判定する。
【0044】
その結果、燃料系制御モードが成層燃焼モードであると判定された場合には、ステップ403に進み、成層燃焼モード用の圧縮行程噴射時期補正量AC1 のマップを検索して、現在のエンジン運転状態(例えばエンジン回転速度Neと要求トルク)に応じた圧縮行程噴射時期補正量AC1 を算出する。この圧縮行程噴射時期補正量AC1 は、後述するベース圧縮行程噴射時期AC0 を圧縮行程内に収まる範囲で進角補正する進角補正値として設定される。
【0045】
一方、上記ステップ402で、燃料系制御モードが成層燃焼モードでない(均質燃焼モードである)と判定された場合には、ステップ404に進み、均質燃焼モード用の吸気行程噴射時期補正量AI1 のマップを検索して、現在のエンジン運転状態(例えばエンジン回転速度Neと要求トルク)に応じた吸気行程噴射時期補正量AI1 を算出する。この吸気行程噴射時期補正量AI1 は、後述する均質燃焼モード用のベース吸気行程噴射時期AI0 を吸気行程内に収まる範囲で進角補正する進角補正値として設定される。
【0046】
その後、上記ステップ401で、使用燃料が重質燃料でない(軽質燃料である)と判定された場合には、ステップ405に進み、圧縮行程噴射時期補正量AC1 と吸気行程噴射時期補正量AI1 を両方とも「0」にクリアする。
【0047】
[燃料噴射時期算出ルーチン]
図2のエンジン制御メインルーチンのステップ500で、図6の燃料噴射時期算出ルーチンが起動されると、まずステップ501で、燃料系制御モードが成層燃焼モードであるか否かを判定し、成層燃焼モードであると判定された場合には、ステップ502に進み、成層燃焼モード用のベース圧縮行程噴射時期AC0 のマップを検索して、現在のエンジン運転状態(例えばエンジン回転速度Neと要求トルク)に応じた成層燃焼モード用のベース圧縮行程噴射時期AC0 を算出する。この成層燃焼モード用のベース圧縮行程噴射時期AC0 のマップは、例えば標準燃料(標準的な燃料性状を有する燃料)を使用して適合した値を用いて作成したものである。
【0048】
この後、ステップ503に進み、成層燃焼モード用のベース圧縮行程噴射時期AC0 を噴射時期補正量AC1 を用いて圧縮行程内に収まる範囲で進角補正して最終的な成層燃焼モード用の圧縮行程噴射時期ACを求める。
AC=AC0 +AC1
【0049】
一方、上記ステップ501で、燃料系制御モードが成層燃焼モードでない(均質燃焼モードである)と判定された場合には、ステップ504に進み、均質燃焼モード用のベース吸気行程噴射時期AI0 のマップを検索して、現在のエンジン運転状態(例えばエンジン回転速度Neと要求トルク)に応じた均質燃焼モード用のベース吸気行程噴射時期AI0 を算出する。この均質燃焼モード用のベース吸気行程噴射時期AI0 のマップは、例えば標準燃料(標準的な燃料性状を有する燃料)を使用して適合した値を用いて作成したものである。
【0050】
この後、ステップ505に進み、均質燃焼モード用のベース吸気行程噴射時期AI0 を噴射時期補正量AI1 を用いて吸気行程内に収まる範囲で進角補正して最終的な均質燃焼モード用の吸気行程噴射時期AIを求める。
AI=AI0 +AI1
【0051】
以上説明した本実施形態(1)の実行例を図7のタイムチャートを用いて説明する。成層燃焼モードで運転するときには、エンジン運転状態に応じて標準燃料に対応したベース圧縮行程噴射時期AC0 を算出し、更に、使用燃料が重質燃料(燃料性状が重質)と判定された場合には、エンジン運転状態に応じた噴射時期補正量AC1 を用いてベース圧縮行程噴射時期AC0 を圧縮行程内に収まる範囲で進角補正して最終的な圧縮行程噴射時期ACを設定する。
【0052】
一方、均質燃焼モードで運転するときには、エンジン運転状態に応じて標準燃料に対応したベース吸気行程噴射時期AI0 を算出し、更に、使用燃料が重質燃料と判定された場合には、エンジン運転状態に応じた噴射時期補正量AI1 を用いてベース吸気行程噴射時期AI0 を吸気行程内に収まる範囲で進角補正して最終的な吸気行程噴射時期AIを設定する。
【0053】
以上のようにして使用燃料が重質燃料と判定された場合に、圧縮行程噴射時期ACや吸気行程噴射時期AIを進角補正すれば、筒内に燃料が噴射されてから点火されるまでの時間(燃料を霧化させる時間)を長くすることができ、重質燃料でも適度に霧化させることができる。しかも、圧縮行程噴射時期ACや吸気行程噴射時期AIを燃焼モードに対応した所定の行程内で進角補正するので、他の行程の影響を受けずに成層又は均質燃焼モードに対応した適正なタイミングで成層又は均質混合気を形成することができる。これにより、燃料性状に左右されない安定した燃焼性能を確保することができ、ドライバビリティや排気エミッションを向上させることができる。
【0054】
《実施形態(2)》
次に、本発明の実施形態(2)を図8及び図9を用いて説明する。吸気行程で燃料を噴射する均質燃焼モードでは、図9に示すように、標準燃料に対応した均質燃焼モード用のベース吸気行程噴射時期AI0 が吸気上死点付近に設定されることがあり、この場合、ピストンが上死点付近、つまりピストンがまだ燃料噴射弁21の近くにあるタイミングで燃料がピストンに向けて噴射される。このような領域で、燃料性状が重質の場合にベース吸気行程噴射時期AI0 を進角補正すると、燃料噴射時のピストンの位置が進角補正前よりも更に燃料噴射弁21に近い位置となるため、ピストンに付着する燃料(ピストンウェット)が増加して、燃料の霧化を悪化させる方向に作用してしまう。
【0055】
そこで、本実施形態(2)では、後述する図8の吸気行程噴射時期補正量算出ルーチンを実行することで、均質燃焼モードで運転するときに均質燃焼モード用のベース吸気行程噴射時期AI0 が吸気上死点付近に設定されている状態で燃料性状が重質と判定された場合には、ベース吸気行程噴射時期AI0 を吸気行程内に収まる範囲で遅角補正して、ピストンが上死点からある程度下降して燃料噴射弁21からある程度離れたタイミングで燃料を噴射するようにしている。
【0056】
図8の吸気行程噴射時期補正量算出ルーチンは、均質燃焼モード運転中に所定周期で実行される。本ルーチンが起動されると、まずステップ601で、使用燃料が重質燃料であるか否か(燃料性状が重質であるか否か)を判定し、重質燃料であると判定された場合には、ステップ602に進み、現在の均質燃焼モード用のベース吸気行程噴射時期AI0 が吸気上死点付近であるか否か(C1 <AI0 <C2 であるか否か)を判定する。
【0057】
その結果、ベース吸気行程噴射時期AI0 が吸気上死点付近であると判定された場合には、ベース吸気行程時期AI0 を遅角補正する必要があると判断して、ステップ603に進み、遅角補正用の噴射時期補正量AI1 のマップを検索して、現在のエンジン運転状態(例えばエンジン回転速度Neと要求トルク)に応じた遅角補正用の噴射時期補正量AI1 を算出する。この遅角補正用の噴射時期補正量AI1 は、ベース吸気行程噴射時期AI0 を吸気行程内に収まる範囲で遅角補正する遅角補正値として設定される。
【0058】
一方、上記ステップ602で、ベース吸気行程時期AI0 が吸気上死点付近でないと判定された場合には、ベース吸気行程時期AI0 を進角補正する必要があると判断して、ステップ604に進み、進角補正用の噴射時期補正量AI1 のマップを検索して、現在のエンジン運転状態(例えばエンジン回転速度Neと要求トルク)に応じた進角補正用の噴射時期補正量AI1 を算出する。この進角補正用の噴射時期補正量AI1 は、ベース吸気行程噴射時期AI0 を吸気行程内に収まる範囲で進角補正する進角補正値として設定される。
【0059】
その後、上記ステップ601で、使用燃料が重質燃料でない(軽質燃料である)と判定された場合には、ステップ605に進み、噴射時期補正量AI1 を「0」にクリアする。
【0060】
以上説明した本実施形態(2)によれば、図9のタイムチャートに示すように、均質燃焼モードで運転するときに、標準燃料に対応したベース吸気行程噴射時期AI0 が吸気上死点付近に設定されている状態で使用燃料が重質燃料(燃料性状が重質)と判定された場合には、遅角補正用の噴射時期補正量AI1 を用いてベース吸気行程噴射時期AI0 を吸気行程内に収まる範囲で遅角補正して最終的な吸気行程噴射時期AIを設定する。これにより、ピストンが上死点からある程度下降して燃料噴射弁21からある程度離れたタイミングで燃料が噴射されるため、ピストンウェットを減少させて、重質燃料の霧化を向上させることができ、重質燃料でも安定燃焼させることができる。
【0061】
《実施形態(3)》
一般に、成層燃焼モードでは、圧縮行程でピストンが上昇してくるときに所定のタイミングで筒内に燃料を噴射することで、ピストンの上面を利用して噴射燃料を点火プラグ22の近傍に導いて成層混合気を形成して成層燃焼を実現するようにしているため、燃料噴射時期の補正可能範囲が狭く、圧縮行程噴射時期を進角し過ぎると、成層混合気を正常に形成できなくなって、燃焼悪化や失火を招いてしまう。
【0062】
そこで、本発明の実施形態(3)では、後述する図10の燃料噴射時期算出ルーチンを実行することで、成層燃焼モードで運転するときに燃料性状の重質判定に伴って進角補正された成層燃焼モード用の圧縮行程噴射時期ACが進角側の補正限界値である進角側ガード値G1 を越えた場合には、成層燃焼モードから均質燃焼モードに切り換えるようにしている。
【0063】
図10の燃料噴射時期算出ルーチンは、前記実施形態(1)で説明した図6のルーチンのステップ503の後に、ステップ506、507の処理を追加したものであり、それ以外の各ステップの処理は図6と同じである。
【0064】
本ルーチンでは、燃料系制御モードが成層燃焼モードの場合に、エンジン運転状態に応じて標準燃料に対応した成層燃焼モード用のベース圧縮行程噴射時期AC0 を算出し、このベース圧縮行程噴射時期AC0 を噴射時期補正量AC1 で進角補正して最終的な成層燃焼モード用の圧縮行程噴射時期ACを求める(ステップ501〜503)。
AC=AC0 +AC1
【0065】
この後、ステップ506に進み、進角補正された成層燃焼モード用の圧縮行程噴射時期ACが進角側ガード値G1 を越えているか否かを判定する。その結果、成層燃焼モード用の圧縮行程噴射時期ACが進角側ガード値G1 を越えていると判定された場合には、このままでは成層混合気を正常に形成できなくなって、燃焼悪化や失火を招くおそれがあると判断して、ステップ507に進み、要求燃焼モードを均質燃焼モードに切り換える。これにより、空気系制御モード、燃料系制御モード(=点火系制御モード)がそれぞれ所定のタイミングで均質燃焼モード切り換えられて、実燃焼モードが均質燃焼モードに切り換えられる。
【0066】
一方、上記ステップ506で、成層燃焼モード用の圧縮行程噴射時期ACが進角側ガード値G1 を越えていないと判定された場合には、ステップ507を飛び越して本ルーチンを終了する。この場合は、上記ステップ503で、進角補正された圧縮行程噴射時期ACで燃料が噴射される。
【0067】
以上説明した本実施形態(3)では、成層燃焼モードで運転するときに燃料性状の重質判定に伴って進角補正された成層燃焼モード用の圧縮行程噴射時期ACが進角側ガード値G1 を越えた場合に、成層燃焼モードから均質燃焼モードに切り換えるようにしたので、圧縮行程噴射時期ACの進角補正で対応できない重質燃料が使用されている場合は、そのような重質燃料でも十分に霧化時間を確保できる均質燃焼モード(吸気行程噴射)に切り換えることができて、重質燃料を適度に霧化させて安定燃焼させることができる。
【0068】
尚、進角側ガード値G1 とは別に燃焼モード切換用の判定値を設定し、成層燃焼モードで運転するときに燃料性状の重質判定に伴って進角補正された圧縮行程噴射時期ACが燃焼モード切換用の判定値を越えた場合に、成層燃焼モードから均質燃焼モードに切り換えるようにしても良い。
また、成層燃焼モードで運転するときに燃料性状が重質と判定された場合に、常に、成層燃焼モードから均質燃焼モードに切り換えるようにしても良い。
【0069】
《実施形態(4)》
次に、本発明の実施形態(4)を図11及び図12を用いて説明する。筒内噴射式エンジン11では、図12に示すように、吸気行程で燃料を複数回に分けて筒内に噴射する吸気行程分割噴射モードで運転することによって、噴射燃料と吸入空気のミキシング効果を向上させたり、筒内温度を低下させてノック限界を拡大してトルクアップできるようにしたものがある。
【0070】
本実施形態(4)では、後述する図11の吸気行程分割噴射モード用の分割噴射回数算出ルーチンを実行することで、吸気行程分割噴射モードで運転するときに燃料性状が重質と判定された場合に、吸気行程で複数回に分割して噴射する際の分割噴射回数を多して、重質燃料の霧化を向上させるようにしている。
【0071】
図11の吸気行程分割噴射モード用の分割噴射回数算出ルーチンは、イグニッションスイッチ(図示せず)のオン後に所定周期で実行される。本ルーチンが起動されると、まずステップ701で、分割噴射要求が有るか否かを判定する。この分割噴射要求は、高負荷時の分割噴射実行条件が成立したとき、又は、暖機時の分割噴射実行条件が成立したときに発生する。
【0072】
ここで、高負荷時の分割噴射実行条件は、例えば、次の▲1▼〜▲3▼の条件を全て満たすことである。
▲1▼エンジン回転速度が所定値CNE1 よりも低いこと
▲2▼要求トルクが所定値CTQ1 よりも大きいこと
▲3▼冷却水温が所定値CW1 よりも高いこと
【0073】
上記▲1▼〜▲3▼の条件を全て満たせば、高負荷時の分割噴射実行条件が成立するが、上記▲1▼〜▲3▼の条件のうち1つでも満たさない条件があれば、高負荷時の分割噴射実行条件が不成立となる。
【0074】
一方、暖機時の分割噴射実行条件は、例えば、次の▲4▼〜▲6▼の条件を全て満たすことである。
▲4▼エンジン回転速度が所定値CNE2 よりも低いこと
▲5▼要求トルクが所定値CTQ2 よりも小さいこと
▲6▼冷却水温が所定値CW2 よりも低いこと
上記▲4▼〜▲6▼の条件を全て満たせば、暖機時の分割噴射実行条件が成立するが、上記▲4▼〜▲6▼の条件のうち1つでも満たさない条件があれば、暖機時の分割噴射実行条件が不成立となる。
【0075】
高負荷時の分割噴射実行条件と暖機時の分割噴射実行条件のいずれか一方が成立して、分割噴射要求有りと判定された場合には、ステップ702に進み、使用燃料が重質燃料であるか否か(燃料性状が重質であるか否か)を判定する。
【0076】
その結果、使用燃料が重質燃料であると判定さた場合には、ステップ703に進み、重質燃料用の分割噴射回数Nのマップを検索して、現在のエンジン運転状態(例えばエンジン回転速度Neと要求トルク)に応じた重質燃料用の分割噴射回数Nを算出する。この重質燃料用の分割噴射回数Nのマップは、エンジン運転状態が同じであれば、重質燃料の方が軽質燃料よりも分割噴射回数Nが多くなるように設定されている。
【0077】
一方、上記ステップ702で、使用燃料が重質燃料でない(軽質燃料である)と判定された場合には、ステップ704に進み、軽質燃料用の分割噴射回数Nのマップを検索して、現在のエンジン運転状態(例えばエンジン回転速度Neと要求トルク)に応じた軽質燃料用の分割噴射回数Nを算出する。
【0078】
その後、上記ステップ701で、高負荷時の分割噴射実行条件と暖機時の分割噴射実行条件が両方とも不成立となって、分割噴射要求無しと判定された場合には、ステップ705に進み、分割噴射無し(噴射回数=1)にセットする。
【0079】
以上説明した本実施形態(4)によれば、吸気行程分割噴射モードで運転するときに、図12(a)に示すように、軽質燃料(燃料性状が軽質)と判定された場合には分割噴射回数Nを少なくし、図12(b)に示すように、重質燃料(燃料性状が重質)と判定された場合には分割噴射回数Nを多くする。重質燃料の場合に分割噴射回数Nを多くすれば、噴射燃料と吸入空気のミキシング効果を更に高めて重質燃料の霧化を向上させることができ、重質燃料でも安定燃焼させることができる。
【0080】
《実施形態(5)》
本発明の実施形態(5)では、後述する図13の吸気行程分割噴射モード用の燃料噴射量算出ルーチンを実行することで、吸気行程分割噴射モードで運転するときに燃料性状が重質と判定された場合に、吸気行程で複数回に分割して噴射する際の1回目の燃料噴射量の比率を小さくして、重質燃料の霧化を向上させるようにしている。
【0081】
図13の吸気行程分割噴射モード用の燃料噴射量算出ルーチンは、イグニッションスイッチ(図示せず)のオン後に所定周期で実行される。本ルーチンが起動されると、まずステップ801で、分割噴射要求が有るか否かを判定し、分割噴射要求有りと判定された場合には、ステップ802に進み、使用燃料が重質燃料であるか否か(燃料性状が重質であるか否か)を判定する。
【0082】
その結果、使用燃料が重質燃料であると判定さた場合には、ステップ803に進み、重質燃料用の分配率KSPのマップを検索して、現在のエンジン運転状態(例えばエンジン回転速度Neと要求トルク)に応じた重質燃料用の分配率KSPを算出する。この分配率KSPは、トータル燃料噴射量Qtotal (分割噴射回数が2回の場合、1回目の燃料噴射量QI1 +2回目の燃料噴射量QI2 )に対する1回目の燃料噴射量QI1 の割合である。重質燃料用の分配率KSPのマップは、エンジン運転状態が同じであれば、重質燃料の方が軽質燃料よりも分配率KSPが小さくなって1回目の燃料噴射量QI1 が少なくなるように設定されている。
【0083】
一方、上記ステップ802で、使用燃料が重質燃料でない(軽質燃料である)と判定さた場合には、ステップ804に進み、軽質燃料用の分配率KSPのマップを検索して、現在のエンジン運転状態(例えばエンジン回転速度Neと要求トルク)に応じた軽質燃料用の分配率KSPを算出する。
【0084】
分配率KSPの算出後、ステップ806に進み、トータル燃料噴射量Qtotal に分配率KSPを乗算して吸気行程の1回目の燃料噴射量QI1 を求めると共に、トータル燃料噴射量Qtotal から吸気行程の1回目の燃料噴射量QI1 を減算して吸気行程の2回目の燃料噴射量QI2 を求める(分割噴射回数が2回の場合)。
QI1 =Qtotal ×KSP
QI2 =Qtotal −QI1
その後、上記ステップ801で、分割噴射要求無しと判定された場合には、ステップ805に進み、分割噴射無し(分配率KSP=100%)にセットする。
【0085】
以上説明した本実施形態(5)によれば、吸気行程分割噴射モードで運転するときに、図12(a)に示すように、軽質燃料(燃料性状が軽質)と判定された場合には分配率KSPを大きくして吸気行程の1回目の燃料噴射量QI1 を多くし、図12(c)に示すように、重質燃料(燃料性状が重質)と判定された場合には分配率KSPを小さくして吸気行程の1回目の燃料噴射量QI1 を少なくする。吸気行程分割噴射モードでは、複数回の噴射のうち1回目の噴射時にピストンが燃料噴射弁21に最も近付いたタイミングで燃料が噴射されるため、重質燃料の場合に1回目の燃料噴射量QI1 を少なくすれば、ピストンウェットを効果的に減少させて、重質燃料の霧化を向上させることができ、重質燃料でも安定燃焼させることができる。
尚、吸気行程の分割噴射回数は2回に限定されず、3回以上としても良いことは言うまでもない。
【0086】
《実施形態(6)》
本発明の実施形態(6)では、後述する図14の吸気行程分割噴射モード用の分割射間隔算出ルーチンを実行することで、吸気行程分割噴射モードで運転するときに燃料性状が重質と判定された場合に、吸気行程で複数回に分割して噴射する際の分割噴射インターバル(分割噴射間隔)を長くして、重質燃料の霧化を向上させるようにしている。
【0087】
図14の吸気行程分割噴射モード用の分割噴射インターバル算出ルーチンは、イグニッションスイッチ(図示せず)のオン後に所定周期で実行される。本ルーチンが起動されると、まずステップ901で、分割噴射要求が有るか否かを判定し、分割噴射要求有りと判定された場合には、ステップ902に進み、使用燃料が重質燃料であるか否か(燃料性状が重質であるか否か)を判定する。
【0088】
その結果、使用燃料が重質燃料であると判定さた場合には、ステップ903に進み、重質燃料用の分割噴射インターバルITVのマップを検索して、現在のエンジン運転状態(例えばエンジン回転速度Neと要求トルク)に応じた重質燃料用の分割噴射インターバルITVを算出する。この重質燃料用の分割噴射インターバルITVのマップは、エンジン運転状態が同じであれば、重質燃料の方が軽質燃料よりも分割噴射インターバルITVが長くなるように設定されている。
【0089】
一方、上記ステップ902で、使用燃料が重質燃料でない(軽質燃料である)と判定さた場合には、ステップ904に進み、軽質燃料用の分割噴射インターバルITVのマップを検索して、現在のエンジン運転状態(例えばエンジン回転速度Neと要求トルク)に応じた軽質燃料用の分割噴射インターバルITVを算出する。
【0090】
分割噴射インターバルITVの算出後、ステップ905に進み、吸気行程の1回目の燃料噴射時期TI1 から分割噴射インターバルITVだけ遅角して2回目の燃料噴射時期TI2 を求める(分割噴射回数が2回の場合)。
TI2 =TI1 −ITV
その後、上記ステップ901で、分割噴射要求無しと判定された場合は、ステップ906に進み、分割噴射無し(分割噴射インターバル=0)にセットする。
【0091】
以上説明した本実施形態(6)によれば、吸気行程分割噴射モードで運転するときに、図12(a)に示すように、軽質燃料(燃料性状が軽質)と判定された場合には分割噴射インターバルITVを短くし、図12(d)に示すように、重質燃料(燃料性状が重質)と判定された場合には分割噴射インターバルITVを長くする。重質燃料の場合に分割噴射インターバルITVを長くすれば、前回噴射された燃料の霧化がある程度進んでから次回の燃料を噴射することができ、重質燃料の霧化を向上させることができ、重質燃料でも安定燃焼させることができる。
【0092】
尚、吸気行程の分割噴射回数は2回に限定されず、3回以上としても良い。
また、上記各実施形態(4)〜(6)のうちの2つ又は3つを組み合わせて実施するようにしても良い。
【0093】
《実施形態(7)》
次に、本発明の実施形態(7)を図15及び図16を用いて説明する。筒内噴射式エンジン11では、図16に示すように、吸気行程と圧縮行程でそれぞれ筒内に燃料を噴射する吸気・圧縮行程噴射モードで運転するものもある。
【0094】
本実施形態(7)では、後述する図15の吸気・圧縮行程噴射モード用の燃料噴射量算出ルーチンを実行することで、吸気・圧縮行程噴射モードで運転するときに燃料性状が重質と判定された場合に、吸気行程で噴射する燃料量の比率を大きくして、重質燃料の霧化を向上させるようにしている。
【0095】
図15の吸気・圧縮行程噴射モード用の燃料噴射量算出ルーチンは、イグニッションスイッチ(図示せず)のオン後に所定周期で実行される。本ルーチンが起動されると、まずステップ1001で、分割噴射要求が有るか否かを判定し、分割噴射要求有りと判定された場合には、ステップ1002に進み、使用燃料が重質燃料であるか否か(燃料性状が重質であるか否か)を判定する。
【0096】
その結果、使用燃料が重質燃料であると判定さた場合には、ステップ1003に進み、重質燃料用の分配率KSPのマップを検索して、現在のエンジン運転状態(例えばエンジン回転速度Neと要求トルク)に応じた重質燃料用の分配率KSPを算出する。この分配率KSPは、トータル燃料噴射量Qtotal (吸気行程の燃料噴射量QI+圧縮行程の燃料噴射量QC)に対する吸気行程の燃料噴射量QIの割合である。重質燃料用の分配率KSPのマップは、エンジン運転状態が同じであれば、重質燃料の方が軽質燃料よりも分配率KSPが大きくなって吸気行程の燃料噴射量QIが多くなるように設定されている。
【0097】
一方、上記ステップ1002で、使用燃料が重質燃料でない(軽質燃料である)と判定さた場合には、ステップ1004に進み、軽質燃料用の分配率KSPのマップを検索して、現在のエンジン運転状態(例えばエンジン回転速度Neと要求トルク)に応じた軽質燃料用の分配率KSPを算出する。
【0098】
分配率KSPを算出した後、ステップ1008に進み、トータル燃料噴射量Qtotal に分配率KSPを乗算して吸気行程の燃料噴射量QIを求めると共に、トータル燃料噴射量Qtotal から吸気行程の燃料噴射量QIを減算して圧縮行程の燃料噴射量QCを求める。
QI=Qtotal ×KSP
QC=Qtotal −QI
【0099】
その後、上記ステップ1001で、分割噴射要求無しと判定された場合には、ステップ1005に進み、燃料系制御モードが成層燃焼モードであるか否かを判定し、成層燃焼モードであると判定された場合には、ステップ1006に進み、分割噴射無し(分配率KSP=0%)にして、圧縮行程の噴射のみを行うようにする。
【0100】
一方、上記ステップ1005で、燃料系制御モードが成層燃焼モードでない(均質燃焼モードである)と判定された場合には、ステップ1007に進み、分割噴射無し(分配率KSP=100%)にセットして、吸気行程の噴射のみを行うようにする。
【0101】
以上説明した本実施形態(7)によれば、吸気・圧縮行程噴射モードで運転するときに、図16(a)に示すように、軽質燃料(燃料性状が軽質)と判定された場合には分配率KSPを小さくして吸気行程の燃料噴射量QIを少なくし、図16(b)に示すように、重質燃料(燃料性状が重質)と判定された場合には分配率KSPを大きくして吸気行程の燃料噴射量QIを多くする。重質燃料の場合に吸気行程の燃料噴射量QIを多くすれば、燃料が噴射されてから点火されるまでの時間(燃料を霧化させる時間)が長い吸気行程噴射の燃料噴射量QIを多くして、燃料が噴射されてから点火されるまでの時間が短い圧縮行程噴射の燃料噴射量QCを少なくすることができるので、重質燃料の霧化を向上させることができ、重質燃料でも安定燃焼させることができる。
【0102】
尚、上記各実施形態(1)〜(7)では、燃料性状を2段階(重質と軽質)で判定して、燃料噴射条件を2段階で切り換えるようにしたが、燃料性状を3段階以上に判定して、燃料噴射条件を3段階以上に切り換えるようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態(1)におけるエンジン制御システム全体の概略構成図
【図2】エンジン制御メインルーチンの処理の流れを示すフローチャート
【図3】燃焼モード決定ルーチンの処理の流れを示すフローチャート
【図4】燃焼モード切換制御ルーチンの処理の流れを示すフローチャート
【図5】実施形態(1)の噴射時期補正量算出ルーチンの処理の流れを示すフローチャート
【図6】実施形態(1)の燃料噴射時期算出ルーチンの処理の流れを示すフローチャート
【図7】実施形態(1)の実行例を示すタイムチャート
【図8】実施形態(2)の吸気行程噴射時期補正量算出ルーチンの処理の流れを示すフローチャート
【図9】実施形態(2)の実行例を示すタイムチャート
【図10】実施形態(3)の燃料噴射時期算出ルーチンの処理の流れを示すフローチャート
【図11】実施形態(4)の吸気行程分割噴射モード用の分割噴射回数算出ルーチンの処理の流れを示すフローチャート
【図12】(a)は実施形態(4)〜(6)の軽質燃料判定時の噴射パルスの一例を示す図、(b)は実施形態(4)の重質燃料判定時の噴射パルスの一例を示す図、(c)は実施形態(5)の重質燃料判定時の噴射パルスの一例を示す図、(d)は実施形態(6)の重質燃料判定時の噴射パルスの一例を示す図
【図13】実施形態(5)の吸気行程分割噴射モード用の燃料噴射量算出ルーチンの処理の流れを示すフローチャート
【図14】実施形態(6)の吸気行程分割噴射モード用の分割噴射インターバル算出ルーチンの処理の流れを示すフローチャート
【図15】実施形態(7)の吸気・圧縮行程噴射モード用の燃料噴射量算出ルーチンの処理の流れを示すフローチャート
【図16】(a)は実施形態(7)の軽質燃料判定時の噴射パルスの一例を示す図、(b)は実施形態(7)の重質燃料判定時の噴射パルスの一例を示す図
【符号の説明】
11…筒内噴射式エンジン(筒内噴射式内燃機関)、12…吸気管、16…スロットルバルブ、21…燃料噴射弁、22…点火プラグ、25…排気管、30…ECU(燃料性状判定手段,燃料噴射補正手段,燃焼モード切換制御手段)。

Claims (3)

  1. 圧縮行程で筒内に燃料を噴射して成層燃焼させる成層燃焼モードと、吸気行程で筒内に燃料を噴射して均質燃焼させる均質燃焼モードとを切り換える燃焼モード切換制御手段を備えた筒内噴射式内燃機関の燃料噴射制御装置において、
    使用燃料の燃料性状を判定する燃料性状判定手段と、
    前記均質燃焼モードで運転するときに前記燃料性状が重質と判定された場合に、燃料噴射時期を前記吸気行程内で進角補正する燃料噴射補正手段と
    を備えていることを特徴とする筒内噴射式内燃機関の燃料噴射制御装置。
  2. 記燃焼モード切換制御手段は、前記成層燃焼モードで運転するときに前記燃料性状の重質判定に伴って前記燃料噴射補正手段により進角補正された圧縮行程噴射時期が進角側の所定値を越えた場合に、前記成層燃焼モードから前記均質燃焼モードに切り換えることを特徴とする請求項1に記載の筒内噴射式内燃機関の燃料噴射制御装置。
  3. 記燃焼モード切換制御手段は、前記成層燃焼モードで運転するときに前記燃料性状が重質と判定された場合に、前記成層燃焼モードから前記均質燃焼モードに切り換えることを特徴とする請求項1又は2に記載の筒内噴射式内燃機関の燃料噴射制御装置。
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